JP3397167B2 - 自動車排気系部品用フェライト系ステンレス鋼 - Google Patents

自動車排気系部品用フェライト系ステンレス鋼

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性に優れた自
動車排気系部品用フェライト系ステンレス鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエキゾーストマニホールドやフ
ロントパイプ等の排気系部品は、エンジンから排出され
る高温の燃焼ガスと接触する部位にあり、これを構成す
る材料には耐熱性、すなわち耐酸化性、高温強度および
耐熱疲労性等の特性が要求される。
【0003】自動車排気マニホールド用材料として、従
来は鋳鉄が一般に用いられていた。しかし、近年の排ガ
ス規制の強化、さらにはエンジン性能の向上および車体
計量化による燃費向上等の要請に応えるため、ステンレ
ス鋼の溶接管が排気マニホールド用材料として使用され
るようになってきた。排ガス温度も900℃を超えるよ
うになり、900℃以上で優れた耐酸化性、高温強度お
よび耐熱疲労性を有する材料が必要となってきた。
【0004】オーステナイト系ステンレス鋼は、優れた
耐熱性および加工性を有しており、その代表的な鋼種
は、SUS304(18Cr-8Ni)、SUS310S(25Cr-20
Ni)などである。しかし、オーステナイト系ステンレス
鋼は熱膨張係数が大きく、排気マニホールドのような加
熱と冷却の繰り返しを受ける用途においては、熱歪みに
起因する熱疲労によって破壊が生じやすい。
【0005】一方、フェライト系ステンレス鋼は一般に
オーステナイト系ステンレス鋼より熱膨張係数が小さい
ため、耐熱疲労特性に優れている。従って、耐熱疲労性
および材料コストの面からは、フェライト系ステンレス
鋼が排気マニホールド用材料として適しているといえ
る。
【0006】従来、排気マニホールド材料として、フェ
ライト系ステンレス鋼であるSUH409L、SUS4
10Lが用いられてきたが、排ガス温度の上昇と共に、
高温強度および耐酸化性が不足してくるという問題があ
った。この問題に対応するため、これまでに種々検討さ
れてきた。
【0007】特開昭64−8254号公報には、Nbお
よびMoを含有させることにより高温での強度を改善し
た排ガス温度900℃以上に対応できる17%以上のC
rを含有するフェライト系ステンレス鋼が開示されてい
る。
【0008】特開平4−280947号公報には、Nb
含有量の範囲をさらに広げて高温での強度を改善した排
気温度1000℃に対応できる排気マニホールド用のフ
ェライト系ステンレス鋼が開示されている。
【0009】しかしながら、上記フェライト系ステンレ
ス鋼は900℃以上の高温域での強度改善度は小さく、
また600〜750℃の中温度域では粗大なラーベス
(M2X型)相が析出し固溶強化による強度確保が困難
となるため、高温強度特性および耐熱疲労特性とも十分
とは言えない。さらに、これらのフェライト系ステンレ
ス鋼は常温での加工性にも問題がある。
【0010】特開昭60−145359号公報には、S
iを高めて耐酸化性を改善したフェライト系ステンレス
鋼が開示されている。同公報には、高温強度を高めるに
は、Nb含有量を0.3%以下とし、しかも0.1%以
上の不結合(固溶)Nbが存在すること、ならびにSi
に富むラーベス相の形成が重要であると記載されてい
る。しかしながら、0.3%以下のNb含有量のみでは
本質的に高温高強度化を図ることは困難であり、ラーベ
ス相による析出強化は加熱初期にのみ有効な場合もある
が、耐熱疲労特性の向上は期待できない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、70
0℃以上の高温自動車排気ガス環境で使用される排気系
部品として必要な強度、耐熱疲労特性および耐酸化性を
備えた安価なフェライト系ステンレス鋼を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、以下の
通りである。
【0013】(1)重量%にて、C:0.15%以下、
Si:1%以下、Mn:1%以下、P:0.05%以
下、S:0.008%以下、Cr:8〜15%未満、C
u:1〜3%、N:0.1%以下、Ni:0〜1%、T
i:0〜1%、Nb:0〜1%、Zr:0〜1%、A
l:0〜0.15%およびCa、Mg、Y、希土類元素
のうちの1種または2種以上を合計で0〜0.1%を含
有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる自動車
排気系部品用フェライト系ステンレス鋼。
【0014】(2)重量%にて、C:0.15%以下、
Si:1%以下、Mn:1%以下、P:0.05%以
下、S:0.008%以下、Cr:8〜15%未満、C
u:1〜3%、N:0.1%以下、Mo:0.1〜3
%、Ni:0〜1%、Ti:0〜1%、Nb:0〜1
%、Zr:0〜1%、Al:0〜0.15%およびC
a、Mg、Y、希土類元素のうちの1種または2種以上
を合計で0〜0.1%を含有し、残部がFeおよび不可
避的不純物からなる自動車排気系部品用フェライト系ス
テンレス鋼。
【0015】本発明者らは、700℃以上の高温の自動
車排気ガス環境にも対応できる高温強度、耐熱疲労特性
および耐酸化性を備えた安価なフェライト系ステンレス
鋼を開発するため、種々の実験および検討を重ねた結
果、下記の知見を得て本発明を完成するに至った。
【0016】a)フェライト系ステンレス鋼は、一般に
600〜750℃温度域(以下、中温度域と記す)で高
温強度が急激に低下するが、熱疲労寿命を確保するに
は、最高加熱温度域での強度が重要であり、そのために
は中温度域での強度の低下を防止することが重要であ
る。
【0017】b)中温度域での強度の低下を防止する方
法には、固溶強化および析出強化等の強化法があるが、
フェライト系ステンレス鋼ではMo,Nb等を積極添加
して焼鈍時に完全固溶させて固溶強化を図っても、中温
度域での固溶度は小さく、使用中に強化効果が経時的に
減少する。また、これら固溶元素はラーベス相として析
出するがその強化能は期待できない。
【0018】c)フェライト系ステンレス鋼は、中温度
域では第3元素の固溶度を高めることは容易ではないの
で、析出強化を図るのがよいが、粗大化しない析出物と
する必要がある。
【0019】d)そのような析出物としてCuの析出物
がよく、フェライト系ステンレス鋼にCuを含有させる
と、中温度域でCuの析出物が粒内に微細に析出し、し
かもこの微細析出物は時間経過による凝集粗大化が起こ
りにくいため、中温度域での強度低下抑制に効果があ
る。
【0020】d)さらに、Cuは高温度域では固溶度が
大きくなり、微細Cu析出相は鋼中に再固溶する。その
ため、高温域での固溶強化の効果が大きい。
【0021】e)これらの挙動は、可逆的に起こるた
め、加熱、冷却を繰り返す自動車排気環境における全温
度域で、恒久的に強度を維持することが可能となる。
【0022】f)高温で生成するスケールは、鋼中にオ
ーステナイト形成元素が多いほどスケールの母材保護性
を損なう。CuおよびMnはオーステナイト形成元素で
あり、CuとMnが共存すると著しくスケールの母材保
護性が失われることになるので、Cu含有フェライト系
ステンレス鋼では、高温での耐酸化性の低下を防止する
ためにMn含有量を1%以下に低減することが重要で
あ。
【0023】g)ステンレス鋼を安価にするためCrを
15%未満と低減すると、900℃近傍までの温度の自
動車排気ガス環境での耐酸化性が低下する。しかし、P
とSを低減すると共に、CおよびNを低減することによ
り、耐酸化性の低下を防止することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明のフェライト系ステンレス
鋼の化学組成について説明する。なお、以下の%表示は
重量%を示す。
【0025】C、N:C、Nは、強度を向上させるため
に有効な元素である。しかし、耐酸化性の低下を助長す
ることから、それぞれ0.015%以下に制限する。好
ましくは0.012%以下、さらに好ましくは0.01
%以下である。
【0026】図1は、CおよびN含有量を種々変化させ
た1.5%Cuと12%Crを含有するフェライト系ス
テンレス鋼の耐酸化性を調べた結果を示す図である。
【0027】この試験は、850℃の自動車模擬燃焼排
ガス雰囲気にて200時間連続加熱試験後の酸化増量を
測定し、縦軸N量、横軸C量で整理したものである。図
1から明らかなように、C量、N量がともに0.015
%以下になると酸化増量が15g/m2以下となり、耐
酸化性が良好となる。CおよびN含有量の低減は、高温
での組織安定性と関係があり、オーステナイト生成元素
を含有している場合に顕著に発現する効果である。
【0028】Si:Siは、高温使用時における耐酸化
性向上のために有効な元素である。しかし、含有量が1
%を超えると靭性が著しく低下する。特にCuを含有さ
せている場合はその影響が大きい。そのため、上限を1
%とした。好ましくは0.8%以下である。
【0029】Mn:Mnは、高温強度を高める働きがあ
り、また鋼中Sを固定し熱間加工性を改善する効果があ
る。しかし、Cuを含有させたフェライト系ステンレス
鋼の場合は、Mn含有量が1%を超えると耐酸化性、と
りわけスケール密着性を阻害する。そのため、上限を1
%とした。好ましくは0.7%以下、さらに好ましくは
0.4%以下である。
【0030】P:Pは、熱間加工性、耐酸化性を低下さ
せるため、可能な限り低くすることが好ましい。しか
し、過度の低減は製造コスト増につながるため、上限を
0.05%とした。好ましくは0.04%以下である。
さらに好ましくは0.035%以下である。
【0031】S:Sは、Pと同様熱間加工性を著しく阻
害する。さらに耐酸化性に対しても悪影響を及ぼす。そ
のため、可能な限り低くすることが好ましい。しかし、
過度の低減は製造コスト増につながるため、上限を0.
008%とした。好ましくは0.005%以下である。
さらに好ましくは0.003%以下である。
【0032】Cr:Crは、高温での耐酸化性確保のた
めに8%以上が必要である。Crは含有量が多くなるほ
ど耐酸化性が向上するが、15%以上では、高価なステ
ンレス鋼になるため、15%未満とした。好ましいCr
含有量は8〜14%である。
【0033】Ni:Niは、必要に応じて含有させるオ
ーステナイト形成元素である。また、Cu含有フェライ
ト系ステンレス鋼では、高温での耐酸化性の低下を抑制
する働きがある。含有させる場合、1%を超えると、組
織安定性が問題となることにより耐酸化性がむしろ低下
することになるので上限を1%とした。好ましくは0.
02〜0.8%、さらに好ましくは0.05〜0.8%
である。
【0034】Cu:Cuは、重要な元素のひとつで、中
温度域で鋼中に微細に析出して析出強化作用があり、か
つ、高温度域で固溶強化作用を発揮する。これらの効果
を得るためには1%以上含有させることが必要である。
一方、3%を超えると熱間加工性などの製造性や耐酸化
性が低下するので、含有量の上限を3%とした。好まし
くは1〜2.5%、さらに好ましくは1〜2%である。
中温度域でのCu析出物は主としてε−Cu相であり、
FCC構造を持つものやHCP構造を持つものがある
が、強度向上はこれら構造に因るものではない。
【0035】Ti:Tiは、必要に応じて含有させる元
素であり、Nbと同様にC、Nの固定元素として有効で
あり、一部Nbと置換することができる。しかし、過剰
に含有させると圧延時の表面疵の原因となるため、上限
は1%とした。
【0036】さらに、Tiは鋼中のSを安定化する作用
がある。すなわち、TiはMnに比べてSとの結合力が
強いため、鋼中でTiS、Ti(C、S)を形成する。T
i系の硫化物は、鋼中Ti量にもよるが1100〜12
00℃付近まで安定であり、硫化物安定化元素のひとつ
として有効で、耐酸化性を改善する。
【0037】また、Fe-Ti-P系析出物が析出し、耐
熱疲労特性が改善され、中温度域より900℃以上での
高温強度を高める効果がある。
【0038】Nb:Nbは必要に応じて含有させる元素
で、固溶して高温強度を向上させる働きがある。また、
Nbは炭窒化物としてC、Nを固定する作用があるた
め、耐食性および耐酸化性改善に効果を発揮する。しか
し、過剰に含有させると靭性に悪影響を及ぼすため上限
を1%とした。
【0039】Zr:Zrは、必要に応じて含有させる元
素で、適量含有させるとSを固定し、耐酸化性を向上さ
せる。しかし、1%を超えて含有させるとS固定の意味
からは過剰であり、靭性にも悪影響を及ぼすので、上限
を1%とした Mo:Moは、Nbと同様、置換型固溶元素として高温
強度を向上させるのに有効で、必要に応じて含有させ
る。固溶強化によるMoの効果は0.1%以上で有効と
なる。一方、過剰に含有させると加工性を低下させ、ま
た製造コスト高となるため、上限を3%とした。好まし
くは0.2〜2.5%、さらに好ましくは0.2〜2%
である。
【0040】Al:Alは、必要に応じて脱酸剤として
含有させる元素である。また、少量のAlは、耐酸化性
改善効果があり、また高温強度改善および靭性改善効果
も有する。しかし、過剰に含有させると加工性の低下を
招くため、上限を0.15%とした。
【0041】Ca、Mg、Y、希土類元素:Ca、M
g、Yおよび希土類元素は、耐酸化性を向上させ、酸化
スケールの密着性を向上させ、脱S作用を有するので必
要に応じて含有させる。1種のみの元素はもとより複数
元素を含有させても、それらの効果は変わらない。これ
らの元素の含有量の合計が0.001%未満では効果が
十分でなく、合計で0.1%を超えて含有させると靭性
を劣化させるので上限を合計で0.1%とした。好まし
くは、0.005〜0.08%である。さらに好ましく
は、0.01〜0.08%である。
【0042】本発明にかかるフェライト系ステンレス鋼
の製造方法は、通常のフェライト系ステンレス鋼の製造
方法と本質的に変わらない。電気炉または転炉で溶製
し、AOD,VOD炉等で精錬して連続鋳造または造塊
−分塊法でスラブとし、熱間圧延、冷間圧延の工程によ
り鋼板にするのがよい。
【0043】自動車排気系部品としては、主として排気
マニホールド、フロントパイプ、センターパイプ等で上
記鋼板を溶接して溶接管として用いる。製品形状によっ
ては、板を所望の形状に加工した後、2枚以上溶接等に
より重ねあわせて用いる場合もある。冷間圧延後の焼鈍
は特に規定はしないが、900〜1050℃で0.5〜
30分均熱したのち空冷する処理が望ましい。
【0044】
【実施例】表1に示す化学組成を有するフェライト系ス
テンレス鋼を、溶解、鍛造した後、1150℃にて熱間
圧延をおこなって熱延板とした。
【0045】
【表1】
【0046】この熱延板を焼鈍した後、冷間圧延を施し
厚さ1mmの冷延板とし、900〜1000℃にて仕上
げ焼鈍を施した。この冷延板から、1mm厚の常温引張
試験片(JIS Z2201 13号B)および高温引張
試験片および厚さ1mm、幅20mm、長さ25mの酸
化試験片を切りだした。
【0047】さらに、冷延板を電縫溶接により製管し、
熱疲労試験片(ゲージ長さ:12mm)を製作した。
【0048】図2は、熱疲労試験片を示す図である。同
図において、1が試験材の電縫溶接管で、2箇所に径8m
mの穴を開け、冷却用エアーの供給口2及び排出口3と
した。4は管の内面からの保持具(芯金)、5は試験機
のホルダーへの取付部である。溶接管1と保持具4は図
示しない固定用ピンと端部の溶接部7によって固定され
ている。
【0049】高温引張試験は、600℃および850℃
にておこなった。
【0050】高温強度の評価は、600℃の引張り強度
は240N/mm2以上、850℃の引張り強度は30
N/mm2以上を良好とした。
【0051】酸化試験は、自動車模擬燃焼排ガス中85
0℃の温度で連続200時間加熱した。模擬燃焼排ガス
は、ボンベガスを用い、表2に示す組成を有するように
混合して加熱炉に導入した。
【0052】
【表2】
【0053】耐酸化性の評価は、850℃における酸化
増量が15g/m2以下を良好とした。また、常温にて引
張り試験をおこない、伸びの値をもって加工性を評価
し、30%以上の伸びを示した鋼板を加工性が良好とし
た。
【0054】熱疲労試験は、図2の試験片を用い、コン
ピューター制御の電気油圧式高温熱疲労試験により、図
3に示す温度サイクル(200℃−850℃)、機械的
歪み波形履歴をとる条件で、50%拘束(拘束度η=
0.501)にて試験した。熱疲労寿命1200サイク
ル以上を良好とした。
【0055】これらの試験結果を表3にまとめて示す。
【0056】
【表3】
【0057】表3より明らかなように、本発明鋼1〜1
6は、高温強度、耐熱疲労特性ならびに耐酸化性の点か
ら自動車排気系高温部材として優れている。また、それ
らは常温伸び30%以上であり、製管時に要求される加
工性も満足している。
【0058】比較鋼Aは、SUH409L相当材である
が、850℃での引張り強度、耐酸化性、耐熱疲労特性
共に劣る。
【0059】比較鋼Bは、Cuが1%以下であるために
600℃および850℃での引張り強度ならびに耐熱疲
労特性ともに劣る。
【0060】比較鋼Cは、Crが9%未満であるため、
耐酸化性が著しく劣る。
【0061】比較鋼Dは、Cuが3%を超え、比較鋼E
はSiが1%を超えており、常温伸び30%未満と加工
性に劣り、製管ができなかった。
【0062】比較鋼Fは、Mnが2%を超え、比較鋼G
は、Sが0.008%を超え、比較鋼HはPが0.05
%を超えており、耐酸化性が十分でない。比較鋼IはC
が0.015%を超えており耐酸化性が劣っている。ま
た、比較鋼Jは、Nが0.015%を超えているため、
耐酸化性が劣る。
【0063】
【発明の効果】本発明により、700℃以上の高温にお
いて、優れた耐酸化性、高温強度および耐熱疲労特性を
有し、しかも十分な加工性を有する自動車排気系部品用
フェライト系ステンレス鋼が得られる。排気管のなかで
最も温度の高くなるエキゾーストマニホールドはもとよ
り、フロントパイプやセンターパイプへ等へ適用して長
時間に使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】CおよびN含有量と耐酸化性との関係を示す図
である。
【図2】熱疲労試験片形状を示す図である。
【図3】熱疲労試験時の温度及びひずみ波形を示す図で
ある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%にて、C:0.015%以下、S
    i:1%以下、Mn:1%以下、P:0.05%以下、
    S:0.008%以下、Cr:8〜15%未満、Cu:
    1〜3%、N:0.015%以下、Ni:0〜1%、T
    i:0〜1%、Nb:0〜1%、Zr:0〜1%、A
    l:0〜0.15%およびCa、Mg、Y、希土類元素
    のうちの1種または2種以上を合計で0〜0.1%を含
    有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを
    特徴とする自動車排気系部品用フェライト系ステンレス
    鋼。
  2. 【請求項2】重量%にて、C:0.015%以下、S
    i:1%以下、Mn:1%以下、P:0.05%以下、
    S:0.008%以下、Cr:8〜15%未満、Cu:
    1〜3%、N:0.015%以下、Mo:0.1〜3
    %、Ni:0〜1%、Ti:0〜1%、Nb:0〜1
    %、Zr:0〜1%、Al:0〜0.15%およびC
    a、Mg、Y、希土類元素のうちの1種または2種以上
    を合計で0〜0.1%を含有し、残部がFeおよび不可
    避的不純物からなることを特徴とする自動車排気系部品
    用フェライト系ステンレス鋼。
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