JPH04122712A - 形状記憶能を有するポリエステル成形物 - Google Patents

形状記憶能を有するポリエステル成形物

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JPH04122712A
JPH04122712A JP24352790A JP24352790A JPH04122712A JP H04122712 A JPH04122712 A JP H04122712A JP 24352790 A JP24352790 A JP 24352790A JP 24352790 A JP24352790 A JP 24352790A JP H04122712 A JPH04122712 A JP H04122712A
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polyester
shape memory
shape
molded product
acid
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JP24352790A
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Inventor
Eiji Ichihashi
市橋 瑛司
Masatoshi Morita
森田 正敏
Sonoko Osawa
大澤 園子
Tsuneyuki Osawa
大澤 恒之
Tetsuo Matsumoto
哲夫 松本
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Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、形状記憶能を有するポリエステル成形物に関
するものである。
(従来の技術) 従来、形状記憶能を有する素材としては、 Ni−Ti
系、 Cu−Ni−Al系、 Cu−Zn−Al系、 
Cu−Zn−3i系等の形状記憶合金がよく知られてい
る。
また、形状記憶能を有する樹脂材料としては。
ポリトランスイソプレン系樹脂(特開昭55−9380
6号、同61−34150号)、ポリノルボルネン系樹
脂(特開昭59−53528号、同61−91244号
)、ビニル系樹脂とアクリル酸系樹脂又は合成ゴムとの
混合物からなるもの(特開昭63−17952号)等が
知られている。
さて、ポリエステルは、その優れた物性及び加工性ゆえ
に、繊維、フィルム、ボトル、その他汎用成形物として
極めて広範囲に利用され、形状記憶能を有する樹脂につ
いても研究されており、ポリブチレンテレフタレートと
脂肪族ポリラクトンとのブロック共重合体からなるもの
(特開平2−123129号)が提案されている。しか
し、この樹脂は、ポリラクトンに由来して融点が低いた
め、成形物としての、用途が制限されたり、製造工程に
おいて操業性が悪いといった問題を有している。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、優れた物性及び加工性を有し、安価な汎用樹
脂であるポリエステルからなる形状記憶能を有する成形
物を提供しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、形状記憶能を有するポリエステル成形物
を製造するために鋭意研究した結果、特定の極限粘度、
ガラス転移点及び融点を有し、かつ、形状記憶のための
分子間架橋が可能な構造と形状変形のためのゴム弾性と
を有するポリエステルを成形することによりこの目的が
達成されることを見出し9本発明に到達した。
すなわち1本発明は、ガラス転移点が10〜80℃。
融点が80℃以上、極限粘度が0.3以上で、かつ。
形状記憶のための分子間架橋が可能な分子構造と形状変
形のためのゴム弾性とを有するポリエステルからなる形
状記憶能を有するポリエステル成形物を要旨とするもの
である。
本発明のポリエステル成形物は、任意の形状Aに成形し
て、その形状へを分子間架橋により固定記憶させ1次い
で、その形状Aとは異なる形状已に外力により一旦変形
させてガラス転移点よりも低い温度にして形状Bを固定
させた後、ガラス転移点よりも高い温度に加熱すること
により、形状Aに回復するという機能、すなわち、「形
状記憶能」を有するものである。
本発明におけるポリエステルは、ガラス転移点が10〜
80℃のものであり、好ましくは20〜70℃。
最適には25〜60℃の範囲のものである。ガラス転移
点が10℃未満のポリエステルからなる成形物では形状
記憶させた成形物を変形固定した場合、常温での放置に
おいても、常温との温度差が大きいため変形が急速に回
復してしまうので実用的メリットが少ない。一方、ガラ
ス転移点が80℃を超えるポリエステルからなる成形物
では、形状を回復させる温度が高くなりすぎて、熱水で
は形状回復ができない等使用上不便である。
また9本発明におけるポリエステルは、融点が80℃以
上のものであり、好ましくは80〜250℃、最適には
100〜200℃の範囲のものである。融点が80℃未
満のポリエステルからなる成形物では、耐熱性が不十分
で、融着、ブロッキング等が起こり。
実用化が困難である。一方、融点があまり高いポリエス
テルは、前記ガラス転移点の要件を満足しなかったり、
製造時に温度を高くする必要があるため分解が起こった
りして好ましくない。
さらに9本発明におけるポリエステルは、極限粘度が0
.3以上であることが必要であり、好ましくは0.4〜
2.最適には0.5〜1の範囲とするのがよい。極限粘
度が0.3未満であれば引張強度。
曲げ強度、衝撃強度等成形物としたとき、最低限必要と
される機械的強度が満足されないばかりか繊維やフィル
ムに成形することが困難である。なお、極限粘度をあま
り大きくしても機械的強度は飽和してしまい、成形性が
悪化するので、適度の極限粘度に止めておくことが望ま
しい。
本発明におけるポリエステルは、上記特性の他に、第一
に分子間架橋が可能な分子構造を有することが必要であ
り、第二にゴム弾性を有することが必要である。
分子間架橋が可能な分子構造を有することはコムが加硫
により形状を記憶する原理と同様、ポリエステルの分子
間を要所で架橋させ、記憶すべき形状を固定させるため
に必要な要件である。
分子間架橋が可能な分子構造の具体例としては不飽和結
合を有するモノマー成分を共重合し、ポリエステルの主
鎖に不飽和結合を導入することが挙げられる。この不飽
和結合を形状を固定記憶させる際に適当な手段で開裂さ
せることにより1分子間架橋が可能となる。
ポリエステルに共重合が可能で不飽和結合を有するモノ
マー成分としては9例えば無水マレイン酸、マレイン酸
、クロロマレイン酸、ジクロロマレイン酸、イタコン酸
、フマル酸、シトラコン酸。
無水シトラコン酸、メサコン酸、テトラヒドロフタル酸
、ヘット酸、無水ヘット酸、2−ブテン1.4−ジオー
ル、3−ブテン−1,2−ジオール等の不飽和ジカルボ
ン酸又は不飽和ジオール類が挙げられる。
また、ポリエステルに三官能以上の千ツマー成分を共重
合させることも有力な手段である。この場合は、形状を
固定記憶させる際に、ポリエステルの水酸基あるいはカ
ルボキシル基と架橋反応し得るエポキシ基、イソシアネ
ート基、アミノ基等を有する架橋剤を添加1反応させる
ことにより分子間架橋を行うことが可能となる。
ポリエステルに分子間架橋が可能な分子構造を導入する
方法は特に限定されないが、前記の不飽和結合を導入す
る方法が実用上好ましい。
さらに、ポリエステルとして結晶性のものを使用すると
形状記憶性が良好になり好ましい。結晶性ポリエステル
とするには、エチレンテレフタレート単位、ブチレンテ
レフタレート単位等の結晶性ポリエステルを与える繰り
返し単位を主体とするポリエステルとすればよい。
次に1本発明におけるポリエステルがゴム弾性を有する
ことは、外力を与えると変形し、その外力を取り除くと
元の形状を回復するという形状変形のために必要な要件
である。形状変形のためのゴム弾性とは、ガラス転移点
以上、流動開始温度未満の温度範囲でエラストマー状と
なり、自白に変形し、かつ、ガラス転移点以下の温度で
は硬質化するという挙動を可逆的に起こす性質をいう。
換言すれば、ポリエステルは、その構造の一部に形状を
記憶させた後の成形物の変形及び回復という形状変態の
ための可動部分となり得るゴム弾性を有していることが
必要なのである。
ポリエステルにゴム弾性を与える方法の具体例としては
、芳香族ポリエステルセグメント(ハードセグメント)
と脂肪族ポリエステルセグメント(ソフトセグメント)
とが適度な割合で存在するエラストマーとする方法や、
芳香族ポリエステルセグメント(ハードセグメント)と
、ポリアルキレングリコールセグメント(ソフトセグメ
ント)とが適度な割合で存在するするエラストマーとす
る方法等が挙げられるが、前者が好ましい。
芳香族ポリエステルセグメントとは、ポリエステルの繰
り返し単位に少なくとも一つの芳香環を有するポリエス
テルセグメントのことをいい、脂肪族ポリエステルセグ
メントとは、ポリエステルの繰り返し単位に芳香環を有
しないポリエステルセグメントのことをいう。
ハードセグメントを構成する芳香族モノマー成分として
は9例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ハイドロキ
ノン、ビスフェノールA、4−ヒドロキシ安息香酸等の
ジカルボン酸、ジオール及びヒドロキシカルボン酸類が
挙げられる。
芳香族モノマーとハードセグメントを構成したり、ある
いはソフトセグメントを構成する脂肪族子ツマー成分と
しては9例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンニ酸、ヘキサデカンニ酸、エイコサンニ酸
9.シクロヘキサンジカルボン酸、エチレングリコール
、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール
、シクロヘキサンジメタツール、T−ブチロラクトン。
ε−カプロラクトン等のジカルボン酸、ジオール。
及びオキシカルボン酸(又はラクトン)類が挙げられる
また、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール等のポリアルキレングリコールもソフトセグメ
ント成分として機能し得る。
本発明におけるポリエステルには、必要に応じて本発明
の効果を損なわない範囲であれば他の副原料が共重合さ
れていてもよいし9種々の添加剤等が含まれていてもよ
い。
本発明におけるポリエステルを構成するモノマー成分及
びその共重合割合は広範囲に選択しうるが、経済性、汎
用性、物性等を勘案すれば1例えば9次のようなものが
好ましい。
すなわち、ジカルボン酸としてテレフタル酸を30〜8
0モル%、好ましくは40〜80モル%、無水マレイン
酸を0.1〜30モル%、好ましくは0.5〜10モル
%、ドデカンニ酸を5〜40モル%、好ましくは10〜
30モル%、ジオールとしてエチレングリコールを10
0モル%の割合で使用したポリエステルである。
この例においては、エチレングリコールとテレフタル酸
からなる繰り返し単位がハードセグメント、エチレング
リコールとドデカンニ酸からなる繰り返し単位がソフト
セグメント、エチレングリコールと無水マレイン酸から
なる繰り返し単位が不飽和結合の導入という機能をそれ
ぞれ分担する。
次に、このポリエステルを例にとってポリエステルの製
造方法の一例を具体的に説明する。
テレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化反応
により得られたビス(β−ヒドロキシエチルテレフタレ
ート)及びそのオリゴマーに、ドデカンニ酸及びエチレ
ングリコールを加え、200〜〜260℃で、窒素ガス
等の不活性雰囲気下で1〜4時間エステル化反応を行っ
た後、200〜240℃にして無水マレイン酸を添加し
、さらに200〜240℃で1〜4時間エステル化反応
を打抜う。
得られたエステル化物を重合反応缶に移送し。
200〜280℃の温度で、0.5〜5時間、1トル以
下の減圧下に重縮合反応を行う。
所望の極限粘度となるまで重縮合した後、窒素ガスで常
圧に戻し、加圧してポリエステルをテグス状に払い出し
、冷却後、切断してチップ状のポリエステルを得ること
ができる。
重縮合反応は9通常、触媒の存在下で行われ重縮合反応
触媒としてはポリエステルの製造に一般に用いられてい
るアンチモン、ゲルマニウムスズ、チタン、コバルト等
の金属の化合物やスルホサリチル酸、0−スルホ安息香
酸無水物等の有機スルホン酸化合物が用いられる。
なお、エステル化工程で予め重縮合反応触媒を添加する
こともできる。
本発明のポリエステル成形物は、前記のようなポリエス
テルを常法によって、繊維、フィルム。
押出成形品又は射出成形品等の成形物に成形することに
より得られる。なお1本発明の成形物の形状記憶能を損
なわない範囲で、ポリエチレンテレフタレートのような
他の熱可塑性重合体と混合又は複合して成形してもよい
得られた成形物をガラス転移点より高く、流動開始温度
より低い温度で架橋させることにより。
形状を固定記憶させることができる。
架橋のための具体的手段としては、電子線や紫外線を照
射したり、あるいは成形後熱処理、好ましくけ成形時に
架橋剤としてケトンパーオキサイド、パーオキシケター
ル、ハイドロノく−オキサイド、ジアルキルパーオキサ
イド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート
等の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル等のア
ゾ化合物を添加しておいてから、成形後熱処理すればよ
いが、後者の方法が好ましい。
本発明のポリエステル成形物において、形状へを記憶し
た成形物を変形させて形状Bの成形物とするために変形
を与える温度は、ガラス転移点以上が好ましい。変形の
与え方は特に制限されず。
成形物の形状や肉厚に応じて成形物を変形させ易い温度
雰囲気(例えば加熱空気中、加熱液体中。
水蒸気中等)下で変形を与えることができる。
変形を固定するには、前記条件で変形を与えられた成形
物を、変形を保持したままガラス転移点未満に冷却すれ
ばよい。
形状Bの成形物から形状Aの成形物に戻すには。
ガラス転移点以上、流動開始温度未満の温度に加熱すれ
ばよく、変形は自動的に起こり、形状Aが回復する。温
度を高くするほど成形物が形状Aに回復する時間は一般
に短くなる。
なお、不飽和結合を有する千ツマ−を共重合したポリエ
ステルを使用した場合、共重合された不飽和結合がすべ
て架橋に消費されたときは、前記したように、半永久的
に固定、記憶された形状Aは消去できないが、共重合さ
れた不飽和結合が形状への固定、記憶時にすべて架橋に
消費されておらず、依然としてポリエステル中に不飽和
結合として残存しており、かつ、架橋点の数が少ない場
合等、特定の構造をとらせることによって、消去が可能
な場合もあり、さらには再記憶が可能な場合もある。
(作 用) 本発明のポリエステル成形物は1分子間架橋を起こさせ
ると、樹脂の流動を防いで一定の形状を発現するたtの
固定相(架橋点)が形成され、温度変化に伴って軟化と
硬化を可逆的に起こして記憶回復機能を発揮する可逆相
(ソフトセグメント及びハードセグメント)と相まって
形状記憶が可能となるものと推察される。
(実施例) 次に、実施例を挙げて本発明を記述する。
なお、実施例においてポリエステルの特性値は次のよう
にして測定したものである。
極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし
、温度20℃で測定した。
ガラス転移点(Tg)及び融点(Tm)示差走差熱量計
(パーキンエルマー社製DSC−2型)を用いて、昇温
速度20℃/minで測定した。
流動開始温度(Tf) フローテスター(高滓製作断裂CFT−500型)を用
い、荷重100kg / cffl 、 ノズル径0.
5mmの条件で。
初期温度50℃より10℃/minの割合で昇温しで行
き、ポリマーがダイから流出し始める温度として求めた
形状記憶能の有無 ポリエステルを所定の形状の成形物に溶融成形した後、
Tfより約20℃低い温度で30分間熱処理を行って形
状を固定、記憶させ、得られた成形体を次の基準で形状
記憶能無の判定を行った。
形状記憶能有り: Tg未満で変形の固定が可能であるとともにTg以上で
完全な形状の回復も可能で、かつ。
Tg未滴の温度での放置により変形しないもの。
形状記憶能無し: Tg以下での変形の固定が不可もしくは不完全なもの又
はTg以上での固定された変形の回復が不可もしくは不
完全なもの。
実施例1 テレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化反応
により得られたビス(β−ヒドロキシエチルテレフタレ
ート)及びそのオリゴマー35.0kgに、ドデカンニ
酸11.5kg、エチレングリコール9.5kg及び触
媒としてテトラブチルチタネー)26gを加え、250
℃、窒素ガス制圧下3.6kg / Crlで2時間エ
ステル化反応を行った後、220℃に降温し、無水マレ
イン酸2.5kg及び抗酸化剤としてノ1イドロキノン
15gを加え、更に220℃、窒素ガス制圧下3.6k
g / cl、で2時間エステル化反応を行った。
得られたエステル化物を重縮合反応器に移して。
220℃、0.4)ルで、3時間重縮合反応を行い、ポ
リエステルを得た。
得られたポリエステルは、Tg=25℃、Tf−164
℃、  T m = 180℃、  [η]=0.65
であった。
このポリエステルを、直径0.5mmの紡糸孔を12個
有する紡糸口金を用いて、紡糸温度250℃、吐出量3
3g/min、紡糸速度1400m/minで溶融紡糸
し1次いで、3.0倍に延伸し、75d/12fの延伸
糸を得た。
次に、この延伸糸を筒編地にし、架橋開始剤として日本
油脂社製パーへキサ25B(有機過酸化物)を0.05
重量%塗重し、直径2 cmの鉄棒に巻き付け。
150℃の熱風乾燥機中で30分間熱処理した。
形状記憶能を評価するために、得られた巻物状筒編地を
60℃の乾燥器中で平面状に変形させ、0℃でその形態
を一時固定し、再び60℃の乾燥器中で形状の回復程度
を評価したところ、良好な形状記憶能を示した。
比較例 テレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化反応
により得られたビス(β−ヒドロキシエチルテレフタレ
ート)及びそのオリゴマー4(1,Okg+、:、m水
マレイン酸4.9kg、 エチレングリコール6.2k
g及び触媒としてテトラブチルチタネート26gを加え
、220℃、窒素ガス制圧下3.6kg / ctdで
2時間エステル化反応を行った。
得られたエステル化物を重縮合反応器に移し。
220℃、0.4)ルで3時間重縮合反応を行い、ポリ
エステルを得た。
得られたポリエステルは、Tg=45℃、Tf=178
℃、  T m = 201℃、  [η〕=0.43
であった。
このポリエステルを210℃の温度で押出成形し。
直径3mmのテグス状物とした。
次に、このテグス状物を直径2cmの鉄棒に巻き付け、
150℃の熱風乾燥機中で30分間熱処理してスプリン
グ状の成形物とした。
形状記憶能を評価するために、得られたスプリング状の
成形物を、60℃の熱水中で直線状に変形させようとし
たが、ゴム弾性に乏しく、形状変形ができず、破損して
しまった。
実施例2 実施例1で得られたポリエステルをTダイを備えた直径
90 mmの押出機を用い、成形温度230℃。
押出速度30m/minで押出し、厚さ630μmの無
配向フィルムを得た。次いで、これをテンター式同時二
軸延伸機により延伸温度95℃で、縦方向3倍。
横方向3.5倍の延伸倍率で延伸し、厚さ72μmの延
伸フィルムを得た。
この延伸フィルムを直径2 cmの鉄棒に巻き付け。
150℃の熱風乾燥機中で30分間熱処理した。
形状記憶能を評価するために、得られたロール状のフィ
ルムを60℃の熱水中で平板状に変形させ。
20℃の水中でその形態を一時固定し、再び60℃の熱
水中に浸漬し、形状の回復程度を評価したところ、良好
な形状記憶能を示した。
実施例3 実施例1で得られたポリエステルを日本製銅断裂J−1
00S型射出成形機を用い、成形温度225℃。
金型温度5℃、射出圧625kg/cfflの条件で射
畠成形し、厚さ 1/8!’のダンベル1号型試験片を
得た。
これを捻じった状態で150℃の熱風乾燥機中で30分
間熱処理した。
形状記憶能を評価するために、捻じれた形態の試験片を
60℃の熱水中で平板状に変形させ、20℃の水中でそ
の形態を一時固定し、再び60℃の熱水中に浸漬し、形
状の回復程度を評価したところ。
良好な形状記憶能を示した。
実施例4 実施例1で得られたポリエステルを直径90mmの押出
機を用い、成形温度230℃、押出速度10m/min
で押出し、外径27mm、内径21 mmの中空パイプ
を得た。
この中空パイプを長さ20cmに切断し、150℃の熱
風乾燥機中で30分間熱処理した。
形状記憶能を評価するために、中空パイプを60℃の熱
水中でバイブの外周方向からプレスして平板状に変形さ
せ、20℃の水中でその形態を一時固定し、再び60℃
の熱水中に浸漬し、形状の回復程度を評価したところ、
良好な形状記憶能を示した。
実施例5 テレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化反応
により得られたビス(β−ヒドロキシエチルテレフタレ
ート)及びそのオリゴマー35.Okgに、ドデカンニ
酸5.8kg、  エチレングリコール9.5kg及び
触媒としてテトラブチルチタネート26gを加え、25
0℃、窒素ガス制圧下3.6kg / cutで2時間
エステル化反応を行った後、220℃に降温し、無水マ
レイン酸4.9kgを加え、更に220℃、窒素ガス制
圧下3.6kg / CrIで2時間エステル化反応を
行った。
得られたエステル化物を重縮合反応器に移して。
220℃、0.4)ルで、3時間重縮合反応を行い、ポ
リエステルを得た。
得られたポリエステルは、Tg=32℃、Tf−165
℃、  T m = 193℃、  [η’]=0.5
0であった。
このポリエステルを温度210℃、速度50m/分で押
出成形し、直径3mmのテグス状物とした。
次に、このテグス状物を直径2cmの鉄棒に巻き付け、
150℃の熱風乾燥機中で30分間熱処理してスプリン
グ状の成形物とした。
形状記憶能を評価するために、得られたスプリング状の
成形物を、60℃の熱水中で直線状に変形させ、20℃
の水中でその形態を一時固定し、再び60℃の熱水中に
浸漬し、形状の回復程度を評価したところ、良好な形状
記憶能を示した。
なお、上記テグス状物を直径2cmの鉄棒に巻き付け、
熱処理することなくスプリング状の成形物としたものに
ついて、形状記憶能を評価したところ、全く形状記憶能
を示さなかった。
実施例6 ドデカンニ酸の代わりにアジピン酸を3.7kg使用し
た以外は実施例5と同様の操作でポリエステルを製造し
た。
得られたポリエステルは、Tg=36℃、Tf−175
℃、 T m = 196℃、  [η〕=0.62で
あり、実施例5と同様に成形して形状記憶能有無の判定
を行ったところ、良好な形状記憶能を示した。
実施例7 無水マレイン酸の代わりにイタコン酸を6.5kg使用
した以外は実施例5と同様の操作でポリエステルを製造
した。
得られたポリエステルは、Tg=34℃、Tf179℃
、 T m = 195℃、  [ηE−0,54であ
り、実施例5と同様に成形して形状記憶能有無の判定を
行ったところ、良好な形状記憶能を示した。
(発明の効果) 本発明によれば、優れた物性及び加工性を有し。
安価な汎用樹脂であるポリエステルからなる形状記憶能
を有する成形物が提供される。
そして1本発明のポリエステル成形物は、形状記憶能を
生かしたパーマネント加工性や嵩高性を有する織物9編
物、不織布等の布帛、各種包装用。
工業用1日用品用のフィルム、各種の接合材やシール材
、ラミネート材、被覆材、固定材、バルーンカテーテル
等の医療機器材、未使用時には折り畳んでおき使用時に
形状を回復させて使用する携帯容器や食器類、自動車バ
ンパー等の衝撃吸収後の変形回復を必要とする部材、玩
具用部材9文具材、造花やブローチ等の装飾部材、熱感
応スイッチ等の電気部材、パツキンやOリング、型取り
材。
その他各種のレジャー用具等に使用することができる。
特許出願人  日本エステル株式会社

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ガラス転移点が10〜80℃、融点が80℃以上
    、極限粘度が0.3以上で、かつ、形状記憶のための分
    子間架橋が可能な分子構造と形状変形のためのゴム弾性
    とを有するポリエステルからなる形状記憶能を有するポ
    リエステル成形物。
  2. (2)ポリエステルが芳香族ポリエステルセグメントと
    脂肪族ポリエステルセグメントとからなり、形状記憶の
    ための不飽和結合を有するものである請求項1記載の形
    状記憶能を有するポリエステル成形物。
  3. (3)成形物が繊維、フィルム、押出成形品又は射出成
    形品である請求項1又は請求項2記載の形状記憶能を有
    するポリエステル成形物。
JP24352790A 1990-09-13 1990-09-13 形状記憶能を有するポリエステル成形物 Pending JPH04122712A (ja)

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JP24352790A JPH04122712A (ja) 1990-09-13 1990-09-13 形状記憶能を有するポリエステル成形物

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04146921A (ja) * 1990-10-09 1992-05-20 Nippon Ester Co Ltd 形状記憶能を有するコポリエステル
EP0705859A1 (en) * 1994-09-07 1996-04-10 Tong Yang Nylon Co., Ltd. Polyester prepolymer showing shape-memory effect
JPH08127643A (ja) * 1994-10-19 1996-05-21 Toyo Nylon Kk 形状回復性を有するポリエステルプレポリマー
JP2011178975A (ja) * 2010-03-04 2011-09-15 Toray Ind Inc ポリエステル樹脂組成物

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