JP3556571B2 - スライドドアの支持構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のスライドドアの支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両には、車体にスライド自在に支持され、車体の乗降用開口部を開閉するスライドドアを備えたものがある。スライドドアの支持構造は、例えば図8に示すように、車体101には乗降用開口部102の上縁に沿ってアッパーレール103が設けられている。一方、スライドドア111の内側には車体101に向かって延在するアーム112が固定されており、このアーム112の内端部にはアッパーレール103に沿って移動するアッパーローラ113が設けられている。これにより、スライドドア111の上部はアッパーローラ113を介してアッパーレール103にスライド自在に支持されている。
【0003】
このスライドドア111の支持構造では、スライドドア111を開ける際に車体101との干渉を防ぐために、車体外側方向へ引き出しながら車体後方に移動させる必要から、アッパーレール103において、スライドドア111の閉位置近傍Cから前側部分103aを大きく内側に湾曲させて形成している。
【0004】
このため、アッパーレール103の前側部分103aは車室内に大きく張り出された状態となるので、車室内の寸法が狭く、かつ、見栄えが良くなかった。これを解決するために、図9に示すようなスライドドア201の支持構造が提案されている(実開昭62−171315号参照)。
【0005】
このスライドドア201の支持構造は、スライドドア開口部211の下辺上面に前後方向に延びるように設けられた直線状の主レール202と、主レール202上で転子203,203を介して前後方向Tに走行する走行体204と、走行体204に一端が、スライドドア201に他端が、それぞれヒンジ部205、206で結合され、かつ中間部に縦軸ローラ207をもつ連結体208と、主レール202と平行に延び、かつスライドドア閉位置近傍Cで内側に湾曲するとともに縦軸ローラ207をスライド案内する副レール209とから構成されている。
【0006】
これにより、スライドドア201を閉める際には、縦軸ローラ207が湾曲した副レール209で案内されることにより、図7中に作動軌跡を示すように、連結体208が走行体204側のヒンジ部205を中心としてスライドドア閉方向Zに強制回動され、漸次起立状態から畳み込み状態になる。
【0007】
このとき、連結体208のドア側ヒンジ部206が、車幅方向Wに移動することにより、スライドドア閉位置近傍Cからスライドドア閉位置Pcにかけてのスライドドア201の車幅方向Wの移動量を得ているので、スライドドア閉位置近傍Cからの副レール209の内方湾曲量を小さくすることができる。
【0008】
したがって、このスライドドア201の支持構造では、図6に示したスライドドア111の支持構造に比べてレールによる車室内空間の削減を抑えることが可能となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなスライドドア201の支持構造においては、ドア側ヒンジ部206が、転子203,203や縦軸ローラ207よりもスライドドア閉方向Z側で作動することから、スライドドア閉方向Zへの移動に伴って、ドア側ヒンジ部206の作動軌跡分が、両レール202,209、転子203,203、走行体204を合わせた車幅方向Wの寸法に加わるので、車幅方向Wの寸法はまだ大きい。
【0010】
このため、乗降又は荷物の積み卸し作業を便利にするため、スライドドア開口部211の有効開口前後長(スライドドア201の開時におけるピラー後端221aからスライドドア前端201aまでの寸法)を大きくする場合に、図示しないルーフレール及びピラー221内に両レール202,209のスライドドア閉方向Z側の先端部202a,209aを配し、転子203、走行体204、連結体208の各一部、ドア側ヒンジ部206をルーフレール及びピラー221内に導こうとすると、ピラー221の貫通孔221bが大きくなるため、ピラー221の強度が低下してしまう。
【0011】
これを解決するため、図7中の一点鎖線で示すようにピラー221の外側に凹部221cを形成した場合でも、ピラー221の断面積が小さくなるのでピラー221の強度が低下してしまう問題があった。
【0012】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、スライドドア開口部の有効前後長の拡大を図るため、車幅方向の寸法を小さくすることができるスライドドアの支持構造を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の請求項1記載のスライドドアの支持構造では、車体に設けられたレールと、スライドドアに回動軸により回動自在に支持されたアームと、このアームに設けられ前記レールに沿って移動するローラとを有し、前記車体にスライド自在に支持されたスライドドアの支持構造において、前記レールが、スライドドア開口部に沿って直線状に配された主レールと、スライドドア開位置からスライドドア閉位置近傍まで前記主レールと平行に配され、かつ、前記スライドドア閉位置近傍からスライドドア閉位置に向かっていくに従い漸次接近していく副レールとから構成されるとともに、前記主レールと前記副レールの一方が内側に位置され、他方が外側に位置され、前記ローラが、前記アームに第一の支軸で支持され、前記主レールによってガイドされる主ガイドローラと、前記アームに第二の支軸で支持され、前記副レールによってガイドされる副ガイドローラとから構成され、前記第一の支軸と前記第二の支軸の内側に位置する一方が、外側に位置する他方より前記スライドドア閉位置側に位置され、前記スライドドアが前記スライドドア閉位置近傍からスライドドア閉方向に移動することに伴い、前記アームの前記回動軸側がスライドドア開方向に向かって回動するように畳まれつつ、前記アームが前記スライドドア閉方向に移動するものとしている。
【0014】
かかる構成においては、スライドドアがスライドドア閉位置近傍からスライドドア閉方向に移動することに伴い、アームの回動軸が両ガイドローラよりもドア開方向側で作動するため、回動軸の作動軌跡は両ガイドローラよりもドア開方向側に形成される。
【0015】
また、請求項2記載のスライドドアの支持構造においては、前記主レールと前記副レールとを異なる高さに設定し、前記スライドドア閉位置で前記両レールが車幅方向で重合するように配置されるとともに、前記アームに設けられた前記主ガイドローラと前記副ガイドローラとの高さ位置を前記主レールと前記副レールとの高さ位置に合わせて設定したものとしている。
【0016】
かかる構成においては、スライドドア閉位置で主レールと副レールとが重なり合うのに伴い、主ガイドローラ及び副ガイドローラは前後方向に位置される。
【0017】
また、請求項3記載のスライドドアの支持構造においては、前記内側に位置されるレールが前記副レールであるものとしている。
【0018】
かかる構成においては、副レールが車体外側に向かって主レールに接近していくように配されるため、両レールの閉方向側の端部をピラー、ルーフレール内に配した際には車体外側に位置させることが可能となり、ピラー、ルーフレールの車室内側にスペースを確保することができる。
【0019】
また、請求項4記載のスライドドアの支持構造においては、前記副レールを前記スライドドア閉位置近傍から前記スライドドア閉位置まで外側に湾曲させて形成したものとしている。
【0020】
かかる構成において、副レールはスライドドア閉位置の近傍からスライドドア閉位置までが曲線状となるため、直線状である場合に比べて、スライドドアを開け始める際や、スライドドアを閉め終わる際に、スライドドアを円滑に移動させることができる。
【0021】
また、請求項5記載のスライドドアの支持構造においては、前記副レールを前記レールのフランジ部で形成するとともに、前記副ガイドローラを前記副レールを挟持する三つのローラから構成したものとしている。
【0022】
かかる構成においては、副レールがレールのフランジ部で形成されるため副レールの成形が容易となる。また、副ガイドローラは三つのローラで構成されて副レールを挟持するため、二つのローラ又は四つのローラで副レールを挟持する場合に比べて安定して移動することができる。
【0023】
また、請求項6記載のスライドドアの支持構造においては、前記アームと前記スライドドアとの連結部分に設けられ、前記スライドドアを前記車体の内側方向に付勢する付勢手段と、前記連結部分の前記スライドドア側に設けられ、前記アームが前記回動軸を中心にして前記スライドドアの後部側に回動するのを規制する規制手段とを備えたものとしている。
【0024】
かかる構成においては、付勢手段によりスライドドアにかかる車体外側方向への荷重が抑えられる。さらに、スライドドアを開ける際には、規制手段によりローラのスライドドア後部側への移動が抑えられる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。
【0026】
図1は本発明の一実施の形態を示す車両1の斜視図である。この車両1には、車体2の側部2aにスライドドア開口部3が形成されているとともに、この開口部3を開閉するスライドドア4が車体2に支持されている。
【0027】
スライドドア4は、車体2前方側における上部が、乗降用開口部3の上縁3aに沿って車体2に設けられたアッパーレール5に支持されており、下部は乗降用開口部3の下縁3bに沿って車体2に設けられたロアレール6に支持されている。さらにスライドドア4は、車両後方側の中央部が、スライドドア開口部3後側の後部パネル2bに前後方向に延在して設けられたリアレール7に支持されている。これにより、スライドドア4は、前記三つのレール5、6、7に沿ってスライドするように構成されている。
【0028】
図2はスライドドア4の上部の支持構造を示す図であり、図3は図2のA−A線に沿う断面図である。このスライドドア4の上部の支持構造は、車体2に設けられたアッパーレール5と、スライドドア4に回動軸43により回動自在に支持されたアーム8と、このアーム8に設けられ、アッパーレール5に沿って移動するアッパーローラ9とから構成されている。
【0029】
アッパレール5は、スライドドア開口部3に沿って直線状に配された主レール51と、主レール51より内側に位置し、スライドドア開位置Po(図1参照)からスライドドア閉位置近傍Cまで主レール51と平行に配され、かつ、スライドドア閉位置近傍Cからスライドドア閉位置Pcに向かっていくに従い漸次接近していく副レール52とから構成されている。
【0030】
主レール51と副レール52は、異なる高さに設定されて車体2のルーフレール2d内に配されているとともに、スライドドア閉方向Z側の先端部51d、52bが、貫通孔2fを介して車体2のピラー2e内に配されている。
【0031】
主レール51は下方に開口したコ字状であって、アッパーレール5の上部を構成している。主レール51の内側部51aは、車体2のルーフレールパネル2cの内側でボルト55で締められている。
【0032】
一方、副レール52は、主レール51の内端51cより延在してアッパーレール5の下部を構成している屈曲部53において、下方に延出したフランジ部Fで形成されている。さらに、副レール52は、スライドドア閉位置近傍Cからスライドドア閉位置Pcまでを構成している前側部分52aが外側に湾曲して形成されている。
【0033】
また、副レール52の先端部52bは、図2や図4に示すように、主レール51の先端部51dの両側部51a,51b間に配されており、両レール51,52が、スライドドア閉位置Pcで車幅方向Wで重合するようになっている。
【0034】
一方、アーム8は、車体2の内側方向Xに向かって延在するアーム本体81を中心にして構成されており、その外端部82がスライドドア4のブラケット42に設けられた回動軸43を介して回動自在に支持されている。
【0035】
ブラケット42は車体2内方に開口しており、その外側部42aがスライドドア4のドア本体41内側にボルト44,44で固定されている。また、ブラケット42はアーム本体81との連結部分Lにおいて、その内部に回動軸43を貫通させており、アーム本体81の外端部82を上部42bと下部42cとで挟持している。
【0036】
また、連結部分Lには、スライドドア4を車体2の内側方向Xに付勢する付勢手段としてバランススプリング56が回動軸43に外挿されており、その両端56a,56aがブラケット42とアーム本体81とに固定されている。さらに、連結部分Lにおいてスライドドア4側には、ブラケット42の下部42cの後端に、アーム8が回動軸43を中心にしてスライドドア4の後部4b側に回動するのを規制する規制手段としてストッパー57が設けられている。
【0037】
また、アーム本体81の内端部83の中央部分にはローラ支軸を兼ねた第一の支軸84が設けられており、その上端部84aがアッパーレール5の主レール51内に位置している。また、内端部83の先端部分83aには、アッパーレール5の屈曲部53に沿って車内側に延在するアーム先端部85が設けられている。
【0038】
アーム先端部85には、副レール52を挟んで外側に、アーム先端部85を内端部83の先端部分83aに連結させる第二の支軸86が設けられている。この第二の支軸86は、第一のローラ支軸を兼ねており、前記第一の支軸84よりスライドドア閉位置Z側に位置している。また、副レール52を挟んで内側には、第二のローラ支軸87と第三のローラ支軸88とが並列して設けられている。
【0039】
また、アーム8に設けられたアッパーローラ9は、主レール51によってガイドされる主ガイドローラ91と、主ガイドローラ91よりスライドドア閉位置Pc側に位置し、副レール52によってガイドされる副ガイドローラ92とから構成されており、両ガイドローラ91,92の高さ位置は両レール51,52の高さ位置に合わせて設定されている。
【0040】
主ガイドローラ91は、アーム本体81の内端部83において、第一の支軸84の上端部84aで回動自在に支持されており、その側面91aで主レール51の両側部51a,51bに沿って移動するようになっている。
【0041】
一方、副ガイドローラ92は、アーム先端部85の第二の支軸86に回動自在に支持された第一のローラ93と、第二のローラ支軸87に回動自在に支持された第二のローラ94と、第三のローラ支軸88に回動自在に支持された第三のローラ95とからなり、この三つのローラ93、94、95で副レール52を挟持するように構成されている。
【0042】
また、前記アーム先端部85は、三つのローラ93、94、95を支持するための副ガイドローラ用ブラケットとしてのものである。また、前記第二の支軸86はアーム8の内端部83に対するこの三つのローラ93、94、95の角度変化を許容するため、アーム先端部85とアーム8の内端部83とを回動可能に連結する回動支軸でもあり、この第二の支軸86を上方に延在させて、前記第一のローラ93を回動自在に支持するローラ支軸とを兼ねたものである。
【0043】
これにより、アーム8は、内端部83が主ガイドローラ91を介して主レール51に案内され、アーム先端部85が副ガイドローラ92を介して副レール52に案内されることにより前後方向Tに移動するようになっている。
【0044】
かかる構成において、スライドドア4が開状態にあるときには、主レール51と副レール52とは車幅方向Wに一定の間隔で平行に延在していることから、第一の支軸84と第二の支軸86との車幅方向Wの距離が一定となっている。
【0045】
このため、アーム8は、図2の実線で示すように、スライドドア4に対して一定の起立状態に保持されている。これにより、スライドドア4は、車体2の外側方向Yに押し出された状態となっており、車体2の後部パネル2b(図1参照)に重なって前後方向Tに移動させることが可能となっている。
【0046】
また、スライドドア閉位置近傍Cからスライドドア閉位置Pcにおいては、主レール51に向かって副レール52が外側に湾曲していることから、第一の支軸84と第二の支軸86との車幅方向Wの距離が漸次縮小する一方、アーム8における第一の支軸84と第二の支軸86との距離は一定となっている。
【0047】
このため、スライドドア4がスライドドア閉位置近傍Cからスライドドア閉位置Pcに移動する際には、アッパーローラ9は副ガイドローラ92が主ガイドローラ91より先行して各レール51、52上をスライドドア閉位置Pcに向かって移動し、アーム8は第一の支軸84を中心にしてアーム8の回動軸43側がスライドドア4の開方向Oに向かって回動するように畳まれつつ、スライドドア閉位置Pcに向かって移動する。
【0048】
この結果、アーム8は、図2中の作動軌跡に示すように、漸次起立状態から閉方向Zに向かって畳まれた状態になる。これに伴い、アーム8の回動軸43もスライドドア開方向Oに向かって回動するように移動しながら内側方向Xに移動するので、スライドドア4は内側方向Xに引き込まれ、図2の一点鎖線で示すような閉状態となる。
【0049】
また、スライドドア4がスライドドア閉位置近傍Cからスライドドア閉方向Zに移動することに伴いアーム8の回動軸43は両ガイドローラ91,92よりもスライドドア開方向O側で作動するため、回動軸43の作動軌跡は図2に示すように両ガイドローラ91、92よりもスライドドア開方向O側に形成される。
【0050】
よって、このスライドドア4の上部の支持構造においては、アーム8の回動軸43の作動軌跡分が、両レール51,52及び両ガイドローラ91,92を合わせた車幅方向Wの寸法に加わっていかなくなるので、車幅方向Wの寸法を小さくすることができる。
【0051】
さらに、スライドドア閉位置Pcで主レール51と副レール52とが重なり合うことから、これに伴って、両ガイドローラ91,92は前後方向Tに位置されるため車幅方向Wの寸法を更に小さくすることができる。
【0052】
この結果、スライドドア開口部3の有効前後長の拡大を図る際に、両レール51,52の先端部51d,52bをルーフレール2d及びピラー2e内に配した際には、ピラー2eの貫通孔2fを小さく形成することが可能になるので、ピラー2eの強度低下を抑えることができる。
【0053】
また、副レール52がスライドドア閉位置近傍Cからスライドドア閉位置Pcに向かっていくに従い、車体外側に向かって主レール51に接近していくように配されているため、両レール51,52の先端部51d,52bをルーフレール2d内及びピラー2e内に配した際に車室外側に位置させることが可能となる。
【0054】
これにより、ルーフレール2d内及びピラー2e内において車室内側にスペースSを確保することができる(図2参照)。よって、ルーフレール2d、ピラー2eの補強及びレール5の取り付けをインナー側で行うことができ、補強作業及び取り付け作業を容易に行うことができる。
【0055】
また、主レール51を直線状に形成し、副レール52も大部分を直線状に形成したことから、レールの曲げ成形が少なくなり、アッパーレール5の精度が向上する。よって、スライドドア4の建付け性を向上させることができる。
【0056】
また、副レール52はスライドドア閉位置近傍Cから前側部分52aを外側に湾曲させて形成していることから曲線状となっており、この前側部分52aが直線状である場合に比べて、スライドドア4を開け始める際や、スライドドア4を閉め終わる際に、スライドドア4を円滑に移動させることができる。
【0057】
さらに、副ガイドローラ92は、三つのローラ93、94、95から構成されて副レール52を挟持しているため、二つのローラ又は四つのローラで副レール52を挟持する場合に比べて、安定して移動することができる。また、副ガイドローラ92は、副レール52を三点支持しているので、車体2、スライドドア4のキャンバーにより副レール52が傾斜した場合でも追従することができる。よって、スライドドア4を安定した状態で移動させることができる。
【0058】
また、スライドドア4を開ける際には、アーム8との連結部分Lのスライドドア側に設けられたストッパー57によりアーム8が回動軸43を中心にしてスライドドア4の後部4b側に回動するのが規制されるため、アッパーローラ9のスライドドア後部4b側への移動が抑えられる。よって、スライドドア4を円滑に移動させることができる。
【0059】
さらに、スライドドア4は、アーム8との連結部分Lに設けられたバランススプリング56によって車体2の内側方向Xに付勢されているため、スライドドア4にかかる車体2の外側方向Y(図2参照)への荷重を抑えることができる。よって、姿勢を安定させながらスライドドア4を移動させることができる。
【0060】
したがって、本実施の形態では、副レール52の前側部分52aを外側に湾曲させて、副ガイドローラ92を三つのローラ93、94、95で構成するとともに、バランススプリング56及びストッパー57を備えることにより、スライドドア4の操作性をよりいっそう向上させることができる。
【0061】
また、副レール52はアッパーレール5の屈曲部53のフランジ部Fで形成されていることから副レール52の成形が容易となる。よって、アッパーレール5の製造コストを抑えることができる。
【0062】
また、スライドドア4を開ける際にはストッパー57によりアッパーローラ9のスライドドア後部4b側への移動が抑えられることから、副レール52がアッパーレール5のフランジ部Fで形成した場合であっても、副ガイドローラ92が移動した勢いで副レール52が変形してしまうのを防ぐことができる。
【0063】
なお、本実施の形態においては、スライドドア4の上部を支持する支持構造について説明したが、これに限定されることなく、例えば車体2のロアレール6によりスライドドア4の下部を支持する支持構造について本発明を採用した場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0064】
また、副ガイドローラ92は、三つのローラ93、94、95から構成されたものとしたが、主ガイドローラ91と同様に一つのローラで構成しても良い。また、これに伴い副レール52は、主レール51と同様に下方に開口したコ字状のレールでも良い。
【0065】
また、本実施の形態とは別に、副レール52が主レール51の外側に位置してアッパレール5が構成されたスライドドア4の支持構造の場合には、図5に示すように、アーム本体81の内端部83において主レール51内に位置する先端部分83aに第一の支軸84が設けられ、主レール51と副レール52との間に位置する内端部83の中央部分に第二の支軸86が設けられている。
【0066】
そして、両支軸84、86は、内側に位置する第一の支軸84が第二の支軸86よりもスライドドア閉位置Pc側に位置されている。また、アーム8を構成するガイドローラ用ブラケット85は、アーム本体81の内端部83に第二の支軸86で回動自在に連結されている。
【0067】
また、ローラ9は、主ガイドローラ91が第一の支軸84に回動自在に支持され、副ガイドローラ92よりもスライドドア閉位置Pc側に位置している。一方、副ガイドローラ92は、副レール52を挟んで内側に位置する第一のローラ93が第二の支軸86で回動自在に支持され、外側に位置する第二のローラ94及び第三のローラ95は、第二のローラ支軸87と第三のローラ支軸88とにそれぞれ回動自在に支持されている。
【0068】
そして、スライドドア4がスライドドア閉位置近傍Cからスライドドア閉位置Pcに向かって移動する際には、主ガイドローラ91が副ガイドローラ92より先行して各レール51、52上をスライドドア閉位置Pcに向かって移動し、アーム8は第一の支軸84を中心にして、アーム8の回動軸43側がスライドドア4の開方向Oに向かって回動するように畳まれつつ、スライドドア閉位置Pcに向かって移動する。
【0069】
この結果、アーム8は、図5中の作動軌跡に示すように、漸次起立状態から閉方向Zに向かって畳まれた状態になる。これに伴い、アーム8の回動軸43が両ガイドローラ91,92よりもスライドドア開方向O側で作動するため、回動軸43の作動軌跡は、両ガイドローラ91、92よりもスライドドア開方向O側に形成される。
【0070】
よって、このスライドドア4の支持構造においても、アーム8の回動軸43の作動軌跡分が、両レール51,52及び両ガイドローラ91,92を合わせた車幅方向Wの寸法に加わっていかないので、車幅方向Wの寸法を小さくすることができる。
【0071】
また、主ガイドローラ91をアーム8に支持させる第一の支軸84は、主ガイドローラ91を回動自在に支持するローラ支軸と兼用させた。しかし、第一の支軸84は、必ずしも主ガイドローラ91のローラ支軸と兼用させる必要はなく、例えば図6に示すように、アーム本体81に主ガイドローラ用のブラケット81aを支持させるのに使用し、このブラケット81aの両端部81b,81cに、主ガイドローラ91のローラ支軸を構成する第四のローラ支軸96a、第五のローラ支軸97aを設けて、主ガイドローラ91を構成する第四のローラ96、第五のローラ97をそれぞれ回動自在に支持させるようにしても良い。
【0072】
また、副ガイドローラ92をアーム本体81に支持させる第二の支軸86は、副ガイドローラ92の第一のローラ93を回動自在に支持する第一のローラ支軸と兼用させた。しかし、第二の支軸86は、必ずしも第一のローラ支軸と兼用させる必要はなく、例えば図7に示すように、副ガイドローラ用ブラケット85をアーム本体81に回動自在に支持させるとともに、副ガイドローラ用ブラケット85に第二の支軸86とは別に第一のローラ支軸93aを設けて、この第一のローラ支軸93aに第一のローラ93を回動自在に支持させるようにしても良い。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1記載のスライドドアの支持構造においては、スライドドアがスライドドア閉位置近傍からスライドドア閉方向に移動することに伴い、アームの回動軸が両ガイドローラよりもドア開方向側で作動するため、回動軸の作動軌跡は両ガイドローラよりもドア開方向側に形成される。よって、アームの回動軸の作動軌跡分が両レール及び両ガイドローラを合わせた車幅方向の寸法に加わっていかないので車幅方向の寸法を小さくすることができる。
【0074】
この結果、ドア開口部の有効前後長の拡大を図るために、両レールのスライドドア閉方向側の先端部をルーフレール及びピラー内に配する際には、ピラーの貫通孔を小さく形成することが可能になるので、ピラーの強度低下を抑えることができる。
【0075】
また、請求項2記載のスライドドアの支持構造においては、スライドドア閉位置で主レールと副レールとが重なり合うのに伴い、主ガイドローラ及び副ガイドローラは前後方向に位置されるので、車幅方向の寸法を更に小さくすることができる。
【0076】
また、請求項3記載のスライドドアの支持構造においては、副レールがスライ車体外側に向かって主レールに接近していくように配されるため、両レールの閉方向側の先端部をピラー、ルーフレール内に配した際には車室外側に位置させることが可能となり、ピラー、ルーフレールの車室内側にスペースを確保することができる。よって、ピラー、ルーフレールの補強及びレールの取り付けをインナー側で行うことができ、補強作業及び取り付け作業を容易に行うことができる。
【0077】
また、請求項4記載のスライドドアの支持構造においては、副レールはスライドドア閉位置の近傍からスライドドア閉位置までが曲線状となるため、直線状である場合に比べて、スライドドアを開け始める際や、スライドドアを閉め終わる際に、スライドドアを円滑に移動させることができる。よって、スライドドアの操作性を向上させることができる。
【0078】
また、請求項5記載のスライドドアの支持構造においては、副レールがレールのフランジ部で形成されるため、副レールの成形が容易となる。よって、レールの製造コストを抑えることができる。また、副ガイドローラは三つのローラで構成されて副レールを挟持するため、二つのローラ又は四つのローラで副レールを挟持する場合に比べて安定して移動することができる。よって、スライドドアの操作性をさらに向上させることができる。
【0079】
また、請求項6記載のスライドドアの支持構造においては、付勢手段によりスライドドアにかかる車体外側方向への荷重が抑えられるため、姿勢を安定させながらスライドドアを移動させることができる。さらに、スライドドアを開ける際には、規制手段によりローラのスライドドア後部側への移動が抑えられ、スライドドアを円滑に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す車両の斜視図である。
【図2】スライドドアの上部の支持構造を示す平面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】図2のB−B線に沿う断面図である。
【図5】他の実施の形態を示すスライドドアの上部の支持構造を示す平面図である。
【図6】他の実施の形態を示すアームと主ガイドローラとの支持構造を示す平面図である。
【図7】他の実施の形態を示すアームと副ガイドローラとの支持構造を示す平面図である。
【図8】従来のスライドドアの上部の支持構造を示す平面図である。
【図9】他の従来のスライドドアの下部の支持構造を示す平面図である。
【符号の説明】
2 車体
4 スライドドア
4b 後部
5 アッパーレール
8 アーム
9 アッパーローラ
43 回動軸
51 主レール
52 副レール
56 バランススプリング
57 ストッパー
84 第一の支軸
86 第二の支軸
91 主ガイドローラ
92 副ガイドローラ
93 第一のローラ
94 第二のローラ
95 第三のローラ
C スライドドア閉位置近傍
F フランジ部
L 連結部分
O スライドドア開方向
Po スライドドア開位置
Pc スライドドア閉位置
X 内側方向
Z スライドドア閉方向

Claims (6)

  1. 車体に設けられたレールと、スライドドアに回動軸により回動自在に支持されたアームと、このアームに設けられ前記レールに沿って移動するローラとを有し、前記車体にスライド自在に支持されたスライドドアの支持構造において、
    前記レールが、スライドドア開口部に沿って直線状に配された主レールと、スライドドア開位置からスライドドア閉位置近傍まで前記主レールと平行に配され、かつ、前記スライドドア閉位置近傍からスライドドア閉位置に向かっていくに従い漸次接近していく副レールとから構成されるとともに、前記主レールと前記副レールの一方が内側に位置され、他方が外側に位置され、
    前記ローラが、前記アームに第一の支軸で支持され、前記主レールによってガイドされる主ガイドローラと、前記アームに第二の支軸で支持され、前記副レールによってガイドされる副ガイドローラとから構成され、
    前記第一の支軸と前記第二の支軸の内側に位置する一方が、外側に位置する他方より前記スライドドア閉位置側に位置され、
    前記スライドドアが前記スライドドア閉位置近傍からスライドドア閉方向に移動することに伴い、前記アームの前記回動軸側がスライドドア開方向に向かって回動するように畳まれつつ、前記アームが前記スライドドア閉方向に移動することを特徴とするスライドドアの支持構造。
  2. 前記主レールと前記副レールとを異なる高さに設定し、前記スライドドア閉位置で前記両レールが車幅方向で重合するように配置されるとともに、前記アームに設けられた前記主ガイドローラと前記副ガイドローラとの高さ位置を前記主レールと前記副レールとの高さ位置に合わせて設定したことを特徴とする請求項1記載のスライドドアの支持構造。
  3. 前記内側に位置されるレールが前記副レールであることを特徴とする請求項1又は2記載のスライドドアの支持構造。
  4. 前記副レールを前記スライドドア閉位置近傍から前記スライドドア閉位置まで外側に湾曲させて形成したことを特徴とする請求項3に記載のスライドドアの支持構造。
  5. 前記副レールを前記レールのフランジ部で形成するとともに、前記副ガイドローラを前記副レールを挟持する三つのローラから構成したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のスライドドアの支持構造。
  6. 前記アームと前記スライドドアとの連結部分に設けられ、前記スライドドアを前記車体の内側方向に付勢する付勢手段と、前記連結部分の前記スライドドア側に設けられ、前記アームが前記回動軸を中心にして前記スライドドアの後部側に回動するのを規制する規制手段とを備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のスライドドアの支持構造。
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