JPH08133995A - プロピレンオキシドとスチレンモノマーの製造法 - Google Patents
プロピレンオキシドとスチレンモノマーの製造法Info
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- JPH08133995A JPH08133995A JP6271317A JP27131794A JPH08133995A JP H08133995 A JPH08133995 A JP H08133995A JP 6271317 A JP6271317 A JP 6271317A JP 27131794 A JP27131794 A JP 27131794A JP H08133995 A JPH08133995 A JP H08133995A
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Abstract
ンゼンハイドロパーオキシドに液相酸化し、これをプロ
ピレンと反応させてプロピレンオキシドと1−フェニル
エタノールを含有するエポキシ化液とし、これを未反応
プロピレンから分離後に蒸留してプロピレンオキシドを
含む塔頂液と1−フェニルエタノールを含む塔底液を取
得し、塔底液から30〜180℃の苛性洗浄および水洗
浄により酸性成分及び低ナトリウム含量の1−フェニル
エタノール含有有機相を取得し、ここからエチルベンゼ
ンを分離後に有機相中の酸素含有有機重質成分を分離せ
ずに脱水反応させスチレンモノマーを製造する方法。 【効果】 プロピレンオキシドの加水分解、アルカリ水
溶液処理の分液時の乳化、ナトリウムのキャリーオーバ
ー等の問題なしに、モリブデンを有利に回収し、廃アル
カリ水溶液を有利に処理し、1−フェニルエタノール含
有有機相を重質残留物の分離なしに有利にスチレンモノ
マーに脱水製造できる。
Description
スチレンモノマーを共製造するための改良法に関する。
特に、プロピレンオキシド、1−フェニルエタノールお
よび重質分を含むエポキシ化混合物から有用なプロピレ
ンオキシドと1−フェニルエタノールとスチレンを回収
し、またエポキシ化触媒として利用されるモリブデンを
回収するための改良法に関するものである。
キシドは、例えばポリウレタン製造の原料として用いら
れ、またスチレンモノマーは例えばポリスチレン製造の
原料として用いられる有用な化合物である。
の同時製造法としては、エチルベンゼンハイドロパーオ
キシドを生成させるためのエチルベンゼンの分子状酸素
による酸化、プロピレンオキシドと1−フェニルエタノ
ールを生成させるための前記ハイドロパーオキシドとプ
ロピレンのエポキシ化反応、および1−フェニルエタノ
ールのスチレンモノマーへの脱水を含む方法がよく知ら
れている。この方法について述べているものとしては米
国特許第3,351,635号公報である。
ンの分離後に水酸化ナトリウム水溶液で処理する苛性洗
浄を行うことが知られている。この処理によりエポキシ
化混合物中に含まれる酸性成分の中和、可溶性モリブデ
ン触媒の除去、およびフェノールの除去が達成される。
酸性成分の中和は、中和しない場合に後続の処理工程で
発生しうる腐食の問題を軽減し、また後続の蒸留時の生
成物収率低下を小さくするのに重要である。触媒の分離
はもちろん重要であるが、一方フェノール類の分離は、
スチレンモノマー生成物の品質に関して、また1−フェ
ニルエタノール脱水時の収率低下を避けるために重要で
ある。しかしながら、プロピレンオキシドと1−フェニ
ルエタノールを含有するエポキシ化混合物を水酸化ナト
リウム水溶液で処理した際には、エポキシドの収率の低
下をまねくこと、また分液時における乳化の問題、さら
に有機相中に水酸化ナトリウム水溶液が分散するかある
いは水酸化ナトリウム水溶液処理により生成した有機化
合物のナトリウム塩等が有機相中に混入することによる
ナトリウム塩のキャリーオーバーの問題がある。このナ
トリウム塩は、後工程におけるスチレン製造工程におい
て、1−フェニルエタノールを酸触媒によって脱水する
際に、酸触媒を中和するという問題を有している。この
問題を避けるためには、脱水原料を蒸留に付し1−フェ
ニルエタノール等の有効成分を分離回収し、ナトリウム
塩を蒸留の重質残留分中に分離除去することが必要であ
り、このためには多大のエネルギーを要し、コスト的に
不利である。
物を含有する大量の使用済み水酸化ナトリウム水溶液を
廃棄するためには、液中燃焼等の処理が必要となり、こ
のため多大の費用を要する等の問題点が存在する。
発明が解決しようとする課題は、液相下、エチルベンゼ
ンを分子状酸素により、エチルベンゼンハイドロパーオ
キシドに酸化し、該ハイドロパーオキシドをプロピレン
と反応させて、プロピレンオキシドと1−フェニルエタ
ノールを形成した後の反応混合物から未反応のプロピレ
ンを分離した後のエポキシ化混合物について蒸留あるい
はアルカリ水溶液処理等を組み合わせることにより、プ
ロピレンオキシドの加水分解による収率低下を伴わず、
またアルカリ水溶液処理における分液時の乳化問題も伴
わず、またナトリウムのキャリーオーバーの問題も伴わ
ず、またモリブデンを有利に回収し、また廃アルカリ水
溶液を有利に処理し、またナトリウムキャリーオーバー
が低減した1−フェニルエタノールを含む有機相につい
て、重質残留物を分離することなく有利にスチレンモノ
マーに脱水反応させ、結果として有利にプロピレンオキ
シドとスチレンモノマーを製造する方法を提供する点に
ある。
下、エチルベンゼンを分子状酸素によりエチルベンゼン
ハイドロパーオキシドに酸化し、該ハイドロパーオキシ
ドをプロピレンと反応させてプロピレンオキシドと1−
フェニルエタノールを含有するエポキシ化反応液を取得
し、該エポキシ化液から蒸留によってプロピレンオキシ
ドと1−フェニルエタノールを別々に回収し、そして1
−フェニルエタノールをスチレンモノマーへ脱水するこ
とを含むプロピレンオキシドとスチレンモノマーの共製
造法において、エポキシ化反応液を未反応のプロピレン
を分離した後に蒸留に付し、プロピレンオキシドを含む
塔頂液と1−フェニルエタノールを含む塔底液を取得
し、次いで該塔底液について30〜180℃の温度にて
苛性洗浄および水洗浄を行うことにより酸性成分並びに
ナトリウム含有量が低減した1−フェニルエタノール含
有有機相を取得し、ここからエチルベンゼンを分離した
後に該有機相中に含まれる酸素含有有機重質成分を分離
することなく1−フェニルエタノールとともに脱水反応
に供給し、スチレンモノマーを製造することからなるプ
ロピレンオキシドとスチレンモノマーの製造法に係るも
のである。
パーオキシドとプロピレンとのエポキシ化反応をモリブ
デン触媒の存在下に行い、かつ前記の1−フェニルエタ
ノールを含む塔底液について30〜180℃の温度にて
行なう苛性洗浄を多段階で行う方法であって、第1苛性
洗浄において該塔底液中に含まれるモリブデンに対し1
〜50倍当量の苛性ソーダを含む水溶液で洗浄すること
により水相にモリブデンを回収した後、次に残存する酸
性成分を中和するのに充分な量の苛性ソーダを含む水溶
液を用いて第2苛性洗浄を行なうことからなるプロピレ
ンオキシドとスチレンモノマーの製造法に係るものであ
る。
−フェニルエタノールを含むエポキシ化混合物から、通
常未反応のプロピレンの分離後に、苛性洗浄および水洗
浄を行うことなく蒸留に付することによって、プロピレ
ンオキシドおよび1−フェニルエタノールをプロピレン
オキシドの損失を伴うことなく回収し、その蒸留のプロ
ピレンオキシドを含まない塔底液について、苛性洗浄お
よび水洗浄することにより、プロセス液の乳化を伴うこ
となく良好な分液性でもって油水の分液を行うことが可
能となる。その結果、油相中のナトリウム塩濃度を低減
することができる。このことにより、後工程の脱水反応
の前段階としてナトリウム塩を蒸留残渣重質分として分
離する必要がなくなりエネルギー的に極めて有利とする
ことができる。
収するに際しては、前述のプロピレンオキシドと1−フ
ェニルエタノールを含むエポキシ化混合物を蒸留して得
られるプロピレンオキシドを含まない塔底液について行
う苛性洗浄を多段階で行ない、第1苛性洗浄にて該塔底
液中に含有されるモリブデンに対して1〜50倍当量の
苛性ソーダを含む水溶液で洗浄し、モリブデンを分離
し、次に第2苛性洗浄にて、残存する酸性成分を中和す
るのに充分な量の苛性ソーダを含む水溶液で洗浄し、酸
性成分を除去する方法が採用できる。
分液することができ、反応液からのモリブデンの分離回
収を達成することができる。反応混合液からモリブデン
を除去することにより、モリブデンを含む廃アルカリ水
溶液の量を大幅に減少させることが可能となり、コスト
的に有利となる。
回収するに際しても、モリブデンの濃縮等の操作面にお
いて本法は有利となる。
洗浄で得られる廃アルカリ水溶液の処理についてもすで
にモリブデンを除去してあることから、微生物処理ある
いは活性汚泥処理のコスト的に有利な方法を採用するこ
とができる。
ールを含有するエポキシ化混合物はまず蒸留に付し、塔
頂からプロピレンオキシドを回収し、塔底から1−フェ
ニルエタノール含有液を回収する。本蒸留に付される混
合物は、通常エポキシ化反応の後に未反応のプロピレン
を分離したものである。混合物中におけるプロピレンオ
キシドの濃度は、通常3〜30重量%である。
の成分としては、たとえばエチルベンゼン、1−フェニ
ルエタノール、アセトフェノン、フェノール、水などを
あげることができる。なお、水の含有濃度は、通常0.
01〜0.5重量%程度である。フェノールの含有量
は、0.05〜0.5wt%程度である。また該混合溶
液中にはギ酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類
が微量含まれ、その量は通常0.005〜0.1wt%
程度である。
を120〜180℃とすることが好ましく、更に好まし
くは130〜170℃である。塔底温度が低過ぎる場合
は、プロピレンオキシドの分離回収が困難になる。塔底
温度が高過ぎる場合は、有効成分の損失を招く場合があ
る。蒸留圧力は、通常塔頂圧力0.1〜6気圧、好まし
くは0.5〜4気圧である。
ドの損失を低減させるために、添加剤を加えてもよい。
加える添加剤としては種々の化合物が用いられるが、沸
点が40〜150℃の炭化水素、アルコール、ケトン、
エーテル、エステル、ニトリル、アミン等を挙げること
ができる。加える添加剤の量は特に制限はないが、通常
プロピレンオキシドに対し、0.001〜10倍重量で
ある。
含む塔底液は苛性洗浄および水洗浄に付される。
0〜160℃の温度、また1〜20気圧の圧力のもとで
水酸化ナトリウム水溶液を用いて行うことができる。用
いる水酸化ナトリウム水溶液の濃度は通常1〜48重量
%、好ましくは5〜30重量%である。また用いる水酸
化ナトリウムの量は、前述の塔底液中に含まれるモリブ
デン触媒、有機酸及びフェノール類などの酸性成分を中
和するのに充分な量であればよく、これらの酸性成分の
合計の酸量以上の当量であればよい。水酸化ナトリウム
水溶液の使用量は特に限定されないが、例えば前述の塔
底液100重量部に対し3〜20重量部である。苛性洗
浄における前記塔底液と水酸化ナトリウム水溶液とは短
時間で充分な混合が行なわれるのがよく、混合時間は1
〜300分、好ましくは5〜60分である。
中のナトリウム含有量を低減させるのに水洗を行うのが
好ましい。
〜3重量%の中性水あるいは希薄水酸化ナトリウム水溶
液を用い、30〜180℃、好ましくは40〜160℃
の温度、また1〜20気圧の圧力のもとで行うことがで
きる。有機相に対する水相の使用量は通常0.005〜
0.5重量倍であり、有機相と水相の混合時間は1〜3
00分、好ましくは5〜60分である。場合によっては
分液した後の有機相についてさらにナトリウム含有量を
低減させるため同様の条件で複数回の水洗を行ってもよ
く、また連続多段向流等のプロセスによって行ってもよ
い。
塔底液に苛性洗浄の際に、有利にモリブデンを水相中に
分離回収するための第1苛性洗浄の条件は30〜180
℃、好ましくは40〜160℃の温度、1〜20気圧の
圧力のもとで行うことができる。用いる水酸化ナトリウ
ム水溶液の濃度としては1〜48重量%、好ましくは1
〜30重量%である。用いる水酸化ナトリウムの当量は
前記塔底液中に含有されるモリブデンに対し1〜50倍
当量用いることができる。モリブデンを分離した有機相
に対して行う第2苛性洗浄およびその後の水洗の条件は
それぞれ前述と同じである。得られたモリブデン含有量
の少ない廃アルカリ水溶液は、通常の生物活性汚泥処
理、あるいは通常の微生物処理によりコスト的に有利に
処理することができる。
理して、モリブデン触媒および有機酸等の成分を除去
し、かつナトリウム塩も低減された有機相は、次に蒸留
に付しエチルベンゼン等を蒸留分離した塔底液として、
1−フェニルエタノールを含有する脱水原料が得られ
る。このエチルベンゼンを分離する蒸留は、圧力を5m
mHgから760mmHg、好ましくは50〜500m
mHgの範囲で行うことができる。また塔底温度として
は20〜200℃、好ましくは30〜180℃の範囲で
行うことができる。このとき1−フェニルエタノール含
む塔底液中のエチルベンゼン濃度は、通常0.001〜
20wt%である。
相からエチルベンゼン等を蒸留分離した塔底液は、主要
成分としての1−フェニルエタノールとともに前工程に
おいて副生した酸素含有有機重質成分を含有している。
本発明においては、この酸素含有機重質成分を分離する
ことなく、1−フェニルエタノールとともに脱水反応に
供給する。
いはp−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の
芳香族スルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン
酸等のアルキルスルホン酸、アルミナ等の固体酸等の触
媒を用い、液相にて行うことができる。用いる酸性触媒
の量としては、脱水原料として用いる1−フェニルエタ
ノールを含有する液1重量部に対して、0.001〜1
重量部、好ましくは0.005〜0.1重量部である。
mmHg、好ましくは50〜500mmHgとすること
ができる。反応温度としては、100〜500℃、好ま
しくは150〜300℃である。生成したスチレンモノ
マーは、できるだけ反応系内に滞留させることなく、す
みやかに反応系外に留出させることが好ましい。その
際、蒸留あるいは精留塔を設け、脱水原料である1−フ
ェニルエタノールが同伴して系外に留出することを防ぐ
こともできる。
を防ぐために重合禁止剤を使用することもできる。ま
た、本脱水反応は、アルミナ、ゼオライトなどの固体酸
触媒を用いて、気相反応で行うこともできる。この際に
は、圧力0.1〜10気圧、温度150〜500℃、滞
留時間0.1〜100秒で行うことができ、また、スチ
レンモノマーの重合による損失を防ぐため重合禁止剤や
水等の希釈剤を添加してもよい。
る。
ゼン59.9重量%、1−フェニルエタノール30.2
重量%、アセトフェノン5.6重量%、ベンズアルデヒ
ド0.2重量%及びフェノール0.2重量%からなる初
期仕込み液を蒸留塔(段数:クロルベンゼンとエチルベ
ンゼンを用いた段検定により34段、充填材:ヘリパッ
クNo.2、塔内径:30mm) の塔底に仕込み、窒素
雰囲気の大気圧下で加熱し、蒸留を開始した。塔底液の
加熱開始約1時間後に、液相下、エチルベンゼンを分子
状酸素により酸化し、エチルベンゼンハイドロパーオキ
シドを含有する反応液を得、次に該反応液を蒸留し、エ
チルベンゼンハイドロパーオキシドの濃縮液を得、更に
該濃縮液とプロピレンをモリブデン触媒の存在下に反応
させ、プロピレンオキシドを生成させる反応により得ら
れるプロピレンオキシドを含有する溶液にイソプロパノ
ールを添加した溶液であって、その組成が例えば、プロ
ピレンオキシド10.37wt%、エチルベンゼン5
0.73wt%、1−フェニルエタノール20.08w
t%、その他微量成分としてフェノール0.12wt
%、水0.063wt%、ギ酸0.011wt%、酢酸
0.006wt%、またイソプロパノール4.90wt
%(プロピレンオキシドに対して47.3wt%)を含
む溶液を蒸留塔の中程の段より200g/hrで供給
し、蒸留を続行した。その後、2時間毎に塔底、塔頂及
び蒸留塔の中程にある水分離し、抜き出しを行うための
チムニー部より留出分を抜き出し、秤量した後、成分を
分析した。この際、塔頂部の温度は69〜77℃、チム
ニー部蒸留塔の塔底から17段目に設けた水抜出しのた
めの部分の液温度は69〜77℃、塔底部の温度147
〜148℃であった。蒸留は供給液の供給開始後11時
間行い、合計2176.4gの液を供給し、塔頂からの
留出液303.1g及び塔底からの抜き出し液187
1.8gを得た。
ロピレンオキシドが蒸留中に反応して生成したプロピレ
ングリコールの生成はなく、更に蒸留中に反応して生成
したプロピレングリコール、プロピレングリコールとプ
ロピレンオキシドの付加体、フェノールとプロピレンオ
キシドの付加体、1−フェニルエタノールとプロピレン
オキシドの付加体、ギ酸とプロピレンオキシドの付加
体、酢酸とプロピレンオキシドの付加体、プロピオン酸
とプロピレンオキシドの付加体のついてバランス計算を
行ない、供給したプロピレンオキシドに対する蒸留時に
おける損失割合を算出した。その結果、供給したプロピ
レンオキシドの蒸留による損失はなく、すなわち供給し
たプロピレンオキシドはそのすべてが回収されたことが
わかった。
り、酸化したエチルベンゼンハイドロパーオキシドを含
有する反応液を蒸留し、得られたエチルベンゼンハイド
ロパーオキシドの濃縮液とプロピレンをモリブデン触媒
の存在下に反応させ、プロピレンオキシドを生成させる
反応により得られるプロピレンオキシドを含有する液に
おいてプロピレンオキシドを蒸留分離した塔底液であっ
て、その組成が例えばエチルベンゼン60.49wt
%、アセトフェノン4.30wt%、1−フェニルエタ
ノール24.10wt%、その他微量成分としてフェノ
ール0.15wt%、ギ酸0.0044wt%、酢酸
0.0001wt%を含む液をオートクレーブ内に20
0.0gr、そして10%水酸化ナトリウム水溶液を1
0.0gr仕込み、窒素雰囲気5.0気圧下、油層温度
40℃で撹拌速度500rpmで15分間洗浄を行っ
た。その後撹拌を停止し、同温度、同圧力で30分間静
置した。油水の分液は良好であった。油層を抜き出し、
原子発光スペクトルにより分析を行ったところ、油層中
のナトリウム濃度は236ppmであった。
撹拌速度を500rpmとして、以下実施例2と同様の
方法で検討した結果を表1に示す。なお、油水の分液性
は良好であった。
オキシドを蒸留分離した塔底液を10%水酸化ナトリウ
ム水溶液を用いて苛性洗浄した溶液をオートクレーブ内
に78.0gr、そして純水を52.0gr仕込み、窒
素雰囲気3気圧下、油層温度40℃で撹拌速度500r
pmで15分間洗浄を行った。その後撹拌を停止し、同
温度、同圧力で30分間静置した。良好な分液性を示し
た。油層中のナトリウム濃度は12.5ppmであっ
た。
度500rpmで以下実施例5と同様の方法で検討した
結果を表2に示す。なお、油水の分液性は良好であっ
た。
grをオートクレーブ内に仕込み、窒素雰囲気3.5気
圧下、油層温度40℃、撹拌速度500rpmで15分
間洗浄を行った。その後撹拌を停止し、同温度、同圧力
で30分間静置を行った。分液は良好であった。油層中
ナトリウム濃度は1.8ppmであった。
撹拌速度499−502rpmで以下実施例10と同様
の方法で検討した結果を表3に示す。いずれも良好な分
液性を示すとともに、油層中のNa量は相当に低減でき
た。
触媒の除去方法について検討した結果を示す。
たエチルベンゼンハイドロパーオキシドを含有する反応
液を蒸留し、その後濃縮した液とプロピレンをモリブデ
ン触媒の存在下に反応させ、プロピレンオキシドを生成
させる反応により得られるプロピレンオキシドを含有す
る液において、プロピレンオキシドを蒸留分離した塔底
液であって、その組成が例えばエチルベンゼン60.4
9wt%、アセトフェノン4.30wt%、1−フェニ
ルエタノール24.10wt%、その他微量成分として
フェノール0.15wt%及びモリブデン60ppmを
含む溶液をオートクレーブ内に180.0gr、そして
1%水酸化ナトリウム水溶液を9.0gr仕込み、窒素
雰囲気2.3気圧下、油層温度120℃で撹拌速度50
0rpmで15分間洗浄を行った。その後撹拌を停止
し、同温度、同圧力で30分間静置した所、良好な分液
性を示した。油層を抜き出し、原子発光スペクトルによ
り分析を行ったところ油層中のモリブデン濃度は2.4
ppmであった。
は実施例14と同様の方法によって検討して、結果を表
4に示す。いずれも分液性は良好であり、油層中のモリ
ブデンの大部分を水層に除くことができた。
蒸留分離する例を示す。
り酸化し、エチルベンゼンハイドロパーオキシドを含有
する反応液を得、更に該濃縮液とプロピレンを混合して
モリブデン触媒の存在下に反応させ、プロピレンオキシ
ドと1−フェニルエタノールを得、プロピレンオキシド
を蒸留により塔頂分離し、塔底溶液を10%水酸化ナト
リウム水溶液で苛性洗浄、更に純水を用いて2回水洗し
た溶液であって、その組成が例えばエチルベンゼン6
0.35wt%、アセトフェノン4.66wt%、1−
フェニルエタノール30.54wt%、その他微量成分
としてベンズアルデヒド0.15wt%、フェノール
0.03wt%を含む溶液を蒸留塔(段数:37〜38
段、充填剤:ヘリパックNo.2、塔内径:50φ)の
塔底に655.00gr仕込み、窒素雰囲気200mm
Hg下加熱し、塔底温度108.0℃で4時間、100
mmHgおよび塔底温度145℃で6時間蒸留を行っ
た。本蒸留において塔頂留出分1028.5gr、塔底
釜残量604.12grであり、成分分析の結果から塔
底留出液のエチルベンゼン濃度は0.01wt%で塔頂
より99.34%のエチルベンゼンを留去した。
フラスコ中への初期仕込みとして1−フェニルエタノー
ルをp−トルエンスルホン酸触媒を用いて脱水反応させ
た時に生成したタール液約200gを仕込み、200m
mHg下で210℃に加熱した。供給原料は実施例18
の方法に従ってエチルベンゼンを蒸留分離した1−フェ
ニルエタノールおよび酸素含有有機重質成分を含む溶液
であって、その組成が、アセトフェノン8.86wt
%、1−フェニルエタノール84.40wt%、プロピ
レンオキシドと1−フェニルエタノールの付加体0.4
8wt%、ビス−1−フェニルエチルエーテル1.45
wt%、その他4.81wt%の溶液を塔底部より20
4.3g/hrで供給し、反応蒸留を行った。反応開始
後4時間目から1時間毎に塔底および塔頂留出分を抜き
出し、成分分析した。
は96%であり、スチレン生成量は142.9g/hr
であった。原料中の1−フェニルエタノールを基準とす
るスチレンの収率は97%となる。
エタノールの付加体の転化率は99%以上であり、ビス
−1−フェニルエチルエーテルの転化率は95%であっ
た。
含む原料中に酸素含有有機重質成分として存在するプロ
ピレンオキシドと1−フェニルエタノールの付加体やビ
ス−1−フェニルエチルエーテルからも約1%の付加的
なスチレンが回収することができた。
相下、エチルベンゼンを分子状酸素により、エチルベン
ゼンハイドロパーオキシドに酸化し、該ハイドロパーオ
キシドをプロピレンと反応させて、プロピレンオキシド
と1−フェニルエタノールを形成した後の反応混合物か
ら未反応のプロピレンを分離した後のエポキシ化混合物
について蒸留あるいはアルカリ水溶液処理等を組み合わ
せることにより、プロピレンオキシドの加水分解による
収率低下を伴わず、またアルカリ水溶液処理における分
液時の乳化問題も伴わず、またナトリウムのキャリーオ
ーバーの問題も伴わず、またモリブデンを有利に回収
し、また廃アルカリ水溶液を有利に処理し、またナトリ
ウムキャリーオーバーが低減した1−フェニルエタノー
ルを含む有機相について、重質残留物を分離することな
く有利にスチレンモノマーに脱水反応させ、結果として
有利にプロピレンオキシドとスチレンモノマーを製造す
る方法を提供することができた。
Claims (3)
- 【請求項1】 液相下、エチルベンゼンを分子状酸素に
よりエチルベンゼンハイドロパーオキシドに酸化し、該
ハイドロパーオキシドをプロピレンと反応させてプロピ
レンオキシドと1−フェニルエタノールを含有するエポ
キシ化反応液を取得し、該エポキシ化液から蒸留によっ
てプロピレンオキシドと1−フェニルエタノールを別々
に回収し、そして1−フェニルエタノールをスチレンモ
ノマーへ脱水することを含むプロピレンオキシドとスチ
レンモノマーの共製造法において、エポキシ化反応液を
未反応のプロピレンを分離した後に蒸留に付し、プロピ
レンオキシドを含む塔頂液と1−フェニルエタノールを
含む塔底液を取得し、次いで該塔底液について30〜1
80℃の温度にて苛性洗浄および水洗浄を行うことによ
り酸性成分並びにナトリウム含有量が低減した1−フェ
ニルエタノール含有有機相を取得し、ここからエチルベ
ンゼンを分離した後に該有機相中に含まれる酸素含有有
機重質成分を分離することなく1−フェニルエタノール
とともに脱水反応に供給し、スチレンモノマーを製造す
ることからなるプロピレンオキシドとスチレンモノマー
の製造法。 - 【請求項2】 請求項1において、エチルベンゼンハイ
ドロパーオキシドとプロピレンとのエポキシ化反応をモ
リブデン触媒の存在下に行い、かつ前記の1−フェニル
エタノールを含む塔底液について30〜180℃の温度
にて行なう苛性洗浄を多段階で行う方法であって、第1
苛性洗浄において該塔底液中に含まれるモリブデンに対
し1〜50倍当量の苛性ソーダを含む水溶液で洗浄する
ことにより水相にモリブデンを回収した後、次に残存す
る酸性成分を中和するのに充分な量の苛性ソーダを含む
水溶液を用いて第2苛性洗浄を行なうことからなる請求
項1記載の製造法。 - 【請求項3】 請求項2において、第2苛性洗浄で得ら
れた廃アルカリ水溶液の処理方法として、活性汚泥処理
に付すことを含む請求項2記載の製造法。
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