JPH0813746B2 - 止血剤 - Google Patents

止血剤

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JPH0813746B2
JPH0813746B2 JP4614287A JP4614287A JPH0813746B2 JP H0813746 B2 JPH0813746 B2 JP H0813746B2 JP 4614287 A JP4614287 A JP 4614287A JP 4614287 A JP4614287 A JP 4614287A JP H0813746 B2 JPH0813746 B2 JP H0813746B2
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chitin
hydrochloride
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bleeding
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JP4614287A
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紘爾 木船
泰彦 山口
健三 本杉
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,止血剤に関するものであり,さらに詳しく
は特に外科手術等における切開創,切除創などの出血部
における止血に有効な止血剤に関するものである。
(従来の技術)(発明が解決しようとする問題点) 従来,外科手術等の出血を止血するものとして,薬剤
を中心にして多くのものが商品として使用されている。
その中で,物理的圧迫による止血及び凝血を促進する化
学的な止血作用の両者を利用するタイプの止血剤とし
て,例えば,ゼラチンスポンジ(商品名:スポンゼル,
山内製薬),酸化セルローズ綿(商品名:オキシセル,
三共製薬),コラーゲンの塩酸塩(商品名:アビテン,
ゼリア薬品)があげられる。これらは特に吻合,結紮が
困難な場所に対して使用されているが,短時間で,完全
に,かつ処理後に再出血がおこらないよう安全に止血を
行うという点では,必ずしも満足できるものではない。
また,特開昭59−88424号公報により,キチンの脱ア
セチル化物であるキトサンに止血作用のあることが知ら
れている。
しかしながら,キトサンは,いかなる剤型で使用して
も,出血創における止血効果としては,長時間に及ぶマ
イルドな止血には効果があがるものの,急を要する手術
等において迅速な止血を行うには必ずしも充分なもので
はない。
本発明の目的は,迅速で,完全に,かつ安全な止血を
行うことができる止血剤を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは,上記の問題点を解決するために鋭意研
究を重ねた結果,キチンの塩酸塩又はキチン誘導体の塩
酸塩が止血剤として良好な性能を有することを見出し,
本発明に到達したものである。
すなわチ,本発明は,キチンの塩酸塩又はキチン誘導
体の塩酸塩からなる止血剤を要旨とするものである。
本発明でキチンとは,甲殻類,昆虫類の外骨格等を,
塩酸処理等の酸処理ならびにカ性ソーダ処理等のアルカ
リ処理を行って,タン白及びカルシウム分を分離精製す
ることによって得られるポリ−N−アセチル−D−グル
コサミンを主体とした精製物をいう。また,キチン誘導
体とは,このキチンのアセチルアミノ基の一部又は全部
が脱アセチル化された,いわゆる脱アセチルキチン又は
キトサン,及びキチンのOH又はCH2OH基を例えば,エー
テル化,エステル化,カルギキシメチル化,ヒドロキシ
エチル化,0−エチル化したものを意味するが,本発明に
おいては,精製された天然のキチンを,所望の剤型とし
た後,15〜40重量%のカ性ソーダ水溶液を用いて80〜120
℃で30分〜5時間処理することによって脱アセチル化し
たものが好ましく用いられる。
キチンの塩酸塩又はキチン誘導体の塩酸塩とは,これ
らのキチン又はキチン誘導体,好ましくは,脱アセチル
化されたものの塩酸塩を意味する。塩酸塩は,キチン又
はキチン誘導体を,例えば,0.5〜3Nの塩酸等の希塩酸で
処理したのち余分の塩酸を濾過によって除去するか,又
は塩化水素ガスに接触させた後,水やアルコール類で洗
浄し,さらに乾燥することによって,作製することがで
きる。
本発明において好ましいキチンの塩酸塩又はキチン誘
導体の塩酸塩は,その0.3gを25℃の水40CCの中に入れ,
撹拌してから測定したときのpHが4.5以下,とくに2.5〜
4.0のものである。塩酸塩のpHの調性は,塩酸塩の製造
時の余分の塩酸の濾過方法,水やアルコール類での洗浄
時間,回数等を変えて,グルコサミン基と塩酸の結合量
を変化させることによって行うことができる。
上記のごときキチンの塩酸塩又はキチン誘導体の塩酸
塩からなる本発明の止血剤は,例えば,外科術等の切除
部や切開部等に発生する出血部に装着可能な,粉末,繊
維,フイブリル,スポンジ,フルム等の剤型であること
が好ましいが,とくに粉末,繊維,フイブリルが好まし
く,繊維としては太さが10デニール以下で,長さが10cm
以下の短繊維状のものが好ましい。これらの剤型の止血
剤を作成するためには,まず,キチン又はキチン誘導体
の粉末を塩酸塩にした後に溶剤に溶解して,所望の剤型
としてもよいし,あるいはキチン又はキチン誘導体を溶
剤に溶解して得たドープを凝固して所望の剤型とした
後,塩酸塩としてもよい。この際に使用する溶剤として
は,アセチルグルコサミン基の多いキチンの場合には,
例えば,塩化リチウムを含むN−メチルピロリドン又は
ジメチルアセトアミド溶液や,トリクロル酢酸とハロゲ
ン化炭化水素との混合溶液が好ましく使用され,一方,
グルコサミン基の多いキチン(一般にはキトサンと呼称
される。)の場合には,酢酸等の酸水溶液を好ましく使
用することができる。これら溶液から,前記の種々の剤
型の止血剤を作製するには,それぞれの剤型を作製する
個別の方法によって行うことができる。例えば,繊維を
作製するには,キチンドープをステンレスネツト等で濾
過して未溶解分や異物を除いた後,ギヤーポンプ等で輸
送,計量し,ノズルから水,メタノール,エタノール,
ブタノール等のアルコール類,アセトン等のケトン類等
からなる凝固液中に押し出して凝固する。凝固した糸条
は,例えば,廻転ローラー等で2〜50m/min程度の速度
で引き取り,ワインダー等によって捲き取り,さらに洗
浄を行って,糸条中に含まれる溶剤を十分に除去した
後,乾燥すればよい。
得られた繊維から,その塩酸塩を作製するには前記の
方法によって行うことができる。
本発明の止血剤は,乾燥状態で出血部に付与すればよ
いが,付与直後に,その上部から木綿ガーゼ等で数分間
圧迫すると,より良い効果を発揮する。
(実施例) 以下,実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例1,比較例1,2 キチンの粉末(片倉チツカリン製)を100メツシユに
粉砕し,1N−HC1にて4℃で1時間処理し,さらに3%Na
OH液中で3時間,90℃で加熱処理し,再度キチンの粉末
中に含まれるカルシウム分及び蛋白質を除去し,水洗を
繰り返し乾燥した。得られたキチンは,塩化リチウムを
8重量%含むジメチルアセトアミド溶液に0.2重量%の
濃度になるように溶解した溶液の粘度が30℃において25
1センチポイズの値を示すものであった。このキチンを
7重量%の塩化リチウムを含んだジメチルアセトアミド
溶液に7重量%になるように溶解した。得られたドープ
は1480メツシユ金網で濾過し,放置脱泡のうえ,タンク
に入れ加圧下でギヤーポンプにて輸送し,1000ホールの
ノズルより吐出量11g/minの割合で80℃の熱水中に押出
して凝固し,10m/minの速度でローラーに引き取った。得
られた糸条を水で十分に洗浄したのち乾燥して,単糸デ
ニール0.73デニール,強度3.0g/dの繊維を得た。得られ
た繊維を5mmにカツトし,23重量%NaOH水溶液にて120℃
で1時間処理して中和を行ったのち洗浄,乾燥を行って
綿状物を得た。次いで,この綿状物を2N−塩酸に親戚
し,約20℃で30分間処理した。処理後,吸引式濾過ビン
で繊維の周囲の余分の塩酸を除去したのち,約20℃のメ
タノールを用いて30分間の洗浄を2回繰り返した後,乾
燥してキチン繊維からなる止血剤を得た。このキチン繊
維からなる止血剤0.3gを40℃の水中に投入して25℃でpH
を測定したところ2.9であった。
上記のようにして得られた止血剤の効果を以下のよう
にして確認した。
すなわち,体重5.8kgの雑成犬にバルビタール薬にて
麻酔を行い,電気メスにて胸部を切開した後,脾臓を取
出した。脾臓の表面に手術用はさみでたて4mm×よこ4cm
の3コの切除傷を作成したところ,いずれも定常的な出
血をみた。これらの傷に対して,実施例1の止血剤,実
施例1において塩酸塩にする前の線状物,(比較例
1),あるいは牛真皮をアルカリ処理することによって
得られた微線維状コラーゲンを塩酸塩としたもの(比較
例2)を,それぞれ約50mg付与した後,その上から木綿
のガーゼで約2分間圧迫し,ついでガーゼを取り除いた
ところ,実施例1のものを付与した傷あるいは比較例2
のものを付与した傷では出血が止っていたが,比較例1
のものを付与した傷では依然として出血が止っていなか
った。その後,そのままの状態で約20分間放置したとこ
ろ,比較例2のものを付与した傷からわずかな出血が始
まり放置と共に出血は激しくなった。これに対し,実施
例1のものを付与した傷は20分後も完全な止血が行われ
ており,出血はみられなかった。
実施例2,比較例3,4 0.2M酢酸水溶液に0.2重量%溶解したときの粘度が20
℃で54センチポイズであるキトサン粉末(共和油脂製)
を十分に乾燥した後,この粉末を20℃で,濃塩酸中から
発生する塩化水素ガス中に30分間暴露した後,メタノー
ルを用いた30分間の洗浄を2回くり返したのち,乾燥し
てキトサンの塩酸塩からなる止血剤を得た。
この止血剤の効果の確認を体重6.4kgの雑成犬を使用
して行った。まず,この雑成犬をバルビタール薬にて麻
酔した後,電気メスにて胸部を切開し,肝臓を取り出し
た。
手術用はさみにて肝臓の端部から,たて1cm,よこ2cm,
厚み1mmの大きさの小片を3個切除したところ,切除部
からそれぞれ出血をみた。それぞれの切除部に実施例2
の止血剤,実施例2において塩酸塩にする前のキトサン
粉末(比較例3),あるいは酸化セルローズ綿(比較例
4)を約30mg付与した後,その上部から木綿ガーゼで約
2分間圧迫し,ついでガーゼを取り除くと,実施例2の
ものを付与した傷あるいは比較例4のものを付与した傷
は,出血していなかったのに対し,比較例3のものを付
与した傷は全体から出血が続いていた。そのまま30分間
放置したところ,実施例2のものを付与した傷は止血し
たままであったが,比較例4のものを付与した傷からは
再び出血がはじまった。
(発明の効果) 本発明の止血剤は,外科手術等における出血創に対し
て優れた止血効果を発揮するものであり,特に止血効
果,使用性において優れているものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−88424(JP,A) 特開 昭62−4232(JP,A) 米国特許3632754(US,A) 米国特許3911116(US,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キチンの塩酸塩又はキチン誘導体の塩酸塩
    からなる止血剤。
JP4614287A 1987-02-27 1987-02-27 止血剤 Expired - Lifetime JPH0813746B2 (ja)

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JPH09169653A (ja) * 1995-12-22 1997-06-30 Unitika Ltd キチン止血剤
US7041657B2 (en) * 2001-02-12 2006-05-09 Marine Polymer Technologies Inc. Compositions and methods for modulation of vascular structure and/or function
JP2010024146A (ja) * 2008-07-15 2010-02-04 Unitika Ltd 止血材

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