JPH08140730A - コンパクト容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容器本体に対して蓋体を気密に密閉可能とす
ると共に、容器本体と蓋体とを、揺動部材および蓋体周
壁外面へ回動可能に設けた短筒を介し連結して、開蓋時
に蓋体を容器本体後上方へ移動させ、かつ該移動位置で
蓋体回動によりその蓋体頂壁上面に固着た鏡を使用し易
く設けた。 【構成】 容器本体１上半を小外径の雄ねじ筒５として
蓋体10頂壁外周から垂下する雌ねじ筒を螺合させ、又そ
の雌ねじ筒外面へ短筒20を回動可能に嵌合させておき、
容器本体周壁３の下半後部に枢着されて起立する支持柱
32上端から上記短筒20後半外面に沿って半円状アーム33
を突出する揺動部材30を設けて、上記アーム両前端を短
筒20に枢着させ、又容器本体頂壁13上面へ鏡16を固着し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンパクト容器本体上
面を蓋体で気密に密閉可能に設けたコンパクト容器に関
する。

【０００２】

【従来の技術】上記コンパクト容器として、例えば実開
平3-119315号の考案が知られている。該コンパクト容器
は、その容器本体底壁から、化粧品皿を嵌合させた雄ね
じ筒を起立すると共に、該雄ねじ筒上方の蓋体部分に回
動可能に雌ねじ筒を設け、又それ等雌雄ねじ筒のねじは
短かい螺条を複数設けて、蓋体閉塞により雄ねじ筒外面
へ雌ねじ筒が嵌合した状態から、雌ねじ筒を回動させる
ことで雄ねじ筒に対して雌ねじ筒の締付けが可能とな
し、又該締付け状態で雌ねじ筒が囲む蓋体部分下面に設
けた環状シール部下面が化粧品皿周壁上面へ気密に接し
て、その皿内の揮発性成分含有の化粧料を密封可能とし
たもので、上記雌ねじ筒の一半部外面を容器外方へ露出
して、雌雄ねじ筒の嵌合および螺脱の操作が出来るよう
設けている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記コンパクト容器
は、近時化粧品皿内へも揮発性成分含有の化粧料を充填
することが多いことから、その揮発性成分の洩れ等防止
のためにその化粧料を密封出来るよう設けたものである
が、その密封および密封解除の際、容器側壁外方へ一半
部を露出させて蓋体裏面から垂設した雌ねじ筒を、容器
本体底壁と蓋体頂壁との間で回動させなければならない
ことからその操作が不便であった。

【０００４】本発明は容器本体と蓋体とを直接枢着する
のではなく、容器本体後部に揺動部材下端を枢着すると
共に、蓋体周壁の下半外面には回動可能に短筒を嵌合さ
せ、又該短筒中間部に上記揺動部材の半円状アーム先端
を枢着させることで、容器本体上部に蓋体を嵌合させた
状態で蓋体を僅かに螺動すると該蓋体で容器本体を密封
できると共に、逆螺動による蓋体螺脱状態から、容器本
体と揺動部材との枢着部を中心とする回動で後方へ蓋体
を移動させて開蓋できるよう、又蓋体頂壁上面に鏡を貼
着させて、上記開蓋状態から揺動部材の半円状アームに
対して短筒付き蓋を半回転させることで、鏡を見易くで
きるよう設けたものである。

【０００５】又容器本体上部内に中皿を嵌合させて、該
中皿後部を容器本体後部に枢着させ、上記のように蓋体
螺動で中皿を密閉できると共に螺脱状態からの蓋体後方
移動および回動により鏡を使用し易くしたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】底壁２外周から起立する
円筒状周壁３上半を小外径かつ外周面数箇所に短かい雄
ねじ４をほぼ等間隔に配設する雄ねじ筒５とした容器本
体１と、上記雄ねじに対応する雌ねじ11を有して、雄ね
じ筒５に螺合する雌ねじ筒12を頂壁13外周から垂下する
と共に、該頂壁下面に固着したパッキング14で上記雄ね
じ筒５上面を気密に密閉し、又上記頂壁13外周に外向き
フランジ15を付設すると共に、頂壁13上面へ鏡16を固着
させた蓋体10と、上記雌ねじ筒12外面へ係合手段21で上
下動不能に、かつ回動可能に嵌合させた、上記外向きフ
ランジよりも小外径の短筒20と、上記容器本体周壁３の
下半後部に穿設した、上面および後面開口の溝７内へ、
下端部を嵌合枢着させて上方および後方へ起伏が自在に
起立する支持柱32上端から、上記短筒20後半部外面に沿
って半円状アーム33を突出して該アームの両前端を短筒
20の前後方向中間部へ、該短筒の回動が自在に枢着させ
た揺動部材30とで形成した。

【０００７】上記構成において容器本体周壁３の上端面
へ、容器本体上半部内へ嵌合させた中皿40の周壁41上端
の外向きフランジ42を載置させて、該中皿上面をパッキ
ング14で密閉すると共に、容器本体の溝７前方周壁部分
に設けた切欠き内を通って中皿外向きフランジ42後部か
ら垂下する中皿支持板43下部をＬ字状に後方屈曲して該
屈曲部44の後端部を溝７内へ嵌合させ、容器本体１およ
び揺動部材30に対して中皿支持板43が揺動自在に、上記
屈曲部後端を溝側壁に対して枢着させた。

【０００８】

【作用】図１状態で、容器本体１周壁上半が形成する雄
ねじ筒５外面へ、蓋体周壁としての雌ねじ筒12が螺合さ
せてあり、よって蓋体頂壁13下面へ固着させたパッキン
グ14が上記雄ねじ筒５上面を気密に密閉する。

【０００９】上記密閉状態から外向きフランジ15を持
ち、蓋体10を回して螺脱した後、図３のように短筒20付
きの蓋体10を揺動部材30と共に開き、図４のようにその
開蓋途中又は開蓋後、揺動部材30の半円状アーム33両前
端と短筒20とを枢着するピン34を中心として、短筒付き
蓋体10を半回転させ、蓋体頂壁13上面の鏡16を前向きに
すればよい。化粧後、上記操作を逆に行うことで閉蓋
し、かつ容器本体を密閉できる。

【００１０】図５が示す第２実施例の場合も同様に行え
ばよく、蓋体締付け状態では中皿40上面をパッキング14
が密閉する。

【００１１】尚第１実施例の場合は、容器本体１内に、
又第２実施例の場合は中皿40内に、化粧品収納皿を嵌合
させている。

【００１２】

【実施例】まず図１から図４が示す、第１実施例につい
て説明すると、１は底壁２外周から円筒状周壁３を起立
する容器本体である。その円筒状周壁３上半は小外径と
し、かつその外周面数箇所に、短かい雄ねじ４をほぼ等
間隔に配設した雄ねじ筒５としている。又容器本体内に
は化粧品収納皿６を嵌合させている。容器本体下半の後
部には、上面および後面開口の溝７を穿設している。

【００１３】10は蓋体で、既述雄ねじ４に対応する雌ね
じ11を有して、雄ねじ筒５に螺合させた雌ねじ筒12を頂
壁13外周から垂下し、又その頂壁13下面にはパッキング
14を固着させ、上記螺合締付けにより雄ねじ筒５上面
を、従って容器本体上面を密閉する。又該蓋体は頂壁13
外周に、蓋体回動用の外向きフランジ15を有し、頂壁13
上面には凹部を設けてその凹部内へ鏡16を固着してい
る。更に雌ねじ筒12外面には短筒20を係合手段21で上下
動不能に、かつ回動可能に嵌合させている。係合手段と
して図示例では、蓋体周壁外面に突条を、又短筒内面に
上記突条を嵌合させた溝を、それぞれ周設したが、蓋体
周壁に溝を、短筒に突条を設けてもよいことは当然であ
る。

【００１４】30は揺動部材で、既述容器本体周壁後部の
溝７後部内に下端を嵌合枢着31させた支持柱32上端か
ら、既述短筒後半外面に沿って半円状アーム33を突出
し、そのアーム両前端を短筒20へ回動自在にピン34で枢
着させている。該揺動部材は、蓋体10および短筒20と共
に上記枢着31を中心として後方へ図３のように回動して
開蓋可能とする。又その開蓋状態からピン34を中心とし
て蓋体10および短筒20を回動可能とする。図４が二点鎖
線で示すように、蓋体等を半回転させることで短筒20の
前半部は、半円状アーム33内へ嵌合させることが出来、
揺動部材30の回動角度を適度とすることで、鏡16を見易
いように、つまり鏡を前上方へ向けることが出来る。尚
図示例では上記ピン34，34の位置、つまり半円上アーム
両端の前端と短筒20との枢着位置を、短筒前後方向中間
よりもやや前方に設けることで、図４の二点鎖線のよう
に、蓋体および短筒を半回転させる際、蓋体の外向きフ
ランジ15および短筒20の各前部下端が、容器本体雄ねじ
筒５の後部上端に触れて邪魔されないよう設けている。
但し該構成は必しも必要とするものではなく、容器本体
と揺動部材との枢着位置を後方ずらすことで、上記外向
きフランジ15等の前部上端と雄ねじ筒後部上端との接触
を避けることが出来る。

【００１５】図５が示す第２実施例は、容器本体１の上
半部内へ、中皿40を嵌合させて、その中皿40をパッキン
グ14で密閉するよう設けたもので、中皿40はその周壁41
上端の外向きフランジ42を容器本体１の雄ねじ筒５上端
面上へ載置させている。又中皿40はその外向きフランジ
42後部から中皿支持板43を垂下し、その支持板下部をＬ
字状に後方屈曲して、該屈曲部44の後端部を容器本体１
の溝７内へ嵌合させ、溝側壁に枢着させている。上記中
皿支持板43垂設のため、容器本体周壁３後部の、上記溝
７の前方部分は切欠きし、該切欠き内を通って中皿支持
板43を垂設している。上記屈曲部44後端部の枢着は、そ
の後端部又は揺動部材30の支持柱32下端部を二叉状とし
て、その二叉状部分内へ他方を嵌合させることでそれ等
を共に枢着してもよく、又支持柱32下端の枢着位置前方
で上記屈曲部44後端部を枢着させてもよい。更に支持柱
下端部と屈曲部の後端部とを共に溝７内左右に並べ、こ
れ等を共に枢着することも可能である。

【００１６】上記中皿40内には化粧品収納皿45を嵌合さ
せており、又容器本体１内にはパフ50を収納させてい
る。

【００１７】中皿40は、揺動部材30による開蓋状態にお
いて、上記屈曲部44後端の枢着部を中心とする回動で、
容器本体１に対して上方へ揺動させ、容器本体内に収納
したパフ50等化粧用具を取外し、又収納できる。

【００１８】

【発明の効果】本発明は既述構成とするものであり、容
器本体の円筒状周壁３の上半を小外径に、つまり下半を
大外径とし、かつ蓋体10の頂壁外周には、その蓋体周壁
としての雌ねじ筒12外面に嵌合させた短筒20よりも大外
径の外向きフランジ15を付設したから、容器本体の雄ね
じ筒５に対する蓋体雌ねじ筒の螺合、螺脱を容易とする
ことが出来ると共に、その螺合締付けにより蓋体頂壁13
下面のパッキング14を、請求項１コンパクトの場合は雄
ねじ筒５上端面へ、又請求項２のコンパクトの場合は中
皿40の外向きフランジ42上面へ、それぞれ圧接させて密
閉することが容易であり、又上記雄ねじ筒の雄ねじ４
は、短かく、かつ数箇所にほぼ等間隔に、又雌ねじ11は
上記雄ねじに対応させて配設したから、容器本体に対し
て蓋体を僅かに回動させるだけで螺合、螺脱が出来、又
蓋体の雌ねじ筒12外面へ短筒20を回動可能に嵌合させる
と共に、容器本体周壁下半後部に下端を枢着させて起立
する支持柱32上端から、短筒20の後半外面に沿って半円
状アーム33を突出してそのアーム両前端を短筒20に枢着
する揺動部材30を設けたから、上記蓋体10の螺動は、短
筒20と無関係に行うことが出来ると共に、上記容器本体
と支持柱32下端との枢着部を中心とする揺動部材30の揺
動で、蓋体10を容器本体１の後上方へ移動させることが
出来、かつ該移動状態から半円状アーム両前端の枢着部
を中心として短筒20と共に蓋体10を半回転させ、蓋体頂
壁上面の鏡16を使い易くすることが出来る。

【００１９】請求項２記載のコンパクト容器は、上記効
果のほか、中皿40を容器本体の上半部内へ揺動自在に嵌
合させたから、中皿内と容器本体下半内とを、それぞれ
別室とした化粧品関連収納室として利用できる便利があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 第１実施例で示す、本発明コンパクト容器の
縦断面図である。

【図２】 図１コンパクト容器の斜視図である。

【図３】 図１コンパクト容器の開蓋状態を示す断面図
である。

【図４】 図１コンパクト容器を開蓋し、かつ蓋体を回
動途中での側面図である。

【図５】 第２実施例で示す、コンパクト容器の断面図
である。

【符号の説明】

10…蓋体 20…短筒 30
…揺動部材 33…半円状アーム 40…中皿

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底壁２外周から起立する円筒状周壁３上
   半を小外径かつ外周面数箇所に短かい雄ねじ４をほぼ等
   間隔に配設する雄ねじ筒５とした容器本体１と、上記雄
   ねじに対応する雌ねじ11を有して、雄ねじ筒５に螺合す
   る雌ねじ筒12を頂壁13外周から垂下すると共に、該頂壁
   下面に固着したパッキング14で上記雄ねじ筒５上面を気
   密に密閉し、又上記頂壁13外周に外向きフランジ15を付
   設すると共に、頂壁13上面へ鏡16を固着させた蓋体10
   と、上記雌ねじ筒12外面へ係合手段21で上下動不能に、
   かつ回動可能に嵌合させた、上記外向きフランジよりも
   小外径の短筒20と、上記容器本体周壁３の下半後部に穿
   設した、上面および後面開口の溝７内へ、下端部を嵌合
   枢着させて上方および後方へ起伏が自在に起立する支持
   柱32上端から、上記短筒20後半部外面に沿って半円状ア
   ーム33を突出して該アームの両前端を短筒20の前後方向
   中間部へ、該短筒の回動が自在に枢着させた揺動部材30
   とで形成したことを特徴とするコンパクト容器。
2. 【請求項２】 容器本体周壁３の上端面へ、容器本体上
   半部内へ嵌合させた中皿40の周壁41上端の外向きフラン
   ジ42を載置させて、該中皿上面をパッキング14で密閉す
   ると共に、容器本体の溝７前方周壁部分に設けた切欠き
   内を通って中皿外向きフランジ42後部から垂下する中皿
   支持板43下部をＬ字状に後方屈曲して該屈曲部44の後端
   部を溝７内へ嵌合させ、容器本体１および揺動部材30に
   対して中皿支持板43が揺動自在に、上記屈曲部後端を溝
   側壁に対して枢着させたことを特徴とする、請求項１記
   載のコンパクト容器。