JPH0812961A - 紫外線遮蔽性複合微粒子、その製造方法、及び化粧料 - Google Patents
紫外線遮蔽性複合微粒子、その製造方法、及び化粧料Info
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Abstract
る母粒子と、該母粒子内に分散・固定化された子粒子よ
りなる複合微粒子であって、該子粒子が該母粒子を構成
する粒子よりも小さなバンドギャップエネルギーを有
し、かつ紫外線吸収能を有するものであることを特徴と
する、可視光線域における透明性を有する紫外線遮蔽性
複合微粒子、その製造方法及び該複合微粒子を含有して
なる化粧料。 【効果】本発明の複合微粒子は、紫外線遮蔽能を有する
超微粒子を複合微粒子化することにより、可視光線域に
おいては高透明性で、かつ紫外線域においては高遮蔽性
である超微粒子の光学的性質を安定して発現するという
特徴を有するものである。該複合微粒子を配合してなる
本発明の化粧料は、透明性に優れ、高い紫外線遮蔽効果
を有する化粧料である。
Description
性、かつ紫外線域での高遮蔽性を有する紫外線遮蔽性複
合微粒子、その製造方法及び化粧料に関するものであ
る。
線、紫外線)のうち、5〜6%が紫外線である。紫外線
は波長が短く、従ってエネルギーの高い電磁波であり、
多くの物質に対して分解性をもち、広く生体に障害を及
ぼすことが知られている。従って、紫外線遮蔽剤は、例
えば化粧品中に配合して皮膚を紫外線による炎症や皮膚
癌から守ったり、塗料に混ぜて顔料が紫外線で分解して
退色するのを防いだりする用途等に用いられている。こ
のとき可視光線域での透明性を高めることによって、化
粧品の場合では白浮きになるのを防ぎ、また塗料の場合
では顔料による色彩を損なうのを防ぐことができるた
め、可視光線域での透明性を維持しつつ、紫外線防御を
行うことが望ましい。
遮蔽剤は、組成物の紫外線に対する特性吸収によりその
透過を防ぐものであり、例えば置換されたN,N’−ビ
ス−芳香族ホルムアミジン類から成る紫外線吸収性組成
物(特公昭61−09993号公報)等がある。しかし
ながら、有機系の紫外線遮蔽剤は、紫外光を吸収すると
同時にその作用を受けて分解するという難点があり、こ
のため経時的に遮蔽能が減衰する欠点をもつ。また化粧
品への応用においては、人体への影響の点から配合でき
る種類、配合量にも規制があり、規制内で高い機能を発
現させることが困難である。
は、無機微粒子を組成物として配合し、組成物の紫外線
に対する吸収能及び散乱能によってその透過を防ぐもの
である。このような無機系の紫外線遮蔽剤は、組成物が
経時的に劣化していくことがなく、また人体への影響が
少ないという点で有機系遮蔽剤よりも優れている。しか
し、有機系の紫外線遮蔽剤に対して、無機系は粒子形態
であるので、従来から無機系は可視光域での高透明性を
維持しつつ、紫外線防御を行うのは困難とされてきた。
の紫外線域での遮蔽能を有効に発現させるためには、組
成物を超微粒子化して高分散状態にし、紫外線散乱能を
高める必要がある。しかし、超微粒子を用いる場合には
その凝集性に起因する超微粒子の分散安定性が問題とな
る。分散性を高めるために超微粒子表面を他の物質で被
覆して改質する方法もあり、例えば疎水性化した酸化チ
タン粉末を油性化粧料基剤に配合した皮膚化粧料(特公
昭59−15885号公報)等があるが、表面の被覆層
の性質に応じて分散させる溶媒を選ぶ必要があり、また
表面改質を行っても超微粒子という形態は変わらないの
で凝集力を低下させるのにも限界がある。
能を失わないように、他の比較的大きな担体としての粒
子と複合化する例があり、例えば微粒金属化合物を分散
含有してなる薄片状物質(特開昭63−126818号
公報)等があるが、紫外線遮蔽能及び可視光における透
明能、両方の性能を向上させるための微粒子の具体的構
成については開示されていない。また、薄片状粒子、す
なわち板状粒子では、球形粒子に比べて粒子同士の摩擦
抵抗が大きく、化粧料基剤に用いた場合、使用感が良い
とは言えない。
は、チタニアを5〜80重量%、シリカを20〜95重
量%それぞれ含有し、チタニアとシリカの含有量合計は
少なくとも80重量%であるチタニア−シリカ系ガラス
からなるフレーク状ガラスを配合した紫外線吸収効果の
高い化粧料を開示しているが、ガラスとするため設備的
な負担が大きく、工業的に有利なものではない。
化させた複合微粒子が考案されている。従来の紫外線遮
蔽性複合微粒子としては、例えば、SiO2 等の金属酸
化物の板状粒子中にTiO2 等の微粒子粉末を均一に分
散した複合化粉末(特開平1−143821号公報)
や、ナイロン樹脂やシリコーン樹脂、酸化ケイ素等から
なる母材粒子の表面に酸化ジルコニウムや酸化アルミニ
ウムの粉末が担持され、母材粒子の内部に酸化チタンや
酸化亜鉛の粉末が分散されている複合粒子(特開平2−
49717号公報)が挙げられる。
うには、実際の使用環境では通常、複合粒子をある媒質
中に分散させる必要がある。その時それらの複合粒子の
屈折率とその媒質の屈折率との差が大きければ、複合粒
子と媒質との界面にて光散乱が起こり、可視光線域にお
ける透明性及び紫外線域における遮蔽性が悪くなり、解
決すべき問題であるにもかかわらず、これらの公報では
その事情については考慮されていない。
ーズ、その製造方法及び粉末消臭剤(特開平4−653
12号公報)では、一次粒子径0.001〜0.3μm
の金属化合物微粒子0.1〜30重量%を粒子内に含有
し、かつ粒子内に0.3μm以上の空孔を実質的に含有
しない多孔質シリカビーズであって、含有させる金属化
合物微粒子としてシリカの屈折率に近いもの(屈折率が
1.4〜2.0)を選ぶと透明性のさらに向上したシリ
カ粒子を得ることができるとしている。しかし、これも
複合粒子内部にある金属化合物微粒子の屈折率範囲を規
定しているだけで、複合粒子全体の屈折率を規定してい
るものではない。
つ問題点を解決するために、主に金属酸化物の複合物を
利用する試みがなされてきた。しかし、TiO2 やZn
O等の紫外線吸収能をもつ化合物は屈折率の比較的高い
ものが多く、現実にはこれらの超微粒子を複合した複合
微粒子の屈折率が水溶液や一般の有機溶媒、及びポリマ
ー等に比べてかなり高くなっている。そのような複合微
粒子を媒質中に分散させた場合、複合微粒子と媒質との
界面において可視光線の散乱が起きて透明性が大いに損
なわれるにもかかわらず、複合微粒子型の紫外線遮蔽性
粒子の屈折率を制御するという概念は従来なかった。
い低屈折率物質として知られるMgF2 やCaF2 等の
フッ素系無機化合物、あるいはポリ四フッ化エチレン等
のフッ素系有機高分子化合物を原料として配合すること
により、粉末等の屈折率を下げる技術が知られている。
開平4−85346号公報では、SiO2 、Al
2 O3 、B2 O3 、BaO、SrO、ZnO、MgO等
の金属酸化物及び金属フッ化物からなり、屈折率(N
d)が1.44〜1.70の範囲に調整されたガラス粉
末が挙げられている。これらは光線透過率が高いうえ、
強いアルカリ性を示さないので、樹脂の変質および硬化
の不安定性を極めて小さくすることができると記載され
ている。しかし、該公報では物質の組成比を変えること
により、高透明性の樹脂充填用無機粉末を得ることがで
きると記載されているだけであり、高温溶融により製造
するため最終粉末において、上記金属酸化物等は粒子の
状態で存在せず、紫外線遮蔽性機能については言及して
いない。さらに、本発明にかかる2種以上の微粒子の凝
集体である複合微粒子に関してやその平均屈折率の組成
依存性については全く記載されておらず、それらの概念
はない。
子粉末の製造法(特公平3−43201号公報)は、無
機酸化物を2種類以上含有し、1種類の含有量が5重量
%以上であるコロイド液を温度10〜100℃の乾燥雰
囲気内に噴霧して乾燥し、平均粒子径が1〜20μmの
粉末を製造する方法であるが、得られる複合微粒子は高
級滑性フィラー、インク用体質顔料、トナー等の各種用
途に使用されるものであり、紫外線の高遮蔽性と可視光
の高透明性を有する複合微粒子の製造については具体的
に言及されていない。
線遮蔽剤における種々の課題を解決するものであり、高
い可視光線透明性を有し、かつ紫外線の高遮蔽性を有す
る紫外線遮蔽性複合微粒子、その製造法及びそれを用い
た化粧料を提供することを目的とする。
外線遮蔽剤の性能を高く発現させるために、紫外線遮蔽
能を有する微粒子(子粒子)と子粒子を分散含有させる
母体としての微粒子凝集体(母粒子)を複合化し、前者
による紫外線散乱及び吸収能と後者による子粒子の高分
散性とを合わせ持つような複合微粒子を考案した。そし
て、両者のバンドギャップエネルギーに着目し、その大
小関係に基づいて組み合わせを決定することで、超微粒
子の効果を最大限に発揮させることができることを見い
出した。
御において、母粒子を構成する粒子として金属酸化物や
屈折率の低いフッ素化合物を用い、子粒子と母粒子の組
成制御を行うことで、複合微粒子の屈折率を媒質の屈折
率と等しくなるように制御した。その結果、複合微粒子
と媒質との界面での光の散乱が抑制されて複合微粒子の
形状、すなわち球状、板状、針状などや、それら複合微
粒子の表面粗さにかかわらず、複合微粒子の内部に光が
良く侵入し、可視光線域での透明性が飛躍的に向上する
と同時に、内部に分散させた超微粒子の機能が効果的に
発現して高い紫外線遮蔽性を発現させることができるこ
とを見い出した。また低屈折率の物質を0.3μm以下
の微粒子の形態で用いた場合、複合微粒子内で微粒子単
位のドメインを形成しても可視光線の散乱が起きずに、
粒子全体として屈折率を下げることが可能であることを
見い出した。
粒子の構成要素となる子粒子及び母粒子の原料となるゾ
ルあるいは熱分解反応により子粒子または母粒子を生成
させ得る溶液の混合物を噴霧乾燥および/または熱分解
して、内部で子粒子が均一に分散・固定化した紫外線遮
蔽性複合微粒子を連続生成することができることを見い
出した。
mである粒子がその形状を保持したまま凝集してなる母
粒子と、該母粒子内に分散・固定化された平均粒子径が
0.001〜0.1μmの子粒子よりなる複合微粒子で
あって、該子粒子が該母粒子を構成する粒子よりも小さ
なバンドギャップエネルギーを有し、かつ紫外線吸収能
を有するものであることを特徴とする、可視光線域にお
ける透明性を有する紫外線遮蔽性複合微粒子、 (2) 母粒子を構成する粒子のバンドギャップエネル
ギーが3〜9eVである、前記(1)記載の紫外線遮蔽
性複合微粒子、 (3) 子粒子のバンドギャップエネルギーが母粒子を
構成する粒子のものより0.2eV以上小さいものであ
る、前記(1)又は(2)記載の紫外線遮蔽性複合微粒
子、 (4) 子粒子が0.1〜50体積%の割合で母粒子内
に分散・固定化されている、前記(1)〜(3)いずれ
か記載の紫外線遮蔽性複合微粒子、 (5) 複合微粒子の平均屈折率が1.3〜1.8であ
る、前記(1)〜(4)いずれか記載の紫外線遮蔽性複
合微粒子、 (6) 複合微粒子の平均粒子径が0.1〜500μm
である、前記(1)〜(5)いずれか記載の紫外線遮蔽
性複合微粒子、 (7) 複合微粒子の比表面積が250m2 /g未満で
ある、前記(1)〜(6)いずれか記載の紫外線遮蔽性
複合微粒子、 (8) 母粒子を構成する粒子が金属酸化物及び/又は
フッ素化合物から選択される前記(1)〜(7)いずれ
か記載の紫外線遮蔽性複合微粒子、 (9) 金属酸化物がSiO2 及び/又はAl2 O3 か
ら選択される前記(8)記載の紫外線遮蔽性複合微粒
子、 (10) フッ素化合物がMgF2 及び/又はポリテト
ラフルオロエチレンである前記(8)又は(9)記載の
紫外線遮蔽性複合微粒子、 (11) 母粒子を構成する粒子が、金属酸化物及び/
又は常温で固体のフッ素化合物に加えてさらにパーフル
オロポリエーテルを用いて得られたものである、前記
(8)〜(10)いずれか記載の紫外線遮蔽性複合微粒
子、 (12) 子粒子がTiO2 、ZnO、CeO2 、Ba
TiO3 、CaTiO3、SrTiO3 及びSiCより
なる群から選択される1種以上である、前記(1)〜
(11)いずれか記載の紫外線遮蔽性複合微粒子、 (13) 複合微粒子の屈折率と実質的に同程度(ただ
し、±0.1以内の屈折率の差は同程度とみなす)の屈
折率を有する媒質中に懸濁し、光路長1mmの光学セル
を用いて紫外可視分光光度計により光透過率を測定した
とき、波長800nmにおいて透過率90%以上、波長
400nmにおいて透過率40%以上で、かつ波長35
0nm、320nm、及び300nmの少なくともいず
れかにおいて透過率5%以下である前記(1)〜(1
2)いずれか記載の紫外線遮蔽性複合微粒子、 (14) 以下の工程より得られる、可視光線域におけ
る透明性を有する紫外線遮蔽性複合微粒子、(a)一次
粒子の平均粒子径が0.001〜0.3μmの母粒子を
構成する粒子を含有するゾル及び/又はそのような粒子
を熱分解により生成させ得る溶液からなる母粒子原料
と、平均粒子径が0.001〜0.1μmの子粒子を含
有するゾル、子粒子粉末、及びそのような子粒子を熱分
解により生成させ得る溶液からなる群より選ばれる一種
又は二種以上からなる子粒子原料との混合物を含有する
混合液を調製する工程、(b)該混合液を液滴化する工
程、および(c)得られる液滴を乾燥、及び/又は前記
の熱分解する原料を熱分解させる工程、 (15) 以下の工程よりなる、母粒子と該母粒子内に
分散・固定化された子粒子よりなる、可視光線域におけ
る透明性を有する紫外線遮蔽性複合微粒子の製造方法、
(a)一次粒子の平均粒子径が0.001〜0.3μm
の母粒子を構成する粒子を含有するゾル及び/又はその
ような粒子を熱分解により生成させ得る溶液からなる母
粒子原料と、平均粒子径が0.001〜0.1μmの子
粒子を含有するゾル、子粒子粉末、及びそのような子粒
子を熱分解により生成させ得る溶液からなる群より選ば
れる一種又は二種以上からなる子粒子原料とを、全固体
体積中に子粒子原料が0.1〜50体積%となるように
調製した母粒子原料と子粒子原料の混合物を5重量%未
満含有する混合液を調製する工程、(b)該混合液を液
滴化する工程、および(c)得られる液滴を100〜1
000℃雰囲気中にて乾燥、及び/又は前記の熱分解す
る原料を熱分解させる工程、 (16) 以下の工程よりなる、母粒子と該母粒子内に
分散・固定化された子粒子よりなる、可視光線域におけ
る透明性を有する紫外線遮蔽性複合微粒子の製造方法、
(a)一次粒子の平均粒子径が0.001〜0.3μm
の母粒子を構成する粒子を含有するゾルと、平均粒子径
が0.001〜0.1μmの子粒子を含有するゾルとを
全固体体積中に子粒子が0.1〜50体積%となるよう
に調製した粒子混合物を5重量%未満含有する混合液を
調製する工程、(b)該混合液を平均液滴径が0.1〜
2000μmの範囲に液滴化する工程、および(c)得
られる液滴を100〜1000℃雰囲気中にて乾燥させ
る工程、 (17) 以下の工程よりなる、母粒子と該母粒子内に
分散・固定化された子粒子よりなる、可視光線域におけ
る透明性を有する紫外線遮蔽性複合微粒子の製造方法、
(a)一次粒子の平均粒子径が0.001〜0.3μm
の母粒子を構成する粒子を含有するゾル中で、平均粒子
径が0.001〜0.1μmの子粒子粉末を解砕又は粉
砕して、全固体体積中に子粒子が0.1〜50体積%と
なる混合液を調製する工程、(b)該混合液を平均液滴
径が0.1〜2000μmの範囲に液滴化する工程、お
よび(c)得られる液滴を100〜1000℃雰囲気中
にて乾燥させる工程、 (18) 前記(1)〜(14)記載の紫外線遮蔽性複
合微粒子を含有してなる化粧料、 (19) 疎水化処理を施した紫外線遮蔽性複合微粒子
を含有してなる前記(18)記載の化粧料、 (20) 紫外線防御用に用いられる前記(18)又は
(19)記載の化粧料、 (21) さらに紫外線防御剤を含有することを特徴と
する前記(18)〜(20)いずれか記載の化粧料、 (22) 紫外線遮蔽性複合微粒子を0.1〜60重量
%含有することを特徴とする前記(18)〜(21)い
ずれか記載の化粧料、に関する。
比較的小さい微粒子は、凝集しやすい性質があるので、
媒質中に分散させてその機能をうまく発現させることが
難しい。そこでこのような微粒子を比較的大きな粒子と
複合化すること、すなわち担体としての母粒子中に子粒
子として固定化することにより、その分散状態が維持で
き、紫外線遮蔽能を保持することができる。また一般に
高い表面活性をもつ小さい微粒子を母粒子中に内包する
ことで、複合化した微粒子を媒質中に懸濁した時に表面
活性の悪い影響が媒質に及ぶことを抑制することができ
る。本明細書において、複合微粒子の母粒子とは子粒子
を分散含有してなる母体をいい、母粒子はそれを構成す
る粒子がその形状を保持したまま凝集した凝集体として
形成される。子粒子とは母粒子以外の紫外線遮蔽能を有
する粒子をいう。
について、粒子のバンドギャップエネルギー、複合微粒
子の屈折率等、粒子の粒界の点から詳細に説明する。
微粒子は紫外線域における遮蔽性を有することが必要
で、これは紫外線吸収性及び紫外線散乱性に分けられ
る。紫外線吸収性は、無機化合物に関しては主に半導体
化合物の励起子吸収によるもので、バンドギャップエネ
ルギーが3.0〜4.0eVの化合物が有効にその性質
を示す。紫外線散乱性は、Mie散乱によって強く現
れ、これはTiO2 のような高屈折率物質の場合、粒子
径が紫外線の波長の約1/2すなわち0.2μm以下で
顕著となる。
が連続でないため、両準位間のエネルギー差であるバン
ドギャップエネルギー以上のエネルギーに相当する波長
の光を吸収することが知られている。例えばZnOはバ
ンドギャップエネルギーが3.2eVであり、390n
m以下の波長の光を吸収する。無機系の紫外線遮蔽剤が
紫外線を吸収する性質は、そのバンドギャップエネルギ
ーが紫外線の波長領域にあるためである。
粒子による紫外線の散乱及び吸収能を効果的に発現させ
るためには、母粒子を構成する粒子のバンドギャップエ
ネルギーが子粒子よりも大きいことが必要である。例え
ば母粒子としてTiO2 (ルチル型)粒子の凝集体を用
いる場合、TiO2 よりもバンドギャップエネルギーの
小さいZnO微粒子を子粒子として含有させれば、波長
320nm以下の紫外線が母粒子を構成する粒子(Ti
O2 )のバンドギャップエネルギーに対応する励起子吸
収によって吸収され、母粒子に吸収されずに透過する波
長350nm付近の紫外線が子粒子によって多重に散乱
されながら子粒子のバンドギャップエネルギーに基づく
励起子吸収によって吸収される。この複合微粒子によっ
て350nm以下の波長領域の紫外線を遮蔽することが
できる。これに対して、母粒子を構成する粒子としてT
iO2 を用い、これよりもバンドギャップエネルギーの
大きいSnO2 微粒子を子粒子とすれば、波長320n
m以下の紫外線はTiO2のバンドギャップエネルギー
に対応する励起子吸収によって母粒子に吸収されるが、
母粒子に吸収されずに透過する波長350nm付近の紫
外線は、SnO2 のバンドギャップエネルギーに基づく
励起子吸収では吸収されない。従って、この複合微粒子
では350nm付近の波長領域の紫外線に対する遮蔽効
果が得られない。
て、母粒子を構成する粒子のバンドギャップエネルギー
は、3〜9eVであるのが好ましく、5〜9eVが更に
好ましい。また、子粒子による吸収及び散乱が期待され
る波長領域の紫外線を、より確実に子粒子まで到達させ
るためには、最小のバンドギャップエネルギーを有する
子粒子のバンドギャップエネルギーが、母粒子を構成す
る粒子のバンドギャップエネルギーよりも0.2eV以
上小さいことが好ましい。
おける高遮蔽性を維持したまま可視光線域において高透
明性を発現する必要がある。ここで、(i)高遮蔽性を
維持するには、母粒子と子粒子とで屈折率の差が大きく
なると子粒子における紫外線遮蔽能が向上することから
両者の屈折率の差が大きいことが必要であり、本発明に
おいては0.1以上であることが好ましい。そこで、本
発明では、屈折率の比較的に高い子粒子に対し、母粒子
の構成物質として金属酸化物や屈折率の比較的に低いフ
ッ素化合物を使用している。また、(ii)高透明性を発
現するために、その複合微粒子のまわりの物質(媒質)
との屈折率の違いを考慮して、なるべく複合微粒子と媒
質との屈折率の差を小さくする必要があり、その為には
複合微粒子の屈折率を制御しなければならない。本発明
では、この屈折率の制御にフッ素化合物を用いている点
等に本発明の特徴を有する。
等に使用した時の状態)において、複合微粒子と媒質で
屈折率が異なると、両者の界面において可視光線の屈折
や反射が起こって透明性が損なわれる。ここで屈折率
は、一般に液侵法により測定され(例えば田幸敏治ら
「光学的測定ハンドブック」P.475、1981年、
朝倉書店刊)、波長589.3nmの光の透過率が最も
高くなる媒質の屈折率を試料の屈折率とするものであ
る。しかしながら、液浸法は操作が煩雑であり、時間を
要するため、簡易的には子粒子と母粒子の一次粒子の屈
折率と体積比から計算上求めることができる。この計算
上の屈折率は、液浸法により得られるデータに極めて近
似している場合があるので、そのような場合には本発明
において複合微粒子の屈折率はこのような簡易的な方法
を用いて得られる値をもいう。一般に用いられる媒質の
屈折率nD 20が1.3〜1.8であるのに対して、高い
紫外線遮蔽性を有するTiO2 やZnO等の金属酸化物
の多くは屈折率nD 20が2.0以上であるので、これら
を子粒子とするときの母粒子に低屈折率物質を用いて、
複合微粒子の屈折率を媒質の値に近づける必要がある。
すなわち複合微粒子の屈折率を1.3〜1.8、好まし
くは1.3〜1.7であり、1.4〜1.5とすること
がより好ましい。また、本発明の複合微粒子における母
粒子と子粒子との屈折率の差は、0.1以上であること
が好ましい。これにより子粒子による紫外線散乱能が向
上するからである。
小さいほど、すなわち母粒子内部の粒界が小さいほど、
可視光線がその微小粒界を認識できず、母粒子の一次粒
子の結晶性に関わらずにその母粒子は透明性を有するこ
とになり、また、超微粒子である子粒子も透明性を有し
ているので、結果として複合微粒子も透明性を有すると
説明できる。
製造方法について詳細に説明する。図1は、本発明の紫
外線遮蔽性複合微粒子の製造装置の一例の概略図を示す
ものであり、これを用いて製造方法の概略をまず説明す
る。
おける遮蔽性を有する子粒子原料液と、母粒子原料液を
液槽1内で均一混合させる。得られた混合液を液送用ポ
ンプ2を用いて、微少な原料液滴を発生させる霧化装置
3へ連続供給し原料液滴を得る。該原料液滴をキャリア
ーガス供給装置4より供給されるキャリアーガスに同伴
させて高温の加熱体5を有する乾燥管又は反応管6へ送
り込み、乾燥管又は反応管6内で液滴の乾燥及び/又は
原料の熱分解反応を行わせて気固混相状態で子粒子と母
粒子からなる紫外線遮蔽性複合微粒子を生成させ、微粒
子捕集装置7にて該生成複合微粒子を捕集する。なお、
捕集装置7を出るガスは、コールドトラップ8及びフィ
ルター9を通されて凝縮液を除去された後、ポンプ10
にて強制的に排気される。
に限定しないが、原料混合液(子粒子原料液と母粒子原
料液の混合液)を安定に貯槽できれば良い。液送用ポン
プ2は、ぜん動ポンプ(チューブポンプ)等が良く、特
に混合液を一定量供給できるものが良い。
霧化装置や二流体式加圧噴霧装置等があるが、液滴径分
布が狭く、かつ微少な液滴を得るには、超音波振動によ
る霧化装置が好ましい。
たり一定流量のキャリアーガスを供給できるものが良
く、その流量制御装置としては、例えば、質量式流量計
が使用できる。ここでキャリアーガスとは、不活性ガ
ス、あるいは乾燥又は熱分解反応の進行を妨げないガス
を言い、例えばヘリウム、空気、窒素、アルゴン等が用
いられる。
熱分解炉として使用するものであり、例えばステンレ
ス、セラミックス、石英ガラス等の材質のものが使用で
きる。加熱体5に関しては、乾燥管又は反応管において
管軸方向および半径方向に対して、等温部がなるべく広
く保たれるように温度制御できるものが好ましい。
母粒子原料に後述のような子粒子や母粒子のゾルを用い
た場合には乾燥が、子粒子原料及び/または母粒子原料
に熱分解により粒子生成が行われる原料(以下、熱分解
用の原料と略す)を用いた場合には熱分解反応が利用さ
れる。即ち、本発明における原料液の態様としては、種
々のものがあるが、特に限定されるものではない。例え
ば、(1)子粒子原料および母粒子原料が共にゾルであ
る場合、(2)子粒子原料がゾルおよび/又は熱分解用
の原料で、母粒子原料がゾルである場合、(3)子粒子
原料がゾルで、母粒子原料が熱分解用の原料である場
合、(4)子粒子原料および母粒子原料が共に熱分解用
の原料である場合、(5)子粒子原料および母粒子原料
が共にゾルおよび熱分解用の原料である場合等である。
尚、乾燥の場合には、乾燥管加熱方式でなく熱風乾燥方
式を用いても良い。また、(2)の態様では、例えば、
子粒子原料にTiO2 、ZnO等の前駆体であるTi
(OH)4、Zn(OH)2等の水酸化物を用い、母粒子原
料にSiO2 ゾル等を用いることが可能である。
電捕集式等が有効であるが、長期運転用には、電気集塵
器または拡散荷電型静電捕集器等が好ましい。
に限定されないが、噴霧液滴の溶媒が気化したものを凝
縮させ、キャリアーガスから溶媒を効率良く除去する為
のもので、冷却機能を有したものが好ましい。フィルタ
ー9は材質、形状等は特に限定されないが、例えばバグ
フィルター、エアロゾル用フィルター等が好ましい。ポ
ンプ10は、材質、形状等は特に限定されないが、粒子
製造装置内のガス流れを乱すことなく吸引する為のもの
で、例えば、ブロワー等が好ましい。
別に説明する。本発明の製造工程には、大別して次のよ
うな3つの工程がある。即ち、(a)一次粒子の平均粒
子径が0.001〜0.3μmの母粒子を構成する粒子
を含有するゾル及び/又はそのような粒子を熱分解によ
り生成させ得る溶液からなる母粒子原料と、平均粒子径
が0.001〜0.1μmの子粒子を含有するゾル、子
粒子粉末、及びそのような子粒子を熱分解により生成さ
せ得る溶液からなる群より選ばれる一種又は二種以上か
らなる子粒子原料とを、全固体体積中に子粒子原料が
0.1〜50体積%となるように調製した母粒子原料と
子粒子原料の混合物を5重量%未満含有する混合液を調
製する工程、(b)当該混合液を液滴化する工程、およ
び(c)得られる液滴を100〜1000℃雰囲気中に
て乾燥、及び/又は前記の熱分解する原料を熱分解させ
る工程。
粒子径0.001〜0.3μmの母粒子を構成する粒子
を含有するゾルと、平均粒子径0.001〜0.1μm
の子粒子を含有するゾルとを全固体体積中に子粒子が
0.1〜50体積%となるように調製した粒子混合物を
5重量%未満含有する混合液を調製する工程、あるいは
一次粒子の平均粒子径0.001〜0.3μmの母粒子
を構成する粒子を含有するゾル中で、平均粒子径0.0
01〜0.1μmの子粒子粉末を解砕又は粉砕して、全
固体体積中に子粒子が0.1〜50体積%となる混合液
を調製する工程を経て、工程(c)において工程(b)
で得られる平均液滴径が0.1〜2000μmの液滴を
100〜1000℃雰囲気中にて乾燥、及び/又は前記
の熱分解する原料を熱分解させる工程を実施するのが好
ましい。また、工程(b)で得られる液滴の平均液滴径
は、0.1〜2000μmの範囲のものが好ましい。
調製工程においては、子粒子粉末を用いる場合には、子
粒子粉末をミル、高圧分散等の処理により解砕又は粉砕
させて、混合液中で子粒子の分散状態を保持することが
好ましい。
ついて説明する。 (1)複合微粒子を構成する子粒子は、可視光線域にお
ける透明性及び紫外線域における遮蔽性を有するもので
ある。すなわち子粒子は可視光線域において吸収がな
く、かつ可視光線を散乱することのない程度の大きさの
粒子であることが必要である。
域において吸収がなく、かつ紫外線の吸収性を有すると
いう要件から、バンドギャップエネルギーに基づく励起
子吸収端が紫外線の波長領域に存在するような物質、即
ち、バンドギャップエネルギーが3.0〜4.0eVの
半導体化合物が好ましく、例えばTiO2 、ZnO、C
eO2 、SiC、SnO2 、WO3 、SrTiO3 、B
aTiO3 、CaTiO3 等がその性質を強く示し、そ
れらの中でもTiO2 、ZnO及びCeO2 が一般的に
紫外線遮蔽剤としてよく用いられており、これらからな
る群より選ばれた一種以上のものが特に好ましい。特に
紫外線A領域(320〜400nm)まで遮蔽するため
にはZnO、CeO2 等が有効であり、紫外線B領域
(280〜320nm)の遮蔽にはTiO2 が有効であ
る。なお、上記の物質は一種類以上を用いることが可能
である。
等、特に限定されない。子粒子の粒子径は、母粒子の一
次粒子と比較した場合、ほぼ同程度であることが、子粒
子の分散状態を良好にする上で好ましい。一方、紫外線
散乱性は、Mie散乱によって強く現れ、これは粒子径
が紫外線の波長の約1/2すなわち0.2μm以下で顕
著となるので、平均粒子径は、具体的には可視光線域に
おける透明性及び紫外線域における遮蔽性を満足する為
に、0.2μm以下が好ましく、0.1μm以下、なか
でも0.001〜0.1μmがより好ましく、特に0.
05μm以下が更に好ましい。なお、本発明における子
粒子とは、その一次粒子が単独で分散・固定化している
もの及び/又は一次粒子が凝集してなる凝集体のことを
いう。したがって、子粒子の平均粒子径とは、上記凝集
体の粒径をも意味する。
散した状態で存在していることが好ましいので、ゾル中
での子粒子の分散性や安定性を高めることが好ましく、
そのためには子粒子の表面を他の物質で被覆したり、あ
るいはゾルの安定化剤を混合してもよい。例えばTiO
2 超微粒子を子粒子に用いる場合、超微粒子の表面をS
iO2 やAl2 O3 等で被覆して分散性を高めたり、塩
基性の安定化剤(例えば、NH3 等)を混合してTiO
2 のゾル状態を安定化させたりするのもよい。また超微
粒子粉末を表面改質して良好に分散できる場合には、子
粒子原料として供することもできる。本発明で用いられ
るゾルとは、一般に、ふつうの顕微鏡では認められない
が、原子あるいは低分子よりは大きい粒子として物質が
液体中に分散しているもの(理化学辞典 第3版)を言
う。例えばシリカのヒドロゾル、TiO2 超微粒子懸濁
液等があげられる。
合、その金属元素を含む塩の溶液を子粒子原料(熱分解
用の原料)として用いることもできる。金属塩の種類と
しては、Ti(SO4 )2 、TiCl4 、ZnSO4 、
Zn(NO3 )2 、Ce(NO3 )3 等であり、例え
ば、ZnOを子粒子とする場合、Zn(NO3 )2 の水
溶液の噴霧熱分解によりZnO微粒子が生成される。
合微粒子懸濁系の透明性を発現させるために、子粒子と
同様に可視光線域における透明性を満足する必要があ
る。すなわち可視光線を吸収しない物質で構成され、か
つ0.3μmを超えるような一次粒子を持たないことが
望ましい。例えば平均粒子径が0.01μmの超微粒子
の凝集体等が好ましい。
高いセラミックス及び/又はフッ素化合物からなる物質
であり、例えば金属酸化物、金属酸化物とフッ素化合物
の混合物、又はフッ素化合物のみからなるもの等が用い
られる。前記のように微粒子の凝集体が、通常母粒子を
構成することになるので、母粒子の要件を満たす為には
凝集体を構成する微粒子(即ち、一次粒子)の平均粒子
径が0.3μm以下、即ち、0.001〜0.3μmで
あり、なかでも好ましくは0.2μm以下、さらに好ま
しくは0.1μm以下であり、特に好ましくは0.05
μm以下であることが望ましい。また子粒子の場合と同
じ理由で、母粒子を構成する微粒子の表面を他の物質で
被覆したり、あるいはゾルの安定化剤を混合してもよ
い。ここで用いられる被覆用の物質や安定化剤として
は、子粒子の場合と同様のものが挙げられる。
母粒子を構成する物質として適当である。母粒子に含有
される金属酸化物としては、例えばTiO2 、CuO、
ZnO、MgO、CeO2 、SnO2 、SiO2 、Fe
2 O3 、Al2 O3 、NiO2 、MnO2 等が挙げら
れ、SiO2 が、前述の屈折率や透明性等の点から、特
に好ましい。また、バンドギャップエネルギーの大きい
セラミックスの微粒子という点からは、例えばSn
O2 、In2 O3 、SiO2 、ZnO等の微粒子が好ま
しい。
により粒子生成が行われる原料(熱分解用の原料)を用
いて、熱分解反応により得ることもでき、その場合には
原料として金属塩が用いられる。当該金属塩の金属元素
としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属
等が挙げられる。具体的には、アルカリ金属としては、
Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、アルカリ土類金属
としてはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、遷移金
属としては周期表第4周期のSc、Ti、V、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Ga、A
s、第5周期のY、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、R
h、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、第6周期の
La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、A
u、Hg、Tl、Pb、Bi等の他に、Al、Si等が
挙げられる。
酸塩、リン酸塩、炭酸塩、酢酸塩、また2種類以上の塩
で構成されている複塩、錯イオンを含む錯塩等で、無水
塩及び含水塩のどちらでも良い。
CuSO4 ・ 5H2 O、Zn(NO3)2 ・ 6H2 O、C
a(NO3)2 ・ 4H2 O、CaCl2 、MgCO3 、F
e3(PO4)2 、Cu(CH3 COO)2 、複塩ではK
MgCl3 、AlK(SO4)2 等で、錯塩では、K
3 〔Fe(CN)6 〕、〔CoCl(NH3)5 〕Cl2
等が挙げられる。
れる。混合物として、例えば、チタン塩と亜鉛塩の混合
物を用いた場合は温度条件によっては、酸化亜鉛と酸化
チタンの混合物又は複合物であるチタン酸亜鉛(Zn2
TiO4)が母粒子又は子粒子として得られ、用いられ
る。
機溶媒を用いられるが、原料液滴の乾燥や熱分解を妨げ
ないものが好ましい。有機溶媒の例としては、メタノー
ル、エタノール等のアルコールや、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホス
ホルアミド等の極性溶媒が挙げられる。
的に安定でしかも屈折率の低い化合物が多く、得られる
複合微粒子の屈折率制御に有用である。フッ素化合物と
しては、常温で固体のものあるいは液体のものが挙げら
れる。常温で固体の無機フッ素化合物としては例えばM
gF2 、CaF2 、AlF3 、LiF、NiF2 、Ba
F2 等があり、有機フッ素化合物としては例えばポリテ
トラフルオロエチレン(以下PTFEと略す)、テトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等のフッ素系樹脂
等が挙げられる。なかでもフッ素化合物がMgF2 及び
/又はポリテトラフルオロエチレンである場合に、屈折
率や透明性等の点から好適である。
均粒子径は、0.3μm以下が好ましく、0.2μm以
下がさらに好ましい。これは、平均粒子径が0.3μm
を超える大きさになると、粒子同志の凝集力が弱くな
り、複合微粒子の強度が低下するからである。
フルオロポリエーテル(以下、PFPEと略す)等が挙
げられる。PFPEとしては、例えばパーフルオロポリ
メチルイソプロピルエーテル(日光ケミカルズ(株)製
FOMBLIN HC等)が挙げられる。このようなP
FPEは複合微粒子の屈折率を低下させるだけでなく、
湿潤性のある肌触り感を付与する効果があり、化粧品用
微粒子等に好適に用いることができる。このような液体
のフッ素化合物を用いる場合、子粒子原料及び母粒子原
料が溶媒中で相分離しないような溶媒を選ばなくてはな
らないが、溶媒が水の場合には、種々の界面活性剤を用
いて常温で液体のフッ素化合物をエマルジョン化したも
のを用いることが好ましい。例えば、パーフルオロポリ
エーテルのエマルジョン(O/W型)が挙げられる。エ
マルジョン径は、液滴の大きさの0.1倍以下が好まし
い。エマルジョン径が、液滴の大きさの0.1倍を超え
ると生成粒子よりもエマルジョンが大きくなり、粒子生
成が困難となる。
せる屈折率の低い物質として、常温で液体のフッ素化合
物を用いることができるが、この場合、屈折率制御の自
由度を増やすために前記のような金属酸化物及び/又は
常温で固体のフッ素化合物に加えて併用して用いられ
る。
子の組み合わせとしては、子粒子がTiO2 及び/又は
ZnOであり、母粒子がSiO2 又はSiO2 及びパー
フルオロポリエーテルである場合が、紫外線遮蔽剤とし
ての安全性、安定性の点より好ましい。
うな金属酸化物及びフッ素化合物に該当しない物質が含
まれていても良い。例えばゾルの噴霧乾燥により複合微
粒子を製造する場合、原料ゾルの安定化剤、あるいはゾ
ル粒子の被覆剤等が母粒子中に混入することがあるが、
複合微粒子の光学特性の発現を妨げなければ、それらが
混入していてもかまわない。
の調製と前記の製造装置を用いた複合微粒子の製造方法
について具体的に述べる。原料液を調製するに際し、前
述の子粒子原料及び母粒子原料を含む混合液は、製造し
た複合微粒子表面及び/又は内部で子粒子が分散した状
態で存在できるように、子粒子原料と母粒子原料がよく
混和して、母粒子中で子粒子が分散しやすいように混合
液を均一混合させることが重要である。
としては、水あるいは有機溶媒が用いられるが、原料液
滴の乾燥や熱分解を妨げないものが好ましい。有機溶媒
の例としては、メタノール、エタノール等のアルコール
や、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、ヘキサメチルホスホルアミド等の極性溶媒が挙げ
られ、原料液滴の乾燥及び/又は熱分解による紫外線遮
蔽性複合微粒子の生成に悪影響を及ぼさなければ、前述
の金属塩溶液の溶媒と同じもしくは異なってもよい。
含む混合液中の子粒子の濃度は、10-5〜10mol/
Lの範囲が好ましく、望ましくは10-4〜1mol/L
の範囲が良い。その理由は、濃度が10-5mol/Lよ
り低い場合、複合微粒子中での子粒子量が極端に少なく
子粒子の光学特性の発現が困難であり、また10mol
/Lより高い場合、液全体の比重が増加し過ぎて微小液
滴化が困難となるからである。
含む混合液中の金属塩又はフッ素化合物の濃度は、10
-5〜20mol/Lの範囲が好ましく、望ましくは10
-4〜10mol/Lの範囲が良い。その理由は、濃度が
10-5mol/Lより低い場合、金属酸化物微粒子又は
フッ素化合物微粒子の生成量が極端に少なくなり、また
20mol/Lより高い場合、液の粘度が増加し過ぎて
液滴化が困難となるからである。
滴の平均液滴径は、0.1〜2000μm、好ましくは
0.1〜1000μm、特に好ましくは0.1〜500
μmの範囲で、液滴径分布はなるべく狭いものが好まし
い。平均液滴径が0.1μmより小さい場合、もしくは
2000μmより大きい場合、その程度の大きさの液滴
を発生させることは困難である。なお、液滴径は気液混
相の状態で測定することが好ましく、例えば、光散乱式
粒度分布計測機で測定できる。
スにより乾燥管または反応管内に送り、乾燥及び/又は
熱分解により本発明の紫外線遮蔽性複合微粒子が得られ
る。ここで、キャリアーガスの流量は、乾燥管または反
応管内における原料液滴を含むキャリアーガスの滞留時
間が1秒より短くならないようにキャリアーガスの流量
を調節するのが好ましい。また、乾燥管又は反応管の温
度は、原料の種類及び溶媒の種類によって適当に設定す
れば良く、100〜1500℃の範囲が好ましく、10
0〜1000℃の範囲がより好ましい。この範囲未満で
は乾燥速度及び/又は熱分解反応速度が極端に低くなる
ために粒子生成が困難となる傾向があり、またこの範囲
を越えると溶媒の急激な蒸発などにより、粒子の形や粒
子径制御が困難となる傾向があり好ましくない。
のような製造方法により得られるものであるが、その構
造は母粒子については、一次粒子がその形状を保持した
まま近密に凝集してなる凝集体であり、子粒子が母粒子
表面及び母粒子内部に分散して存在するものである。も
し、子粒子の分散性が悪ければ、子粒子の光学特性が発
現しなくなる。母粒子の表面に存在する子粒子に当たっ
た紫外線は、一部が吸収され残りが複合微粒子の外に散
乱されるが、子粒子に当たらずに母粒子の内部に侵入し
た紫外線は、母粒子内部に存在する子粒子により紫外線
の吸収・散乱が起き、紫外線が効果的に遮蔽される。
さや形状は特に規定されない。使用場面に応じて様々な
大きさの球状等が用いられる。例えば化粧品用の粉体と
しては1〜10μmの球状粒子が肌触りの感触やハンド
リング等の面で好ましい。
は、噴霧液滴中の原料濃度の調整により、0.01〜5
00μmの範囲のものが得られる。なかでも複合微粒子
のハンドリングを良くするためには、複合微粒子の粒子
径は0.1〜500μmの範囲であることが好ましく、
更に0.5〜100μmの範囲が好ましく、特に1〜5
0μmの範囲が好ましい。この範囲より小さいと複合微
粒子の表面処理等が難しくなる傾向があり、この範囲を
越えると、化粧品等に適用した場合、粒子が大き過ぎ
て、媒質中で数多く複合微粒子を分散させることが難し
く紫外線遮蔽が効果的に発現しにくくなる傾向があるか
らである。尚、生成粒子径は、種々の方法で測定できる
が、例えば走査型または透過型電子顕微鏡により測定で
きる。
複合微粒子内で著しい凝集を起こすことなく分散する程
度であればよく、通常0.1〜50体積%、好ましくは
0.1〜30体積%で、更に好ましくは0.5〜20体
積%である。また、母粒子が金属酸化物及びフッ素化合
物を含有する場合、フッ素化合物の割合は、少なくとも
1重量%以上である。
性は、例えば、紫外線・可視光分光分析による光透過率
の測定により、その定量化が可能である。本発明の複合
微粒子の好ましい紫外線遮蔽能としては、複合微粒子の
屈折率と同程度の屈折率を有する媒質中に懸濁し、光路
長1mmの光学セルを用いて紫外可視分光分析により光
透過率を測定したとき、波長800nmにおいて透過率
90%以上、波長400nmにおいて透過率40%以上
で、かつ波長、350nm、320nm、及び300n
mの少なくともいずれかにおいて透過率5%以下であ
る。この性能により、特に可視光線域での高透明性を満
足させるとともに紫外域での高遮蔽性を満足させること
ができる。なお、複合微粒子の屈折率と同程度とは、複
合微粒子と媒質との屈折率の差が±0.1以内、好まし
くは±0.05以内を意味する。
評価は、具体的には以下のようにして行われる。複合微
粒子の屈折率と同程度の屈折率を有する媒質に複合微粒
子を加えて懸濁し、任意の濃度の複合微粒子懸濁液を調
製する。懸濁液が均一になるように、撹拌するとともに
超音波分散器等を用いて複合微粒子をよく分散させる。
光路長1mmの光学セルを用意し、この中に懸濁液を満
たす。光学セルは紫外及び可視光線域で吸収や散乱のな
いもので、例えば石英セル等が用いられる。紫外可視分
光光度計を用いてこの光学セルを透過する光の透過率を
測定する。このとき同等の光学セルに複合微粒子懸濁前
の媒質のみ満たしたものを対照として用い、バックグラ
ウンドの除去を行う。
する化粧料の目的に応じて適宜疎水化処理をして使用す
ることができる。上記疎水化処理の方法としては、メチ
ルハイドロジェンポリシロキサン、高粘度シリコーンオ
イル、シリコーン樹脂等のシリコーン化合物による処
理、アニオン活性剤、カチオン活性剤等の界面活性剤に
よる処理、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリ
エチレン、テフロン、ポリアミノ酸等の高分子化合物に
よる処理、パーフルオロ基含有化合物、レシチン、コラ
ーゲン、金属石鹸、親油性ワックス、多価アルコール部
分エステル又は完全エステル等による処理等の方法が挙
げられる。但し、一般に粉末の疎水化処理に適用できる
方法であれば良く、これらの方法に限定されるものでは
ない。
合微粒子の他に、通常化粧料に用いられる他の成分を必
要に応じて適宜配合することができる。以下に列挙す
る。
雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成フッ素金雲母、バ
ーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、
珪ソウ土、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケ
イ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、硫酸バリウム、ケ
イ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、シリカ、
ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、窒化ホウ素、セラ
ミックスパウダー等の無機粉末。
ウダー、ポリスチレンパウダー、ベンゾグアナミン樹脂
パウダー、ポリ四弗化エチレンパウダー、ジスチレンベ
ンゼンポリマーパウダー、エポキシ樹脂パウダー、アク
リル樹脂パウダー、微結晶性セルロース等の有機粉体。
顔料;酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系
顔料;γ酸化鉄等の無機褐色系顔料;黄酸化鉄、黄土等
の無機黄色系顔料;黒酸化鉄、カーボンブラック等の無
機黒色系顔料;マンガンバイオレット、コバルトバイオ
レット等の無機紫色系顔料;酸化クロム、水酸化クロ
ム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料;群青、紺青
等の無機青色系顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化チタン
被覆オキシ塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、酸化チ
タン被覆タルク、魚鱗箔、着色酸化チタン被覆雲母等の
パール顔料;アルミニウムパウダー、カッパーパウダー
等の金属粉末顔料。
204号、赤色205号、赤色220号、赤色226
号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色
204号、黄色205号、黄色401号及び青色404
号等の有機顔料;赤色3号、赤色104号、赤色106
号、赤色227号、赤色230号の(1)、赤色230
号の(2)、赤色401号、赤色505号、橙色205
号、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色
202号の(2)、黄色203号、緑色3号及び青色1
号のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等
の有機顔料。
然色素。
流動パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワッ
クス、オゾケライト、セレシン、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン
酸、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレ
イルアルコール、2−エチルヘキサン酸セチル、パルミ
チン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−オクチル
ドデシル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリ
コール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセロール、オ
レイン酸2−オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロ
ピル、トリイソステアリン酸グリセロール、トリヤシ油
脂肪酸グリセロール、オリーブ油、アボガド油、椿油、
ホホバ油、ミツロウ、鯨ロウ、カルナウバロウ、ミリス
チン酸ミリスチル、ミンク油、ラノリン等の各種炭化水
素、高級脂肪酸類、油脂類、エステル類、高級アルコー
ル類、ロウ類、揮発性シリコーンや不揮発性シリコーン
油等のシリコーン油類。
剤も、必要に応じて適宜配合することができる。 1)安息香酸誘導体系 パラアミノ安息香酸(PABA)、PABAモノグリセ
リンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエ
ステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、
N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジ
メチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPA
BAアミルエステル、N,N−ジチメルPABAオクチ
ルエステル等 2)アントラニル酸誘導体系 ホモメンチル N−アセチルアントラニレート等 3)サリチル酸誘導体系 アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメン
チルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサ
リシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノ
ールフェニルサリシレート等 4)桂皮酸誘導体系 オクチルシンナメート、エチル 4−イソプロピルシン
ナメート、メチル 2,5−ジイソプロピルシンナメー
ト、エチル 2,4−ジイソプロピルシンナメート、メ
チル 2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル
p−メトキシシンナメート、イソプロピル p−メト
キシシンナメート、イソアミル p−メトキシシンナメ
ート、オクチル p−メトキシシンナメート(2−エチ
ルヘキシル p−メトキシシンナメート)、2−エトキ
シエチル p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル
p−メトキシシンナメート、エチル α−シアノ−β
−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル α−シ
アノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ 2
−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等 5)ベンゾフェノン誘導体系 2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒ
ドロキシ 4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ
ヒドロキシ 4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノン、2−
ヒドロキシ 4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ 4−メトキシベンゾフェノン−5
−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エ
チルヘキシル 4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−
カルボキシレート、2−ヒドロキシ 4−n−オクトキ
シベンゾフェノン、4−ヒドロキシ 3−カルボキシベ
ンゾフェノン等 6)その他の紫外線吸収剤 3−(4’−メチルベンジリデン) d,l−カンファ
ー、3−ベンジリデンd,l−カンファー、ウロカニン
酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル 5−
メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ 5−
メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒド
ロキシ−5’ t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、ジベンザラシン、ジアニソイルメタン、4−メト
キシ4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,
3’−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタ
ン−2−オン、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−
4,4’−ジメチル−1,3−ペンタジオン等
宜配合することができる。このような界面活性剤として
は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油アルキ
ル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エス
テル、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンア
ルキルリン酸エステル、脂肪酸アルカリ金属塩、ソルビ
タン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等が挙
げられる。
に応じて適宜配合することができる。このような水溶性
多価アルコールとしては分子内に水酸基を2個以上含有
する水溶性多価アルコールで、例えば、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、1,4−ブチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、グリセリン、及びジグリセリン、トリグリセリ
ン、テトラグリセリンなどのポリグリセリン、グルコー
ス、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラクトー
ス、キシリトース、ソルビトール、マルトトリオース、
スレイトール、エリスリトール、デンプン分解糖還元ア
ルコール等が挙げられる。
ミノ酸類;乳酸、クエン酸、コハク酸、グリコール酸等
の有機酸類及びこれらの有機酸塩類;アルキッド樹脂、
尿素樹脂等の樹脂類;カンファ、クエン酸トリブチル等
の可塑剤類;α−トコフェロール等の酸化防止剤;ブチ
ルパラベン、メチルパラベン等の防腐剤;ヤグルマギ
ク、アルテア、オトギリソウ等の植物抽出物;レチノー
ル、アラントイン等の薬効剤;キサンタンガム、カラギ
ーナン等の増粘剤;その他香料等も適宜配合することが
できる。
における配合量は、化粧料の種類により異なるが、0.
1〜60重量%が好ましく、0.2〜40重量%がさら
に好ましく、0.5〜30重量%が特に好ましい。この
範囲未満では紫外線遮蔽効果が充分発揮できず、この範
囲を超えてもそれに見合った効果は得られない。
で使用され、その形態は特に制限されないが、化粧水、
乳液、クリーム、軟膏、エアゾール化粧料、パウダーフ
ァンデーション、パウダーアイシャドー、乳化型ファン
デーション、口紅等のメーキャップ化粧料等として使用
される。
発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施
例等によって限定されるものではない。
濃度20.5重量%)73.3g、酸化チタンゾル(多
木化学工業(株)製チタニアゾル、アナターゼ型、Ti
O2 濃度4重量%)25.0g及び水を混合して1Lと
し、原料液とした。(即ち、当該原料液のSiO2 及び
TiO2 の濃度はそれぞれ0.25mol/L及び0.
0125mol/Lであり、当該原料液は粒子混合物を
1.6重量%含有するものである。) 上記の原料液中の微粒子の分散性及び均一混合性の向上
を促すために、原料液を適当に攪拌後、超音波分散処理
(約30分間)を行った。続いて当該原料液を超音波式
ネブライザー(オムロン(株)製NE−U12)によっ
て噴霧し、平均径約5μmの微小な液滴とした。これを
流量が4L/minに制御された窒素キャリアーガスに
同伴させ、外部から電気炉によって150℃に加熱した
セラミックチューブ製乾燥管(ニッカトー(株)製ムラ
イトチューブ、内径60mm、長さ750mm)内を通
過させて乾燥し、微粒子を生成させた。窒素キャリアー
ガス中に分散した状態の生成複合微粒子は、拡散荷電型
静電捕集器により捕集した。
を示した。走査型電子顕微鏡により観察した結果、平均
粒子径約1μmのほぼ真球状粒子であり、透過型電子顕
微鏡を用いた超薄切片法によりその断面を観察した結
果、SiO2 超微粒子(平均粒子径約0.01μm)の
凝集体の中にTiO2 超微粒子(平均粒子径約0.01
μm)が分散・固定化されて存在していることがわかっ
た。すなわちこの粒子は、SiO2 (バンドギャップエ
ネルギーが約6.2eV、屈折率が約1.46)の凝集
体が母粒子であり、TiO2 (バンドギャップエネルギ
ーが約3.4eV、屈折率が約2.52(アナターゼ
型))が子粒子であるTiO2 /SiO2 複合微粒子で
あった。
iO2 及びTiO2 の粒子密度をそれぞれ2.27g/
cm3 、3.84g/cm3 とし、原料液の組成比から
計算して、約3.8体積%であり、BET法による当該
複合微粒子の比表面積値は約230m2 /gであった。
子の屈折率は約1.5であるので、複合微粒子の分散媒
として、グリセリン(屈折率=1.47)中にこの粒子
20mgを懸濁させ、粒子が1重量%懸濁したグリセリ
ン懸濁液2gを調製した。これについて紫外可視分光光
学計(島津製作所製UV−160A)により光透過率を
測定した。光路長1mmの石英セルを用いて波長域20
0〜800nmでの光透過率を測定した結果を図2に示
す。
B及びC領域において光透過率がほぼ0%になっている
と同時に、400nmで55%、800nmで91%と
波長400〜800nmの可視光全域において光透過率
が非常に高い値になっており、生成複合微粒子は可視光
線域における高透明性及び紫外線域における高遮蔽性を
有していることがわかった。
量で、PFPE(パーフルオロポリエーテル)のO/W
エマルジョン(日光ケミカルズ(株)製FOMBLIN
HC/04水溶化ベース、平均エマルジョン径約0.
26μm、エマルジョン濃度65重量%)2.31g及
び水を混合して1Lとし、原料液とした。(即ち、Si
O2 、TiO2 及びPFPEの濃度はそれぞれ0.25
mol/L、0.0125mol/L及び0.001m
ol/Lであり、当該原料液は粒子混合物を1.75重
量%含有するものである。)
実施例1に倣ってこの原料液の噴霧乾燥により、SiO
2 及びPFPEの混合物が母粒子であり、TiO2 が子
粒子である複合微粒子を生成させた。
らかな肌触りを示した。実施例1と同様の方法により粒
子の形状等を観察した結果、平均粒子径約1μmのほぼ
真球状粒子であり、SiO2 超微粒子(平均粒子径約
0.01μm)及びPFPEの混合物を材料とする母粒
子中にTiO2 超微粒子(平均粒子径約0.01μm)
が分散・固定化されて存在していることがわかった。す
なわちこの粒子は、SiO2 及びPFPE(屈折率が約
1.29)の混合物を材料とする母粒子であり、TiO
2 が子粒子であるTiO2 /(PFPE,SiO2 )複
合微粒子であった。
FPEの粒子密度を1.87g/cm3 とし、原料液の
組成比から計算して、約3.4体積%であり、BET法
による当該複合微粒子の比表面積値は約90m2 /gで
あった。
子の屈折率は約1.48であるので、複合微粒子の分散
媒として、グリセリン(屈折率=1.47)中にこの粒
子20mgを懸濁させ、粒子が1重量%懸濁したグリセ
リン懸濁液2gを調製した。実施例1と同様の方法によ
りグリセリン懸濁液の光透過率を測定した結果を図2に
示す。
B及びC領域において光透過率がほぼ0%になっている
と同時に、400nmで81%、800nmで98%と
波長400〜800nmの可視光全域において光透過率
が極めて高い値になっており、生成複合粒子は可視光線
域における高透明性及び紫外線域における高遮蔽性を有
していることがわかった。
量で、PFPEのO/Wエマルジョン(実施例2に同
じ)9.24g及び水を混合して1Lとし、原料液とし
た。(即ち、SiO2 、TiO2 及びPFPEの濃度は
それぞれ0.25mol/L、0.0125mol/L
及び0.004mol/Lであり、当該原料液は粒子混
合物を2.2重量%含有するものである。)
により、SiO2 及びPFPEの混合物が母粒子であ
り、TiO2 が子粒子である複合微粒子を生成させた。
潤性のあるなめらかな肌触りを示した。実施例1と同様
の方法により粒子の形状等を観察した結果、平均粒子径
約1μmのほぼ真球状粒子であり、SiO2 超微粒子
(平均粒子径約0.01μm)及びPFPEの混合物を
材料とする母粒子中にTiO2 超微粒子(平均粒子径約
0.01μm)が分散・固定化されて存在していること
がわかった。すなわちこの粒子は、SiO2 及びPFP
Eの混合物を材料とする母粒子であり、TiO2が子粒
子であるTiO2 /(PFPE,SiO2 )複合微粒子
であった。
施例2と同様に原料液の組成比から計算して、約2.6
体積%であり、BET法による当該複合微粒子の比表面
積値は約46m2 /gであった。
子の屈折率は約1.44であるので、複合微粒子の分散
媒として、リンゴ酸ジステアリル(日清製油(株)製コ
スモール222、屈折率=1.46)を用い、この粒子
について実施例1と同様の方法により、粒子が1重量%
懸濁したリンゴ酸ジステアリル懸濁液の光透過率を測定
した結果を図3に示す。
B及びC領域において光透過率がほぼ0%になっている
と同時に、400nmで72%、800nmで96%と
波長400〜800nmの可視光全域において光透過率
が極めて高い値になっており、生成複合粒子は可視光線
域における高透明性及び紫外線域における高遮蔽性を有
していることがわかった。
微粒子(堺化学工業(株)製FINEX75)0.81
4g及び水を混合して1Lとし、原料液とした。(即
ち、SiO2 及びZnOの濃度はそれぞれ0.25mo
l/L及び0.01mol/Lであり、当該原料液は粒
子混合物を1.58重量%含有するものである。)
イザー(株)製LA31)を用いて、圧力1300kg
f/cm2 、パス回数10回の条件にて行った。キャリ
アーガスに空気を用い、乾燥管の設定温度を500℃と
した以外は実施例1に倣って、この原料液の噴霧乾燥に
より、SiO2 が母粒子であり、ZnOが子粒子である
複合微粒子を生成させた。
を示した。実施例1と同様の方法により粒子の形状等を
観察した結果、平均粒子径約1μmのほぼ真球状粒子で
あり、SiO2 超微粒子(平均粒子径約0.01μm)
の凝集体の中にZnO超微粒子(平均粒子径約0.01
μm)が分散・固定化されて存在していることがわかっ
た。すなわちこの粒子は、SiO2 の凝集体が母粒子で
あり、ZnO(バンドギャップエネルギーが約3.2e
V、屈折率が約1.99)が子粒子であるZnO/Si
O2 複合微粒子であった。
nOの粒子密度を5.78g/cm3 (ウルツ鉱型)と
し、原料液の組成比から計算して、約2.1体積%であ
り、BET法による当該複合微粒子の比表面積値は約1
60m2 /gであった。
子の屈折率は約1.47であるので、複合微粒子の分散
媒として、リンゴ酸ジステアリル(実施例3に同じ)を
用い、リンゴ酸ジステアリル中にこの粒子120mgを
懸濁させ、粒子が6重量%懸濁したリンゴ酸ジステアリ
ル懸濁液2gを調製した。これについて実施例1と同様
の方法により光透過率を測定した結果を図4に示す。
A、B及びC領域において光透過率がほぼ0%になって
いると同時に、400nmで90%、800nmでほぼ
100%と波長400〜800nmの可視光全域におい
て光透過率が極めて高い値になっており、生成複合粒子
は可視光線域における高透明性及び紫外線域における高
遮蔽性を有していることがわかった。
−10、MgF2 濃度10.5重量%)148g、酸化
チタン超微粒子(石原産業(株)製TTO−51
(A)、ルチル型)1.00g及び水を混合して1Lと
し、原料液とした。(即ち、MgF2 及びTiO2 の濃
度はそれぞれ0.25mol/L及び0.0125mo
l/Lであり、当該原料液は粒子混合物を1.66重量
%含有するものである。)
0.1mm)を重量比で325:175になるように混
合した溶液を、ビーズミル(IGARASHIKIKA
I製TSG−6H)を用いて、翼回転数2000r.
p.m.、6時間の分散処理を行った。キャリアーガス
に空気を用い、乾燥管の設定温度を850℃とした以外
は実施例1に倣って、ガラスビーズと分離した原料液の
噴霧乾燥により、MgF2が母粒子であり、TiO2 が
子粒子である複合微粒子を生成させた。
触りを示した。実施例1と同様の方法により粒子の形状
等を観察した結果、平均粒子径約1μmの球状粒子であ
り、MgF2 超微粒子(平均粒子径約0.02μm)の
凝集体の中にTiO2 超微粒子(平均粒子径約0.01
μm)が分散して存在していることがわかった。すなわ
ちこの粒子は、MgF2 (バンドギャップエネルギーが
約6eV、屈折率が約1.38)の凝集体が母粒子であ
り、TiO2 (バンドギャップエネルギーが約3.3e
V、屈折率が約2.71)が子粒子であるTiO2 /M
gF2 複合微粒子であった。
gF2 の粒子密度を3.15g/cm3 とし、原料液の
組成比から計算して、約5.0体積%であり、BET法
による当該複合微粒子の比表面積値は約130m2 /g
であった。
子の屈折率は約1.45であるので、複合微粒子の分散
媒として、エチレングリコール(屈折率=1.43)中
にこの粒子20mgを懸濁させ、粒子が1重量%懸濁し
たエチレングリコール懸濁液2gを調製した。これにつ
いて実施例1と同様の方法により光透過率を測定した結
果を図5に示す。
A、B及びC領域において光透過率がほぼ0%になって
いると同時に、400nmで60%、800nmで98
%と波長400〜800nmの可視光全域において光透
過率が極めて高い値になっており、生成複合粒子は可視
光線域における高透明性及び紫外線域における高遮蔽性
を有していることがわかった。
工業(株)製ルブロンL5、平均粒子径0.2μm)1
5g、酸化亜鉛超微粒子(実施例4に同じ)0.814
g及び水を混合して1Lとし、原料液とした。(即ち、
PTFE及びZnOの濃度はそれぞれ1.0×10-4m
ol/L及び0.01mol/Lであり、当該原料液は
粒子混合物を1.58重量%含有するものである。)
分散機を用いて行った。キャリアーガスに空気を用い、
乾燥管の設定温度を200℃とした以外は実施例1に倣
って、この原料液の噴霧乾燥により、PTFEが母粒子
であり、ZnOが子粒子である複合微粒子を生成させ
た。
触りを示した。実施例1と同様の方法により粒子の形状
等を観察した結果、平均粒子径約1μmの球状粒子であ
り、PTFE微粒子(平均粒子径約0.2μm)の凝集
体の中にZnO超微粒子(平均粒子径約0.01μm)
が分散・固定化されて存在していることがわかった。す
なわちこの粒子は、PTFE(屈折率が約1.41)の
凝集体が母粒子であり、ZnOが子粒子であるZnO/
PTFE複合微粒子であった。
TFEの密度を2.2g/cm3 とし、原料液の組成比
から計算して、約2.0体積%であり、BET法による
当該複合微粒子の比表面積値は約85m2 /gであっ
た。
子の屈折率は約1.42であるので、複合微粒子の分散
媒として、エチレングリコール(実施例5に同じ)を用
い、エチレングリコール中にこの粒子120mgを懸濁
させ、粒子が6重量%懸濁したエチレングリコール懸濁
液2gを調製した。これについて実施例1と同様の方法
により光透過率を測定した結果を図6に示す。
A、B及びC領域において光透過率がほぼ0%になって
いると同時に、400nmで62%、800nmで90
%と波長400〜800nmの可視光全域において光透
過率が非常に高い値になっており、生成複合粒子は可視
光線域における高透明性及び紫外線域における高遮蔽性
を有していることがわかった。
(NO3 )3 ・9H2 O(特級試薬)を水に溶解させて
溶液濃度を1.0mol/Lとしたもの)500g、酸
化セリウムゾル(多木化学(株)製、ニードラールW−
15、CeO2 濃度15重量%)11.5g及び水を混
合して1Lとし、原料液とした。(即ち、Al2 O3 及
びCeO2 の濃度はそれぞれ0.25mol/L及び
0.01mol/Lであり、当該原料液は粒子混合物を
2.72重量%含有するものである。)
の向上を促すために、実施例1と同様に原料液を適当に
攪拌後、超音波分散処理(約30分間)を行った。実施
例1と同様の装置にて、反応管設定温度を850℃とし
て、反応管内にて水の蒸発及び硝酸アルミニウムの熱分
解により母粒子である酸化アルミニウム超微粒子を生成
させ、複合微粒子を生成させた。
触りを示した。実施例1と同様の方法により粒子の形状
等を観察した結果、平均粒子径約1μmの球状粒子であ
り、Al2 O3 超微粒子(平均粒子径約0.01μm)
の凝集体の中にCeO2 超微粒子(平均粒子径約0.0
1μm)が分散・固定化されて存在していることがわか
った。すなわちこの粒子は、Al2 O3 (バンドギャッ
プエネルギーが約8.3eV、屈折率が約1.73)の
凝集体が母粒子であり、CeO2 (バンドギャップエネ
ルギーが約3eV、屈折率が約2)が子粒子であるCe
O2 /Al2 O3 複合微粒子であった。なお、X線回折
法より、生成複合微粒子中のAl2 O3の結晶性はγ型
であった。
l2 O3 及びCeO2 の粒子密度をそれぞれ3.99g
/cm3 、7.13g/cm3 とし、原料液の組成比か
ら計算して、約3.6体積%であり、BET法による当
該複合微粒子の比表面積値は約115m2 /gであっ
た。
子の屈折率は約1.74であるので、複合微粒子の分散
媒として、ジヨードメタン(屈折率=1.74)中にこ
の粒子120mgを懸濁させ、粒子が6重量%懸濁した
ジヨードメタン懸濁液2gを調製した。これについて実
施例1と同様の方法により波長域200〜800nmで
の光透過率を測定した結果を図7に示す。
A、B及びC領域において光透過率がほぼ0%になって
いると同時に、400nmで41%、800nmで光透
過率が98%となり、生成粒子は若干黄色味を呈してい
るものの、生成複合粒子は可視光線域における高透明性
及び紫外線域における高遮蔽性を有していることがわか
った。
ネシウムゾル(実施例5に同じ)44.5g及び硝酸亜
鉛水溶液(和光純薬工業(株)製硝酸亜鉛六水塩(特級
試薬)を水に溶解させて溶液濃度を0.01mol/L
としたもの)を混合して1Lとし、原料液とした。(即
ち、SiO2 、MgF2 及びZn(NO3 )2 の濃度は
それぞれ0.175mol/L、0.075mol/L
であり、当該原料液は粒子混合物を1.52重量%含有
するものである。)
の向上を促すために、実施例1と同様に原料液を適当に
攪拌後、超音波分散処理(約30分間)を行った。実施
例1と同様の装置にて、反応管設定温度を700℃とし
て、反応管内にて水の蒸発及び硝酸亜鉛の熱分解により
子粒子である酸化亜鉛超微粒子を生成させ、複合微粒子
を生成させた。実施例1と同様に、窒素キャリアーガス
中に分散した状態の生成微粒子は、拡散荷電型静電捕集
器により捕集された。
触りを示した。実施例1と同様の方法により粒子の形状
等を観察した結果、平均粒子径約1μmの球状粒子であ
り、SiO2 超微粒子(平均粒子径約0.01μm)及
びMgF2 微粒子(平均粒子径約0.02μm)の凝集
体の中にZnO超微粒子(平均粒子径約0.01μm)
が分散・固定化されて存在していることがわかった。す
なわちこの粒子は、SiO2 及びMgF2 の凝集体が母
粒子であり、ZnOが子粒子であるZnO/(SiO2
+MgF2 )複合微粒子であった。なお、X線回折法よ
り、生成複合微粒子中のZnOの結晶性はウルツ鉱型で
あった。
料液の組成比から計算して、約2.3体積%であり、B
ET法による当該複合微粒子の比表面積値は約145m
2 /gであった。
子の屈折率は約1.45であるので、複合微粒子の分散
媒として、リンゴ酸ジステアリル溶液(実施例3に同
じ)中にこの粒子20mgを懸濁させ、粒子が1重量%
懸濁したリンゴ酸ジステアリル懸濁液2gを調製した。
実施例1と同様の方法により当該懸濁液の光透過率を測
定した結果を図8に示す。
A、B及びC領域において光透過率がほぼ0%になって
いると同時に、400nmで81%、800nmで96
%と波長400〜800nmの可視光全域において光透
過率が極めて高い値になっており、生成複合粒子は可視
光線域における高透明性及び紫外線域における高遮蔽性
を有していることがわかった。
酸化亜鉛超微粒子(実施例4に同じ)0.814g及び
水を混合して1Lとし、原料液とした。(即ち、MgF
2 及びZnOの濃度はそれぞれ0.25mol/L及び
0.01mol/Lであり、当該原料液は粒子混合物を
1.64重量%含有するものである。)
処理を行った。キャリアーガスに空気を用い、乾燥管の
設定温度を500℃とした以外は実施例1に倣って、ガ
ラスビーズと分離した原料液の噴霧乾燥により、MgF
2 が母粒子であり、ZnOが子粒子である複合微粒子を
生成させた。
触りを示した。実施例1と同様の方法により粒子の形状
等を観察した結果、平均粒子径約1μmの球状粒子であ
り、MgF2 超微粒子(平均粒子径約0.02μm)の
凝集体の中にZnO超微粒子(平均粒子径約0.01μ
m)が分散・固定化されて存在していることがわかっ
た。すなわちこの粒子は、MgF2 (バンドギャップエ
ネルギーが約6eV、屈折率が約1.38)の凝集体が
母粒子であり、ZnO(バンドギャップエネルギーが約
3.2eV、屈折率が約1.99)が子粒子であるZn
O/MgF2 複合微粒子であった。
gF2 の粒子密度を3.15g/cm3 とし、ZnOの
粒子密度を5.78g/cm3 とし、原料液の組成比か
ら計算して、約2.8体積%であり、BET法による当
該複合微粒子の比表面積値は約135m2 /gであっ
た。
子の屈折率は約1.40であるので、複合微粒子の分散
媒として、50重量%グリセリン水溶液(屈折率=1.
3996)中にこの粒子120mgを懸濁させ、粒子が
6重量%懸濁したグリセリン懸濁液2gを調製した。こ
れについて実施例1と同様の方法により光透過率を測定
した結果を図9に示す。
A、B及びC領域において光透過率がほぼ0%になって
いると同時に、400nmで90%、800nmで98
%と波長400〜800nmの可視光全域において光透
過率が極めて高い値になっており、生成複合粒子は可視
光線域における高透明性及び紫外線域における高遮蔽性
を有していることがわかった。なお、この複合微粒子の
屈折率を液浸法により測定すると、1.3996であっ
た。この値は上記の体積比より計算した屈折率値とほと
んど差がなかった。
白浮きがなく、紫外線遮蔽効果にすぐれた化粧料であっ
た。
浮きがなく、紫外線遮蔽効果にすぐれた化粧料であっ
た。
な白浮きがなく、紫外線遮蔽効果にすぐれた化粧料であ
った。
遮蔽効果にすぐれた化粧料であった。
で混合し、この混合物に対し成分(9)〜(13)を80
℃にて加熱混合したものを添加して混合した。このもの
をパルベライザーで粉砕し、これを金属製の皿に一定量
とり、プレス機で加圧成型してパウダーファンデーショ
ンを調製した。得られたパウダーファンデーションは、
高い紫外線遮蔽効果があり、伸展性が良く、自然な仕上
がりのあるものであった。
で混合し、この混合物に対し成分(7)〜(11)を80
℃にて加熱混合したものを添加して混合する。このもの
をパルベライザーで粉砕し、これを金属製の皿に一定量
とり、プレス機で加圧成型して両用ファンデーションを
調製した。得られた両用ファンデーションは、高い紫外
線遮蔽効果があり、伸展性が良く、自然な仕上がりのあ
るものであった。
で混合し、この混合物に対し成分(8)〜(12)を80
℃にて加熱混合したものを添加して混合する。このもの
をパルベライザーで粉砕し、これを金属製の皿に一定量
とり、プレス機で加圧成型してパウダーアイシャドーを
調製した。得られたパウダーアイシャドーは、高い紫外
線遮蔽効果があり、伸展性が良く、優れた発色性のある
ものであった。
で混合する。別に成分(5)〜(8)を混合し、これに
予め混合しておいた(1)〜(4)を加え攪拌機で分散
混合する。このものに(9)〜(11)の混合物を30分
かけてゆっくりと攪拌しながら添加し、さらに10分間
ホモミキサーで攪拌して乳化する。乳化物を脱泡してボ
トルに充填し、乳化型ファンデーションを調製した。得
られた乳化型ファンデーションは、高い紫外線遮蔽効果
があり、伸展性が良く、自然な仕上がりがあるものであ
った。
均一に混合する。混合物を30℃まで冷却し、三本ロー
ラーで十分に混練し、再び80℃に加熱し、成形用型に
流し込み、冷却固化させ、スティック状口紅を調製し
た。得られたスティック状口紅は、高い紫外線遮蔽効果
があり、伸展性が良く、鮮やかな発色を有するものであ
った。
の媒質中に分散すれば、可視光線域においては高い光透
過率を示し、紫外線域においては子粒子による散乱及び
吸収能が現れて高い遮蔽性を発現する。また触媒活性能
の高い子粒子が母粒子内部にそのほとんどが封入されて
いるので、子粒子の有する触媒活性が周りの媒質等に悪
い影響を与えることが極めて少ない。すなわち、本発明
の複合微粒子は、紫外線遮蔽能を有する超微粒子を複合
微粒子化することにより、可視光線域においては高透明
性で、かつ紫外線域においては高遮蔽性である超微粒子
の光学的性質を、ハンドリングの容易な微粒子サイズに
て安定して発現するという特徴を有するものである。ま
た、本発明の複合微粒子は、いかなる化粧品に配合して
も劣化が生じない。この複合微粒子を配合してなる本発
明の化粧料は、すべりが良く、肌上での伸展性に優れ、
むらづきしないとともに、透明性に優れ、不自然な白浮
きがなく、高い紫外線遮蔽効果を有する化粧料である。
さらに、本発明の複合微粒子は、透明性に優れているの
で、化粧料の色彩を損なうことなく、しかも化粧料への
配合量の自由度が高い。
性複合微粒子の製造装置の一例を示す概略図である。
性複合微粒子の紫外可視分光光度計による光透過率の測
定結果を示すチャート図である。
微粒子の紫外可視分光光度計による光透過率の測定結果
を示すチャート図である。
微粒子の紫外可視分光光度計による光透過率の測定結果
を示すチャート図である。
微粒子の紫外可視分光光度計による光透過率の測定結果
を示すチャート図である。
微粒子の紫外可視分光光度計による光透過率の測定結果
を示すチャート図である。
微粒子の紫外可視分光光度計による光透過率の測定結果
を示すチャート図である。
微粒子の紫外可視分光光度計による光透過率の測定結果
を示すチャート図である。
微粒子の紫外可視分光光度計による光透過率の測定結果
を示すチャート図である。
Claims (22)
- 【請求項1】 一次粒子の平均粒子径が0.001〜
0.3μmである粒子がその形状を保持したまま凝集し
てなる母粒子と、該母粒子内に分散・固定化された平均
粒子径が0.001〜0.1μmの子粒子よりなる複合
微粒子であって、該子粒子が該母粒子を構成する粒子よ
りも小さなバンドギャップエネルギーを有し、かつ紫外
線吸収能を有するものであることを特徴とする、可視光
線域における透明性を有する紫外線遮蔽性複合微粒子。 - 【請求項2】 母粒子を構成する粒子のバンドギャップ
エネルギーが3〜9eVである、請求項1記載の紫外線
遮蔽性複合微粒子。 - 【請求項3】 子粒子のバンドギャップエネルギーが母
粒子を構成する粒子のものより0.2eV以上小さいも
のである、請求項1又は2記載の紫外線遮蔽性複合微粒
子。 - 【請求項4】 子粒子が0.1〜50体積%の割合で母
粒子内に分散・固定化されている、請求項1〜3いずれ
か記載の紫外線遮蔽性複合微粒子。 - 【請求項5】 複合微粒子の平均屈折率が1.3〜1.
8である、請求項1〜4いずれか記載の紫外線遮蔽性複
合微粒子。 - 【請求項6】 複合微粒子の平均粒子径が0.1〜50
0μmである、請求項1〜5いずれか記載の紫外線遮蔽
性複合微粒子。 - 【請求項7】 複合微粒子の比表面積が250m2 /g
未満である、請求項1〜6いずれか記載の紫外線遮蔽性
複合微粒子。 - 【請求項8】 母粒子を構成する粒子が金属酸化物及び
/又はフッ素化合物から選択される請求項1〜7いずれ
か記載の紫外線遮蔽性複合微粒子。 - 【請求項9】 金属酸化物がSiO2 及び/又はAl2
O3 から選択される請求項8記載の紫外線遮蔽性複合微
粒子。 - 【請求項10】 フッ素化合物がMgF2 及び/又はポ
リテトラフルオロエチレンである請求項8又は9記載の
紫外線遮蔽性複合微粒子。 - 【請求項11】 母粒子を構成する粒子が、金属酸化物
及び/又は常温で固体のフッ素化合物に加えてさらにパ
ーフルオロポリエーテルを用いて得られたものである、
請求項8〜10いずれか記載の紫外線遮蔽性複合微粒
子。 - 【請求項12】 子粒子がTiO2 、ZnO、Ce
O2 、BaTiO3 、CaTiO3 、SrTiO3 及び
SiCよりなる群から選択される1種以上である、請求
項1〜11いずれか記載の紫外線遮蔽性複合微粒子。 - 【請求項13】 複合微粒子の屈折率と実質的に同程度
(ただし、±0.1以内の屈折率の差は同程度とみな
す)の屈折率を有する媒質中に懸濁し、光路長1mmの
光学セルを用いて紫外可視分光光度計により光透過率を
測定したとき、波長800nmにおいて透過率90%以
上、波長400nmにおいて透過率40%以上で、かつ
波長350nm、320nm、及び300nmの少なく
ともいずれかにおいて透過率5%以下である請求項1〜
12いずれか記載の紫外線遮蔽性複合微粒子。 - 【請求項14】 以下の工程より得られる、可視光線域
における透明性を有する紫外線遮蔽性複合微粒子。 (a)一次粒子の平均粒子径が0.001〜0.3μm
の母粒子を構成する粒子を含有するゾル及び/又はその
ような粒子を熱分解により生成させ得る溶液からなる母
粒子原料と、平均粒子径が0.001〜0.1μmの子
粒子を含有するゾル、子粒子粉末、及びそのような子粒
子を熱分解により生成させ得る溶液からなる群より選ば
れる一種又は二種以上からなる子粒子原料との混合物を
含有する混合液を調製する工程、(b)該混合液を液滴
化する工程、および(c)得られる液滴を乾燥、及び/
又は前記の熱分解する原料を熱分解させる工程、 - 【請求項15】 以下の工程よりなる、母粒子と該母粒
子内に分散・固定化された子粒子よりなる、可視光線域
における透明性を有する紫外線遮蔽性複合微粒子の製造
方法。 (a)一次粒子の平均粒子径が0.001〜0.3μm
の母粒子を構成する粒子を含有するゾル及び/又はその
ような粒子を熱分解により生成させ得る溶液からなる母
粒子原料と、平均粒子径が0.001〜0.1μmの子
粒子を含有するゾル、子粒子粉末、及びそのような子粒
子を熱分解により生成させ得る溶液からなる群より選ば
れる一種又は二種以上からなる子粒子原料とを、全固体
体積中に子粒子原料が0.1〜50体積%となるように
調製した母粒子原料と子粒子原料の混合物を5重量%未
満含有する混合液を調製する工程、(b)該混合液を液
滴化する工程、および(c)得られる液滴を100〜1
000℃雰囲気中にて乾燥、及び/又は前記の熱分解す
る原料を熱分解させる工程、 - 【請求項16】 以下の工程よりなる、母粒子と該母粒
子内に分散・固定化された子粒子よりなる、可視光線域
における透明性を有する紫外線遮蔽性複合微粒子の製造
方法。 (a)一次粒子の平均粒子径が0.001〜0.3μm
の母粒子を構成する粒子を含有するゾルと、平均粒子径
が0.001〜0.1μmの子粒子を含有するゾルとを
全固体体積中に子粒子が0.1〜50体積%となるよう
に調製した粒子混合物を5重量%未満含有する混合液を
調製する工程、(b)該混合液を平均液滴径が0.1〜
2000μmの範囲に液滴化する工程、および(c)得
られる液滴を100〜1000℃雰囲気中にて乾燥させ
る工程、 - 【請求項17】 以下の工程よりなる、母粒子と該母粒
子内に分散・固定化された子粒子よりなる、可視光線域
における透明性を有する紫外線遮蔽性複合微粒子の製造
方法。 (a)一次粒子の平均粒子径が0.001〜0.3μm
の母粒子を構成する粒子を含有するゾル中で、平均粒子
径が0.001〜0.1μmの子粒子粉末を解砕又は粉
砕して、全固体体積中に子粒子が0.1〜50体積%と
なる混合液を調製する工程、(b)該混合液を平均液滴
径が0.1〜2000μmの範囲に液滴化する工程、お
よび(c)得られる液滴を100〜1000℃雰囲気中
にて乾燥させる工程、 - 【請求項18】 請求項1〜14記載の紫外線遮蔽性複
合微粒子を含有してなる化粧料。 - 【請求項19】 疎水化処理を施した紫外線遮蔽性複合
微粒子を含有してなる請求項18記載の化粧料。 - 【請求項20】 紫外線防御用に用いられる請求項18
又は19記載の化粧料。 - 【請求項21】 さらに紫外線防御剤を含有することを
特徴とする請求項18〜20いずれか記載の化粧料。 - 【請求項22】 紫外線遮蔽性複合微粒子を0.1〜6
0重量%含有することを特徴とする請求項18〜21い
ずれか記載の化粧料。
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