JPH08125294A - 金属ベース基板およびその製造方法 - Google Patents

金属ベース基板およびその製造方法

Info

Publication number
JPH08125294A
JPH08125294A JP26357694A JP26357694A JPH08125294A JP H08125294 A JPH08125294 A JP H08125294A JP 26357694 A JP26357694 A JP 26357694A JP 26357694 A JP26357694 A JP 26357694A JP H08125294 A JPH08125294 A JP H08125294A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
insulating layer
layer
base substrate
base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26357694A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Mori
昇 毛利
Takeshi Nagai
猛 長井
Hiroshi Hasegawa
洋 長谷川
Hayashi Matsunaga
速 松永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP26357694A priority Critical patent/JPH08125294A/ja
Publication of JPH08125294A publication Critical patent/JPH08125294A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Insulated Metal Substrates For Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリント配線板やハイブリッドIC用の基板
に用いられる金属ベース基板とその製造方法に関するも
ので、半田耐熱性が優れかつ絶縁層と金属層との密度強
度が強いと共に熱放散性に優れた金属ベース基板を提供
することを目的とする。 【構成】 ベース金属11上に、第1の絶縁層12と第
2の絶縁層13を介して金属層14を設けることによ
り、熱抵抗、金属層の引き剥がし強さ、半田耐熱性およ
び10W負荷時の基板表面の上昇温度の優れた金属ベー
ス基板が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント配線板やハイ
ブリッドIC用の基板に用いられる金属ベース基板およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の軽量、薄型、高密度化
に伴い、これに用いられるトランジスタ集積回路部品、
抵抗あるいはコンデンサ等の電子部品も小型化、高密度
化、高出力化されてきている。さらに、マクロプロセッ
サの著しい高速化に伴い、これに用いられる電子部品の
単位表面積当たりの発熱量も著しく高まり、これらを実
装するプリント配線板にも優れた耐熱性と放熱性に対す
る要求が高まっている。
【0003】以下に、従来の金属ベース基板について、
図を参照しながら説明する。図11は、従来の金属ベー
ス基板の断面図である。図11において、1はアルミニ
ウム、銅、鉄、ステンレススチール等の金属からなるベ
ース金属である。2はベース金属1上に設けられたアル
ミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化硼素等の熱伝
導性に優れた粉末からなる無機絶縁材料とエポキシ樹脂
またはポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂との混合物から
なる絶縁層である。3は絶縁層2上に設けられた銅箔か
らなる金属層である。
【0004】以上のように構成された従来の金属ベース
基板について、以下にその製造方法について説明する。
【0005】まず、ベース金属1上に無機絶縁材料と熱
硬化性樹脂との混合物からなるプリプレグである絶縁層
2と金属層3を積層する。
【0006】次に、ベース金属1上に絶縁層2および金
属層3を加圧して加熱硬化することにより、金属ベース
基板が製造されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の金属ベース基板では、エポキシ樹脂またはポリイミ
ド樹脂等の熱硬化性樹脂を用いて絶縁層2を構成してい
るため、エポキシ樹脂を用いた場合、エポキシ樹脂のガ
ラス転移点が約170℃で、半田耐熱性は約260℃ま
でしか対応できないので、約300℃を越える高温半田
を使用できず、金属ベース基板を使用する上で制約を受
けるという課題を有していた。
【0008】また、ポリイミド樹脂を用いた場合、ガラ
ス転移温度が高いため半田耐熱性が350℃まで対応で
きるが、金属層3との密着強度が弱く、材料コストが高
いという課題を有していた。
【0009】さらに、ベース金属1上の絶縁層2および
金属層3とが設けられている面と反対の面は、金属その
ものが露出しているか、2酸化ケイ素の薄い膜やアルマ
イト処理されているが、このいずれも熱放散性は赤外線
放射量が低いため充分ではなく、ベース金属1自体の熱
伝導性が優れていても、ベース金属1上の絶縁層2およ
び金属層3とが設けられている面と反対の面からの熱放
射性が低いので、金属ベース基板の表面温度が十分に低
くならないという課題を有していた。
【0010】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、半田耐熱性が優れかつ絶縁層と金属層との密着強度
が強いと共に熱放散性に優れた金属ベース基板を提供す
ることを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るために、本発明は、ベース金属と、このベース金属上
に熱硬化性樹脂の含有量が相違する第1,第2の無機絶
縁層を介して金属層を設けてなるものである。
【0012】また、ベース金属上に熱硬化性樹脂と無機
絶縁材料との混合物とを塗布して第1の絶縁層を設け、
金属層上に熱硬化性樹脂と無機絶縁材料との混合物とを
塗布して第2の絶縁層を設け、前記第1の絶縁層と前記
第2の絶縁層とを重ね併せて加熱、加圧して硬化してな
る製造方法からなるものである。
【0013】また、ベース金属上に無機絶縁材料との混
合物とを塗布して第1の絶縁層を設け、この第1の絶縁
層上に無機絶縁材料との混合物とを塗布して第2の絶縁
層を設け、この第2の絶縁層上に金属層を設けてなる製
造方法からなるものである。
【0014】
【作用】この構成によって、ベース金属と金属層の間に
無機絶縁材料の含有量が相違する第1,第2の絶縁層を
有することにより、高熱伝導性でしかも絶縁層と金属層
との密着強度が高くなる。
【0015】また、ベース金属の第1,第2の絶縁層お
よび金属層を設けている面と反対の面に高赤外線放射率
の赤外線放射性被覆層で形成していることにより、熱放
射性が高いと共に金属ベース基板の表面温度を低くかつ
基板サイズを小さくできる。
【0016】
【実施例】
(実施例1)以下に、本発明の一実施例における金属ベ
ース基板およびその製造方法について、図面を参照しな
がら説明する。
【0017】図1は本発明の一実施例における金属ベー
ス基板の断面図である。図1において、11はアルミニ
ウム、銅、鉄、ステンレススチール等の金属からなるベ
ース金属である。12はベース金属上に設けられたアル
ミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化硼素等の粉末
からなる無機絶縁材料と熱硬化性樹脂を含有する第1の
絶縁層である。13は第1の絶縁層12上に設けられた
第2の絶縁層であり、第1の絶縁層よりも熱硬化性樹脂
の含有量を多くしたものである。14は第2の絶縁層1
3上に設けられた銅箔、銅合金箔、ニクロム箔、ステン
レス箔または各種金属ペーストを硬化してなる金属層で
ある。
【0018】以上のように構成された本発明の一実施例
における金属ベース基板について、以下にその製造方法
について説明する。
【0019】図2は本発明の一実施例における金属ベー
ス基板の製造工程図である。まず、図2(a)に示すよ
うに、厚さ1.0mmのアルミニウムを5%水酸化カリ
ウム溶液にて化学エッチングしてベース金属11を作製
する。
【0020】次に、図2(b)に示すように、エポキシ
樹脂を50vol%と、アルミナ粉末を50vol%と
を混合し、さらにコーティングに適切な粘度を有するた
めにメチルエチルケトンを加えてスラリーとし、ベース
金属11上にロールコータにより膜厚120μmに塗布
し、約180℃で硬化して、第1の絶縁層12を形成す
る。
【0021】一方、図2(c)に示すように、35μm
の銅箔を化学エッチングにより一表面を粗面化した金属
層14に、エポキシ樹脂を70vol%と、アルミナ粉
末を30vol%とを混合し、さらにコーティングに適
切な粘度を有するためにメチルエチルケトンを加えてス
ラリーとし、金属層14上にロールコータにより膜厚3
0μmに塗布し、約60℃で乾燥して、第2の絶縁層1
3を形成する。
【0022】最後に、図2(d)に示すように、ベース
金属11上に設けた第1の絶縁層12と、金属層14の
一表面に設けた第2の絶縁層13とを重ね併せて、真空
中で圧力40kg/cm2、最高加熱温度180℃で2
時間、熱プレスして積層することにより、金属ベース基
板とするものである。
【0023】(表1)は、実施例1および後述する実施
例2〜9における各種特性を比較例である従来の技術で
作製した金属ベース基板と比較したものである。
【0024】ここで、「熱抵抗(℃/W)」の測定方法
は、図3に示すように、試験基板として40×30mm
のサイズに金属ベース基板16を切断し、この金属ベー
ス基板16の中央に金属層パターン17を形成し、この
金属層パターン17の上面にトランジスタ18を半田接
続して、トランジスタへ所定の電圧を加え、熱電対によ
って温度Ta、Tbとを測定し、トランジスタ18の消
費電力つまりコレクタ損失Wとして、「熱抵抗(℃/
W)=(Ta−Tb)/W」を計算して求めたものであ
る。
【0025】また、「金属層の引き剥がし強さ」および
「半田耐熱性」は、それぞれ「JIS C6481」に
より測定したものである。
【0026】また、「10W時の基板表面の上昇温度」
は、図4に示すように、金属ベース基板16の金属層1
4に当接するように抵抗素子19を設け、ベース金属1
1に当接した熱電対温度測定点20で10W時の基板表
面温度(℃)を測定し上昇温度を求めたものである。
【0027】
【表1】
【0028】(表1)より明らかなように、比較例に比
べ、熱抵抗がほぼ同等で、金属層の引き剥がし強さの非
常に優れたものが得られる。
【0029】(実施例2)以下に、本発明の実施例2に
おける金属ベース基板の製造方法について説明する。こ
こで、実施例1と同様の工程については、説明を省略す
る。
【0030】実施例1では第1の絶縁層12を、「エポ
キシ樹脂を50vol%と、アルミナ粉末を50vol
%とを混合し、さらにコーティングに適切な粘度を有す
るためにメチルエチルケトンを加えてスラリーとし、ベ
ース金属11上にロールコータにより膜厚120μmに
塗布して、約180℃で硬化して形成」し、第2の絶縁
層13を、「エポキシ樹脂を70vol%と、アルミナ
粉末を30vol%とを混合し、さらにコーティングに
適切な粘度を有するためにメチルエチルケトンを加えて
スラリーとし、金属層14上にロールコータにより膜厚
30μmに塗布して、約60℃で乾燥して形成」したも
のを、実施例2では、熱硬化性樹脂をエポキシ変性シリ
コーン樹脂(セラプロテックス:東燃株式会社製、以
下、「樹脂C」と記す。)とし、第1の絶縁層12の硬
化温度を約200℃とした点が異なる。
【0031】(表1)より明らかなように、比較例に比
べ、熱抵抗がほぼ同等で、金属層の引き剥がし強さの非
常に優れた金属ベース基板が得られる。
【0032】さらに、第1,第2の絶縁層の熱硬化性樹
脂として、耐熱性の高い樹脂Cを用いたので、半田耐熱
性に非常に優れた金属ベース基板が得られる。
【0033】(実施例3)以下に、本発明の実施例3に
おける金属基板の製造方法について説明する。ここで、
実施例1および2と同様の工程については、説明を省略
する。
【0034】実施例2では第1の絶縁層12を、「樹脂
Cを50vol%と、アルミナ粉末を50vol%とを
混合し、さらにコーティングに適切な粘度を有するため
にメチルエチルケトンを加えてスラリーとし、ベース金
属11上にロールコータにより膜厚120μmに塗布し
て、約200℃で硬化して形成」し、第2の絶縁層13
を、「樹脂Cを70vol%と、アルミナ粉末を30v
ol%とを混合し、さらにコーティングに適切な粘度を
有するためにメチルエチルケトンを加えてスラリーと
し、金属層14上にロールコータにより膜厚30μmに
塗布して、約60℃で乾燥して形成」したものを、実施
例3では、樹脂Cとアルミナ粉末の混合比率を、「第1
の絶縁層12は、樹脂Cを30vol%、アルミナ粉末
を70vol%」とし、「第2の絶縁層13は、樹脂C
を50vol%、アルミナ粉末を50vol%」とした
点が異なる。
【0035】(表1)より明らかなように、比較例に比
べ、熱抵抗が非常に低く、金属層の引き剥がし強さが優
れ、半田耐熱性の非常に優れた金属ベース基板が得られ
る。
【0036】(実施例4)以下に、本発明の実施例4に
おける金属基板の製造方法について、図面を参照しなが
ら説明する。
【0037】図5は本発明の実施例4における金属ベー
ス基板の製造工程図である。まず、図5(a)に示すよ
うに、厚さ1.0mmのアルミニウムを5%水酸化カリ
ウム溶液にて化学エッチングしてベース金属21を作製
する。
【0038】次に、図5(b)に示すように、エポキシ
樹脂を50vol%と、アルミナ粉末を50vol%と
を混合し、さらにコーティングに適切な粘度を有するた
めにメチルエチルケトンを加えてスラリーとし、ベース
金属21上にロールコータにより膜厚120μmに塗布
して、約180℃で硬化して、第1の絶縁層22を形成
する。
【0039】次に、図5(c)に示すように、エポキシ
樹脂を70vol%と、アルミナ粉末を30vol%と
を混合し、さらにコーティングに適切な粘度を有するた
めにメチルエチルケトンを加えてスラリーとし、ベース
金属21上に形成された第1の絶縁層22上に、ロール
コータにより膜厚30μmに塗布して、約60℃で乾燥
して、第2の絶縁層23を形成する。
【0040】最後に、図5(d)に示すように、あらか
じめ化学エッチングにて片面を表面粗化した金属層24
である銅箔を、ベース金属21上に形成した第2の絶縁
層23上に重ね併せ、真空中で圧力40kg/cm2
最高加熱温度180℃で2時間、熱プレスして積層する
ことにより、金属ベース基板とするものである。
【0041】(表1)より明らかなように、比較例に比
べ、熱抵抗がほぼ同等で、金属層の引き剥がし強さの非
常に優れた金属ベース基板が得られる。
【0042】(実施例5)以下に、本発明の実施例5に
おける金属ベース基板の製造方法について説明する。こ
こで、実施例4と同様の工程については、説明を省略す
る。
【0043】実施例4では第1の絶縁層22を、「エポ
キシ樹脂を50vol%と、アルミナ粉末を50vol
%とを混合し、さらにコーティングに適切な粘度を有す
るためにメチルエチルケトンを加えてスラリーとし、ベ
ース金属21上にロールコータにより膜厚120μmに
塗布して、約180℃で硬化して形成」したものを、
「樹脂Cを50vol%と、アルミナ粉末を50vol
%とを混合し、さらにコーティングに適切な粘度を有す
るためにメチルエチルケトンを加えてスラリーとし、ベ
ース金属21上にロールコータにより膜厚120μmに
塗布し、ベース金属21および第1の絶縁層22とを一
体に超音波振動を加えて、アルミナ粉末をわずかにベー
ス金属21側に沈降させた後、約200℃で硬化して形
成」した点が異なる。
【0044】また、第2の絶縁層23を、「エポキシ樹
脂を70vol%と、アルミナ粉末を30vol%とを
混合し、さらにコーティングに適切な粘度を有するため
にメチルエチルケトンを加えてスラリーとし、金属層2
4上にロールコータにより膜厚120μmに塗布して、
約60℃で乾燥して形成」したものを、「樹脂Cを70
vol%と、アルミナ粉末を30vol%とを混合し、
さらにコーティングに適切な粘度を有するためにメチル
エチルケトンを加えてスラリーとし、金属層24上にロ
ールコータにより膜厚30μmに塗布し、ベース金属2
1および第2の絶縁層23とを一体に超音波振動を加え
て、アルミナ粉末をわずかにベース金属21側に沈降さ
せた後、約60℃で乾燥して形成」した点が異なる。
【0045】(表1)より明らかなように、比較例に比
べ、熱抵抗が非常に低く、金属層の引き剥がし強さ及び
半田耐熱性のさらに優れた金属ベース基板が得られる。
【0046】これは、金属層24側に分散するアルミナ
粉末がわずかでも少なくなり、金属層24の密着強度が
向上するからである。
【0047】(実施例6)以下に、本発明の実施例6に
おける金属基板およびその製造方法について、図面を参
照しながら説明する。
【0048】図6は本発明の実施例6における金属基板
の断面図である。図6において31はアルミニウム、
銅、鉄、ステンレススチール等の金属からなるベース金
属である。32はベース金属31の一表面に設けられた
無機材料または無機材料と有機材料との混合物からなる
赤外線放射性被覆層である。33はベース金属31の一
表面に設けた赤外線放射性被覆層32と反対側の表面上
に設けられたアルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、
窒化硼素等の粉末からなる無機絶縁材料と熱硬化性樹脂
を含有する第1の絶縁層である。34は第1の絶縁層3
3上に設けられた第2の絶縁層であり、第1の絶縁層よ
りも熱硬化性樹脂の含有量を多くしたものである。35
は第2の絶縁層34上に設けられた銅箔、銅合金箔、ニ
クロム箔、ステンレス箔または各種金属ペーストを硬化
してなる金属層である。
【0049】以上のように構成された本発明の一実施例
における金属ベース基板について、以上にその製造方法
について説明する。
【0050】図7は本発明の実施例6における金属ベー
ス基板の製造工程図である。まず、図7(a)に示すよ
うに、厚さ1.0mmのアルミニウムを5%水酸化カリ
ウム溶液にて化学エッチングしてベース金属31を作製
する。
【0051】次に、図7(b)に示すように、ベース金
属31の一表面にロールコータによりシリカゾルをバイ
ンダとして、アルミナ粉末を分散させた無機塗料(以
下、「無機塗料S」と記す。)を塗布し、250℃で硬
化して膜厚20μmの赤外線放射性被覆層32を形成す
る。
【0052】次に、図7(c)に示すように、樹脂Cを
50vol%と、アルミナ粉末を50vol%とを混合
し、さらにコーティングに適切な粘度を有するためにメ
チルエチルケトンを加えてスラリーとし、赤外線放射性
被覆層32が形成されていない表面のベース金属31上
に、ロールコータにより膜厚120μmに塗布して、約
200℃で硬化して第1の絶縁層33を形成する。
【0053】一方、図7(d)に示すように、35μm
の銅箔を化学エッチングにより一表面を粗面化した金属
層35に、エポキシ樹脂を70vol%と、アルミナ粉
末を30vol%とを混合し、さらにコーティングに適
切な粘度を有するためにメチルエチルケトンを加えてス
ラリーとし、金属層35上にロールコータにより膜厚3
0μmに塗布して、約60℃で乾燥して、第2の絶縁層
34を形成する。
【0054】最後に、図7(e)に示すように、ベース
金属31上に設けた第1の絶縁層33と、金属層35の
一表面に設けた第2の絶縁層34とを重ね併せて、真空
中で圧力40kg/cm2、最高加熱温度200℃で2
時間、熱プレスして積層することにより、金属ベース基
板とするものである。
【0055】(表1)より明らかなように、比較例に比
べ、10W負荷時の基板表面の上昇温度のかなり低い金
属ベース基板が得られる。
【0056】(実施例7)以下に、本発明の実施例7に
おける金属基板の製造方法について、図面を参照しなが
ら説明する。
【0057】図8は本発明の実施例7における金属ベー
ス基板の製造工程図である。まず、図8(a)に示すよ
うに、厚さ1.0mmのアルミニウムを5%水酸化カリ
ウム溶液にて化学エッチングしてベース金属41を作製
する。
【0058】次に、図8(b)に示すように、ベース金
属41の一表面にロールコータにより無機材料であるオ
ルガノシリカゾルを50vol%と有機材料であるフェ
ノール系樹脂を50vol%とをバインダとして、シリ
コンカーバイト粉末を分散させた絶縁塗料(以下、「絶
縁塗料F」と記す。)を塗布し、250℃で硬化して膜
厚20μmの赤外線放射性被覆層42を形成する。
【0059】次に、図8(c)に示すように、樹脂Cを
50vol%と、アルミナ粉末を50vol%とを混合
し、さらにコーティングに適切な粘度を有するためにメ
チルエチルケトンを加えてスラリーとし、ベース金属4
1の一表面に赤外線放射性被覆層42を形成した反対の
表面上にロールコータにより膜厚120μmに塗布し
て、約200℃で硬化して、第1の絶縁層43を形成す
る。
【0060】次に、図8(d)に示すように、樹脂Cを
70vol%と、アルミナ粉末を30vol%とを混合
し、さらにコーティングに適切な粘度を有するためにメ
チルエチルケトンを加えてスラリーとし、ベース金属4
1上に形成された第1の絶縁層43上に、ロールコータ
により膜厚30μmに塗布して、約60℃で乾燥して、
第2の絶縁層44を形成する。
【0061】最後に、図8(e)に示すように、あらか
じめ化学エッチングにて片面を表面粗化した金属層45
である銅箔を、ベース金属41上に形成した第2の絶縁
層44上に重ね併せ、真空中で圧力40kg/cm2
最高加熱温度200℃で2時間、熱プレスして積層する
ことにより、金属ベース基板とするものである。
【0062】(表1)より明らかなように、比較例に比
べ、10W負荷時の基板表面の上昇温度のさらに低い金
属ベース基板が得られる。
【0063】(実施例8)以下に、本発明の実施例8に
おける金属基板の製造方法について、図面を参照しなが
ら説明する。
【0064】図9は本発明の実施例8における金属ベー
ス基板の製造工程図である。まず、図9(a)に示すよ
うに、厚さ1.0mmのアルミニウムを5%水酸化カリ
ウム溶液にて化学エッチングしてベース金属51を作製
する。
【0065】次に、図9(b)に示すように、ベース金
属51の一表面にロールコータにより絶縁塗料Sを塗布
し、250℃で硬化して膜厚20μmの赤外線放射性被
覆層52を形成する。
【0066】次に、図9(c)に示すように、赤外線放
射性被覆層52を形成した工程と同様に、一表面に赤外
線放射性被覆層52を形成したベース金属51の反対側
の表面にもロールコータにより絶縁塗料Sを塗布し、2
50℃で硬化して膜厚100μmの第1の絶縁層53を
形成する。なお、本工程は、赤外線放射性被覆層52を
形成する工程と同時に第1の絶縁層53を形成してもよ
い。
【0067】一方、図9(d)に示すように、35μm
の銅箔を化学エッチングにより一表面を粗面化した金属
層55に、樹脂Cを50vol%と、アルミナ粉末を5
0vol%とを混合し、さらにコーティングに適切な粘
度を有するためにメチルエチルケトンを加えてスラリー
とし、金属層55上にロールコータにより膜厚50μm
に塗布して、約60℃で乾燥して、第2の絶縁層54を
形成する。
【0068】最後に、図9(e)に示すように、ベース
金属51上に設けた第1の絶縁層53と、金属層55の
一表面に設けた第2の絶縁層54とを重ね併せて、真空
中で圧力40kg/cm2、最高加熱温度200℃で2
時間、熱プレスして積層することにより、金属ベース基
板とするものである。
【0069】(表1)より明らかなように、比較例に比
べ、10W負荷時の基板表面の上昇温度の非常に低い金
属ベース基板が得られる。
【0070】(実施例9)以下に、本発明の実施例9に
おける金属基板の製造方法について、図面を参照しなが
ら説明する。
【0071】図10は本発明の実施例9における金属ベ
ース基板の製造工程図である。まず、図10(a)に示
すように、厚さ1.0mmのアルミニウムを5%水酸化
カリウム溶液にて化学エッチングしてベース金属61を
作製する。
【0072】次に、図10(b)(c)に示すように、
ベース金属61の両面にロールコータにより絶縁塗料S
を塗布し、250℃で硬化して赤外線放射性被覆層62
及び63をそれぞれ膜厚20μm,80μmに形成す
る。
【0073】次に、図10(d)に示すように、赤外線
放射性被覆層62を形成した工程と同様に、赤外線放射
性被覆層63を形成した表面にロールコータにより樹脂
Cを50vol%と、アルミナ粉末を50vol%とを
混合しスラリーとして塗布し、250℃で硬化して膜厚
40μmの第1の絶縁層64を形成する。
【0074】一方、図10(e)に示すように、35μ
mの銅箔を化学エッチングにより一表面を粗面化した金
属層66に、樹脂Cを70vol%と、アルミナ粉末を
30vol%とを混合したスラリーとし、金属層66上
にロールコータにより膜厚30μmに塗布して、約60
℃で乾燥して、第2の絶縁層65を形成する。
【0075】最後に、図10(f)に示すように、ベー
ス金属61上に設けた第1の絶縁層64と、金属層66
の一表面に設けた第2の絶縁層65とを重ね併せて、真
空中で圧力40kg/cm2、最高加熱温度200℃で
2時間、熱プレスして積層することにより、金属ベース
基板とするものである。
【0076】(表1)より明らかなように、比較例に比
べ、金属層の引き剥がし強さ、半田耐熱性、10W負荷
時の基板表面の上昇温度のさらに低い金属ベース基板が
得られる。
【0077】なお、上記実施例1〜9において、第1の
絶縁層と第2の絶縁層との総厚みは150μmとした
が、この厚さは金属ベース基板の用途に応じて厚さを変
えても良いということはいうまでもない。
【0078】また、上記実施例1〜9において、第1・
第2の絶縁層、赤外線放射性被覆層、第1・第2の赤外
線放射性被覆層をロールコータを用いてベース金属また
は銅箔上に直接コーティングして設けたが、離型性フィ
ルム上に絶縁層を連続的にコーティングし、プリプレグ
としたものを、ベース金属と銅箔間に第1・第2の絶縁
層、赤外線放射性被覆層を重ねて積層しても良い。
【0079】さらに、金属層として銅箔、無機絶縁材料
として第1・第2の絶縁層、赤外線放射性被覆層にアル
ミナ粉末を用いたが、金属層を銅合金箔、ニクロム箔、
ステンレス箔または各種金属ペーストを、無機絶縁材料
として窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化硼素等の熱縁
伝導性の優れた材料を用いても同様な効果が得られる。
【0080】又、第1の絶縁層は塗布後、積層前に硬化
したが、第2の絶縁層と同様に乾燥のみでも同様な効果
が得られる。
【0081】更に、赤外線放射性被覆層は、導電性材料
であるカーボンを使用することによっても熱放散性を高
めることができる。
【0082】
【発明の効果】以上のように本発明は、絶縁層を複数層
設けることにより、熱抵抗、金属層の引き剥がし強さ、
半田耐熱性および10W負荷時の基板表面の上昇温度が
優れると共に、小型化した金属ベース基板が得られる。
【0083】また、本発明は金属層の引き剥がし強さ、
半田耐熱性、熱抵抗、10W時の基板表面の上昇温度の
優れた金属ベース基板の製造方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における金属ベース基板の
断面図
【図2】同第1実施例における金属ベース基板の製造工
程図
【図3】熱抵抗の測定方法を示す図
【図4】10W負荷時の基板表面の上昇温度の測定方法
を示す図
【図5】同実施例4における金属ベース基板の製造工程
【図6】同実施例6における金属基板の断面図
【図7】同実施例6における金属ベース基板の製造工程
【図8】同実施例7における金属ベース基板の製造工程
【図9】同実施例8における金属ベース基板の製造工程
【図10】同実施例9における金属ベース基板の製造工
程図
【図11】従来の金属ベース基板の断面図
【符号の説明】
1,11,21,31,41,51,61 ベース金属 12,22,33,43,53,64 第1の絶縁層 13,23,34,44,54,65 第2の絶縁層 14,24,35,45,55,66 金属層 32,42,52,53,62,63 赤外線放射性被
覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 速 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース金属と、このベース金属上に熱硬
    化性樹脂の含有量が相違する第1,第2の無機絶縁層を
    介して金属層を設けてなる金属ベース基板。
  2. 【請求項2】 第1,第2の無機絶縁層は、ベース金属
    に近づくにつれて無機絶縁材料の含有量が高い請求項1
    記載の金属ベース基板。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂は、エポキシ変性シリコン
    樹脂からなる請求項1記載の金属ベース基板。
  4. 【請求項4】 ベース金属の金属層を設けてなる面と対
    向する面に赤外線放射性被覆層を設けてなる請求項1記
    載の金属ベース基板。
  5. 【請求項5】 ベース金属の両面に赤外線放射性被覆層
    を設けてなる請求項1記載の金属ベース基板。
  6. 【請求項6】 ベース基板上に熱硬化性樹脂と無機絶縁
    材料との混合物とを塗布して第1の絶縁層を設け、金属
    層上に熱硬化性樹脂と無機絶縁材料との混合物とを塗布
    して第2の絶縁層を設け、前記第1の絶縁層と前記第2
    の絶縁層とを重ね併せて加熱、加圧して硬化してなる金
    属ベース基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 ベース金属上に熱硬化性樹脂と無機絶縁
    材料との混合物とを塗布して第1の絶縁層を設け、この
    第1の絶縁層上に熱硬化性樹脂と無機絶縁材料との混合
    物とを塗布して第2の絶縁層を設け、この第2の絶縁層
    上に金属層を設けてなる金属ベース基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 第1の絶縁層は塗布後に熱硬化し、第2
    の絶縁層は金属層をベース金属に重ね併せて後に加熱、
    加圧して硬化してなる請求項6または7記載の金属ベー
    ス基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 第1の絶縁層に対向するベース金属の表
    面に赤外線放射性被覆層を設けてなる請求項6または7
    記載の金属ベース基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 第1の絶縁層と第2の絶縁層とは、無
    機絶縁材料の含有量が相違させて設けてなる請求項6ま
    たは7記載の金属ベース基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 第1の絶縁層と第2の絶縁層とは、ベ
    ース金属に近づくにつれて無機絶縁材料の含有量が高く
    なるように設けた請求項6または7記載の金属ベース基
    板の製造方法。
  12. 【請求項12】 ベース金属の両面に赤外線放射性被覆
    層を設けてなる請求項6または7記載の金属ベース基板
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 ベース金属上に第1の絶縁層を設けた
    後、このベース基板と第1の絶縁層とを超音波振動した
    後に熱硬化させてなる請求項6または7記載の金属ベー
    ス基板の製造方法。
  14. 【請求項14】 第1の絶縁層と第2の絶縁層との熱硬
    化性樹脂は、エポキシ変性シリコン樹脂である請求項6
    または7記載の金属ベース基板の製造方法。
JP26357694A 1994-10-27 1994-10-27 金属ベース基板およびその製造方法 Pending JPH08125294A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26357694A JPH08125294A (ja) 1994-10-27 1994-10-27 金属ベース基板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26357694A JPH08125294A (ja) 1994-10-27 1994-10-27 金属ベース基板およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08125294A true JPH08125294A (ja) 1996-05-17

Family

ID=17391480

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26357694A Pending JPH08125294A (ja) 1994-10-27 1994-10-27 金属ベース基板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08125294A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011100816A (ja) * 2009-11-05 2011-05-19 Denki Kagaku Kogyo Kk 回路基板
WO2011118352A1 (ja) * 2010-03-23 2011-09-29 東洋アルミニウム株式会社 実装基板用放熱積層材
JP2013121903A (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 Sumitomo Bakelite Co Ltd フィラー、絶縁層形成用組成物、絶縁層形成用フィルムおよび基板
JP2013243398A (ja) * 2013-08-05 2013-12-05 Nhk Spring Co Ltd 回路基板用積層板及び金属ベース回路基板並びにそれらの製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011100816A (ja) * 2009-11-05 2011-05-19 Denki Kagaku Kogyo Kk 回路基板
WO2011118352A1 (ja) * 2010-03-23 2011-09-29 東洋アルミニウム株式会社 実装基板用放熱積層材
CN102870512A (zh) * 2010-03-23 2013-01-09 东洋铝株式会社 安装基板用散热层压材料
JP2013121903A (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 Sumitomo Bakelite Co Ltd フィラー、絶縁層形成用組成物、絶縁層形成用フィルムおよび基板
JP2013243398A (ja) * 2013-08-05 2013-12-05 Nhk Spring Co Ltd 回路基板用積層板及び金属ベース回路基板並びにそれらの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3312723B2 (ja) 熱伝導シート状物とその製造方法及びそれを用いた熱伝導基板とその製造方法
TW398163B (en) The plate for heat transfer substrate and manufacturing method thereof, the heat-transfer substrate using such plate and manufacturing method thereof
JPS62251136A (ja) 金属複合積層板
JPH08125294A (ja) 金属ベース基板およびその製造方法
TWI460076B (zh) A substrate manufacturing method and a structure for simplifying the process
JP3614844B2 (ja) 熱伝導基板
JPH1110791A (ja) 片面金属張り積層板製造用接合材
JPH0446479B2 (ja)
JP3505170B2 (ja) 熱伝導基板及びその製造方法
JPH01157589A (ja) 金属ベース基板の製造方法
JPH1034806A (ja) 積層板材料及び積層板
JPH09246690A (ja) 回路基板用コイル状構成部材の製法
JPH01194491A (ja) 銅張金属ベース基板の製造方法
JPH01290279A (ja) 配線板及びその製造方法
JPS63219562A (ja) セラミツクコ−ト積層板の製造方法
JPH01275622A (ja) エポキシ樹脂組成物
JPS6330798B2 (ja)
WO2019155948A1 (ja) フレキシブルプリント基板の製造方法
JPS63254032A (ja) セラミツク配線基板用材料およびその製造法
JPH01232795A (ja) 金属ベース基板の製造方法
JPH01295482A (ja) 印刷抵抗器内蔵多層プリント回路板およびそれに用いる印刷抵抗器搭載内層基板の製造方法
JPH02130146A (ja) 電気用積層板
JPH09246689A (ja) コイル状回路基板構成部材の製造方法
JPS60170290A (ja) 金属ベ−ス回路基板の製造方法
JPH01156056A (ja) 積層板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050607

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050622

A02 Decision of refusal

Effective date: 20051011

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02