JPH08133406A - ダストコンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 開閉機構が側面から露出しないダストコンテ
ナを提供すること。 【構成】 側板４，４の内側に、上端に吊持リング２２
が取付けられた昇降杆２０を昇降可能に支持し、側板
４，４の下縁に係止爪片２５を回動可能に軸支し、かつ
該係止爪片２５を昇降杆２０の下端とリンク片２７を介
して連結し、ゴミを排出する場合に、吊持リング２２に
掛けたロープｚによる引張作用で昇降杆２０を上部位置
に保持して、係止爪片２５の爪端２６，２６で、ダスト
コンテナ１の下底を遮蔽する半割底板１５，１５を該遮
蔽位置に保持するようにし、吊持リング２２のロープｚ
を緩めると内部のゴミの荷重により、係止爪片２５を回
動して、昇降杆２０が下降し、半割底板１５，１５が下
方に開放作動するようにしてゴミ袋が落下するように
し、さらには路面に載置すると、半割底板１５，１５は
遮蔽位置に保持されるようにして開閉機構を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、マンション等に具備さ
れて、ゴミ袋を収容し、ゴミ収集車のクレーンにより、
吊り上げられて、底部からゴミ袋を放出するダストコン
テナに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ダストコンテナは、前後及び左右の側板
からなる主体枠の下底を、観音扉状に開閉して主体枠の
下底を覆う遮蔽位置と、下方へ傾斜する開放位置とに変
換される二枚の半割底板で覆ってなるものであり、前記
ダストコンテナを吊り上げた場合に、開閉機構によっ
て、その内部のゴミの荷重により半割底板が開放しない
ようにしている。

【０００３】この従来のダストコンテナａの開閉機構に
あっては、図１１で示すように、左右側板ｂの中央部外
側に、上下方向に上端に吊持リングを取付けた昇降杆ｃ
を支持し、昇降杆ｃと、半割底板ｅ，ｅとを下方に拡開
傾斜する連係棒ｆ，ｆで連結させてなるものであり、図
１２で示すように、ダストコンテナａをゴミ収集車ｘの
クレーンｙで吊り上げるときに、ロープｚで昇降杆ｃの
吊持リングを引っ掛けて、下降しないように保持し、ゴ
ミ収集車ｘのゴミ受口上にダストコンテナａを移動して
から、ロープｚを緩めて、内部のゴミの荷重により半割
底板ｅ，ｅを下方に回動して、ゴミ袋を落下させるよう
にしているものである。そして、半割片ｅ，ｅに設けた
車輪ｇ，ｇで路面上に乗載して、半割片ｅ，ｅを遮蔽位
置に保持するようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述の従来構成のダス
トコンテナａの開閉機構にあっては、側板ｃの外面に沿
って、昇降杆ｃを保持して、連係棒ｆ，ｆを半割底板
ｅ，ｅへ差し渡している。これは、側板ｃの内側に配設
した場合には、ゴミ袋が連係棒ｆ，ｆ上に引っ掛かっ
て、ゴミ袋を良好に収納できなかったり、半割底板ｅの
開放時にゴミ袋が落下しない等の問題を回避するためで
ある。しかるに、このように側板ｃの外側に開閉機構が
配設されているため、見栄えが悪く、美観を損なうとい
う問題点がある。さらには、保持機構が外側にあるた
め、ダストコンテナの揚上又は移動の際や、またはいた
ずら等により、破損変形し易く、良好な外観を保てない
等の問題点がある。

【０００５】さらには、従来構成にあっては、路面上に
載置した状態では、載置半割片ｅ，ｅは、全荷重のみに
より遮蔽状態に維持されている。このため、このダスト
コンテナａを移動する場合等に、半割底板ｅ，ｅにガタ
ツキを生じ易く、また路面の状態によっては、半割底板
ｅ，ｅが少し開いた状態となり、ゴミを袋に詰めずにダ
ストコンテナａ内に入れると、その隙間から落ちこぼれ
ることもあり、ダストコンテナの意味を損なう場合があ
る。

【０００６】本発明は、かかる従来構成の問題点を除去
することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、前後及び左右
の側板からなり、その上面に開閉蓋が被着され、かつ吊
り上げ用フックが固着される主体枠と、主体枠の前後側
板下縁に枢支され、観音扉状に開閉して主体枠の下底を
覆う遮蔽位置と、下方へ回動する開放位置とに変換され
る車輪が取付けられた二枚の半割底板と、主体枠の左右
側板の中央部内側に、上下方向に昇降可能に支持され、
その上端に吊持リングが取付けられた昇降杆と、主体枠
の左右側板の下縁に、回動可能に軸支され、昇降杆の下
端とリンク片を介して連結され、昇降杆が上部位置にあ
るとき、二枚の半割底板の各開放端を支持して遮蔽位置
に保持し、昇降杆が下部位置にあるとき外方へ退避する
係止爪片とを備えたことを特徴とするダストコンテナで
ある。

【０００８】かかる構成にあって、前記昇降杆の上端に
支持した吊持リングをその垂下位置でコンテナ上面に当
接して、半割底板の車輪により路面に載置した状態で、
昇降杆を上部位置に保持する保持手段を備えるようにし
ても良い。

【０００９】

【作用】ダストコンテナをクレーンｙで揚上させる場合
には、ロープｚで吊り上げ用フックと、昇降杆の吊持リ
ングを引っ掛けて吊り上げ、ゴミ収集車ｘのゴミ受口上
にダストコンテナを移動する。このとき、ロープｚによ
る引張作用で昇降杆は上部位置に保持され、このため、
係止爪片により半割底板の各端縁が係止され、半割底板
は遮蔽位置に保持される。次に、ゴミ袋の投下位置上で
吊持リングのロープｚを緩めると、内部のゴミの荷重に
より、係止爪片が回動して、昇降杆が下降して下部位置
となり、半割底板が下方に開放作動する。これにより、
ゴミ袋が落下する。そして、半割底板に設けた車輪で、
路面に載置すると、全荷重により半割底板は遮蔽位置に
保持される。

【００１０】このとき、前記吊持リングを利用して、昇
降杆を上部位置に保持するようにし、この位置で係止爪
片で半割底板の各端縁を係止して、移動不能とするよう
にしても良い。

【００１１】

【実施例】添付図面について本発明のダストコンテナ１
の一実施例を説明する。

【００１２】このダストコンテナ１は、図１〜３で示す
ように、横断面矩形状の主体枠２の上面に開閉蓋１０，
１０が被着され、かつ底面は半割底板１５，１５で遮蔽
されてなるものである。

【００１３】この主体枠２は、前後の側板３，３と左右
の側板４，４とからなり、前記側板４，４の外側面には
把手５，５が取付けられている。またこの主体枠２の下
縁は矩形状の枠体６が固着されている。

【００１４】前記主体枠２の上部中央には前後方向に、
帯板７が差し渡され、その中央に三角状の吊り上げ用フ
ック８が取付けられている。この帯板７の両側に開閉蓋
１０，１０が支軸１１，１１により帯板７の下面で枢支
され、羽根扉状に開閉可能となっている。

【００１５】前記側板４，４の下縁位置で枠体６には支
軸１４により半割底板１５，１５を下方への回動可能に
支持している。この半割底板１５，１５は、主体枠２下
底の開口面積の半分に等しく、夫々前後方向に二つの車
輪１７，１７が取付けられている。そして、枠体６の下
縁に当接して主体枠２の下部を覆う遮蔽位置に保持され
得る。

【００１６】一方、前記側板３，３の中央部内面に沿っ
て図１，８で示すように、案内筒１８が固着され、該案
内筒１８に上下方向に長い昇降杆２０が昇降可能に支持
され、その上端を前記帯板７の孔部から貫通して上方に
突出させている。昇降杆２０の突出端には吊持リング２
２が回動可能に取付けられている。

【００１７】前記昇降杆２０の下端位置で、前記枠体６
には係止爪片２５が支軸２４により枢支されている。こ
の係止爪片２５は、その爪端２６，２６を両側端から内
方へ突出して、前記半割底板１５，１５の角端の下面を
支持するようにしている。

【００１８】また昇降杆２０の下端と係止爪片２５間に
は、図６で拡大して示すように、リンク片２７が介挿さ
れ、支軸２８，２９により連係して、前記昇降杆２０が
上昇すると、リンク片２７が引張され、支軸２４を中心
として係止爪片２５を爪端２６，２６が半割底板１５，
１５の下縁に臨む位置に回動することとなる。

【００１９】さらには、半割底板１５，１５の上面と、
側板３，３の中央部内面間には可撓性ワイヤ２９，２９
が繋がれる。そして半割底板１５，１５が開放した状態
で、その開放位置を図４のように適正位置となるように
拘束する。この可撓性ワイヤ２９，２９は、半割底板１
５，１５が後述する遮蔽位置にあるときには、緩く撓ん
だ状態となっており、ゴミ袋が引っ掛かってその収納を
不都合とするようなことはない。またこの可撓性ワイヤ
２９，２９は単に半割底板１５，１５の開放位置を規制
するだけのものであるから、例えば、支軸１４に前記半
割底板１５，１５の回動角度を規制する係止部を設ける
等、種々の代替構成が提案され得る。

【００２０】上述の各構成にあって、主体枠２及び開閉
蓋１０，１０等各部品はステンレスにより形成される。

【００２１】上記実施例の作動につき説明する。

【００２２】ダストコンテナ１を図１２で示すように、
クレーンｙで揚上させる場合には、ロープｚの先端に固
着した鈎片を吊り上げ用フック８と、昇降杆２０の上端
の、ダストコンテナ１上面から突出している左右の吊持
リング２２，２２に引っ掛けて吊り上げる。このとき、
内部のゴミ袋の荷重により、該ゴミ袋を支持する半割底
板１５，１５は開放方向の力を受けるが、昇降杆２０は
ロープｚによる引張作用で上部位置に保持され、リンク
片２７が引っ張られて、係止爪片２５は支軸２４を中心
として反時計方向への付勢力を与えられ、爪端２６，２
６が半割底板１５，１５の下縁に当接する位置に保持さ
れており、半割底板１５，１５は開放しない。

【００２３】そこで、このダストコンテナ１をゴミ収集
車ｘ等のゴミ受口上に移動してから、吊持リング２２，
２２に引っ掛けているロープｚのみを取り外す。これに
より、昇降杆２０は上方への引張力が失われ、ゴミの荷
重により半割底板１５，１５には開放方向の付勢力が作
用しているため、、半割底板１５，１５は、昇降杆２０
を押し下げながら観音扉状に回動し、図４で示すように
開放位置となる。このとき半割底板１５，１５の開放角
度は可撓性ワイヤ２９，２９により規制される。

【００２４】そしてこの空となったダストコンテナ１を
クレーンｙにより吊り上げ用フック８に引っ掛けたロー
プｚで所定位置に降ろす。これにより路面に車輪１７が
乗って、ダストコンテナ１全体の荷重により、半割底板
１５，１５は図１，２の枠体６下縁に当接した遮蔽位置
に復帰することとなる。

【００２５】ところで、この状態では、昇降杆２０は下
部位置のままとなっており（図２左状態参照）、半割底
板１５，１５は、従来構成と同様に、その全荷重のみに
より、遮蔽位置に保持されている。そこで、このダスト
コンテナ１を利用して移動する場合等に、半割底板１
５，１５にガタツキを生じ易く、また路面の状態によっ
ては、半割底板１５，１５が少し開いた状態となり、ゴ
ミを袋に詰めずにダストコンテナ１内に入れると、その
隙間から落ちこぼれることもある。

【００２６】そこで、吊持リング２２の外径をあらかじ
め設定しておき、かつ枠体６の上面に前記昇降杆２０の
基端まで下降する円弧面２５を形成する。そして、各昇
降杆２０を引張して吊持リング２２を内側へ回転して垂
下させると、図２右状態及び図５のように、その下縁が
円弧面２５の外側位置に当接し、該円弧面が係止段の役
割をして、吊持リング２２が昇降杆２０を上部位置に支
持されるようにしておく。これにより、吊持リング２２
がロック装置の役割をすることとなる。このため、半割
底板１５，１５はその端縁を係止爪片２５に支持されて
遮蔽位置にロックされ、その開放を生じない。而して、
ダストコンテナ１を路面に載置した状態で移動したり、
または段差等のある不整一な面に位置させても、半割底
板１５，１５の遮蔽状態が維持され得ることとなる。

【００２７】図９，１０は、前記吊持リング２２のロッ
ク作動を自動的に生じさせる機構を示すものである。

【００２８】すなわち、図９で示すように、昇降杆２０
の上端に係止突起３０を形成し、前記吊持リング２２を
内方への回動可能とすると共に、図１０で示すように、
前記昇降杆２０の下端部に半割底板１５，１５が閉鎖す
ると、その上面に当接して、昇降杆２０が押し上げられ
る連動突部３１を備える。そしてに円弧面２５に吊持リ
ング２２が支持されている状態において、前記係止爪片
２５の爪端２６，２６は半割底板１５，１５に対して少
し遊びを持たせておき、昇降杆２０の微上昇を可能とし
ておく。

【００２９】かかる構成にあって、前記吊持リング２２
にロープｚを引っ掛けるときには、係止突起３０は少し
浮上可能であるから、吊持リング２２は円弧面２５を容
易に越えることができ、吊持リング２２とロープｚの鈎
片との係合が簡易になされる。そして、揚上位置で吊持
リング２２とロープｚのフックを外すと、半割底板１
５，１５の開放方向の付勢作用により、吊持リング２２
は係止突起３０により内方へのみ回動する。

【００３０】次にダストコンテナ１の帯板７を路面に載
せると、その全荷重により、半割底板１５，１５は遮蔽
位置となる。このとき、図１０矢線で示すように、円弧
面２５が半割底板１５，１５下縁に当接して該昇降杆２
０は上昇し、吊持リング２２は図５の垂下位置となって
円弧面２５に下縁が当接することとなる。而して昇降杆
２０は自動的にロック状態となる。

【００３１】

【発明の効果】本発明は、主体枠２の側板４，４の中央
部内側に、その上端に吊持リング２２が取付けられた昇
降杆２０を、上下方向に昇降可能に支持し、側板４，４
の下縁に係止爪片２５を回動可能に軸支し、かつ該係止
爪片２５を昇降杆２０の下端とリンク片２７を介して連
結し、ゴミを排出する場合に、吊持リング２２に掛けた
ロープｚによる引張作用で昇降杆２０を上部位置に保持
して、係止爪片２５の爪端２６，２６で、ダストコンテ
ナ１の下底を遮蔽する半割底板１５，１５を該遮蔽位置
に保持するようにし、吊持リング２２のロープｚを緩め
ると内部のゴミの荷重により、係止爪片２５を回動し
て、昇降杆２０が下降し、半割底板１５，１５が下方に
開放作動するようにしてゴミ袋が落下するようにし、さ
らには路面に載置すると、半割底板１５，１５は遮蔽位
置に保持されるようにして開閉機構を構成したものであ
るから、開閉機構が側板３，３の内面側に位置して、ダ
ストコンテナ１の周面は整一な形状となって、周囲の環
境を損なうことのない美麗な形態が維持される。また移
動時等で、開閉機構が外的衝撃によって破損変形するこ
ともなく、耐久性が良好となる。

【００３２】しかも、ダストコンテナ１を路上に載置し
た状態で、吊持リング２２を垂下して昇降杆２０を上部
位置に保持するようにした場合には、係止爪片２５はか
かる状態でロック状態に維持され、ダストコンテナ１を
移動したり、さらには段差等のある路面にダストコンテ
ナ１を載置しても、半割底板１５，１５は係止爪片２５
により保持され、微開放して中のゴミが外に落下するよ
うなことがなく、良好にゴミを収納し得ることとなる等
の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】ダストコンテナ１の右半分を切断して示す正面
図である。

【図２】ダストコンテナ１の側面図である。

【図３】ダストコンテナ１の平面図である。

【図４】ダストコンテナ１の開放状態の右半分を切断し
て示す正面図である。

【図５】係止爪片２５の係止状態を示す一部の側面図で
ある。

【図６】係止爪片２５の係止状態を示す拡大側面図であ
る。

【図７】係止爪片２５の拡大正面図である。

【図８】係止爪片２５の非係止状態を示す一部の縦断側
面図である。

【図９】係止突起３０を備えた昇降杆２０の頂端を示す
側面図である。

【図１０】連動突部３１を備えた昇降杆２０の作用を示
す図６のＡ−Ａ断面図である。

【図１１】従来のダストコンテナａの側面図である。

【図１２】揚上操作を示す側面図である。

【符号の説明】

１ ダストコンテナ ２ 主体枠 ３，３ 側板 ８ 吊り上げ用フック １０ 開閉蓋 １４ 支軸 １５，１５ 半割底板 ２０ 昇降杆 ２２ 吊持リング ２４ 支軸 ２５ 係止爪片 ２６ 爪端 ２７ リンク片 ３０ 係止突起 ３１ 連動突部 ３２ 係止面

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】前後及び左右の側板からなり、その上面に
   開閉蓋が被着され、かつ吊り上げ用フックが固着される
   主体枠と、 主体枠の前後側板下縁に枢支され、観音扉状に開閉して
   主体枠の下底を覆う遮蔽位置と、下方へ回動する開放位
   置とに変換される車輪が取付けられた二枚の半割底板
   と、 主体枠の左右側板の中央部内側に、上下方向に昇降可能
   に支持され、その上端に吊持リングが取付けられた昇降
   杆と、 主体枠の左右側板の下縁に、回動可能に軸支され、昇降
   杆の下端とリンク片を介して連結され、昇降杆が上部位
   置にあるとき、二枚の半割底板の各開放端を支持して遮
   蔽位置に保持し、昇降杆が下部位置にあるとき外方へ退
   避する係止爪片とを備えたことを特徴とするダストコン
   テナ。
2. 【請求項２】前記昇降杆の上端に支持した吊持リング
   を、その垂下位置でコンテナ上面に当接して、半割底板
   の車輪により地上に載置した状態で、昇降杆を上部位置
   に保持するようにしてなる保持手段を備えたことを特徴
   とする請求項１記載のダストコンテナ。