JPH08138940A

JPH08138940A - 積層型コイル

Info

Publication number: JPH08138940A
Application number: JP27144694A
Authority: JP
Inventors: Hiroyuki Kaneko; 弘之兼子; Masato Fujino; 正人藤野; Chiyouichirou Fujii; 長一朗藤居; Hidetoshi Iwatani; 英俊岩谷
Original assignee: Murata Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date: 1994-11-04
Filing date: 1994-11-04
Publication date: 1996-05-31

Abstract

(57)【要約】【目的】電気的接続部の周辺部分に無駄なスペースが
少ない小型の積層型コイルを得る。【構成】コイル部を構成する絶縁体シート１は表面に
コイル用導体２ｂを設けている。コイル用導体２ｂの一
方の端部はシート１の縁部から突出しており、他方の端
部は電気的接続部であるスルーホール４に接続してい
る。そして、スルーホール７がシート１の中心位置Ｐを
基準にしてスルーホール４に対して点対称の位置に設け
られている。このスルーホール６は電気的接続部であ
り、積層状態では隣接するシートに設けられたコイル用
導体に接続する。コイル用導体２ｂはスルーホール４，
７の形状に合わせてスルーホール４，７の周辺部に蛇行
して配設されている。さらに、シート１の縁部は蛇行し
て配設された部分のコイル用導体２ｂの形状に合わせて
外側に張り出した凸部１ｂを有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、積層型コイル、特にト
ランスやフィルタ等として使用される積層型コイルに関
する。

【０００２】

【従来の技術と課題】積層型コイルとして、例えば図７
に示すコイル用導体１０２を表面に設けた絶縁体シート
１０１を含む複数枚の絶縁体シート１０１を積層してコ
イル部を構成し、各コイル用導体１０２相互を絶縁体シ
ート１０１に設けた電気的接続部（図７の場合はスルー
ホール）１０５，１０６を介して接続するものが考えら
れる。１０１ａはコアを挿通するための穴、１０８はコ
イル用導体１０２に接続されないダミー導体である。

【０００３】ところで、大電流用積層型コイルの場合、
電気的接続部１０５，１０６での損失を少なくするため
に広面積の電気的接続部１０５，１０６が用いられる。
このため、絶縁体シート１０１には電気的接続部１０
５，１０６の周辺部に図中一点鎖線にて表示した広面積
の無駄なスペース１０９が発生し、積層型コイルの小型
化の妨げになっていた。

【０００４】そこで、本発明の課題は、電気的接続部の
周辺部分に無駄なスペースが少ない小型の積層型コイル
を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段と作用】以上の課題を解決
するため、本発明に係る積層型コイルは、（ａ）コイル
用導体を表面に設けた絶縁体シートを複数積層して構成
したコイル部と、（ｂ）前記コイル部と一体化したコア
とを備え、（ｃ）前記コイル用導体相互を電気的に接続
する接続部を前記絶縁体シートに設け、前記接続部の周
辺部において、前記コイル用導体を前記接続部の形状に
追随させて配設すると共に、前記絶縁体シートの縁部を
前記コイル用導体の形状に追随した形状にしたこと、を
特徴とする。ここに、コイル用導体相互を電気的に接続
する接続部としては、例えばスルーホールや接続導体等
がある。

【０００６】以上の構成により、コイル用導体相互を電
気的に接続する接続部の周辺部は、コイル用導体が接続
部の形状に追随して殆ど無駄なスペースを発生させるこ
となく配設され、かつ、このコイル用導体の形状に追随
して絶縁体シートの縁部の形状が設定されている。従っ
て、絶縁体シートのサイズが従来のものより無駄なスペ
ースが少なくなる分だけ小さくなり、コイル部及びコア
の外形寸法が小さくなる。

【０００７】また、本発明に係る積層型コイルは、少な
くとも１枚の絶縁体シートが接続部を二つ有し、前記二
つの接続部が絶縁体シートの中心位置を基準にして点対
称の位置に設けられていることを特徴とする。以上の構
成により、コア内の磁束分布の均等化が促進されると共
に、コアの局所的な機械強度の低下が防止される。

【０００８】

【実施例】以下、本発明に係る積層型コイルの実施例に
ついて添付図面を参照して説明する。以下の実施例は、
トランスとして使用される積層型コイルについて説明す
る。［第１実施例、図１〜図４］図１に示すように、積層型
コイルは、コイル部１０、このコイル部１０を載置する
端子台２０及び磁性体コア４０，４１からなる。

【０００９】コイル部１０は、図２〜図４に例示した絶
縁体シート１を含む複数枚の絶縁体シート１を積層した
ものである。図２〜図４に示した絶縁体シート１の中央
部にはコア４０，４１を挿通するための穴１ａが設けら
れている。各シート１上にはそれぞれ穴１ａを中心とし
て渦巻状のコイル用導体２ａ，２ｂ，２ｃが形成されて
いる。コイル用導体２ａ〜２ｃの一方の端部３はシート
１の縁部から突出しており、他方の端部は電気的接続部
であるスルーホール４あるいは接続導体５に接続してい
る。そして、スルーホール６，７がそれぞれ、シート１
の中心位置Ｐを基準にしてスルーホール４に対して点対
称の位置に設けられている。スルーホール６はコイル用
導体２ｂに接続する電気的接続部であり、スルーホール
７はコイル用導体２ａ，２ｃに接続する電気的接続部で
ある。コイル用導体２ａ〜２ｃはスルーホール４，６，
７及び接続導体５の形状に合わせてスルーホール４，
６，７及び接続導体５の周辺部に蛇行して配設されてお
り、絶縁体シート１は従来の積層型コイルのシートに比
較して無駄なスペースが少なく、小さいサイズにするこ
とができる。

【００１０】さらに、シート１の縁部は蛇行して配設さ
れた部分のコイル用導体２ａ〜２ｃの形状に合わせて外
側に張り出した凸部１ｂを有している。さらに、シート
１の縁部からはコイル用導体２に接続されないダミー導
体８が突出している。ここに、ダミー導体８は、コイル
用導体２の端部３相互を接続する際等に、一定の作業条
件にて行うことができるようにするためのものである。
従って、ダミー導体８を必ずしも設ける必要はない。シ
ート１には、例えばポリイミド材等の絶縁材料が使用さ
れる。コイル用導体２とダミー導体８は、導電性材料、
例えばＣｕ，Ａｇ，Ａｇ−Ｐｄ等からなり、エッチング
又はスクリーン印刷等の手段にて形成される。

【００１１】これらの絶縁体シート１は積層され、コイ
ル部１０とされる。積層された状態では、コイル用導体
２ａと２ｃがスルーホール４，７及び接続導体５を介し
て電気的に接続され、コイル用導体２ｂがスルーホール
４，６等を介して図示しない他のシート１に設けられた
コイル用導体に電気的に接続される。こうして端部３間
にインダクタンスが形成される。図１に示すように、コ
イル部１０の中央部には各絶縁体シート１に設けた穴１
ａにて構成された穴１０ａが設けられ、手前側及び奥側
の側面には凸部１ｂにて構成された凸部１０ｂが設けら
れている。コイル用導体２の端部３及びダミー導体８は
重なり合った状態でコイル部１０の側面から突出し、上
方に垂直に折り曲げられて引出し電極１６とされる。

【００１２】コイル部１０のインダクタは一つだけ形成
してもよいし、複数形成してもよい。また、各絶縁体シ
ート１に設けられたコイル用導体２の接続方法を変える
ことにより、複数のインダクタを直列又は並列に接続す
ることもできる。端子台２０は、ベース部２１の上面両
側部にガイド突起２２が配置されている。ベース部２１
の下面両側部にはリード端子２６の一方の端部が埋め込
まれ、他方の端部はベース部２１の下面を回り込んでベ
ース部２１の側面に沿って延在し、前記ガイド突起２２
と共に交互に千鳥状に配置されている。中央部にはコア
４０，４１の中脚部４０ｃ，４１ｃを挿通するための穴
２８が設けられている。

【００１３】コイル部１０は端子台２０にガイド突起２
２に案内されて載置される。この場合、コイル部１０の
穴１０ａと端子台２０の穴２８とが合うように配置さ
れ、引出し電極１６は端子２６にスポット溶接等の手段
にて電気的に接続される。さらに、断面Ｅ字状のコア４
０，４１が取り付けられる。コア４０は中央部に中脚部
４０ｃ、両端部に外脚部４０ａ，４０ｂを有している。
同様に、コア４１は中央部に中脚部４１ｃ、両端部に外
脚部４１ａ，４１ｂを有している。中脚部４０ｃ，４１
ｃはコイル部１０の穴１０ａ及び端子台２０の穴２８に
挿通される。コア４０と４１は突き合わされた状態で絶
縁テープ等で固定される。

【００１４】こうして得られた積層型コイルは絶縁体シ
ート１のサイズが従来より小さいので、コイル部１０や
コア４０，４１の外形寸法が小さくなり、小型にするこ
とができる。

【００１５】［第２実施例、図５及び図６］図５に示す
ように、積層型コイルは、コイル部６０、このコイル部
６０を載置する端子台７０及びコア９０，９１からな
る。

【００１６】コイル部６０は、図６に例示した絶縁体シ
ート５１を含む複数枚の絶縁体シート５１を積層したも
のである。図６に示した絶縁体シート５１の表面には、
渦巻状のコイル用導体５２が形成されている。シート５
１の中央部にはコア９０，９１を挿通するための穴５１
ａが設けられている。コイル用導体５２の一方の端部５
３はシート５１の縁部から突出しており、他方の端部は
電気的接続部であるスルーホール５４に接続している。
そして、スルーホール５５がシート５１の中心位置Ｐを
基準にしてスルーホール５４に対して点対称の位置に設
けられている。このスルーホール５５は、積層状態で隣
接するシート１に設けられたコイル用導体５２に接続す
る電気的接続部である。

【００１７】コイル用導体５２はスルーホール５４，５
５の形状に合わせてスルーホール５４，５５の周辺部に
蛇行して配置されており、絶縁体シート５１は従来の積
層型コイルのシートに比較して無駄なスペースが少な
く、小さいサイズにすることができる。さらにシート５
１の縁部は蛇行して配設された部分のコイル用導体５２
の形状に合わせて外側に張り出した凸部５１ｂを有して
いる。さらに、シート５１の縁部からはコイル用導体５
２に接続されないダミー導体５８が突出している。これ
らの絶縁体シート５１は積層され、コイル部６０とされ
る。積層された状態ではコイル用導体５２がスルーホー
ル５４等を介して図示しない他のシート１に設けられた
コイル用導体に電気的に接続され、インダクタンスが形
成される。

【００１８】図５に示すように、コイル部６０の中央部
には各シート５１に設けた穴５１ａにて構成された穴６
０ａが設けられ、左右の側面には凸部５１ｂにて構成さ
れた凸部６０ｂが設けられている。コイル用導体５２の
端部５３及びダミー導体５８は重なり合った状態でコイ
ル部６０の側面から突出し、上方に垂直に折り曲げられ
て引出し電極６６とされる。

【００１９】端子台７０は、ベース部７１の上面両側部
に一定の間隔でガイド突起７２が配置されている。端子
台７０の側面部に配設されたリード端子７６は、ガイド
突起７２と共に交互に千鳥状に配置されている。中央部
にはコア９０，９１の中脚部９０ｃ，９１ｃを挿通する
ための穴７８が設けられている。コイル部６０は端子台
７０に載置され、引出し電極６６は端子７６にスポット
溶接等の手段にて電気的に接続される。

【００２０】さらに、コア９０，９１が取り付けられ
る。コア９０，９１はそれぞれ中央部に中脚部９０ｃ，
９１ｃ、両端部に外脚部９０ａ，９０ｂ、９１ａ，９１
ｂを有している。さらに、外脚部９０ａ〜９１ｂにはコ
イル部６０の凸部６０ｂを回避するため、それぞれ切欠
き９２が設けられている。中脚部９０ｃ，９１ｃはコイ
ル部６０の穴６０ａ及び端子台７０の穴７８に挿通され
る。コア９０と９１は突き合わされた状態で絶縁テープ
等で固定される。

【００２１】こうして得られた積層型コイルは、絶縁体
シート５１のサイズが従来より小さいので、コイル部６
０やコア９０，９１の外形寸法が小さくなり、小型にす
ることができる。さらに、スルーホール５４，５５がシ
ート５１の中心位置Ｐを基準にして点対称の位置に設け
られているので、コア９０に設けられた二つの切欠き９
２もコア９０の中心位置を基準にして点対称の位置関係
を有する（コア９１に設けられた二つの切欠き９２も同
様である）。この結果、コア９０，９１内の磁束分布の
均等化が図られると共に、切欠き９２を設けたことによ
るコア９０，９１の局所的機械強度の低下が防止され
る。

【００２２】［他の実施例］本発明に係る積層型コイル
は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲
内で種々に変形することができる。絶縁体シート、縁部
の凸部やコアの切欠きの形状や位置は任意であり、コイ
ル用導体相互を電気的に接続する接続部の形状に合わせ
て種々に変形することができる。また、前記第１実施例
と第２実施例を組み合わせた構造の積層型コイルであっ
てもよい。

【００２３】さらに、積層型コイルは、コイル部に穴を
設けないで、コアをコイル部に挿通しない構造のもので
あってもよい。

【００２４】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、コイル用導体相互を電気的に接続する接続部の
形状に追随してコイル用導体を配設すると共に、絶縁体
シートの縁部をコイル用導体の形状に追随した形状にし
たので、接続部周辺部に無駄なスペースが少なくなり、
絶縁体シートのサイズが小さくなる。この結果、コイル
部やコアの外形寸法が小さくなり、小型化を図ることが
できる。

【００２５】また、接続部を絶縁体シートの中心位置を
基準にして点対称の位置に設けたので、コア内の磁束分
布の均等化が図られると共に、コアの局所的な機械強度
の低下が防止される。この結果、電気特性を低下させる
ことなく小型の積層型コイルが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る積層型コイルの第１実施例を示す
分解斜視図。

【図２】図１に示した積層型コイルのコイル部に用いら
れる絶縁体シートの一例を示す平面図。

【図３】図１に示した積層型コイルのコイル部に用いら
れる絶縁体シートの他の一例を示す平面図。

【図４】図１に示した積層型コイルのコイル部に用いら
れる絶縁体シートのさらに他の一例を示す平面図。

【図５】本発明に係る積層型コイルの第２実施例を示す
分解斜視図。

【図６】図５に示した積層型コイルのコイル部に用いら
れる絶縁体シートの一例を示す平面図。

【図７】従来の積層型コイルのコイル部に用いられる絶
縁体シートの一例を示す平面図。

【符号の説明】

１…絶縁体シート１ｂ…凸部２ａ，２ｂ，２ｃ…コイル用導体４，６，７…スルーホール（接続部）５…接続導体（接続部）１０…コイル部１０ｂ…凸部４０，４１…コア５１…絶縁体シート５１ｂ…凸部５２…コイル用導体５４，５５…スルーホール（接続部）６０…コイル部６０ｂ…凸部９０，９１…コア９２…切欠きＰ…中心位置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者岩谷英俊京都府長岡京市天神二丁目26番10号株式会社村田製作所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】コイル用導体を表面に設けた絶縁体シー
トを複数積層して構成したコイル部と、前記コイル部と一体化したコアとを備え、前記コイル用導体相互を電気的に接続する接続部を前記
絶縁体シートに設け、前記接続部の周辺部において、前
記コイル用導体を前記接続部の形状に追随させて配設す
ると共に、前記絶縁体シートの縁部を前記コイル用導体
の形状に追随した形状にしたこと、を特徴とする積層型コイル。
【請求項２】少なくとも１枚の絶縁体シートが接続部
を二つ有し、前記二つの接続部が絶縁体シートの中心位
置を基準にして点対称の位置に設けられていることを特
徴とする請求項１記載の積層型コイル。