JPH081325Y2 - 歯車式変速機 - Google Patents
歯車式変速機Info
- Publication number
- JPH081325Y2 JPH081325Y2 JP1990039393U JP3939390U JPH081325Y2 JP H081325 Y2 JPH081325 Y2 JP H081325Y2 JP 1990039393 U JP1990039393 U JP 1990039393U JP 3939390 U JP3939390 U JP 3939390U JP H081325 Y2 JPH081325 Y2 JP H081325Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gear
- reverse
- clutch
- sleeve
- shift
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
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- Gear-Shifting Mechanisms (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は自動車用トランスミッション等に用いられる
歯車式変速機に関する。
歯車式変速機に関する。
(従来の技術) 自動車の縦置型トランスミッション等に用いられる歯
車式変速機は、一般に、出力軸となるメインシャフト
と、これに平行なカウンタシャフトと、これらのシャフ
トに設けられた複数組の変速ギヤと、これら複数組の変
速ギヤを選択的に同期噛合させるための同期噛合式クラ
ッチ装置等から構成されている。この場合、エンジンの
クランクシャフト等から伝達された動力は、ドライブギ
ヤを介してカウンタシャフトに伝達され、選択された変
速ギヤを介し所定変速比でメインシャフトに伝達され
る。また、この種の変速機には、一般に、メインシャフ
トおよびカウンタシャフトに設けられた一対のリバース
ギヤと、これらリバースギヤ間に噛合連結されるアイド
ルギヤとからなるリバースギヤ機構が設けられる。この
リバースギヤ機構は、リバース選択の方式によって、選
択摺動式と常時噛合式とに分けることができる。
車式変速機は、一般に、出力軸となるメインシャフト
と、これに平行なカウンタシャフトと、これらのシャフ
トに設けられた複数組の変速ギヤと、これら複数組の変
速ギヤを選択的に同期噛合させるための同期噛合式クラ
ッチ装置等から構成されている。この場合、エンジンの
クランクシャフト等から伝達された動力は、ドライブギ
ヤを介してカウンタシャフトに伝達され、選択された変
速ギヤを介し所定変速比でメインシャフトに伝達され
る。また、この種の変速機には、一般に、メインシャフ
トおよびカウンタシャフトに設けられた一対のリバース
ギヤと、これらリバースギヤ間に噛合連結されるアイド
ルギヤとからなるリバースギヤ機構が設けられる。この
リバースギヤ機構は、リバース選択の方式によって、選
択摺動式と常時噛合式とに分けることができる。
ところで、常時噛合式のリバースギヤ機構の場合、従
来は、出力側であるメインシャフト側あるいは入力側で
あるカウンタシャフト側のいずれか一方のリバースギヤ
をシャフトに対し相対回転自在とするとともに、この一
方側のリバースギヤとシャフトをクラッチによって係脱
自在に連結するようにしたものが一般的であった。この
ようにどちらか一方側にクラッチを設ければリバース機
構を選択的に作動させることが可能である。
来は、出力側であるメインシャフト側あるいは入力側で
あるカウンタシャフト側のいずれか一方のリバースギヤ
をシャフトに対し相対回転自在とするとともに、この一
方側のリバースギヤとシャフトをクラッチによって係脱
自在に連結するようにしたものが一般的であった。この
ようにどちらか一方側にクラッチを設ければリバース機
構を選択的に作動させることが可能である。
しかし、このように一方側にクラッチを設けるだけの
構造では、いわゆる歯打ち音が発生しやすいことが従来
から知られている。すなわち、この種のリバースギヤ機
構においては、メインシャフト側およびカウンタシャフ
ト側の二つのリバースギヤはアイドルギヤと常時噛み合
っているため、例えばクラッチをカウンターシャフト側
に設けた場合には、通常走行時において車軸側からの回
転変動がメインシャフトを介しリバースギヤに伝達さ
れ、いわゆる走行歯打ち音が発生する。また、逆にクラ
ッチをメインシャフト側に設けた場合には、特にアイド
ル運転時においてエンジン側からの回転変動がカウンタ
ーシャフトを介しリバースギヤに伝達され、いわゆるア
イドル歯打ち音が発生する。
構造では、いわゆる歯打ち音が発生しやすいことが従来
から知られている。すなわち、この種のリバースギヤ機
構においては、メインシャフト側およびカウンタシャフ
ト側の二つのリバースギヤはアイドルギヤと常時噛み合
っているため、例えばクラッチをカウンターシャフト側
に設けた場合には、通常走行時において車軸側からの回
転変動がメインシャフトを介しリバースギヤに伝達さ
れ、いわゆる走行歯打ち音が発生する。また、逆にクラ
ッチをメインシャフト側に設けた場合には、特にアイド
ル運転時においてエンジン側からの回転変動がカウンタ
ーシャフトを介しリバースギヤに伝達され、いわゆるア
イドル歯打ち音が発生する。
そこで、これらの歯打ち音の発生を防止すべく、例え
ば特公昭60−37338号公報記載のように、メインシャフ
ト側とカウンターシャフト側の双方にクラッチを設け、
これらを一つのシフトフォークによって同時に係脱操作
するようにしたものが提案されている。
ば特公昭60−37338号公報記載のように、メインシャフ
ト側とカウンターシャフト側の双方にクラッチを設け、
これらを一つのシフトフォークによって同時に係脱操作
するようにしたものが提案されている。
(考案が解決しようとする課題) 歯車式変速機におけるリバースギヤ機構において上記
公報記載のようにメインシャフト側とカウンターシャフ
ト側の双方にクラッチを設けた場合には、メインシャフ
ト側およびカウンターシャフト側のリバースギヤがアイ
ドルギヤを介して常時連結されていることから、上記二
つのクラッチは同時には係合しづらい。そこで、このよ
うに相互に駆動連結された入力側および出力側のギヤを
それぞれのシャフトに対し係合させるべき二つのクラッ
チの噛合タイミングは相互にずらせる設定とすることが
必要となる。しかし、このように二つのクラッチの噛合
タイミングをずらせると、これらクラッチを係脱させる
スリーブ機構のシフトストロークが大きくならざるを得
なくなり、例えば、リバースギヤ機構をそのように構成
した場合に、その同じスリーブ機構によって反対側に配
置されたオーバートップギヤ機構をシフト作動させるよ
うにしたものでは、リバース方向と前進側であるオーバ
ートップ方向とでシフトノブの操作ストローク量に差が
できて、運転者が違和感を覚えるという問題が生ずる。
公報記載のようにメインシャフト側とカウンターシャフ
ト側の双方にクラッチを設けた場合には、メインシャフ
ト側およびカウンターシャフト側のリバースギヤがアイ
ドルギヤを介して常時連結されていることから、上記二
つのクラッチは同時には係合しづらい。そこで、このよ
うに相互に駆動連結された入力側および出力側のギヤを
それぞれのシャフトに対し係合させるべき二つのクラッ
チの噛合タイミングは相互にずらせる設定とすることが
必要となる。しかし、このように二つのクラッチの噛合
タイミングをずらせると、これらクラッチを係脱させる
スリーブ機構のシフトストロークが大きくならざるを得
なくなり、例えば、リバースギヤ機構をそのように構成
した場合に、その同じスリーブ機構によって反対側に配
置されたオーバートップギヤ機構をシフト作動させるよ
うにしたものでは、リバース方向と前進側であるオーバ
ートップ方向とでシフトノブの操作ストローク量に差が
できて、運転者が違和感を覚えるという問題が生ずる。
本考案は上記問題点に鑑みてなされたものであって、
入力側および出力側の双方のシャフトに対しリバースギ
ヤを係合離脱する一対のクラッチを設けて、この一対の
クラッチを順に噛合させるようリバースギヤ機構を構成
し、また、このリバースギヤ機構と前進用ギヤ機構を同
じスリーブ機構の相互に逆方向のシフト移動によって作
動させるようにした歯車変速機において、リバース方向
と前進方向とでシフトノブの操作に違和感がないように
することを目的とする。
入力側および出力側の双方のシャフトに対しリバースギ
ヤを係合離脱する一対のクラッチを設けて、この一対の
クラッチを順に噛合させるようリバースギヤ機構を構成
し、また、このリバースギヤ機構と前進用ギヤ機構を同
じスリーブ機構の相互に逆方向のシフト移動によって作
動させるようにした歯車変速機において、リバース方向
と前進方向とでシフトノブの操作に違和感がないように
することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本考案は、互いに平行に配置された入力側および出力
側の二つのシャフトにそれぞれ相対回転自在に設けられ
リバースアイドルギヤを介して常時相互に噛合するリバ
ース入力ギヤとリバース出力ギヤとからなるリバースギ
ヤ機構と、前記リバースギヤ機構に対向する配置で前記
入力側のシャフトおよび前記出力側のシャフトにそれぞ
れ相対回転自在に設けられ相互に噛合する前進用入力ギ
ヤおよび前進用出力ギヤとからなる前進用ギヤ機構と、
前記リバース出力ギヤと一体のギヤスプラインと、該ギ
ヤスプラインに噛合自在なギヤスプラインを備え前記出
力側のシャフトと一体的に回転するとともにシフトノブ
の操作に連動して軸方向に移動し前記リバース出力ギヤ
に対しギヤスプライン同士が噛合する位置あるいは噛合
を解除する位置を選択可能なスリーブを備えた第1のク
ラッチと、前記リバース入力ギヤと一体のギヤスプライ
ンと、前記前進用入力ギヤと一体のギヤスプラインと、
前記リバースギヤ機構と前記前進用ギヤ機構との間にあ
って、前記リバース入力ギヤと一体の前記ギヤスプライ
ンおよび前記前進用入力ギヤと一体の前記ギヤスプライ
ンに対しそれぞれ噛合自在な一対のギヤスプラインを両
端に備え、前記入力側のシャフトと一体的に回転すると
ともに、前記シフトノブの操作に連動して軸方向に移動
し一方のギヤスプラインが前記リバース入力ギヤと一体
の前記ギヤスプラインに対し噛合する位置と、他方のギ
ヤスプラインが前記前進側入力ギヤと一体の前記ギヤス
プラインに対し噛合する位置と、前記リバース入力ギヤ
と一体の前記ギヤスプラインおよび前記前進側入力ギヤ
と一体の前記ギヤスプラインのいずれとも噛合しな位置
を選択可能なスリーブを備えた第2のクラッチを設け、
前記リバースギヤ機構の前記リバース入力ギヤを前記入
力側のシャフトに対し係合させるとともに前記リバース
出力ギヤを前記出力側のシャフトに対し係合させるシフ
ト操作時の前記第1のクラッチの噛合タイミングと前記
第2のクラッチの噛合タイミングとの間に所定のずれを
設定した歯車式変速機において、前記シフトノブの操作
に前記第1のクラッチの前記スリーブおよび前記第2の
クラッチの前記スリーブを連動させる機構として、前記
第1のクラッチの前記スリーブおよび前記第2のクラッ
チの前記スリーブにそれぞれ係合する一対のアームを備
えたシフトフォークと、前記シフトノブの操作に連動し
て回転作動し、先端部に設けたカム溝が前記シフトフォ
ークのレバー部に設けたロッドに係合して前記シフトフ
ォークを軸方向に移動せしめるシフトレバーを設け、前
記カム溝を前記リバースギヤ機構側に向けて寝る形に設
定することにより、前記シフトノブの同一操作ストロー
ク量に対し前記第1のクラッチの前記スリーブと前記第
2のクラッチの前記スリーブのリバース方向のシフトス
トロークを前記第2のクラッチの前進方向のシフトスト
ロークより所定量大きくしたものである。
側の二つのシャフトにそれぞれ相対回転自在に設けられ
リバースアイドルギヤを介して常時相互に噛合するリバ
ース入力ギヤとリバース出力ギヤとからなるリバースギ
ヤ機構と、前記リバースギヤ機構に対向する配置で前記
入力側のシャフトおよび前記出力側のシャフトにそれぞ
れ相対回転自在に設けられ相互に噛合する前進用入力ギ
ヤおよび前進用出力ギヤとからなる前進用ギヤ機構と、
前記リバース出力ギヤと一体のギヤスプラインと、該ギ
ヤスプラインに噛合自在なギヤスプラインを備え前記出
力側のシャフトと一体的に回転するとともにシフトノブ
の操作に連動して軸方向に移動し前記リバース出力ギヤ
に対しギヤスプライン同士が噛合する位置あるいは噛合
を解除する位置を選択可能なスリーブを備えた第1のク
ラッチと、前記リバース入力ギヤと一体のギヤスプライ
ンと、前記前進用入力ギヤと一体のギヤスプラインと、
前記リバースギヤ機構と前記前進用ギヤ機構との間にあ
って、前記リバース入力ギヤと一体の前記ギヤスプライ
ンおよび前記前進用入力ギヤと一体の前記ギヤスプライ
ンに対しそれぞれ噛合自在な一対のギヤスプラインを両
端に備え、前記入力側のシャフトと一体的に回転すると
ともに、前記シフトノブの操作に連動して軸方向に移動
し一方のギヤスプラインが前記リバース入力ギヤと一体
の前記ギヤスプラインに対し噛合する位置と、他方のギ
ヤスプラインが前記前進側入力ギヤと一体の前記ギヤス
プラインに対し噛合する位置と、前記リバース入力ギヤ
と一体の前記ギヤスプラインおよび前記前進側入力ギヤ
と一体の前記ギヤスプラインのいずれとも噛合しな位置
を選択可能なスリーブを備えた第2のクラッチを設け、
前記リバースギヤ機構の前記リバース入力ギヤを前記入
力側のシャフトに対し係合させるとともに前記リバース
出力ギヤを前記出力側のシャフトに対し係合させるシフ
ト操作時の前記第1のクラッチの噛合タイミングと前記
第2のクラッチの噛合タイミングとの間に所定のずれを
設定した歯車式変速機において、前記シフトノブの操作
に前記第1のクラッチの前記スリーブおよび前記第2の
クラッチの前記スリーブを連動させる機構として、前記
第1のクラッチの前記スリーブおよび前記第2のクラッ
チの前記スリーブにそれぞれ係合する一対のアームを備
えたシフトフォークと、前記シフトノブの操作に連動し
て回転作動し、先端部に設けたカム溝が前記シフトフォ
ークのレバー部に設けたロッドに係合して前記シフトフ
ォークを軸方向に移動せしめるシフトレバーを設け、前
記カム溝を前記リバースギヤ機構側に向けて寝る形に設
定することにより、前記シフトノブの同一操作ストロー
ク量に対し前記第1のクラッチの前記スリーブと前記第
2のクラッチの前記スリーブのリバース方向のシフトス
トロークを前記第2のクラッチの前進方向のシフトスト
ロークより所定量大きくしたものである。
(作用) シフトノブがリバース方向にシフト操作されると、第
1および第2のクラッチのスリーブが移動せしめられ、
二つのクラッチが順に噛み合うことによってリバースギ
ヤ機構が作動し、入出力軸間で動力が反転伝達される。
また、シフトノブが前進方向にシフト操作されると、第
2のクラッチのスリーブが上記とは逆の方向に移動せし
められて、前進ギヤ機構が作動せしめられる。その際、
リバースギヤ機構は、一対のクラッチが順に噛み合わさ
れる設定であることから、中立位置から該リバースギヤ
機構の作動位置までのシフトストロークは大きくなる
が、シフトレバー先端部のカム溝がリバースギヤ機構側
に寝る形となっていることにより、シフトノブの同一シ
フトストローク量に対しリバース方向のシフトストロー
クが前進方向のシフトストロークより所定量大きくな
り、そのため、シフトノブの操作ストローク量としては
リバース方向の操作と前進方向の操作とでほとんど差が
ないものとなる。
1および第2のクラッチのスリーブが移動せしめられ、
二つのクラッチが順に噛み合うことによってリバースギ
ヤ機構が作動し、入出力軸間で動力が反転伝達される。
また、シフトノブが前進方向にシフト操作されると、第
2のクラッチのスリーブが上記とは逆の方向に移動せし
められて、前進ギヤ機構が作動せしめられる。その際、
リバースギヤ機構は、一対のクラッチが順に噛み合わさ
れる設定であることから、中立位置から該リバースギヤ
機構の作動位置までのシフトストロークは大きくなる
が、シフトレバー先端部のカム溝がリバースギヤ機構側
に寝る形となっていることにより、シフトノブの同一シ
フトストローク量に対しリバース方向のシフトストロー
クが前進方向のシフトストロークより所定量大きくな
り、そのため、シフトノブの操作ストローク量としては
リバース方向の操作と前進方向の操作とでほとんど差が
ないものとなる。
(実施例) 以下、実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本考案の一実施例に係る自動車用トランスミ
ッションにおける歯車式変速機のリバースギヤ機構部分
の縦断面図、第2図は第1図のII−II断面図、第3図は
第2図のIII−III断面図、第4図は第2図のIV−IV断面
図である。
ッションにおける歯車式変速機のリバースギヤ機構部分
の縦断面図、第2図は第1図のII−II断面図、第3図は
第2図のIII−III断面図、第4図は第2図のIV−IV断面
図である。
この実施例において、変速機1は、出力軸となるメイ
ンシャフト2と、これと平行に配置されメインシャフト
2と同軸線上に配置された入力軸(図示せず。)から動
力の伝達を受けるカウンターシャフト3を備え、メイン
シャフト2およびカウンターシャフト3には各段の前進
用ギヤ機構(第1図には、5速用ギヤ機構を構成する5
速入力ギヤ4と5速出力ギヤ5が図示されている。)が
設けられている。また、カウンターシャフト3の後端に
はリバース入力ギヤ6が相対回転自在に設けられ、メイ
ンシャフト2には、上記リバース入力ギヤ6に対応する
位置にリバース出力ギヤ7がやはり相対回転自在に設け
られている。また、メインシャフト2およびカウンター
シャフト3に対しそれぞれ所定間隔を置いて平行配置さ
れたアイドルギヤシャフト8には、上記リバース入力ギ
ヤ6およびリバース出力ギヤ7と常時噛合するリバース
アイドルギヤ9が設けられている。そして、これら常時
噛合の三つのギヤ6,7,9によりリバースギヤ機構が構成
されている。
ンシャフト2と、これと平行に配置されメインシャフト
2と同軸線上に配置された入力軸(図示せず。)から動
力の伝達を受けるカウンターシャフト3を備え、メイン
シャフト2およびカウンターシャフト3には各段の前進
用ギヤ機構(第1図には、5速用ギヤ機構を構成する5
速入力ギヤ4と5速出力ギヤ5が図示されている。)が
設けられている。また、カウンターシャフト3の後端に
はリバース入力ギヤ6が相対回転自在に設けられ、メイ
ンシャフト2には、上記リバース入力ギヤ6に対応する
位置にリバース出力ギヤ7がやはり相対回転自在に設け
られている。また、メインシャフト2およびカウンター
シャフト3に対しそれぞれ所定間隔を置いて平行配置さ
れたアイドルギヤシャフト8には、上記リバース入力ギ
ヤ6およびリバース出力ギヤ7と常時噛合するリバース
アイドルギヤ9が設けられている。そして、これら常時
噛合の三つのギヤ6,7,9によりリバースギヤ機構が構成
されている。
リバース出力ギヤ7は、その軸方向一端部に内歯状の
ギヤスプライン10が一体に形成されてなるものであっ
て、ベアリング11およびスリーブ12を介し上述のように
相対回転自在にメインシャフト2に支持されている。そ
して、メインシャフト2には、スペーサ13を挟んで上記
リバース出力ギヤ7と対峙する位置にスリーブ14がスプ
ライン嵌合され、該スリーブ14には、上記リバース出力
ギヤ7のギヤスプライン10と係脱する外歯状のギヤスプ
ライン15aを備えたスリーブ15がスプライン嵌合されて
いる。このスリーブ15は、軸方向にスライドすることに
よって上記リバース出力ギヤ7のギヤスプライン10に対
し係合離脱し、リバース出力ギヤ7をメインシャフト2
に連結あるいは非連結とする。
ギヤスプライン10が一体に形成されてなるものであっ
て、ベアリング11およびスリーブ12を介し上述のように
相対回転自在にメインシャフト2に支持されている。そ
して、メインシャフト2には、スペーサ13を挟んで上記
リバース出力ギヤ7と対峙する位置にスリーブ14がスプ
ライン嵌合され、該スリーブ14には、上記リバース出力
ギヤ7のギヤスプライン10と係脱する外歯状のギヤスプ
ライン15aを備えたスリーブ15がスプライン嵌合されて
いる。このスリーブ15は、軸方向にスライドすることに
よって上記リバース出力ギヤ7のギヤスプライン10に対
し係合離脱し、リバース出力ギヤ7をメインシャフト2
に連結あるいは非連結とする。
上記リバース出力ギヤ7のギヤスプライン10およびス
リーブ15は第1のクラッチ40を構成する。そして、上記
スリーブ15のスライド操作は、その外周に形成された嵌
合溝15bに係入される後述のシフトフォーク16によって
行われる。
リーブ15は第1のクラッチ40を構成する。そして、上記
スリーブ15のスライド操作は、その外周に形成された嵌
合溝15bに係入される後述のシフトフォーク16によって
行われる。
上記リバース入力ギヤ6は、軸方向一端側にギヤスプ
ライン17が一体形成されてなるものであって、該ギヤス
プライン17を内側に向けた状態でベアリング18を介し上
述のようにカウンターシャフト3に相対回転自在に支持
されている。また、カウンターシャフト3には、リバー
ス入力ギヤ6に対向するようにして上述の5速入力ギヤ
4が相対回転自在に支持されている。該5速入力ギヤ4
は、メインシャフト2にスプライン嵌合された5速出力
ギヤ5に噛合せしめられている。
ライン17が一体形成されてなるものであって、該ギヤス
プライン17を内側に向けた状態でベアリング18を介し上
述のようにカウンターシャフト3に相対回転自在に支持
されている。また、カウンターシャフト3には、リバー
ス入力ギヤ6に対向するようにして上述の5速入力ギヤ
4が相対回転自在に支持されている。該5速入力ギヤ4
は、メインシャフト2にスプライン嵌合された5速出力
ギヤ5に噛合せしめられている。
カウンターシャフト3には、5速ギヤ4と上記リバー
ス入力ギヤ6との間にクラッチハブ19がスプライン嵌合
されている。そして、このクラッチハブ19の外周には内
周にギヤスプライン20aを備えたスリーブ20がスプライ
ン嵌合され、このスリーブ20とクラッチハブ19との間に
はシンクロナイザキー21が係止されている。また、クラ
ッチハブ19の左右両側には、リバース入力ギヤ6と一体
の上記ギヤスプライン17の端面側に形成されたテーパコ
ーン部22に対向するシンクロナイザリング24および上記
5速入力ギヤ4の端面側に形成されたテーパコーン部23
に対向するシンクロナイザリング25が配置されている。
また、5速入力ギヤ4のボス部には、シンクロナイザリ
ング25に対向してギヤスプライン26が設けられている。
ス入力ギヤ6との間にクラッチハブ19がスプライン嵌合
されている。そして、このクラッチハブ19の外周には内
周にギヤスプライン20aを備えたスリーブ20がスプライ
ン嵌合され、このスリーブ20とクラッチハブ19との間に
はシンクロナイザキー21が係止されている。また、クラ
ッチハブ19の左右両側には、リバース入力ギヤ6と一体
の上記ギヤスプライン17の端面側に形成されたテーパコ
ーン部22に対向するシンクロナイザリング24および上記
5速入力ギヤ4の端面側に形成されたテーパコーン部23
に対向するシンクロナイザリング25が配置されている。
また、5速入力ギヤ4のボス部には、シンクロナイザリ
ング25に対向してギヤスプライン26が設けられている。
上記クラッチハブ19およびスリーブ20と、左右のギヤ
スプライン17,26およびシンクロナイザリング24,25と、
シンクロナイザキー21とは、左右で同期噛合する第2の
クラッチ50を構成する。そして、上記シンクロナイザキ
ー21の下面側には、真中よりリバース入力ギヤ6側に寄
った位置に位置決め用のくぼみ27が形成され、一方、こ
のくぼみ27に対向してクラッチハブ19にピン穴28が設け
られている。そして、上記ピン穴28には、頭部が上記シ
ンクロナイザキー21側のくぼみ27に係合して該シンクロ
ナイザキー21の位置を規制するスプリングキー29がセッ
トされている。
スプライン17,26およびシンクロナイザリング24,25と、
シンクロナイザキー21とは、左右で同期噛合する第2の
クラッチ50を構成する。そして、上記シンクロナイザキ
ー21の下面側には、真中よりリバース入力ギヤ6側に寄
った位置に位置決め用のくぼみ27が形成され、一方、こ
のくぼみ27に対向してクラッチハブ19にピン穴28が設け
られている。そして、上記ピン穴28には、頭部が上記シ
ンクロナイザキー21側のくぼみ27に係合して該シンクロ
ナイザキー21の位置を規制するスプリングキー29がセッ
トされている。
上記シンクロナイザキー21は、常時は上記スプリング
キー29により係止され、その状態でリバース入力ギヤ6
側のシンクロナイザリング24との間に大きなクリアラン
スが、また、5速入力ギヤ4側のシンクロナイザリング
25との間に小さなクリアランスが形成される。また、シ
ンクロナイザキー21とリバース入力ギヤ6側のシンクロ
ナイザリング24との間の上記クリアランスは、第1のク
ラッチ40におけるリバース出力ギヤ7側ギヤスプライン
10と、それに噛み合うスリーブ15側ギヤスプライン15a
との間の設定クリアランスより所定量大きくなるよう設
定されている。
キー29により係止され、その状態でリバース入力ギヤ6
側のシンクロナイザリング24との間に大きなクリアラン
スが、また、5速入力ギヤ4側のシンクロナイザリング
25との間に小さなクリアランスが形成される。また、シ
ンクロナイザキー21とリバース入力ギヤ6側のシンクロ
ナイザリング24との間の上記クリアランスは、第1のク
ラッチ40におけるリバース出力ギヤ7側ギヤスプライン
10と、それに噛み合うスリーブ15側ギヤスプライン15a
との間の設定クリアランスより所定量大きくなるよう設
定されている。
第2のクラッチ50のスリーブ20のシフト操作は、上記
第1のクラッチ40のスリーブ15のシフト操作とともに共
通のシフトフォーク16によって行われる。そのため、第
2のクラッチ50の上記スリーブ20の外周にはシフトフォ
ーク16を係入する嵌合溝20bが形成され、また、第1の
クラッチ40と第2のクラッチ50とは軸方向において同位
置に配置されている。
第1のクラッチ40のスリーブ15のシフト操作とともに共
通のシフトフォーク16によって行われる。そのため、第
2のクラッチ50の上記スリーブ20の外周にはシフトフォ
ーク16を係入する嵌合溝20bが形成され、また、第1の
クラッチ40と第2のクラッチ50とは軸方向において同位
置に配置されている。
上記シフトフォーク16は、上下に離間配置された第1
のクラッチ40のスリーブ15と第2のクラッチ50のスリー
ブ20とに対し側方から同時に係合せしめられるものであ
って、上記第1のクラッチ40のスリーブ15外周に沿う円
弧状の第1アーム16aと、上記第2のクラッチ50のスリ
ーブ20外周に沿う円弧状の第2アーム16bとを備えてい
る。そして、この第1アーム16aおよび第2アーム16bの
各端部およびこれら二つのアーム16a,16bをつなぐ部分
に、それぞれ第1のクラッチ40のスリーブ15の嵌合溝15
bおよび第2のクラッチ50のスリーブ20の嵌合溝20bに係
入する嵌合部31,32,33が設けられている。そして、この
シフトフォーク16は、上記第1のクラッチ40と第2のク
ラッチ50のほぼ中間にスリーブ状の支持部16cを有し、
上記メインシャフト2およびカウンターシャフト3と平
行にケーシング34側に固定配置されたガイドシャフト35
によって摺動可能に支持されている。また、このシフト
フォーク16には、上記支持部16cの上面側にシフト操作
のためのレバー部16dが上方に向け立設され、該レバー
部16dには、上記ガイドシャフト35に直角にロッド36が
立設されている。一方、シフトノブ37の操作に連動して
回転作動するよう配置されたシフトレバー38は、その先
端部にリバースギヤ装置側に向けて寝る形のカム溝39を
有し、このカム溝39に上記ロッド36の先端が係入されて
いる。
のクラッチ40のスリーブ15と第2のクラッチ50のスリー
ブ20とに対し側方から同時に係合せしめられるものであ
って、上記第1のクラッチ40のスリーブ15外周に沿う円
弧状の第1アーム16aと、上記第2のクラッチ50のスリ
ーブ20外周に沿う円弧状の第2アーム16bとを備えてい
る。そして、この第1アーム16aおよび第2アーム16bの
各端部およびこれら二つのアーム16a,16bをつなぐ部分
に、それぞれ第1のクラッチ40のスリーブ15の嵌合溝15
bおよび第2のクラッチ50のスリーブ20の嵌合溝20bに係
入する嵌合部31,32,33が設けられている。そして、この
シフトフォーク16は、上記第1のクラッチ40と第2のク
ラッチ50のほぼ中間にスリーブ状の支持部16cを有し、
上記メインシャフト2およびカウンターシャフト3と平
行にケーシング34側に固定配置されたガイドシャフト35
によって摺動可能に支持されている。また、このシフト
フォーク16には、上記支持部16cの上面側にシフト操作
のためのレバー部16dが上方に向け立設され、該レバー
部16dには、上記ガイドシャフト35に直角にロッド36が
立設されている。一方、シフトノブ37の操作に連動して
回転作動するよう配置されたシフトレバー38は、その先
端部にリバースギヤ装置側に向けて寝る形のカム溝39を
有し、このカム溝39に上記ロッド36の先端が係入されて
いる。
シフトフォーク16は、シフトノブ37の操作により、シ
フトレバー38およびロッド36を介し上記ガイドシャフト
35に沿って移動せしめられる。そして、シフトフォーク
16が第1図で右側(リバース方向)に移動せしめられる
と第1のクラッチ40が噛み合い、また、第2のクラッチ
50がリバースギヤ装置側に噛み合う。その結果、リバー
ス入力ギヤ6がスリーブ20およびクラッチハブ19を介し
てカウンターシャフト3に係止され、また、リバース出
力ギヤ7がスリーブ15を介してメインシャフト2に係止
されて、リバース入力ギヤ6,リバースアイドルギヤ9,リ
バース出力ギヤ7の噛み合いにより、カウンターシャフ
ト3からメインシャフト2へ動力が反転伝達される。そ
の際、上記のように第2のクラッチ50におけるシンクロ
ナイザキー21のリバース側クリアランスが第1のクラッ
チ40におけるスリーブ15とリバース出力ギヤ7側ギヤス
プライン10とのクリアランスよりも大きく設定されてい
ることにより、二つのクラッチ40,50の係合は、通常の
ドグクラッチを構成する第1のクラッチ40の方が先に行
われ、そして、第1のクラッチ40においてスリーブ15の
ギヤスプライン15aの歯とリバース出力ギヤ7側ギヤス
プライン10の歯が噛み合った後で同期噛合式の第2のク
ラッチ50が噛み合うことになって、両クラッチ40,50の
スムーズな係合が達成される。ここで、上記二つのクリ
アランスは、第1のクラッチ40におけるギヤスプライン
15a,10の歯の側面が確実に噛み合った後で第2のクラッ
チ50が噛み合いを開始するよう設定されている。
フトレバー38およびロッド36を介し上記ガイドシャフト
35に沿って移動せしめられる。そして、シフトフォーク
16が第1図で右側(リバース方向)に移動せしめられる
と第1のクラッチ40が噛み合い、また、第2のクラッチ
50がリバースギヤ装置側に噛み合う。その結果、リバー
ス入力ギヤ6がスリーブ20およびクラッチハブ19を介し
てカウンターシャフト3に係止され、また、リバース出
力ギヤ7がスリーブ15を介してメインシャフト2に係止
されて、リバース入力ギヤ6,リバースアイドルギヤ9,リ
バース出力ギヤ7の噛み合いにより、カウンターシャフ
ト3からメインシャフト2へ動力が反転伝達される。そ
の際、上記のように第2のクラッチ50におけるシンクロ
ナイザキー21のリバース側クリアランスが第1のクラッ
チ40におけるスリーブ15とリバース出力ギヤ7側ギヤス
プライン10とのクリアランスよりも大きく設定されてい
ることにより、二つのクラッチ40,50の係合は、通常の
ドグクラッチを構成する第1のクラッチ40の方が先に行
われ、そして、第1のクラッチ40においてスリーブ15の
ギヤスプライン15aの歯とリバース出力ギヤ7側ギヤス
プライン10の歯が噛み合った後で同期噛合式の第2のク
ラッチ50が噛み合うことになって、両クラッチ40,50の
スムーズな係合が達成される。ここで、上記二つのクリ
アランスは、第1のクラッチ40におけるギヤスプライン
15a,10の歯の側面が確実に噛み合った後で第2のクラッ
チ50が噛み合いを開始するよう設定されている。
また、シフトノブ37の操作により、シフトレバー38を
介しシフトフォーク16が第1図で左側(5速方向)に移
動せしめられると第2のクラッチ50が5速ギヤ装置側に
噛み合う。
介しシフトフォーク16が第1図で左側(5速方向)に移
動せしめられると第2のクラッチ50が5速ギヤ装置側に
噛み合う。
ここで、シフトフォーク16によるスリーブ15,20のリ
バース方向へのシフトストロークは、5速方向へのシフ
トストロークより大きいが、上記のように、シフトノブ
37の操作に連動して回転作動するシフトレバー38とシフ
トフォーク16とがリバースギヤ装置側に向けて寝る形に
形成されたカム溝39とシフトフォーク16側のロッド36と
の係合により連結されていることによって、シフトノブ
37の操作ストローク量としてほとんど差異のないものと
なる。
バース方向へのシフトストロークは、5速方向へのシフ
トストロークより大きいが、上記のように、シフトノブ
37の操作に連動して回転作動するシフトレバー38とシフ
トフォーク16とがリバースギヤ装置側に向けて寝る形に
形成されたカム溝39とシフトフォーク16側のロッド36と
の係合により連結されていることによって、シフトノブ
37の操作ストローク量としてほとんど差異のないものと
なる。
つぎに、上記装置の作動を第5図乃至第14図によって説
明する。なお、第5図乃至第14図において(a)は、第
1のクラッチ40の作動状態をギヤスプライン10,15aの状
態図と第1のクラッチ40の縦断面図で示すものであり、
(b)は、第2のクラッチ50の作動状態をギヤスプライ
ン17,20a,シンクロナイザリング24,25の歯,シンクロナ
イザキー21およびキー溝24a,25aの状態図とクラッチ50
の縦断面図で示すものである。
明する。なお、第5図乃至第14図において(a)は、第
1のクラッチ40の作動状態をギヤスプライン10,15aの状
態図と第1のクラッチ40の縦断面図で示すものであり、
(b)は、第2のクラッチ50の作動状態をギヤスプライ
ン17,20a,シンクロナイザリング24,25の歯,シンクロナ
イザキー21およびキー溝24a,25aの状態図とクラッチ50
の縦断面図で示すものである。
(i)第5図は該変速機1のニュートル状態を示す。こ
の状態では、第1のクラッチ40および第2のクラッチ50
は共に係合が解除されている。
の状態では、第1のクラッチ40および第2のクラッチ50
は共に係合が解除されている。
(ii)第6図乃至第9図はリバース側への変速シフトを
示す状態図である。シフトノブ37をリバース側へシフト
させると、まず、第1のクラッチ40のギヤスプライン1
0,15a同士が噛み合い、第6図に示すようにそのギヤス
プライン10,15aの歯の側面が噛み合った時点で第2のク
ラッチ50の同期作動が開始される。すなわち、スリーブ
20に係止されて移動するシンクロナイザキー21はリバー
ス側のシンクロナイザリング24のキー溝24a端面に接触
して該シンクロナイザリング24を押し、シンクロナイザ
リング24をリバース入力ギヤ6のテーパコーン部22に接
触させる。また、この状態で、シンクロナイザリング24
は上記テーパコーン部22に対しキー溝24aの隙間分だけ
相対回転し、スリーブ20内面のギヤスプライン20aのチ
ャンファ面がリバース側シンクロナイザリング24のチャ
ンファ面と相対する位置となる。
示す状態図である。シフトノブ37をリバース側へシフト
させると、まず、第1のクラッチ40のギヤスプライン1
0,15a同士が噛み合い、第6図に示すようにそのギヤス
プライン10,15aの歯の側面が噛み合った時点で第2のク
ラッチ50の同期作動が開始される。すなわち、スリーブ
20に係止されて移動するシンクロナイザキー21はリバー
ス側のシンクロナイザリング24のキー溝24a端面に接触
して該シンクロナイザリング24を押し、シンクロナイザ
リング24をリバース入力ギヤ6のテーパコーン部22に接
触させる。また、この状態で、シンクロナイザリング24
は上記テーパコーン部22に対しキー溝24aの隙間分だけ
相対回転し、スリーブ20内面のギヤスプライン20aのチ
ャンファ面がリバース側シンクロナイザリング24のチャ
ンファ面と相対する位置となる。
そして、さらにスリーブ20が移動しようとすると、第
7図に示すようにスリーブ20側ギヤスプライン20aのチ
ャンファ面とシンクロナイザリング24のチャンファ面と
が接触して、スリーブ20の移動が阻止され、リバース入
力ギヤ6の上記テーパコーン部22が押されて摩擦トルク
が発生し、同期が行われる。
7図に示すようにスリーブ20側ギヤスプライン20aのチ
ャンファ面とシンクロナイザリング24のチャンファ面と
が接触して、スリーブ20の移動が阻止され、リバース入
力ギヤ6の上記テーパコーン部22が押されて摩擦トルク
が発生し、同期が行われる。
そして、同期が完了すると、上記摩擦トルクが消滅
し、スリーブ20の阻止力も解除され、さらにスリーブ20
が移動して、スリーブ20のギヤスプライン20aが第8図
に示すようにシンクロナイザリング24の歯を掻き分け、
第9図に示すようにリバース入力ギヤ6側のギヤスプラ
イン17と噛み合ってリバース側への変速シフトが完了す
る。
し、スリーブ20の阻止力も解除され、さらにスリーブ20
が移動して、スリーブ20のギヤスプライン20aが第8図
に示すようにシンクロナイザリング24の歯を掻き分け、
第9図に示すようにリバース入力ギヤ6側のギヤスプラ
イン17と噛み合ってリバース側への変速シフトが完了す
る。
(iii)第10図および第11図は、リバース位置からニュ
ートラル位置に戻すためのシフト(リバース抜き)の作
動説明図である。第9図のリバース状態から戻す方向に
スリーブ20を移動させると、スリーブ20の移動に連れて
第10図に示すようにシンクロナイザキー21がスプリング
キー29により係止される位置まで動いた後、スリーブ20
がさらに移動してシンクロナイザキー21を係止し第5図
の状態に戻る場合もあり、また、最初はスリーブ20だけ
が動いて第11図に示すようにシンクロナイザキー21を係
止し、その後スリーブ20とシンクロナイザキー21が一体
となって第5図の位置まで移動する場合もある。いずれ
の形をとっても差し支えない。
ートラル位置に戻すためのシフト(リバース抜き)の作
動説明図である。第9図のリバース状態から戻す方向に
スリーブ20を移動させると、スリーブ20の移動に連れて
第10図に示すようにシンクロナイザキー21がスプリング
キー29により係止される位置まで動いた後、スリーブ20
がさらに移動してシンクロナイザキー21を係止し第5図
の状態に戻る場合もあり、また、最初はスリーブ20だけ
が動いて第11図に示すようにシンクロナイザキー21を係
止し、その後スリーブ20とシンクロナイザキー21が一体
となって第5図の位置まで移動する場合もある。いずれ
の形をとっても差し支えない。
(iv)第12図および第13図は5速側へのシフトを説明す
る作動状態図である。第5図のニュートラル位置からス
リーブ20を5速側へ移動させると、シンクロナイザキー
21は5速側のシンクロナイザリング25のキー溝25a端面
に接触して該シンクロナイザリング25を押し、シンクロ
ナイザリング25を5速入力ギヤ4端部のテーパコーン部
23に接触させる。そして、シンクロナイザリング24がキ
ー溝25aの隙間分だけ相対回転して、スリーブ20内面の
ギヤスプライン20aのチャンファ面が5速側シンクロナ
イザリング25のチャンファ面と相対し、第12図に示すよ
うにスリーブ20側ギヤスプライン20aのチャンファ面と
シンクロナイザリング25のチャンファ面とが接触して同
期が行われる。そして、同期が完了すると、スリーブ20
がさらに移動してそのギヤスプライン20aが第13図に示
すように5速入力ギヤ4側のギヤスプライン26と噛み合
い、シフトが完了する。
る作動状態図である。第5図のニュートラル位置からス
リーブ20を5速側へ移動させると、シンクロナイザキー
21は5速側のシンクロナイザリング25のキー溝25a端面
に接触して該シンクロナイザリング25を押し、シンクロ
ナイザリング25を5速入力ギヤ4端部のテーパコーン部
23に接触させる。そして、シンクロナイザリング24がキ
ー溝25aの隙間分だけ相対回転して、スリーブ20内面の
ギヤスプライン20aのチャンファ面が5速側シンクロナ
イザリング25のチャンファ面と相対し、第12図に示すよ
うにスリーブ20側ギヤスプライン20aのチャンファ面と
シンクロナイザリング25のチャンファ面とが接触して同
期が行われる。そして、同期が完了すると、スリーブ20
がさらに移動してそのギヤスプライン20aが第13図に示
すように5速入力ギヤ4側のギヤスプライン26と噛み合
い、シフトが完了する。
(v)第14図は、5速位置からニュートラル位置に戻す
ためのシフト(5速抜き)を説明する作動状態図であ
る。第13図の5速位置からスリーブ20を戻し方向に移動
させると、シンクロナイザキー21がスプリングキー29に
係止された後はスリーブ20だけが移動し、ギヤスプライ
ン20a,26の係合が解除される。そして、シンクロナイザ
キー21が所定位置に係止された状態のまま第5図のニュ
ートラル状態に復帰する。
ためのシフト(5速抜き)を説明する作動状態図であ
る。第13図の5速位置からスリーブ20を戻し方向に移動
させると、シンクロナイザキー21がスプリングキー29に
係止された後はスリーブ20だけが移動し、ギヤスプライ
ン20a,26の係合が解除される。そして、シンクロナイザ
キー21が所定位置に係止された状態のまま第5図のニュ
ートラル状態に復帰する。
なお、上記実施例においては、リバースギヤ機構の二
つのクラッチの一方をドグクラッチとし、他方を同期噛
合式クラッチとしたものについて説明したが、本考案
は、リバースギヤ機構のクラッチが二つともドククラッ
チであるものに対しても、また、二つとも同期噛合式ク
ラッチであるものに対しても適用できるものである。
つのクラッチの一方をドグクラッチとし、他方を同期噛
合式クラッチとしたものについて説明したが、本考案
は、リバースギヤ機構のクラッチが二つともドククラッ
チであるものに対しても、また、二つとも同期噛合式ク
ラッチであるものに対しても適用できるものである。
(考案の効果) 本考案は以上のように構成されているので、入力側お
よび出力側の双方のシャフトに対しリバースギヤを係合
離脱させる一対のクラッチを設けて、この一対のクラッ
チを順に噛合させるようリバースギヤ機構を構成し、ま
た、このリバースギヤ機構と前進用ギヤ機構を同じスリ
ーブ機構の相互に逆方向のシフト移動によって作動させ
るようにした歯車変速機において、リバース方向と前進
方向とでシフトノブの操作に違和感が生じないようにす
ることができる。
よび出力側の双方のシャフトに対しリバースギヤを係合
離脱させる一対のクラッチを設けて、この一対のクラッ
チを順に噛合させるようリバースギヤ機構を構成し、ま
た、このリバースギヤ機構と前進用ギヤ機構を同じスリ
ーブ機構の相互に逆方向のシフト移動によって作動させ
るようにした歯車変速機において、リバース方向と前進
方向とでシフトノブの操作に違和感が生じないようにす
ることができる。
第1図は本考案の一実施例に係る自動車用トランスミッ
ションにおける歯車式変速機のリバースギヤ機構部分の
縦断面図、第2図は第1図のII−II断面図、第3図は第
2図のIII−III断面図、第4図は第2図のIV−IV断面
図、第5図乃至第14図は同実施例の作動状態説明図であ
る。 1:変速機、2:メインシャフト(出力側)、3:カウンター
シャフト(入力側)、6:リバース入力ギヤ、7:リバース
出力ギヤ、9:リバースアイドルギヤ、15:スリーブ、16:
シフトフォーク、19:クラッチハブ、20:スリーブ、36:
ロッド、37:シフトノブ、38:シフトレバー、39:カム
溝、40:第1のクラッチ、50:第2のクラッチ。
ションにおける歯車式変速機のリバースギヤ機構部分の
縦断面図、第2図は第1図のII−II断面図、第3図は第
2図のIII−III断面図、第4図は第2図のIV−IV断面
図、第5図乃至第14図は同実施例の作動状態説明図であ
る。 1:変速機、2:メインシャフト(出力側)、3:カウンター
シャフト(入力側)、6:リバース入力ギヤ、7:リバース
出力ギヤ、9:リバースアイドルギヤ、15:スリーブ、16:
シフトフォーク、19:クラッチハブ、20:スリーブ、36:
ロッド、37:シフトノブ、38:シフトレバー、39:カム
溝、40:第1のクラッチ、50:第2のクラッチ。
Claims (1)
- 【請求項1】互いに平行に配置された入力側および出力
側の二つのシャフトにそれぞれ相対回転自在に設けられ
リバースアイドルギヤを介して常時相互に噛合するリバ
ース入力ギヤとリバース出力ギヤとからなるリバースギ
ヤ機構と、 前記リバースギヤ機構に対向する配置で前記入力側のシ
ャフトおよび前記出力側のシャフトにそれぞれ相対回転
自在に設けられ相互に噛合する前進用入力ギヤおよび前
進用出力ギヤとからなる前進用ギヤ機構と、 前記リバース出力ギヤと一体のギヤスプラインと、該ギ
ヤスプラインに噛合自在なギヤスプラインを備え前記出
力側のシャフトと一体的に回転するとともにシフトノブ
の操作に連動して軸方向に移動し前記リバース出力ギヤ
に対しギヤスプライン同士が噛合する位置あるいは噛合
を解除する位置を選択可能なスリーブを備えた第1のク
ラッチと、 前記リバース入力ギヤと一体のギヤスプラインと、前記
前進用入力ギヤと一体のギヤスプラインと、前記リバー
スギヤ機構と前記前進用ギヤ機構との間にあって、前記
リバース入力ギヤと一体の前記ギヤスプラインおよび前
記前進用入力ギヤと一体の前記ギヤスプラインに対しそ
れぞれ噛合自在な一対のギヤスプラインを両端に備え、
前記入力側のシャフトと一体的に回転するとともに、前
記シフトノブの操作に連動して軸方向に移動し一方のギ
ヤスプラインが前記リバース入力ギヤと一体の前記ギヤ
スプラインに対し噛合する位置と、他方のギヤスプライ
ンが前記前進側入力ギヤと一体の前記ギヤスプラインに
対し噛合する位置と、前記リバース入力ギヤと一体の前
記ギヤスプラインおよび前記前進側入力ギヤと一体の前
記ギヤスプラインのいずれとも噛合しな位置を選択可能
なスリーブを備えた第2のクラッチを設け、 前記リバースギヤ機構の前記リバース入力ギヤを前記入
力側のシャフトに対し係合させるとともに前記リバース
出力ギヤを前記出力側のシャフトに対し係合させるシフ
ト操作時の前記第1のクラッチの噛合タイミングと前記
第2のクラッチの噛合タイミングとの間に所定のずれを
設定した歯車式変速機において、 前記シフトノブの操作に前記第1のクラッチの前記スリ
ーブおよび前記第2のクラッチの前記スリーブを連動さ
せる機構として、前記第1のクラッチの前記スリーブお
よび前記第2のクラッチの前記スリーブにそれぞれ係合
する一対のアームを備えたシフトフォークと、前記シフ
トノブの操作に連動して回転作動し、先端部に設けたカ
ム溝が前記シフトフォークのレバー部に設けたロッドに
係合して前記シフトフォークを軸方向に移動せしめるシ
フトレバーを設け、前記カム溝を前記リバースギヤ機構
側に向けて寝る形に設定することにより、前記シフトノ
ブの同一操作ストローク量に対し前記第1のクラッチの
前記スリーブと前記第2のクラッチの前記スリーブのリ
バース方向のシフトストロークを前記第2のクラッチの
前進方向のシフトストロークより所定量大きくしたこと
を特徴とする歯車式変速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1990039393U JPH081325Y2 (ja) | 1990-04-11 | 1990-04-11 | 歯車式変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1990039393U JPH081325Y2 (ja) | 1990-04-11 | 1990-04-11 | 歯車式変速機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03130467U JPH03130467U (ja) | 1991-12-27 |
JPH081325Y2 true JPH081325Y2 (ja) | 1996-01-17 |
Family
ID=31548265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1990039393U Expired - Lifetime JPH081325Y2 (ja) | 1990-04-11 | 1990-04-11 | 歯車式変速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH081325Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4399197B2 (ja) * | 2003-07-02 | 2010-01-13 | 本田技研工業株式会社 | 手動変速機のシフトチェンジ装置 |
-
1990
- 1990-04-11 JP JP1990039393U patent/JPH081325Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03130467U (ja) | 1991-12-27 |
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Legal Events
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