JPH0813104A - 耐ヒートサイクル性に優れた耐熱合金及び該合金を使用したヒーターチューブ - Google Patents

耐ヒートサイクル性に優れた耐熱合金及び該合金を使用したヒーターチューブ

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JPH0813104A
JPH0813104A JP16615594A JP16615594A JPH0813104A JP H0813104 A JPH0813104 A JP H0813104A JP 16615594 A JP16615594 A JP 16615594A JP 16615594 A JP16615594 A JP 16615594A JP H0813104 A JPH0813104 A JP H0813104A
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JP
Japan
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heat
resistant alloy
temperature strength
cycle resistance
high temperature
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JP16615594A
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Inventor
Naoki Katayama
直樹 片山
Tatsuro Isomoto
辰郎 磯本
Genryu Abe
源隆 阿部
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Sanyo Special Steel Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Special Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加熱、冷却を繰り返し受けるような過酷な高
温環境下で極めて優れた耐酸化性を示すとともに、高温
強度にも優れた性質を有する耐ヒートサイクル性および
高温強度に優れたことを特徴とする耐熱合金材料を廉価
に提供する。 【構成】 重量%で、C:0.02〜0.15%、Si:0.70〜
3.00%、Mn:0.50%以下、Ni:30.0〜40.0%、C
r:18.0〜25.0%、Al:0.50〜2.00%、Ti:0.10〜
1.00%、残部Feおよび不可避不純物を含有する耐ヒー
トサイクル性および高温強度に優れたことを特徴とする
耐熱合金である。さらにLa、CeまたはYの希土類元
素から選択した1種または2種以上を0.01〜0.10%また
は、Zr:0.01ないし0.30%を含有する耐ヒートサイクル
性および高温強度に優れたことを特徴とする耐熱合金で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒートサイクルを受け
るような環境下、例えばエアコン用材料に関するもので
あり、詳しくは電源のON/OFFに伴い加熱、冷却を
繰り返し受け、過酷な高温条件下で優れた耐酸化性を有
し、更に良好な高温強度を有した廉価なFe−Ni−C
r合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヒートサイクルを受けるような環境下で
使用される材料、例えばガスエアコン用ヒーターチュー
ブは、天然ガスを燃料としたガスバーナーにより大気中
で最高温度約700〜900℃程度の高温に加熱され、
1日に数回の電源のON/OFFに伴い断続運転となる
ため加熱冷却のヒートサイクルとなり、繰返し酸化を受
けるため、過酷な条件での良好な耐酸化性が必要であ
る。
【0003】従来このような材料には非常に優れた耐酸
化性および高温強度を有するNi−Cr−Mo系の超合
金やハステロイX(商標名:22Cr−9 Mo−19Fe−
NiBal.)や耐酸化性の優れたNCF600 が採用さ
れたいたがNiを多量に含有するため、価格が極めて高
くなるという問題があった。
【0004】また、廉価な材料で、大気中で耐酸化性の
良好な材料としては、SUS310 SやNCF800 Hなど
が挙げられるが、これらの材料では前記したような過酷
な環境下での耐酸化性は十分でないといった問題があ
る。
【0005】そして、ヒーターチューブは、更に上述し
たような過酷な高温環境下で優れた耐酸化性を示すこと
はもちろん、チューブ内を熱媒体として循環するヘリウ
ムガスより圧力を受けるために、優れた高温強度を有す
る必要がある。
【0006】この点において、NCF600 およびSUS
310 Sにおいては強度不足であり、使用できない状態で
あった。
【0007】このようなことから、過酷な高温環境下で
耐酸化性が良好であり、廉価な材料の出現が切望されて
おり、また、圧力を受けるような部材に対しては、更に
良好な高温強度を有する材料の出現が切望されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な各種の問題点を解消し、加熱、冷却を繰り返し受ける
ような過酷な高温環境下で極めて優れた耐酸化性を示す
とともに、高温強度にも優れた性質を有する材料を廉価
に提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】ガスエアコン用部材のよ
うな環境下、即ち、700〜900℃程度の温度域に加
熱され、電源のON/OFFに伴って加熱、冷却を繰り
返し受けるような過酷な酸化環境下においては、材料表
面に生成される酸化層の保護性のみだけではなく、密着
性も重要な因子となる。
【0010】本発明者等は、このような観点から試行錯
誤を繰り返しながら鋭意研究を重ねた結果、以下に示さ
れる如き知見を得るに至ったのである。
【0011】(a)従来、耐酸化性に有効な元素として
はCrが挙げられ、このような過酷な酸化環境下におい
ても一定量のCrを含有することによって、ある程度の
耐酸化性を有することはでき、また、必要であるが、7
00〜900℃程度の温度域においては、従来は脱酸材
とし添加していたMnを低減することが、加熱冷却を繰
り返し受ける過酷な酸化環境下においては、極めて有効
であり、併せてSiを一定量添加することによって更に
良好な耐酸化性が得られること。
【0012】(b)前記の過酷な環境下での耐酸化性
は、Ni含有量を低減することによって劣化するが、上
述のごとくMnを低減し、Siを一定量添加することに
よって、十分な耐酸化性を確保できること、即ち、70
0〜900℃程度の温度域において加熱冷却を繰り返し
受ける過酷な酸化環境下においては、特定量のCrを含
有した上で、Mnを低減し、Siを一定量添加すること
によってNi含有量を低減できること。
【0013】(c)更に、LaやCeまたはYの希土類
元素やZrを添加することによって、更に良好な耐酸化
性が得られること。
【0014】(d)その上で、当該材料にNb、Mo、
VまたはWをを添加することによって高温での強度が一
層改善されること。
【0015】この発明は、上記知見に基づいてなされた
ものであり、請求項1の発明の手段は、エアコンのよう
な加熱冷却を繰り返し受ける過酷な高温酸化環境下での
適正材料として、重量%で、C:0.02〜0.15%、Si:
0.70〜3.00%、Mn:0.50%以下、Ni:30.0〜40.0
%、Cr:18.0〜25.0%、Al:0.50〜2.00%、Ti:
0.10〜1.00%を含有し、残部Feおよび不可避不純物で
ある耐ヒートサイクル性および高温強度に優れたことを
特徴とする耐熱合金である。
【0016】請求項2の発明の手段は、上記の請求項1
の発明の手段の耐熱合金の化学組成に、更にBまたはC
aのいずれか1種または2種を0.001 〜0.03%含有し、
耐ヒートサイクル性および高温強度に優れたことを特徴
とする耐熱合金である。
【0017】請求項3の発明の手段は、上記請求項1の
発明の手段の耐熱合金の化学組成に、更にLa、Ceま
たはYの希土類元素から選択した1種または2種以上を
0.01〜0.10%、またはZr:0.01〜0.30%含有し、耐ヒ
ートサイクル性および高温強度に優れたことを特徴とす
る耐熱合金である。
【0018】請求項4の発明の手段は、上記請求項1の
発明の手段の耐熱合金の化学組成に、更にNb、Mo、
VまたはWから選択した1種または2種以上を0.05〜2.
5 %含有し、耐ヒートサイクル性および高温強度に優れ
たことを特徴とする耐熱合金である。
【0019】請求項5の発明の手段は、上記請求項2の
発明の手段の耐熱合金の化学組成に、更にLa、Ceま
たはYの希土類元素から選択した1種または2種以上を
0.01〜0.10%、またはZr:0.01〜0.30%含有し、耐ヒ
ートサイクル性および高温強度に優れたことを特徴とす
る耐熱合金である。
【0020】請求項6の発明の手段は、上記請求項2の
発明の手段の耐熱合金の化学組成に、更にNb、Mo、
VまたはWから選択した1種または2種以上を0.05〜2.
5 %含有し、耐ヒートサイクル性および高温強度に優れ
たことを特徴とする耐熱合金である。
【0021】請求項7の発明の手段は、上記請求項3の
発明の手段の耐熱合金の化学組成に、更にNb、Mo、
VまたはWから選択した1種または2種以上を0.05〜2.
5 %含有し、耐ヒートサイクル性および高温強度に優れ
たことを特徴とする耐熱合金である。
【0022】請求項8の発明の手段は、上記請求項5の
発明の手段の耐熱合金の化学組成に、更にNb、Mo、
VまたはWから選択した1種または2種以上を0.05〜2.
5 %含有し、耐ヒートサイクル性および高温強度に優れ
たことを特徴とする耐熱合金である。
【0023】請求項9の発明の手段は、重量%で、C:
0.02〜0.15%、Si:0.70〜3.00%、Mn:0.50%以
下、Ni:30.0〜40.0%、Cr:18.0〜25.0%、Al:
0.50〜2.00%、Ti:0.10〜1.00%を含有し、残部Fe
および不可避不純物である耐ヒートサイクル性および高
温強度に優れた耐熱合金を利用したことを特徴とするガ
スエアコン用ヒーターチューブである。
【0024】請求項10の発明の手段は、上記請求項9
の発明の手段の耐熱合金の化学組成に、更にBまたはC
aのいずれか1種または2種を0.001 〜0.03%含有し、
耐ヒートサイクル性および高温強度に優れた耐熱合金を
利用したことを特徴とするガスエアコン用ヒーターチュ
ーブである。
【0025】請求項11の発明の手段は、上記請求項9
の発明の手段の耐熱合金の化学組成に、更にLa、Ce
またはYの希土類元素から選択した1種または2種以上
を0.01〜0.10%、またはZr:0.01〜0.30%含有し、耐
ヒートサイクル性および高温強度に優れた耐熱合金を利
用したことを特徴とするガスエアコン用ヒーターチュー
ブである。
【0026】請求項12の発明の手段は、上記請求項9
の発明の手段の耐熱合金の化学組成に、更にNb、M
o、VまたはWから選択した1種または2種以上を0.05
〜2.5%含有し、耐ヒートサイクル性および高温強度に
優れた耐熱合金を利用したことを特徴とするガスエアコ
ン用ヒーターチューブである。
【0027】請求項13の発明の手段は、上記請求項1
0の発明の手段の耐熱合金の化学組成に、更にLa、C
eまたはYの希土類元素から選択した1種または2種以
上を0.01〜0.10%、またはZr:0.01〜0.30%含有し、
耐ヒートサイクル性および高温強度に優れた耐熱合金を
利用したことを特徴とするガスエアコン用ヒーターチュ
ーブである。
【0028】請求項14の発明の手段は、上記請求項1
0の発明の手段の耐熱合金の化学組成に、更にNb、M
o、VまたはWから選択した1種または2種以上を0.05
〜2.5 %含有し、耐ヒートサイクル性および高温強度に
優れた耐熱合金を利用したことを特徴とするガスエアコ
ン用ヒーターチューブである。
【0029】請求項15の発明の手段は、上記請求項1
1の発明の手段の耐熱合金の化学組成に、更にNb、M
o、VまたはWから選択した1種または2種以上を0.05
〜2.5 %含有し、耐ヒートサイクル性および高温強度に
優れた耐熱合金を利用したことを特徴とするガスエアコ
ン用ヒーターチューブである。
【0030】請求項16の発明の手段は、上記請求項1
3の発明の手段の耐熱合金の化学組成に、更にNb、M
o、VまたはWから選択した1種または2種以上を0.05
〜2.5 %含有し、耐ヒートサイクル性および高温強度に
優れた耐熱合金を利用したことを特徴とするガスエアコ
ン用ヒーターチューブである。
【0031】耐熱合金の成分組成を上記の各手段のもの
とすることによって、通常の高温用材料としての必要諸
特性を有することはもちろん、Niの多量添加を要する
ことなく、加熱冷却を繰り返し受ける過酷な高温酸化環
境下において、格段に改善された耐酸化性を有し、優れ
た高温強度も兼ね備え、安価に材料を提供することが出
来ることを特徴とするものである。
【0032】
【作用】次にこの発明において、その成分組成の割合を
上記の如くに限定した理由を記述する。
【0033】Cは、耐熱合金として必要な高温強度を付
与するために有効な元素であり、最低0.02%必要であ
る。また、0.15%以上添加すると熱間加工性を劣化さ
せ、固溶化処理状態で未固溶の炭化物が残存し、対酸化
性を著しく劣化させるため上限を0.15%に限定した。な
お、好ましくは、0.05〜0.10%とするのが望ましい。
【0034】Siは、内部酸化物を形成し、酸化スケー
ルの密着性を向上させる。また、スケール/メタル界面
に層状に濃化し、Crの外方拡散を抑制し、耐酸化性を
向上させる。添加量が少ないと層状とはならず効果は少
ない。この効果を付与するためには最低0.70%必要であ
り、3.00%を超えて添加した場合、効果は過飽和とな
り、また、オーステナイト組織の安定が困難となり、金
属間化合物の析出を促進し、高温強度および溶接性を劣
化させるため、3.00%以下とした。そこで、Siは0.70
〜3.00%に限定した。
【0035】Mnは、従来、脱酸材として添加されてい
たが、オーステナイト組織での700〜900℃の酸化
環境化では、初期酸化を促進し、耐酸化性に対して悪影
響を与えるため、極力低減する必要がある。0.50%以下
とした場合、酸化層でのMnの酸化物の生成が抑制さ
れ、また、酸化層最外層へのMnの濃化が減少し、この
ような加熱冷却を繰り返し受ける過酷な酸化環境下にお
いて優れた効果を発揮する。このためMn含有量は0.50
%以下に限定する。なお、好ましくは0.30%以下にする
ことは、極めて優れた効果を発揮するため、望ましい。
このようにMnを低減し、Siを一定量添加することに
よって、700〜900℃での過酷な酸化環境下で耐酸
化性に効果があることを見いだしたことが画期的なこと
である。
【0036】Niは、耐酸化性、特に加熱冷却を繰り返
し受ける過酷な酸化環境下における耐酸化性を改善する
ためには極めて重要な元素であり、また、安定なオース
テナイト組織を得るためには必要不可欠な元素である。
しかし、その含有量が30.0%未満では、前記耐酸化性に
対して不十分であり、また、オーステナイト単相を安定
して維持する作用に所望の効果が得られず、一方、Ni
含有量が高いほど前記耐酸化性に対して効果が高いが、
材料コストが高騰するため、Ni含有量の上限を40.0%
に限定した。そこで、Niは30.0〜40.0%に限定した。
【0037】Crは、700〜900℃での耐酸化性を
維持するのに最も効果のある元素であり、加熱冷却の過
酷な酸化環境下においても非常に効果がある。その含有
量が18.0%未満では前記作用に所望の効果が得られず、
一方、25.0%以上では700〜900℃耐酸化性に対し
ては効果は飽和する。また、多量に含有させると、長時
間加熱によりオーステナイト単相を維持するのが困難と
なり、高温強度等を劣化させるため上限を25.0%に限定
した。また、好ましくは上記観点より20.0〜22.0%に限
定するのが望ましい。
【0038】Alは、耐酸化性を維持するために効果の
ある元素であり、特に高温域において効果を発揮する。
しかし、0.50%未満の場合、所望の効果は得られず、一
方、2.00%を超えて添加した場合、長時間加熱によりオ
ーステナイト単相を維持するのが困難となり、高温強度
を劣化させ、また、耐酸化性に対する効果も飽和するた
め上限を2.00%に限定した。更に、好ましくは0.50〜1.
30%に限定するのが望ましい。
【0039】Tiは、高温強度を維持するのに必要な元
素であり、0.10%未満では所望の効果は得られず、一
方、1.00%を超えて添加した場合、耐酸化性に対して悪
影響を与え、劣化させるため上限を1.00%に限定した。
更に、好ましくは耐酸化性と高温強度の観点から0.20〜
0.60%にするのが望ましい。
【0040】BおよびCaは、熱間加工性を改善するの
に効果があり、また、Bについては高温強度を向上させ
るのに効果があるが、その含有量が0.001 %未満では所
望の効果は得られず0.030 %を超えて添加した場合、熱
間加工性を著しく劣化させるため、Bは0.001 〜0.030
%に限定した。
【0041】Nb、Mo、V、およびWは、高温強度を
向上する作用があり、高温強度を一層向上する必要があ
る場合に含有させる元素であるが、その含有量が0.05%
未満では高温強度に所望の効果が得ることが出来ない。
また、2.50%を超えて添加すると長時間加熱によりオー
ステナイト単相を維持するのが困難となり、熱間加工性
に悪影響を与えるため上限を2.50%に限定した。更に、
好ましくは上限を2.0%にするのが望ましい。
【0042】La、CeあるいはY等の希土類元素は、
いずれか1種または2種以上を添加することによって酸
化皮膜の密着性を向上する効果があり、0.01%未満で
は、所望の効果は得られない。一方、0.100 %を超えて
添加した場合、熱間加工性を著しく劣化させるため上限
を0.100 %に限定した。そこで、La、CeあるいはY
等の希土類元素のいずれか1種または2種以上は0.01%
〜0.100 %に限定した。
【0043】Zrは、希土類元素同様、前述のような酸
化環境下において耐酸化性を向上する作用があり、0.01
%未満では所望の効果は得られない。一方、0.30%を超
えて添加しても、効果は飽和し、また、熱間加工性を劣
化させるため上限を0.30%に限定した。そこで、Zrは
0.01〜0.30%に限定した。
【0044】
【実施例】次に本発明の特徴を更に明確にすべく、以下
にその実施例を説明する。表1ないし表3に示される成
分組成の材料を真空溶解炉に200kg鋼塊を製造し、熱
間鍛造にてビレットを製造し、管材加工後熱間押出にて
チューブを製造した。更に、コールドピルガー加工にて
φ25.4mm×wt2mmの小径チューブとした。そのチュ
ーブを長さ20mmに切断し、1160℃で10分間加熱
し固溶化処理を施し、表面の酸化スケールを除去するた
めに酸洗処理を行ったものを酸か試験に供した。また、
ビレットの一部を更に鍛伸し、1160℃で10分間加
熱し、固溶化処理を行ったものを平行部がφ6mmのクリ
ープ破断試験片に仕上げ、クリープ破断試験を行った。
また、各試験の条件を以下に示す。
【0045】〈高温酸化試験〉上記の酸化試験片をアセ
トンで脱脂処理し、大気中で850℃に35分間加熱保
持した後、30℃に調節した大気環境下で10分間放冷す
る操作を300サイクル繰り返し行い、重量変化を測定
し酸化量(mg/cm2)を測定した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】〈クリープ破断試験〉上記クリープ破断試
験片を850℃で応力4.0 kgf/mm2の負荷をかけ、ク
リープ破断寿命を測定した。
【0050】以上の結果を表1ないし表3に併せて示し
た。表1ないし表3に示される繰り返し酸化試験の結果
から本発明合金は、比較合金のB12やB13と同等の
耐酸化性を示し、明らかに耐酸化性が向上していること
が分かる。なお、B12およびB13はNi基であり、
多量のNiを含有することにより高価なものとなること
は言うまでもない。
【0051】また、表1ないし表3に示されるクリープ
破断試験の結果より、本発明合金は比較合金のB10お
よびB12に比べて、非常に優れたクリープ強度を有し
ており、高温強度も良好であることが分かる。
【0052】上記の実施例は継目無し鋼管によるもので
あるが、更に、本発明は平板から溶接、引抜きして製造
した鋼管にも適用でき、本発明の効果が得られることは
いうまでもない。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の耐熱合金
はNiの含有量が比較的少なく廉価なFe−Ni−Cr
合金でありながら、エアコン用材料などの過酷なヒート
サイクルを受ける環境下において、優れた耐酸化性と優
れたクリープ強度を有し、また、良好な高温強度を有す
る耐熱合金である。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.02〜0.15%、Si:0.
    70〜3.00%、Mn:0.50%以下、Ni:30.0〜40.0%、
    Cr:18.0〜25.0%、Al:0.50〜2.00%、Ti:0.10
    〜1.00%を含有し、残部Feおよび不可避不純物である
    耐ヒートサイクル性および高温強度に優れたことを特徴
    とする耐熱合金。
  2. 【請求項2】 請求項1の耐熱合金の成分組成に、更に
    BまたはCaのいずれか1種または2種を0.001 〜0.03
    %含有し、耐ヒートサイクル性および高温強度に優れた
    ことを特徴とする耐熱合金。
  3. 【請求項3】 請求項1の耐熱合金の成分組成に、更に
    La、CeまたはYの希土類元素から選択した1種また
    は2種以上を0.01〜0.10%、またはZr:0.01〜0.30%
    含有し、耐ヒートサイクル性および高温強度に優れたこ
    とを特徴とする耐熱合金。
  4. 【請求項4】 請求項1の耐熱合金の成分組成に、更に
    Nb、Mo、VまたはWから選択した1種または2種以
    上を0.05〜2.5 %含有し、耐ヒートサイクル性および高
    温強度に優れたことを特徴とする耐熱合金。
  5. 【請求項5】 請求項2の耐熱合金の化学組成に、更に
    La、CeまたはYの希土類元素から選択した1種また
    は2種以上を0.01〜0.10%、またはZr:0.01〜0.30%
    含有し、耐ヒートサイクル性および高温強度に優れたこ
    とを特徴とする耐熱合金。
  6. 【請求項6】 請求項2の耐熱合金の化学組成に、更に
    Nb、Mo、VまたはWから選択した1種または2種以
    上を0.05〜2.5 %含有し、耐ヒートサイクル性および高
    温強度に優れたことを特徴とする耐熱合金。
  7. 【請求項7】 請求項3の耐熱合金の化学組成に、更に
    Nb、Mo、VまたはWから選択した1種または2種以
    上を0.05〜2.5 %含有し、耐ヒートサイクル性および高
    温強度に優れたことを特徴とする耐熱合金。
  8. 【請求項8】 請求項5の耐熱合金の化学組成に、更に
    Nb、Mo、VまたはWから選択した1種または2種以
    上を0.05〜2.5 %含有し、耐ヒートサイクル性および高
    温強度に優れたことを特徴とする耐熱合金。
  9. 【請求項9】 重量%で、C:0.02〜0.15%、Si:0.
    70〜3.00%、Mn:0.50%以下、Ni:30.0〜40.0%、
    Cr:18.0〜25.0%、Al:0.50〜2.00%、Ti:0.10
    〜1.00%を含有し、残部Feおよび不可避不純物である
    耐ヒートサイクル性および高温強度に優れた耐熱合金を
    利用したことを特徴とするガスエアコン用ヒーターチュ
    ーブ。
  10. 【請求項10】 請求項9の耐熱合金の成分組成に、更
    にBまたはCaのいずれか1種または2種を0.001 〜0.
    03%含有し、耐ヒートサイクル性および高温強度に優れ
    た耐熱合金を利用したことを特徴とするガスエアコン用
    ヒーターチューブ。
  11. 【請求項11】 請求項9の耐熱合金の成分組成に、更
    にLa、CeまたはYの希土類元素から選択した1種ま
    たは2種以上を0.01〜0.10%、またはZr:0.01〜0.30
    %含有し、耐ヒートサイクル性および高温強度に優れた
    耐熱合金を利用したことを特徴とするガスエアコン用ヒ
    ーターチューブ。
  12. 【請求項12】 請求項9の耐熱合金の成分組成に、更
    にNb、Mo、VまたはWから選択した1種または2種
    以上を0.05〜2.5 %含有し、耐ヒートサイクル性および
    高温強度に優れた耐熱合金を利用したことを特徴とする
    ガスエアコン用ヒーターチューブ。
  13. 【請求項13】 請求項10の耐熱合金の成分組成に、
    更にLa、CeまたはYの希土類元素から選択した1種
    または2種以上を0.01〜0.10%、またはZr:0.01〜0.
    30%含有し、耐ヒートサイクル性および高温強度に優れ
    た耐熱合金を利用したことを特徴とするガスエアコン用
    ヒーターチューブ。
  14. 【請求項14】 請求項10の耐熱合金の成分組成に、
    更にNb、Mo、VまたはWから選択した1種または2
    種以上を0.05〜2.5 %含有し、耐ヒートサイクル性およ
    び高温強度に優れた耐熱合金を利用したことを特徴とす
    るガスエアコン用ヒーターチューブ。
  15. 【請求項15】 請求項11の耐熱合金の成分組成に、
    更にNb、Mo、VまたはWから選択した1種または2
    種以上を0.05〜2.5 %含有し、耐ヒートサイクル性およ
    び高温強度に優れた耐熱合金を利用したことを特徴とす
    るガスエアコン用ヒーターチューブ。
  16. 【請求項16】 請求項13の耐熱合金の成分組成に、
    更にNb、Mo、VまたはWから選択した1種または2
    種以上を0.05〜2.5 %含有し、耐ヒートサイクル性およ
    び高温強度に優れた耐熱合金を利用したことを特徴とす
    るガスエアコン用ヒーターチューブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012175271A3 (de) * 2011-06-21 2013-09-26 Robert Bosch Gmbh Verwendung einer heissgaskorrosionsbeständigen duktilen legierung
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