JP2005271477A - 筐体、電子機器および複合成形方法 - Google Patents

筐体、電子機器および複合成形方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005271477A
JP2005271477A JP2004090241A JP2004090241A JP2005271477A JP 2005271477 A JP2005271477 A JP 2005271477A JP 2004090241 A JP2004090241 A JP 2004090241A JP 2004090241 A JP2004090241 A JP 2004090241A JP 2005271477 A JP2005271477 A JP 2005271477A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
metal plate
resin
oxide film
film layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004090241A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsunori Ikeda
勝徳 池田
Masamichi Naka
政道 中
Toshiro Kurishita
敏朗 栗下
Masato Ouchi
昌人 大内
Koki Okumoto
弘毅 奥本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YAGI KINZOKU KK
Sharp Corp
Furuya Industrial Co Ltd
Original Assignee
YAGI KINZOKU KK
Sharp Corp
Furuya Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YAGI KINZOKU KK, Sharp Corp, Furuya Industrial Co Ltd filed Critical YAGI KINZOKU KK
Priority to JP2004090241A priority Critical patent/JP2005271477A/ja
Publication of JP2005271477A publication Critical patent/JP2005271477A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract


【課題】 製造コストの低減を図り、かつ金属板と接着剤および樹脂との接着強度を高めることができる筐体、電子機器および複合成形方法を提供する。
【解決手段】 アルミニウムまたはアルミニウム合金から成る筐体本体3と、筐体本体3に形成されるアルマイト層4と、アルマイト層4に、接着剤層5を介して形成される樹脂層6とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、筐体、電子機器および複合成形方法に関し、たとえばパーソナルコンピュータなどの電子機器に適用される技術に関する。
従来、たとえばパーソナルコンピュータなどの小型電子機器の筐体においては、軽量化、美観性および絶縁性などの点から樹脂およびマグネシウム合金やチタン等の金属素材を用いている。一般的なノート型パーソナルコンピュータにおいて、その筐体重量がたとえば機器全体の重量の20%以上30%未満占めており、製品の軽量化を図るためには、筐体の軽量化は重要な課題である。
筐体の軽量化には、筐体の厚さを薄肉化することが最も有効であるが、通常使用する樹脂材料では、強度不足および樹脂の流動性の観点から薄肉化には限界がある。またマグネシウムの成形に関しては、前記薄肉化の限界に対する課題に加え、成形性、仕上げ処理、後加工処理および防錆処理などの多加工による品質低下が懸念される。アルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属からプレス技術などを用いて、筐体を作製する技術もあるが、ボス、リブおよび嵌合部が形成できないという技術課題があった。
そこで近年、前述の課題を解決すべく、予めプレス加工した金属製板体と樹脂とを複合成形することによって、筐体を製造する技術が種々提案されている(たとえば特許文献1,2,3参照)。特許文献1には、金属板の一表面部に反応性ホットメルトの接着剤を塗布、硬化させることによって接着剤層を形成し、その後金属板と樹脂材料とを複合成形する技術が開示されている。特許文献2には、平坦な金属板の一表面部に接着剤を塗布し乾燥させた後、接着剤層上に樹脂を射出して複合成形する技術が開示されている。特許文献3では、エポキシ樹脂系の塗料を金属フレームに塗布し硬化させた後、この金属フレームと、熱可塑性合成樹脂から成るリブとを一体的に成形する技術が開示されている。
特許第2572174号公報 特許第3016331号公報 特開2001−298277号公報
接着剤を媒体として樹脂を射出することによって、金属板と樹脂とを複合成形する技術においては、金属板と樹脂との間の接着強度であって、金属板と接着剤との接着強度、および接着剤と樹脂との接着強度に係る課題を解決する必要がある。
特許文献1では、接着剤が金属板の一表面部に網目状に塗布された状態で硬化させることで、樹脂の射出成形の際、樹脂が網目状の凹凸部分に入り込み投錨効果つまりアンカー効果を生じる。しかしながら前述のアンカー効果で期待できる効果は、接着剤と樹脂との接着強度の改善であり、接着剤と金属板との接着強度までをも改善するものではない。すなわち複合成形する金属板、樹脂、接着剤の種類によっては、金属板が接着剤および樹脂から剥がれるおそれがある。
特許文献2および3では、金属板に接着剤を塗布する前に、この接着剤を塗布すべき金属板の一表面部を研磨する、一表面部に有機被膜を形成するなどの特別な下地処理を施す旨の内容が示唆されている。しかし製造工程が複雑化するうえ、特別な下地処理を施す分、製造コストが高くなるなどの課題がある。
本発明の目的は、製造コストの低減を図り、かつ金属板と接着剤および樹脂との接着強度を高めることができる筐体、電子機器および複合成形方法を提供することである。
本発明は、金属板と樹脂とを複合成形する方法であって、
前記金属板の少なくとも一部に酸化被膜層を形成する酸化被膜層形成工程と、
酸化被膜層形成工程の後、酸化被膜層に接着剤層を形成する接着剤層形成工程と、
酸化被膜層に接着剤層を介して樹脂を射出し複合成形する樹脂射出工程とを有することを特徴とする複合成形方法である。
本発明に従えば、酸化被膜層形成工程において、金属板の少なくとも一部に、酸化被膜層を形成する。この酸化被膜層形成工程の後、接着剤層形成工程において、酸化被膜層に接着剤層を形成する。樹脂射出工程では、酸化被膜層に接着剤層を介して樹脂を射出し複合成形する。特に酸化被膜層形成工程で、金属板の少なくとも一部に酸化被膜層が形成されるので、酸化被膜層が形成されない金属板と比べて金属板の凹凸部分が増す。これによって金属板と接着剤との接触面積が増し、金属板と接着剤との接着強度を向上させることが可能となる。
また本発明は、接着剤層形成工程は、酸化被膜層に接着剤を塗布する塗布段階と、塗布した接着剤を乾燥する乾燥段階とを含むことを特徴とする。
本発明に従えば、接着剤層形成工程は塗布段階および乾燥段階を含む。塗布段階において、酸化被膜層に接着剤を塗布する。その後乾燥段階において、塗布した接着剤を乾燥する。このように接着剤層の形成を実現することができる。
また本発明は、金属板と、
金属板の少なくとも一部に形成される酸化被膜層と、
前記酸化被膜層に、接着剤層を介して形成される樹脂層とを有することを特徴とする筐体である。
本発明に従えば、金属板の少なくとも一部には、酸化被膜層が形成される。前記酸化被膜層に、接着剤層を介して樹脂層が形成される。金属板の少なくとも一部に酸化被膜層が形成されるので、酸化被膜層が形成されない金属板と比べて金属板の凹凸部分が増す。これによって金属板と接着剤との接触面積を増し、金属板と接着剤との接着強度を向上させることが可能となる。
また本発明は、前記金属板の金属材料は、アルミニウムまたはアルミニウム合金であり、酸化被膜層は、アルマイト処理される陽極酸化被膜層であることを特徴とする。
本発明に従えば、金属板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から成る。この金属板にアルマイト処理が施され、酸化被膜層としての陽極酸化被膜層が形成される。このように金属板と接着剤との接着強度をより強固に向上させる酸化被膜層を実現することができる。
また本発明は、少なくとも筐体を含む電子機器であって、
前記筐体は、金属板と、金属板の少なくとも一部に形成される酸化被膜層と、前記酸化被膜層に接着剤層を介して形成される樹脂層とを有し、
前記樹脂層には、ボスおよびリブの少なくともいずれか一方が形成されることを特徴とする電子機器である。
本発明に従えば、筐体は、金属板、酸化被膜層、接着剤層および樹脂層を有する。金属板の少なくとも一部に前記酸化被膜層が形成されるので、酸化被膜層が形成されない金属板と比べて金属板の凹凸部分が増す。これによって金属板と接着剤との接触面積を増し、金属板と接着剤との接着強度を向上させることが可能となる。ボスを用いて所望の部材を内蔵または固定することができる。リブを用いて樹脂層のみならず筐体の剛性強度を高くすることが可能となる。このような筐体を含む電子機器を実現することができる。
本発明によれば、酸化被膜層形成工程で、金属板の少なくとも一部に酸化被膜層が形成されるので、酸化被膜層が形成されない金属板と比べて金属板の凹凸部分が増す。これによって金属板と接着剤との接触面積が増し、金属板と接着剤との接着強度を向上させることが可能となる。したがって筐体の薄形化および軽量化を図り、かつ金属板と接着剤および樹脂との接着強度を高めることが可能となる。
また本発明によれば、塗布段階において、酸化被膜層に接着剤を塗布し、その後乾燥段階において、塗布した接着剤を乾燥する。このように接着剤層の形成を実現することができる。
また本発明によれば、金属板の少なくとも一部に酸化被膜層が形成されるので、酸化被膜層が形成されない金属板と比べて金属板の凹凸部分が増す。これによって金属板と接着剤との接触面積を増し、金属板と接着剤との接着強度を向上させることが可能となる。したがって筐体の薄形化および軽量化を図り、かつ金属板と接着剤および樹脂との接着強度を高めることが可能な筐体を実現することができる。しかも従来技術のような特別な下地処理を必要としないので、製造コストの低減を図ることが可能となる。
また本発明によれば、金属板はアルミニウムまたはアルミニウム合金から成り、この金属板にアルマイト処理が施され、酸化被膜層としての陽極酸化被膜層が形成される。このように金属板と接着剤との接着強度をより強固に向上させる酸化被膜層を実現することができる。
また本発明によれば、金属板の少なくとも一部に酸化被膜層が形成されるので、酸化被膜層が形成されない金属板と比べて金属板の凹凸部分が増す。これによって金属板と接着剤との接触面積を増し、金属板と接着剤との接着強度を向上させることが可能となる。ボスを用いて所望の部材を内蔵または固定することができる。リブによって樹脂層のみならず筐体の剛性強度を高くすることが可能となる。
図1は、本発明の実施形態に係る筐体を示し、図1(a)は、筐体1の要部を切断して見た断面図、図1(b)は、筐体本体3とアルマイト層4(以下、酸化被膜層4、もしくは、陽極酸化被膜層4とも呼ぶ)と樹脂層6との関係を説明するための図である。図2は、樹脂2が複合成形された筐体1を含む電子機器の分解斜視図である。本実施形態では、小型電子機器の筐体に本発明の筐体が適用される。なお以下の説明は、複合成形方法の説明をも含む。
筐体1は、筐体本体3と酸化被膜層4と接着剤層5と樹脂層6とを有する。筐体本体3は、アルミニウムまたはアルミニウム合金の金属板3Aから成る。この金属板3Aは、たとえば平均板厚0.4mm以上1.0mm以下程度のものが用いられている。すなわちパーソナルコンピュータに代表される電子機器の筐体製造においては、金属板3Aの板厚が0.4mmよりも薄いと、筐体1としての強度補強効果が得られない。しかも金属板3Aの板厚が1.0mmよりも厚いと、筐体中に含まれる金属部品の占める割合が高くなる。それ故、筐体1の重量が不所望に増加する。このように金属板3Aの平均板厚が規定されている。ただしアルミニウムまたはアルミニウム合金以外の金属材料を、筐体本体3の材料として適用する場合には、金属板3Aの平均板厚0.4mmよりやや薄肉のもの、または平均板厚1.0mmよりやや厚肉のものを適用する場合もあり得る。この場合にも本実施形態と同様の効果を奏する。
後述するプレス加工されて成る筐体本体3には、その一表面部および他表面部を含む全面にわたり酸化被膜処理であるアルマイト処理が施されている。このように筐体本体3全面に酸化被膜層4つまり陽極酸化被膜層4が形成されている。この陽極酸化被膜層4に接着剤層5を介して樹脂層6が形成されている。この樹脂層6には、ボス7およびリブ8が形成されている。前記ボス7を用いて所望の部材を内蔵または固定することができる。リブ8を用いて樹脂層6のみならず筐体1の剛性強度を高くすることが可能となる。
図3は、筐体本体3を形成する前の金属板3Aの斜視図である。図4は、金属板3Aをプレス金型9によってプレス成形する段階を概略示す断面図である。図5は、筐体本体3が成形された段階の斜視図である。図6は、筐体本体3をアルマイト処理する段階を示す図である。図7は、アルマイト処理された筐体本体3に対し、接着剤10をスプレー塗布する段階を示す図である。図8は、射出成形用金型11によって樹脂2を射出成形する段階を概略示す断面図である。図9は、樹脂層6が複合成形された筐体1を概略示す斜視図である。図10は、複合成形方法を段階的に示すフローチャートである。
筐体1を製造する際には、先ず厚さδ(δはたとえば約0.6mm)のアルミニウムまたはアルミニウム合金製の平板(これを金属板3Aと称す)を用意しておく。ステップs1において、金属板3Aを、プレス金型9を用いてプレス加工する。このプレス加工工程は、順次、外形抜き、絞り、トリミング、縁立て、修正、カム修正および孔開けの複数段階を含んでいる。ステップs1のプレス加工工程によって、筐体本体3が形成される。プレス加工工程によって形成される筐体本体3を、金属プレス品3という場合がある。
次にステップs2に移行し、金属プレス品3をアルマイト処理する。具体的に、アルマイト処理工程は、順次、金属プレス品3の枠付け、脱脂、洗浄、エッチング、水洗、中和、電解(アルマイト処理)、水洗(3回)、封孔、湯洗、乾燥および枠外しの複数段階を含んでいる。前記電解(アルマイト処理)とは、電解槽12の中に金属プレス品3を入れ、電解によって解けた金属表面部3aと、水の電気分解によって生じる酸素とが結合して酸化被膜(金属表面部3aに凹凸)を形成させる処理である。電解槽12の組成および条件は、たとえば、硫酸を13W/V%以上17W/V%以下、温度を19℃以上23℃以下、溶存アルミ量を20g/L以下、溶存塩化物量を0.2g以下、電流密度を70A/m以上150A/m以下、電圧を13V以上18V以下、時間を40分程度で行う。また前記封孔の条件として、酢酸ニッケル5g/L以上6g/L以下と、添加剤2g/L以上3g/L以下とを90℃の熱湯の中に10分間浸漬する。ステップs2のアルマイト処理工程が酸化被膜層形成工程に相当する。
次にステップs3に移行し、アルマイト処理された金属プレス品3に対し、接着剤10を塗布し乾燥する。この接着剤塗布および乾燥段階が、接着剤層形成工程に相当する。接着剤塗布段階は、塗布段階に相当する。接着剤塗布および乾燥段階において、接着強度条件を満たす接着剤10の材質、塗布方法および乾燥条件の具体例は、以下の通りである。なお前記接着強度条件は、完成品つまり筐体1に対し、樹脂層6のボス7にたとえば15Kgf(SI単位で約147N)の荷重を加え、樹脂の剥がれおよび白化などが生じない条件である。
接着剤10の材質として、たとえばエポキシ系接着剤であるケムロック(商品名)などが使用され、塗布方法として、たとえばスプレー塗布方法が適用される。本実施形態で使用される接着剤10の成分は次のようなものである。なお、下表1は、本実施形態で使用した接着剤10の成分を示す。
Figure 2005271477
塗布すべき接着剤10の膜厚は、たとえば15μm以上20μm以下の範囲とするのが適切である。手塗き一往復で約6μmの膜厚の接着剤10が塗布されることから、前記膜厚15μm以上20μm以下の範囲とするには、三往復(約18μm)手塗きすることが目安である。乾燥条件は、80℃の乾燥炉で約20分間乾燥することである。
次にステップs4に移行し、接着剤10を塗布し乾燥した金属プレス品3に樹脂2を射出成形する。このステップs4の樹脂2を射出成形する工程が、樹脂射出工程に相当する。この工程において、射出する樹脂材は、たとえば難燃グレード(V−0)品でガラスの含有率が少なく、収縮率が小さいポリブチレンテレフタレート(略称、PBT樹脂)が好ましい。ただしRIMウレタンを含むポリエーテルおよびポリエステル系のコンパウンドの接着が可能な性質がある樹脂材料であれば、射出する樹脂材として使用することも可能である。本工程において、完成品つまり筐体1に対し、樹脂層6のボス7にたとえば15Kgf(SI単位で約147N)の荷重を加え、樹脂の剥がれおよび白化などが生じない接着強度条件を満たす射出成形の条件の具体例は、以下の通りである。
樹脂材料は、前述の収縮率が小さいポリブチレンテレフタレート。射出成形時の金型温度を、たとえば58℃以上60℃以下まで上げる。ここで温度60℃は、使用される接着剤10であるケムロックの溶融温度である。なお金型温度は、テスト成形に基づく温度であり、接着剤10の溶融温度60℃を越えると、この接着剤が流れ出すことから、次のテスト(1)、(2)を実施した。
(1)射出成形用金型11の温度を、接着剤層6であるケムロックが溶融していない温度(60℃未満)で射出成形テストを実施する。すると樹脂とケムロックとの溶着性が悪く、樹脂の剥がれが生じた。(2)射出成形用金型の温度を、接着剤であるケムロックの溶融温度60℃(理論上の限界温度)で射出成形テストを実施する。すると目視確認においてテスト(1)の場合と明らかな差異がみられ、また接着強度条件を満たしていた。
前述のテスト成形の結果から、射出成形用金型11の温度を、接着剤が溶解していない温度に設定すると、樹脂と接着剤との溶着性が悪く樹脂の剥がれが起こる。これに対し、射出成形用金型11の温度を、接着剤の溶融温度に設定すると、樹脂の接着強度が高くなる。具体的に、樹脂と金属プレス品3とを引き剥がす試験において、その境界面は、ケムロック膜が引き裂かれた状態になっていた。このケムロック膜が引き裂かれた状態とは、ケムロックが樹脂層6側および金属プレス品3側の双方に強固に接着されていた状態と同義である。なお樹脂層6または金属プレス品3のいずれかの接着強度が弱かった場合には、ケムロック膜は、接着力の強い側へのみ残った状態となる。
このステップs4において、射出成形用金型11のキャビティ13に、265℃の樹脂2を1300kgf/cmの圧力で、150cm/secで流し込む。ここで樹脂温度である265℃は、使用する樹脂2に依存する。本実施形態においては、ポリブチレンテレフタレートが分解しない程度の一番高い温度が設定される。なお樹脂温度が、設定すべき温度よりも低いと、樹脂2の流動性が悪くなり、ひけが発生する。
以上説明した筐体1および複合成形方法によれば、筐体本体3に陽極酸化被膜層4が形成されるので、陽極酸化被膜層4が形成されない筐体本体と比べて、筐体本体3つまり金属板3Aの凹凸部分が増す。これによって筐体本体3と、接着剤10との接触面積を増し、筐体本体3つまり金属板3Aと接着剤10との接着強度を向上させることが可能となる。したがって筐体1の薄形化および軽量化を図り、かつ筐体本体3つまり金属板3Aと接着剤10および樹脂との接着強度を高めることが可能な筐体1を実現することができる。しかも従来技術のような特別な下地処理を必要としないので、製造コストの低減を図ることが可能となる。
またアルミニウムまたはアルミニウム合金から筐体本体3が形成される。この筐体本体3にアルマイト処理が施され、陽極酸化被膜層が形成される。このように筐体本体3と接着剤10との接着強度をより強固に向上させる酸化被膜層を実現することができる。前記樹脂層6には、ボス7およびリブ8が形成されるので、ボス7を用いて所望の部材を内蔵または固定することができるうえ、リブ8によって、樹脂層6のみならず筐体1の剛性強度を高くすることが可能となる。
本実施形態においては、筐体本体3全面に陽極酸化被膜層4が形成されているが、接着剤層5を塗布すべき筐体本体3の一表面部または一部だけに陽極酸化被膜を形成する場合もある。この場合にも本実施の形態と同様の効果を奏する。樹脂層6には、ボス7およびリブ8が形成されているが、樹脂層6にボス7だけが形成される場合もある。逆に樹脂層6にリブ8だけが形成される場合もある。
本発明の実施形態に係る筐体1を示し、図1(a)は、筐体1の要部を切断して見た断面図、図1(b)は、筐体本体3とアルマイト層4と樹脂層6との関係を説明するための図である。 樹脂2が複合成形された筐体1を含む電子機器の分解斜視図である。 筐体本体3を形成する前の金属板3Aの斜視図である。 金属板3Aをプレス金型9によってプレス成形する段階を概略示す断面図である。 筐体本体3が成形された段階の斜視図である。 筐体本体3をアルマイト処理する段階を示す図である。 アルマイト処理された筐体本体3に対し、接着剤10をスプレー塗布する段階を示す図である。 射出成形用金型11によって樹脂2を射出成形する段階を概略示す断面図である。 樹脂層6が複合成形された筐体1を概略示す斜視図である。 複合成形方法を段階的に示すフローチャートである。
符号の説明
1 筐体
3A 金属板
4 アルマイト層(酸化被膜層,陽極酸化被膜層)
5 接着剤層
6 樹脂層
7 ボス
8 リブ

Claims (5)

  1. 金属板と樹脂とを複合成形する方法であって、
    前記金属板の少なくとも一部に酸化被膜層を形成する酸化被膜層形成工程と、
    酸化被膜層形成工程の後、酸化被膜層に接着剤層を形成する接着剤層形成工程と、
    酸化被膜層に接着剤層を介して樹脂を射出し複合成形する樹脂射出工程とを有することを特徴とする複合成形方法。
  2. 接着剤層形成工程は、酸化被膜層に接着剤を塗布する塗布段階と、塗布した接着剤を乾燥する乾燥段階とを含むことを特徴とする請求項1に記載の複合成形方法。
  3. 金属板と、
    金属板の少なくとも一部に形成される酸化被膜層と、
    前記酸化被膜層に、接着剤層を介して形成される樹脂層とを有することを特徴とする筐体。
  4. 前記金属板の金属材料は、アルミニウムまたはアルミニウム合金であり、酸化被膜層は、アルマイト処理される陽極酸化被膜層であることを特徴とする請求項3に記載の筐体。
  5. 少なくとも筐体を含む電子機器であって、
    前記筐体は、金属板と、金属板の少なくとも一部に形成される酸化被膜層と、前記酸化被膜層に接着剤層を介して形成される樹脂層とを有し、
    前記樹脂層には、ボスおよびリブの少なくともいずれか一方が形成されることを特徴とする電子機器。
JP2004090241A 2004-03-25 2004-03-25 筐体、電子機器および複合成形方法 Pending JP2005271477A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004090241A JP2005271477A (ja) 2004-03-25 2004-03-25 筐体、電子機器および複合成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004090241A JP2005271477A (ja) 2004-03-25 2004-03-25 筐体、電子機器および複合成形方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005271477A true JP2005271477A (ja) 2005-10-06

Family

ID=35171620

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004090241A Pending JP2005271477A (ja) 2004-03-25 2004-03-25 筐体、電子機器および複合成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005271477A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007015337A (ja) * 2005-07-11 2007-01-25 Sharp Corp 筐体、電子機器および複合成形方法
JP2009520610A (ja) * 2005-12-23 2009-05-28 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 挿入部材ならびに挿入部材を備えた射出成形部材
JP2009535243A (ja) * 2006-05-04 2009-10-01 ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー ハイブリッド構造を有する軽量部品
JP2011051189A (ja) * 2009-09-01 2011-03-17 Ju Teng Internatl Holdings Ltd ケーシングの埋め込み成形方法
JP2013071451A (ja) * 2011-09-27 2013-04-22 Ichia Technologies Inc プラスチック部材を有する金属ケースによる複合部品
JP2013076118A (ja) * 2011-09-29 2013-04-25 Toshiba Corp 電気絶縁用注型品およびその製造方法
WO2019224976A1 (ja) * 2018-05-24 2019-11-28 日産自動車株式会社 自動車部品

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007015337A (ja) * 2005-07-11 2007-01-25 Sharp Corp 筐体、電子機器および複合成形方法
JP2009520610A (ja) * 2005-12-23 2009-05-28 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 挿入部材ならびに挿入部材を備えた射出成形部材
JP4801171B2 (ja) * 2005-12-23 2011-10-26 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 挿入部材ならびに挿入部材を備えた射出成形部材
JP2009535243A (ja) * 2006-05-04 2009-10-01 ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー ハイブリッド構造を有する軽量部品
JP2011051189A (ja) * 2009-09-01 2011-03-17 Ju Teng Internatl Holdings Ltd ケーシングの埋め込み成形方法
JP2013071451A (ja) * 2011-09-27 2013-04-22 Ichia Technologies Inc プラスチック部材を有する金属ケースによる複合部品
JP2013076118A (ja) * 2011-09-29 2013-04-25 Toshiba Corp 電気絶縁用注型品およびその製造方法
WO2019224976A1 (ja) * 2018-05-24 2019-11-28 日産自動車株式会社 自動車部品
JPWO2019224976A1 (ja) * 2018-05-24 2021-07-15 日産自動車株式会社 自動車部品
JP6997974B2 (ja) 2018-05-24 2022-01-20 日産自動車株式会社 自動車部品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2817948B1 (en) Shell, preparing method and application thereof in electronic product
KR102148308B1 (ko) 이종 접합형 수지 금속 복합재의 제조방법
JP2007015337A (ja) 筐体、電子機器および複合成形方法
US20130075026A1 (en) Method for bonding plastic mold member onto metal housing
CN101578019A (zh) 电子装置壳体及其制造方法
CN103722668A (zh) 一种金属-塑料复合手机外壳及其成形方法
US10688624B2 (en) Electronic device structure formed from porous metal bonded to plastic
JP2012157901A (ja) 複数の金属層を含むカバーを製造する方法及び装置
US20130093299A1 (en) Electronic device case and surface treatment method thereof
CN101623933A (zh) 热塑性物质嵌入金属材的方法
JP2005271477A (ja) 筐体、電子機器および複合成形方法
CN110524787B (zh) 一种铜基合金树脂复合体的制备方法及铜基合金树脂复合体
JP6237999B2 (ja) 接合品の製造方法
JPH08142110A (ja) インモールド成形方法及び筐体
WO2020219061A1 (en) Electronic device housings with chamfered edges
JP2005119237A (ja) 耐候性あるアルミニウム合金と樹脂の複合体とその製造方法
CN106550569A (zh) 一种电镀强化塑壳及其制备方法
TW200303714A (en) Metal housing with auxiliary parts glued to housing base
TW200824832A (en) Metal-metal composite formation process and application
TW202112468A (zh) 雙注射模製金屬基材
KR101596843B1 (ko) 알루미늄 계열 금속-플라스틱 결합체 제조 방법
JP2019508296A (ja) ポリマーと金属の複合部品の製造方法
CN106894004A (zh) 制作金属线路的方法
TWM545692U (zh) 不銹鋼件與合成樹脂件的複合成型體
KR20160093899A (ko) 금속과 플라스틱 복합체 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070326

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090604

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090901

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100105