JPH0925232A - 発癌予防剤 - Google Patents

発癌予防剤

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JPH0925232A
JPH0925232A JP7178549A JP17854995A JPH0925232A JP H0925232 A JPH0925232 A JP H0925232A JP 7178549 A JP7178549 A JP 7178549A JP 17854995 A JP17854995 A JP 17854995A JP H0925232 A JPH0925232 A JP H0925232A
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acid
formula
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carcinogenesis
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JP7178549A
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Ken Yasukawa
憲 安川
Takaaki Tai
孝明 田井
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KOTAROU KANPO SEIYAKU KK
Original Assignee
KOTAROU KANPO SEIYAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ラノスタン骨格または3,4−セ
コラノスタン骨格を有する化合物の少なくとも一種を有
効成分とする発癌予防剤に関する。 【解決手段】 式Iまたは式II: 【化1】 で示されるラノスタン骨格を有するトリテルペン類の少
なくとも1種、または式IIIまたは式IV: 【化2】 で示される3,4−セコラノスタン骨格を有するトリテ
ルペン類の少なくとも1種を有効成分として含む発癌予
防剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラノスタン骨格ま
たは3,4−セコラノスタン骨格を有する化合物の少な
くとも一種を有効成分とする発癌予防剤に関する。
【0002】癌の予防は、現在の重要な研究の1つであ
り、種々の物質について癌予防の検索が行われている。
ひとの癌の90%は化学物質によって発癌すると言われ
ており、これに関連して発癌二段階説が提唱されてい
る。これは二つの異なったプロセス、すなわちイニシエ
ーションとプロモーションにより発癌するというもので
ある。初めに化学物質、放射線、突然変異等により、細
胞の遺伝子にダメージが起こり、これをイニシエーショ
ンというが、このままでは発癌しない。しかし、その後
環境中の化学物質等により、遺伝子にダメージを受けた
細胞が長期間プロモーションを受けると癌化が起こり、
さらに増殖し死に至る。これが発癌二段階説と言われる
ものである。イニシエーターの1種である7,12−dimeth
ylbenzanthracene(DMBA)でイニシエートし、マウ
ス皮膚における最も強力なプロモーターである、12-O-t
etradecanoylphorbol-13-acetate(TPA)により人工的
に腫瘍を形成させることができる。
【0003】ところで、プロモーターであるTPAは多
くの生理活性を有しており、この発明者らはプロモーシ
ョン過程を抑制する物質がTPAにより誘発される炎症
をも抑制することを確認しすでに発表している。そこ
で、この発明者らは種々の化学物質についてマウスのT
PAによる耳殻炎症抑制効果をプロモーション抑制効果
のスクリーニングテストとして用いることにした。この
発明者らはこのスクリーニングテストを用いて、天然物
の発癌予防活性を研究するうちに、茯苓抽出エキスがT
PAの誘発する炎症に対して強い効果を示すことを知っ
た。本発明はこのような知見に基づいて完成されたもの
である。
【0004】日本産および中国産の茯苓は伐採後3〜5
年を経た枯れたマツ類(Pinus spp.、アカマツなど)
の根の周囲に生じるサルノコシカケ科の菌類マツホド
Poriacocos Wolf)を基原とするものである。その他
の外国産茯苓はマツ属のほか、ヒマラヤスギ、カシ、ウ
ルシ、その他の植物を宿主とする。不定形の塊状で表面
は暗褐色で松膚状、内部は白色または淡紅色である。菌
核の外層をはいで乾燥したものが茯苓である。味はやや
粘稠性で新鮮なものは特異な微かなにおいがある。漢方
では利水、鎮静薬として、利尿異常、心悸亢進などの治
療に用いられている。本発明において分離精製された6
種の化合物はすでに知られているが、これらの化合物が
発癌予防活性を有することはかって報告されていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の発癌予防剤は下
記の化合物を有効成分として含むものである。ラノスタ
ン骨格を有する、式Iまたは式II:
【化5】 [式中、R1は、H、またはCH3であり、R2Aは、β−
OH、β−OCOCH3、α−OH、α−OCOCH3
あるか、または環を構成する炭素原子とともにC=Oを
形成し、R3およびR5は、同一または異なって、H、ま
たはOHであり、R4は、−C(=CH2)−C(CH3)2
Ra(ここで、Raは、HまたはOHを示す)、または−
CH=C(CH3)−Rb(ここで、Rbは、CH3またはC
2OHを示す)であり、R6は、CH3、またはCH2
Hである。]で示されるトリテルペン類であり、さらに
具体的には、例えば、式I−a:
【化6】 で示されるポリポレン酸C、式II−a:
【化7】 で示されるパキマ酸、または式I−b:
【化8】 で示されるデヒドロパキマ酸、式II−b:
【化9】 で示される3−O−アセチル−16α−ヒドロキシトラ
メテノール酸を挙げることができる。
【0006】さらに、3,4−セコラノスタン骨格を有
する、式IIIまたは式IV:
【化10】 [式中、R1およびR2Bは、H、またはCH3であり、R
3およびR5は、同一または異なって、H、またはOHで
あり、R4は、−C(=CH2)−C(CH3)2−Ra(ここ
で、Raは、HまたはOHを示す)、または−CH=C
(CH3)−Rb(ここで、Rbは、CH3またはCH2OH
を示す)であり、R6は、CH3、またはCH2OHであ
る]で示されるトリテルペン類、さらに具体的には、例
えば、式III−a:
【化11】 で示されるポリコ酸A、および式III−b:
【化12】 で示されるポリコ酸Bを挙げることができる。本発明に
より、発癌予防剤として、少なくとも式I〜IVにおいて
21位のカルボン酸またはその誘導体が有効であると推
測される。
【0007】本発明はさらに、式I〜IV(式中、R1、R
2A、R2B、R3、R4、R5およびR6は、前記と同じ意味
である)で示されるラノスタン骨格または3,4−セコラ
ノスタン骨格を有する化合物の少なくとも1種を含む茯
苓または茯苓皮の抽出エキスを有効成分とする発癌予防
剤に関する。
【0008】抽出溶媒としては、水、メタノール、エタ
ノール、エーテルを挙げることができるが、抽出溶媒が
エーテルである場合は上記の化合物がより選択的に抽出
されるため、エーテル抽出エキスは強い発癌予防効果を
示す。
【0009】本発明の化合物は、茯苓から例えば次のよ
うにして得ることができる。市販の茯苓をメタノール、
メタノールなどを含む水性溶媒、または水を用いて、還
流しながら1〜3時間かけて抽出する。濾過後得られた
抽出液を減圧下で溶媒を留去し、得られた抽出エキスを
各種のクロマトグラフィーを用いて分離精製する。また
場合によっては、N−クロロメチルフタルイミドにより
エステル化を行ない、分離後、加水分解し精製する。ま
た得られた化合物はエステル化、アシル化等で誘導体化
する。例えば、ポリポレン酸C、パキマ酸、デヒドロパ
キマ酸、3−O−アセチル−16α−ヒドロキシトラメ
テノール酸、ポリコ酸Aおよびポリコ酸Bは次のように
して分離精製する。
【0010】ポリポレン酸C、パキマ酸およびデヒドロ
パキマ酸および3−O−アセチル−16α−ヒドロキシ
トラメテノール酸の分離精製方法 分離精製操作を下記の表1に示す。
【表1】
【0011】茯苓15kgを水浴上メタノールで還流し
ながら1時間抽出する。濾過後得られた抽出液を減圧下
で溶媒留去し、メタノール抽出エキス86.4gを得
た。ついで、内径12cm、長さ80cmのシリカゲル
カラムクロマトを用い、クロロホルム−メタノール(5
0:1)で順次溶出し、フラクションA〜Dを得た。フ
ラクションAは過剰のクロロホルムを加えると沈殿を生
じた。この沈殿物を90%メタノール溶液を溶媒とし
て、逆相系分取高速液体クロマトグラフィーに繰り返し
付し、ポリポレン酸C(33mg)、パキマ酸(500
mg)およびデヒドロパキマ酸(100mg)を得た。
さらにフラクションBの沈殿物の一部をアセトニトリル
に懸濁し、N−クロロメチルフタルイミドとトリエチル
アミンを加え1時間還流した。冷却後、減圧下にて溶媒
留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトを用い、n−
ヘキサン−酢酸エチル(2:1)で順次溶出し、メチル
フタルイミドエステル体を得た。0.1N NaOH−E
tOHで部分加水分解を行い、3−O−アセチル−16
α−ヒドロキシトラメテノール酸(100mg)を得
た。
【0012】ポリコ酸Aおよびポリコ酸Bの分離精製方
法(表1参照) 上記のフラクションDをさらにシリカゲルカラムクロマ
ト及び逆相系分取高速液体クロマトグラフィーに繰り返
し付し、ポリコ酸A(100mg)およびポリコ酸B
(30mg)を得た。また、必要に応じ、通常用いられ
る適当な溶媒を使って再結晶による精製を行ってもよ
い。
【0013】 ポリポレン酸C 無色針状結晶 mp:273〜275° [α]D 25 +2°(ピリジン) EI−MS(m/z):482[M+] HR−MS(m/z):482.3383[M+](C31464) (計算値482.3398) UVλmax(MeOH) nm:242(logε=4.25) IRνmax(KBr) cm-1:1710,1680
【0014】 パキマ酸 無色針状結晶 mp:296〜298° [α]D 25 +6°(ピリジン) EI−MS(m/z):528[M+] HR−MS(m/z):528.3826[M+](C33525) (計算値528.3817) IRνmax(KBr) cm-1:1730,1680
【0015】 パキマ酸メチル C34545 NMR(ピリジン-d5) 21−OCH3(δH 3.75,δC 51.1)
【0016】 デヒドロパキマ酸 無色針状晶 mp:268〜270° [α]D 25 +41°(ピリジン) EI−MS(m/z):526[M+],508,493,433 元素分析 C33505 計算値 C;75.25,H;9.59 実測値 C;75.04,H;9.61 UVλmax(EtOH) nm:242(logε=4.10) IRνmax(KBr) cm-1:1730,1680
【0017】 デヒドロパキマ酸メチル C34525 NMR(ヒ゜リシ゛ンd5)21−OCH3(δH3.75,δC51.1)
【0018】 3−O−アセチル−16α−ヒドロキシトラメテノール酸 無色針状晶 mp>300℃ [α]+7°(ビリジン) EI−MS(m/z):514[M+],481,421,316 HR−MS(m/z):514.3629[M+](C32505) (計算値514.3658) IRνmax(KBr) cm-1:1737,1707
【0019】 ポリコ酸A 無色針状晶 mp:248〜249° [α]D 25 +22°(メタノール) EI−MS(m/z):498[M+],480,425,407 HR−MS(m/z):498.3362[M+](C31465) (計算値498.3345) UVλmax(EtOH) nm:242(logε=4.11) IRνmax(KBr) cm-1:1703,1640
【0020】 ポリコ酸AM 無色針状晶 mp:220〜222℃ [α]+21°(メタノール) EI−MS(m/z):512[M+],494,425,407 HR−MS(m/z):512.3450[M+](C32485) (計算値512.3501)
【0021】 ポリコ酸B 無晶形粉末 [α]+15°(メタノール) EI−MS(m/z):484[M+],466,411,393 HR−MS(m/z):484.3123[M+](C30445) (計算値484.3189) UVλmax(EtOH) nm:242(logε=4.09) IRνmax(KBr) cm-1:1707,1639
【0022】 ポリコ酸Aジメチル C33505 NMR(ピリジン-d5) 21−OCH3(δH 3.64,δC 51.1) 3−OCH3(δH 3.79,δC 51.3)
【0023】 16−O−アセチルポリコ酸A C35526 NMR(ピリジン-d5) 16−OCOCH3(δH 2.04,δC 170.4, 22.4)
【0024】本発明の化合物には一般に生体内において
遊離形と実質的に同様の生理活性または薬理活性を発揮
するもの、例えば、本発明の化合物の誘導体、具体的に
は、酢酸エステルなどのエステル体、およびK、Naな
どの医薬的に許容され得る塩、また付加塩、水和物など
は本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0025】発癌予防活性試験 発癌予防活性の薬理学的実験として、TPAの誘発する
炎症に対する抑制試験を行った。この実験は2段階発癌
のプロモーション過程の抑制効果のスクリーニングテス
トとして位置付けられるものである。
【0026】1.使用動物 7週齢のICR系雌性マウスを、日本エスエルシーより
購入し、SPF室で室温22−23℃、湿度50±5
%、照明8時から20時の条件下で飼育した。
【0027】2.被検化合物 パキマ酸(1)、デヒドロパキマ酸(2)、3β−ヒド
ロキシラノスタ−7,9(11),24−トリエン−21−
オイックアシッド(3)、ツムロ酸(5)、デヒドロエ
ブリコン酸(7)、3−エピデヒドロツムロ酸(9)、
ポリコ酸A(10)、ポリコ酸AM(10a)、ポリコ
酸B(11)およびポリコ酸D(12)は上記の分離方
法と同様にして茯苓あるいは茯苓皮より単離したものを
用いた。パキマ酸メチル(1a)およびポリコ酸Aジメ
チル(10b)は、1と10をそれぞれジアゾメタン処
理により製造した。3−O−アセチル−16α−ヒドロ
キシ−トラメテノール酸(4)およびポリポレン酸C
(8)はそれぞれのN−フタルイミドメチルエステルの
加水分解により調製した(田井孝明ら、 Phytochemistry
30, 2796−2797(1991)、31, 254
8−2549(1992)、32, 1239−1244
(1993)およびPhytochemistry投稿中の論文参照)。
16−O−アセチルポリコ酸 A(10c)は10のア
セチル化により調製した。
【0028】3.被験溶液の調製 TPAはアセトンに溶解し、被験化合物はクロロホルム
とメタノール(1:1)の混液に溶解し調製した。
【0029】TPAの誘発する炎症に対する抑制試験 マウスの右耳の内外耳殻に1μgのTPAを塗布し、最
高腫張である6時間後に耳殻腫張をポケットシックネス
ゲージで測定した。被験化合物はTPAの塗布の30分
前に塗布した(n=4〜6)。
【0030】TPAの誘発する炎症に対する抑制効果の
表現方法 a)TPAの誘発する炎症に対する抑制率(Inhibition
ratio)(%) b)50%抑制投与量(ID50)の算出 ID50の算出はプロビット法に従った。
【0031】結果 マウスにおけるTPA−誘発炎症に対するトリテルペン
類および茯苓もしくは茯苓皮抽出エキスの抑制効果
【表2】 被験化合物 ID50(μg/耳) パキマ酸(1) 44 パキマ酸メチル(1a) 212 3−O−アセチル−16α−ヒドロキシトラメテノール酸(4) 15 ツムロ酸(5) 213 デヒドロパキマ酸(2) 20 デヒドロパキマ酸メチル(2a) 192 3-エピデヒドロツムロ酸(9) 91 3β−ヒト゛ロキシラノスタ-7,9(11),24-トリエン-21-オイック・アシット゛(3) 26 ポリポレン酸C(8) 97 デヒドロエブリコン酸(7) 27 ポリコ酸A(10) 28 ポリコ酸B(11) 17 ポリコ酸D(12) 125 ポリコ酸AM(10a) 76 ポリコ酸Aジメチル(10b) 49 16−O−アセチルポリコ酸A(10c) 81 茯苓皮エーテル抽出エキス 62 茯苓エーテル抽出エキス1 101 茯苓エーテル抽出エキス2 48 茯苓皮エタノール抽出エキス 31 茯苓皮水抽出エキス 274 (陽性対照化合物) ヒドロコルチゾン 30 試料はTPAの塗布の30分前に塗布した。TPAの塗
布6時間後に耳殻腫張を測定した。
【0032】TPAの誘発する炎症に対する抑制効果の
評価 パキマ酸を中心とするトリテルペン類及びそのセコ体
は、TPAによる炎症に対して極めて強い抑制効果を示
した。すなわち、3−O−アセチル−16α−ヒドロキ
シトラメテノール酸、ポリコ酸B、デヒドロパキマ酸、
ポリコ酸A、3β−ヒト゛ロキシラノスタ-7,9(11),24-トリエン-21-オイッ
ク・アシット゛パキマ酸およびデヒドロエブリコン酸の6種の
化合物は、ID50が15〜27μg/耳であり、対照化
合物のヒドロコルチゾンの30μg/耳よりも高い抑制
効果を示した。ついで、パキマ酸、ポリコ酸Aジメチ
ル、ポリコ酸AM、16−O−アセチルポリコ酸A、3
−デヒドロツムロ酸、ポリポレン酸Cも44〜97μg
/耳の範囲の高い抑制効果を示した。また、茯苓および
茯苓皮のエタノール抽出エキスおよびエーテル抽出エキ
スについても対照化合物であるヒドロコルチゾンと同レ
ベルの抑制効果が得られた。上記の結果から、これらの
化合物はTPAによる耳殻炎症抑制効果をスクリーニン
グテストとする2段階発癌のプロモーション過程をも十
分抑制し得るものである。
【0033】急性毒性試験 (1)試験化合物 ポリコ酸A (2)試験方法 BDF1雄性マウス4週令5匹を使用し、1週間動物室
で馴化後、18時間絶食させてから試験化合物を0.5
%CMC−Naに懸濁して、経口投与した(投与容量
0.1ml/10g体重)。 (3)試験結果 1000mg/kgの用量をマウスに投与しても死亡例
はなく、異常症状も認められなかった。従って、試験化
合物の毒性は低い。
【0034】有効な投与量及び投与方法 本発明の化合物はそのまま、あるいは慣用の製剤担体と
共に動物及び人に投与することができる。投与形態とし
ては、特に限定がなく、必要に応じ適宜選択して使用す
ることができ、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の経
口剤、注射剤、経皮吸収剤、ローション剤、クリーム
剤、軟膏剤、坐剤等の非経口剤が挙げられる。
【0035】経口剤としての有効量は、患者の年令、体
重、疾患の程度により異なるが、通常成人で本発明の化
合物の重量として1mg〜1g、好ましくは10mg〜
500mgを、1日数回に分けての服用が適当である。
経口剤は、例えば、乳糖、デンプン、ショ糖、ブドウ
糖、マンニトール、コンスターチ、無機塩類等を用いて
常法に従って製造される。
【0036】これらの製剤には、必要に応じて上記の賦
形剤の他に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、乳化剤、滑
沢剤、湿潤剤、流動化剤、保存剤、矯味剤、着色剤、香
料等を使用することができる。
【0037】例えば、結合剤にはデンプン、デキストリ
ン、アラビアゴム末、ヒドロキシプロピルスターチ、結
晶セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ポリビニルピロリドンを挙げること
ができる。
【0038】崩壊剤としては、デンプン、ヒドロキシプ
ロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキ
シメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ポリビニルピロリドンがある。
【0039】界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリ
ウム、大豆レシチン、卵黄レシチン、ショ糖脂肪酸エス
テル、ポリソルベート80が挙げられる。
【0040】滑沢剤の例には、タルク、ロウ類、水素添
加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミ
ニウムがある。
【0041】流動化剤としては、軽質無水ケイ酸、乾燥
水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケ
イ酸マグネシウムを挙げることができる。
【0042】また、本発明の化合物は、懸濁液、乳化
剤、シロップ剤、エリキシル剤としても投与することが
でき、これらの剤形には、矯味矯臭剤、着色剤が含まれ
ていてもよい。
【0043】非経口剤として発癌予防効果を発揮するた
めには、患者の年齢、体重、疾患の程度により異なる
が、通常成人で本発明の化合物の重量として1日0.1
mg〜5mgまでの皮下注射、筋肉注射が適当と思われ
る。
【0044】この非経口剤は常法に従って製造され、希
釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖
水溶液、注射用植物油、ゴマ油、落花生油、大豆油、ト
ウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレング
リコール等を用いることができる。さらに必要に応じ
て、殺菌剤、防腐剤、安定剤等を加えてもよい。
【0045】その他の非経口剤としては、外用液剤、ゲ
ル状軟膏等の経皮吸収剤、直腸内投与のための坐剤等が
挙げられ、常法に従って製造される。
【0046】例えば、ローション剤には、通常用いられ
る添加剤が含まれていてもよく、懸濁剤として、アラビ
アゴム、トラガント、デキストリン、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ベントナ
イト、ビーガム、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0047】乳化剤として、石ケン、ラウリル硫酸ナト
リウム、ソルビタン、脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンソルビタン、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
モノグリセリド等が挙げられる。
【0048】湿潤剤として、グリセリン、プロピレング
リコール、ソルビトール、1,3−ブチレングリコー
ル、dl-ピロリドンカルボン酸、乳酸ナトリウム等が挙
げられる。
【0049】保存剤として、パラオキシ安息香酸エステ
ル類、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。これらを
用いて、常法に従ってローション剤を調製する。
【0050】次に、本発明の製剤例を示して、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限
されるものではない。
【0051】実施例1 上記の処方に従って均一に混合し、打錠機にて圧縮成形
して一錠200mgの錠剤を得た。この錠剤一錠には、
ポリポレン酸Cが20mg含まれており、成人一日3〜
6錠を数回に分けて服用する。
【0052】実施例2 上記の処方に従って、、およびの一部を均一に
混合し、成形圧縮した後、粉砕し、、およびの残
量を加えて混合し、打錠機にて圧縮成形して一錠200
mgの錠剤を得た。この錠剤一錠には、ポリコ酸Aが2
0mg含まれており、成人一日3〜6錠を数回に分けて
服用する。
【0053】実施例3 上記の処方に従って均一に混合し、ねつ和した。押し出
し造粒機により造粒後、乾燥し、12号のふるいを通し
て顆粒剤を得た。この顆粒剤1gにはパキマ酸が20m
g含まれており、成人1日3〜6gを数回に分けて服用
する。
【0054】実施例4 上記の処方に従って均一に混合し、圧縮成形機で圧縮成
形後、破砕機で砕き、30号のふるいを通して細粒剤を
得た。この細粒剤1gにはデヒドロパキマ酸が20mg
含まれており、成人1日3〜6gを数回に分けて服用す
る。
【0055】実施例5 上記の処方に従って均一に混合し、220mgを2号カ
プセルに充填した。このカプセル剤1粒には、ポリポレ
ン酸Cが20mg含まれており、成人1日3〜6粒を数
回に分けて服用する。
【0056】実施例6 上記の処方に従ってをとに溶解し、これにを加
えて乳化し、注射剤を得た。
【0057】実施例7 上記の処方に従ってにとを加えて混合する。これ
に別にをの1部で膨潤させたものに加え均一に混和
した後、撹拌下にさらにの残部を加えて、十分に練り
会わせてゲル状軟膏剤を得た。
【0058】実施例8 上記の処方に従ってをに加えて溶解分散させ、これ
にを加えて溶融させてから、十分に練り合わせる。さ
らに金型に充填し、冷却させて1個約1.8gの坐剤を
得た。
【0059】実施例9 3−O−アセチル−16α−ヒドロキシトラメテノール酸 1.0g サラシミツロウ 0.1g セタノール 1.5g ラウリル硫酸ナトリウム 0.5g グリセリン 5.0g パラオキシ安息香酸メチル 0.2g パラオキシ安息香酸プロピル 0.2g精製水 適量 計 100.0g 上記の処方に従って、原料、、、およびを水
浴上で約70℃に加温して溶かす。別におよびを全
量の約2/3容量の精製水に溶かし、これを約70℃に
加温し、この混液を絶えずかきまぜつつある油相中に加
え、40℃になるまでかきまぜたのち、残りの精製水を
加えて全量とし、十分に混和して製し、3−O−アセチ
ル−16α−ヒドロキシトラメテノール酸を1%含有す
るローション剤を得た。
【0060】実施例10 クリーム剤 ポリコ酸B 1.0g スクワラン 10.0g ミリスチン酸イソプロピル 7.0g ベヘニルアルコール 1.0g セトステアリルアルコール 5.5g ステアリン酸モノグリセリン 2.0g d−α−トコフェロール 0.05g POE(20)モノステアリン酸ソルビタン 2.0g キサンタンガム 0.1g (10)1,3−ブチレングリコール 2.0g (11)グリセリン 3.0g (12)ソルビトール 5.0g (13)パラベン 0.2g (14)pH調製剤 適量(15)精製水 適量 計 100.0g 上記の処方に従って、原料〜を秤量し、80〜90
℃に加温溶解し、油相とする。原料、(10)を混和し、
原料(11)〜(13)、(15)を加え、80〜90℃に加温、撹
拌、溶解し、水相賭する。水相に原料、(14)を加え、
撹拌下、油相を水相に添加し、ホモミキサーを用いて乳
化後、撹拌しながら室温まで冷却し、ポリコ酸Bを1%
含有するクリーム剤を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/732 9546−4H C07C 69/732 Z C07J 9/00 C07J 9/00 // C07C 59/46 9450−4H C07C 59/46 59/82 9450−4H 59/82

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式Iまたは式II: 【化1】 [式中、R1は、H、またはCH3であり、 R2Aは、β−OH、β−OCOCH3、α−OH、α−
    OCOCH3であるか、または環を構成する炭素原子と
    ともにC=Oを形成し、 R3およびR5は、同一または異なって、H、またはOH
    であり、 R4は、−C(=CH2)−C(CH3)2−Ra(ここで、Ra
    は、HまたはOHを示す)、または−CH=C(CH3)
    −Rb(ここで、Rbは、CH3またはCH2OHを示す)
    であり、 R6は、CH3、またはCH2OHである。]で示される
    ラノスタン骨格を有するトリテルペン類の少なくとも1
    種、または式IIIまたは式IV: 【化2】 [式中、R1およびR2Bは、H、またはCH3であり、 R3およびR5は、同一または異なって、H、またはOH
    であり、 R4は、−C(=CH2)−C(CH3)2−Ra(ここで、Ra
    は、HまたはOHを示す)、または−CH=C(CH3)
    −Rb(ここで、Rbは、CH3またはCH2OHを示す)
    であり、 R6は、CH3、またはCH2OHである]で示される3,
    4−セコラノスタン骨格を有するトリテルペン類の少な
    くとも1種を有効成分として含む発癌予防剤。
  2. 【請求項2】 式Iまたは式II: 【化3】 [式中、R1、R2A、R3、R4、R5およびR6は、前記
    と同じ意味である]で示されるラノスタン骨格を有する
    トリテルペン類の少なくとも1種、または、式IIIまた
    は式IV: 【化4】 [式中、R1、R2B、R3、R4、R5およびR6は、前記
    と同じ意味である]で示される3,4−セコラノスタン
    骨格を有するトリテルペン類の少なくとも1種を含む茯
    苓または茯苓皮の抽出エキスを有効成分として含む発癌
    予防剤。
  3. 【請求項3】 抽出溶媒がエーテルである、請求項2記
    載の発癌予防剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005035899A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Univ Nihon 発癌予防剤
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