JPH08132281A - Ti基ろう及びTi基ろうを用いたろう付け構造 - Google Patents
Ti基ろう及びTi基ろうを用いたろう付け構造Info
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- JPH08132281A JPH08132281A JP29604194A JP29604194A JPH08132281A JP H08132281 A JPH08132281 A JP H08132281A JP 29604194 A JP29604194 A JP 29604194A JP 29604194 A JP29604194 A JP 29604194A JP H08132281 A JPH08132281 A JP H08132281A
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Abstract
し、また、歯科、外科等の生体用ろうとして好適なTi
基ろうを提供する。 【構成】Ti及びPdを主成分とし、Tiに対するPd
の重量比Pd/Tiが0.25〜4残部本質上Tiからなる
Ti基ろう、又は、Ti、Pd、及びCu、Coの一種
以上を主成分とし、Pd20〜80wt%、Cu及びCoの1
種以上0.01〜30wt%であるTi基ろうである。
Description
合金、ダイヤモンド、カーボンコンポジット、グラファ
イト及びセラミックス等の接合に用いられるTi基ろう
及びそのTi基ろうを用いたろう付け構造、並びにより
一般的にはろう付け方法に関する。
ム、銅に次ぐ実用金属材料で、比強度と耐食性に優れた
材料として知られ、宇宙機器、航空機から化学、原子力
プラントに至る幅広い分野で使用されている。また、眼
鏡、自転車、スポーツ用具や装飾品など民生品等に用途
が広がり、さらに、最近では生体に対する適合性が良好
なことから歯科用、外科用等の生体用(医療用)インプ
ラント材としても注目を集めている。
元素と反応し、特に高温で酸素、窒素と反応して機械的
性質が劣化する。そのため、チタン及びチタン合金の接
合は、鉄鋼等のろう付けとは異なった配慮が必要であ
る。
く、広い面積の接合や異種材料との接合が可能であり、
複雑かつ精密な構造の接合に適しており、チタンに関す
る接合方法として注目されている。
モンド、カーボンコンポジット、グラファイト、セラミ
ックス、セラミックス複合材料等を同種異種接合する適
当な接合材料が求められている。
合金のろう付け」渡部健彦」には、チタンろう付け用ろ
う材の種類として、Ag基ろう、Al基ろう、及びTi
基ろうが紹介されている。
g−Cu系、Ag−Cu−Ni系、Ag−Al系が記載
されている。
Al−Mn系が記載されている。
Ni−Cu系、これにZrを添加して融点を低下させた
Ti−Zr−Ni−Cu系が記載されている。Niは、
ぬれ性の向上及びチタン酸化物の形成阻止のために必須
の構成元素とされている。また、Ti−Ni−Cu系は
加工性が悪く積層ろうとして使用されており、これらの
系ではCuはTiと脆い金属間化合物を形成する性質が
強かった。
r−Cu−Niろう材が開発されており、この系のろう
材は、引張強度においては最高1000MPaに達するが、T
i39. 8Zr20.6Cu19.7Ni19.9(wt%)ろうで、Ti
母材(被ろう付け材)をろう付けしたJIS3号試験片
を用いたシャルピー衝撃試験によれば衝撃強さは0.75J/
cm2と低いものであった。
ろう材には、以下のような問題点があった。
強度が十分ではなく、特に実際の使用で問題となる衝撃
強度が低いという問題があり、各ろう付け温度によって
ぬれ性の良さと接合強度を両立させることが困難であっ
た。
うの融点を下げるためにNiを構成元素とするが、Ni
を含有するろう材を生体に用いる場合、Niの微量溶出
による金属アレルギが懸念される。
g、Pd、及びPt等の貴金属を含有する例えばAg基
ろうは、生体に金属アレルギ等の悪影響を及ぼさない
が、高価であり、Ag等は、それ自体強度があまり高く
ないという欠点を有しているので、Agを主成分とする
ろうは接合強度面で特に不十分であった。
と脆い金属間化合物を形成し易く、Alの融点が660℃
と低いため、例えばろう付け後にセラミックスを焼結な
いし焼き付けする場合などには、セラミックスの焼結温
度(例えば歯冠用セラミックスの場合約850℃)よりろ
う材の融点が低く使用できないという重大な欠点を有し
ていた。
i自体の衝撃強度はJIS3号試験片によるVノッチ衝
撃強度試験(シャルピー衝撃試験)によれば、室温で13
8.6(J/cm2)、アルゴン雰囲気中1100℃×4分の熱処理後
259.6(J/cm2)、アルゴン雰囲気中1160℃×4分の熱処理
後266.3(J/cm2)という高い強度を有しているが、従来の
ろう材では上記のようにろう材部の衝撃強度が低いため
に、ろう材部から破断し易くTi自体の高強度を十分に
発揮させた複雑な形状を有する構造部品等を製作するこ
とが困難であった。
合強度の高いTi基ろうを提供することを目的とする。
け温度で、良好なぬれ性を有するTi基ろうを提供する
ことを目的とする。
適なTi基ろうを提供することを目的とする。
イヤモンド、カーボンコンポジット、グラファイト、セ
ラミックス、セラミックス複合材料等を同種異種接合す
るのに好適なTi基ろうを提供することを目的とする。
付けした接合強度の高いろう付け構造を提供することを
目的とする。
う付け後工程を不要にすることを目的とする。
1つを達成することを目的とする。
め、本発明のTi基ろうに係る手段は、第1の視点にお
いて、Ti及びPdを主成分とし、Tiに対するPdの
重量比Pd/Tiが0.25〜4である。
を主成分とし、Pd20〜80wt%、Cu0.01〜30wt%、残
部本質上Tiからなる。
を主成分とし、Pd20〜80wt%、Co0.01〜30wt%、残
部本質上Tiからなる。
Coを主成分とし、Pd20〜80wt%、Cu及びCoの2
種以上0.01〜30wt%、残部本質上Tiからなる。
け構造に係る手段は、第1〜4の視点におけるTi基ろ
うを用いて、被ろう付け材同士のろう付け間隔が150μ
m以下である。
Tiに対するPdの重量比Pd/Tiが0.66〜1.5であ
る。
10wt%である。
10wt%である。
Coの2種以上が2〜10wt%である。
に対するPdの重量比Pd/Tiが0.25〜4であり、さ
らに好ましくはPd/Tiが0.66〜1.5であるTi基ろ
うである。
g、Au、Ni、Zr、Pt、In、Sn、Si、Z
n、Al、Fe、Cr、Li、Sb、Mn、Mo、N
b、Be、Bi、V、W、Ta、Gaの一種以上を合量
10wt%以下含む(0%より多く、有意量)。
用(例医療用)インプラント材に用いられるTi基ろう
材である。
u、Zr、Pt、In、Sn、Si、Al、Fe、S
b、Mn、Mo、Nb、Ta、Bi、W、Gaの一種以
上を合量10wt%以下含む生体用(例医療用)インプラン
ト材に用いられるTi基ろう材である。
i、Ti合金、超硬合金、セラミックス、ダイヤモン
ド、カーボンコンポジット、グラファイトの一種以上を
互いにろう付けするTi基ろうないしTi基ろう付けす
る構造が得られる。
避の不純物を微量含むことがある。
は、被ろう付け材であるTi及びTi合金等の接合強度
を高くすることが可能であり、ぬれ性も良く、ろう材と
して非常に優れている。また、Ti、Ti合金、超硬合
金、セラミックス、ダイヤモンド、カーボンコンポジッ
ト、グラファイトの一種以上を互いにろう付けするろう
材としても優れている。
対するPdの重量比Pd/Tiが0.25〜4であるTi基
ろうは接合強度に優れており、工業上の利用価値が高
い。さらにPd/Tiが0.66〜1.5であれば一層接合強
度に優れる。
し、Pd20〜80wt%、Cu3〜30wt%、残部本質上Ti
からなるTi基ろうは、比較的低温でぬれ性が良い。さ
らにCu2〜10wt%であれば一層接合強度に優れる。
し、Pd20〜80wt%、Co3〜30wt%、残部本質上Ti
からなるTi基ろうも、比較的低温でぬれ性が良い。T
iを含む母材(被ろう付け材)とCoを含むろうは接合
し易い。さらにCo2〜10wt%であれば一層接合強度に
優れる。
分とし、Pd20〜80wt%、Cu及びCoの2種以上3〜
30wt%、残部本質上TiからなるTi基ろうも、比較的
低温でぬれ性が良く、Ti及びTi合金の他に、その他
超硬合金、ダイヤモンド、カーボンコンポジット、セラ
ミックス、セラミックス複合材料等を同種異種接合する
ことができる。さらにCu+Co2〜10wt%であれば一
層接合強度に優れる。
o−Pd、Ti−(Cu,Co)−Pd3系ろうにおい
て、Tiに対するPdの重量比Pd/Tiが0.25〜4で
あり、さらに好ましくはPd/Tiが0.66〜1.5であれ
ば一層接合強度に優れ、ぬれ性との両立が実現できる。
n、Sn、Si、Zn、Al、Fe、Cr、Li、S
b、Mn、Mo、Nb、Be、Bi、V、W、Ta、G
aの一種以上を合量10wt%以下含むことで融点を下げる
ことができる。
は、生体に用いた場合にアレルギの原因となる成分が含
まれていないので、歯科用、外科用インプラント材のろ
う付けに非常に適している。
体親和性の高い元素(Ag、Au、Zr、Pt、Sn、
In、Si、Al、Fe、Sb、Mn、Mo、Nb、T
a、Bi、W、Ga等)を加えて融点を降下させること
が可能であり、取扱い性等が向上する。
けを行なう場合、ろう付け構造即ち被ろう付け材同士の
接合間隙を150μm以下、更に好ましくは100μm以下
(特に高い接合強度が求められる場合)とすることで、
ろう付け組織からの破断が発生しにくくなり接合強度が
上昇する。更に50μm以下であれば最も好ましい。
付けする場合に、従来接合強度を得るために必要であっ
たろう付け後の均質化熱処理が不要であり、従来5分以
上必要であったろう付け時間を短縮可能である。そのた
め被ろう付け材を劣化させることがほとんどない。ま
た、フラックスを必要としない利点があり、フラックス
による汚染を生じないため、特に生体用ろう付け材とし
て好適である。
あるTi及びTi合金等の接合強度、特に衝撃強度高く
することが可能であり、ぬれ性も良く、ろう材として非
常に優れている。そしてTiを主成分とするため耐食性
も優れ、特に、Ti、Ti合金、超硬合金、セラミック
ス、ダイヤモンド、カーボンコンポジット、グラファイ
トの一種以上を互いにろう付けするろう材としても優れ
ている。その上、アレルギーの原因となるNi無添加の
ろう材ができるので生体用インプラント材のろう付け用
として好適である。以下に、一般的にろう材に求められ
る特性・評価方法及び本発明のろう材の組成限定理由に
ついて詳細に説明する。
験、せん断試験及び衝撃試験があるが、後者2つ、中で
も衝撃試験が、現実の使用環境でのモードの最も近く、
ろう付けの接合強度(継手強度)の評価方法として適当
であり、特に、歯科用インプラントの接合強度試験とし
て最適である。
室温でのシャルピー衝撃試験機によれば、少なくとも、
おおよそ1J/cm2以上あることが好ましい。さらに好
ましくは2、4、6、7、8各J/cm2、特に衝撃強度
の必要な用途では10、20各J/cm2以上あることが好ま
しい。
間の接合間隔が重要である。接合間隔によって、ろう材
の組織、ろう材と母材(被ろう付け材)の界面組織が変
化する。ろう材部の組織は、母材に比べて機械的強度が
落ちるので、ろう材部の強度が低過ぎると低衝撃で破断
することになる。
って高い耐食性が要求されるが、本発明のTi基ろうの
必須構成元素であるTi、Pdは、とも耐食性に優れて
おり、苛酷(高温多湿等)な環境下でも、ろう付け部が
破壊の発生箇所となることがまず有り得ない。
に関係し融点の低いものが比較的ぬれ性が良い。医療用
(歯科用、外科用等)には、融点の低いものが好まし
い。
種類によっては比較的高融点のろう材が求められる場合
がある。例えば、セラミックス同士をろう付けしてから
再度セラミックスの焼結を行なう場合、ろう材の融点が
セラミックスの焼結温度より低ければろう材が流れてし
まうので、ろう材の融点はセラミツクスの焼結温度以上
でなければならない。また、工業上用いるには、ろう付
け設備や安全が十分に確保できるので、ろう材の接合強
度が高ければ融点が高くてもよい場合がある。
合を行なう場合、熱間加工により高強度を得るα+β型
のTi−6Al−4V合金と異なり、Tiのβ変態は、
前記純Tiの長時間加熱による結晶粒粗大化のみに留意
すれば、大きな問題にはならない。なお、熱処理後もT
i母材(Ti自体)のシャルピー衝撃試験によるVノッ
チ衝撃強度は約260J/cm2もの値が得られている。
ので、金属及びセラミックスの双方のろう接において高
い接合強度を発揮することができる。Tiは金属であ
り、さらに炭化チタン又は窒化チタン(TiC、Ti
N、Ti3N4等)のようなセラミックスにもなることか
ら分かるように、多種の元素と親和性が高いからであ
る。
理由について述べる。
においてはTi、Pdを主成分とする。Ti−Pdろう
は融点が高くぬれ性がやや劣るが、接合強度が高い。そ
のため、比較的高温でろう付けが可能である工業上での
利用価値が高い。なお、Ti−Pd系は全率固溶体を形
成する。
が、融点が高くなりぬれ性が悪くなる。また、Ti多で
融点低下する。従ってTiに対するPdの重量比Pd/
Tiはおおよそ1対1を中心として0.25〜4である。上
記範囲を外れれば融点が上がり過ぎ、偏析、また脆い金
属間化合物が析出し易くなる。より好ましくは、0.66〜
1.5であり一層接合強度が高い。なお、Pd以外の貴金
属以外を多量に添加すると接合強度が低下する。なお、
ろう付け温度はTi50−Pd50(Pd/Ti=1)で約1165℃
(固相−液相変態点は1118〜1140℃の間)がおおよそ好
ましい。
Pd、Cuを主成分とする。Ti−Cu−Pd系ろうは
Ti−Pd系に比べて融点が低く比較的ぬれ性に優れて
いる。なお、融点はTi70〜45−Cu10−Pd20〜45系
ろうで約925〜980℃、Ti20〜45−Cu10−Pd45〜70
系ろうで約925〜980℃である。
ぬれ性を向上させるが、ろう付け部中心付近に偏析等を
生じ、接合強度を低下させる。よってPd20〜80wt%、
Cu0.01〜30wt%、残部本質上Tiからなるものとす
る。より好ましくは、Cu2〜10wt%である。また、特
に接合間隙が広くCu成分が多い場合、ろう付け部の中
心部にCuの強度の低い偏析組織を生じやすくなる。
し、量が多ければろうの融点を下げ、ぬれ性を向上させ
るが、接合強度を低下させる。よってPd20〜80wt%、
Cu0.01〜30wt%、残部本質上Tiからなるものとす
る。より好ましくは、Cu2〜10wt%である。また、C
oとTiは合金化し易く、Tiを含む母材(被ろう付け
材)とCoを含むろうは接合し易い。
合添加したろうは、グラファイト、カーボンコンポジッ
ト、ダイヤモンド、鋼、超硬合金(WC等)、Mo、セ
ラミックス(炭化珪素、窒化珪素(Si3N4等))、Z
rO2焼結体、アルミナ、その他酸化物系、窒化物系及
びホウ化物系セラミックス等のこれら同種間又は異種間
のろう付けに優れている。Cu+Coの複合添加量は、
0.01〜30wt%が好ましい。より好ましくは、2〜10wt%
である。
を添加物として合量10wt%以下含むことも好ましい。そ
れらの元素は、Ag、Au、Ni、Zr、Pt、In、
Sn、Si、Zn、Al、Fe、Cr、Li、Sb、M
n、Mo、Nb、及びBeである。その効果として共通
にはろう材の融点の降下である。但し、歯科用等生体親
和性のためには、有害元素(上記元素中でNi、Zn、
Cr、Li、Be)を含まないことが好ましい。
においては、被ろう付け材間の接合間隔、例えばTiか
らなる母材及びチップのろう付け間隔は150μm以下、
高接合強度が求められる用途では100μm以下が好まし
い。さらに好ましくは75μm以下である。そして、接合
間隙50μm、Ti−Ti50Pd50−Tiで60J/cm2を超
える衝撃強度が得られている。他の本発明に係るろうに
ついても、接合間隙50μmで極めて高い衝撃強度が得ら
れている。
強度は、JIS3号衝撃試験片の室温でのシャルピー衝
撃試験機によれば、少なくとも、おおよそ1J/cm2以上
あることが好ましい。さらに好ましくは2、4、6、
7、8各J/cm2以上あることでろう材の用途が一層拡大
し、特に大きな耐衝撃強度の必要な用途では10、20各J
/cm2以上あることが好ましい。また、接合間隙を狭くし
て耐衝撃力を重視して組成を選定すれば、60J/cm2以上
の極めて優れた特性が得られる。
ゴン雰囲気や真空の場合には、フラックスは通常不要で
あるため、フラックスの蒸発成分による汚染のおそれも
なく、フラックスを使用しない分安価になる。なお、T
iろう付け用フラックスとしては、AgCl−KF−L
iF−LiCl系等がある。
合、B等の融点降下元素を含まず、衝撃破断(シャルピ
ー衝撃試験による)がろう材側で起こっていることから
も、通常はろう付け後の均質化熱処理が不要であるとい
う利点もあり、被ろう付け材に対する加熱による悪影響
を生じるおそれが極めて低くなる。なお、熱処理はTi
母材とろう材界面付近の針状組織の改善(消失)に特に
効果的であるが、衝撃破断がほとんどろう材側で起こっ
ているので、均質化熱処理の意味は比較的薄いと考えら
れる。
の形態は、粉末、箔状、線状、板状、棒状、あるいは特
別に積層ろう等、通常用いられるろう材と同様の形態で
用いることができる。Ti基ろうは一般のろう材に比べ
ると硬く脆いため、クラッド化することによりろうの形
状を箔にすることができる(ろう付け製品の組立が大変
容易になる)。アモルファス化も箔にする有効な手段
で、この場合、クラッドろうに比べ溶け別れしにくいと
いう利点もある。
け機、抵抗ろう付け機、赤外線ろう付け機等、通常工業
上あるいは医療上使用されているろう付け機を用いるこ
とができる。
外科用インプラント材(差歯、人工関接等)のろう付
け、民生品では眼鏡フレームのろう付け、及び工業分野
では、切削・研削工具におけるダイヤモンド、サーメッ
ト及び超硬工具等のペレットへの取り付け、航空宇宙分
野ではカーボンコンポジット製品のろう付け、さらに耐
食性・耐衝撃性を活かし原子力を含む発電所等の配管設
備のろう付けに使用することが可能である。
た。溶解は総量約3gの各金属を中央の銅の窪みに乗
せ、タングステン電極によるアーク熱にて、アルゴンガ
ス雰囲気中で溶解し作製した。
雰囲気中で各温度(1000〜1165℃)で、ろう材のぬれ性
を観察した。なお、各ろう材の融点は、Ti50−Pd50
(Pd/Ti=1)で約1118〜1140℃(好ましいろう付け温度
は1165℃)、Ti70〜45−Cu10−Pd20〜45系ろう
(Pd/Ti=1)で約925〜980℃、Ti20〜45−Cu10−P
d45〜70系ろう(Pd/Ti=1)で約925〜980℃であり(表
5参照)、ぬれ性試験の試験温度としては、これらの融
点より5〜100℃程度高いことを基準とした。但し、合
金の融点であるから厳密に測定することは非常に困難で
ある。
おけるTi基板に対するぬれ性の良否を示す。○はぬれ
性の特に良いもの、△はそのろう付け温度でぬれ性が普
通のもの、×はぬれ性の劣るもの、−はデータなしを夫
々示す。*は参考例である。さらに、図1及び図2に表
1〜3に記載のろうの内、幾つかのろう材のぬれ性試験
結果示す金属組織のマクロ写真を示す。なお、ぬれ性が
良いとは、図1及び図2の示す通りろうの流れ・広がり
が良く、液体(ろう)と固体(被ろう付け材、母材)と
の接触角が鋭角であることをいう。
20系の1000〜1150℃でのろう材のぬれ性の試験結果を示
す。
1150℃で良好なぬれ性を示し、Au、Pt、及びAgを
含む系は上記温度ではぬれ性が劣っていた。
高いTi−Pd−Cu系の組成を変え、特にCu含有量
を20wt%から5又は10wt%に減量し、あるいは添加元素を
加えたろう材をさらに試験した。
上系にAg、Au、及びZrを単独又は複合添加したろ
う材の1100℃におけるぬれ性の試験結果を示す。
良いが、CuにAu,Pt,Agが入るとぬれが悪く、
Zrが入るとぬれが改善されることが分かった。このよ
うに、貴金属元素でもPd以外は、低温でのぬれ性が劣
っていた。
系、及びCuをCoで一部又は全部置換したろう材の11
00、1165℃でのぬれ性の試験結果を示す。
及び1150℃で良好なぬれ性を示した。
験として、1075〜1175℃でのぬれ性の試験結果を示す。
も、高温(表4)ではぬれ性が向上していることが分か
る。
−Pd系において、Cu又はPd含有量が多い程低温で
のぬれ性が良く、Ti−Co−Pd系及びTi−Cu−
Co−Pd系もぬれ性が良いことが分かった。
酸化について示す。
で、正確に融点を測定するのが困難であるが、固相〜液
相への相変態温度から、各ろうの特性に応じてぬれ性の
良好なろう付け温度を推定することが可能であり、ろう
付け温度の最適化に貢献する。
うの内、幾つかのろう材のぬれ性試験結果示す金属組織
のマクロ写真を示す。
d20(ぬれ性良)、以下ぬれ性の劣るTi60−Cu20−
Au20、Ti60−Cu20−Pt20、Ti60−Cu20−A
g20各ろうを示す。ぬれ性の良いTi60−Cu20−Pd
20ろうは基板上に密着して広がっている。
らTi60−Cu20−Pd20、Ti40−Cu20−Pd40、
Ti45−Cu10−Pd45、Ti47.5−Cu5−Pd47.5
各ろうを示す。
織観察)
Cu20Pd20ろうの組織観察を行なった。母材(ベー
ス)とチップ(被ろう付け材)には純チタン(JIS3
種)を使用し、ベ−スは3×11×22mm、チップは3
×4×6mmに切断し、ろう付面をエメリ−紙で1000
番まで研磨した後、アセトンで洗浄した。ろう材には、
表1〜表3に示す各種ろう材の中でぬれ性の良好なTi
60Cu20Pd20ろうを用いた。ベースとチップの間に、
50,100,又は150μmのタングステンワイヤー
のスペーサーを挟みベース−チップ間の所定の間隔を確
保した。そして、チツプのまわりにろう材を置き、観察
試料を作成した。
炉内で所定の温度まで昇温してあるシリカチューブ内に
挿入した。また、チタンは極めて活性な金属であるため
高温では窒素、酸素、水素などを吸収し硬化するととも
に、靱性が低下するため、高純度のアルゴンガス雰囲気
中でろう付を行った。ろう付温度は、1100℃で24
0s保持した後、シリカチューブ出口付近で冷却してか
ら取り出した。この時、ろう付出来たものだけを後のせ
ん断試験と組織観察に使用した。
付部の金属組織の顕微鏡組織写真を示す。ろう付け条件
は、上述のようにろう付温度は1100℃、保持時間は
240s、ベースとチップの接合間隙は50,100,
150μmで行なった。組織観察をする為に使用した腐
食液は、チタクリーン腐食液(弗酸1%,硝酸13%)
で、試料を2秒ほど浸した後、水洗して観察を行った。
ースとチップの接合間隔が、50,100,150μm
である。
mの接合間隙では、接合部に細かい針状組織が現れ、母
材組織の境界は明瞭に観察されない。そして、100μ
m,150μmと接合間隙が広くなるにしたがい、中央
部に白いCuの相が認められた。
に、上記接合間隙100μmの試料について、高分解能
電子顕微鏡で組織観察及び組成の元素分析を行った。
おなじ部分の電子顕微鏡写真(倍率1000倍)を、表6〜
9に組成像に示す各組成分析点(1,2,3,4)での
元素分析結果を示す。点1を中央灰色部、点2を中央白
色部、点3を端部黒色部、点4を端部灰色部とする。
y部(中央の灰色部点1)では、Ti:56.9%,C
u:29.4%,Pd:13.7%,表7に示すceuter-w
hite部(中央の白色部点2)では、Ti:43.1%,
Cu:45.8%,Pd:11.2 %,表8に示すside-
brack部(端部の黒色部点3)では、Ti:82.7%,
Cu:4.3%,Pd:13.0%、表9に示すside-gra
y部(端部の灰色部点4)では、Ti:58.4%,C
u:25.9%,Pd:15.7% という組成であっ
た。これらの結果よりろう付中心部にはCuが比較的多
く含まれていることがわかった。
ん断試験)
Ti60Cu20Pd20ろうの組織観察を行なった。試験材
料及びろう付け方法は実施例2と同様であり、せん断試
験はろう付後フィレット部をヤスリで除去した後、最大
荷重4.9×104(N)のアムスラー試験機を用いて行
った。
所定間隔でベース10にろう付けされたチップ9からな
る試料を固定し、ろう付け面11にせん断力が働くよう
に図中矢印の方向にベース10側面に応力を加える。
付した時の夫々50μm、100μm、及び150μm
の接合間隙におけるせん断試験結果を示す。
は、50μmで467MPa,100μmで585MPa,1
50μmで503MPa と接合間隙の広さによらずほぼ一
定であり、全体の平均値で518.3MPaと非常に高い値
が得られた。破断の大部分が母材から生じていて、ろう
材部からの破断は極一部だけであるためだと考えられ
る。
20ろうは、せん断力(静的荷重)に関して、かなり強度
があることがわかった。
撃試験)
荷重)よりも衝撃力(動的荷重)の強度の値が高いこと
が重要であるため、前掲表2及び表3のろう材について
は衝撃力(動的荷重)についてのみ試験を行った。な
お、本実施例では実施例2及び3で用いたろう材と同組
成のTi60Cu20Pd20ろうについての結果を特に示
す。試験材料及びろう付け方法は実施例2と同様であ
り、せん断試験はまた、歯科材料を接合する場合、接合
隙間を均等に保つことは困難である為、それらのろう材
は接合間隙を100μmとし実験を行い、その中でも強
度のあるろう材については50,150μmの間隙での
接合も行った。
タン角材を、加熱時にろう材が母材表面を流れ落ち難く
する為にろう付面の一辺を面取りし、その後ろう付面を
エメリ−紙で1000番まで研磨し、アセトン洗浄し
た。そして、接合面同士の研磨傷が垂直に交わる様にし
てセットした。
セトン洗浄したものを用いた。この時、治具とチタンの
端とが直接当たるのをさける為に、150μmのタング
ステン細線をゆるやかなV字に曲げ、カーボン部とチタ
ンの間に挟んだ。また、接合間隙を一定に保つためにろ
う付面の間にスペーサーとして、50,100,150
μmのタングステン細線を挿入した。ろう材は面取りし
た部分に乗せた。
プレートの上に乗せ、熱電対をカーボン部に付けた。そ
れを、所定の温度に温められた炉の中のシリカチューブ
内に入れてろう付を行った。ここで、シリカチューブ内
は、高純度アルゴンガス雰囲気であり、ろう付温度は1
100℃である。240s保持してから試料をシリカチ
ューブ出口付近まで動かし、冷却後取り出し試験片とし
た。
エンドレス・ペーパーで取り除き、さらに、4面ともろ
う付による段差がなくなるように仕上げた。その後、窒
化ボロン製カッターを用いてUノッチ加工し、JIS3
号衝撃試験片に仕上げ、シャルピー衝撃試験機を用いて
接合部の室温での衝撃強度を調べた。
した試料の常温における衝撃試験結果を示す。
20ろうでろう付けした試料の衝撃試験後のろう付け面に
おける破断面の金属組織の写真を示す。
mの接合間隙において平均値で11.1J/cm2と高い値
を示したが、100,150μmと接合間隙を広くとる
と衝撃強度は低下する傾向がある。これは図8の破面観
察より、50μmの接合間隙では結晶粒は非常に細か
い。100,150μmの接合間隙になると結晶粒は5
0μmの結晶粒よりは粗くなっていること、及び、図8
の断面組織からもわかるように接合間隙が広くなると、
破断はろう付中心部で生じるようになる。このことは実
施例2における図3、図4及び表6〜9の結果より、接
合間隙が広くなると、ろう付中心部に強度の低いCuが
多く含まれる相が存在するようになるため、接合部の強
度が低下し、衝撃強度が比較的低くなるものと考えられ
る。
はろう付け部中心付近に強度のひくいCuの組織が偏在
して衝撃強度が低くなるので、Ti−Cu−Pd系ろう
において、Cuの含有量はおおよそ30wt%以下が好まし
く、さらに好ましくは20wt%以下であることが分かっ
た。そこで、上述のようにろうの成分量を変え、さらに
他の元素を加えた、各種ろう材(表2、表3)の内、ぬ
れ性の良かったものを再度試作し、次の実施例において
衝撃試験を行うことにした。
の金属組織写真(倍率100倍)を示す。なお、図中下部
の白色の円部はろう付け間隙を維持するためのタングス
テン線の断面である。ろう付温度は1100℃(Ti50Pd
50のみ1165℃)、保持時間は240s、母材の接合間隙は
50,100,150μmである。ここで、組織観察を
する為に使用した腐食液は、チタクリーン腐食液で、試
料を2秒ほど浸した後、水洗して観察を行った。
0はTi40Cu20Pd20ろう、図11はTi50Pd50ろ
う、図12はTi47.5Co5Pd47.5ろうである。
う材(図9及び10)はろう付け部に細かい針状組織が
現れ、かなり広い範囲において針状組織が形成されてい
る。Ti47.5Cu5Pd47.5ろう(図9)はTi40Cu
20Pd40ろう(図10)と比べて、より細かい針状組織
であることがわかる。それに比べ、Ti50Pd50ろう
(図11)やCoを含むろう材(図12)には、針状組
織は観察されない。またCoの量を変えても組織に大き
な変化は認められず、成分にCuを含むものと、含まな
いものでは違う組織になっていた。
グループ2,グループ3,グループ4に各種ろう材によ
るTiろう付の常温における衝撃試験結果を示す。
及びTi-Pd系>
低下することが分かった。従って、強度をあげるため、
TiCu10PdろうをベースにZr、Au又はZr+A
uをろう材に添加することにより強度の向上を計った。
u、Au+Zr)ろうでTi母材をろう付けした、各種
Ti基ろうに対するろうの衝撃強さを示す。なお、Ti
50Cu10Pd20Au10Zr10は比較材である。ろう付け
条件は、アルゴン雰囲気、1100℃−240s保持。接合間
隙は100μmである。なお、比較のためにM元素無添加
のTi45Cu10Ti45ろうの衝撃強さも図中左端に示
す。
10Ti45ろう以外の衝撃強度は100μmの接合間隙に
おいて1J/cm2前後であった。破断組織の観察の結
果、いずれの場合もろう付中心部より破断が生じ、その
上ろう材自身の強度も比較的低いためと考えられる。従
ってPdの添加による衝撃強度向上効果が大きいことが
分かる。
ろう(1165℃-240s保持)によるろう付けにより、衝撃強
度は50μmの接合間隙において平均値で67.6J/cm2、1
00μmにおいて平均値で36.91J/cm2、150μm
の接合間隙において平均値で13.1J/cm2と非常に高
い10J/cm2をかなり超える継手強度が得られた。こ
れは、Ti50Pd50ろうではろう材部の組織が強く、破
断がろう/母材界面付近で生ずるためと考えられる。ろ
う付温度が1165℃で多少高く、ぬれ性はあまり良く
なかった。しかし、衝撃強度が非常に高く、特に工業上
使用するのに好ましいろう組成である。
d/Ti=0.33(Ti60Cu20Pd20ろう(実施例4参
照))のろうよりも、衝撃強さが高い傾向にあった。
常に高い継手強度を示したので、このろう材をベースに
TiとPdを同比率にしその中に成分としてCuを入れ
て、融点を下げることにした。ろう付け条件は、アルゴ
ン雰囲気、1100℃−240s保持。接合間隙は100μmであ
る。
のろう材による衝撃試験結果である。この中でCu量の
最も少ないTi47.5Cu5Pd47.5ろうが、100μm
の接合間隙において衝撃強度が平均値で19.7J/cm2
と非常に高い値を示した。さらに全体に衝撃強度の高い
ものは、ろう/母材界面付近で破断し、衝撃強度の低い
もの、または接合間隙の広いものは、ろう付中心部で破
断が生じた。破断面も接合間隙が広くなるほど破面が粗
くなっていた。従って、ぬれ性等を向上させるためのC
uを添加しないTi−Pd系ろうは衝撃強度が非常に高
いことから(図14参照)、Cuを多量に添加し過ぎる
ことは、ろう材の衝撃強度を低下させる傾向があること
が分かる。
μm、100μm、150μm)おける、各ろう材の衝撃強度
を整理して示されている。
度が高く、おおよそ150μm以下、好ましくは100μm以
下程度が好ましい。なお、ぬれ性が特によい場合やろう
付けの目的によって、例えば衝撃強度は余り必要として
いない場合などで150μmを超えてもよい場合もある。
来たが、成分としてCuの代わりにCo入れてTi−C
o−Pd系のろう材を作製し、衝撃強さを計測した。ろ
う付け条件は、アルゴン雰囲気、1100℃−240s保持。
接合間隙は100μmである。
よる衝撃試験結果である。これより、最も衝撃強度が高
かったものが、Ti47.5Co5Pd47.5ろうで、100μm
の接合間隙において平均値が11.8J/cm2であった。し
かし、Ti47.5Cu5Pd47.5ろうに比べれば低い値で
あった。これは、接合間隙が狭くても、破断がろう/母
材界面付近ではなく、ろう付中心部で生じているためで
ある。
による衝撃試験結果を示す。ろう付け条件は、アルゴン
雰囲気、1100℃−240s保持。接合間隙は50、100及び15
0μmである。この結果、Ti47.5Cu2.5Co2.5Pd
47.5ろうによるろう付けは、50μmの接合間隙において
衝撃強さが平均値で60.1J/cm2もの非常に高い値を示
し、100μmにおいても平均値で5.3J/cm2を示した。ま
た、150μmでも2.6J/cm2を上回っている。そして、ぬ
れ性は今までのろう材の中で最も良好であった。
に従い、あるいはCuないしCoの含有量が多くなるの
に従いぬれ性は向上するが、衝撃強さが低下していくこ
とが分かった。また、衝撃試験結果より結晶粒の細かい
ものは衝撃強さが高い値を示し、粗いものは低い値を示
している。さらに、衝撃試験による破断形態は、衝撃強
さの高いろう材がろう/母材界面付近から破断している
のに対し、衝撃強さの低いろう材は、ろう付部の中心か
ら破断している。
いて、Gr(グラファイト)−Gr、SS41−Si
C、SS41−Borts ダイヤモンド、W−Borts ダイヤ
モンド、WC焼結超硬合金−Borts ダイヤモンドのろう
付実験を行った。なお、Bortsダイヤモンドとは工業用
ダイヤモンドの一般的名称である。
2.5Co2.5ろうを用いたろう付け実験の結果を表わす金
属組織の写真を示す。
Pd47.5−Cu2.5−Co2.5ろうでろう付けした金属組
織のマクロ写真(倍率4倍)である。ろう付け条件は、
1100℃−240s保持。接合間隙は100μmである。
Pd47.5−Cu2.5−Co2.5ろうでろう付けした金属組
織のマクロ写真(倍率4倍)である。ろう付け条件は、
1100℃−240s保持。接合間隙は50μmである。
をTi47.5−Pd47.5−Cu2.5−Co2.5ろうでろう付
けした金属組織のマクロ写真(倍率4倍)である。ろう
付け条件は、1100℃−240s保持。接合間隙は50μmで
ある。
47.5−Pd47.5−Cu2.5−Co2.5ろうでろう付けした
金属組織のマクロ写真(倍率4倍)である。ろう付け条
件は、1100℃−240s保持。接合間隙は50μmである。
ンドをTi47.5−Pd47.5−Cu2. 5−Co2.5ろうでろ
う付けした金属組織のマクロ写真(倍率4倍)である。
ろう付け条件は、1100℃−240s保持。接合間隙は50μ
mである。
して、ぬれ性は良く、ろう付状態も良好であった。
Pd系、Ti−Co−Pd系、特にTi−Cu−Co−
Pdは、金属とセラミックスのような異種材料の接合に
適している。その理由としては、Ti基ろうであるため
Tiとセラミックスの接合性が良いことが考えられる。
素を含んでいなければ、特に歯科用分野では、複雑な形
状のTi合金からなる歯冠及びTi合金からなる歯根部
の製作に用いるろう材として好適であり、また、Ti合
金からなる歯根部とセラミックスからなる歯本体をろう
接することも、ろう材の衝撃強度の高さにより可能であ
る。
て用いられるTi合金のろう接、および心材外周部に設
けられるセラミックス質とのろう接も可能である。
親和性が求められるTi合金からなる生体用インプラン
ト材のろう接に、本発明のTi基ろう材は好適である
(但し、融点効果等の目的でNi等の生体に有害な元素
は無添加の場合)。
本発明は上記態様のみ限定されるものではなく、本発明
の原理に基づいた各種態様を含むものである。
ろうはいずれも、接合強度、特に衝撃強度を高くしてT
i及びTi合金、その他超硬合金、ダイヤモンド、グラ
ファイト、カーボンコンポジット、セラミックス、セラ
ミックス複合材料等を同種異種接合することができる。
対するPdの重量比Pd/Tiが0.25〜4であるTi基
ろうは接合強度に優れており、工業上の利用価値が高
い。さらにPd/Tiが0.66〜1.5であれば一層接合強
度に優れる。
し、Pd20〜80wt%、Cu0.01〜30wt%、残部本質上T
iからなるTi基ろうは、比較的低温でぬれ性が良い。
さらにCu2〜10wt%であれば一層接合強度に優れる。
し、Pd20〜80wt%、Co0.01〜30wt%、残部本質上T
iからなるTi基ろうも、比較的低温でぬれ性が良い。
Tiを含む母材(被ろう付け材)とCoを含むろう材は
接合し易い。さらにCo2〜10wt%であれば一層接合強
度に優れる。
主成分とし、Pd20〜80wt%、Cu及びCoの2種以上
0.01〜30wt%、残部本質上TiからなるTi基ろうも、
比較的低温でぬれ性が良く、Ti及びTi合金の他に、
その他超硬合金、ダイヤモンド、カーボンコンポジッ
ト、セラミックス、セラミックス複合材料等を同種異種
接合することができる。さらに(Cu+Co)2〜10wt
%であれば一層接合強度に優れる。
o−Pd、及びTi−(Cu,Co)−Pd系ろうにお
いて、Tiに対するPdの重量比Pd/Tiが0.25〜4
であり、さらに好ましくはPd/Tiが0.66〜1.5であ
れば一層接合強度に優れる。
n、Sn、Si、Zn、Al、Fe、Cr、Li、S
b、Mn、Mo、Nb、Be、Bi、V、W、Ta、G
aの一種以上を合量10wt%以下含むことで融点を下げる
ことができる。
は、生体に用いた場合にアレルギの原因となる成分が含
まれていないので、歯科用、外科用インプラント材のろ
う付けに非常に適している。歯科用としては、本発明の
Ti基ろうでろう接したTi合金歯根を用いて、そこに
セラミックスを充填または塗布して、ろう付け温度より
低温で焼結あるいは焼き付けしセラミックス人工歯を製
作することができ、歯根部のろう部が流動することがな
い。なお、セラミックスにはアパタイト等が使用され
る。
生体親和性の高い元素(Ag、Au、Zr、Pt、S
n、In、Si、Al、Fe、Sb、Mn、Mo、N
b、Ta、Bi、W、Gaの一種以上を合量10wt%以
下)を加えて融点を降下させることが可能であり、取扱
い性等が向上する。
けを行なう場合、ろう付け構造即ち被ろう付け材同士の
接合間隙を150μm以下、用途によってより好ましくは1
00μmとすることで、ろう付け組織からの破断が発生し
にくくなり接合強度が上昇する。
付けする場合に、従来接合強度を得るために必要であっ
たろう付け後の均質化熱処理が不要であり、従来5分以
上必要であったろう付け時間を短縮可能である。そのた
め被ろう付け材を劣化させることがほとんどない。ま
た、フラックスを必要としない利点があり、フラックス
による汚染を生じないため、特に生体用ろう付け材とし
て好適である。
材上でのぬれ性試験結果を示す、金属組織のマクロ写真
(倍率4倍)である。ろう付け条件は、1100℃−420s
保持。
材上でのぬれ性試験結果を示す、金属組織のマクロ写真
(倍率4倍)である。ろう付け条件は、1100℃−420s
保持。
でTi母材をTi60−Pd20−Cu20ろうでろう付けし
た、ろうとろう付け界面付近の金属組織を示す顕微鏡写
真(倍率100倍)である。ろう付け条件は、Ar雰囲
気、1100℃−240s保持。接合間隙は(a)は50μm、
(b)は100μm、(c)は150μm。
Cu20−Pd20ろうでろう付けした、ろうとろう付け界
面付近の金属組織を示す電子顕微鏡写真(倍率1000倍)
である。ろう付け条件は、Ar雰囲気、1100℃−240s
保持、接合間隙は100μm。各点(1〜4)は元素分析
点である。
びチップを各種Ti基ろうでろう付けした試料のせん断
試験方法を示す模式図である。
0、及び150μm)でTi母材をTi60−Cu20−Pd20
ろうでろう付けした、接合間隙(μm)に対するろうの
せん断強さ(MPa)を示す。ろう付け条件は、Ar雰囲
気、1100℃−240s保持。
0、及び150μm)でTi母材をTi60−Cu20−Pd20
ろうでろう付けした、各接合間隙(μm)に対するろう
の衝撃強さ(J/cm2)を示す。ろう付け条件は、Ar雰
囲気、1100℃−240s保持。
0、及び150μm)でTi母材をTi60−Pd20−Cu20
ろうでろう付けし衝撃試験を行なって破断させた、ろう
付け面における破断面の金属組織を示す写真である。ろ
う付け条件は、Ar雰囲気、1100℃−240s保持。接合
間隙は(a)は50μm、(b)は100μm、(c)は150
μm。
Ti母材をTi47.5Cu5Pd47 .5ろうでろう付けし
た、ろうとろう付け界面付近の金属組織を示す顕微鏡写
真(倍率100倍)である。ろう付け条件は、Ar雰囲
気、1100℃−240s保持。
でTi母材をTi40Cu20Pd20ろうでろう付けした、
ろうとろう付け界面付近の金属組織を示す顕微鏡写真
(倍率100倍)である。ろう付け条件は、Ar雰囲気、1
100℃−240s保持。
でTi母材をTi50Pd50ろうでろう付けした、ろうと
ろう付け界面付近の金属組織を示す顕微鏡写真(倍率10
0倍)である。ろう付け条件は、Ar雰囲気、1165℃−2
40s保持。
でTi母材をTi47.5Co5Pd47 .5ろうでろう付けし
た、ろうとろう付け界面付近の金属組織を示す顕微鏡写
真(倍率100倍)である。ろう付け条件は、Ar雰囲
気、1100℃−240s保持。
−M(Zr、Au、Au+Zr)系ろうでTi母材をろ
う付けした、各種Ti基ろうに対するろうの衝撃強さ
(J/cm2)を示す。ろう付け条件は、Ar雰囲気、1100
℃−240s保持。接合間隙は100μm。
母材をTi50−Pd50ろうでろう付けした、各接合間隙
(μm)に対するろうの衝撃強さを示す。ろう付け条件
は、Ar雰囲気、1165℃−240s保持。接合間隙は
(a)は50μm、(b)は100μm、(c)は150μm。
100、及び150μm)でTi母材をTi−Cu−Pd系
(Pd/Ti=1)各種ろうでろう付けした、接合間隙
(μm)に対する各種ろうの衝撃強さ(J/cm2)を示
す。ろう付け条件は、Ar雰囲気、1100℃−240s保
持。
Co−Pd系各種ろうでろう付けした、各種ろうの衝撃
強さ(J/cm2)を示す。ろう付け条件は、Ar雰囲気、1
100℃−240s保持、接合間隙100μm。
100、及び150μm)でTi母材をTi47.5−Pd47.5−
Cu2.5−Co2.5ろうでろう付けした、接合間隙(μ
m)に対するろうの衝撃強さ(J/cm2)を示す。ろう付
け条件は、Ar雰囲気、1100℃−240s保持。
をTi47.5−Pd47.5−Cu2.5−Co2.5ろうでろう付
けした金属組織のマクロ写真(倍率4倍)である。ろう
付け条件は、Ar雰囲気、1100℃−240s保持。接合間
隙は100μm。
をTi47.5−Pd47.5−Cu2.5−Co2.5ろうでろう付
けした金属組織のマクロ写真(倍率4倍)である。ろう
付け条件は、Ar雰囲気、1100℃−240s保持。接合間
隙は50μm。
ダイヤモンドをTi47.5−Pd47 .5−Cu2.5−Co2.5
ろうでろう付けした金属組織のマクロ写真(倍率4倍)
である。ろう付け条件は、Ar雰囲気、1100℃−240s
保持。接合間隙は50μm。
モンドをTi47.5−Pd47.5−Cu2.5−Co2.5ろうで
ろう付けした金属組織のマクロ写真(倍率4倍)であ
る。ろう付け条件は、Ar雰囲気、1100℃−240s保
持。接合間隙は50μm。
rts ダイヤモンドをTi47.5−Pd47.5−Cu2.5−C
o2.5ろうでろう付けした金属組織のマクロ写真(倍率
4倍)である。ろう付け条件は、Ar雰囲気、1100℃−
240s保持。接合間隙は50μm。
Claims (15)
- 【請求項1】Ti及びPdを主成分とし、Tiに対する
Pdの重量比Pd/Tiが0.25〜4であることを特徴と
するTi基ろう。 - 【請求項2】Tiに対するPdの重量比Pd/Tiが0.
66〜1.5であることを特徴とする請求項1記載のTi基
ろう。 - 【請求項3】Ti、Pd及びCuを主成分とし、 Pd20〜80wt%、 Cu0.01〜30wt%、 残部本質上Tiからなることを特徴とするTi基ろう。
- 【請求項4】Cu2〜10wt%であることを特徴とする請
求項3に記載のTi基ろう。 - 【請求項5】Ti、Pd及びCoを主成分とし、 Pd20〜80wt%、 Co0.01〜30wt%、 残部本質上Tiからなることを特徴とするTi基ろう。
- 【請求項6】Co2〜10wt%であることを特徴とする請
求項5に記載のTi基ろう。 - 【請求項7】Ti、Pd、Cu、Coを主成分とし、 Pd20〜80wt%、 Cu及びCoの1種以上0.01〜30wt%、 残部本質上Tiからなることを特徴とするTi基ろう。
- 【請求項8】Cu及びCoの1種以上が2〜10wt%であ
ることを特徴とする請求項7に記載のTi基ろう。 - 【請求項9】Tiに対するPdの重量比Pd/Tiが0.
25〜4であることを特徴とする請求項3〜8のいずれか
に記載のTi基ろう。 - 【請求項10】Tiに対するPdの重量比Pd/Tiが
0.66〜1.5であることを特徴とする請求項3〜9のいず
れかに記載のTi基ろう。 - 【請求項11】Ag、Au、Ni、Zr、Pt、In、
Sn、Si、Zn、Al、Fe、Cr、Li、Sb、M
n、Mo、Nb、Be、Bi、V、W、Ta、Gaの一
種以上を合量10wt%以下含むことを特徴とする請求項1
〜10のいずれかに記載のTi基ろう。 - 【請求項12】生体用インプラント材料のろう付けに用
いられることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに
記載のTi基ろう。 - 【請求項13】生体親和性元素であるAg、Au、Z
r、Pt、In、Sn、Si、Al、Fe、Sb、M
n、Mo、Nb、Ta、Bi、W、Gaの一種以上を合
量10wt%以下含むことを特徴とする請求項12に記載の
Ti基ろう。 - 【請求項14】Ti、Ti合金、超硬合金、セラミック
ス、ダイヤモンド、カーボンコンポジット、及びグラフ
ァイトの一種以上を互いにろう付けするための請求項1
〜13のいずれかに記載のTi基ろう。 - 【請求項15】被ろう付け材間のろう付け間隔が150μ
m以下であることを特徴とする請求項1〜14のいずれ
かに記載のTi基ろうを用いたろう付け構造。
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JP29604194A JP3682885B2 (ja) | 1994-11-07 | 1994-11-07 | Ti基ろう及びTi基ろうを用いたろう付け構造 |
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JPH08132281A true JPH08132281A (ja) | 1996-05-28 |
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