JPH08127643A - 形状回復性を有するポリエステルプレポリマー - Google Patents

形状回復性を有するポリエステルプレポリマー

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JPH08127643A
JPH08127643A JP25336994A JP25336994A JPH08127643A JP H08127643 A JPH08127643 A JP H08127643A JP 25336994 A JP25336994 A JP 25336994A JP 25336994 A JP25336994 A JP 25336994A JP H08127643 A JPH08127643 A JP H08127643A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 形状回復性が優秀であるだけでなく、耐熱
性、耐薬品性、透明性及び着色性が優秀である形状回復
性プレポリマーを提供する。 【構成】 1種以上のジカルボン酸と1種以上のポリオ
ールから合成され、分子末端に不飽和基を有するポリエ
ステルプレポリマーにおいて、a)前記ジカルボン酸成
分中80モル%以上が芳香族ジカルボン酸であり、b)
前記ポリオール成分中80モル%以上が炭素数2〜10
のジオールであり、c)エステル結合の反復単位が2〜
50であり、d)前記分子末端の不飽和基として架橋可
能なエチレン性不飽和基を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は形状回復特性を有する熱
硬化性高分子プレポリマーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】形状回復材料としては金属と樹脂が知ら
れており、形状回復金属材料としてはチタン−ニッケル
合金、銅−亜鉛−アルミニウム合金のような金属があ
る。しかしながら、これらは金属であるため、加工及び
製品の大量生産が困難であり、比重が大きく、製造費も
汎用するには高すぎるという問題がある。これに対し
て、形状回復樹脂は金属に比べて回復力は劣るが成形が
易しくて大量生産が容易であり、軽く、加工性が優れて
いるという利点がある。形状回復樹脂は、変形時に受け
た応力が一定温度以上で緩和されて変形前の状態に戻る
現象を利用するものである。
【0003】形状回復樹脂に関する従来の技術としては
次のようなものがある。
【0004】特開昭第61−7336号公報には、ポリ
アミドとポリエーテルアミドの共重合体に多官能のアク
リル単量体又はメタクリレートを含有させ、放射線架橋
によって熱回復性を有する物質を製造する技術が開示さ
れている。
【0005】特開昭第59−535520号公報では、
ガラス転移温度が10℃以上であり、数平均分子量が1
00万以上であるポリノルボルネンが紹介されている。
【0006】特開昭第62−275114号公報には、
形状回復性を有するスチレンとブタジエン共重合体が開
示されている。
【0007】特開昭第62−192440号公報には、
形状回復性トランス−ポリイソプレン架橋物が開示され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭61−7336号のものは、後架橋工程が必要であ
り、架橋ポリマーに成形性を付与するためにはゴム状に
しなければならないが、これは室温付近で強度が足り
ず、使用範囲が限定される。又、成形が難しくて反復使
用が困難であり、永久変形が残ることがあるという問題
点がある。
【0009】特開昭59−535520号のものもゴム
状の物質であるため、室温で強度が足りず、また高分子
量で加工性が良くないという問題点がある。
【0010】特開昭62−275114号のものは、変
形と回復の反復において形状回復性が時間の経過につれ
て低下するという問題点がある。
【0011】特開昭62−192440号のものは、形
状回復性は優秀であるが、ジエン結合により耐候性及び
耐熱老化性が下がって、使用中の特性低下を避けること
ができないという問題点がある。
【0012】また、既存の商品化された形状記憶性樹脂
であるポリブタジエン(t型)やスチレン−ブタジエン
共重合体樹脂等は、ジエン系樹脂であるため、一般に耐
熱性や耐薬品性に劣るという問題があった。
【0013】本発明は上記のような従来の問題点を解決
するためになされたものであり、形状回復性が優秀であ
るだけでなく、耐熱性、耐薬品性、さらに透明性や着色
性が優秀である形状回復性プレポリマーを提供すること
をその目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段と作用】本願発明者らは、
上記のような目的を達成するために研究した結果、1種
以上のジカルボン酸と1種以上のポリオールから合成さ
れ、分子末端に不飽和基を有するポリエステルプレポリ
マーにおいて、a)前記ジカルボン酸成分中80モル%
以上が芳香族ジカルボン酸であり、b)前記ポリオール
成分中80モル%以上が炭素数2〜10のジオールであ
り、c)エステル結合の反復単位が2〜50であり、
d)前記分子末端の不飽和基として架橋可能なエチレン
性不飽和基を有するものは、優秀な形状回復性を有する
ことを発見した。
【0015】すなわち、本発明の形状回復性プレポリマ
ーは1種以上のジカルボン酸と1種以上のポリオールを
用いて合成され、分子末端に不飽和基を有するものであ
り、次の構造の反復単位を有する。
【0016】
【化1】
【0017】ただし、上記式中、R は芳香族ジカル
ボン酸の残基、R は脂肪族ジカルボン酸の残基、D
はポリオールの残基、n は1以上の定数、m
は0以上の定数である。
【0018】そして、RはRとRの和の80モル
%以上であり、Dの80モル%以上が炭素数2〜10の
ジオールの残基であり、2≦n+m≦50である。
【0019】以下に、本発明をより詳細に説明する。
【0020】まず、本発明にかかるポリエステルプレポ
リマーにおいては、ジカルボン酸成分の80モル%以上
が1種以上の芳香族ジカルボン酸でなければならない。
この芳香族ジカルボン酸成分のうち、エステル結合がメ
タ又はオルト位置にあるものの含量が、好ましくは20
モル%以上であり、さらに好ましくは40モル%以上で
ある。
【0021】またポリオール成分は、炭素数2〜10の
ジオールがポリオール成分全体の80モル%以上でなけ
ればならない。この炭素数2〜10のジオールのうち2
0モル%以上が、末端のヒドロキシル基を除いた主鎖に
一以上の酸素を有するジオールであることが好ましい。
トリオールや4価以上の多価アルコールは、ポリオール
全体の10モル%以下であることが望ましい。
【0022】そして、本発明のプレポリマーは、主鎖の
反復単位が2以上50以下であるプレポリマーであり、
反復単位が2以下では形状回復性を期待しにくく、50
以上では形状回復性が下がり、変形の固定が難しい。
【0023】また、本発明のプレポリマーは、分子末端
に架橋可能な不飽和基を有していなければならず、両末
端の不飽和基の置換程度は50モル%以上が好ましい。
【0024】以上の要件を満たして合成されたプレポリ
マーは、架橋後、ガラス転移温度が20〜100℃の範
囲に該当し、形状回復性を有することになる。
【0025】このような形状回復性樹脂は硬化して原形
を付与した後、各ガラス転移温度以上の温度で変形を付
与し、ガラス転移温度未満の温度で変形を固定させ、使
用時に各ガラス転移温度以上の温度で再加熱して原形を
回復させることができる。
【0026】本発明において、使用されるジカルボン酸
成分としては具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー
酸等の脂肪族ジカルボン酸と1,4−シクロヘキサンカ
ルボン酸等のシクロアルカンジカルボン酸、及びこれら
の誘導体が挙げられ、ジカルボン酸成分全体の80モル
%以上が芳香族ジカルボン酸になるようにジカルボン酸
の種類を選択する。
【0027】このように芳香族ジカルボン酸成分が80
モル%以上のとき、本発明のプレポリマーから得られる
樹脂は優れた形状回復性を有し、弾性率等の機械的性質
及び耐熱性も良好である。そして、芳香族ジカルボン酸
のうちカルボン酸成分がオルト又はメタ位置にあるもの
の含量が20モル%以上であれば、ガラス転移温度以上
での変形が容易で良好な回復性が得られる。
【0028】本発明において用いられるジオール成分と
しては、ヒドロキノン、ビス(4−ヒドロキシフェノー
ル)スルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェノー
ル)プロパン等の芳香族ジオール及びそのエチレンオキ
シド付加物、エチレングリコール、1,2−プロピレン
グリコール、テトラメチルグリコール、ネオペンチルグ
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノールのような脂環族ジオール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール等のポリアルキレングリコール及びその誘導
体が挙げられる。
【0029】ここで、末端ヒドロキシル基を除いた主鎖
に炭素以外の原子が一以上存在するジオールの含量が、
炭素数2〜10のジオール含量の20モル%以上である
ことが望ましい。このようなジオールの含量が20モル
%以上のとき、良好な形状回復特性を有する成形体が得
られる。このようなジオールの例としては、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール等が挙げられ、こ
のようなジオールがジオールの含量のうち40モル%以
上であれば形状回復性がさらに良くなる。
【0030】3価以上、すなわち官能基を三以上有する
化合物を使用する場合、この化合物の二つの官能基が共
重合ポリエステルにおいて主鎖を形成し、残りが架橋性
官能基として作用するためには、この化合物の共重合体
が生成するエステル結合がエステル結合全体の10モル
%以下になるように共重合させることが望ましく、さら
に望ましくは5モル%以下になるように共重合させる。
10モル%以上であれば、合成時にゲルが形成され、合
成後の粘度が高くなりすぎて成形が難しくなり、又、ガ
ラス転移温度以下では機械的強度が低くなる。
【0031】本発明の物質の合成時に使用するエステル
化反応触媒としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属
又はこれらの酸化物、弱塩基酸、マンガン、ウラン、亜
鉛、カドミウム、ジルコニウム、鉛、チタン、コバルト
及び錫の酸化物、水酸化物と無機酸塩等があり、ジブチ
ル錫オキシド、ジオクチル錫オキシド、ジブチル錫ジク
ロライド等の有機錫化合物を使用することができる。
【0032】これらの触媒の使用量は、触媒の活性によ
って異なり、反応が適当な速度を維持するように決定す
るが、一般的にはジカルボン酸化合物に対して0.00
01〜1重量%の範囲内で使用し、特に0.001〜
0.1重量%の範囲内で使用するのが望ましい。
【0033】分子末端の不飽和基はエステル交換反応で
導入することができ、これに使用し得る化合物には不飽
和基を有するアルコール又は酸がある。
【0034】このような化合物としては、エチレン性不
飽和基を有する化合物が好適に用いられ、その例として
は、アリルアルコール、3−ブテン−1−オール、3−
ブテン−2−オール、1−ペンテン−3−オール、3−
ペンテン−2−オール、2−プロペン−1−オール、1
−ヘキセン−3−オール、t−2−ヘキセン−1−オー
ル、シス−3−ヘキセン−1−オール、t−3−ヘキセ
ン−1−オール、4−ヘキセン−1−オール、5−ヘキ
セン−1−オール等のアルケン類のアルコール等が挙げ
られる。又、不飽和基を有する酸も使用でき、例として
ビニルアセト酸、アリルアセト酸、2−オクタン酸、6
−ヘプタン酸等が挙げられる。
【0035】あるいは、不飽和基を有し、エステル交換
反応後にも反応モル比の調節により不飽和基をプレポリ
マーに残すことができる、ジアリルフタレート、ジアリ
ルイソフタレート、ジアリルテレフタレートのような化
合物を使用してもよい。
【0036】本発明のプレポリマーを得る反応方法とし
ては、各成分を一時に投入して合成してもよく、あるい
は望む分子構造を得るために2段階以上で進行させるこ
ともできる。
【0037】反応温度は通常160〜260℃の範囲内
が適当であるが、反応に使用される原料に応じて適宜選
択するのが望ましく、多段で反応を進行し得るので、原
料の沸点を考慮して、初期には低温で反応を進行させ、
漸次高温で合成するのも一つの方法である。そして、プ
レポリマー反応であるため、大部分の反応が所望の程度
に至るが、反復単位が長くなるほど反応の完結は難しく
なり、反応生成物中に未反応物又は望ましくない副生成
物が残存することもある。この未反応物や副生成物の影
響は小さいので工業的にはこれらを精製せずに使用して
も差支えないが、これらを除去すると亀裂又は反復使用
に対する特性が良くなるので、減圧蒸留、又は、特に高
粘度物から低粘度物質を除去するのに効果が高い薄膜蒸
発器の使用により除去するのがより好ましい。このよう
にして製造されたプレポリマーは、末端の不飽和基を用
いて硬化し成形して用いる。
【0038】本発明の合成物の硬化触媒としては、ラジ
カル触媒を使用することができ、例えば、2,2’−ア
ゾビスイソバレロニトリル等のアゾ化合物、メチルエチ
ルケトンペルオキシド、メチルイソブチルケトンペルオ
キシド、シクロヘキサノンペルオキシド等のケトンペル
オキシド類、ベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロ
ロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、
p−ベンゾイルペルオキシド等のジアシルペルオキシ
ド、2,4,4−トリメチルベンジル−2−ヒドロペル
オキシド、クミンヒドロペルオキシド、t−ブチルペル
オキシド等のヒドロペルオキシド類、ジクミルペルオキ
シド、t−ブチルクミルペルオキシド、ジ−t−ジブチ
ルペルオキシド、トリス(t−ブチルペルオキシド)ト
リアジン等のジアルキルペルオキシド類、1,1−ジ−
t−ブチルペルオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t
−ブチルペルオキシ)ブタン等のペルオキシケタール
類、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペル
オキシ−2−エチルヘキサノエ−ト、t−ブチルペルオ
キシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルペル
オキシアセテート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5
−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシア
セテート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−t
−ブチルペルオキシトリメチルアジペート等のアルキル
ペルオキシエステル類、ジイソプロピルペルオキシジカ
ーボネート、ジ−s−ブチルペルオキシカーボネート、
t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート等のペ
ルカボネート類等が挙げられる。硬化触媒の量はプレポ
リマーに対して0.01〜10重量%、望ましくは0.
1〜5重量%である。
【0039】本発明においては、形状回復力を増大させ
るために、ジオール成分として平均分子量が300〜
6,000のポリアルキレングリコール成分を0.1〜
10モル%使用することができるが、0.1モル%未満
では形状回復特性の改善効果が小さく、10モル%を越
えるとガラス転移温度が低くて室温で弾性体となって形
状回復樹脂としての実用性が小さい。従って、これを使
用する場合には、ガラス転移温度に対する影響を考慮し
て使用量を決定する必要がある。
【0040】さらに、本発明においては、例えばε−カ
プロラクタム、4−オキシ安息香酸等の脂肪族又は芳香
族オキシカルボン酸及びその誘導体や、ペンタエリトリ
ット、グリセロール、トリメチロールペンタン、1,
3,5−トリメチロールベンゼン、トリメリト酸等のよ
うにエステル反応が可能な官能基を3以上有する化合物
を使用することもできる。
【0041】本発明において反復単位が大きくなると、
プレポリマーの粘度が高くなって、普通の攪拌方法では
硬化剤を均一に混合し得ないので、ゴムのようにニーダ
又はロールミルを使用して硬化剤を混合するのが好まし
い。このようにして製造されたコンパウンドは、ゴムの
ように射出又は圧縮成形が可能である。
【0042】本発明のプレポリマーを硬化すると形状の
変形と回復を反復するが、形状回復特性を有するものは
ガラス転移温度未満で形状の固定が可能であるとともに
ガラス転移温度以上では形状を完全に回復することがで
き、ガラス転移温度以下では放置しても形状の変化が起
こらないものである。
【0043】ガラス転移温度以下で変形を固定し得ない
か不完全であるか又はガラス転移温度以上で固定された
変形が回復されなければ、形状回復性がないと言える。
しかし、ガラス転移温度以下で変形でき、これが固定さ
れ、ガラス転移温度以上に回復されると形状回復特性を
有するものと見做すことができる。
【0044】本発明のプレポリマーは、ポリエステル系
樹脂であるため、従来のジエン系形状回復性樹脂よりも
耐熱性、耐薬品性が優れている。そして、アリルエステ
ル系樹脂は、通常の光透過率(t=3mm、t:厚さ)
が92〜93(ASTM D/003、単位:%)であ
り、透明性が優れていることが知られている。従って本
発明により、形状回復性のみならず、耐熱性、耐薬品
性、透明性及び着色性が優れた形状回復性プレポリマー
が得られる。
【0045】本発明の化合物は形状回復性を損なわない
範囲内で紫外線防止剤、難燃剤、顔料等の添加剤を混合
でき、また、他の高分子とブレンドしたり複合化したり
して使用することもできる。
【0046】
【実施例】以下、本発明をより具体的に説明するため
に、実施例及び比較例を示すが、本発明はこれによって
限定されるものではない。
【0047】実施例1 ジアリルイソフタレート54.5モル%、ジエチレング
リコール27.3モル%、ブチレングリコール18.2
モル%と、エステル交換触媒としてモノブチル錫オキシ
ドをジアリルイソフタレート対比で0.05重量%、減
圧可能な反応器に入れ、約230℃でアリルアルコール
を除去しながら4時間以上反応させ、アリルアルコール
の流出がなくなってから、50mmHg以下で1時間減
圧状態を維持して反応を完結した後、反応により合成さ
れたプレポリマーを冷却して反応器から取り出した。
【0048】このようにして合成されたプレポリマー1
00重量部に、硬化剤として2重量部のジクミルペルオ
キシドを入れ、80℃で10分間攪拌しながら50mm
Hg以下の減圧状態を維持して発生する気泡を除去し
た。このようにして硬化触媒が含有された液をモールド
に注ぎ、130℃で5時間硬化した後、離型して、望む
形状の回復性を有する成形物を製造した。
【0049】実施例2〜12 表1のように構成成分と成分比を変化させた以外は、実
施例1と同様の方法でプレポリマーを合成した。
【0050】実施例13、14 表1のように構成成分と成分比を変化させるとともに、
反応時に発生するメタノールを除去し、アリルアルコー
ルは反応系の外部へ排出されないように高性能の分離カ
ラムを使用して反応を進行させた以外は、実施例1と同
様の方法でプレポリマーを合成した。
【0051】比較例1〜12 構成成分と構成比を表2のように変化させた以外は、実
施例1と同様の方法でプレポリマーを合成した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】(形状回復性の評価)上記各実施例及び比
較例により得られたプレポリマーの硬化後の特性を図1
に示した方法により評価し、結果を表3及び表4に示し
た。
【0055】すなわち、図1の(a)に示すような、幅
10mm、厚み4mm、長さ150mmの板状の試片
(1)をガラス転移温度より10℃以上高い水槽に5分
間放置してから取り出し、同(b)に示すように円形に
変形し、次に同(c)および(d)に示すように、固定
補助具(2)に巻き付けた試料をガラス転移温度より1
0℃以上低い水槽に入れて形状を固定させた後、固定さ
れた試片を再び加熱しながら温度による形状の回復程度
を観察した。図中(e)および(f)に示した計算式
は、変形残存度の計算方法の例を示したものである。
【0056】表3および4における形状回復性はガラス
転移温度以上での回復の完成度を基準として表示した。
すなわち、 ・95%以上回復すると(変形残存度が5%未満であると) ○ ・5〜25%で変形が残ると △ ・25%以上変形が残ると × を、それぞれ表示した。
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【発明の効果】上記の構成を有する本発明の形状回復性
化合物は、形状回復性が優秀であるだけでなく耐熱性と
耐化学薬品性が他の熱硬化性形状回復樹脂に比べて特に
優秀である。又、透明性も優秀であるので、他の熱硬化
性形状回復樹脂とは異なり、着色が自在であり、透明性
が要求される成形品の製造に多様に使用できる効果があ
る。
【0060】本発明の化合物は形状回復と回復力を用い
て非可逆的又は可逆的に使用できる用途として使用でき
る。具体的にはパイプの継ぎ手、パイプの内部ライニン
グ、パイプの外部のラミネート、保護リング、Oリン
グ、間隙密閉剤、各種カバー材料、包装用紐、歯列矯正
用ワイヤ、ギブス、人工筋肉、車両のシート、各種レジ
ャー用品、靴の踵、眼鏡の縁、ゴーグル、ブラシ、釣り
糸、繊維、フィルム、ワイシャツ、造花、装身具、玩具
等に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】形状回復性の評価方法を示す図である。
【符号の説明】
1……試片 2……固定補助具

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1種以上のジカルボン酸と1種以上のポリ
    オールから合成され、分子末端に不飽和基を有するポリ
    エステルプレポリマーにおいて、 a)前記ジカルボン酸成分中80モル%以上が芳香族ジ
    カルボン酸であり、 b)前記ポリオール成分中80モル%以上が炭素数2〜
    10のジオールであり、 c)エステル結合の反復単位が2〜50であり、 d)前記分子末端の不飽和基として架橋可能なエチレン
    性不飽和基を有することを特徴とする形状回復性を有す
    るポリエステルプレポリマー。
  2. 【請求項2】前記芳香族ジカルボン酸成分のうち20モ
    ル%以上は、カルボキシル基の位置がメタ又はオルトに
    あることを特徴とする、請求項1に記載の形状回復性を
    有するポリエステルプレポリマー。
  3. 【請求項3】前記炭素数2〜10のジオール成分のうち
    20モル%以上は、末端ヒドロキシル基を除いた主鎖に
    一以上の酸素を有するジオールであることを特徴とす
    る、請求項1又は2に記載の形状回復性を有するポリエ
    ステルプレポリマー。
  4. 【請求項4】全分子末端の50モル%以上に、前記架橋
    可能なエチレン性不飽和基を有することを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の形状回復性を有す
    るポリエステルプレポリマー。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011231161A (ja) * 2010-04-26 2011-11-17 Kaneka Corp 高熱伝導性硬化性樹脂および硬化性樹脂組成物

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