JPS6111062Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車における摺動屋根、詳しくは自
動車の屋根に穿設する開口部近くにガイドレール
を設け、このガイドレールにウエザーストリツプ
を介して摺動自在に支持され、且つ上板と下板と
の周縁を接合して構成される摺動屋根に関する。

一般にこの種の摺動屋根は、第３図に示すごと
くその周縁を、自動車の屋根Ｃの開口部Ｄ近傍に
摺接したガイドレールＥの嵌入部Ｆに嵌合させる
と共に、該ガイドレールＥに取付けたウエザース
トリツプＧ上に載置して、該ウエザーストリツプ
Ｇを介して前記ガイドレールＥ上を摺動させるよ
うにしていることから、前記ウエザーストリツプ
Ｇには前記摺動屋根の全重量が作用し、そのため
該ウエザーストリツプＧの強度を高めるために、
該ウエザーストリツプＧを幅広に形成している。

ところで以上のガイドレールに支持する摺動屋
根の従来構造は、第３図に概略的に示すごとく下
板Ａとこの下板Ａよりも一回り大きく形成した上
板Ｂとから成り、前記上下両板Ａ，Ｂの周縁部を
重ね合わせた上で前記上板Ｂの周縁を第３図のご
とく下方に折曲げて前記摺動根の周縁をヘミング
しているが、この摺動屋根を前記ガイドレールＥ
のウエザーストリツプＧ上に載置すると、該ウエ
ザーストリツプＧが幅広であること並びに該ウエ
ザーストリツプＧに前記摺動屋根の全重量が作用
することともあいまつて、前記上板の折曲げ端面
と前記下板Ａとの接合段部が、前記ウエザースト
リツプＧにかなりの力で圧接することとなり、そ
のため前記摺動屋根の摺動抵抗が非常に大きくな
り、前記ガイドレールに対し円滑にスライドしな
くなるのである。

ところで以上の問題点に対しては、前記上板Ｂ
の下方への折曲げ長さを短くしたり、あるいは長
くすることが考えられるが、前記上板Ｂの折曲げ
を短くすると、ヘミング加工が非常に困難となつ
て、前記上板と下板とを確実に接合することが出
来なくなる不具合があるし、一方前記上板Ｂの折
曲げ長さを長くすると、それだけ摺動屋根の重量
が増大すると云う不具合があり、そのため従来で
は、第３図に示すごとく、前記摺動屋根の周縁に
プロテクターＨを組付けていたのである。

しかしながら前記プロテクターＢを取りつける
と前記ガイドレールＥの嵌入部Ｆに嵌合する前記
摺動屋根の周縁の厚さが増大し、そのため前記嵌
入部Ｆを大きく形成しなければならず、従つて全
体としてレールＥの高さがそれぞれ高くなつてし
まつて自動車の外観を損なうばかりか空気抵抗や
重量も増大するという問題があつた。

本考案はこのような実情に鑑みて考案したもの
で、目的とする処は、極めて円滑な摺動が期待出
来、しかもガイドレールの高さを極力おさえるこ
との出来る自動車における摺動屋根を提供せんと
するにある。

以下本考案にかかる自動車における摺動屋根を
図に示す実施例に従つて説明する。

図において１は、ワゴンタイプの自動車の屋根
であつて、この屋根１のほゞ中央に開口部１０を
形成するとともに、この開口部１０の周縁に上方
に屈曲したフランジ１１を一体に形成している。

２は、前記屋根１の開口部１０における前縁と
左右両側縁、並びに左右両側縁の後方延長線上に
敷設される断面略コ字形のガイドレールであつ
て、このガイドレール２の前記開口部１０と相対
する内側面に後記する摺動屋根５の支持壁２１並
びに摺動屋根５の周縁部が嵌合する嵌入部２２を
設けている。

前記ガイドレール２は前記フランジ１１より所
定間隔離した屋根上にパツキング３を介してボル
トなどの固定手段により固定され、該ガイドレー
ル２と前記フランジ１１との間に、該フランジ１
１とガイドレール２並びに前記屋根１とによつて
形成される樋４を設けている。

又前記パツキング３の下面には該パツキング３
の幅方向両側面に開口し、且つ途中経路をパツキ
ングの長さ方向に屈曲させてなる水抜通路３１を
形成している。

５は前記ガイドレール２の嵌入部２２に嵌合し
て前記支持壁２１に摺動自由に支持される摺動屋
根で、上板５ａと下板５ｂとからなるのであつ
て、本考案はこの摺動屋根５における前記下板５
ｂを前記上板５ａよりも一回り大きく形成して、
延長部５０を設けると共に、該延長部５０を前記
上板５ａの上面側に折曲げてヘミングし、これに
より前記上板５ａを前記下板５ｂに、前記延長部
５０を介して接合したのである。

そして図に示す実施例では前記下板５ｂの延長
部分５０の端面と前記上板５との接合段部にシー
ラー５１を塗着して前記上板５ａと下板５ｂとの
接合部に雨水等が侵入するのを防止するごとくし
ている。

尚、図中２３，３０は前記ガイドレール２の上
側端部及び該レール２の支持壁２１に取りつけた
ウエザーストリツプであつて、前記ガイドレール
２の上側端部に取付けたウエザーストリツプ２３
は、前記嵌入部２２内に雨水の侵入を阻止するだ
けの機能でよいので、前記摺動屋根５との接触部
位を幅狭に形成して、前記摺動屋根２に軽く接触
させているのに対し、前記支持壁２１に取付けた
ウエザーストリツプ３０は、前記摺動屋根５の全
重量が作用するので、幅広に形成している。

又１２は前記フランジ１１に設けたウエザース
トリツプ、又６は前記屋根１における開口部１０
周縁の下面に周設した補強メンバーである。

以上のごとく本考案によれば、下板の周縁を外
力に延長して、該延長部を前記上板の上面側に折
曲げてヘミングし、前記上板を前記下板に、前記
折曲げ部を介して接合したので、ガイドレールに
組付けたウエザーストリツプと圧接する前記摺動
屋根の下面周縁を平滑面とすることが出来、従つ
て該摺動屋根を前記ガイドレールに前記ウエザー
ストリツプを介して載置するも、該摺動屋根は前
記ガイドレールに対して円滑に摺動するのであ
る。

従つて、従来の如く前記摺動屋根の周縁に、別
途プロテクターを取りつける必要がなくなり、そ
のため前記摺動屋根が嵌合するガイドレールの嵌
入部の幅を従来より小さくすることが出来、それ
だけ前記ガイドレールの高さが低くなつて車に作
用する空気抵抗も減少し且つ車の外観も良好とな
るのであり、それでいながら前記上板の上面側に
折曲げる前記延長部の長さもヘミングするに適し
た寸法に自由に設定することが出来るので、前記
摺動屋根の重量が必要以上に増すことはないし、
又前記上板と前記下板とを確実に接合することも
出来るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる摺動屋根を備えた自動
車の一部省略斜視図、第２図は第１図−線拡
大断面図、又第３図は従来の摺動屋根を示す要部
の断面図である。 １……屋根、２……ガイドレール、５……摺動
屋根、５ａ……上板、５ｂ……下板、５０……延
長部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車の屋根に穿設する開口部近くにガイドレ
   ールを設け、このガイドレールにウエザーストリ
   ツプを介して摺動自由に支持され、且つ上板と下
   板との周縁を接合して構成される摺動屋根であつ
   て、前記下板の周縁を外方に延長して、該延長部
   を前記上板の上面側に折曲げてハミングし、前記
   上板を前記下板に、前記折曲げ部を介して接合し
   たことを特徴とする自動車における摺動屋根。