JPH0813995B2

JPH0813995B2 - 自動食器洗浄機用液体洗剤組成物

Info

Publication number: JPH0813995B2
Application number: JP9464687A
Authority: JP
Inventors: 征夫久住; 元友岡
Original assignee: ライオンハイジ−ン株式会社
Priority date: 1987-04-17
Filing date: 1987-04-17
Publication date: 1996-02-14
Anticipated expiration: 2011-02-14
Also published as: JPS63261000A

Description

【発明の詳細な説明】技術分野本発明は、スプレー式、シャワー式等の洗浄方式を採
用する自動食器洗浄機に用いられる洗剤組成物に関す
る。

従来技術業務用の自動食器洗浄機においては、スプレー式、シ
ャワー式等の洗浄方式が採用されており、発泡を避ける
ために主活性成分として界面活性剤の配合は通常行なわ
れない。食器類には油脂汚れが多く付着しているため、
主活性成分として強アルカリを配合して加水分解により
油脂汚れを可溶化し、洗浄・除去するようにしている。

強アルカリとしては苛性アルカリが代表的であるが、
さらに燐酸塩や珪酸塩等のビルダー成分を配合して、洗
浄後の食器にスポット汚れが残らないようにしたり、洗
浄機内部のスケール付着を防止することが行なわれてい
る。

さらに、不特定多数に使われる食器に対する殺菌作用
と、わずかな残留汚れの漂白除去を目的として、強力な
有効塩素放出物質を配合する。食器は、織物と比較して
化学的に安定であり、有効塩素放出物質の配合が容易で
ある。

業務用の自動食器洗浄機においては、上記のようなア
ルカリ剤、ビルダーおよび有効塩素放出物質を含む洗剤
を用い、化学的洗浄力を高める点と、衛生上の点とか
ら、高温洗浄が行なわれる。

しかし、燐酸塩や珪酸塩を配合した洗剤を用いて洗浄
を繰り返すと、洗液が曇ったり沈澱を生じ、洗浄力の低
下やスポット汚れの発生、あるいはスケールの付着が起
こる。これは洗浄水（硬水）中の金属イオンが原因であ
ることから、金属イオン封鎖剤を自動食器洗剤用洗剤中
に配合することが提案されている。

例えば、特開昭58−122998号公報には、金属イオン封
鎖剤としてポリアクリル酸、ポリマレイン酸等の重合体
を使用することが開示されている。しかし、これら重合
物を配合しても50℃以上の洗浄条件では、実際には期待
した効力を十分に発揮しえない。また、これら重合物
は、有効塩素放出物質、例えば次亜塩素酸ソーダを急速
に分解するので、共存させて配合することができない。

特開昭59−223800号公報によれば、（ａ）界面活性
剤、（ｂ）水溶性の炭酸塩物質および（ｃ）非水溶性の
炭酸塩物質を含む織物用の洗浄剤、特に無リン洗浄剤に
おいて、分子量1,000〜500,000のマレイン酸またはアク
リル酸とスルホン化スチレンとの共重合物を配合するこ
とが記載されている。

しかし、この共重合体は、（ｂ）水溶性の炭酸塩と水
中のカルシウムイオンにより生じ、（ｃ）非水溶性の炭
酸塩を核として成長する炭酸カルシウムが織物に付着す
ることを防止するためのコロイド安定剤として使用する
ものであり、本発明の技術分野とは著しく異なってい
る。

発明の目的本発明は、有効塩素を有効に利用でき、しかも、洗浄
力およびスケール付着防止効果に優れた、自動食器洗浄
機用洗浄剤用の液体アルカリ洗剤組成物を提供すること
を目的とする。

発明の構成本発明の自動食器洗浄機用液体洗剤組成物は、以下の
（Ａ）〜（Ｃ）成分を含み、さらに（Ｄ）成分を含有す
ることを特徴とする。

（Ａ）アルカリ剤。

（Ｂ）水溶性燐酸塩および／または珪酸塩。

（Ｃ）有効塩素放出物質。

（Ｄ）下記一般式（Ｉ）または（II）で表わされる分子
量500〜20,000の水溶性共重合物:0.3〜20重量％。

（式中、m/n:0.20〜50 X:アルカリ金属またはアルカリ土類金属）上記（Ａ）〜（Ｄ）成分を含有する洗剤組成物を用
い、自動食器洗浄機により食器を洗浄することにより、
有効塩素を活用して優れた洗浄効果を得ることができ
る。

以下、本発明についてさらに詳細に説明する。

本発明の液体洗剤組成物においては、主活性成分とし
て苛性アルカリなどのアルカリ剤が一般に配合される。
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の苛性アルカリ
は、洗剤組成物に0.5〜40重量％配合することが好適で
あり、さらに好ましくは１〜30重量％である。

本発明の洗剤組成物中には、ビルダーとして水溶性燐
酸塩および／または珪酸塩が配合される。これらビルダ
ーは一部アルカリ剤として機能する他、燐酸塩はスポッ
ト汚れを防止して洗い上がりを改善し、また、珪酸塩は
配管等洗浄機内部の腐食を防止する。ここで塩として
は、ナトリウム塩、カリウム塩などが用いられる。

燐酸塩は、洗剤組成物中に５〜50重量％配合すること
が好適であり、さらに好ましくは10〜30重量％である。

珪酸塩は、洗剤組成物中に0.1〜10重量％配合するこ
とが好適であり、さらに好ましくは１〜５重量％であ
る。

他にビルダーとして、炭酸塩等も配合できるが、炭酸
塩は硬水中のカルシウムイオンと結合して硬表面に強固
に付着する水不溶性沈澱を形成するため、炭酸塩は自動
食器用洗剤に実質上配合しないことが好ましい。

本発明の洗剤組成物には、有効塩素放出物質が配合さ
れる。有効塩素放出物質としては、例えば、次亜塩素酸
塩、亜塩素酸塩、塩素化イソシアヌル酸塩等が用いられ
る。

有効塩素放出物質は、有効塩素量として洗剤組成物中
に0.1〜５重量％配合することが好適であるり、好まし
くは0.1〜２重量％である。自動洗浄機を使用して食
材、食品等の容器や皿等の食器を洗浄するに際しては、
衛生面から除菌および殺菌性を有する洗剤が求められて
おり、この目的を達成するために有効塩素量として0.1
％以上の配合が必要である。一方、有効塩素として５％
以上配合すると、洗浄作業において塩素臭が感じられ、
作業環境上好ましくない。

本発明の組成物においては、さらに上記一般式（Ｉ）
または（II）で示されるスチレンスルホン酸塩とマレイ
ン酸塩またはアクリル酸塩との共重合物が、金属イオン
封鎖剤として配合される。塩としては水溶性となるもの
が用いられ、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属
塩、マグネシウム等のアルカリ土類金属イオンが用いら
れる。なお、上記構造式（Ｉ），（II）はモノマー単位
の結合形式を規定するものではなく、ランダム重合等い
ずれでもよい。

共重合物中のスチレンスルホン酸塩単位の重合度
（ｍ）は１〜50であり、好ましくは１〜40である。ｍが
50を越える場合には共重合物の溶解性が低下するため、
液体洗剤系に配合することが困難となり、甚しい場合に
は低温において不溶化し、洗浄に際してハンドリング上
の問題を生じる。

マレイン酸塩またはアクリル酸塩単位の重合度（ｎ）
は１〜50であり、好ましくは５〜40である。マレイン酸
塩単位やアクリル酸塩単位は強い金属イオン封鎖力を有
しているが、有効塩素含有化合物と反応しやすい。その
ため、ｎが50を越えると有効塩素放出物質と共存するこ
とが困難となり、また、高温洗浄力が低下する。

発明の効果ポリスチレンスルホン酸塩自体は、それ自体大きな金
属イオン封鎖力を有しない。しかし、スチレンスルホン
酸塩単位とマレイン酸塩またはアクリル酸塩単位とを組
み合わせて共重合物とすることにより、この共重合物は
効果的な金属イオン封鎖力を発揮し、しかも、化学的に
安定であり液体洗剤系で有効塩素放出物質と共存するこ
とができ、保管期間中に有効塩素放出物質の分解が生じ
ることを有効に防止できる。よって、ビルダーとして有
用な燐酸塩や珪酸塩、あるいは殺菌剤として有用な有効
塩素放出物質を含有し、洗浄力、スポット汚れ、スケー
ル汚れ効果等に優れた自動食器洗浄溶の液体洗剤組成物
を実現できる。

以下、実施例により本発明の効果をより具体的に説明
するが、これに先立って実施例で用いた試験方法を証明
する。

（１）有効塩素放出物質の安定性有効塩素残存率（％）を求めて、安定性を評価した。

供試洗剤組成物を45℃で10日間保存し、残存する有効
塩素を下記の方法で測定し保存前の有効塩素に対する比
率を、有効塩素残存率（％）として求めた。

＊有効塩素測定法試料5gを300ml三角フラスコに取り、それに10％KI水
溶液5mlと50％酢酸水溶液3mlを添加し、冷暗所に10分間
静置してヨウ素を遊離させ、次に0.1N−Na₂S₂O₃規定液
でヨウ素の黄色が消失するまで滴定し、次式から算出す
る。

A:0.1N−Na₂S₂O₃規定液の滴定量（ml） S:サンプル採取量（ｇ）（２）イオン封鎖能力 CaCl₂0.3gを純水１に溶かして得た15ドイツ硬度の
硬水に、0.2重量％相当の供試洗剤組成物を溶解し、60
℃で１時間放置した後に、その溶液の外観を見る。

○：溶液は透明ないしわずかに曇る（イオン封鎖力に優
れる） △：曇っており、沈澱がわずかに生じる（イオン封鎖力
がある） ×：多量の沈澱を生じる（イオン封鎖力が劣る）（３）スポット汚れ供試洗剤組成物を使用濃度が0.2％となるようにして
自動食器洗浄機に供給し、ガラス製のコップに洗浄液を
高圧スプレーして洗浄し、洗浄液はポンプにより循環使
用した。

ガラス製のコップとしては、牛乳で満遍なく汚し、室
温で３〜４時間乾燥したものを洗浄した。

以下の基準でスポット汚れを目視判定し、５個の平均
をとった。

５点：全くスポットがない４点：スポットが１個ある３点：スポットが２〜３個ある２点：汚れが除去されるが、スポットが多数ある１点：汚れが残る（４）洗浄力カユに生卵を混ぜたものを、平皿１個当り５〜8g塗
り、室温で30分〜１時間乾燥し、これをスポット汚れの
場合と同様に洗浄した。ヨウ素デンプン反応により汚れ
残りを検出し、非着色部の面積の割合で以下のように評
価した。

５点:100〜80％４点: 80〜60％３点: 60〜40％２点: 40〜20％１点: 20％以下実施例表−１に示した組成（バランスは水）の液体洗剤組成
物を調製し性能を評価した。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（Ａ）アルカリ剤と、（Ｂ）水溶性燐酸塩および／または珪酸塩と、（Ｃ）有効塩素放出物質とを含み、さらに、下記一般式（Ｉ）または（II）で表
わされる分子量500〜20,000の水溶性共重合物を0.3〜20
重量％含有することを特徴とする自動食器洗浄機用液体
洗剤組成物。（式中、m/n:0.02〜50 X:アルカリ金属またはアルカリ土類金属）