JPH08136408A - ダイナモメータ - Google Patents

ダイナモメータ

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JPH08136408A
JPH08136408A JP6274131A JP27413194A JPH08136408A JP H08136408 A JPH08136408 A JP H08136408A JP 6274131 A JP6274131 A JP 6274131A JP 27413194 A JP27413194 A JP 27413194A JP H08136408 A JPH08136408 A JP H08136408A
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shaft
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Toshimitsu Maruki
利光 丸木
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸トルク制御の応答性を高めながら高い精度
と高い安定性のトルク制御を得る。 【構成】 駆動側電動機の軸トルク指令をその電流−ト
ルク特性の逆伝達関数で電流制御系ACRの電流指令に
するトルクー電流変換部1を設けることで高速応答を得
る。トルク制御系ATRの軸トルク指令は、入力軸の伝
達関数を持つ軸トルク指令補正部2を通すことでねじれ
振動による系の不安定を無くし、かつトルク制御の精度
を確保する。ブロック7で速度制御される動力吸収側電
動機に対しても電動機の電流−トルク特性の逆伝達関数
で電流制御系ACRの電流指令にするトルクー電流変換
部5を設けることで動力吸収側にも吸収トルクの高速応
答を得る。出力軸変換部4は、軸トルク指令を動力吸収
側電動機の出力軸でのトルクに変換する。加速トルク補
正部6は、加速による軸トルクを補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動力伝達装置を供試体
とするダイナモメータに係り、特に供試体の駆動装置を
軸トルク制御し、供試体の動力吸収装置を慣性制御や速
度制御する場合の軸トルク制御に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のダイナモメータは、例えば、自
動車の変速機試験、さらには差動歯車機構等も含めた動
力伝達装置の試験には、電動機を駆動装置として変速機
等を駆動し、変速機の出力軸や駆動輪に動力吸収装置と
しての電動機やフライホイールを結合し、変速機や動力
伝達系の各種性能試験を行う。
【0003】このようなダイナモメータの基本的なシス
テム構成は、図4に示すようになる。供試体Sの入力軸
には駆動装置として電動機M1とトルクメータTM1が結
合され、供試体Sの出力軸には動力吸収装置として電動
機M2とフライホイールFW及びその間にトルクメータ
TM2が結合される。
【0004】なお、動力吸収装置は、供試体の種類によ
り複数に分離構成される場合もあるが、システム構成的
には等価になる。
【0005】このシステム構成において、駆動装置を軸
トルク制御する場合の等価ブロックは、図5に示すよう
になる。すなわち、電動機M1はPI演算する軸トルク
制御系ATRのマイナループに電流制御系ACRを持
つ。なお、図中の各記号は、以下のとおりである。
【0006】 G1(S):電流制御系の伝達関数、 G2(S):電動機M1の電流入力に対するトルク出力の伝達関数、 τpset:電動機M1のトルク設定値 τ1:電動機M1の駆動トルク、 τ2:電動機M2の吸収トルク、 τP:供試体の駆動軸トルク、 J1:電動機M1の慣性モーメント、 J2:動力吸収装置(M2+FW)の慣性モーメント、 KS:供試体のバネ定数、 Cm:供試体の減衰係数、 ω1:駆動装置の角速度 ω2:動力吸収装置の角速度 T1:軸トルク制御系の時定数 TD1:検出系の時定数 S:ラプラス演算子 上記の基本制御ブロックの他に、軸トルク制御の応答性
を向上させるため、実開平2−133198号公報で提
案されるように、トルク指令にある係数を乗じたものを
電流制御系ACRの電流指令ISに加算する方法があ
る。
【0007】また、特開平3−256101号公報で提
案されるように、電動機M1の制御系のマイナループに
駆動トルク制御系も追加することで軸トルク制御の応答
性を向上させる方法、さらには電動機M2の速度制御系
の中に電動機M1の軸トルク設定から演算したトルク分
を加算補正する方法がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の軸トルク制御方
式では、駆動装置側の電動機M1の慣性J1と動力吸収装
置側の慣性J2の影響を受けること、さらに電動機M2
速度制御の場合のその応答時間による影響を受けること
から、軸トルク制御の応答に2〜3秒の大きな遅れを生
じ、適切にチューニングする場合でも0.7〜1.0秒が
限界であった。
【0009】例えば、図6に示す簡素化したシステムモ
デルにおいて、電動機M2が無制御の場合、トルクメー
タTMの軸トルクτPは、電動機M1の軸トルクτ1との
間に次の関係、
【0010】
【数1】
【0011】τ3:電動機M2のメカロス(≒0) があり、慣性J1、J2による影響を受ける。仮に、J1
=J2の場合では、τP=τ1/2となり、目標の半分の
軸トルクしか発生しない。このトルクの不足は、トルク
制御系によって補償されるが、この遅れが応答性の低下
になる。
【0012】次に、簡素化したシステムモデルで電動機
2が速度制御(ASR)される場合、軸トルクτPは次
の関係、
【0013】
【数2】
【0014】ω1:角速度 があり、安定した状態ではτP=τ1となる。ここで、τ
1を変化させた場合、電動機M2の速度制御系に外乱トル
クが発生し、角速度ω1が変化する。これに伴って、τP
=τ1の関係がくずれ、目標とする軸トルクτPが得られ
ず、速度制御が安定した後にτP=τ1となる。
【0015】このように、軸トルク制御は、速度制御系
の応答に影響を受ける関係にあり、電動機M1の軸トル
ク制御と電動機M2の速度制御は、干渉系のシステムで
あり、速度制御系の応答性の影響を受け、軸トルク制御
の応答も0.7〜1.0秒以上に高めることが困難であっ
た。
【0016】本発明の目的は、軸トルク制御の応答性を
高めながら高い精度と高い安定性のトルク制御を得るダ
イナモメータを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題の解
決を図るため、マイナループに電流制御系を有するトル
ク制御系により軸トルク制御される電動機により供試体
を駆動する駆動装置と、前記供試体からの動力を慣性負
荷として吸収する動力吸収装置とを備えたダイナモメー
タにおいて、前記電動機の電流−トルク特性の逆伝達関
数を持ち、前記トルク制御系の軸トルク指令を電流指令
に変換し、前記トルク制御系の出力に加えて前記電流制
御系の電流指令とするトルクー電流変換部と、前記電動
機から動力吸収装置までのトルク伝達関数を持ち、前記
軸トルク指令を補正して前記トルク制御系の軸トルク指
令とする軸トルク指令補正部と、前記軸トルク指令に前
記駆動装置の慣性J1と動力吸収装置の慣性J2の比J1
/J2を乗じて該軸トルク指令に加え、前記トルクー電
流変換部の軸トルク指令とする慣性比補正部とを備えた
ことを特徴とする。
【0018】また、本発明は、マイナループに電流制御
系を有するトルク制御系により軸トルク制御される駆動
側電動機により供試体を駆動する駆動装置と、マイナル
ープに電流制御系を有する速度制御系により速度制御さ
れる動力吸収側電動機により供試体からの動力を吸収す
る動力吸収装置とを備えたダイナモメータにおいて、前
記駆動側電動機の電流−トルク特性の逆伝達関数を持
ち、前記トルク制御系の軸トルク指令を電流指令に変換
し、前記トルク制御系の出力に加えて前記電流制御系の
電流指令とする第1のトルクー電流変換部と、前記駆動
側電動機から動力吸収装置までのトルク伝達関数を持
ち、前記軸トルク指令を補正して前記トルク制御系の軸
トルク指令とする軸トルク指令補正部と、前記駆動側電
動機の駆動トルクに対する動力吸収側電動機の吸収トル
クの換算特性の伝達関数を持ち、前記軸トルク指令から
動力吸収側電動機の吸収トルクを算定する出力軸換算部
と、前記動力吸収側電動機の電流−トルク特性の逆伝達
関数を持ち、前記出力軸換算部を通した軸トルク指令を
電流指令に変換し、前記速度制御系の出力に加えて前記
動力吸収側電流制御系の電流指令とする第2のトルクー
電流変換部と、前記速度制御系の速度指令の変化率に前
記駆動装置側電動機の慣性J1を乗じて前記軸トルク指
令に加え、前記第1のトルクー電流変換部の軸トルク指
令とする加速トルク補正部とを備えたことを特徴とす
る。
【0019】
【作用】
(第1の発明)電動機のトルク制御には、軸トルク指令
から電動機の電流−トルク特性の逆伝達関数を通して電
流制御系の電流指令とし、軸トルク指令の変化に対して
フィードフォワード制御により電動機の出力トルクに高
速応答を得る。
【0020】この高速応答のトルク制御では、本質的に
ねじり振動系である入力軸トルク制御系の応答性が高い
ときに必要以上の駆動力でオーバーシュートが発生する
のを、軸トルク指令補正部により補正した軸トルク指令
をトルク制御系に与えることでオーバーシュートによる
振動を抑える。
【0021】慣性比補正部は、軸トルク指令に対する制
御が駆動側慣性J1及び動力吸収側慣性J2による影響で
トルクが不足するのを応答遅れ無しに補償する。
【0022】(第2の発明)動力吸収装置側の電動機が
速度制御される場合、駆動装置側の軸トルク制御はフィ
ードフォワード制御を行うと共に、動力吸収側電動機も
その電流−トルク特性の逆伝達関数及び出力軸換算の伝
達関数を通してフィードフォワード制御する。
【0023】これにより、軸トルク指令の変化に対して
動力吸収側電動機の吸収トルクに高速応答を得る。この
とき、駆動側電動機と動力吸収側電動機とで同時に同じ
値のトルクを逆方向に発生することで、駆動側と吸収側
との間で系の速度変化が発生するのを無くし、動力吸収
側電動機のメジャーループになる速度制御系に対して非
干渉の軸トルク制御を得る。
【0024】加速トルク補正部は、動力吸収側電動機の
速度指令を変化させたときに発生する駆動側電動機の慣
性によるトルク分を駆動側自身で補償する。
【0025】
【実施例】
(第1の実施例)図1は、本発明の一実施例を示す回路
図であり、電動機M2を無制御又は定トルク制御とし、
動力吸収装置が慣性負荷に相当する場合である。
【0026】本実施例が図5と異なる部分は、演算要素
1〜3を追加した点にある。
【0027】トルク−電流変換部1は、電動機M1が持
つ電流−トルク特性の逆伝達関数(演算又はテーブルデ
ータから得る)を持ち、軸トルク指令τpsetを電流指令
S1に直接に変換し、これをトルク制御系ATRからの
電流指令IS2に加算して電流制御系ACRの電流指令I
Sとする。
【0028】これにより、軸トルク指令τpsetの変化に
対しては、トルク制御系ATRや検出系の応答遅れを介
することなく、電流制御系ACRの高速応答によって軸
トルクτPを電動機M1に発生させる。このとき、トルク
制御は、トルク−電流変換部1を通したフィードフォワ
ード制御により高速応答を得、トルク制御系ATRはト
ルク制御の定常誤差を無くし、トルク精度を高めるため
の補正ループになる。
【0029】軸トルク指令補正部2は、入力軸トルク系
の伝達関数G3(S)を有して軸トルク指令τpsetを補
正し、トルク制御系ATRの軸トルク指令τP*を得
る。
【0030】この軸トルク指令補正部2による補正は、
本質的にねじり振動系である入力軸トルク制御系の応答
性が高いときに必要以上の駆動力でオーバーシュートが
発生するのを抑え、系の振動を抑制する。
【0031】この軸トルク指令補正は、トルクー電流変
換部1により高速の駆動力発生を得る場合に有効とな
る。この理由を以下に説明する。
【0032】図1において、軸トルク指令τpsetは、ト
ルクー電流変換部1を経て電流指令IS1に直接に変換さ
れるが、軸トルク指令補正部2の伝達関数G3(S)=
1ではトルク制御系ATRの補正ループからは軸トルク
τPの検出遅れによってK1τpsetの値がIS2となる。
【0033】したがって、電流指令IS=IS1+IS2
S1+K1τpsetとなり、IS2が軸トルクτPの発生に必
要な電流値であれば、IS2=K1τpset分は過分なもの
となる。このとき、トルク制御系ATRの補正ループ
は、その電流指令値IS2=K1τpsetだけ電動機M1に大
きな駆動トルクを発生させ、軸トルクτPがオーバーシ
ュートになり、系を大きく振動させることになる。
【0034】これを防止するために軸トルク指令補正部
2が設けられる。この補正部2は、定常状態、すなわち
3(S)=1では軸トルク指令τpsetと同じ値を発生
するが、過渡的には入力軸トルク系の伝達関数の遅れ要
素を含めた伝達関数G3(S)を与える。
【0035】これは、軸トルク指令τpsetを変化させた
ときの系、 G01(S)→G1(S)→G2(S)→1/SJ1→KS
S→τP→τPd で伝達される値と同様の伝達関数G3(S)を持ち、軸
トルク指令τpsetに対して軸トルク補正部2の伝達関数
3(S)で演算(又はテーブルデータから読み出し)
を行い、トルク制御系ATRの指令τP*を発生する。
【0036】
【数3】
【0037】仮に、トルク−電流変換部1による制御で
誤差がなければ、この結果の検出軸トルクτPdと指令τ
p*は等しくなり、トルク制御系ATRの出力は変化し
ない。
【0038】このように、軸トルク指令補正部2は、過
渡的な影響を除去し、定常状態でトルク−電流変換部1
による制御誤差を補正し、設定した軸トルク指令τpset
=τP(τPd)を得、高い精度のトルク制御を可能とす
る。
【0039】次に、慣性比補正部3は、軸トルク指令τ
psetに駆動装置側の慣性J1と動力吸収装置側の慣性J2
の比を乗じて該軸トルク指令τpsetに加え、これをトル
ク−電流変換部1のトルク指令τ1set(=τpset(1+
1/J2))とする。
【0040】この補正は、図6の簡素化モデルにおい
て、前記の(1)式の関係から、軸トルク指令τpset
慣性比補正すると、
【0041】
【数4】
【0042】となり、フィードバック補償無しで、しか
もフィードフォワード制御による高速応答で目標の軸ト
ルクτPを得ることを可能にする。
【0043】(第2の実施例)図2は、本発明の他の実
施例を示し、動力吸収装置の電動機M2を速度制御する
場合である。
【0044】同図が図1と異なる部分は、慣性比補正部
3を除き、演算要素4〜6を設けた点にある。
【0045】ブロック7は、電動機M2の速度制御系を
示し、速度指令ω2setと検出角速度ω2とにより速度制
御系ASRとそのマイナループとして電流制御系ACR
を有してフィードバック制御を行う。G4(S)は電流
制御系ACRの伝達関数、G5(S)は電動機M2の電流
−トルク伝達関数、T2とTD2は時定数である。
【0046】出力軸換算部4は、駆動トルクτ1に対す
る出力軸の吸収トルクτ2の換算特性を伝達関数G
6(S)として持ち、軸トルク指令τpsetから電動機M2
の吸収トルクτP2を算定する。
【0047】トルクー電流変換部5は、トルクー電流変
換部1と同様に、電動機M2が持つ電流−トルク特性の
逆伝達関数(演算又はテーブルデータから読み出す)を
持ち、吸収トルク指令τp2を最も応答の速い電流指令に
直接に変換し、これを電動機M2の速度制御ブロック7
の速度制御系ASRからの電流指令に加算して電流制御
系ACRの電流指令ISとする。
【0048】これら出力軸換算部4とトルクー電流変換
部5により、軸トルク指令τpsetの変化に対しては、電
動機M2の速度制御系ASRや検出系の応答遅れを介す
ることなく、電流制御系ACRの高速応答によって吸収
トルクτ2を電動機M2に発生させる。このとき、ブロッ
ク7の速度制御系ASRは速度制御の定常誤差を無く
し、速度精度を高めるための補正ループになる。
【0049】これにより、駆動装置側の電動機M1の駆
動トルクの高速応答に加えて、動力吸収装置側での電動
機M2の吸収トルクにも高速応答を得る。また、電動機
2側の速度制御系ASRへの非干渉を得る。
【0050】つまり、電動機M1,M2の駆動力τ1,吸
収力τ2としては、目標軸トルクτPに必要なトルクを同
時に発生させ、|τP|=|τ1|=|τ2|となり、非
常に高速な応答で軸トルクを得ることができる。
【0051】また、駆動側電動機M1と吸収側電動機M2
とで同時に同じ値のトルクを逆方向に発生するため、駆
動側と吸収側との間で系の速度変化が発生しない。した
がって、電動機M2のメジャーループになる速度制御系
ASRに対して、出力軸換算部4とトルクー電流変換部
5によるトルク制御が外乱となることがなく、該速度制
御系ASRに対して非干渉の軸トルク制御になる。
【0052】なお、従来技術で示す特開平3−2561
01号公報にも類似の制御をしている部分があるが、以
下に説明するように本実施例の方式が優れている。
【0053】特開平3−256101号公報の場合、軸
トルク設定からASR加算トルク演算部(13)を経て
動力吸収側の速度制御系ASRのマイナループの電流指
令に軸トルク相当の信号を加算する。
【0054】この場合、駆動側の軸トルク制御は、その
マイナループになる電流制御系ACRの外側にロードセ
ルの検出トルクによる駆動力ループを持ち、さらにその
外側に軸トルク制御ループを持つ構成としている。
【0055】これに対して、本実施例では、駆動側及び
動力吸収側の両制御には、速い応答を得るトルクー電流
変換部1、5からの電流指令に定常誤差をキャンセルす
るためのトルク制御系ATR、速度制御系ASRの補正
ループの信号を加算する方式となり、軸トルク設定τ
psetを変化させたときに生じる電動機M1の駆動トルク
τ1と、電動機M2の吸収トルクτ2が発生するメカニズ
ムは同じ種類の伝達関数を経由するため、τ1とτ2には
同時性があり、系の振動要因が無くなる。
【0056】この点、特開平3−256101号公報で
は、片方(動力吸収側)が速度制御ASR、他方(駆動
側)がACRとATRのマイナループ付きの軸トルク制
御ATRになり、両制御系に同時性が無く、軸トルク設
定を変えたときに応答時間差が生じ、トルクのアンバラ
ンスが発生して系が振動する要因を持っている。
【0057】次に、加速トルク補正部6は、電動機M2
の速度指令ω2setを微分(加速度を演算)し、駆動側の
慣性J1を乗じて軸トルク指令τpsetに加算補正する。
【0058】この補正は、電動機M2の速度指令を変化
させたときに発生する電動機M1の慣性によるトルク分
を駆動側自身で補償し、軸トルクτPに表れるのを無く
す。
【0059】この補正方式は、特開平3−256101
号公報においても示唆されるものであるが、具体的な慣
性補償部(12)について明確に示されるものではない
し、前述のように本実施例とは駆動側と動力吸収側の制
御系構成が異なる。
【0060】(第3の実施例)図3は、本発明の他の実
施例を示す。本実施例は、動力吸収装置の電動機M2
無制御の場合と速度制御の場合に応じて演算要素を切り
替える構成を示す。
【0061】すなわち、本実施例では、図1の各演算要
素1〜3及び図2の演算要素4〜6を設け、これら演算
要素のうち、要素3と6の切換え及び電動機M2の速度
制御系の切り離しを、電動機M2が無制御の場合と速度
制御の場合とで切り替えて制御系に結合する。
【0062】この切り替えには、電動機M2が無制御
(慣性負荷)の場合、切換リレーの常開接点81を開、
常閉接点82を閉、切換接点83を0(電流0)側へ切り
替える。また、電動機M2が速度制御の場合にはこれら
接点が逆になる。
【0063】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、駆動装
置側電動機の軸トルク指令を該電動機の逆伝達関数から
電流指令に変換して電流制御系による制御を行い、トル
ク制御系の軸トルク指令は電動機から動力吸収装置まで
のトルク伝達関数による補正をし、軸トルク指令に駆動
装置の慣性と動力吸収装置の慣性の比を乗じて軸トルク
指令に加えるようにしたため、以下の効果がある。
【0064】(1)軸トルク指令を電流指令に変換する
ことにより、軸トルク制御に高速応答を得ることができ
る。
【0065】(2)動力吸収側の慣性も含めた補正によ
り、軸トルク制御の応答性を一層向上できる。
【0066】(3)トルク制御系の指令を補正すること
により、高い精度の軸トルク制御を得ると共に、オーバ
ーシュートによる振動を抑え、安定した軸トルク制御を
得ることができる。
【0067】また、本発明は、動力吸収側電動機が速度
制御される場合、駆動側電動機の軸トルクをフィードフ
ォワード制御するに加えて、軸トルク指令から動力吸収
側電動機の吸収トルクを算定し、この軸トルク指令を該
電動機の逆伝達関数から電流指令に変換して電流制御系
によるフィードフォワード制御を行い、動力吸収側電動
機の速度指令を変化させたときに発生する駆動側電動機
の慣性によるトルク分を駆動側自身で補償するようにし
たため、以下の効果がある。
【0068】(4)動力吸収側電動機もその電流−トル
ク特性の逆伝達関数及び出力軸換算の伝達関数を通して
フィードフォワード制御することにより、軸トルク制御
に高速応答を得ることができる。
【0069】(5)軸トルク指令の変化に対して駆動側
電動機と動力吸収側電動機とで同時に同じ値のトルクを
逆方向に発生することで、駆動側と吸収側との間で系の
速度変化が発生するのを無くし、動力吸収側電動機のメ
ジャーループになる速度制御系に対して非干渉の軸トル
ク制御、すなわち安定した軸トルク制御を得ることがで
きる。
【0070】(6)動力吸収側電動機の速度指令を変化
させたときに発生する駆動側電動機の慣性によるトルク
分を駆動側自身で補償することにより、安定した軸トル
ク制御を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回路図。
【図2】他の実施例を示す回路図。
【図3】他の実施例を示す回路図。
【図4】本発明に係るシステム構成図。
【図5】従来の軸トルク制御の等価ブロック図。
【図6】図4の簡素化モデル。
【符号の説明】
1…トルクー電流変換部 2…軸トルク指令補正部 3…慣性比補正部 4…出力軸換算部 5…トルクー電流変換部 6…加速トルク補正部 7…電動機M2の速度制御系。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイナループに電流制御系を有するトル
    ク制御系により軸トルク制御される電動機により供試体
    を駆動する駆動装置と、前記供試体からの動力を慣性負
    荷として吸収する動力吸収装置とを備えたダイナモメー
    タにおいて、 前記電動機の電流−トルク特性の逆伝達関数を持ち、前
    記トルク制御系の軸トルク指令を電流指令に変換し、前
    記トルク制御系の出力に加えて前記電流制御系の電流指
    令とするトルクー電流変換部と、 前記電動機から動力吸収装置までのトルク伝達関数を持
    ち、前記軸トルク指令を補正して前記トルク制御系の軸
    トルク指令とする軸トルク指令補正部と、 前記軸トルク指令に前記駆動装置の慣性J1と動力吸収
    装置の慣性J2の比J1/J2を乗じて該軸トルク指令に
    加え、前記トルクー電流変換部の軸トルク指令とする慣
    性比補正部とを備えたことを特徴とするダイナモメー
    タ。
  2. 【請求項2】 マイナループに電流制御系を有するトル
    ク制御系により軸トルク制御される駆動側電動機により
    供試体を駆動する駆動装置と、マイナループに電流制御
    系を有する速度制御系により速度制御される動力吸収側
    電動機により供試体からの動力を吸収する動力吸収装置
    とを備えたダイナモメータにおいて、 前記駆動側電動機の電流−トルク特性の逆伝達関数を持
    ち、前記トルク制御系の軸トルク指令を電流指令に変換
    し、前記トルク制御系の出力に加えて前記電流制御系の
    電流指令とする第1のトルクー電流変換部と、 前記駆動側電動機から動力吸収装置までのトルク伝達関
    数を持ち、前記軸トルク指令を補正して前記トルク制御
    系の軸トルク指令とする軸トルク指令補正部と、 前記駆動側電動機の駆動トルクに対する動力吸収側電動
    機の吸収トルクの換算特性の伝達関数を持ち、前記軸ト
    ルク指令から動力吸収側電動機の吸収トルクを算定する
    出力軸換算部と、 前記動力吸収側電動機の電流−トルク特性の逆伝達関数
    を持ち、前記出力軸換算部を通した軸トルク指令を電流
    指令に変換し、前記速度制御系の出力に加えて前記動力
    吸収側電流制御系の電流指令とする第2のトルクー電流
    変換部と、 前記速度制御系の速度指令の変化率に前記駆動装置側電
    動機の慣性J1を乗じて前記軸トルク指令に加え、前記
    第1のトルクー電流変換部の軸トルク指令とする加速ト
    ルク補正部とを備えたことを特徴とするダイナモメー
    タ。
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