JPS6240815Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、車両用スライドドアガイド機構の
改良に関する。

従来、いわゆるワンボツクスカー等の車両にお
いては、車両側面に前後方向に該側面に沿つてス
ライドされ、車両側面開口を開閉するためのスラ
イドドアが設けられている。

このようなスライドドアを有する車両において
は、スライドドアを前後方向に案内するととも
に、該スライドドアの自重の一部または全部を支
えるために、スライドドアにより開閉される車両
側面開口の下側辺に沿つて設けられたガイドレー
ルと、前記スライドドア下部にアームを介して取
付けられるとともに、前記ガイドレールに転接す
るローラと、を備えた車両用スライドドアガイド
機構が設けられている。

このような車両用スライドドアガイド機構にお
いては、ガイドレールが開口の下側辺に沿つて設
けられているために、スライドドアの開口長さが
開口の下側辺の長さの範囲内、すなわち、スライ
ドドア下側辺の前後長の範囲内に限定され、従つ
て、例えば開口の下側辺がホイールアーチの一部
にかかつていて、ドア下部の前後長をドア上部の
前後長よりも短くするようなデザインを採用する
場合、スライドドアの充分な開口幅を得ることが
できないこともあり得るという問題点があつた。

この考案は上記従来の問題点に鑑みてなされた
ものであつて、スライドドアの開口幅がホイール
アーチ等によつて制限されないようにした車両用
スライドドアガイド機構を提供することを目的と
する。

この考案は、スライドドアにより開閉される車
両側面開口の下側辺に沿つて設けられたガイドレ
ールと、前記スライドドア下部にアームを介して
取付けられるとともに前記ガイドレールに転接す
るローラと、を備えた車両用スライドドアガイド
機構において、前記ガイドレールを前記開口の前
側辺または後側辺を構成するピラーの下側にまで
前方または後方に延長して配置するとともに、前
記スライドドアの下部のアームを、前記ガイドレ
ールの延長部に対応してスライドドア前端または
後端から前方または後方にオフセツトして取付け
ることにより上記目的を達成するものである。

またこの考案は、前記車両用スライドドアガイ
ド機構において、前記ガイドレールの延長部を、
前記ピラーの下側において、車体幅方向内方へ屈
曲させることにより上記目的を達成するものであ
る。

以下本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

この実施例は、第１図〜第３図に示されるよう
に、スライドドア１により開閉される車両２側面
開口３の下側辺３Ａに沿つて設けられたガイドレ
ール４と、前記スライドドア１下部にアーム５を
介して取付けられるとともに前記ガイドレール４
に転接するローラ６と、を備えた車両用スライド
ドアガイド機構において、前記ガイドレール４を
前記開口３の前側辺を構成するピラー７の下側に
まで前方に延長して配置するとともに、前記スラ
イドドア１下部のアーム５を、前記ガイドレール
４の延長部に対応してスライドドア１前端から前
方にオフセツトして取付けたものである。

すなわち、車両２のフロアの車体幅方向両側端
において、閉断面８を形成するように一体的に取
付けられたロツカインナパネル９およびロツカア
ウタパネル１０のうち、ロツカアウタパネル１０
の一部を切欠き、この部分にスライドドアガイド
ロアパネル１１を取付け、このスライドドアガイ
ドロアパネル１１と、前記ロツカアウタパネル１
０の間のスペース１２にガイドレール４を取付け
るとともに、該スペース１２をピラー７の下方か
つ車体幅方向内側にまで屈曲延在させ、ガイドレ
ール４もこれに沿つて屈曲延在させたものであ
る。

また、前記アーム５も、前記ガイドレール４の
屈曲部４Ａに対応して、スライドドア１が全閉状
態の時、ローラ６がガイドレール４の屈曲部４Ａ
の最奥部に位置するように、ローラ６をオフセツ
トして支持するようになされている。

図の符号７Ａ、７Ｂはセンタピラー７を構成す
るセンタピラーアウタパネルおよびセンタピラー
インナパネルをそれぞれ示す。

この実施例においては、ガイドレール４が、そ
の屈曲部４Ａにおいて、センタピラー７の下側で
かつ車体幅方向内方に屈曲延在され、かつアーム
５もこの屈曲部４Ａに対応してスライドドア１か
らオフセツトした位置にローラ６を支持するの
で、スライドドア１のスライド範囲を、開口３の
下側辺における前後長と無関係に延長でき、従つ
て、スライドドア１の開口幅を開口３の最大前後
長と一致させることができる。

なお上記実施例において、スライドドアは車両
の後方にのみ開く場合のものであるが、これは実
施例に限定されるものでなく、従つて本考案はス
ライドドアが車両前方に開かれる場合も包含する
ものである。

この場合は、ガイドレールは開口の後側辺を構
成するピラーの下側に延在されるものである。

本考案は上記のように構成したので、スライド
ドアのスライド範囲を、開口の前後長と無関係に
設定することができ、従つて、スライドドアの下
側辺が例えばホイールアーチ等にかかる場合で
も、スライドドアを開口全幅にわたつて開けるよ
う移動させることができ、乗員の乗降性等を大幅
に改善できるという優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車両用スライドドアガイ
ド機構を実施した車両を示す斜視図、第２図は第
１図のＡ部を拡大して示す斜視図、第３図および
第４図は第２図の−線および−線に沿う
断面図である。 １……スライドドア、２……車両、３……開
口、３Ａ……下側辺、４……ガイドレール、５…
…アーム、６……ローラ、７……センタピラー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) スライドドアにより開閉される車両側面開口
   の下側辺に沿つて設けられたガイドレールと、
   前記スライドドア下部にアームを介して取付け
   られるとともに前記ガイドレールに転接するロ
   ーラと、を備えた車両用スライドドアガイド機
   構において、前記ガイドレールを前記開口の前
   側辺または後側辺を構成するピラーの下側にま
   で前方または後方に延長して配置するととも
   に、前記スライドドアの下部のアームを、前記
   ガイドレールの延長部に対応してスライドドア
   前端または後端から前方または後方にオフセツ
   トして取付けたことを特徴とする車両用スライ
   ドドアガイド機構。 (2) 前記ガイドレールの延長部を、前記ピラーの
   下側において、車体幅方向内方へ屈曲させたこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の車両用スライドドアガイド機構。