JPH0812466B2 - 静電荷像現像用トナ− - Google Patents

静電荷像現像用トナ−

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JPH0812466B2
JPH0812466B2 JP62005933A JP593387A JPH0812466B2 JP H0812466 B2 JPH0812466 B2 JP H0812466B2 JP 62005933 A JP62005933 A JP 62005933A JP 593387 A JP593387 A JP 593387A JP H0812466 B2 JPH0812466 B2 JP H0812466B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、懸濁重合法によって製造される静電荷像現
像用トナーに関する。
背景技術 従来、電子写真法、静電印刷法、静電記録法などの乾
式画像形成方法に使用されるトナーは、一般に、熱可塑
性樹脂中に着色剤およびその他の添加剤を溶融混合し、
均一に分散させた後に微粉砕装置で粉砕し、所望の粒径
を有する様に分級機により分級して製造されている(粉
砕法)。この粉砕法により得られるトナーはかなり優れ
た特性を有するが、粉砕工程に起因する潜在的な問題点
をも有している。
すなわち、この粉砕法を用いて製造されるトナーにお
いては、その材料がある程度粉砕され易いように脆性を
持っていなくてはならない。しかし、あまりにも脆性の
高い材料を用いると、トナーが微粉化され過ぎて、最終
的に適切な粒度分布のトナーを得るため微粉を除去しな
くてはならず、そのため製造コストが高くなってしま
う。更に、このようなトナーは、複写機の現像器中で、
時として更に微粉化されてしまう場合がある。また、熱
定着性を改善するために、トナーに低融点の材料を用い
たり、圧力定着性の材料を用いた場合、粉砕装置あるい
は分級装置の中でトナーが融着現象を起こし、連続生産
できない場合が生ずる。
トナーの他の必要条件としては、現像に適した摩擦帯
電特性を有すること、優れた現像画像を形成すること、
放置しても性能の変化がなく、凝固(ブロッキング等)
しないこと、耐摩耗性を有していること、適当な熱定着
性あるいは圧力定着特性を有すること、感光体表面等を
汚染しないこと、などが挙げられる。この他に、特に定
着プロセスにおいては、トナーが熱および/又は圧力定
着ローラーに付着し、この付着トナーが次に定着ローラ
ーに接触したコピー紙上に再転写されるオフセット現象
が常に問題となっている。
このオフセット現象を防止するため、従来より、トナ
ー画像に接する側の定着ローラーに、シリコーンオイル
のような剥離剤を塗布することが行なわれてきた。しか
し近年は、トナー中にポリプロピレン、ポリエチレンな
どのポリオレフィンを含有させ、定着ローラーにシリコ
ーンオイルの如き剥離剤を塗布しないか、または該オイ
ルの塗布量を減少させて、オフセットを防止する方法が
一般的となって来た。最近、トナーの耐オフセット性を
更に向上させるため、上記ポリオレフィンをより多量に
加えるか、あるいは、より低融点のポリオレフィンをト
ナー中に含有させることが試みられたが、粉砕機もしく
は分級器等でトナー融着が極めて生じ易くなるため、粉
砕法では実用化が困難であった。
そこで、このような粉砕法の問題点を克服するための
手段として、懸濁重合法により重合性単量体から重合ト
ナーを生成させることが提案されている。
従来の一般的な懸濁重合法においては、着色剤および
重合性単量体を少なくとも含有する単量体組成物を、水
性媒体中でトナーに対応する粒径に造粒し、あらかじめ
単量体組成物に添加されている重合開始剤(または新た
に該組成物に添加れた重合開始剤)が熱分解する際に発
生するラジカルにより、重合性単量体を重合させて重合
体を形成し、重合トナーを生成させている。すなわち、
この懸濁重合法では粉砕工程が含まれないため重合トナ
ーには粉砕法におけるような脆性が必要でなく、しかも
該重合トナーは、形状が球形で流動性に優れ、摩擦帯電
性も均一である等の優れた特徴を有している。
しかしながら、従来より黒色トナーの着色剤として広
く使用されるカーボンブラック、特に着色力の高い顔料
用カーボンブラックは、その1次粒子径が小さいため、
重合性単量体中への均一な分散が困難という問題があ
る。すなわち、上記懸濁重合法においては、重合性単量
体系でのカーボンブラックの機械的な混練・分散は、サ
ンドミル、パールミル等の分散装置により通常なされる
が、時間の経過とともにカーボンブラックの再凝集が起
こり易くなるという現象がみられる。このため、重合の
進行に伴ってカーボンブラック粒子の凝集による黒色度
の低下や、トナー粒子中あるいはトナー粒子間における
カーボンブラックの偏在によるトナー摩擦帯電性の不均
一化等が引き起こされ、画像濃度が高く、安定した画質
の画像を与える静電荷像現像用トナーを得ることができ
なかった。
このような問題点を解消するためには、特開昭53−17
736号公報や特開昭56−116044号公報に開示されたシラ
ン処理剤による表面処理カーボンブラックや、グラフト
化されたカーボンブラックを使用することも考えられ
る。
しかしながら、これら従来の表面処理カーボンブラッ
クを使用しても、懸濁重合法により生成した重合トナー
中における分散性の向上は未だ不充分であったため、よ
りカーボンブラック分散性が向上した、高い画像濃度を
与える静電荷像現像用トナーが切望されていた。
発明の目的 本発明の目的は、上記の如き問題点を解決した静電荷
像現像用トナーを提供することにある。
本発明の他の目的は、カーボンブラックの分散性が良
好で、画像濃度、画質がともに優れた画像を与える静電
荷像現像用トナーを提供することにある。
発明の概要 本発明者らは鋭意研究の結果、単量体組成物中に、ジ
ルコアルミネート系カップリング剤と反応させたカーボ
ンブラックを存在させつつ、該単量体組成物の重合を行
うことが、懸濁重合反応の前後を通じて、該カーボンブ
ラックの有機媒体(単量体、そのオリゴマー等)に対す
る分散性を良好に維持することを可能とし、上記目的の
達成に極めて効果的であることを見出した。
本発明の静電荷像現像用トナーは、このような知見に
基づくものである。
すなわち、本発明は、少なくとも重合性単量体と、カ
ーボンブラックとを含有する単量体組成物を懸濁重合し
てなる重合トナーであって; 前記カーボンブラックが、下記ジルコアルミネート系
カップリング剤(A)と、下記化合物(B)との反応生
成物により処理されたカーボンブラックであることを特
徴とする静電荷像現像用トナーに関する。
(A)官能基としてアミノ基又はカルボキシル基を有す
るジルコアルミネート系カップリング剤。
(B)ジルコアルミネート系カップリング剤(A)の前
記官能基の少なくとも1つと反応し得る基であって、水
酸基、カルボキシル基、酸無水物基、イソシアネート
基、アミノ基又はエポキシ基から選ばれる基を有する化
合物。
上記構成を有する本発明のトナーにおいては、カーボ
ンブラック表面に結合したジルコアルミネート系カップ
リング剤の特性に基づき、カーボンブラックの有機媒体
(例えば重合性単量体、その重合体たるオリゴマーない
しバインダー樹脂)に対する親和性が向上するととも
に、カーボンブラックの該有機媒体への分散性も著しく
向上するため、バインダー樹脂に対して、カーボンブラ
ックが均一且つ良好に分散したトナーが得られるものと
推定される。
本発明においては、上記ジルコアルミネート系カップ
リング剤として特定の反応性官能基を有するカップリン
グ剤(A)を用い、この官能基と反応する他の化合物
(B)と上記カップリング剤(A)との反応生成物で処
理したカーボンブラックを用いることが、更に好まし
い。
本発明のこのような好ましい態様によれば、前述した
特定の官能基を有する化合物(B)が、特定のジルコア
ルミネート系カップリング剤(A)を介してカーボンブ
ラック表面に結合しているため、カーボンブラック表面
に比較的長い分子鎖が結合することとなり、カーボンブ
ラックの前記有機媒体に対する分散性を、一層向上させ
ることができるものと推定される。
以下、本発明を更に詳細に説明する。以下の記載にお
いて、量比を表わす「部」および「%」は、特に断らな
い限り重量基準とする。
発明の具体的説明 本発明において、単量体組成物中に含有させるカーボ
ンブラックとしては、前述したジルコアルミネート系カ
ップリング剤でその表面が処理されていることにより、
表面の少なくとも一部が上記ジルコアルミネート系カッ
プリング剤で覆われているカーボンブラックを用いる。
本発明に用いる表面処理カーボンブラックは以下のよ
うな方法により得ることが好ましいが、下記の方法に限
定されるものではない。
(第1法) カーボンブラックの水性スラリーにジルコアルミネー
ト系カップリング剤を加え、更に濾過により水を除く
か、あるいは乾燥機等を用いて脱水処理することによ
り、ジルコアルミネート系カップリング剤はカーボンブ
ラックと容易に反応して、表面処理カーボンブラックが
得られる。
この際、カーボンブラックの分散に関しては、ジルコ
アルミネート系カップリング剤を加える以前に、水性ス
ラリー中のカーボンブラックをパールミル、アトライタ
ー等の分散機にて分散させるか、又は、該カップリング
剤を加えた後に、これらの分散機でカーボンブラックを
分散させつつ処理を行なうことが好ましい。
又、水系分散媒中にジルコアルミネート系カップリン
グ剤を先に加え、その後にカーボンブラックを加えてス
ラリー状とし、パールミル、アトライター等の分散機を
用いてカーボンブラックを分散させつつ処理を行っても
よい。
又、上記処理の後に、カーボンブラックに結合してい
ないジルコアルミネート系カップリング剤を、水洗等に
より取り除くことは更に好ましい。
(第2法) 重合性単量体中で(例えばスラリー状とした)カーボ
ンブラックに、ジルコアルミネート系カップリング剤を
添加することによっても、該カップリング剤をカーボン
ブラックと好適に反応させることができる。
この際、前記第1法におけると同様に、カーボンブラ
ックの重合性単量体中への分散に関しては、上記カップ
リング剤を加える以前に、パールミル、アトライター等
の分散機を用いてカーボンブラックを重合性単量体中へ
分散するか、又は該カップリング剤を加えた後に、これ
らの分散機でカーボンブラックを分散させつつ処理を行
なうことが好ましい。
又、重合性単量体中にジルコアルミネート系カップリ
ング剤を先に加え、その後にカーボンブラックを加えて
スラリー状とし、パールミル、アトライター等の分散機
を用いてカーボンブラックを分散させつつ処理を行って
もよい。
本発明に用いるジルコアルミネート系カップリング剤
は、(重合性単量体中でも)カーボンブラックと常温で
短時間に反応するため、このように重合性単量体中で処
理する方法が簡便で好ましい。
更には、上記処理が粘度の低い重合性単量体中で行な
われることにより、ジルコアルミネート系カップリング
剤のカーボンブラックへの結合が均一に行なわれ易く、
且つ処理されたカーボンブラックを含有するスラリー
を、そのままの状態で、単量体組成物として使用するこ
とができる点から好ましい。更には、(水等の分散媒と
の濾別、分離による)処理カーボンブラックの再凝集の
影響を除くための再分散の工程を省くことができるた
め、トナー製造工程上からも好ましい。
(第3法) 第2法の重合性単量体に代えてベンゼン、トルエン、
キシレン、シクロヘキサノン等の有機溶媒を用い、該溶
媒中で第2法と同様にカーボンブラックを処理すること
も可能である。
又、反応終了後、カーボンブラックに結合していない
ジルコアルミネート系カップリング剤を、これらの溶媒
で洗浄して除去してもよい。
本発明において、ジルコアルミネート系カップリング
剤とは、分子中に少なくとも1つのZr原子と、少なくと
も1つのAl原子とを有し、且つ上記Al原子に、カーボン
ブラック表面の活性水素(酸素原子、イオウ原子、窒素
原子等のヘテロ原子と結合している水素原子)と反応し
得る官能基(少くとも1つ)が結合している有機ジルコ
アルミネート化合物をいう。
本発明においては、上記ジルコアルミネート系カップ
リング剤は、側鎖(上記Zr又はAl原子に結合している
基)として水酸基を有する有機ジルコアルミネート化合
物を用いることが好ましい。また、このジルコアルミネ
ート系カップリング剤は、分子中に、カーボンブラック
表面に結合する機能を有するアルミニウムアシレート部
分と、この分子の無機部分(Zr原子とAl原子)に水酸基
安定性の耐加水分解性とを与える有機ジルコニウム部分
とを、ともに有することが好ましい。
本発明に用いる上記ジルコアルミネート系カップリン
グ剤は、通常、(例えば以下にその一態様を示すよう
に)カーボンブラック表面と水素結合および共有結合の
両者で結合し、カーボンブラックに重合性単量体等の有
機媒体に対する好ましい分散性を与えるものと推定され
る。
又は、 更には、このジルコアルミネート系カップリング剤
は、常温で、短時間にカーボンブラック表面と反応し易
く、容易にカーボンブラックの処理がなされ、しかも、
このジルコアルミネート系カップリング剤で処理したカ
ーボンブラックを含有する本発明のトナーは、特に耐温
性に優れるという特徴を有する。
本発明においては、ジルコアルミネート系カップリン
グ剤として、市販されているもの(例えば、米国CAVEDO
N CHEMICAL CO.INC.製のCAVCO MOD(商品名))をその
まま利用することができ、具体的には、例えば以下のよ
うな化合物が好ましく用いられる。
CAVCO MOD−A (アミノ基含有化合物、CAVEDON CHEMICAL社製) CAVCO MOD−C (カルボキシル基含有化合物) CAVCO MOD−C−1 (カルボキシル基含有化合物) CAVCO MOD−F (脂肪酸含有化合物) CAVCO MOD−M (メタクリルオキシ基含有化合物) CAVCO MOD−M−1 (メタクリルオキシ基含有脂肪酸反応物) CAVCO MOD−S (メルカプタン基含有化合物) CAVCO MOD−APG (アミノ基含有化合物) CAVCO MOD−CPG (カルボキシル基含有化合物) CAVCO MOD−CPM (カルボキシル基含有化合物) CAVCO MOD−FPM (脂肪酸含有化合物) CAVCO MOD−MPG (メタクリルオキシ基含有化合物) CAVCO MOD−MPM (メタクリルオキシ基含有化合物) 等。
水性スラリーとしたカーボンブラックの処理への適用
には、特にA、C、F、M、S等のアルコール系タイプ
(アルコール系溶媒に可溶)のカップリング剤を用いる
ことが、処理操作が容易な点から好ましく、一方、重合
性単量体又は水以外の溶媒(例えば有機溶媒)中でのカ
ーボンブラックの処理には、APG、CPG、CPM、FPM、MP
G、MPM等のグリコール系タイプ(溶媒がグリコール系で
あること)のカップリング剤を用いることが、カップリ
ング剤処理後のカーボンブラックの疎水性を向上させる
点から好ましい。
カーボンブラックに対するジルコアルミネート系カッ
プリング剤の添加量は、カーボンブラックの粒度、表面
構造等によっても異なるが、カーボンブラック100部に
対して0.5部〜10部(更に好ましくは0.5部〜5部)用い
ることが好ましい。
上記ジルコアルミネート系カップリング剤の添加量が
0.5部未満では、カーボンブラックの分散性の向上に対
して効果が少なく、又、10部を越えるとカーボンブラッ
クと結合しない遊離のカップリング剤が多く発生するこ
ととなる。
また、重合性単量体系での処理への適用には、官能基
がメタクリルオキシ基を有するカップリング剤(例えば
M、MPG)を用いることが、これらの少なくとも一部が
重合性単量体と共重合することにより、更にカーボンブ
ラックの分散性の向上が計られるため、特に好ましい。
生成した重合トナー中におけるカーボンブラックの分
散の状態は、光学顕微鏡でトナー粒子を直接観察するこ
とにより判定することができる。
本発明の好ましい態様においては、上記ジルコアルミ
ネート系カップリング剤として、アミノ基又はカルボキ
シル基を有するジルコアルミネート系カップリング剤
(A)を用い、該カップリング剤(A)と、このアミノ
基等の官能基と反応し得る官能基を有する化合物(B)
との反応生成物により、カーボンブラックを処理するこ
とが好ましい。
この場合、カーボンブラック表面に結合したジルコア
ルミネート系カップリング剤の分子鎖をより長くするこ
とにより、該カーボンブラックの低粘度の重合性単量体
に対する分散性を更に向上させることができる。
上述したジルコアルミネート系カップリング剤(A)
は、その分子中に前記アミノ基又はアカルボキシル基の
いずれか1つを有していれば足りるが、これらの官能基
を複数(あるいは2種以上)有していてもよい。更に
は、必要に応じて、2種以上のジルコアルミネート系カ
ップリング剤(同種あるいは異なる種類の官能基を有す
るもの)を組合せて用いてもよい。
本発明において、アミノ基を有するジルコアルミネー
ト系カップリング剤(A)に対しては、これと反応する
化合物(B)として、水酸基を有する化合物、カルボキ
シル基を有する化合物、酸無水物基を有する化合物、又
はイソシアネート基を有する化合物を用いることが好ま
しい。
また、カルボキシル基を有するジルコアルミネート系
カップリング剤(A)に対しては、化合物(B)として
アミノ基を有する化合物、エポキシ基を有する化合物、
又はイソシアネート基を有する化合物を用いることが好
ましい。
本発明におけるジルコアルミネート系カップリング剤
(A)と前記化合物(B)とによる処理は、例えば以下
に述べる方法により行うことが好ましいが、下記に限定
されるものではない。
(1)溶媒中で、先ずカーボンブラックを前述したよう
にジルコアルミネート系カップリング剤(A)で処理を
し、その後該カップリング剤(A)の官能基と反応する
化合物(B)を加え、加熱処理する方法。
(2)溶媒中で、カーボンブラックに、ジルコアルミネ
ート系カップリング剤(A)と、該カップリング剤の官
能基と反応する化合物(B)とを同時に加えて加熱処理
する方法。
(3)重合性単量体中で、先ずカーボンブラックを、前
述したようにジルコアルミネート系カップリング剤
(A)で処理をし、その後該カップリング剤の官能基と
反応する化合物(B)を加える方法。
(4)重合性単量体中で、カーボンブラックにジルコア
ルミネート系カップリング剤(A)と、該カップリング
剤の官能基と反応する化合物(B)とを同時に加えて処
理する方法。
これらの方法におけるカーボンブラックの分散に関し
ては、パールミル、アトライター等の分散機を用いて分
散することが好ましい。
これらの処理方法に用いられる化合物(B)は、カー
ボンブラック100部に対して、1部〜50部(更に好まし
くは1部〜25部)用いることが好ましい。この化合物
(B)の使用量が1部未満ではかかる処理によるカーボ
ンブラックの分散性の向上効果が少なく、又50部を越え
るとカーボンブラックの単量体組成物中への分散時にお
ける粘度が高くなり過ぎるため、好ましくない。
本発明に用いる上記化合物(B)としては、ジルコア
ルミネート系カップリング剤(A)のアミノ基、又はカ
ルボキシル基の少なくとも1つと反応し得る官能基であ
って、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、イソシア
ネート基、アミノ基又はエポキシ基から選ばれる官能基
の少なくとも1つを有する化合物が用いられる。このよ
うな化合物(B)としては、低分子化合物、又は高分子
化合物(平均分子量が好ましくは1000〜50,000程度)の
いずれも用いることが可能である。
以下、それぞれの官能基を有する化合物(B)の具体
例について説明する。
(1)水酸基を有する化合物 例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコー
ル、ステアリルアルコール等の(好ましくはC5〜C
50の)高級アルコール;リン酸エステル(好ましくはC5
〜C50の炭化水素基を1つ以上有するもの);ヒドロキ
シエチルメタクリレート−スチレン共重合体等のヒドロ
キシル基を有する重合体;等が好ましく用いられる。
上記リン酸エステルとしては、より具体的には、例え
ば、 モノドデシルホスフェート、ジドデシルホスフェー
ト、セスキドデシルホスフェート、セスキプロピルホス
フェート、セスキオクチルホスフェート、セスキオレイ
ルホスフェート、モノヘキシルホスフェート、ジヘキシ
ルホスフェート、モノオレイルホスフェート、セスキド
デシルポリオキシエチレン(3)ホスフェート、セスキ
ドデシルポリオキシエチレン(9)ホスフェート、モノ
ドデシルポリオキシエチレン(5)ホスフェート、モノ
オクタデシルポリオキシエチレン(5)ホスフェート、
セスキドデシルポリオキシプロピレン(9)ホスフェー
ト、モノオクタデセニルポリオキシプロピレン(8)ホ
スフェート、等が好ましく用いられる。
(2)カルボキシル基を有する化合物 例えば、ステアリン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸
(好ましくはC5〜C50);ポリエステル、スチレン−メ
タクリル酸共重合体:等のカルボキシル基を有する化合
物が好ましく用いられる。
(3)酸無水物基を有する化合物 例えば、スチレン−無水マレイン酸共重合体、無水マ
レイン酸とα−オレフィンとの共重合体等の不飽和二塩
基酸無水物−ビニルモノマー共重合体;ドデセニルこは
く酸無水物等の高級脂肪酸(好ましくはC5〜C50)の酸
無水物等が好ましく用いられる。
(4)イソシアネート基を有する化合物 例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合
物;ヘキサメチレンジイソシアネート等の炭化水素鎖
(好ましくはC5〜C50)を有する脂肪族ジイソシアネー
ト化合物等が好ましく用いられる。
(5)アミノ基を有する化合物 一般式R1−NH2、R1−NH−R2、又は (R1、R2およびR3は、それぞれ、好ましくはC1〜C50
アルキル基を示す)で表わされる一級アミン、二級アミ
ン、又は三級アミン(例えば、ステアリルアミン、ジヘ
キサデシルアミン、トリデシルアミン);スチレン−ジ
メチルアミノエチルメタクリレート共重合体等のジアル
キルアミノ基又はモノアルキルアミノ基を有する重合
体;等が好ましく用いられる。
(6)エポキシ基を有する化合物 例えば、スチレン−グリシジル(メタ)アクリレート
共重合体等がある。
上述した化合物(B)は、前記した水酸基、カルボキ
シル基、酸無水物基、イソシアネート基、アミノ基、又
はエポキシ基のいずれか1つを有していれば足りるが、
これらの官能基を複数(あるいは2種以上)有していて
もよい。更には、必要に応じて、2種以上の上記化合物
(B)(同種あるいは異なる種類の官能基を有するも
の)を組合せて用いてもよい。
本発明において、使用されうるカーボンブラックとし
ては、例えば 米国キャボット製カーボンブラック、スターリング
(Sterling)R、リーガル(Regal)330R、リーガル660
R、リーガル400R、モグル(Mogul)L、モナーク(Mona
rch)1000、等; コロンビアカーボン製カーボンブラック、ラーベン
(Raven)7000、ラーベン3500、ラーベン1200、ラーベ
ン1250、ラーベン1255、ラーベン450、ラーベン8000等
がある。
カーボンブラックの使用量は、重合性単量体100部に
対して、1〜30部、好ましくは5〜20部用いられる。
以上において本発明の単量体組成物中に含有させるカ
ーボンブラックについて説明したが、本発明において
は、必要に応じて(本発明の目的に反しない範囲で)、
他の着色剤(例えば従来公知の染顔料をいい、未処理カ
ーボンブラックを包含する趣旨で用いる)を単量体組成
物中に含有させてもよい。この「他の着色剤」の単量体
組成物中の含有量は、本発明に用いる処理カーボンブラ
ック100部に対して、100部以下(更には50部以下)であ
ることが好ましい。
次に、上述したようなジルコアルミネート系カップリ
ング剤により処理されたカーボンブラックとともに単量
体組成物を構成する材料について説明する。
本発明で使用される重合性単量体は、CH2=C基を
有するモノマーであり、具体的には以下のようなモノマ
ーがあげられる。
すなわち、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4
−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメ
チルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブ
チルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オ
クチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デ
シルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、等のスチレ
ンおよびその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、イソブチレンなどのエチレン、不飽和モノオレフィ
ン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ
化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステ
ル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリ
ル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリ
ル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタク
リル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルア
ミノエチルなどのα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸エ
ステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステア
リル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニ
ルなどのアクリル酸エステル類;マレイン酸、マレイン
酸ハーフエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチ
ルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエ
ーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン
類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−
ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビ
ニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸
もしくはメタクリル酸誘導体等が、単独であるいは2種
以上混合して使用しうる。
上記モノマーの中でも、スチレン又はスチレン誘導体
を、単独でまたは他のモノマーと混合して重合性単量体
として使用することが、トナーの現像特性および耐久性
を高める点で好ましい。
単量体組成物には、熱圧ローラ定着における定着性、
および耐オフセット性を改善するために、パラフィンワ
ックスの如きワックス類、低分子量ポリエチレン及び低
分子量ポリプロピレンの如き低分子量ポリオレフィン等
の離型性を有する低軟化点化合物を加えることが好まし
い。この場合、該低軟化点化合物の添加量は、重合性単
量体100部に対して1〜300部(更には4〜100部)であ
ることが好ましい。
低軟化点化合物としては、パラフィン、ワックス、低
分子量ポリオレフィン、芳香族基を有する変性ワック
ス、脂環基を有する炭化水素化合物、天然ワックス、炭
素数12以上の長鎖炭化水素鎖〔CH3CH2 11又はCH2
12以上の脂肪族炭素鎖)を有する長鎖カルボン酸、そ
のエステル等を例示し得る。異なる低軟化点化合物を混
合して用いても良い。
このような低軟化点化合物として、具体的にはパラフ
ィンワックス(日本石油製)、パラフィンワックス(日
本精蝋製)、マイクロワックス(日本石油製)、マイク
ロクリスタリンワックス(日本精蝋製)、硬質パラフィ
ンワックス(日本精蝋製)、PE−130(ヘキスト製);
三井ハイワックス110P、三井ハイワックス220P、三井ハ
イワックス660P、三井ハイワックス210P、三井ハイワッ
クス320P、三井ハイワックス410P、三井ハイワックス42
0P、ハイレッツT−100X、ハイレッツT−200X、ハイレ
ッツT−300X、ペトロジン80、ペトロジン100、ペトロ
ジン120、タックエースA−100、タックエースF−10
0、タックエースB−60、変性ワックスJC−1141、変性
ワックスJC−2130、変性ワックスJC−4020、変性ワック
スJC−1142、変性ワックスJC−5020(以上三井石油化学
製);蜜ロウ、カルナバワックス、モンタンワックス等
を挙げることができる。
単量体組成物中には、架橋重合体を生成するために次
のような架橋剤を存在させて懸濁重合してもよい。特
に、単量体組成物中に重合体、共重合体又は環化ゴムを
添加しない場合には、架橋剤を添加した方が好ましい。
上記架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナ
フタレン、ポリエチレングリコールジメタクリレート、
ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレング
リコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
メタクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメタクリ
レート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジ
プロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレ
ングリコールジメタクリレート、2,2′−ビス(4−メ
タクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2′−
ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパ
ン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロー
ルメタンテトラアクリレート、ジブロムネオペンチルグ
リコールジメタクリレート、フタル酸ジアリルなど、一
般の架橋剤を適宜用いることができる。
これらの架橋剤の使用量が多過ぎると、トナーが熱で
溶融しにくくなり熱定着性、又は熱圧定着性が劣ること
となる。また架橋剤の使用量が少な過ぎると、トナーと
して必要な耐ブロッキング性、耐久性などの性質が悪く
なり、熱ロール定着において、トナーの一部が紙に完全
に固着しないでローラー表面に付着し、次の紙に転移す
るというオフセット現象を防ぎにくくなる。故に、これ
らの架橋剤の使用量は、重合性単量体100部に対して0.0
01〜15部(より好ましくは0.1〜10部)使用するのが良
い。
次に、上述した材料からなる単量体組成物の重合に用
いる重合開始剤について述べる。
本発明者らの知見によれば、水溶性の重合開始剤を使
用した場合、生成する重合トナーは耐湿性が低下し、高
温高湿時における現像特性および耐ブロッキング性が劣
化してしまうので、環境特性に優れた重合トナーを製造
するためには、実質的に非水溶性の重合開始剤を使用す
ることが好ましい。
ここに、本発明において、実質的に非水溶性の重合開
始剤とは、室温にて水100gに対して1g以下の溶解度を有
するものであり、好ましくは水100gに対して0.5g以下、
特に好ましくは水100gに対して0.2g以下の低溶解度を有
するものである。
重合開始剤が水100gに対して1gを越える溶解度を有す
る場合には、重合終了後に重合トナー粒子表面に残存す
る重合開始剤の分解生成物が、重合トナーの耐湿性を低
下させるので好ましくない。
また、本発明で使用する重合開始剤は、重合性単量体
に可溶であることが好ましく、通常使用する量範囲(例
えば重合性単量体100部に対して重合開始剤1〜10部)
では良好に重合性単量体に溶解する溶解特性を有するこ
とが好ましい。
このような重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイ
ソビチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン
−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メト
キシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、その他のアゾビ
スイソブチロニトリル(AIBN)の如きアゾ系またはジア
ゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、メチルエ
チルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキシカ
ーボネート、キユメンハイドロパーオキサイド、2,4−
ジクロリルベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイドの如き過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
特に、中性開始剤であるアゾビス系の重合開始剤を用
いることが、カーボンブラックによる影響が少なく好ま
しい。
本発明の製造方法において、重合体の分子量および分
子量分布を調節する目的で、または反応時間を調節する
目的等で、二種類またはそれ以上の重合開始剤を混合し
て使用することも好ましい。
重合開始剤の使用量は、重合性単量体100部に対して
通常0.1〜20部、好ましくは1〜10部である。重合開始
剤が0.1部未満では、各単量体組成物粒子へ均等に、充
分な量の重合開始剤を分散または付与することが困難で
あり、一方、重合開始剤が20部を越えると、重合生成物
の分子量が低くなるとともに重合反応が不均一に生ずる
傾向が高まる。
本発明において、懸濁重合反応は、通常、重合温度50
℃以上で行なわれ、重合開始剤の分解速度を考慮して上
限温度が設定される。設定重合温度が高すぎると、重合
開始剤が急激に分解されてしまうので好ましくない。
造粒工程により形成された単量体組成物粒子が所定粒
度を有していることを確認した後に、液温をそのまま保
持して重合を進行させるか、又は、該粒子を含む水性媒
体等の分散媒体の液温(例えば50〜70℃)を調節して重
合反応を進行させる。
又、単量体組成物に、重合性単量体に溶解する極性基
を有する極性重合体、極性共重合体または環化ゴム等か
らなる添加剤を添加して重合性単量体を重合すると、好
ましい特性を有する重合トナーを得ることができる。
上記極性重合体、極性共重合体または環化ゴムは、重
合性単量体100部に対して0.5〜50部、更には1〜40部を
添加するのが良い。極性重合体等が0.5部未満では、重
合性単量体と後述するような充分な疑似カプセル構造を
とることが難しく、該重合体等が50部を越えると、重合
性単量体の量が不足して重合トナーとしての特性が低下
する傾向が強くなる。
極性重合体、極性共重合体または環化ゴムを添加した
重合性単量体組成物は、該極性重合体等と逆荷電性の微
粉末分散安定剤を分散せしめた水性媒体の水相中に懸濁
させ、集合させることが好ましい。即ち、重合性単量体
組成物中に含まれるカチオン性又はアニオン性重合体、
カチオン性又はアニオン性共重合体またはアニオン性環
化ゴムは、水性媒体中に分散している逆荷電性のアニオ
ン性又はカチオン性の微粉末分散安定剤と、トナーとな
る粒子表面で静電気的に引き合い、該粒子表面を微粉末
安定剤を覆うことにより粒子同志の合一を防ぎ、安定化
せしめる。これに加え、添加した極性重合体、極性共重
合体または環化ゴムが、トナーとなる粒子表層部に集ま
る為、極性重合体等が一種の殻のような形態となり、得
られた上記粒子は疑似的なカプセル構造を有する様にな
る。そして、該粒子表層部に集まった比較的高分子量の
極性重合体、極性共重合体または環化ゴムは、トナー粒
子に耐ブロッキング性、現像性、荷電制御性、耐摩耗性
等の優れた性質を付与する。
本発明に使用し得る極性重合体(以下において、極性
共重合体及び環化ゴムを包含する趣旨で用いる)の一部
を以下に例示する。尚、極性重合体はGPCで測定した重
量平均分子量が5,000〜500,000のものが、重合性単量体
に良好に溶解し、且つ耐久性も有するので好ましく使用
される。
(1)カチオン性重合体としては、ジメチルアミノエチ
ルメタクリエート、ジエチルアミノエチルアクリレート
等の含窒素単量体の重合体、スチレンと該含窒素単量体
との共重合体もしくはスチレン、不飽和カルボン酸エス
テル等と該含窒素単量体との共重合体がある。
(2)アニオン性重合体としては、アクリロニトリル等
のニトリル系単量体、塩化ビニル等の含ハロゲン系単量
体、アクリル酸等の不飽和カルボン酸、不飽和二塩基
酸、不飽和二塩基酸の無水物の重合体もしくは共重合
体、またはスチレンとこれらの単量体との共重合体があ
る。またポリエステル、環化ゴムもアニオン性重合体と
して使用され得る。
一方、分散安定剤としては、親水性有機分散剤と微粉
末分散安定剤とのいずれを用いることもできるが、得ら
れたトナーの耐湿性向上の点からは、微粉末分散安定剤
が好ましく用いられる。
親水性有機分散剤としては、例えばポリビニルアルコ
ール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルハイドロキ
シプロピルセルロール、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸およ
びそれらの塩、デンプン、ガムアルギン酸塩、ゼイン、
カゼイン等が挙げられる。
微粉末分散安定剤としては、水性媒体の如き液状媒体
中で単量体組成物粒子を分散安定化する能力を有し、水
に難溶性の無機微粉末が好ましく用いられる。水性媒体
中への分散剤の添加量は、単量体組成物100部に対して
0.1〜20部、更には1〜15部使用することが好ましい。
アニオン性微粉末分散安定剤としては、アエロジル#
200 #300(日本アエロジル社製)ニプシールE−220A
(日本シリカ製)、ファインシールT−32(徳山曹達
製)等のコロイダルシルカが挙げられる。
カチオン性微粉末分散安定剤としては、酸化アルミニ
ウム、酸化マグネシウム、カップリング剤処理によるア
ミノアルキル変性コロイダルシリカ等の親水性正帯電性
シリカ微粉末等が挙げられる。
尚、本発明トナーの製造方法においては、分散安定剤
を用いることが好ましいが、必ずしも液状媒体中で極性
重合体と逆荷電性を有する分散安定剤を使用する場合に
限定されない。
また、上記微粉末分散安定剤と組合わせて、適当な安
定化剤、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メ
チルセルロース、メチルヘイドロプロピルセルロース、
エチルセルロール、カルボキシメチルセルロースのナト
リウム塩、ポリアクリル酸およびそれらの塩、デンブ
ン、ガムアルギン酸塩、ゼイン、カゼイン、リン酸三カ
ルシウム、タルク、硫酸バリウム、ベントナイト、水酸
化アルミニウム、水酸化第2鉄、水酸化チタン等のいず
れか1種または2種以上の混合物を、水性媒体中に本発
明トナーの製造方法に悪影響を与えない範囲で含有させ
て使用しても良い。
又、前記無機分散安定剤の均一な分散のために、界面
活性剤を本発明の製造方法に悪影響を与えない範囲で使
用してもよい。これは上記分散安定在の所期の作用を促
進するためのものであり、その具体例としては、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナ
トリウム、ベンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸
ナトリウム、アリル−アルキル−ポリエーテルスルホン
酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナト
リウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウ
ム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オ
レイン酸カルシウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素
−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−
スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−
アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5,−テトラメチル−ト
リフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトー
ル−ジスルホン酸ナトリウム、その他を挙げることがで
きる。しかしながら、親水性の有機安定剤または界面活
性剤を使用した場合には、重合トナーの耐湿性が低下す
る傾向があることに留意する必要がある。
単量体組成物中が極性重合体ないし環化ゴムを包含す
る場合の造粒性を高めるために、塩酸の如きブレンステ
ッド酸を水性媒体へ添加することも好ましい。特に、塩
酸の如きブレステッド酸を水性媒体中に添加すること
は、アニオン性重合体、アニオン性共重合体または環化
ゴムと分散剤(特にカチオン性分散剤)の効果をより高
める上で有利である。
重合反応終了後、通常の方法で後処理することにより
重合トナー粒子が得られる。例えば、生成した重合体粒
子を洗浄、分散安定剤を除去した後、ろ過、デカンテー
ション、遠心分離等の如き適当な方法により回収し、乾
燥することにより重合トナーが得られる。
このようにして得られるトナー中に、必要に応じて荷
電制御剤、流動性改質剤を添加(内添)しても良い。こ
の場合、通常はこれら荷電制御剤、流動性改質剤等を単
量体組成物中に添加すればよい。荷電制御剤および流動
性改質剤は重合後のトナー粒子と混合(外添)して用い
ても良い。
荷電制御剤としては、カルボキシ基又は含窒素基を有
する有機化合物の金属錯体、含金属染料、ニグロシン等
がある。流動性改質剤または潜像担持体(感光体)表面
のクリーニング補助剤としては、コロイダルシルカ、脂
肪酸金属塩などがある。又、増量の目的で炭酸カルシウ
ム、微粉状シリカ等の充填剤を0.5〜20重量%で範囲で
トナー中に配合してもよい。更に、トナー粒子相互の凝
集を防止して流動性を向上するために、テフロン微粉末
またはステアリン酸亜鉛粉末のような流動性向上剤を配
合してもよい。
本発明の重合トナーは、公知の乾式静電荷像現像法に
特に制限なく適用できる。この重合トナーは、例えば、
カスケード法、磁気ブラシ法、マイクロトーニング法、
二成分ACバイアス現像法などの二成分現像法;粉末雲法
およびファーブラシ法;トナー担持体上にトナーが静電
気的力によって保持されることによって現像部へ搬送さ
れ、現像に供される非磁性一成分現像法;電界カーテン
法によりトナーが現像部へ搬送され、現像に供される電
界カーテン現像法などに適用可能である。
発明の効果 上述したように本発明によれば、ジルコアルミネート
系カップリング剤(A)及び化合物(B)により表面が
処理されたカーボンブラックを含有する単量体組成物
を、懸濁重合してなる重合トナーが提供される。
本発明の重合トナーは、このトナー中のカーボンブラ
ックの高い分散性に基づき、均一な摩擦帯電性を示し、
画像濃度が高く安定した画像を与えることができる。
実施例 以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明す
る。
実施例1 上記処方の各成分を70℃にて加熱、混合してスチレン
−ジメチルアミノメチルメタクリレート共重合体を溶解
させた。
次に、上記混合物にジルコアルミネート系カップリン
グ剤(CAVCO MOD−APG、CAVEDON CHEMICAL社製)0.36g
を加え、更に、カーボンブラック(キャボット製、スタ
ーリングR)12gと、ステアリン酸1,2gとを加えた後、
アトライターを用いて30℃で15分間混練した。その後80
℃に加温し、2時間攪拌下で処理して、カーボンブラッ
クの表面処理を行った。
その後、上記混合物の温度を60℃に調整し、2,2′−
アゾビスイソブチロニトリル1g、および2,2′−アゾビ
ス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)2gを添加し、重
合性単量体組成物を調製した。
次にアエロジール#200(日本アエロジール製)5g
と、蒸留水600gとを入れた容量2lのステンレス製容器
に、上記で調製した単量体組成物を加え、60℃で、TKホ
モミキサー(特殊機化工業製)を用いて10,000rpmで30
分造粒し、その後、パドル攪拌翼を用いて60℃、10時間
の条件で単量体組成物を重合させた。
上記により得た重合生成物を冷却、脱水した後、水酸
化ナトリウム溶液で洗浄、脱水し、乾燥することによ
り、重合トナーを得た。
得られたトナーの粒度をコールターカウンター(アパ
ーチャー100μm)で測定したところ、トナーの体積平
均粒径は7.0μmであった。
このトナーを光学顕微鏡(200倍)で観察したとこ
ろ、トナー粒子内におけるカーボンブラックの偏在は認
められなかった。
更に、このトナーを用い、キヤノン製複写機NP−3525
で画像形成テストを行ったところ、濃度、画質ともに良
好な画像が得られた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも重合性単量体と、カーボンブラ
    ックとを含有する単量体組成物を懸濁重合してなる重合
    トナーであって; 前記カーボンブラックが、下記ジルコアルミネート系カ
    ップリング剤(A)と、下記化合物(B)との反応生成
    物により処理されたカーボンブラックであることを特徴
    とする静電荷像現像用トナー。 (A)官能基としてアミノ基又はカルボキシル基を有す
    るジルコアルミネート系カップリング剤。 (B)ジルコアルミネート系カップリング剤(A)の前
    記官能基の少なくとも1つと反応し得る基であって、水
    酸基、カルボキシル基、酸無水物基、イソシアネート
    基、アミノ基又はエポキシ基から選ばれる基を有する化
    合物。
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