JPH08142678A - ドアパネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両用ドアのドアパネルにおいて、サッシュ
を精度良く取り付けることができるようにする。 【構成】 車両用ドアのベルトラインより下方におい
て、アウタドアパネル１１とインナドアパネル１２との
端部が重ね合わせて連結され、インナドアパネル１２の
段付部２１に、断面略コ字状の下側サッシユ２４の底部
２５がスポット溶接されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両用ドアにおけるド
アパネルの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】車両用ドアにおける従来のドアパネル
は、図６〜図８に示されているように、窓枠１の部分で
断面略コ字状のサッシュ２の両端縁とアウタドアパネル
３及びインナドアパネル４の各端縁とが、適宜の間隔を
おいてなされたスポット溶接によりそれぞれ連結されて
いると共に、ベルトライン５より下方ではアウタドアパ
ネル３及びインナドアパネル４間にサッシュ２の両脚部
６がそれぞれ垂下している。

【０００３】この場合、ドアパネルにおけるサッシュ２
の位置決めは、サッシュ２とアウタドアパネル３及びイ
ンナドアパネル４との上記スポット溶接により行われて
いるが、サッシュ２の両端縁をアウタドアパネル３及び
インナドアパネル４の各端縁の側面に当ててスポット溶
接しているため、スポット溶接時の打点位置がばらつい
て、サッシュ２の両脚部６間における前後距離、すなわ
ち、前後サッシュ間隔Ｓの寸度が安定しにくく、また、
ベルトライン５の下方において図示しないブラケットに
よりサッシュ両脚部６をそれぞれ固定するようにして
も、上方のスポット溶接による影響を受けて、やはり前
後サッシュ間隔Ｓの精度が低下しやすかった。従って、
サッシュ両脚部６に沿ってドアガラス７を昇降させると
き、ドアガラス７の端縁がサッシュ両脚部６の底部に当
たったり、車両の前後方向にがたついたりして、ドアガ
ラス７の昇降がスムースにいかないといった不具合を起
こすおそれがあった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、車両用ドア
のドアパネルにおいて、サッシュを精度良く取り付ける
ことができるようにしようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このため、本発明にかか
るドアパネルは、それぞれの端部が互いに連結されたア
ウタドアパネル及びインナドアパネルと、上記アウタド
アパネルまたは上記インナドアパネルの上記アウタドア
パネル外面にほぼ垂直な段付部に底部がスポット溶接さ
れたサッシュとをそなえている。

【０００６】

【作用】すなわち、プレス成形のため寸法精度の高いア
ウタドアパネルまたはインナドアパネルのアウタドアパ
ネル外面にほぼ垂直な段付部に、サッシュの底部がスポ
ット溶接されているため、ドアパネルにおけるサッシュ
の寸法管理が容易化されて、ベルトラインの下方におけ
る前後サッシュ間隔の精度を比較的簡単に向上させるこ
とができる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例について、同等部分に
は同一符号を付けて説明する。図１〜図４において、キ
ャブオーバトラック等の車両用ドア１０はアウタドアパ
ネル１１及びインナドアパネル１２から主体部が構成さ
れ、ベルトライン１３付近より上方の窓枠部分１４で
は、アウタドアパネル１１のフランジ１５とインナドア
パネル１２のフランジ１６とがスポット溶接により連結
されると共に、アウタドアパネル１１の外面にほぼ垂直
となるようにプレス成形されたアウタドアパネル１１の
段付部１７に、断面略Ｌ字状上側サッシュ１８の底部１
９がスポット溶接されて、上側サッシュ１８が窓枠部分
１４に沿って配置されている。

【０００８】また、ドア１０のベルトライン１３付近よ
り下方の部分２０では、アウタドアパネル１１及びイン
ナドアパネル１２の端部がそれぞれ互いに重ね合わせて
連結されると共に、アウタドアパネル１１の外面にほぼ
垂直となるようにプレス成形されたインナドアパネル１
２の前後段付部２１には、それぞれ前後方向に凹んだ前
方のヒンジ取付け面２２及び後方のラッチ取付け面２３
を除く部分で、それぞれ断面略コ字状下側サッシュ２４
の底部２５がスポット溶接されて、前後の下側サッシュ
２４がサッシュ両脚部を構成し、それらの間から上側サ
ッシュ１８に向かってドアガラス２６が昇降して、ドア
ガラス２６の上端縁が上側サッシュ１８の側部とアウタ
ドアパネル１１のフランジ１５との間に挿入されるよう
になっている。

【０００９】この場合、プレス成形のため寸法精度の高
いインナドアパネル１２の前後段付部２１に、それぞれ
前後の下側サッシュ２４の底部２５がスポット溶接され
ているため、前後下側サッシュ２４の間隔について寸法
精度を高くすることが従来よりもはるかに容易となり、
従って、昇降するドアガラス２６と前後下側サッシュ２
４との隙間がほぼ一定に保たれて、それらの間の摺動抵
抗が従来よりも大幅に軽減され、ドアガラス２６の昇降
を常にスムースに行わせることができるようになり、ま
た、プレス成形のため寸法精度の高いアウタドアパネル
１１の段付部１７に、上側サッシュ１８の底部１９がス
ポット溶接されているため、窓枠部分１４において上側
サッシュ１８を容易に高い精度で配置することが可能と
なる。

【００１０】図５は本発明の他の実施例において、上記
実施例の図２に相当する部分を示しており、アウタドア
パネル１１の外面にほぼ垂直となるようにプレス成形さ
れたインナドアパネル１２の段付部３０に対し、断面略
Ｌ字状上側サッシュ３１が上記実施例の場合とドアの内
外方向に逆向きに配置されて、上側サッシュ３１の底部
３２ががスポット溶接されると共に、アウタドアパネル
１１のフランジ１５とインナドアパネル１２のフランジ
１６とが、やはり上記実施例の場合とドアの内外方向に
逆向きに室外側へ形成されて、スポット溶接により連結
され、ドアガラスが上昇したとき、その上端縁が上側サ
ッシュ３１の側部とインナドアパネル１２のフランジ１
６との間に挿入されるようになっていて、他の部分は上
記実施例と同等の構造をそなえ、この場合も上記実施例
と同等の作用効果を奏することができる。

【００１１】

【発明の効果】本発明にかかるドアパネルにおいては、
プレス成形のため寸法精度の高いインナドアパネルの段
付部にサッシュの底部がスポット溶接されて、前後サッ
シュ間隔の精度を比較的簡単に向上させることができる
ので、前後のサッシュ間を昇降するドアガラスと前後サ
ッシュとの隙間がそれぞれ一定に保たれて、ドアガラス
の昇降を常にスムースに行わせることができるようにな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例における概略側面図。

【図２】図１のII−II断面拡大図。

【図３】図１の III−III 断面拡大図。

【図４】図１のIV部拡大斜視図。

【図５】本発明の他の実施例における要部断面図。

【図６】従来装置における概略側面図。

【図７】図６の VII−VII 断面拡大図。

【図８】図６のVIII−VIII断面拡大図。

【符号の説明】

１０ 車両用ドア １１ アウタドアパネル １２ インナドアパネル １７ 段付部 １８ 上側サッシュ １９ 底部 ２１ 段付部 ２４ 下側サッシュ ２５ 底部 ２６ ドアガラス ３０ 段付部 ３１ 上側サッシュ ３２ 底部

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 それぞれの端部が互いに連結されたアウ
   タドアパネル及びインナドアパネルと、上記アウタドア
   パネルまたは上記インナドアパネルの上記アウタドアパ
   ネル外面にほぼ垂直な段付部に底部がスポット溶接され
   たサッシュとをそなえたドアパネル。
2. 【請求項２】 請求項１において、上記段付部が上記ア
   ウタドアパネルまたは上記インナドアパネルのベルトラ
   イン付近より下方に設けられたドアパネル。
3. 【請求項３】 請求項２において、上記段付部が上記ア
   ウタドアパネルまたは上記インナドアパネルの前後にそ
   れぞれ設けられたドアパネル。
4. 【請求項４】 請求項１〜請求項３のいずれかにおい
   て、上記段付部が上記アウタドアパネルまたは上記イン
   ナドアパネルのベルトライン付近より上方に設けられた
   ドアパネル。
5. 【請求項５】 請求項４において、上記アウタドアパネ
   ルまたは上記インナドアパネルのベルトライン付近より
   上方に設けられた上記段付部に上側サッシュの底部がス
   ポット溶接され、上記アウタドアパネルまたは上記イン
   ナドアパネルのベルトライン付近より下方に設けられた
   上記段付部に下側サッシュの底部がスポット溶接された
   ドアパネル。
6. 【請求項６】 請求項４または請求項５において、上記
   アウタドアパネルまたは上記インナドアパネルのベルト
   ライン付近より上方に設けられた上記段付部に底部がス
   ポット溶接された上側サッシュの断面が略Ｌ字状である
   ドアパネル。
7. 【請求項７】 請求項２〜請求項６のいずれかにおい
   て、上記アウタドアパネルまたは上記インナドアパネル
   のベルトライン付近より下方に設けられた上記段付部に
   底部がスポット溶接された下側サッシュの断面が略コ字
   状であるドアパネル。