JPH08119864A - 鎮吐薬 - Google Patents

鎮吐薬

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JPH08119864A
JPH08119864A JP7159228A JP15922895A JPH08119864A JP H08119864 A JPH08119864 A JP H08119864A JP 7159228 A JP7159228 A JP 7159228A JP 15922895 A JP15922895 A JP 15922895A JP H08119864 A JPH08119864 A JP H08119864A
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JP
Japan
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acid
formula
triterpenes
represented
antiemetic
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JP7159228A
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English (en)
Inventor
Kunio Takahashi
邦夫 高橋
Takaaki Tai
孝明 田井
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KOTAROU KANPO SEIYAKU KK
Original Assignee
KOTAROU KANPO SEIYAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ラノスタン骨格または3,4−セ
コラノスタン骨格を有するトリテルペン類の少なくとも
一種を有効成分とする、悪心、嘔吐の抑制に有用な鎮吐
薬を提供するものである。 【構成】 式Aおよび式B: 【化1】 式A[式中、R1は、Hまたは低級アルキルであり、R2
は、低級アルカノイルオキシであるか、または環を構成
する炭素原子とともにC=Oを形成する]で示されるラ
ノスタン骨格、または、式B[式中、R1は、H、また
は低級アルキルである]で示される3,4−セコラノス
タン骨格を有する化合物の少なくとも1種を有効成分と
して含む鎮吐薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラノスタン骨格または
3,4−セコラノスタン骨格を有する化合物の少なくと
も一種を有効成分とする、悪心、嘔吐の抑制に有用な鎮
吐薬に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、悪心、嘔吐を抑制する治療薬として、例えば、メト
クロプラミド、ドンペリドン、ナバジシル酸アクラトニ
ウム、マレイン酸トリメプチンなどの化学的合成薬剤が
開発され用いられている。しかしながらこれらの治療薬
には重篤な副作用を有することが知られており、副作用
が少なく悪心、嘔吐を抑制する作用を有する治療薬の開
発が望まれていた。そこで、副作用が少なく、かつより
緩やかな効果が期待できる生薬中に鎮吐活性を有するも
のを求めて鋭意研究を行った。そして利尿効果を有する
ことが知られている茯苓中の成分が鎮吐活性を有するこ
とを見出した。本発明はこのような知見に基づいて完成
されたものである。
【0003】日本産および中国産の茯苓は伐採後3〜5
年を経た枯れたマツの類(Pinus spp.、アカマツな
ど)の根の周囲に生じるサルノコシカケ科の菌類マツホ
ド(Poria cocos Wolf)を基原とするものである。その
他の外国産茯苓はマツ属のほか、ヒマラヤスギ、カシ、
ウルシ、その他の植物を宿主とする。不定形の塊状で表
面は暗褐色で松膚状、内部は白色または淡紅色である。
菌核の外層をはいで乾燥したものが茯苓である。味はや
や粘稠性で新鮮なものは特異な微かなにおいがある。漢
方では利水、鎮静薬として、利尿異常、心悸亢進などの
治療に用いられている。本発明において分離精製された
4種の化合物はすでに知られているが、これらの化合物
が鎮吐活性を有することはかって報告されていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の鎮吐薬は下記の
化合物を有効成分として含むものである。式A:
【化9】 [式中、R1は、Hまたは低級アルキルであり、R2は、
低級アルカノイルオキシであるか、または環を構成する
炭素原子とともにC=Oを形成する]で示されるラノス
タン骨格、または、式B:
【化10】 [式中、R1は、H、または低級アルキルである]で示
される3,4−セコラノスタン骨格を有するトリテルペ
ン類。
【0005】これらの式中、炭素原子C7〜C9〜C11
わたる点線はC7=C8−C9=C11またはC7−C8=C9
−C11を表す。「低級アルカノイルオキシ」とは、低級
アルキルカルボニルオキシともいい、「低級アルキル」
とは、飽和の直鎖または分枝状の、炭素原子1〜6個、
好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜4個を含む炭
化水素残基をいう。例えばメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、t−ブチルなどが含まれる。
【0006】本発明により、鎮吐薬として、少なくとも
式Aにおいて3位の環を形成するC=Oまたは3位の置
換基の−OCO−および24位のエキソメチレン、式B
において3位の−CO−および24位のエキソメチレン
が必須であることが判明した。
【0007】より具体的には、本発明の化合物にはラノ
スタン骨格を有する、式Iまたは式II:
【化11】 [式中、R1は、H、またはCH3であり、R2は、−O
COCH3であるか、または環を構成する炭素原子とと
もにC=Oを形成し、R3およびR5は、同一または異な
って、H、またはOHであり、R4は、−C(=CH2)−
C(CH3)2−Ra(ここで、Raは、HまたはOHを示
す)であり、R6は、CH3、またはCH2OHであ
る。]で示されるトリテルペン類であり、好ましくは、
例えば、式I−a:
【化12】 で示されるポリポレン酸C、式II−a:
【化13】 で示されるパキマ酸、または式I−b:
【化14】 で示されるデヒドロパキマ酸を挙げることができる。
【0008】さらに、3,4−セコラノスタン骨格を有
する、式IIIまたは式IV:
【化15】 [式中、R1およびR2は、H、またはCH3であり、R3
は、H、OH、またはOCOCH3であり、R4は、−C
(=CH2)−C(CH3)2−Ra(ここで、Raは、Hまた
はOHを示す)であり、R5は、H、またはOHであ
り、R6は、CH3、またはCH2OHである]で示され
るトリテルペン類、好ましくは、例えば、式III−a:
【化16】 で示されるポリコ酸Aを挙げることができる。
【0009】本発明の化合物は、茯苓から例えば次のよ
うにして得ることができる。市販の茯苓をメタノール、
メタノールなどを含む水性溶媒、または水を用いて、還
流しながら1〜3時間かけて抽出する。濾過後得られた
抽出液を減圧下で溶媒を留去し、得られた抽出エキスを
各種のクロマトグラフィーを用いて分離精製する。さら
に分離精製して得られた化合物をエステル化またはアシ
ル化する。例えば、ポリポレン酸C、パキマ酸、デヒド
ロパキマ酸およびポリコ酸Aは次のようにして分離精製
する。
【0010】ポリポレン酸C、パキマ酸およびデヒドロ
パキマ酸の分離精製方法分離精製操作を下記の表1に示
す。
【表1】
【0011】茯苓15kgを水浴上メタノールで還流し
ながら1時間抽出する。濾過後得られた抽出液を減圧下
で溶媒留去し、メタノール抽出エキス86.4gを得
た。ついで、内径12cm、長さ80cmのシリカゲル
カラムクロマトを用い、クロロホルム−メタノール(5
0:1)で順次溶出し、フラクションA〜Dを得た。フ
ラクションAは過剰のクロロホルムを加えると沈殿を生
じた。この沈殿物を90%メタノール溶液を溶媒とし
て、逆相系分取高速液体クロマトグラフィーに繰り返し
付し、ポリポレン酸C(33mg)、パキマ酸(500
mg)およびデヒドロパキマ酸(100mg)を得た。
【0012】ポリコ酸Aの分離精製方法(表1参照) 上記のフラクションDをさらにシリカゲルカラムクロマ
ト及び逆相系分取高速液体クロマトグラフィーに繰り返
し付し、ポリコ酸A(100mg)を得た。
【0013】また、必要に応じ、通常用いられる適当な
溶媒を使って再結晶による精製を行ってもよい。
【0014】ポリポレン酸C 無色針状結晶 mp:273〜275° [α]D 25 +2°(ピリジン) EI−MS(m/z):482(M+) HR−MS:482.3383(C31464)(計算値4
82.3398) UVλmax(MeOH) nm:242(logε=4.25) IRνmax(KBr) cm-1:3400,2950,171
0,1680,1250
【0015】パキマ酸 無色針状結晶 mp:296〜298° [α]D 25 +6°(ピリジン) EI−MS(m/z):528(M+) HR−MS:528.3826(C33525)(計算値5
28.3817) IRνmax(KBr) cm-1:3500,2950,173
0,1680,1260
【0016】パキマ酸メチル C34545 NMR(ピリジン-d5) 21−OCH3(δH 3.7
5,δC 51.1)
【0017】デヒドロパキマ酸 無色針状晶 mp:268〜270° [α]D 25 +41°(ピリジン) EI−MS(m/z):526(M+),508,493,
433 元素分析 計算値 C33505 C;75.25,H;
9.59 実測値 C;75.04,H;9.61 UVλmax(EtOH) nm:242(logε=4.10) IRνmax(KBr) cm-1:1730,1680
【0018】ポリコ酸A 無色針状晶 mp:248〜249° [α]D 25 +22°(メタノール) EI−MS(m/z):498(M+),480,425,
407 HR−MS:498.3362(C31465)(計算値4
98.3345) UVλmax(EtOH) nm:242(logε=4.11) IRνmax(KBr) cm-1:1703,1640
【0019】ポリコ酸Aジメチル C33505 NMR(ピリジン-d5) 21−OCH3(δH 3.6
4,δC 51.1) 3−OCH3(δH 3.79,δC 51.3) 16−O−アセチルポリコ酸A C35526 NMR(ピリジン-d5) 16−OCOCH3(δH 2.
04,δC 170.4,22.4)
【0020】本発明の化合物には一般に生体内において
遊離形と実質的に同様の生理活性または薬理活性を発揮
するもの、例えば、本発明の化合物の誘導体、具体的に
は、酢酸エステルなどのエステル体、およびK、Naな
どの医薬的に許容され得る塩、また付加塩、水和物など
は本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0021】鎮吐活性試験 1.被検溶液の調製 懸濁化剤として1%ツイーン80(東京化成工業株式会
社)、さらに溶解補助剤として、5%ジメチルスルホキ
シドを用い、懸濁液または水溶液として10〜100m
g/kgの濃度に調製した。
【0022】2.使用動物 体重5〜15gの雄性または雌性のトノサマガエル(Ra
na nigromaculata)、およびアカガエル(Rana japonic
a)を三協ラボサービス株式会社(東京)より購入し、
健康状態の良好なものを使用した。
【0023】3.硫酸銅誘発性嘔吐抑制活性試験 正常なカエルを1群5〜10匹に分け、飼料としてイト
ミミズ2.0ml/10g体重を強制投与し、3時間後
に被検溶液を10mg〜500mg/kg体重の濃度で
リンパ腔内投与し、物理的刺激を避け、30分間静置さ
せた。その後、催吐剤として末梢性催吐剤の硫酸銅(無
水)(ヨツハタ化学工業株式会社)150mg/kg体
重を経口投与し、胃内容物の吐出を誘発させ、対照群に
対する被検溶液投与群の嘔吐潜伏期間(初回嘔吐までに
要する時間)の延長を指標として活性を判定した。
【0024】4.嘔吐潜伏時間の表現方法 a)嘔吐潜伏時間(emetic latency) 各群の平均値±標準誤差(平均値±S.E.)で示し、t検
定により有意差検定を行った。 b)嘔吐潜伏時間の延長率(prolongation) [(被検溶液投与群の平均嘔吐潜伏時間/対照群の平均
嘔吐潜伏時間)−1]×100(%) c)異常値の棄却 各投与群における異常値の棄却は、スミレノフ法による
棄却検定に従った。
【0025】5.結果 鎮吐活性試験の結果を表2に示す。
【表2】 表2 試料 投与量 蛙の匹数 潜伏時間 延長率 (mg/kg体重) (分) (%) 対照 − 6 31.0± 2.9 ポリポレン酸C 10 7 47.9± 3.7 54.5 30 7 60.0± 7.1* 93.5 対照 − 5 26.6± 4.1 パキマ酸 10 5 27.8± 4.7 4.5 30 5 38.6± 5.5 45.1 50 5 60.6± 7.9** 127.8 100 5 65.6± 6.9** 146.6 対照 − 6 21.8± 3.0 デヒドロパキマ酸 10 6 20.0± 3.7 − 30 6 35.7± 4.7* 63.8 50 6 43.0± 5.0** 97.2 対照 − 6 21.8± 3.1 ポリコ酸A 10 6 17.0± 2.3 − 30 6 31.7± 4.4 49.5 50 5 44.4± 5.0** 109.4 100 5 45.2± 7.7* 113.2 対照 − 5 22.8± 4.6茯苓MeOH抽出物 500 5 48.6±13.6 113.2 数値は平均値±S.E. 対照値と著しく異なる:*p<0.05,**p<0.01
【0026】評価 4種の被検化合物のうち、ポリポレン酸Cは最小投与量
である10mg/kg体重において、50%以上の制吐
潜伏時間の延長を示した。残りの3種の化合物は30m
g/kg体重の投与量で約50%の延長率を示した。ポ
リポレン酸Cは、30mg/kg体重で、また残りの3
種の被検化合物は、50mg/kg体重で約2倍の顕著
な鎮吐活性を示した。
【0027】茯苓単離化合物およびその誘導体の構造と
鎮吐活性の相関関係 茯苓から単離されたトリテルペンおよびその誘導体の鎮
吐活性について、その構造活性相関性を検討した。以下
では、茯苓エキスの鎮吐活性を示し、硫酸銅誘発の嘔吐
発現時間の延長を起こす数種のトリテルペンの活性を試
験した。
【0028】1.被検化合物 パキマ酸(1)、デヒドロパキマ酸(2)、3β−ヒド
ロキシラノスタ−7,9(11),24−トリエン−21−
オイックアシッド(3)、ツムロ酸(5)、デヒドロエ
ブリコ酸(6)、デヒドロエブリコン酸(7)、3−エ
ピデヒドロツムロ酸(9)、ポリコ酸A(10)、ポリ
コ酸B(11)およびポリコ酸D(12)は上記の分離
方法と同様にして茯苓あるいは茯苓皮より単離したもの
を用いた。パキマ酸メチル(1a)およびポリコ酸Aジ
メチル(10a)は、1と10をそれぞれジアゾメタン
処理により製造した。3−O−アセチル−16α−ヒド
ロキシトラメテノール酸(4)およびポリポレン酸C
(8)はそれぞれのN−フタルイミドメチルエステル
(4b、8b)の加水分解により調製した(田井孝明
ら、 Phytochemistry 30, 2796−2797(199
1)、31, 2548−2549(1992)、32, 1
239−1244(1993)およびPhytochemistry 投
稿中の論文参照)。16−O−アセチルポリコ酸 A
(10c)は10のアセチル化により調製した。
【0029】2.試薬 催吐薬は硫酸銅(和光純薬社製)を使用し、クロロプロ
マジン、メトクロプラミドおよびp−アミノ安息香酸エ
チルを陽性対照薬として使用した。
【0030】3.使用動物 トノサマガエル(Rana nigromaculata)は雄雌混合体重
6−16gを三共ラボサービスより購入し用いた。
【0031】4.鎮吐試験方法 硫酸銅誘発性嘔吐抑制試験法を用いた。カエルを一群6
匹ずつに分け、試験開始3時間前にイトミミズを強制摂
食させた。試料溶液は5%ツイーン80に懸濁させ、1
0〜100mg/kg体重でリンパ腔投与し30分間安
静にした。その後、催吐剤の硫酸銅を経口投与し、80
分後まで最初の嘔吐発現時間を測定した。結果はコント
ロールに対する嘔吐発現時間の延長で判断した。嘔吐発
現時間の延長は被験試料の鎮吐活性を示している。
【0032】5.結果 全てのデータは±S.E.で示した。統計学的な有意差は
t−検定で行った。鎮吐活性試験の結果を表3に示す。
【表3】 表3 試料 投与量 蛙の匹数 潜伏時間 延長率 (mg/kg体重) (分) (%) 対照 − 6 25.7±4.1 パキマ酸 10 6 25.3±5.1 − II−a 30 6 35.0±5.3 36.2 (1) 50 5 55.4±7.8** 115.6 100 6 53.3±6.0** 107.4 対照 − 5 35.2±4.5 パキマ酸メチル 10 5 27.4±3.9 − (1a) 30 5 42.0±6.7 19.3 50 6 52.7±5.0* 49.7 100 5 40.0±3.2 13.6 対照 − 6 21.8±3.0 デヒドロパキマ酸 10 6 20.0±3.7 − I−b 30 6 35.7±4.7* 63.8 (2) 50 6 43.0±5.0** 97.2 100 5 26.2±5.4 20.2 対照 − 6 24.0±5.7 3β-ヒト゛ロキシラノスタ-7,9 10 6 23.5±3.9 − (11),24-トリエン-21- 30 6 20.0±2.9 −オイック・アシット゛ 50 6 21.5±4.9 −(3) 100 5 20.8±3.8 − 対照 − 6 27.2±3.4 3-O-アセチル-16α-ヒト゛ロキシ- 10 5 37.0±4.2 36.0トラメテノール 酸 30 4 16.8±6.1 − 50 5 32.4±10.1 19.1(4) 100 5 26.6±5.0 対照 − 6 16.2±4.6 3-O-アセチル-16α-ヒト゛ロキシ- 10 4 8.8±3.1 −トラメテノール 酸 30 5 28.4±8.6 75.3フタルイミト゛メチル エステル 50 5 10.4±3.2 −(4b) 100 5 19.4±2.4 − 対照 − 6 32.3±4.5 ツムロ酸 10 6 22.8±3.7 − (5) 30 6 29.5±3.5 − 50 5 36.4±1.5 12.7 100 6 33.0±3.4 2.2 対照 − 5 29.8±4.3 デヒドロ 10 5 31.0±6.7 4.0 エブリコ酸 30 5 39.8±4.4 33.6(6) 50 5 26.2±6.8 − 対照 − 6 22.7±3.4 デヒドロエブリ 10 6 27.0±3.7 18.9 コン酸 30 6 36.7±2.3* 61.7(7) 50 6 26.2±2.0 15.4 対照 − 5 34.4±3.6 ポリポレン酸C 10 5 41.0±3.4 39.2 I−a 30 5 68.2±5.8** 98.3 (8) 50 5 50.4±5.8 46.5 100 5 37.6±4.1 9.3 対照 − 5 38.8±4.8 ポリポレン酸C 10 5 33.0±6.3 −フタルイミト゛メチル エステル 30 5 29.8±6.1 − (8b) 50 5 45.4±9.5 17.0 100 5 59.2±10.7 52.6 対照 − 5 23.2±4.3 3-エピデヒドロ 10 5 30.0±6.5 29.3 ツムロ酸 30 5 15.6±4.3 − (9) 50 5 13.8±5.2 − 100 5 23.8±3.4 − 対照 − 6 21.8±3.1 ポリコ酸A 10 6 17.0±2.3 − III−a 30 6 31.7±4.4 49.5 (10) 50 5 44.4±5.0** 109.4 100 6 45.2±7.7* 112.3 対照 − 5 15.4±3.7 ポリコ酸Aジメチル 10 5 38.6±4.3* 120.6 (10a) 30 3 23.7±6.9 53.9 50 5 21.8±8.1 41.6 100 5 11.8±2.2 − 対照 − 5 22.8±5.8 16-O-アセチル 10 5 30.2±2.8 32.5 ポリコ酸A 30 5 20.6±4.9 − (10c) 50 5 52.7±11.0 131.1 100 5 70.2±7.0 207.9 対照 − 5 25.8±6.1 ポリコ酸B 10 5 15.4±4.2 − (11) 30 6 19.0±4.5 − 50 6 31.8±4.5 23.3 100 5 4.2±0.5 − 対照 − 6 35.5±3.3 ポリコ酸D 10 6 21.3±4.1 − (12) 30 6 41.2±4.8 16.1 50 6 25.0±3.9 − 100 6 18.3±4.9 − 対照 − 6 35.7±4.3 クロルプロマジン 10 6 38.7±3.4 9.6 30 7 63.0±6.8** 76.5 50 6 66.2±6.1** 85.4 100 7 72.6±4.2 103.4 対照 − 7 30.9±4.1 メトクロプラミド 10 7 34.7±4.1 12.0 30 7 39.7±5.6 28.5 50 6 59.8±4.5*** 93.5 100 7 80.0±0.0(嘔吐なしで158.9 %) 対照 − 7 38.1±4.1 p-アミノ安息香酸 10 7 36.9±4.4 − エチル 30 7 53.0±3.9 39.1(経口投与) 50 7 66.7±3.9*** 75.1 対照 − 7 27.3±3.9 p-アミノ安息香酸 10 7 37.4±3.5 37.0 エチル 30 7 46.7±3.9** 70.8(リンパ腔に投与) 50 7 56.1±3.9*** 105.5 *:P<0.05、**:P<0.01 ***:P<0.001
【0033】評価と考察 茯苓から単離されたトリテルペンおよびその誘導体の鎮
吐活性について、その構造活性相関を検討した。茯苓の
メタノールエキスを500mg/kg体重投与した時、
113.2%の嘔吐発現の時間の延長があった。化合物
1は茯苓中にもっとも多く含まれる成分で、そのメチル
エステル1aも鎮吐活性を示したが、化合物3、4、4
b、5および6には顕著な活性がなかった。この結果よ
りそれらトリテルペンの3位のアセチル基と24位のエ
キソメチレン基が鎮吐活性に必須であると考えられる。
化合物7と8は活性があったが、8bは顕著な活性がな
かった。21位のフタルイミドメチルエステルは鎮吐活
性を減少させており、16位の水酸基の存在は活性には
関与していないと見られる。化合物8は投与量を多くす
ると(50〜100mg/kg体重)、鎮吐活性は減少
し予想外の結果であった。3,4−セコ体のトリテルペ
ンに関して側鎖にエキソメチレン基をもっている化合物
10および10aは活性があったが、10aの投与量を
上げると(>30mg/kg体重)予想外の活性の低下
をみた。活性のあったいくつかのトリテルペンは陽性対
照薬のクロロプロマジン、メトクロプラミドおよびp−
アミノ安息香酸エチルと同程度の効果があった。
【0034】以上の結果より側鎖の24位にエキソメチ
レン基を持ついくつかのトリテルペンはカエルに対して
鎮吐活性があった。シャルマらは側鎖の24位にエキソ
メチレン基を持つトリテルペンに家蝨のある種を殺す活
性があることを報告している(Sharma, M.C. et al.,
Phytochemistry 37,201−203(1994))。こ
のことからも側鎖の24位のエキソメチレン基は生理活
性に対し何らかの効果を表す因子であると考えられる。
【0035】急性毒性試験 (1)試験化合物 ポリコ酸A (2)試験方法 BDF1雄性マウス4週令5匹を使用し、1週間動物室
で馴化後、18時間絶食させてから試験化合物を0.5
%CMC−Naに懸濁して、経口投与した(投与容量
0.1ml/10g体重)。 (3)試験結果 1000mg/kgの用量をマウスに投与しても死亡例
はなく、異常症状も認められなかった。従って、試験化
合物の毒性は低い。
【0036】有効な投与量および投与方法 本発明の化合物はそのまま、あるいは慣用の製剤担体と
共に動物および人に投与することができる。投与形態と
しては、特に限定がなく、必要に応じ適宜選択して使用
することができ、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、
散剤等の経口剤、注射剤、経皮吸収剤、坐剤等の非経口
剤が挙げられる。
【0037】経口剤としての有効量は、患者の年令、体
重、疾患の程度により異なるが、通常成人で本発明の化
合物の重量として10mg〜500mgを、1日数回に
分けての服用が適当である。経口剤は、例えば、乳糖、
デンプン、ショ糖、ブドウ糖、マンニトール、コンスタ
ーチ、無機塩類等を用いて常法に従って製造される。
【0038】これらの製剤には、必要に応じて上記の賦
形剤の他に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流
動化剤、矯味剤、着色剤、香料等を使用することができ
る。
【0039】例えば、結合剤にはデンプン、デキストリ
ン、アラビアゴム末、ヒドロキシプロピルスターチ、結
晶セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ポリビニルピロリドンを挙げること
ができる。
【0040】崩壊剤としては、デンプン、ヒドロキシプ
ロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキ
シメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ポリビニルピロリドンがある。
【0041】界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリ
ウム、大豆レシチン、卵黄レシチン、ショ糖脂肪酸エス
テル、ポリソルベート80が挙げられる。
【0042】滑沢剤の例には、タルク、ロウ類、水素添
加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミ
ニウムがある。
【0043】流動化剤としては、軽質無水ケイ酸、乾燥
水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケ
イ酸マグネシウムを挙げることができる。
【0044】また、本発明の化合物は、懸濁液、乳化
剤、シロップ剤、エリキシル剤としても投与することが
でき、これらの剤形には、矯味矯臭剤、着色剤が含まれ
ていてもよい。
【0045】非経口剤として鎮吐効果を発揮するために
は、患者の年齢、体重、疾患の程度により異なるが、通
常成人で本発明の化合物の重量として1日0.1mg〜
5mgまでの皮下注射、筋肉注射が適当と思われる。
【0046】この非経口剤は常法に従って製造され、希
釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖
水溶液、注射用植物油、ゴマ油、落花生油、大豆油、ト
ウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレング
リコール等を用いることができる。さらに必要に応じ
て、殺菌剤、防腐剤、安定剤等を加えてもよい。
【0047】その他の非経口剤としては、外用液剤、ゲ
ル状軟膏等の経皮吸収剤、直腸内投与のための坐剤等が
挙げられ、常法に従って製造される。
【0048】次に、本発明の製剤例を示して、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限
されるものではない。
【0049】実施例1 上記の処方に従って〜を均一に混合し、打錠機にて
圧縮成形して一錠200mgの錠剤を得た。この錠剤一
錠には、ポリポレン酸Cが20mg含まれており、成人
一日3〜6錠を数回に分けて服用する。
【0050】実施例2 上記の処方に従って、、およびの一部を均一に
混合し、成形圧縮した後、粉砕し、、およびの残
量を加えて混合し、打錠機にて圧縮成形して一錠200
mgの錠剤を得た。この錠剤一錠には、ポリコ酸Aが2
0mg含まれており、成人一日3〜6錠を数回に分けて
服用する。
【0051】実施例3 上記の処方に従って〜を均一に混合し、ねつ和し
た。押し出し造粒機により造粒後、乾燥し、12号のふ
るいを通して顆粒剤を得た。この顆粒剤1gにはパキマ
酸が20mg含まれており、成人1日3〜6gを数回に
分けて服用する。
【0052】実施例4 上記の処方に従って〜を均一に混合し、圧縮成形機
で圧縮成形後、破砕機で砕き、30号のふるいを通して
細粒剤を得た。この細粒剤1gにはデヒドロパキマ酸が
20mg含まれており、成人1日3〜6gを数回に分け
て服用する。
【0053】実施例5 上記の処方に従って、〜を均一に混合し、220m
gを2号カプセルに充填した。このカプセル剤1粒に
は、ポリポレン酸Cが20mg含まれており、成人1日
3〜6粒を数回に分けて服用する。
【0054】実施例6 上記の処方に従ってをとに溶解し、これにを加
えて乳化し、注射剤を得た。
【0055】実施例7 上記の処方に従ってにとを加えて混合する。これ
に別にをの1部で膨潤させたものに加え均一に混和
した後、撹拌下にさらにの残部を加えて、十分に練り
会わせてゲル状軟膏剤を得た。
【0056】実施例8 上記の処方に従ってをに加えて溶解分散させ、これ
にを加えて溶融させてから、十分に練り合わせる。さ
らに金型に充填し、冷却させて1個約1.8gの坐剤を
得た。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式A: 【化1】 [式中、R1は、Hまたは低級アルキルであり、 R2は、低級アルカノイルオキシであるか、または環を
    構成する炭素原子とともにC=Oを形成する]で示され
    るラノスタン骨格、または、 式B: 【化2】 [式中、R1は、H、または低級アルキルである]で示
    される3,4−セコラノスタン骨格を有するトリテルペ
    ン類の少なくとも1種を有効成分として含む鎮吐薬。
  2. 【請求項2】 式Iまたは式II: 【化3】 [式中、R1は、H、またはCH3であり、 R2は、−OCOCH3であるか、または環を構成する炭
    素原子とともにC=Oを形成し、 R3およびR5は、同一または異なって、H、またはOH
    であり、 R4は、−C(=CH2)−CH(CH3)2−Ra(ここで、
    Raは、HまたはOHを示す)であり、 R6は、CH3、またはCH2OHである。]で示される
    ラノスタン骨格を有するトリテルペン類の少なくとも1
    種を有効成分として含む請求項1記載の鎮吐薬。
  3. 【請求項3】 上記ラノスタン骨格を有するトリテルペ
    ン類が、式I−a: 【化4】 で示されるポリポレン酸C、式II−a: 【化5】 で示されるパキマ酸、または式I−b: 【化6】 で示されるデヒドロパキマ酸である、請求項1または2
    記載の鎮吐薬。
  4. 【請求項4】 式IIIまたは式IV: 【化7】 [式中、R1は、H、またはCH3であり、 R3は、H、OH、またはOCOCH3であり、 R4は、−C(=CH2)−C(CH3)2−Ra(ここで、Ra
    は、HまたはOHを示す)であり、 R5は、HまたはOHであり、 R6は、CH3、またはCH2OHである]で示される3,
    4−セコラノスタン骨格を有するトリテルペン類の少な
    くとも1種を有効成分として含む鎮吐薬。
  5. 【請求項5】 上記3,4−セコラノスタン骨格を有す
    るトリテルペン類が、式III−a: 【化8】 で示されるポリコ酸Aである、請求項4記載の鎮吐薬。
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