JP2005200746A - 自動車排気系部材用フェライト系ステンレス鋼 - Google Patents

自動車排気系部材用フェライト系ステンレス鋼 Download PDF

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Abstract

【課題】 優れた高温強度、熱疲労特性、耐酸化性を有し、かつ加工性に優れた自動車排気系部材用フェライト系ステンレス鋼を提供する。
【解決手段】 質量%にて、C:0.001〜0.02%、N:0.001〜0.02%、C+N:0.002〜0.03%、Si:0.03〜0.5%、Mn:0.05〜0.5%、Cu:0.1〜0.8%、Cr:11〜15%未満、Nb:0.2〜0.5%、Ti:0.02〜0.3%、Al:0〜0.2%、Ni:0〜1%、B:0〜0.005%で、Mo、Wの1種以上を下記の(1)式を満足する範囲で含み、残部がFe及び不可避不純物からなることを特徴とする自動車排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。さらに、Ca:0.0002〜0.005%、REM:0.0001〜0.01%およびY:0.0001〜0.01%のうちの1種以上を含有するのが望ましい。
2.0≦1.4Mo+W≦4.5 ・・・(1)
【選択図】 なし

Description

本発明は、自動車排気系部材用フェライト系ステンレス鋼に係り、特に、800℃以下の温度で使用されるエキゾーストマニホールド、フロントパイプ、センターパイプ等の自動車排気系部材に好適なフェライト系ステンレス鋼に関する。
近年、排ガス規制の強化、軽量化の観点から、自動車排気系部材にSUH409L、SUS430J1L、SUS436L等のフェライト系ステンレス鋼の薄板あるいは鋼管が使用されるようになり、その量は年々増加している。これらのフェライト系ステンレス鋼は下記の(1)〜(3)の特徴を有する。
(1) 熱膨張係数が小さく、熱疲労特性に優れること。
(2) 繰り返し酸化をうける環境での耐スケール剥離性が良好であること
(3) オーステナイト系ステンレスに比べ安価であること
自動車排気系部材のうち、エキゾーストマニホールド用鋼材としては、従来、球状黒鉛鋳鉄に代表される鋳物製が主流であったが、フェライト系ステンレス製の薄板あるいは鋼管への切り替えが進んでいる。エキゾーストマニホールドには、優れた高温強度、熱疲労特性、耐酸化性、加工性等が要求される。最近、特に軽量化や快適性の観点からエンジンルームがますます狭くなる傾向にあり、複雑な形状に加工されるエキゾーストマニホールドには、さらなる加工性の向上が求められている。また、加工性を向上させることは、部品メーカでの工数削減、部品コストの低減につながる。
排ガス規制の強化に伴い、触媒を早期に活性化させることが必要となるため、排ガス温度は上昇する傾向にあり、現在、エキゾーストマニホールドの材料温度として800℃程度まで達している。
特許文献1〜3等に、Crが13〜15%で、Nbを含む、SUS429系に分類されるフェライト系ステンレス鋼が提案されている。これらの材料をエキゾーストマニホールドとして使用している例が増えつつあるが、より高温強度、熱疲労特性に優れる鋼材が望まれている。
特許文献4〜7に、17%以上のCrおよび多量のNb、Moが含む、SUS444系に分類されるフェライト系が提案されている。これらの鋼材は、前記SUS429系の鋼材よりも優れた高温強度、熱疲労特性を有するが、加工性に劣るため、加工コストが高くなる。
特許第2562740号公報 特許第3004784号公報 特許第2803538号公報 特許第2696584号公報 特許第2801779号公報 特許第2880839号公報 特許第2923825号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、SUS429系と同等の加工性を有し、材料温度800℃においてSUS444系と同等の高温強度および熱疲労特性を有する自動車排気系部材に好適なフェライト系ステンレス鋼を提供することを目的とする。
本発明は、下記の自動車排気系部材用フェライト系ステンレス鋼を要旨とする。
質量%にて、C:0.001〜0.02%、N:0.001〜0.02%、C+N:0.002〜0.03%、Si:0.03〜0.5%、Mn:0.05〜0.5%、Cu:0.1〜0.8%、Cr:11〜15%未満、Nb:0.2〜0.5%、Ti:0.02〜0.3%を含み、さらに選択的にAl:0.003〜0.2%、Ni:0.3〜1%、B:0.0002〜0.005%の1種以上を含み、Mo、Wの1種以上を下記の(1)式を満足する範囲で含み、残部がFe及び不可避不純物からなることを特徴とする自動車排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
2.0≦1.4Mo+W≦4.5 ・・・(1)
本発明の自動車排気系部材用フェライト系ステンレス鋼は、Feの一部に代えて、Ca:0.0002〜0.005%、REM:0.0001〜0.01%およびY:0.0001〜0.01%のうちの1種以上を含有するのが望ましい。
本発明によれば、使用温度800℃でも優れた高温強度、熱疲労特性、耐酸化性を有し、かつ加工性に優れた自動車排気系部材用フェライト系ステンレス鋼が得られる。特に、本発明の鋼は、高温で用いられかつ高い加工性が要求されるエキゾーストマニホールド用材料として好適である。また、本発明の鋼は、優れた加工性を有することから、排気系部材製造時の歩留向上や作業効率向上にも有益であり、部品コスト低減が期待できる。さらに、溶接鋼管用の鋼板としても好適である。
Mo及びNbは高温強度の向上に有効な元素であるが、加工性を劣化させやすい元素である。したがって、必要となる高温強度を保有しつつ、加工性を向上させるには、これら元素を最適化する必要があると共に、他の元素と組み合わせて使用することが重要となる。
そこで、本発明者らは、高温強度、加工性に対する各種元素の効果を検討した結果、下記の知見を得た。
なお、以下の説明において「質量%」を単に「%」と表記する。
図1は、Cu含有量と鋼の機械的性能との関係を示す図であり、(a)はCu含有量と常温伸びおよびランクフォード値(以下、「r値」という)との関係を示し、(b)はCu含有量と800℃での0.2%PS(0.2%耐力)およびTS(引張強さ)との関係を示す。なお、供試材は14Cr−2Mo−0.35Nb−0.15TiをベースとしてCu含有量を変化させた鋼である。図1に示すように、高温強度を保持または向上させつつ、加工性の重要な指標である常温伸びおよびr値を向上させるのに有効なCu含有量の範囲が存在する。
図2は、Ti含有量と鋼の機械的性能との関係を示す図であり、(a)はTi含有量と常温伸びおよびr値との関係を示し、(b)はTi含有量と800での0.2%PSおよびTSとの関係を示す。なお、供試材は14Cr−2Mo−0.35NbをベースとしてTi含有量を変化させた鋼である。Tiの添加は、高温での強化に有用な固溶Nbの確保に有効であり、図2に示すように高温強度を向上させると共に、常温での伸び、r値を改善させる効果を有する。
図3は、Si含有量と鋼の機械的性能との関係を示す図であり、(a)はSi含有量と常温伸びおよびr値との関係を示し、(b)はSi含有量と800での0.2%PSおよびTSとの関係を示す。なお、供試材は、14Cr−2Mo−0.35Nb−0.15TiをベースとしてSi含有量を変化させた鋼である。Siは高温での強化に有用な固溶Nb、固溶Moを減少させ、図3に示すように、Si量を低めることは、高温強度を向上させると共に、常温での伸び、r値を改善させる効果を有する。
Mo、Wは高温強度の向上に寄与し、MoはWの1.4倍の効果を有する。また、MoはNbに比べ常温伸びを劣化させる傾向よりも高温強度を向上させる傾向が大きい。さらに、MoおよびWは高温環境下での高温強度の低下を抑制するのに有効である。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。以下に本発明で規定される化学組成についてさらに詳しく説明する。
C、N:C、N共に鋼を硬質にして、加工性を低下させるので、これらの含有量ができるだけ少ない方がよい。しかしながら、C、N共に0.001%未満とすると精練上のコストアップが顕著となる。したがって、Cの含有量を0.001〜0.02%とし、Nの含有量を0.001〜0.02%とした。
また、これらの元素の含有量がそれぞれ規定される範囲内であっても、その合計含有量が多い場合には、加工性を低下させる場合がある。したがって、CおよびNの合計含有量を0.002〜0.03%とした。
Si:Siは、酸化増量を抑え耐酸化性を向上させる効果を有する元素であると共に、脱酸元素として有効な元素である。しかし、Siは鋼を硬質にするので、常温伸びおよびr値を低下させる。また、Moの固溶度を下げラーベス相の析出を促進し、高温での強化に有用な固溶Nb、固溶Moを減少させる。したがって、Siの含有量を0.03〜0.5%とした。好ましくは0.05〜0.3%である。
Mn:MnはSiと共に脱酸元素として有効な元素である。しかし、Mnは、Sと結合してMnSを生成するので、過剰に添加すると耐酸化性を劣化させる。したがって、Mnの含有量を0.05〜0.5%とした。
Cu:Cuは、フェライト系ステンレス鋼の高温強度を損なうことなく、加工性を向上させる上で重要な元素である。図1に示すように、適量の添加は常温伸びおよびr値を向上させて加工性の向上に寄与するとともに、高温強度を維持または向上させる。その効果を発現させるCuを0.1%以上含有させることが必要である。しかし、過剰の添加はかえって常温伸びおよびr値を低下させると共に、スケール剥離を助長する。したがって、Cuの含有量を0.1〜0.8%とした。好ましくは0.2〜0.6%である。
Cr:Crは、耐食性および耐酸化性を維持させるために有効な元素である。800℃での耐酸化性を維持させるには、その含有量を11%以上とする必要がある。しかし、過剰の添加は加工性を低下させると共にコストの上昇をまねく。したがって、Crの含有量を11〜15%未満とした。より好ましくは12〜15%未満である。
Nb:Nbは高温強度を向上させる上で重要な元素であり、この効果は、特に固溶状態で発揮される。また、Nbは、C,Nを固定し、加工性および耐食性を改善する効果も有する元素である。これら効果を得るにはNbを0.2%以上含有させることが必要である。しかし、過剰の添加は、高温強度向上効果が飽和すると共に、常温での伸びおよびr値を低下させる。したがって、Nb含有量を0.2〜0.5%とした。
Mo、W:MoおよびWは、いずれも高温強度を向上させ、かつ高い温度域で加熱保持した後の高温強度の低下を抑制する元素であり、本発明において重要な元素である。その効果を得るには、Mo:0.1〜4.5%、W:0.1〜3.2%を含有させる必要がある。また、MoおよびWは、いずれも固溶状態で強化に寄与し、概ねその含有量に比例して強度が向上する。しかし、MoとWとは、それぞれの含有量あたりの強度の増加量が異なり、Moと同等の高温強度増加量を得るのに必要なWの含有量は、Moの1.4倍である。本発明で必要な強度を得るには1.4Mo+Wで2.0%以上必要である。含有量を増加させればさせるほど高温強度が増加するが、過剰の添加は加工性に悪影響をあたえる。したがってMoおよびWの1種以上を「1.4Mo+W」が2.0〜4.5%の範囲に含有させることとした。好ましい「1.4Mo+W」の範囲は、2.5〜4%である。
Ti:Tiは、本発明において重要な元素であり、加工性および高温強度の向上のために含有させる。TiはNbと同様、CおよびNと結合する作用を有するが、Nbに比べNと結びつきやすい。NbとTiを同時に含有させると、Tiは主としてNと結合して窒化物を形成し、残りのTiはNbと共にCと結合し、Ti,Nbの複合炭化物を形成する。この複合炭化物は、Nbの炭化物よりも高温で析出し、先に析出しているTiNを核として析出しやすい。
このため、その周辺には、固溶CおよびNの存在しない領域が存在し、加工性向上に寄与する。TiがNあるいはCと結合することにより固溶Nbも確保されるため、高温強度向上にも有効である。これらの効果を得るには、Tiは少なくとも0.02%以上含有させることが必要であるが、その含有量が過剰の場合、加工性および高温強度の向上効果が飽和すると共に、耐酸化性および靱性に悪影響を及ぼす。したがって、Tiの含有量を0.02〜0.3%とした。好ましい含有量は0.04〜0.25%である。
Al:Alは添加しなくてもよい元素であるが、脱酸元素であると共に、Nと結合し加工性および靱性を改善する効果を有する元素である。これらの効果を得るには0.003%以上の含有が必要であるが、過剰の添加は、造管溶接性、靱性の低下を招く。したがって、Alの含有量を0.003〜0.2%とした。
Ni:Niは添加しなくてもよい元素であるが、添加すると靱性を向上させるため、必要に応じて含有させてもよい。この効果が顕著となるのは0.3%以上の場合である。しかし、Ni含有量が過剰な場合には、コストが上昇する。したがって、Niの含有量を0.3〜1%とした。
B:Bは添加しなくてもよいが、添加すると2次加工性(鋼板から鋼管への成形等の一次的な加工のあと、この鋼管から部品を得るために曲げ加工等の二次的な加工における性能)を改善するため、必要に応じて含有させてもよい。この効果を得るには、Bを0.0002%以上含有させるのが望ましい。しかし、Bの含有量が0.005%を超えると靭性を低下させる。したがって、Bを0.0002〜0.005%とした。
本発明の自動車排気系部材用フェライト系ステンレス鋼は、上記の化学組成を有し、残部はFeおよび不純物からなるが、Feの一部に代えて、Ca:0.0002〜0.005%、REM:0.0001〜0.01%およびY:0.0001〜0.01%のうちの1種以上を含有するのが望ましい。
Ca、REMおよびYは耐酸化性を向上させる元素であり、必要に応じて含有させてもよい。この効果を得るには、Caでは0.0002%以上、REM、Yはそれぞれ0.0001%以上含有させることが望ましい。しかし、過剰に添加しても耐酸化性の改善効果が飽和すると共に、熱間加工性が劣化し、コストが上昇する。したがって、Ca、REMおよびYのうち一種以上を含有させる場合のそれぞれの元素の含有量は、Ca:0.0002〜0.005%、REM:0.0001〜0.01%およびY:0.0001〜0.01%とするのが望ましい。
P、S:P、Sは製造上、不可避に混入する不純物の一つであるが、Pは溶接性に悪影響を、SはMnSを形成し耐酸化性に悪影響をあたえるため、その含有量はできるだけ少ないことが望ましい。おのおのの含有量としては、P:0.03%以下、S:0.002%以下とするのが望ましい。
表1に示す化学組成を有する鋼を溶製し、加熱温度1200℃で熱間圧延を施して厚さ4.5mmの熱延鋼板を製造した。この熱延鋼板を焼鈍し、厚さ1.5mmまで冷間圧延し、1000℃での仕上焼鈍を施して供試材を作製した。この供試材の常温延性、高温強度および耐酸化性を下記の試験方法により評価した。
Figure 2005200746
(常温延性)
常温延性は、上記の試験材から厚さ1.5mmのJIS13B号引張試験片を採取して常温引張試験を行い、常温伸びおよび平均r値を求めて評価した。常温伸びは圧延方向の常温伸びで評価し、平均r値は、下記の(2)式から計算した。
平均r値(r)=(r0+r90+2r45)/4 … (2)
ただし、(2)式中のr0は圧延方向のr値 r90は圧延直角方向のr値 r45は圧延45度方向のr値をそれぞれ意味する。
(高温強度)
高温強度は、上記の供試材から厚さ1.5mmの板状の引張試験片を圧延方向と平行に採取した後、JISG0567に準拠して、800℃での引張試験を行い、0.2%耐力を求め、評価した。
(耐酸化性)
耐酸化性は、上記の供試材から厚さ1.5mm、幅20mm、長さ25mmの試験片を採取した後、各試験片の表面をエメリー紙にて#600まで研磨し、大気中にて800℃×200hの連続酸化試験を行い、異常酸化の有無を観察すると共に酸化増量を測定し、評価した。
これらの試験結果を表2に示す。
Figure 2005200746
表2に示すように、本発明鋼であるNo.1〜7は、いずれも圧延方向の常温伸びが35%以上、平均r値が1.3以上、800℃の0.2%耐力が38MPa以上であり、SUS429系と同等の常温延性を示すとともに、SUS444系と同等の高温強度を示した。また、これらの試験片は、800℃×200hの連続酸化試験においても異常酸化を発生せず耐酸化性も良好であった。
比較鋼であるNo.8は、「1.4Mo+W」で2%未満であるため、800℃の0.2%耐力が低くなった。No.9は「1.4Mo+W」が4.5%を超えており、常温伸びが小さかった。No.10はSiが0.3%を超えており、常温伸びおよび平均r値が小さいと共に、800℃の0.2%耐力にも劣っていた。No.11はCuが0.8%を超えているため、常温伸びおよび平均r値が小さい値となった。No.12はSUS429系の鋼であるが、Si、Cu、Cr、Ti、MoおよびWの含有量が本発明で規定される範囲を外れている。この鋼では800℃における0.2%耐力が劣っていた。No.13はSUS444系の鋼であるが、CrおよびTiの含有量が本発明で規定される範囲を外れている。この鋼では常温伸びおよび平均r値が小さい結果となった。
〔実施例2〕
表1のNo.1、12および13に示す化学組成を有する鋼を溶製し、加熱温度1200℃で熱間圧延を施して厚さ6mmの熱延鋼板を製造した。この熱延鋼板に焼鈍、および厚さ2.0mmまでの冷間圧延を施した後、1000℃の仕上焼鈍を実施した。この冷延鋼板をTIG溶接にて外径38.1mmに製管した後、図5に示す試験片に加工した。
図4は、熱疲労試験片の形状を示す図である。図4において、1が試験材の鋼管であり、この鋼管の2ヶ所にφ8mmの穴をあけ、冷却用エアーの供給口2および出口3とした。また、鋼管内面からの保持具4と試験材1は、固定用ピン(φ12mmの孔に挿入される)および端部の溶接部5によって固定される。なお、図中に示す数値の単位はmmである。
熱疲労試験は、コンピュータ制御の電気的油圧サーボ式高温熱疲労試験機により、図5に示す温度サイクル、機械的歪み波形履歴をとる条件で、最高温度800℃、最低温度200℃および拘束率30%での試験を行った。
その結果、No.11(SUS429)の鋼、No.12(SUS444)の鋼の熱疲労寿命は、それぞれ2148サイクル、3436サイクルであったのに対し、本発明鋼であるNo.1の鋼の熱疲労寿命は4154サイクルであった。前記の通り、本発明鋼は、SUS429系に比べ高強度であり、SUS444より常温延性に優れるため、長寿命となったと考えられる。
Cu含有量と鋼の機械的性能との関係を示した図である。 Ti含有量と鋼の機械的性能との関係を示した図である。 Si含有量と鋼の機械的性能との関係を示した図である。 熱疲労試験片の形状を示した図である。 温度サイクル、機械的ひずみ波形履歴を示した図である。
符号の説明
1.試験材 2.エアー供給口 3.エアー出口 4.保持具 5.溶接部

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C:0.001〜0.02%、N:0.001〜0.02%、C+N:0.002〜0.03%、Si:0.03〜0.5%、Mn:0.05〜0.5%、Cu:0.1〜0.8%、Cr:11〜15%未満、Nb:0.2〜0.5%、Ti:0.02〜0.3%を含み、かつMo:0.1〜3.2 %、W:0.1〜4.5%の1種以上を下記の(1)式を満足するように含み、残部がFe及び不可避不純物からなることを特徴とする自動車排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
    2.0≦1.4Mo+W≦4.5 ・・・(1)
  2. Al:0.003〜0.2%を含むことを特徴とする請求項1記載の自動車排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
  3. Ni:0.3〜1%を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の自動車排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
  4. B:0.0002〜0.005%を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動車排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
  5. Ca、REM、Yのいずれか1種以上を、Ca:0.0002〜0.005%、REM:0.0001〜0.01%、Y:0.0001〜0.01%にて含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動車排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
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