JPH08143239A - エレベータの停止階指示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 乗客が目的フロアを事前に調べることなく簡
単にエレベータを目的フロアまで運行することのできる
エレベータの停止階指示装置を提供する。 【構成】 停止階指示装置１８に、目的フロアに関連す
る識別名を表示する名称表示ボタン２１を設ける。名称
表示ボタン２１の操作によって、目的フロアでの停止指
令信号がエレベータを制御する制御装置に出力され、エ
レベータかごは目的フロアで停止する。エレベータの乗
客は、目的フロアの階数を知らなくても、エレベータか
ごを所望の目的フロアに停止させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複数のフロア間で移動
するエレベータかご内に設けられ、エレベータかごの移
動を制御する制御装置に接続される停止階指示装置に関
する。エレベータかごに乗り込んだ乗員は、この停止階
指示装置を通じて、エレベータかごを停止させたい目的
フロアを制御装置に指示することができる。

【０００２】

【従来の技術】図９は、例えば地下１階地上１０階建て
の百貨店に設置されたエレベータの概略構成を示す。こ
のエレベータＥは、地下１階から地上１０階まで複数の
フロアＦ１０、Ｆ９、Ｆ８を貫通する昇降路１０１を備
える。エレベータかご１０２は、連結ロープ１０３を通
じて互いに連結された釣合重り１０４との間で重量バラ
ンスをとりつつこの昇降路１０１内を昇降移動する。エ
レベータかご１０２の昇降移動は、昇降路１０１の天井
壁１０１ａを隔てた機械室１０５に配置された制御装置
１０６によって制御される。この制御装置１０６は、連
結ロープ１０３を介してエレベータかご１０２を昇降駆
動する巻上機１０７と、この巻上機１０７の駆動動作を
電気的に制御する制御盤１０８とを備える。

【０００３】制御盤１０８には、エレベータかご１０２
内に設けられた停止階指示装置１０９が接続される。こ
の停止階指示装置１０９は、図１０に示すように、操作
パネル１１０に順番に配置され、各フロアの階数を表示
する複数の階数表示ボタン１１１、１１１ａを備える。

【０００４】例えば乗客が９階へ行きたい場合、９階を
表示する階数表示ボタン１１１ａを押すと、その接点１
１２が閉じ（図１２参照）、ケーブルを通じて停止指令
信号が制御盤１０８に伝達される。制御盤１０８では、
この停止指令信号の供給に応じて９階用登録リレー１１
３のコイルが通電され、その接点１１３ａ、１１３ｂが
閉じられる。接点１１３ａの閉鎖によって９階用登録リ
レー１１３が保持され、接点１１３ｂの閉鎖によって階
数表示ボタン１１１ａの表示ランプ１１４が点灯する
（図１３参照）。階数表示ボタン１１１ａ表面の数字
「９」が浮き彫りにされ、乗客は９階が停止階として制
御装置１０６に登録されたことを確認することができ
る。

【０００５】続いて制御盤１０８は巻上機１０７の駆動
動作を制御し、エレベータかご１０２を９階Ｆ９で停止
させる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来で
は、操作パネルに階数表示ボタンのみが設けられている
ため、乗客は自分の買いたい商品がどのフロアにあるか
をエレベータに乗る前に案内板等で確認し、エレベータ
かごを停止させる目的フロアを一旦数字に置き換えてか
ら停止階指示装置に入力する必要があった。

【０００７】本発明は、上述の実情に鑑みてなされたも
ので、乗客が目的フロアを事前に調べることなく簡単に
エレベータを目的フロアまで運行することのできるエレ
ベータの停止階指示装置を提供することを目的とする。

【０００８】また、本発明は、エレベータかご内におい
て一層簡単に目的フロアを探し出すことのできるエレベ
ータの停止階指示装置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第１発明によれば、複数のフロア間で移動するエレ
ベータかご内に設けられ、エレベータかごの移動を制御
する制御装置に接続されてエレベータかごを停止させる
目的フロアを指示するための停止階指示装置において、
前記目的フロアに関連する識別名を表示する名称表示ボ
タンを備え、この名称表示ボタンの操作に基づいて、目
的フロアでの停止指令信号を制御装置へ出力することを
特徴とする停止階指示装置が提供される。

【００１０】また、第２発明は、第１発明の特徴に加
え、フロアごとに階数を表示する階数表示ボタンを備
え、停止指令信号の出力に基づいて、この階数表示ボタ
ンが点灯することを特徴とする。

【００１１】さらに、第３発明は、第１または第２発明
の特徴に加え、名称表示ボタンは、目的フロアの階数
と、目的フロアに関連する識別名とを順次点灯表示する
ことを特徴とする。

【００１２】さらにまた、第４発明は、第１または第２
発明の特徴に加え、名称表示ボタンを一定の法則の文字
順に従って配列したことを特徴とする。

【００１３】

【作用】第１発明の構成によれば、名称表示ボタンの操
作によってエレベータを目的フロアに停止させることが
できる。その際、エレベータかごに乗り込んだ乗客は、
目的フロアの階数を知らずとも、目標とする識別名を直
接に停止階指示装置に入力することができる。

【００１４】また、第２発明の構成によれば、名称表示
ボタンの操作によって階数表示ボタンが同時に点灯する
ので、名称表示ボタンを操作した乗客は、目的とする識
別名がどのフロアにあるかを容易に知ることができる。

【００１５】さらに、第３発明の構成によれば、名称表
示ボタンの操作によって、識別名が関連するフロアの階
数と、名称表示ボタンの識別名とを順次点灯するので、
乗客は、まず、識別名が関連するフロアの階数を簡単に
知ることができ、続いて、自分が操作した識別名を確認
し続けることができる。

【００１６】さらにまた、第４発明の構成によれば、エ
レベータかご内において一層簡単に目的フロアを探し出
すことができる。

【００１７】

【実施例】以下、添付図面を参照しつつ本発明の好適な
実施例を説明する。

【００１８】本発明に係る停止階指示装置は、従来通り
のエレベータと同様のエレベータに適用される。エレベ
ータの構成を概観すると、図１に示すように、例えば地
下１階地上１０階建ての百貨店に設置されたエレベータ
Ｅは、地下１階から地上１０階まで複数のフロアＦ１
０、Ｆ９、Ｆ８を貫通する昇降路１０を備える。エレベ
ータかご１１は、連結ロープ１２を通じて互いに連結さ
れた釣合重り１３との間で重量バランスをとりつつこの
昇降路１０内を昇降移動する。エレベータかご１１の昇
降移動は、昇降路１０の天井壁１０ａを隔てた機械室１
４に配置された制御装置１５によって制御される。この
制御装置１５は、連結ロープ１２を介してエレベータか
ご１１を昇降駆動する巻上機１６と、この巻上機１６の
駆動動作を電気的に制御する制御盤１７とを備える。

【００１９】制御盤１７には、エレベータかご１１内に
設けられた停止階指示装置１８が接続される。この停止
階指示装置１８は、図２に示すように、操作パネル１９
に順番に配置され、各フロアの階数を表示する複数の階
数表示ボタン２０と、各フロアに関連する識別名を表示
する名称表示ボタン２１とを備える。名称表示ボタンに
は、目的フロアに関連する識別名として、例えば、「紳
士服」、「婦人服」といった売場名が記されている。一
定の法則の文字順、例えば、５０音順やアルファベット
順に従って売場名を各名称表示ボタン２１に割り当てれ
ば、乗客は、行きたい売場を簡単且つ迅速に検索するこ
とが可能となる。また、衣類、日用品や趣味関係といっ
た商品分類別に売場名を割り当ててもよい。なお、本発
明をオフィスビルのエレベータに適用した場合には、名
称表示ボタン２１の表面に、各フロアに入居した企業名
等を割り当てればよい。

【００２０】図３に示すように、階数表示ボタン２０
は、例えば透明な合成樹脂からなり、その表面２２にフ
ロアの階数を示す記号「Ｂ」、「１」〜「１０」が記さ
れている。各階数表示ボタン２０は、表示パネル１９に
その裏面側から弾発的に進退可能にはめ込まれる。階数
表示ボタン２０の裏面側には、点灯時に記号「Ｂ」、
「１」〜「１０」を浮き彫りにする表示ランプ２３が配
置されている。

【００２１】図４に示すように、名称表示ボタン２１
は、表面に売場名が記された透明な合成樹脂製ボタン本
体２４と、このボタン本体２４の中央部に組み込まれ
て、売場が存在するフロアの階数が表面に記された透明
な合成樹脂製階数表示体２５とを備える。階数表示体２
５が組み込まれたボタン本体２４は、表示パネル１９に
その裏面側から弾発的に進退可能にはめ込まれる。この
ボタン本体２４の裏面側には、点灯時にボタン本体２４
の売場名を浮き彫りにする一対の名称表示用ランプ２６
が配置される。階数表示体２５の裏面には箱型の遮光板
２７が設けられ、この遮光板２７に囲まれて、点灯時に
階数表示体２５の階数を浮き彫りにする階数表示用ラン
プ２８が配置される。

【００２２】なお、操作パネルの１９には、リレーおよ
びマイクロコンピュータを備えた呼び検出装置Ｃが内蔵
されている。この呼び検出装置Ｃについては後述する。

【００２３】次に、本実施例に係る停止階指示装置を備
えたエレベータの作動を説明する。例えば、乗客がエレ
ベータＥを利用して９階Ｆ９にある紳士服売場に行きた
いと仮定する。エレベータかご１１に乗り込んだ乗客
が、「紳士服」と表示された名称表示ボタン２１を押圧
操作すると、この操作に基づいて、停止階指示装置１８
は目的フロア９階Ｆ９での停止指令信号を出力する（図
５（ａ）参照）。この出力に基づいて、図５（ｂ）に示
すように、まず、名称表示ボタン２１の階数表示用ラン
プ２８が点灯し、階数表示体２５が記号「９」を浮き彫
りにして、紳士服売場が９階にあることを乗客に知らせ
る。遮光板２７の働きによって、階数表示用ランプ２８
の点灯によっては文字「紳士服」は点灯表示されない。
このとき同時に、階数表示ボタン２０の表示ランプ２３
が点灯し、記号「９」が浮き彫りにされる。乗客は９階
が確かに停止階として登録されたことを確認する。

【００２４】乗客が名称表示ボタン２１から手を離して
から所定時間経過すると、図５（ｃ）に示すように、階
数表示用ランプ２８が消灯する。同時に、名称表示ボタ
ン２１の１対の名称表示用ランプ２６が点灯し、文字
「紳士服」が浮き彫りにされる。階数表示ボタン２０の
記号「９」と名称表示ボタン２１の「紳士服」とが点灯
表示され続ける。

【００２５】エレベータの制御装置１５では、巻上機１
６の駆動を制御し、エレベータかご１１を９階Ｆ９に停
止させる。この停止によって、停止階の登録が解除さ
れ、階数表示ボタン２０の表示ランプ２３および名称表
示ボタン２１の名称表示用ランプ２６が消灯する。

【００２６】予め紳士服売場が９階Ｆ９にあることを知
っていれば、乗客は「９」の表示のある階数表示ボタン
２０を押すことができる。階数表示ボタン２０の表示ラ
ンプ２３が点灯し、記号「９」が浮き彫りにされる。こ
の操作に基づいて、停止階指示装置１８は目的フロア９
階Ｆ９での停止指令信号をエレベータＥの制御装置１５
へ出力する。エレベータＥの制御装置１５では、巻上機
１６の駆動を制御し、エレベータかご１１を９階Ｆ９に
停止させる。この停止によって、停止階の登録が解除さ
れ、階数表示ボタン２０の表示ランプ２３が消灯する。

【００２７】エレベータＥの運行途中で他の乗客が乗り
込んできた場合を考慮して、すでに名称表示ボタン２１
が点灯しているときでも乗客が名称表示ボタン２１を押
圧操作すると、対応する階数表示ボタン２０が点滅した
りすれば、より一層、エレベータＥの利便性が向上す
る。

【００２８】ここで、図６〜図８に示すリレー回路を用
いて、停止階指示装置１８の動作を詳細に説明する。い
ま、「紳士服」を表示する名称表示ボタン２１が押圧操
作されると接点２１ａ、２１ｂが閉じる。接点２１ａの
閉鎖に応答して、タイマー付きリレー３０のコイルが通
電され、接点３０ａが閉じられる。これにより名称表示
ボタン２１の階数表示用ランプ２８が点灯し、階数表示
体２５の記号「９」を浮き彫りにする。また、接点２１
ｂが閉鎖されると、呼び検出装置Ｃは、予め内蔵された
プログラムに従って、紳士服売場が９階にあることを認
識する。呼び検出装置Ｃから出力される信号によって、
９階の登録補助リレー３１のコイルが通電されると、接
点３１ａが閉じ、この接点３１ａの閉鎖に伴い名称表示
ボタン２１の登録リレー３２のコイルが通電される。

【００２９】登録リレー３２のコイルの通電によって２
つの接点３２ａ、３２ｂが閉じられる。接点３２ａの閉
鎖は、名称表示ボタン２１の登録リレー３２を保持す
る。また、接点３２ｂが閉鎖されると、接点３３ａが閉
じていることから、階数表示ボタン２０の表示ランプ２
３が点灯する。接点３３ａは、階数表示ボタン２０の登
録リレー３３のコイルが通電されると開放される接点で
ある。

【００３０】名称表示ボタン２１の押圧操作が解除され
ると、タイマー付きリレー３０のコイルの通電が断た
れ、タイマー付きリレー３０の時限カウントが開始され
る。タイマー付きリレー３０の接点３０ａは、一定時間
の時限カウントが終了した時点で開放され、名称表示ボ
タン２１の階数表示用ランプ２８が消灯する。タイマー
付きリレー３０の他の接点３０ｂは、時限カウントが終
了した時点で閉じ、名称表示ボタン２１の名称表示用ラ
ンプ２６を点灯する。

【００３１】ある名称表示ボタン２１が「紳士服」を点
灯表示している間に、紳士服売場と同一のフロアにある
呉服売場を表示する「呉服」名称表示ボタン２１が押圧
操作されたと仮定する。前述と同様に、タイマー付きリ
レー３０の接点３０ａが閉鎖している間は表示ランプ２
８が点灯する。続いて、接点３０ａの開放に伴い他の接
点３０ｂが閉じると、名称表示用ランプ２６が点灯し、
文字「呉服」が浮かび上がる。しかし、このとき、呼び
検出装置Ｃがすでに９階を登録しているため、「呉服」
名称表示ボタン２１の接点２１ｂが閉じても、９階の登
録補助リレー３１のコイルへは信号が送られない。

【００３２】通常の通り、階数表示ボタン２０が押圧操
作されると、接点２０ａが閉じ、階数表示ボタン２０の
登録リレー３３のコイルが通電される。このコイルの通
電に応答して２つの接点３３ｂ、３３ｃが閉じる。これ
によって登録リレー３３が保持されるとともに、階数表
示ボタン２０の表示ランプ２３が点灯する。このとき、
タイマー付きリレー３０のコイルは通電されないため、
名称表示ボタン２１の名称表示用ランプ２６は点灯しな
い。

【００３３】

【発明の効果】以上のように、第１発明によれば、エレ
ベータかごに乗り込んだ乗客は、目的フロアの階数を知
らずとも、目標とする識別名を直接に停止階指示装置に
入力してエレベータかごを目的フロアに停止させること
ができる。したがって、乗客は、目的フロアを事前に調
べることなく簡単にエレベータを目的フロアまで運行す
ることができる。

【００３４】また、第２発明によれば、乗客が名称表示
ボタンを操作した場合でも、その識別名が関連するフロ
アを簡単に知ることができる。

【００３５】さらに、第３発明によれば、乗客は、ま
ず、識別名が関連するフロアの階数を簡単に知ることが
でき、続いて、自分が操作した識別名を確認し続けるこ
とができる。

【００３６】さらにまた、第４発明によれば、エレベー
タかご内において一層簡単に目的フロアを探し出すこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る停止階指示装置が適用
されたエレベータの概略構成図である。

【図２】停止階指示装置の拡大平面図である。

【図３】階数表示ボタンの縦断面図である。

【図４】名称表示ボタンの縦断面図である。

【図５】停止階指示装置の作用を示す説明図である。

【図６】停止階指示装置の内部構成を示すリレー回路図
である。

【図７】停止階指示装置の内部構成を示すリレー回路図
である。

【図８】停止階指示装置の内部構成を示すリレー回路図
である。

【図９】従来の停止階指示装置が適用されたエレベータ
の概略構成図である。

【図１０】従来の停止階指示装置の拡大平面図である。

【図１１】階数表示ボタンの縦断面図である。

【図１２】停止階指示装置の内部構成を示すリレー回路
図である。

【図１３】停止階指示装置の内部構成を示すリレー回路
図である。

【符号の説明】

１１ エレベータかご，１５ 制御装置，１８ 停止階
指示装置，２０ 階数表示ボタン，２１ 名称表示ボタ
ン，Ｆ８、Ｆ９、Ｆ１０ フロア

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のフロア間で移動するエレベータか
   ご内に設けられ、エレベータかごの移動を制御する制御
   装置に接続されてエレベータかごを停止させる目的フロ
   アを指示するための停止階指示装置において、 前記目的フロアに関連する識別名を表示する名称表示ボ
   タンを備え、この名称表示ボタンの操作に基づいて、目
   的フロアでの停止指令信号を制御装置へ出力することを
   特徴とする停止階指示装置。
2. 【請求項２】 前記フロアごとに階数を表示する階数表
   示ボタンを備え、前記停止指令信号の出力に基づいて、
   この階数表示ボタンが点灯することを特徴とする請求項
   １記載の停止階指示装置。
3. 【請求項３】 前記名称表示ボタンは、目的フロアの階
   数と、目的フロアに関連する識別名とを順次点灯表示す
   ることを特徴とする請求項１または２記載の停止階指示
   装置。
4. 【請求項４】 前記名称表示ボタンを一定の法則の文字
   順に従って配列したことを特徴とする請求項１または２
   記載の停止階指示装置。