JPH08142110A - インモールド成形方法及び筐体 - Google Patents

インモールド成形方法及び筐体

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JPH08142110A
JPH08142110A JP6291122A JP29112294A JPH08142110A JP H08142110 A JPH08142110 A JP H08142110A JP 6291122 A JP6291122 A JP 6291122A JP 29112294 A JP29112294 A JP 29112294A JP H08142110 A JPH08142110 A JP H08142110A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アンカー効果を付与することなく、また接着剤
を塗布することなく、合成樹脂と金属部品との接合力を
向上させることのできる、携帯用の機器の筐体の製造に
好適なインモールド成形方法を提供することを目的とす
る。 【構成】アルミニウムを主成分とする材料からなる金属
部品と、ポリアミド樹脂又はポリアミド樹脂を少なくと
も40重量%含む樹脂混合物からなる合成樹脂とを一体
成形するインモールド成形方法であって、前記金属部品
を洗浄する洗浄工程、及び前記金属部品の表面に水和酸
化物を生成する処理工程を経た後、前記金属部品を金型
内に配置し、前記金型内で前記合成樹脂の成形を行って
前記金属部品と一体成形を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属部品と合成樹脂と
を一体成形するインモールド成形方法及び筐体に関す
る。
【0002】近年におけるコンピュータ技術及び通信技
術の進歩により、ノート型パーソナルコンピュータ、電
子手帳、携帯用電話機、その他種々の小型携帯用電子機
器が普及している。これらの電子機器の利便性を向上さ
せるには、機能の向上を図るとともに、軽量化を図るこ
とが極めて重要である。
【0003】上のような電子機器においては、筺体の重
量が機器全体の約30〜50%を占めている。したがっ
て、筺体をさらに軽量化できれば機器の軽量化に大きく
貢献できる。筐体の軽量化が望まれる所以である。
【0004】
【従来の技術】従来より、筐体の材料として、軽量化、
生産性、外観形状などの点から合成樹脂が一般に使用さ
れている。筐体の軽量化の手法の1つとして薄肉化があ
るが、通常、筐体に使用されているABS樹脂では、強
度不足のため薄肉化は困難であった。
【0005】本発明の発明者らは、芳香族ポリアミド、
PPSなどの高強度なエンジニアリングプラスチックに
よる筐体の薄肉成形を検討した。しかし、これらのエン
ジニアリングプラスチックを使用した場合でも、剛性、
強度が不十分であった。特に、ノート型パーソナルコン
ピュータ、ワードプロセッサなどの携帯用電子機器で
は、携帯中又は運搬中の落下が頻繁に起こると考えられ
る。したがって、例えば1mの高さから落下させても破
損しないような耐落下衝撃性が要求される。しかし現状
ではこの要求を満足できる薄肉高強度の合成樹脂は見当
たらない。
【0006】これらの要求性能を満たすために、Al
(アルミニウム)板やAl合金ダイキャストなどのよう
に金属材料によって筺体を作製する方法がある。しか
し、Al板では、ボス、リブ、嵌合部などを形成し難い
という欠点があり、また、Al合金ダイキャストでは1
mm以下の薄肉化が困難である。さらに、このような金
属を使用した筺体では剛性が高過ぎるため、機器に加わ
る衝撃力を吸収できない。そのため、機器に衝撃が加わ
った際に、筺体は破損しないが内部の電子部品に破損や
不良が生じるというおそれが高い。このように、合成樹
脂又は金属単体では上記の要求特性を完全には満足する
ことができない。そこで、合成樹脂と金属とを一体化す
るインモールド成形方法によって筐体を作製することが
行われている(例えば特開平5−261823号)。
【0007】従来のインモールド成形方法において、金
属部品と合成樹脂との接合力(接着力)を向上させるた
めに、アンカー効果を付与する方法と、金属部品に接着
剤を塗布する方法とがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】アンカー効果を付与す
る方法では、金属部品の表面の所定領域に孔や切り起こ
し片などの凹凸部を設けておき、合成樹脂の成形時の収
縮によって凹凸部に噛み合わせる。これによって両者間
の接合力の向上を図る。
【0009】しかし、その接合力は、合成樹脂の剛性及
び成形収縮率、凹凸部の形状及び配置などの構造的要因
に影響される。そのため、それぞれの機器について構造
の検討を必要とし、製作に要する時間が長くなる欠点が
ある。また合成樹脂の成形時及び冷却時に収縮が生じる
ため、金属部品と合成樹脂との間に浮きが生じ、これに
よって美観を損ねるとともに結露が発生し易くなり、電
子機器用の筺体としては余り好ましくない。
【0010】金属部品に接着剤を塗布する方法では、射
出時の高圧力により接着材が流れたり、高温度によって
接着剤が劣化するなどの問題がある。また、接着剤の塗
布のための工程が増えることによって製造コストが増大
し、作業環境も悪化する。さらには、接着剤を均一に塗
布するため特殊な装置を必要とするなどの問題もある。
【0011】本発明は、上述の問題に鑑みてなされたも
ので、アンカー効果を付与することなく、また接着剤を
塗布することなく、合成樹脂と金属部品との接合力を向
上させることのできる、携帯用の機器の筐体の製造に好
適なインモールド成形方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る方
法は、アルミニウムを主成分とする材料からなる金属部
品と、ポリアミド樹脂又はポリアミド樹脂を少なくとも
40重量%含む樹脂混合物からなる合成樹脂とを一体成
形するインモールド成形方法であって、前記金属部品を
洗浄する洗浄工程、及び前記金属部品の表面に水和酸化
物を生成する処理工程を経た後、前記金属部品を金型内
に配置し、前記金型内で前記合成樹脂の成形を行って前
記金属部品と一体成形を行う。
【0013】請求項2の発明に係る方法は、アルミニウ
ムを主成分とする材料からなる金属部品と、ポリアミド
樹脂又はポリアミド樹脂を少なくとも40重量%含む樹
脂混合物からなる合成樹脂とを一体成形するインモール
ド成形方法であって、前記金属部品を脱脂する脱脂工
程、前記金属部品の酸化膜を除去する酸化膜除去工程、
及び前記金属部品の表面に水和酸化物を生成する処理工
程を経た後、前記金属部品を金型内に配置し、前記金型
内で前記合成樹脂の成形を行って前記金属部品と一体成
形を行う。
【0014】請求項3の発明に係る方法では、前記処理
工程は、前記金属部品を60乃至90℃の温水に1乃至
10分間浸漬する工程を含む。請求項4の発明に係る方
法では、前記金型の温度を80乃至100℃に加熱する
工程を含む。
【0015】請求項5の発明に係る方法では、前記金属
部品が、筺体の平面部を形成する薄肉の金属板である。
請求項6の発明に筐体は、アルミニウムを主成分とする
板状の材料からなりその表面に水和酸化物が生成された
金属部品と、ポリアミド樹脂又はポリアミド樹脂を少な
くとも40重量%含む樹脂混合物からなる合成樹脂と
が、金型内において一体成形されてなる。
【0016】
【作用】金属部品の表面の脱脂処理、酸化膜除去処理に
よって、汚れや酸化膜が除去されるとともに、金属部品
の表面には水和酸化物が生成する。この状態で樹脂成形
を行うことによって、金属部品と樹脂部との接着が可能
となる。さらに金属部品を温水処理し、アルミニウム表
面に水和酸化物を適切量生成することにより、安定した
接合力又は接合強度が得られる。
【0017】成形時における溶融樹脂と金属部品との接
着機構として、次のように考えられる。すなわち、ポリ
アミド樹脂は、その構造中にアミド基(−CONH−)
を持つため、極性が強く、高温度では強い接着性を示
す。アルミニウムは、その表面にバリヤー層やバルク層
と呼称される酸化膜や水和物層を持つ。樹脂中の極性の
強いアミド基とアルミニウム表面の水酸基が反応するこ
とによって、強い接着力(接合力)が発揮される。
【0018】
【実施例】図2は本発明のインモールド成形方法によっ
て製造された筐体5の一部を断面して示す斜視図、図3
は筐体5の金属部品11と樹脂部12との接着部BDを
拡大して示す断面図、図4は筐体5を用いて製造された
ペン入力タイプのノート型パーソナルコンピュータ2の
斜視図である。
【0019】図2に示す筐体5は、図4に示すノート型
パーソナルコンピュータ2の底部のカバーとして用いら
れる。ノート型パーソナルコンピュータ2の上面には液
晶の画面HGが設けられる。筐体5は、縦150mm、
横250mm、厚さ0.5mmの板状の金属部品11
と、合成樹脂からなり、リブ21及びボス22を含む樹
脂部12とはインモールド成形方法により一体成形され
て構成されている。
【0020】金属部品11には、アルミニウムを主成分
とする金属が材料として用いられる。例えば、金属アル
ミニウム、ジュラルミン、マグネシウム入りの高張力ア
ルミニウム合金、その他の通常のアルミニウム合金が用
いられる。アルミニウム合金を用いることにより、その
表面が水和酸化物に覆われた金属部品が得られ、合成樹
脂との接着性が高まる。
【0021】アルミニウム合金の合金組成は、成形によ
る接着性には特に影響しない。価格と必要な機械的強度
に応じて適当なものを選択すればよい。樹脂部12に
は、ポリアミド樹脂又はポリアミド樹脂を少なくとも4
0重量%含む樹脂混合物からなる合成樹脂が用いられ
る。ポリアミド樹脂を少なくとも40重%含むことに
より、接着性の高いポリアミド樹脂とアルミニウムが強
く結合し、安定に接合した成形品が得られる。
【0022】樹脂部12に用いる合成樹脂として、一般
的には、ナイロン6又はナイロン66として市販されて
いるものでよい。また、ナイロン46、ナイロン61
0、ナイロン11、ナイロン12などでもよい。通常、
含有するフィラーが無いか、又はガラス繊維が30重量
%程度含有されているものが多い。フィラーの有無は成
形による接着性には特に影響しない。成形収縮を抑える
ために、ガラス又は炭素繊維を含有したものが好まし
い。機械的強度が必要な場合には、上述のフィラー入り
のものを用いるか、又はメタキシリレン基含有ポリアミ
ドなどの芳香族ポリアミドを用いるのが好ましい。これ
によると、通常のポリアミド樹脂と比較して水分吸収に
対する寸法安定性が良いため、多様な環境下においての
使用が予想される携帯機器用の筐体に好適である。接着
強度も通常のポリアミド樹脂と比較して2割程度高い。
【0023】図3に示すように、金属部11と樹脂部1
2とは、接着部BDにおける成形による接着力(接合
力)によって一体的に固定されている。次に、筐体5の
インモールド成形方法について説明する。
【0024】図1は本発明に係るインモールド成形方法
を示すフローチャートである。まず、金属部品11の脱
脂処理が行われる(#1)。脱脂処理工程では、金属部
品11を有機溶剤や洗浄剤などで洗浄する。その後、酸
化膜除去処理が行われる(#2)。酸化膜除去処理工程
では、酸洗浄やアルカリ洗浄によって、汚れや酸化膜を
除去する。これらの工程を経ることにより、金属部品1
1の表面には、金属アルミニウム、アルミナ、アルミナ
水和物(水和酸化物)が生成している。この状態で樹脂
成形を行うことによって、金属部品11と樹脂部12と
の接着は可能である。しかし、成形工程に移る前に、金
属部品11をさらに温水に浸漬する温水処理工程(#
3)を行うことにより、安定した接着強度(接合強度)
が得られる。
【0025】ステップ#3の温水処理工程では、金属部
品11を、60〜90℃の温水に1〜10分間浸漬す
る。60℃の温水であれば1〜8分間の浸漬が好まし
く、80℃の温水であれば1〜5分間の浸漬が好まし
い。また、90℃の温水であれば1〜2分間程度の浸漬
でよい。
【0026】この場合の溶融樹脂と金属の接着機構とし
て、次のように考えられる。すなわち、ポリアミド樹脂
は、その構造中にアミド基(−CONH−)を持つた
め、極性が強い。したがって高温度では強い接着性を示
す。一方、アルミニウムは、その表面にバリヤー層やバ
ルク層と呼称される酸化膜や水和物層を持つ。樹脂中の
極性の強いアミド基とアルミニウム表面の水酸基が反応
することによって、強い接着力が発揮されると考えられ
る。
【0027】一般に、アルミニウムの表面の微細孔を封
じて表面を安定化するために、また塗装下地のために、
化成処理又は封孔処理と呼称される工程が行われること
がある。本実施例で行われる温水処理工程は、そのよう
に一般に行われている化成処理又は封孔処理の工程に類
似するものではあるが、処理時間などが互いに相違す
る。
【0028】脱脂処理工程、酸化膜除去処理工程、及び
温水処理工程を行った後、金属部品11を金型内の所定
の位置に配置する(#4)。そして、型締めを行った
後、金型内で合成樹脂の成形を行って金属部品11と樹
脂部12との一体成形を行う(#5)。合成樹脂の成形
方法として、射出成形法、プレス成形法、その他の樹脂
成形法が用いられる。金型温度及び樹脂温度の高い方が
接着強度が大きくなる傾向を示す。これは、ポリアミド
樹脂が、高温であるほど粘着性を増すためと考えられ
る。したがって、金型温度は高い方が望ましいが、80
〜100℃の範囲が好適である。
【0029】得られた筐体5の金属部品11と樹脂部1
2との接着強度は、40kgf/cm2 程度以上であ
る。温水処理工程を行わなかった場合には、接着強度は
30kgf/cm2 程度である。
【0030】次に、具体例について説明する。 〔具体例1〕アルミニウム板(150×250×0.5
mm、JIS A5052)によって金属部品11を作
製し、これをアセトンで超音波洗浄し、10容積%希硫
酸(60℃)で酸化膜を除去後、水及びエタノールで洗
浄し、その後、温風乾燥した。
【0031】金型を開けて金属部品11を所定の位置に
配置した後、型締めを行い、樹脂部12の材料としてナ
イロン6(東レ アミランCM1007)を用いて射出
成形を行った。成形条件は、樹脂温度250℃、射出設
定圧力700kgf/cm2、金型温度90℃である。
【0032】得られた筐体5を用いて、図4に示すノー
ト型パーソナルコンピュータ2を製造し、これを1mの
高さからコンクリート上に落下させた。その結果、コン
クリートと衝突した筐体5の角部にヒビ割れが発生した
が、内部装置に異常はなかった。次に、ノート型パーソ
ナルコンピュータ2に対して、10kgf/cm2 の中
央集中荷重を加えたが、筺体5及び機器全体のいずれも
正常であった。 〔具体例2〕樹脂部12の材料として、具体例1で用い
たナイロン6に代えて、具体例1で用いたナイロン6に
15重量%ガラス繊維、3重量%ゴム成分を混練した樹
脂を用い、他は具体例1と同様にして、筐体5a及びノ
ート型パーソナルコンピュータ2aを製造した。その落
下試験では、筐体5aに破損がみられなかった。また中
央集中荷重試験では異常がなかった。 〔具体例3〕金属部品11の材料として、ジュラルミン
(JIS A2011)を用いた。金属部品11を、具
体例1と同様の酸化膜除去処理、洗浄処理を行った後、
処理温度(液温)60℃、処理時間1分で温水処理を施
した。また、合成樹脂として、ナイロンMXD6( 三菱
瓦斯化学 レニー6002) を用いた。その他は具体例
1と同様にして、筐体5b及びノート型パーソナルコン
ピュータ2bを製造した。
【0033】その落下試験では、筐体5b及び機器全体
のいずれにも破損は見られなかった。 〔具体例4〕金属部品11の材料として、99パーセン
トアルミニウム(JIS A1100)を用いた。その
他は具体例3と同様にして、筐体5c及びノート型パー
ソナルコンピュータ2cを製造した。
【0034】その落下試験では、筐体5c及び機器全体
のいずれにも破損は見られなかった。上述の具体例1〜
4とは別に、試験片31による接着強度の評価試験TE
ST1を行った。
【0035】図5は評価試験TEST1に用いる試験片
31の断面正面図、図6は試験片31の平面図である。
評価試験TEST1では、試験片31は、金属部品32
と樹脂部33とを接着部BD1において接着させて一体
成形したものである。接着部BD1の寸法は、8×20
mmである。
【0036】金属部品32の材料として、アルミニウム
板(JIS A5052)を用いた。金属部品32は、
アセトンで超音波洗浄し、10容積%希硫酸(60℃)
で酸化膜を除去し、水及びエタノールで洗浄した後、処
理温度60℃、処理時間1分で温水処理を施した。樹脂
部33の材料として、ナイロン6(東レ アミランCM
1007)及びナイロンMXD6( 三菱瓦斯化学 レニ
ー6002) を用いた。
【0037】試験片31について引張剪断試験を行った
ところ、前者のナイロン6の場合は35.4kgf/c
2 、後者の芳香族ポリアミドの場合は47.1kgf
/cm2 であった。前者に比較して後者が若干高い強度
で安定していた。
【0038】さらに、試験片31について、温水処理工
程の処理温度及び処理時間を変えて、接着強度の評価試
験TEST2を行った。このときの金属部品32の材料
はアルミニウム板(JIS A5052)であり、樹脂
部33の材料はナイロン6(東レ アミランCM100
7)である。温水処理以外の処理条件は評価試験TES
T1の場合と同様である。結果を図7に示す。
【0039】図7に示されるように、処理温度が60℃
の場合では処理時間を1〜8分間、処理温度が80℃の
場合では処理時間を1〜5分間とするのが好ましい。処
理温度が高いほど処理時間が短くて済むことが分かる。
【0040】また、試験片31について、金型温度を変
えて接着強度の評価試験TEST3を行った。このとき
の温水処理工程の処理温度は80℃、処理時間は1.5
分である。金属部品32及び樹脂部33の材料、温水処
理以外の処理条件は、評価試験TEST2と同様であ
る。結果を図8に示す。
【0041】図8に示されるように、金型温度70℃で
は接着強度が弱く、金型温度75℃では接着強度が不安
定である。金型温度の高い方が接着強度が高くなり、金
型温度80〜100℃の範囲が好適である。
【0042】
【発明の効果】請求項1乃至請求項5の発明によると、
アンカー効果を付与することなく、また接着剤を塗布す
ることなく、合成樹脂と金属部品との接合力を向上させ
ることができる。接合力の発生が構造によらないため、
従来のインモールド成形方法のように金属部品を特別な
形状とすることなく、合成樹脂と金属部品との一体化が
容易に行われる。
【0043】本発明のインモールド成形方法によって製
造され複合部品は、剛性、耐衝撃性に優れ、且つ軽量、
高強度であり、しかも、温水処理は容易であり設備コス
トも低く生産性が高いので、本発明のインモールド成形
方法は携帯用の電子機器の筐体の製造に好適である。
【0044】請求項6の発明によると、剛性、耐衝撃性
に優れ、且つ軽量、高強度の筐体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインモールド成形方法を示すフロ
ーチャートである。
【図2】本発明のインモールド成形方法によって製造さ
れた筐体の一部を断面して示す斜視図である。
【図3】筐体の金属部品と樹脂部との接着部を拡大して
示す断面図である。
【図4】筐体を用いて製造されたペン入力タイプのノー
ト型パーソナルコンピュータの斜視図である。
【図5】評価試験に用いる試験片の断面正面図である。
【図6】評価試験に用いる試験片の平面図である。
【図7】処理温度及び処理時間をパラメータとする接着
強度の評価試験結果を示すグラフである。
【図8】金型温度をパラメータとする接着強度の評価試
験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
5 筐体 11 金属部品 12 樹脂部 31 試験片 32 金属部品 33 樹脂部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウムを主成分とする材料からなる
    金属部品と、ポリアミド樹脂又はポリアミド樹脂を少な
    くとも40重量%含む樹脂混合物からなる合成樹脂とを
    一体成形するインモールド成形方法であって、 前記金属部品を洗浄する洗浄工程、及び前記金属部品の
    表面に水和酸化物を生成する処理工程を経た後、前記金
    属部品を金型内に配置し、前記金型内で前記合成樹脂の
    成形を行って前記金属部品と一体成形を行う、 ことを特徴とするインモールド成形方法。
  2. 【請求項2】アルミニウムを主成分とする材料からなる
    金属部品と、ポリアミド樹脂又はポリアミド樹脂を少な
    くとも40重量%含む樹脂混合物からなる合成樹脂とを
    一体成形するインモールド成形方法であって、 前記金属部品を脱脂する脱脂工程、前記金属部品の酸化
    膜を除去する酸化膜除去工程、及び前記金属部品の表面
    に水和酸化物を生成する処理工程を経た後、前記金属部
    品を金型内に配置し、前記金型内で前記合成樹脂の成形
    を行って前記金属部品と一体成形を行う、 ことを特徴とするインモールド成形方法。
  3. 【請求項3】前記処理工程は、前記金属部品を60乃至
    90℃の温水に1乃至10分間浸漬する工程を含む、 請求項1又は請求項2記載のインモールド成形方法。
  4. 【請求項4】前記金型の温度を80乃至100℃に加熱
    する工程を含む、 請求項3記載のインモールド成形方法。
  5. 【請求項5】前記金属部品が、筺体の平面部を形成する
    薄肉の金属板である、 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインモールド
    成形方法。
  6. 【請求項6】アルミニウムを主成分とする板状の材料か
    らなりその表面に水和酸化物が生成された金属部品と、
    ポリアミド樹脂又はポリアミド樹脂を少なくとも40重
    量%含む樹脂混合物からなる合成樹脂とが、金型内にお
    いて一体成形されてなる筐体。
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