JPH08120431A - プレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛メッキ鋼板およびその製造方法 - Google Patents

プレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛メッキ鋼板およびその製造方法

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JPH08120431A
JPH08120431A JP28600694A JP28600694A JPH08120431A JP H08120431 A JPH08120431 A JP H08120431A JP 28600694 A JP28600694 A JP 28600694A JP 28600694 A JP28600694 A JP 28600694A JP H08120431 A JPH08120431 A JP H08120431A
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Michitaka Sakurai
理孝 櫻井
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晃 平谷
Junichi Inagaki
淳一 稲垣
Toyofumi Watanabe
豊文 渡辺
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安定して優れたプレス成形性を有し、生産性
が良好で作業環境を悪化させることがなく、しかも低コ
ストで効率的に製造し得る合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を
提供する。 【構成】 鋼板の少なくとも1つの表面上に形成された
合金化溶融亜鉛メッキ層の上に、硫黄量に換算して5〜
1000mg/m2 の量の、合金化溶融亜鉛メッキ層に比較して
融点が高く且つ硬質の硫化物層が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車用防錆鋼板と
して好適な、プレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛メッ
キ鋼板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合金化溶融亜鉛メッキ鋼板は、塗装性、
溶接性および耐食性に優れていることから、自動車車体
用鋼板、家庭電器用鋼板および鋼製家具用鋼板等に広く
使用されている。近年、一段と優れた耐食性が要求され
ていることから、厚目付けの合金化溶融亜鉛メッキ鋼板
が使用されるようになってきた。
【0003】しかしながら、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板
においては、熱拡散によって合金化処理が施されるか
ら、目付け量が多くなるに従って、合金化溶融亜鉛メッ
キ層中の鉄濃度勾配が大になる。その結果、メッキ層と
下地鋼板との界面には、鉄濃度の高い脆いΓ相が生成し
やすく、一方、メッキ層の表面付近は、鉄濃度の低いζ
相が生成しやすい。
【0004】Γ相が厚いと、プレス加工時に脆いΓ相が
破壊されて、合金化溶融亜鉛メッキ層が粉状に剥離する
パウダリングが発生する。一方、ζ相がメッキ層の表面
付近に存在していると、ζ相が比較的低融点であるため
に、プレス加工時に金型とζ相とが凝着して摺動抵抗が
大になる結果、型かじりやプレス割れが発生する。
【0005】上述した問題を解決するために、合金化溶
融亜鉛メッキ層の構造を改善し、メッキ特性を向上させ
る方法として、特公平3−55543 号公報および特開平6
−17221 号公報には、Γ相またはΓ1相の厚さを制御し
て、メッキ層の表層をδ1相主体にする方法(以下、先
行技術1という)が開示されている。
【0006】合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のプレス成形性
を向上させる方法として、例えば特開平4−353 号公報
等には、合金化溶融亜鉛メッキ層の表面に極厚添加剤を
加えたり、高粘度の防錆油や固体系潤滑剤を塗布する方
法(以下、先行技術2という)が開示されている。
【0007】また、特開平1−319661号公報に開示され
ているように、合金化溶融亜鉛メッキ層の表面上に、例
えば、鉄系または鉄族系の比較的硬い合金メッキ被膜を
形成し、または特開平3−243755号公報に開示されてい
るように、合金化溶融亜鉛メッキ層の表面上に有機被膜
を形成し、これらによって合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の
プレス成形性を向上させる方法(以下、先行技術3とい
う)が知られている。
【0008】更に、特開平2−190483号公報および特開
平5−148605号公報には、合金化溶融亜鉛メッキ層の表
面上に酸化物層を形成することによって、合金化溶融亜
鉛メッキ鋼板のプレス成形性を向上させる方法(以下、
先行技術4という)が開示されている。
【0009】一方、苛酷な摩耗条件下で使用される鋼製
部品に対し、その耐摩耗性を向上させる手段として、浸
硫処理を施す技術が、例えば「金属表面技術便覧」(金
属表面技術協会編)第1152頁に、「鋼の浸硫処理」とし
て紹介(以下、先行技術5という)されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術1のように、合金化溶融亜鉛メッキ層の構造を改善
し、Γ相またはΓ1相の厚さを制御するだけでは、前述
したように、メッキ層の表面付近に存在するζ相によっ
て型かじりやプレス割れが発生する結果、十分なプレス
成形性向上効果は得られない。
【0011】先行技術2のように、合金化溶融亜鉛メッ
キ層の表面に防錆油等を塗布する方法では、出荷してか
らプレスされるまでの間に、塗布された防錆油等が流れ
落ちまたは蒸発して、「渇きむら」と称されている不均
一部分が発生する結果、プレス成形が不安定になる。ま
た、各種の高粘度の防錆油や固体系潤滑剤を塗布した場
合は、それらの脱脂性が劣るために、従来よりも脱脂し
にくくなり、且つ、脱脂剤である有機溶剤によって、プ
レス作業場の環境が悪化する問題が生ずる。
【0012】合金化溶融亜鉛メッキ層の表面上に、例え
ば、鉄系または鉄族系の比較的硬い合金メッキ被膜を形
成する先行技術3は、プレス成形性の向上に優れた効果
を発揮する。しかしながら、合金化溶融亜鉛メッキ層の
表面上に、上述した鉄系または鉄族系の合金メッキ被膜
や有機被膜を形成するためには、大規模な設備を必要と
する結果、コスト高となる上、作業性や生産性が悪い問
題がある。
【0013】先行技術4のように、合金化溶融亜鉛メッ
キ層の上に、酸化物層を形成する方法においては、プレ
ス成形時に鋼板表面とプレス金型との間の摺動面に加わ
る、酸化物層の衝動抵抗力を低減する作用が小さく、従
って、十分なプレス成形性向上効果が得られない。
【0014】先行技術5は、軸受け鋼などの部品に適用
される技術であって、高温かつ長時間の処理を必要とす
るために、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板に対しては適用す
ることができない。
【0015】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、安定して優れたプレス成形性を有し、生産性
が良好で且つ作業環境を悪化させることがなく、しかも
低コストで効率的に製造し得る合金化溶融亜鉛メッキ鋼
板およびその製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明の、請求項1に
記載の合金化溶融亜鉛メッキ鋼板は、鋼板と、前記鋼板
の少なくとも1つの表面上に形成された合金化溶融亜鉛
メッキ層と、前記合金化溶融亜鉛メッキ層の上に形成さ
れた、硫黄量に換算して5〜1000mg/m2 の量の硫化物層
とからなることに特徴を有するものである。そして、請
求項2に記載の合金化溶融亜鉛メッキ鋼板は、前記合金
化溶融亜鉛メッキ層が、平均厚さ1μm以下のΓ相と、
平均厚さ2μm 以下のΓ1相と、そして、残りが実質的
にδ1相とからなっていることに特徴を有するものであ
る。
【0017】この発明の、請求項3に記載の製造方法
は、鋼板を、溶融亜鉛メッキ浴中に通過させて、前記鋼
板に溶融亜鉛メッキ処理を施し、前記鋼板の少なくとも
1つの表面上に溶融亜鉛メッキ層を形成し、次いで、前
記溶融亜鉛メッキ層が形成された鋼板を加熱して、前記
溶融亜鉛メッキ層と前記鋼板の表面部分とを合金化処理
し、かくして、前記鋼板の少なくとも1つの表面上に合
金化溶融亜鉛メッキ層を形成する方法において、前記合
金化処理を施した後、前記鋼板に対し浸硫処理を施し
て、前記合金化溶融亜鉛メッキ層の表面上に、硫黄量に
換算して5〜1000mg/m2 の量の硫化物層を形成すること
に特徴を有するものである。
【0018】この発明の、請求項4に記載の製造方法
は、上記溶融亜鉛メッキ層が形成された鋼板に対し、そ
の表面上に、硫黄を含有する溶液を噴霧し、前記硫黄を
含有する溶液が噴霧された鋼板に対し合金化処理を施し
て、合金化溶融亜鉛メッキ層の表面上に、硫黄量に換算
して5〜1000mg/m2 の量の硫化物層を形成することに特
徴を有するものである。
【0019】この発明の、請求項5に記載の製造方法
は、鋼板の表面上に、予め、硫黄量に換算して10〜2000
mg/m2 の量の硫化物層を形成し、このような硫化物層の
形成された鋼板に対し、焼鈍を施した後、溶融亜鉛メッ
キ処理および合金化処理を施して、合金化溶融亜鉛メッ
キ層の表面上に、硫黄量に換算して5〜1000mg/m2 の量
の硫化物層を形成することに特徴を有するものである。
【0020】
【作用】この発明の合金化溶融亜鉛メッキ鋼板において
は、合金化溶融亜鉛メッキ層の表面上に硫化物層が形成
されている。合金化溶融亜鉛メッキ層の表面上に硫化物
層が存在していると、プレス成形時に、プレス金型とメ
ッキ層の金属同士との直接接触が阻止される結果、凝着
または溶着現象が抑制されて、摺動抵抗が低下する。し
かも、硫化物層は軟質であり、摺動の過程で容易に塑性
変形するので、大きな変形を受けた場合においても、合
金化溶融亜鉛メッキ鋼板の伸びに追随してその表面を完
全に被覆し、摺動抵抗力の低減効果が持続される。
【0021】これに対し、合金化溶融亜鉛メッキ層の表
面上に酸化物層が存在している場合には、酸化物層は、
硫化物層に比べて硬質であるために、合金化溶融亜鉛メ
ッキ鋼板の変形に伴い、割れや破壊脱落が生じてメッキ
層が露出する。その結果、プレス金型とメッキ層の金属
同士とが直接接触し、摺動抵抗力の低減効果が期待でき
ない。従って、本願発明のように、合金化溶融亜鉛メッ
キ層の上に硫化物層が形成されている場合には、先行技
術4のような酸化物層が形成されている場合に比べて、
優れたプレス成形性が発揮される。
【0022】また、硫化物層は、合金化溶融亜鉛メッキ
層の表層に均一に分布しているので、優れた親油性を有
している。従って、先行技術2のように、出荷してから
プレスされるまでの間に、防錆油が流れ落ちまたは蒸発
して、「渇きむら」と称されている不均一部分が発生す
ることはない。また、万一不均一部分が発生した場合で
も、メッキ層の表層に均一に分布する硫化物の作用によ
り、プレス成形性が不安定になることはない。
【0023】合金化溶融亜鉛メッキ層の表面に形成され
た硫化物層の量は、硫黄量に換算して5〜1000mg/m2
範囲内に限定すべきである。硫化物層の量が硫黄量に換
算して5mg/m2 未満では、プレス成形性の向上効果が得
られない。一方、硫化物層の量が、硫黄量に換算して10
00mg/m2 を超えると、プレス成形性の向上効果が飽和す
るばかりでなく、耐パウダリング性や化成処理性の劣化
を招く問題が生ずる。
【0024】その上に硫化物層が形成される合金化溶融
亜鉛メッキ層を、平均厚さ1μm 以下のΓ相と、平均厚
さ2μm 以下のζ相と、そして、残りが実質的にδ1相
とによって構成すれば、一段と優れたプレス成形性およ
び耐パウダリング性が発揮される。上記構成の合金化溶
融亜鉛メッキ層は、例えば特開平4−232565号に開示さ
れているように、溶融亜鉛メッキ条件および合金化処理
条件を制御する公知の方法によって得ることができる。
【0025】上記Γ相の平均厚さを1μm 以下とし、そ
して、Γ1相の平均厚さを2μm 以下とすることが必要
である、Γ相の平均厚さが1μm を超え、Γ1相の平均
厚さが2μm を超えると、耐パウダリング性が劣化す
る。このような耐パウダリング性の観点から、より好ま
しいΓ相の平均厚さは0.5 μm 以下、そして、より好ま
しいΓ1相の平均厚さは1μm 以下である。
【0026】合金化溶融亜鉛メッキ層の表面に形成され
た硫化物層中の硫黄量の測定は、ICP(Inductively
Coupled Plasma:高周波誘導プラズマ)発光分光分析法
で定量分析することにより行うことができる。即ち、供
試材の硫化物層を、合金化溶融亜鉛メッキ層と共に希塩
酸によって溶解し、上記ICP法によって、その硫黄量
を測定する。また、硫化物層が酸不溶性化合物からなっ
ている場合には、供試材の硫化物層を、合金化溶融亜鉛
メッキ層と共に希塩酸によって溶解し、その溶液中の残
渣を濾過した上、濾過した残渣を更に混合溶融剤(硼
砂:炭酸ナトリウム:炭酸カリウム=4:3:3)を使
用して溶解した後、希塩酸を使用したICP法によって
硫黄量を測定する。
【0027】合金化溶融亜鉛メッキ層の表面に形成され
た硫化物層の組成をX線回折すると、FeS, FeS2, ZnSの
ピークが検出される。しかしながら、硫化物量は、硫黄
量に換算して1000mg/m2 以下で少ないことから、回折強
度が小さく、完全には同定することができない。従っ
て、硫化物は、Sを含有しFeやZnと結合した合金か、ま
たは、これらの元素を含む複合酸化物となっている可能
性がある。
【0028】なお、この発明のメッキ鋼板の合金化溶融
亜鉛メッキ層中には、耐食性の向上等を目的として、主
要元素のFe、Znのほかに、Al,As, Bi, Cd, Ce, Co, C
r, In, La, Li, Mg, Mn, Ni, O, P, Pb, S, Sb, Sn, T
i, Zr 等の1種または2種以上を含有させても、本発明
の効果に変わりなはい。
【0029】上述した、この発明の合金化溶融亜鉛メッ
キ鋼板の製造方法について述べる。この発明の請求項3
に記載した第1実施態様の方法によれば、この発明の合
金化溶融亜鉛メッキ鋼板は、次のようにして製造され
る。鋼板を、連続溶融亜鉛メッキラインにおける溶融亜
鉛メッキ浴中を通過させ、鋼板に溶融亜鉛メッキ処理を
施し、鋼板の少なくとも1つの表面上に溶融亜鉛メッキ
層を形成する。次いで、溶融亜鉛メッキされた鋼板を加
熱して、溶融亜鉛メッキ層と鋼板の表面部分とに合金化
処理を施し、鋼板の少なくとも1つの表面上に、合金化
溶融亜鉛メッキ層を形成する。
【0030】次いで、その少なくとも1つの表面上に合
金化溶融亜鉛メッキ層が形成された鋼板に対し浸硫処理
を施して、合金化溶融亜鉛メッキ層の表面上に、硫黄量
に換算して5〜1000mg/m2 の量の硫化物層を形成する。
【0031】上記浸硫処理は、例えば、チオ硫酸ナトリ
ウム(Na2S2O3):100 g/l 、ほう酸(H3BO3):30g/l 、
pH:5〜8の水溶液中において、電流密度:0.003 〜0.
02A/cm2 、電解電圧:0.5 〜3V、処理温度:室温、電
解時間:数秒の条件により、鋼板を陽極とし電解処理を
施すことからなる水溶液電解法によって、比較的容易に
行うことができる。なお、活性化のために、鋼板を陰極
として第1電解処理を施し、次いで、鋼板を陽極として
上記条件による第2電解処理を施せば、より効果的であ
る。
【0032】硫化物層中の硫黄量は、上記電解条件、水
溶液中の硫黄濃度等を調整することによって、制御する
ことができる。なお、浸硫処理は、上記方法に限られ
ず、例えば、水溶液浸硫法、溶融塩浸硫法、ガス浸硫法
等、どのような手段で行ってもよく、要は、合金化溶融
亜鉛メッキ層の表面上に硫化物層が形成されればよい。
【0033】この発明の請求項4に記載した第2実施態
様の方法によれば、この発明の合金化溶融亜鉛メッキ鋼
板は、次のようにして製造される。鋼板を、連続溶融亜
鉛メッキラインにおける溶融亜鉛メッキ浴中を通過さ
せ、鋼板に溶融亜鉛メッキ処理を施し、鋼板の少なくと
も1つの表面上に溶融亜鉛メッキ層を形成する。次い
で、溶融亜鉛メッキ層が形成された鋼板に対し、溶融亜
鉛メッキ層の表面上に、硫黄を含有する溶液を噴霧す
る。
【0034】次いで、硫黄を含有する溶液が噴霧された
鋼板を加熱して、溶融亜鉛メッキ層と鋼板の表面部分と
に合金化処理を施すことにより、鋼板の少なくとも1つ
の表面上に、合金化溶融亜鉛メッキ層を形成すると共
に、合金化溶融亜鉛メッキ層の表面上に、硫黄量に換算
して5〜1000mg/m2 の量の硫化物層を形成する。
【0035】上記硫黄を含有する溶液は、硫黄または硫
黄化合物(例えば、チオ硫酸ナトリウム、チオ尿素等)
を、水またはアルコール類に溶解しまたはこれらと混合
して使用する。なお、硫化物層中の硫黄量は、上記溶液
の噴霧量または溶液中の硫黄濃度を調整することによっ
て、制御することができる。
【0036】この発明の請求項5に記載した第3実施態
様の方法によれば、この発明の合金化溶融亜鉛メッキ鋼
板は、次のようにして製造される。鋼板の表面上に、予
め、硫黄量に換算して10〜2000mg/m2 の量の硫化物層を
形成する。次いで、このような硫化物層の形成された鋼
板に対し焼鈍処理を施す。この結果、鋼板の表面上に形
成された硫化物層は、拡散しそして合金化して、鋼板の
表面上に、Fe−S合金層が形成される。
【0037】このようにして、その表面上にFe−S合金
層が形成された鋼板を、溶融亜鉛メッキ浴中を通過さ
せ、鋼板に溶融亜鉛メッキ処理を施し、鋼板の少なくと
も1つの表面上に溶融亜鉛メッキ層を形成し、次いで、
溶融亜鉛メッキ層が形成された鋼板を加熱して、溶融亜
鉛メッキ層と鋼板の表面部分とに合金化処理を施し、鋼
板の少なくとも1つの表面上に、合金化溶融亜鉛メッキ
層を形成する。
【0038】その結果、鋼板の表面上に形成されたFe−
S合金層は、合金化処理過程で溶融亜鉛メッキ層の表層
に拡散移動する。即ち、Fe−S合金層または硫黄は、合
金化処理により拡散して、合金化溶融亜鉛メッキ層の表
層に存在することになる。このFe−S合金層によって、
プレス成形時におけるプレス型との凝着や溶着が生じに
くくなり、従って、プレス成形性が向上する。
【0039】鋼板の表面上に硫化物層を形成する手段と
しては、例えば、電気メッキ法、無電解メッキ法、溶液
塗布法等どのような手段で行ってもよく、要は、鋼板の
表面上に硫化物層が形成されればよい。
【0040】鋼板の表面上に形成される硫化物層の量
は、硫黄量に換算して10〜2000mg/m2の範囲内に限定す
べきである。硫化物層の量が、硫黄量に換算して10mg/m
2 未満では、焼鈍時に、硫化物の一部が炉内に放散され
たり、鋼板素地と反応して硫黄分が鋼板中に取り込まれ
る結果、合金化溶融亜鉛メッキ層の表面上に、硫黄量に
換算して5mg/m2 以上の量の硫化物層を形成することが
できなくなる。一方、硫化物層の量が、硫黄量に換算し
て2000mg/m2 を超えると、鋼板素地と反応して生成する
Fe−S拡散合金層の量が多くなり過ぎ、合金化溶融亜鉛
メッキ層の表面上に、硫黄量に換算して1000mg/m2 を超
える量の硫化物層が生成する結果、材質の劣化等の問題
が生ずる。
【0041】
【実施例】次に、この発明を、実施例により比較例と共
に説明する。 〔実施例1〕メッキ原板として、板厚0.8mm の冷延鋼板
を使用し、連続溶融亜鉛メッキライン(CGL) によって、
上記冷延鋼板に対し溶融亜鉛メッキ処理および合金化処
理を施し、冷延鋼板の表面上に、鋼板片面当り60g/m2
量の合金化溶融亜鉛メッキ層が形成された合金化溶融亜
鉛メッキ鋼板を調製した。このとき、以下に示す本発明
の第1〜第3実施態様の方法により、合金化溶融亜鉛メ
ッキ層の表面上に硫化物層を形成し、表1に示す本発明
の範囲内の試験片(以下、本発明試験片という)および
本発明の範囲外の試験片(以下、比較用試験片という)
を調製した。
【0042】
【表1】
【0043】第1実施態様:合金化処理を施した鋼板に
対し浸硫処理を施す(以下、製法1という)。 第2実施態様:溶融亜鉛メッキ層が形成された鋼板に対
し、その表面上に、硫黄を含有する溶液を噴霧し、前記
硫黄を含有する溶液が噴霧された鋼板に対し、合金化処
理を施す(以下、製法2という)。 第3実施態様:鋼板の表面上に、予め、硫黄量に換算し
て10〜2000mg/m2 の量の硫化物層を形成し、このような
硫化物層の形成された鋼板に対し、焼鈍を施した後、溶
融亜鉛メッキ処理および合金化処理を施す(以下、製法
3という)。
【0044】製法1の場合には、鋼板を陽極とし、チオ
硫酸ナトリウム(Na2S2O3):100 g/l 、ほう酸(H3B
O3):30g/l 、pH:5〜8の水溶液中において、電流密
度:0.02A/cm2 、電解電圧:2Vの条件で電解処理を施
し、このときの電解時間を変えることにより、硫化物層
中の硫黄量を調整した。
【0045】製法2の場合には、溶融亜鉛メッキされた
鋼板に対し、その溶融亜鉛メッキ層の表面上にチオ硫酸
ナトリウム(Na2S2O3):2g/l を含有する溶液を噴霧
し、このときの前記溶液の噴霧量を変えることによっ
て、硫化物層中の硫黄量を調整した。
【0046】製法3の場合には、鋼板の表面上に、チオ
硫酸ナトリウム(Na2S2O3):2g/lおよびチオ尿素(CH4
N2S):2g/l を含有する溶液を噴霧し、このときの前
記溶液の噴霧量を変えることにより、硫化物層中の硫黄
量を調整した。
【0047】合金化溶融亜鉛メッキ層の表面上に形成さ
れた硫化物層中の硫黄量は、試薬特級濃塩酸(12モル/
リットル) を5倍の蒸留水によって薄めた塩酸(以下希
塩酸という)に試験片を浸漬して、合金化溶融亜鉛メッ
キ層と共に硫化物層を溶解し、ICP発光分光分析法で
定量分析することにより、決定した。
【0048】また、硫化物層が酸不溶性化合物になって
いる場合は、希塩酸に試験片を浸漬して、合金化溶融亜
鉛メッキ層と共に硫化物層を溶解し、溶解した溶液中の
残渣を濾過し、濾過した残渣を硼砂(Na2B4O7)、炭酸ナ
トリウム(NaCo3)、炭酸カリウム(K2Co3)からなる混合
溶融剤(硼砂:炭酸ナトリウム:炭酸カリウム=4:
3:3)を使用して溶解した後、希塩酸に溶解し、IC
P法で定量分析することにより決定した。
【0049】上述のようにして調製した本発明試験片お
よび比較用試験片の各々について、下記の方法により、
プレス成形性および耐パウダリング性を調べ、その結果
を、表1に併せて示した。
【0050】プレス成形性を評価する鋼板表面の摩擦係
数は、図1に示す摩擦係数測定装置を使用して測定し
た。即ち、試験片2をローラー4上の試料台3に固定
し、押付け荷重N:400Kg 、引き抜き速度:1m/分によ
って、試料台3をレール7に沿って引き抜き、ビード1
を試験片2に押し付けた状態で、ロードセル5、6によ
って測定される、引抜き荷重Fと押付け荷重Nとから、
試験片2の摩擦係数F/N を算出した。
【0051】なお、ビード1として、接触面積が 3mm×
10mm×12mmで4.5Rの形状のものを使用した。また、潤滑
油として、日本パーカライジング(株)製の「ノックス
ラスト530F」を使用し、これを試験片2の表面に塗布し
た。このようにして求められた摩擦係数に基づき、下記
基準によってプレス成形性を評価した。 良好:摩擦係数が0.150 未満のもの 不良:摩擦係数が0.150 以上のもの
【0052】メッキ層の耐パウダリング性は、図2に概
略正面図で、図3にビードおよびダイ部分の拡大概略断
面図で示すドロービード試験装置を使用し、ドロービー
ドテストによって、次のようにして評価した。先ず、幅
30mm×長さ120mm の寸法の試験片10の非対象面のメッキ
層を希硫酸で溶解剥離し、次いで、脱脂してその重量を
測定した。次いで、試験片10を、ドロービード試験機の
ビード8とダイ9との間に装着し、油圧装置12により圧
力P=500Kg で、ダイ9を試験片10を介してビード8に
押し付け、その押し付け圧力Pをロードセル11によって
測定した。
【0053】次いで、このようにビード8とダイ9との
間に挟まれた試験片10を、引抜き速度V=200mm/分で上
方に引き抜いた。潤滑油として、日本パーカライジング
(株)製「ノックスラスト530F」を使用し、この潤滑油
を、試験片10の表面に塗布した。次いで、試験片10を脱
脂し、測定対象面にテープを張りつけそしてこれを剥離
し、再度脱脂した後、試験片10の重量を測定し、試験前
後における試験片の重量差からパウダリング量を求め
た。このようにして求めた耐パウダリング性に基づき、
下記基準によって耐パウダリング性を評価した。 良好:パウダリング量が5g/m2未満のもの 不良:パウダリング量が5g/m2以上のもの
【0054】表1から明らかなように、合金化溶融亜鉛
メッキ層の表面上に硫化物層が形成されていない比較用
試験片No.1、メッキ層の表面上に硫化物層が形成されて
いても、その量が本発明の範囲を外れて少ない比較用試
験片No.2,12,22は、摩擦係数が高く、プレス成形性に
劣っていた。メッキ層の表面上に硫化物層が形成されて
いても、その量が本発明の範囲を外れて多い比較用試験
片No.11 ,21,31は、ドロービード試験による剥離量が
多く、耐パウダリング性に劣っていた。
【0055】これに対し、合金化溶融亜鉛メッキ層の表
面上に、本発明の範囲内の量の硫化物層が形成されてい
る本発明試験片No.3〜10、No.13 〜20、No.23 〜30にお
いては、硫化物層の形成手段(製法1〜3)の如何にか
かわらず、プレス成形性および耐パウダリング性が優れ
ていた。特に、製法3によって硫化物層が形成された本
発明試験片No.22 〜30においては、ドロービード試験に
よる剥離量が一段と少なく、耐パウダリング性が極めて
優れていた。
【0056】〔実施例2〕メッキ原板として、板厚0.8m
m のTi−IF鋼からなる冷延鋼板を使用し、連続溶融亜鉛
メッキライン(CGL) によって、上記冷延鋼板に対し、下
記条件によって溶融亜鉛メッキ処理および合金化処理を
施し、冷延鋼板の表面上に、平均厚さ1μm 以下好まし
くは 0.5μm 以下のΓ相と、平均厚さ2μm 以下好まし
くは1μm以下のΓ1相と、そして、残りが実質的にδ
1相とからなる、鋼板片面当り60g/m2の量の合金化溶融
亜鉛メッキ層が形成された合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を
調製した。 入側板温 : 474℃ ライン速度 : 100mpm メッキ浴中のAl濃度 : 0.12 wt.% 合金化加熱炉における出側板温: 505℃ 合金化加熱炉における加熱方式: 誘導加熱
【0057】更に、合金化加熱炉における出側板温を適
宜変更することにより、鋼板の表面上に、Γ相およびΓ
1相の厚さおよび残部の合金相構造を調整した合金化溶
融亜鉛メッキ層を形成し、次いで、メッキ層の表面上に
製法1によって硫化物層を形成し、表2に示す本発明試
験片および比較用試験片を調製した。
【0058】
【表2】
【0059】なお、Γ相およびΓ1相の厚さの測定は、
メッキ層断面を鏡面研磨し次いで約0.01%程度の希薄な
ナイタール液でエッチングし、得られたメッキ層の断面
を、倍率3000倍の走差型電子顕微鏡写真で撮影すること
により行った。図4に、上記走差型電子顕微鏡写真によ
り撮影されたメッキ層断面の組織を示す。
【0060】図4に示す電子顕微鏡写真における、20μ
m の長さを2μm ピッチで分割した11点の箇所で、Γ
相およびΓ1相の厚さを測定した。図5に、測定結果の
一例を示す。なお、図5において、Γ相およびΓ1相の
厚さは、下記により算出した。 Γ =(a1+a2+a3+a4+a5+a6+a7+a8+a9+a10
a11 )/11 Γ1=(b1+b2+b3+b4+b5+b6+b7+b8+b9+b10
b11 )/11
【0061】合金化溶融亜鉛メッキ層の残りの合金相構
造は、X線回折により、ζ(ー4,2,1)即ちd=2.
12オングストロームの高さ(I〔ζ〕)、および、δ1
(2,4,9)即ちd=1.99オングストロームの高さ
(I〔δ1〕)を測定し、その比から判断した。即ち、
I〔ζ〕/I〔δ1〕が0.4 以下のときに、実質的にζ
相がなく、δ1相からなるメッキ層であるとみなすこと
ができる。
【0062】上述のようにして調製した本発明試験片お
よび比較用試験片の各々について、前述した方法によ
り、プレス成形性および耐パウダリング性を調べ、その
結果を、表2に併せて示した。
【0063】表2から明らかなように、合金化溶融亜鉛
メッキ層の表面上に硫化物層が形成されていない比較用
試験片No.32 、メッキ層の表面上に硫化物層が形成され
ていても、その量が本発明の範囲を外れて少ない比較用
試験片No.33 は、摩擦係数が高く、プレス成形性に劣っ
ていた。メッキ層の表面上に硫化物層が形成されていて
も、その量が本発明の範囲を外れて多い比較用試験片N
o.42 は、ドロービード試験による剥離量が多く、耐パ
ウダリング性に劣っていた。
【0064】合金化溶融亜鉛メッキ層のΓ相の厚さが本
発明の範囲を超えて厚すぎる比較用試験片No.48 、およ
びΓ1相の厚さが本発明の範囲を超えて厚すぎる比較用
試験片No.54 は、ドロービード試験による剥離量が多か
った。Γ相およびΓ1相を除く残部の相構造がζ相であ
る比較用試験片No.55 は、摩擦係数が高かった。
【0065】これに対し、本発明の範囲内の厚さのΓ相
およびΓ1相と、残りが実質的にδ1相とからなる合金
化溶融亜鉛メッキ層の表面上に、本発明の範囲内の量の
硫化物層が形成されている本発明試験片No.34 〜41、N
o.43 〜47、No.49 〜53においては、プレス成形性およ
び耐パウダリング性が優れていた。
【0066】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
安定して優れたプレス成形性を有し、生産性が良好で且
つ作業環境を悪化させることがなく、しかも低コストで
効率的に製造し得る合金化溶融亜鉛メッキ鋼板が得られ
る工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレス成形性を評価するための摩擦係数測定装
置の概略正面図である。
【図2】耐パウダリング性を評価するためのドロービー
ド試験装置の概略正面図である。
【図3】ドロービード試験装置におけるビードおよびダ
イ部分の拡大概略断面図である。
【図4】メッキ層断面の組織を示す走差型電子顕微鏡写
真である。
【図5】メッキ層のΓ相およびΓ1相の厚の測定結果の
一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ビード、 2 試験片、 3 試料台、 4 ローラー、 5 ロードセル、 6 ロードセル、 7 レール、 8 ビード、 9 ダイ、 10 試験片、 11 ロードセル、 12 油圧装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 豊文 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板と、前記鋼板の少なくとも1つの表
    面上に形成された合金化溶融亜鉛メッキ層と、前記合金
    化溶融亜鉛メッキ層の上に形成された、硫黄量に換算し
    て5〜1000mg/m2 の量の硫化物層とからなることを特徴
    とする、プレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛メッキ鋼
    板。
  2. 【請求項2】 前記合金化溶融亜鉛メッキ層が、平均厚
    さ1μm 以下のΓ相と、平均厚さ2μm 以下のΓ1相
    と、そして、残りが実質的にδ1相とからなっている、
    請求項1記載の合金化溶融亜鉛メッキ鋼板。
  3. 【請求項3】 鋼板を、溶融亜鉛メッキ浴中に通過させ
    て、前記鋼板に溶融亜鉛メッキ処理を施し、前記鋼板の
    少なくとも1つの表面上に溶融亜鉛メッキ層を形成し、
    次いで、前記溶融亜鉛メッキ層が形成された鋼板を加熱
    して、前記溶融亜鉛メッキ層と前記鋼板の表面部分とを
    合金化処理し、かくして、前記鋼板の少なくとも1つの
    表面上に合金化溶融亜鉛メッキ層を形成する合金化溶融
    亜鉛メッキ鋼板の製造方法において、 前記合金化処理を施した後、前記鋼板に対し浸硫処理を
    施して、前記合金化溶融亜鉛メッキ層の表面上に、硫黄
    量に換算して5〜1000mg/m2 の量の硫化物層を形成し、
    請求項1または2に記載の合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を
    製造することを特徴とする、プレス成形性に優れた合金
    化溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 鋼板を、溶融亜鉛メッキ浴中に通過させ
    て、前記鋼板に溶融亜鉛メッキ処理を施し、前記鋼板の
    少なくとも1つの表面上に溶融亜鉛メッキ層を形成し、
    次いで、前記溶融亜鉛メッキ層が形成された鋼板を加熱
    して、前記溶融亜鉛メッキ層と前記鋼板の表面部分とを
    合金化処理し、かくして、前記鋼板の少なくとも1つの
    表面上に合金化溶融亜鉛メッキ層を形成する合金化溶融
    亜鉛メッキ鋼板の製造方法において、 前記溶融亜鉛メッキ層が形成された鋼板に対し、その表
    面上に、硫黄を含有する溶液を噴霧し、前記硫黄を含有
    する溶液が噴霧された鋼板に対し、前記合金化処理を施
    して、前記合金化溶融亜鉛メッキ層の表面上に、硫黄量
    に換算して5〜1000mg/m2 の量の硫化物層を形成し、請
    求項1または2に記載の合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を製
    造することを特徴とする、プレス成形性に優れた合金化
    溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】 鋼板を、溶融亜鉛メッキ浴中に通過させ
    て、前記鋼板に溶融亜鉛メッキ処理を施し、前記鋼板の
    少なくとも1つの表面上に溶融亜鉛メッキ層を形成し、
    次いで、前記溶融亜鉛メッキ層が形成された鋼板を加熱
    して、前記溶融亜鉛メッキ層と前記鋼板の表面部分とを
    合金化処理し、かくして、前記鋼板の少なくとも1つの
    表面上に合金化溶融亜鉛メッキ層を形成する合金化溶融
    亜鉛メッキ鋼板の製造方法において、 予め、前記鋼板の表面上に、硫黄量に換算して10〜2000
    mg/m2 の量の硫化物層を形成し、このような硫化物層の
    形成された鋼板に対し、焼鈍を施した後、前記溶融亜鉛
    メッキ処理および前記合金化処理を施して、前記合金化
    溶融亜鉛メッキ層の表面上に、硫黄量に換算して5〜10
    00mg/m2 の量の硫化物層を形成し、請求項1または2に
    記載の合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を製造することを特徴
    とする、プレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛メッキ鋼
    板の製造方法。
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