JP2019508296A - ポリマーと金属の複合部品の製造方法 - Google Patents

Abstract

ポリマーと金属の複合部品を製造する方法は、複数の金型部品（１０１、１０２）を有する金型（１００）を用いて、金型（１００）の少なくとも１つの内側表面又はキャビティに面する表面（１０５）に金属層（１０３）を形成する。その後に金属層（１０３）によって部分的に定められた型穴（１０６）を形成するために、金型部品（１０１、１０２）を互いに組み立てる。次に、樹脂材料（１０４）が金属層（１０３）と接触するようにして型穴（１０６）に樹脂材料（１０４）が充填される。型穴（１０６）内での樹脂材料（１０４）の硬化に続いて、金型（１００）を開いて、金属のシェル又は外層（１０３’）とポリマーの裏当て又は内層（１０４’）とを有する部品を取り外す。

Description

本発明は、ポリマーと金属の複合部品の製造方法に関する。金属−樹脂複合加工は、自動車、飛行機、トラック、及び船舶又はボートなどの模型の乗物を作るのに特に適している。

現在、収集価値のある模型の乗物の大部分は、２つの加工法、すなわち亜鉛合金でのホットチャンバーダイキャストと樹脂でのコールドキャストの一方によって生産されている。これらの加工法のそれぞれに長所と短所がある。

ホットチャンバーダイキャストでは、製造される部品が冷たい金属の手触りと堅牢な構造を有するという利点があり、一方で金型が高価であり、製作に時間がかかるという欠点がある。更に、ダイキャスト部品は、トリミング、研磨、及び不鮮明な状態を仕上げるのに時間が掛かる。細部を作ることはできない。

樹脂のコールドキャストでは、金型が安価であり、製作時間がより短いという利点がある。また、コールドキャスト部品は細部を作ることができ、トリミングや仕上げに必要な時間がより少ない。コールドキャスト樹脂部品の欠点は、それらが金属の感触を持たないことである。更に、構造の堅牢性は劣る。

本発明は、玩具部品又は模型部品などの部品を作るための改良された方法を提供することを目的とする。より具体的には、本発明は、完成部品が冷たい金属の感触及び構造の堅牢性を有するような方法を提供することを目的とする。本発明はまた、ホットチャンバーダイキャストよりも安価で速いそのような方法を意図する。

本発明のポリマーと金属の複合部品を製造する方法は、複数の金型部品を有する金型を提供することと、金型の少なくとも１つの内側表面又はキャビティに面する表面に金属層を形成することとを含む。その後に金属層によって部分的に定められた型穴を形成するために、金型部品は互いに組み立てられる。その方法は、樹脂材料が金属層と接触するようにして樹脂材料を型穴に充填することと、型穴内で樹脂材料を硬化させることと、その後に金型を開いて、金属のシェル又は外層とポリマーの裏当て又は内層とを有する部品を取り外すこととを更に含む。

本発明の別の特徴によれば、この方法は、型穴の充填の前に樹脂材料を充填材と混合することを更に含み、ここで充填材は、鉱物又は金属粉末及び／又は繊維である。鉱物又は金属粉末は、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、石膏、銅、鉄、亜鉛、青銅又はそれらの混合物であってもよく、繊維は、ガラス、グラファイト、ポリエステル、ナイロン、綿繊維又はそれらの混合物であってもよい。

金属層は、典型的には、電気めっきのような電鋳法によって金型の内側表面又はキャビティに面する表面に形成される。その場合、金型部品はその工程での電極として機能する。

その電鋳法は、金型の少なくとも一部を電鋳浴に入れることと、金属層が所定の厚さに到達したら、金型を樹脂材料で充填する前に、その金型の一部を金属層と共に電鋳浴から取り出すことと、その金型の一部を金属層と共に洗浄及び乾燥することとを含むことができる。

樹脂材料は、コールドキャストの材料であってもよい。樹脂材料は、エポキシ、ポリエステル及びポリウレタンからなる群から選択されてもよい。

本発明の一実施形態によれば、金属層の形成は複数の金属層を形成することを含み、各金属層がそれぞれの金型部品の内側表面又はキャビティに面する表面に形成される。その場合、樹脂材料を型穴に充填することは、樹脂材料を流し込んで金属層のそれぞれと接触させることを含む。樹脂材料の硬化は、硬化した樹脂材料が金属層のそれぞれに結合するようにして行われる。金型から取り外された部品は、金属のシェル又は外層と、単一のポリマーの裏材又はコアとを有する。

金型は、ゴム、シリコンゴム、エポキシ、ポリエステル、及びポリウレタンからなる群から選択される材料で作られてもよい。

金型がキャビティ型の第１金型部品とコア型の第２金型部品とを含む場合、金属層は第１金型部品の内側表面に形成される。

金属は、銅、ニッケル、銀及び金からなる群から選択されてもよい。

１つの金属層又は複数の金属層は、それぞれの金属のシェル又は外層が約０.３ｍｍ〜１.５ｍｍの厚さを有するようにして形成される。

この方法は、樹脂材料を型穴内に注入する前に、金型の１つ以上の内側表面又はキャビティに面する表面に離型剤を塗ることを更に含んでもよい。

金型を樹脂材料で充填することは、より具体的には、型穴内に樹脂材料を注入して、片側が金属面の部品の場合には金属層の裏側と、金型のコア部品との間の空間を満たすことを含む。

この方法は、好ましくは、樹脂材料の硬化の間に樹脂材料を金属層に結合させ、それによって硬化後に単一部品を形成する。

本発明の方法によって作られた複合部品は、典型的には、玩具又は模型品の一部である。その場合、本発明の方法は、玩具又は模型品に従って装飾要素を金属のシェル又は外層に与えることを更に含む。

金属の外殻と樹脂充填本体の複合体である部品を作る本発明の方法は、冷たい金属の手触りの部品を提供する。その部品はダイキャスト部品のように堅牢である。金型は安価であり、製作に掛る時間が短い。その部品は、細部を有することができる。また、部品のトリミングや仕上げに掛かる時間が短い。

一方の側に金属のシェル又は金属層を有する樹脂部品又はポリマー部分を製造するためのキャビティ部品及びコア部品を含む金型の断面図である。 電鋳加工後に金型部品の内側表面に沿って金属のシェル又は層を有するキャビティの金型部品の断面図である。 樹脂が注入された後の固定されたキャビティ部品とコア部品の断面図である。 金型から取り外された、一つの面又は表面に金属シェルを有する完成した樹脂複合部品の断面図である。 反対であるそれぞれの又は２つの側に金属のシェル又は層を有する樹脂部品又はポリマー部品を製造するための２部品の金型の断面図である。 電鋳加工後に、２つの金型部品の内側表面に沿って配置された金属のシェル又は層を有する２つの金型部品の断面図である。 ２つの金型部品に接して金属のシェル又は層を有する２つの金型部品によって形成された型穴内に樹脂が注入された後の固定された金型部品の断面図である。 金型から取り外された、両反対側に金属のシェル又は層を有する完成した樹脂複合部品の断面図である。

模型飛行機の胴体の半分のようなポリマーと金属の複合部品１２００（図４）を製造する方法であって、特に金属がポリマー部分の一方の側にのみ提供されてポリマー部分が金属のための裏材となる場合に、複数の金型部品１０１、１０２、より具体的にはコアの金型部品１０１及びキャビティの金型部品１０２を有する金型１００（図１）を利用する。図２に示されるように、キャビティの金型部品１０２の内側表面又はキャビティに面する表面１０５に、好ましくは電鋳法又は電着法によって、金属層１０３が形成される。その後に金型部品１０１、１０２は組み立てられて互いに固定され、図３に示されるように、金属層１０３による一方の側とコアの金型部品１０１の内側表面又はキャビティに面する表面１０７による反対側とで定められる型穴１０６（図１）を形成する。この方法では、次に樹脂材料１０４が金属層１０３と接触するようにして型穴１０６を樹脂材料で充填する。そして、型穴１０６の樹脂材料１０４を硬化させ、樹脂材料１０４を金属層１０３に結合させる。樹脂材料１０４の硬化後に金型１００を開いて、金属のシェル又は外層１０３'及びポリマーの裏材又は内層１０４'を有する部品である複合部品１２００を取り外す。

樹脂材料１０４は、型穴１０６の充填前に充填材と混合されてもよく、ここで充填材は鉱物又は金属粉末及び／又は繊維である。鉱物又は金属粉末は、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、石膏、銅、鉄、亜鉛、青銅又はそれらの混合物であってもよく、繊維はガラス、グラファイト、ポリエステル、ナイロン、綿繊維又はそれらの混合物であってもよい。他の適切な添加物を、単独で又は上記の１つ以上と組み合わせて使用することができる。

金属層１０３が電気めっきのような電鋳法によって形成される場合、キャビティの金型部品１０２は電極として機能する。金型部品１０２は、金属（金属合金は、本明細書で使用される「金属」の用語によって意図される）のような導電性材料の一部に作られてもよい。金型部品１０２がポリマー又は他の天然では非導電性の材料で作られている場合、電極機能は、金型部品１０２に埋め込まれた金属インサートとして実行されてもよい。

電鋳法は、金型部品１０２の少なくとも一部を電鋳浴に入れ、金属層１０３が所定の厚さに到達したら、型穴１０６を樹脂材料１０４で充填する前に、金型部品１０２に形成された金属層１０３と共に金型部品１０２を電鋳浴から取り出し、金型部品１０２を金属層１０３と共に洗浄及び乾燥することを含むことができる。

樹脂材料１０４は、コールドキャストの材料であってもよい。樹脂材料１０４は、例えば、エポキシ、ポリエステル、及びポリウレタンからなる群から選択される。

型穴１００を樹脂材料１０４で充填することは、より具体的には、型穴１０６内に樹脂材料１０４を注入して、片側が金属面の部品１２００の場合には金属層１０３の裏側と、金型１００のコア部品１０１との間の空間を満たすことを含む。この方法は、型穴１０６を樹脂材料１０４で充填する前に、それぞれの金型１００の１つ以上の内側表面又はキャビティに面する表面１０７に離型剤を塗ることを更に含んでもよい。

模型飛行機の翼のような複合部品２２００（図８）の製造方法は、複合部品がポリマー部分と金属部分とを含む場合、特に金属がポリマー部分の２つの反対となる側に提供され、ポリマー部分は金属の裏材である場合に、協働してキャビティ２０６を定める複数の金型部品２０１、２０２を有する金型２００（図５）を利用する。図６に示されるように、キャビティの金型部品２０１、２０２の内側表面又はキャビティに面する表面２０７、２０８に、好ましくは電鋳法又は電着法によって金属層２０３、２０４を形成する。その後に金型部品２０１、２０２は組み立てられて互いに固定され、図７に示されるように、金属層２０３による一方の側と金属層２０４による反対側とで定められる型穴２０６（図５）を形成する。この方法では、次に樹脂材料２０５が金属層２０３、２０４と接触するようにして型穴２０６を樹脂材料で充填する。そして、型穴２０６の樹脂材料２０５を硬化させ、樹脂材料２０５を金属層２０３、２０４に結合させる。樹脂材料２０５の硬化後に金型２００を開いて、金属のシェル又は外層２０３'、２０４'及びポリマーの裏材又は内層２０５'を有する部品である複合部品２２００を取り外す。

樹脂材料２０５は、型穴２０６の充填前に充填材と混合されてもよく、ここで充填材は鉱物又は金属粉末及び／又は繊維である。鉱物又は金属粉末は、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、石膏、銅、鉄、亜鉛、青銅又はそれらの混合物であってもよく、繊維はガラス、グラファイト、ポリエステル、ナイロン、綿繊維又はそれらの混合物であってもよい。他の適切な添加物を、単独で又は上記の１つ以上と組み合わせて使用することができる。

金属層２０３、２０４が電気めっきのような電鋳法によって形成される場合、キャビティの金型部品２０１、２０２は電極として機能する。金型部品２０１、２０２は、金属（金属合金は、本明細書で使用される「金属」の用語によって意図される）のような導電性材料の一部に作られてもよい。金型部品２０１、２０２がポリマー又は他の天然では非導電性の材料で作られている場合、電極機能は、金型部品２０１、２０２に埋め込まれた金属インサートとして実行されてもよい。

電鋳法は、各金型部品２０１、２０２の少なくとも一部を電鋳浴に入れ、金属層２０３、２０４が所定の厚さに到達したら、型穴２０６を樹脂材料２０５で充填する前に、金型部品２０１、２０２に形成された金属層２０３、２０４と共に金型部品２０１、２０２を電鋳浴から取り出し、金型部品２０１、２０２を金属層２０３、２０４と共に洗浄及び乾燥することを含むことができる。

樹脂材料２０４は、コールドキャストの材料であってもよい。樹脂材料２０４は、例えば、エポキシ、ポリエステル、及びポリウレタンからなる群から選択される。

金属層２０３、２０４の形成において、樹脂材料２０５を型穴に充填することは、樹脂材料を流し込んで金属層２０３、２０４のそれぞれの層に接触させることを含む。樹脂材料２０５の硬化は、硬化した樹脂材料が金属層２０３、２０４のそれぞれに結合するようにして行われる。金型２００から取り外された製造部品２２００は、金属のシェル又は外層２０３'、２０４'と、単一のポリマーの裏材又はコア２０５'とを有する（図８）。

金型１００、２００は、ゴム、シリコンゴム、エポキシ、ポリエステル、及びポリウレタンからなる群から選択される材料で作られてもよい。

金属は、銅、ニッケル、銀若しくは金又はそれらの混合物（合金）であってもよい。

１つのは複数の金属層１０２、２０３、２０４は、それぞれの金属のシェル又は外層１０２、２０３、２０４、１０３'、２０３'、２０４'が、約０.３ｍｍ〜１.５ｍｍの厚さを有するようにして形成される。

本工程によって作られた複合部品１２００又は２２００は、典型的には、玩具又は模型品の一部である。その場合、本発明の方法は、玩具又は模型品に従って装飾要素を金属のシェル又は外層１０３'、２０３'、２０４'に与えることを更に含む。

本発明は、特定の実施形態及び用途に関して説明されたが、当業者は、この教示に照らして、本発明の趣旨から逸脱することなく又は本発明の範囲を超えることなく、更なる実施形態及び変形をもたらすことができる。したがって、図面及び本明細書の記載は、本発明の理解を容易にするために例として提供され、その範囲を限定するものと解釈されるべきではないことが理解される。

１００ 金型
１０１ コアの金型部品
１０２ キャビティの金型部品
１０３ 金属層
１０３' 金属のシェル又は外層
１０４ 樹脂材料
１０４' ポリマーの裏材又は内層
１０５ キャビティの金型部品の内側表面又はキャビティに面する表面
１０６ 型穴
１０７ コアの金型部品の内側表面又はキャビティに面する表面
１２００ 複合部品
２００ 金型
２０１、２０２ キャビティの金型部品
２０３、２０４ 金属層
２０３'、２０４' 金属のシェル又は外層
２０５ 樹脂材料
２０５' ポリマーの裏材又は内層（コア）
２０６ 型穴
２０７、２０８ 金型部品の内側表面又はキャビティに面する表面
２２００ 複合部品

Claims (17)

1. ポリマーと金属の複合部品を製造する方法であって、
   複数の金型部品を有する金型を提供することと、
   前記金型の少なくとも１つの内側表面又はキャビティに面する表面に金属層を形成することと、
   前記金属層を形成した後に、前記金属層によって部分的に定められた型穴を形成するために、前記金型部品を互いに組み立てることと、
   次に樹脂材料が前記金属層と接触するようにして前記樹脂材料を前記型穴に充填することと、
   前記型穴内で前記樹脂材料を硬化させることと、
   前記樹脂材料の硬化後に、前記金型を開いて、金属のシェル又は外層とポリマーの裏当て又は内層とを有する部品を取り外すことと
   を含む方法。
2. 前記樹脂材料を、鉱物又は金属粉末及び繊維並びにこれらの混合物からなる群から選択される充填材と混合することを更に含む、請求項１に記載の方法。
3. 前記鉱物又は金属粉末は、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、石膏、銅、鉄、亜鉛、及び青銅並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項２に記載の方法。
4. 前記繊維は、ガラス、グラファイト、ポリエステル、ナイロン、及び綿繊維からなる群から選択される、請求項２に記載の方法。
5. 前記金属層を形成することが、前記金属層を電鋳することを含む、請求項１に記載の方法。
6. 前記金属層の電鋳が、前記金型の少なくとも一部を電鋳浴に入れることと、前記金属層が所定の厚さに到達したら、前記金型を前記樹脂材料で充填する前に、前記金型の前記一部を前記金属層と共に前記電鋳浴から取り出すことと、前記金型の前記一部を前記金属層と共に洗浄及び乾燥することとを含む、請求項５に記載の方法。
7. 前記樹脂材料は、コールドキャストの材料である、請求項１に記載の方法。
8. 前記樹脂材料は、エポキシ、ポリエステル、ポリウレタンからなる群から選択される、請求項７に記載の方法。
9. 前記金属層の形成は、複数の金属層を形成することを含み、各金属層がそれぞれの前記金型部品の内側表面又はキャビティに面する表面に形成され、前記樹脂材料の前記型穴への充填は、前記樹脂材料を流し込んで前記金属層のそれぞれと接触させることを含み、前記樹脂材料の硬化は、硬化した前記樹脂材料が前記金属層のそれぞれに結合するようにして行われ、前記金型から取り外された前記部品は、金属のシェル又は外層と、単一のポリマーの裏材又はコアとを有する、請求項１に記載の方法。
10. 前記金型が、ゴム、シリコンゴム、エポキシ、ポリエステル、及びポリウレタンからなる群から選択される材料で作られる、請求項１に記載の方法。
11. 前記金型がキャビティ型の第１金型部品とコア型の第２金型部品とを含み、前記金属層は前記第１金型部品の内側表面に形成される、請求項１に記載の方法。
12. 前記金属は、銅、ニッケル、銀及び金からなる群から選択される、請求項１に記載の方法。
13. 前記金属層は、前記金属のシェル又は外層が約０.３ｍｍ〜１.５ｍｍの厚さを有するようにして形成される、請求項１に記載の方法。
14. 前記樹脂材料を前記型穴に充填する前に、前記金型の少なくとも１つの内側表面又はキャビティに面する表面に離型剤を塗ることを更に含む、請求項１に記載の方法。
15. 前記金型の充填は、前記型穴内に前記樹脂材料を注入して、前記金属層の裏側と、前記金型のコア部品との間の空間を満たすことを含む、請求項１に記載の方法。
16. 前記樹脂材料を前記金属層に結合させ、それによって硬化後に単一部品を形成することを更に含む、請求項１に記載の方法。
17. 取り外された前記部品は玩具又は模型品の一部であり、該玩具又は模型品に従って装飾要素を前記金属のシェル又は外層に与えることを更に含む、請求項１に記載の方法。

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