JPH08115787A - 誘導加熱装置 - Google Patents

誘導加熱装置

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Publication number
JPH08115787A
JPH08115787A JP10199695A JP10199695A JPH08115787A JP H08115787 A JPH08115787 A JP H08115787A JP 10199695 A JP10199695 A JP 10199695A JP 10199695 A JP10199695 A JP 10199695A JP H08115787 A JPH08115787 A JP H08115787A
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JP
Japan
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iron core
heating
coil
silicon steel
plate
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Application number
JP10199695A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Kato
光雄 加藤
Kazuya Tsurusaki
一也 鶴崎
Tomohiro Harada
朋弘 原田
Kiyoshi Izumi
清 和泉
Kuniyuki Kajinishi
邦幸 梶西
Hironori Fujioka
宏規 藤岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • General Induction Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 漏れ磁束による周囲の金属加熱を防止し、且
つ、その際の磁束発生効率を低下させない誘導加熱装置
を提供することを目的とする。 【構成】 被加熱材2を挟んで加熱するソレノイド型コ
イル3による誘導加熱装置において、前記コイル3の外
側の磁路に鉄心8を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘導加熱装置に関す
る。例えば、熱間鋼の加熱装置として使用される誘導加
熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱間鋼の圧延ラインにおいて、連続鋳造
機と仕上げ圧延機とを一つのライン上に構成することに
より、圧延ラインの短縮化を図ることができる。この短
縮化圧延ライン(以下、ミニミルと称する)において、
連続中臓器から供給される熱間鋼の搬送、粗圧延過程で
の温度低下が仕上げ圧延後の品質低下を来すため、温度
が低下した熱間鋼を仕上げ圧延前に、1000〜110
0℃の温度を保持するように再加熱する必要がある。
【0003】上記熱間鋼の再加熱装置は、ライン構成が
短いミニミルの特徴を阻害せぬよう、短い加熱長を有す
る必要があり、高加熱密度が得られる誘導加熱方式が望
ましい。熱間鋼は、磁気変態点(約720℃)以上の常
磁性材であるが、板厚(約20mm程度)の約1/2以
下の電流浸透深さとなる加熱周波数(板厚20mmで5
kHz程度)を選定することで、ソレノイド型コイルに
よる縦断磁束加熱が適用できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の方式によるミニ
ミルにおける加熱装置の構成を図18〜図20に示す。
同図に示すように、ロール1上を連続的に搬送される板
材2を加熱するためのソレノイド型誘導加熱コイル(以
下、単に加熱コイルという)3は、絶縁及び断熱のため
のコイルセメント4で覆われ、加熱装置全体をサポート
する支持金物5で支持され、ロール1間に配置される。
【0005】従って、加熱コイル3に高周波電流を流す
と、板材2の進行方向に沿って交番磁束6が発生し、板
材2が誘導加熱されることとなる。この交番磁束6は、
板材2に沿う加熱コイル3の内部から加熱コイル3の外
側を回る磁路をループするが、その一部が外部に漏れる
ため、加熱コイル3の中心線上外側にあるロール1、支
持金物5或いはその周辺の金属が加熱されていた。
【0006】この防止対策の一つとして、銅製のシール
ド板7を加熱コイル3の入出口端部に設けて、外部に漏
れる磁束を遮蔽することが試みられているが、次の三つ
の課題がある。 磁束の遮蔽により、パーミアンス(磁気抵抗の逆数)
が低下することに伴い、磁束の発生効率が低下し、ひい
ては加熱効率が低下する。
【0007】加熱コイル3の上、下面にある支持金物
5或いはその近傍の金属に対する遮蔽が十分ではないの
で、これらが加熱される。 加熱電力密度が大となるほど、発生磁束を大きくする
必要があり、その際、シールド板だけでは、十分にシー
ルドできず、ロール1の加熱を十分低減することができ
ない。
【0008】本発明は、上記従来技術に鑑みて成された
ものであり、漏れ磁束による周囲の金属加熱を防止し、
且つ、その際の磁束発生効率を低下させない誘導加熱装
置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成する本
発明の構成は、被加熱材を挟んで加熱するソレノイド型
コイルによる誘導加熱装置において、前記コイルの外側
の磁路に鉄心を設けたことを特徴とする。ここで、前記
鉄心は、板幅方向に分離された複数の鉄心ブロックより
構成されること、磁束の方向と垂直な方向に硅素鋼板を
積層したものであること、前記鉄心の両端部は、前記ソ
レノイド型コイルの前面まで覆う屈曲部となることを特
徴とする特徴とする。
【0010】また、前記珪素鋼板は、樹脂を挟んで接着
すること、前記珪素鋼板の間に水冷銅板が挿入されるこ
と、前記珪素鋼板と前記水冷銅板との間に樹脂を挟んで
接着することを特徴とする。更に、前記珪素鋼板にとし
て、高シリコン鋼板を用いること、前記珪素鋼板を押さ
え付ける銅製の鉄心押さえ板を配置すること、前記鉄心
押さえ板は、磁束と垂直な両端部を切り欠いて、磁束と
平行な形状を有することを特徴とする。
【0011】
【作用】鉄心のパーミアンスは、空気に比べて数千倍と
大きいことから、加熱コイルの外側を回る磁束は鉄心中
に収束され、支持金物及びその他の周辺の金属を加熱す
ることがない。また、加熱コイルの外側の磁路のパーミ
アンスが増加することにより、加熱コイルの内部を含め
た全磁路のパーミアンスも増加し、単位コイル電流当た
りの発生磁束が大きくなり、加熱効率の向上が図れる。
【0012】珪素鋼板として、高シリコン鋼板を用いる
と、通常のシリコン鋼板に比較して、比抵抗が大きく、
最大透磁率も大きい。そのため、うず電流損(鉄損)
が、通常のシリコン(珪素)鋼板に比べて小さくなり、
電磁力を小さくすることができる。また、積層される珪
素鋼板を相互に樹脂で接着し、または、珪素鋼板と水冷
銅板とを樹脂で接着することにより、強固に一体化され
る。
【0013】鉄心の両端部に、加熱コイルの前面までを
覆う屈曲部を夫々形成すると、磁束は加熱コイルを貫通
することなく、この屈曲部を通るため、加熱コイル内部
を周回することとなる。珪素鋼板を押さえ付ける鉄心押
さえ板として、銅製のものを用い、磁束に垂直な両端部
を切り欠いて、磁束に平行な形状とすることにより、発
熱した熱量を容易に逃がすことができると共に磁束の貫
通による発熱を抑制することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明について、図面に示す実施例を
参照して詳細に説明する。 〔実施例1〕図1〜図5に本発明の第1の実施例を示
す。本実施例は、熱間鋼の加熱装置に適用したものであ
る。同図に示すように、ロール1上を連続的に搬送され
る板材2を加熱するための加熱コイル3は、絶縁及び断
熱のためのコイルセメント4で覆われ、加熱装置全体を
サポートする支持金物5で支持され、ロール1間に配置
される。
【0015】従って、加熱コイル3に高周波電流を流す
と、板材2の進行方向に沿って交番磁束6が発生し、こ
の交番磁束6は板材2に沿う加熱コイル3の内部から加
熱コイル3の外側を回る磁路をループし、板材2が誘導
加熱されることとなる。また、上記磁路から外部に漏れ
る磁束を遮蔽するため、加熱コイル3の入出口端部に位
置するコイルセメント4の端面にはシールド板7が、加
熱コイル3の左右端部に位置するコイルセメント4の端
面にはシールド板9が配置されている。
【0016】更に、本実施例では、コイルセメント4内
に鉄心8が挿入され、この鉄心8は加熱コイル3の外側
の磁路に位置している。鉄心8の長さは加熱装置長さと
ほぼ等しく、また、その幅は板材2の全幅とほぼ等し
い。鉄心8のパーミアンスは空気に比べ数千倍と大きい
ことから、加熱コイル3の外側を回る磁束は鉄心8に収
束され、磁束の漏れは極めて小さくなる。特に、本実施
例のようにシールド板7,9を併用すると、完全なシー
ルドが可能となり、支持金物5及びその近傍の金属の加
熱を確実に防止することができる。
【0017】また、シールド板7,9を併用しても、鉄
心8による加熱コイル3の外側の磁路のパーミアンスが
増加するため、加熱コイル3の内部を含めた全磁路のパ
ーミアンスも増加し、単位コイル電流当たりの発生磁束
が大きくなり、加熱効率が向上することとなる。鉄心8
としては、磁束の漏れを十分に防止できる程度のパーミ
アンスを有すれば、特に限定されるものではないが、例
えば、硅素鋼板或いは積層した硅素鋼板が使用される。
【0018】尚、鉄心8は、必ずしも幅方向全体に配置
される必要はなく、図4に示すように、板幅方向に分離
された複数の鉄心ブロック15から構成されていても良
い。即ち、図4に示すように、加熱コイル3を内蔵した
コイルセメント4の上には、6個の鉄心ブロック15が
幅方向に分離して配置されている。鉄心ブロック15の
間のギャップは、コイルセメント4若しくは加熱コイル
3の支持スペースとして利用することができる。更に、
鉄心ブロック15を左右に追加して配置することもでき
る。
【0019】鉄心ブロック15の詳細構造を図5に示
す。同図に示すように、鉄心ブロック15は、3個の積
層硅素鋼板16と4個の水冷銅板17とを交互に配置し
たものである。積層硅素鋼板16は、磁束6の方向と垂
直な方向に多数の珪素鋼板を積層したものであり、水冷
銅板17は、磁束6に平行な方向に設置したものであ
る。
【0020】水冷銅板17は、内部に冷却水を流通させ
ることにより、積層珪素鋼板16から発熱量を奪い、珪
素鋼板16を冷却することができる。水冷銅板17を設
けたのは、高加熱密度化に伴い、積層珪素鋼板16での
ジュール熱(鉄損)が無視できないためである。水冷銅
板17の取り付けピッチpは、積層硅素鋼板16の損失
に伴う発熱による温度上昇が許容値以下となるように決
められる。通常は、数10mmである。また、鉄心ブロ
ック15の高さhは、加熱コイル3の発生する磁束6で
積層硅素鋼板16が磁気飽和しない断面積から決定され
る。
【0021】尚、鉄心ブロック15としては、図5の構
造はその一例であり、その数の組み合わせはこれに限る
ものではない。また、水冷銅板17を省略し、積層硅素
鋼板16のみにより鉄心を構成しても良い。
【0022】積層硅素鋼板16は、加熱周波数により、
板厚が選定され、通常は0.3mm〜0.6mmであ
る。但し、加熱周波数が高くなるほど薄鋼板を利用する
ことで、鉄心損失の増加を最小限にとどめる必要があ
る。例えば、加熱周波数5kHzでは、方向性硅素鋼板
0.23mm厚み以下或いは無方向性硅素鋼板0.20
mm厚み以下とするのが望ましい。
【0023】〔実施例2〕図6〜図9に本発明の第2の
実施例を示す。本実施例は、鉄心ブロック15の材質及
び構造に関するものである。図6に示すように、鉄心ブ
ロック15は、3個の積層硅素鋼板28と4個の水冷銅
板25とを交互に配置したものである。
【0024】図9に示すように、積層硅素鋼板28は、
多数の高シリコン(珪素)鋼板28aを積層すると共に
高シリコン鋼板28aの間に樹脂29を塗り込んで接着
したものであり、また、積層硅素鋼板28と水冷銅板2
5の間にも樹脂29を塗り込んで接着したものである。
また、図6、図7、図8に示すように、接着された積層
硅素鋼板28及び水冷銅板25の上面、下面に鉄心押さ
え板27が配置され、更に、これら積層硅素鋼板28、
水冷銅板25及び鉄心押さえ板27を通しボルト26が
貫通し、相互に締結されている。このような構造を有す
る鉄心ブロック15は、板幅方向に複数並べて配置され
ている。
【0025】積層硅素鋼板28を構成する高シリコン鋼
板28aは、通常のシリコン鋼板が最高で3.5%のシ
リコンが添加されるのに比較して、6.5%のシリコン
が添加されるため、材料の比抵抗が大きく、最大透磁率
も大きい。そのため、下式に示すように、高シリコン鋼
板28aでは、加熱のために通電する高周波電流による
誘導起電力の作用で発熱するうず電流損(鉄損)が、通
常のシリコン(珪素)鋼板に比べて小さくすることがで
きる。 {うず電流}={誘電起電力}/{シリコン鋼板の抵
抗}
【0026】上記構成を有する本実施例では、高シリコ
ン鋼板28aを積層し、それら間に樹脂29を塗り込ん
だ鉄心ブロックとしたため、鉄心のゆるみ、電磁音によ
る騒音を解消することがてきる。即ち、熱間鋼の再加熱
では、前述した従来技術で述べたように、高加熱密度が
要求される。高加熱密度化に伴い、鉄心を通過する磁束
密度が大きくなり、鉄心に作用する電磁力も大きくな
る。そのため、通常行われるように、通しボルト26で
積層珪素鋼板28、水冷銅板25を固定するだけでは、
鉄心に誘導されるうず電流と鉄心を通過する磁束6によ
り鉄心に発生する電磁力が大きくなると、振動を起こ
し、鉄心のゆるみ、電磁音による騒音が懸念される。
【0027】そこで、上記実施例のように本発明では、
鉄心材料として高シリコン鋼板28aを使用し、鋼板に
作用する電磁力を通常のシリコン鋼板に比べて弱くする
のである。このように、鉄心材料として高シリコン鋼板
28aを使用することにより、誘導電力(うず電流)が
が小さくなり、鋼板(鉄心)に働く電磁力を小さくする
ことが可能となる。
【0028】その結果、電磁力による騒音を、従来に比
較して約20dB下げることができる。尚、高シリコン
鋼板28aは、加熱周波数によって板厚を選定すると良
い。通常は、0.3mm〜0.6mmである。一方、高
シリコン鋼板28aの間等に樹脂29が塗り込まれ、樹
脂29は、これら高シリコン鋼板28a等を強固に一体
化するため、電磁力による振動を避けることができる。
【0029】〔実施例3〕図10〜図12に本発明の第
3の実施例を示す。本実施例は、鉄心ブロックの形状に
関するものである。その他の構造は、実施例2と同様で
ある。即ち、鉄心ブロック15は、3個の積層硅素鋼板
38と4個の水冷銅板35とを交互に配置したものであ
り、その上面、下面に鉄心押さえ板37が配置され、更
に、これら積層硅素鋼板38、水冷銅板35及び鉄心押
さえ板37を通しボルト36が貫通し、相互に締結され
ている。
【0030】ここで、上記鉄心ブロック15の両端部に
は、図11に示すように、屈曲部39が夫々形成されて
いる。屈曲部39は、加熱コイル3の前面までを覆う形
状であり、つまり、屈曲部39は加熱コイル内面の高さ
まで伸びている。従って、鉄心を貫通する磁束6は、図
11に示すように、屈曲部39を通って、加熱コイル3
の内側まで回り込むため、加熱コイル3を貫通すること
なく、加熱コイル3の内部へ周回することになる。
【0031】また、鉄心押さえ板37は、屈曲部39を
覆っていない形状であるが、鉄損が大きい場合には、こ
の部分にも鉄心押さえ板を延ばすようにしても良い。
【0032】上記構成を有する本実施例では、両端部に
屈曲部39を設けた鉄心ブロック15を使用するため、
加熱コイル3での発熱を防止できる利点がある。即ち、
熱間鋼の再加熱では、前述した従来技術で述べたよう
に、高加熱密度が要求される。
【0033】ここで、高加熱密度に対応するため、磁束
を漏洩させないように鉄心ブロック15を加熱コイル3
の上下外側に配置した図7に示す構造では、鉄心ブロッ
ク15は加熱コイル3に沿った直線的な形状であるた
め、鉄心ブロック15の端部(磁束に垂直面)から出た
磁束6が加熱コイル内部へ周回する際、その一部の磁束
6が加熱コイル3を貫通する懸念がある。このように、
磁束6が加熱コイル3を貫通すると、うず電流が発生
し、加熱コイル自体を加熱する虞がある。
【0034】そこで、本実施例では、鉄心ブロック15
の両端部に屈曲部39を設けて、屈曲部39に通って、
加熱コイル3の内部へ周回するようにし、加熱コイル3
を磁束6が貫通するのを防ぎ、発熱損失を回避するよう
にしたのである。具体的には、実施例2の誘導加熱装置
において、加熱コイル3の発熱量が投入電力の35〜3
8%であったものが、20〜30%まで下げることがで
きた。そのため、下式に示すように、大幅な効率向上を
図ることができた。 {効率}={板材の加熱量}/{投入電力}
【0035】〔実施例4〕図13〜図16に本発明の第
4の実施例を示す。本実施例は、鉄心押さえ板の形状に
関するものである。その他の構造は、実施例2と同様で
ある。即ち、鉄心ブロック15は、3個の積層硅素鋼板
48と4個の水冷銅板45とを交互に配置したものであ
り、その上面、下面に鉄心押さえ板47が配置され、更
に、これら積層硅素鋼板48、水冷銅板45及び鉄心押
さえ板47を通しボルト46が貫通し、相互に締結され
ている。
【0036】ここで、鉄心押さえ板47は、図14、図
16に示すように、磁束に垂直な両端部47aを切り欠
いて、磁束に平行な形状としたものである。また、鉄心
押さえ板47は、熱伝導率の良い材料、例えば、銅とし
た。鉄心押さえ板47が水冷銅板45と接触しているた
め、発熱による熱を奪うためである。
【0037】上記構成を有する本実施例では、両端部に
切欠部47aを設けた鉄心押さえ板47を使用するた
め、加熱コイル3での発熱を防止できる利点がある。即
ち、加熱コイル3の上下面外側に、鉄心ブロック15を
設置するために、積層珪素鋼板48、水冷鋼板45を押
さえる金属製の鉄心押さえ板47を設けると、図7に示
すように、鉄心ブロック15の端部から出た磁束6が、
加熱コイル内部へ周回する際に、鉄心押さえ板47の両
端部を貫通する。
【0038】そのため、鉄心押さえ板47がうず電流に
より加熱され、加熱により伝熱により鉄心ブロック15
まで加熱する懸念がある。鉄心材料として使用する珪素
鋼板の表面には一般に絶縁用皮膜があるが、その耐熱温
度は200℃〜250℃程度である。更に、珪素鋼板の
温度が磁気変態点(約700〜800℃)を越えると鉄
心として機能しなくなる。
【0039】そこで、本実施例では、鉄心押さえ板47
は、磁束に垂直な両端部を切り欠いて切欠部47aと
し、磁束に平行な形状としたものである。これにより、
磁束は鉄心押さえ板47を貫通しなくなるため、うず電
流による発熱を抑えられる。また、鉄心押さえ板47
は、銅材等の熱伝導性の良い材料を使用し、また、水冷
銅板45と接触しているため、発生した熱を容易に逃が
すことが可能となる。
【0040】具体的には、鉄心押さえ板47をステンレ
ス製とし、両端部に切欠きがない場合には、磁束に垂直
な部分での温度が700〜800℃であったのに比較
し、鉄心押さえ板47を銅製とし、両端部47aを切欠
部とすると、100℃以下に抑えることができる。
【0041】〔実施例5〕図16に本発明の第5の実施
例を示す。本実施例は、上記実施例に係る誘導加熱装置
を複数台、図中では12台用いた加熱炉に関する。同図
に示すように誘導加熱装置10は、ロール1の間にそれ
ぞれ配置されると共に、ロール1上を連続的に搬送され
る板材12を順次加熱する。各誘導加熱装置10は、支
持金物5を介してレール14上でライン外へ移動可能に
載置されている。
【0042】ロール1は、ロール駆動モータ13により
駆動され、また、各加熱装置10に対しては高周波電源
12より整合部11を介して高周波電力が供給される。
本実施例の誘導加熱装置10は、外部に対する磁束の漏
れが極めて少ないため、金属金物5、レール14を含む
周囲金属が加熱される虞がなく、周囲が金属製となって
いてもなんら支障はない。
【0043】
【発明の効果】以上、実施例に基づいて具体的に説明し
たように、本発明によれば、加熱コイルの外側の磁路に
鉄心を設けたため、次の効果を奏する。 (1)磁束が鉄心に収束し、漏れ磁束が極めて少なくな
るため、周囲金属の加熱を防止できる。 (2)全磁路のパーミアンスが増加することにより、加
熱効率が向上する。 (3)結果として、加熱電力密度を大きくすることがで
きるため、全体の加熱長さを短くできる。 (4)高シリコン鋼板を用いて、電磁力を小さくした結
果、電磁力による騒音を小さくすることができた。 (5)シリコン鋼板を相互に樹脂で接着することによ
り、電磁力による鉄心のゆるみ、これに伴う騒音をなく
すことができた。 (6)鉄心の両端部に加熱コイルを覆う屈曲部を設けた
ため、加熱コイルに磁束が貫通せず、大幅な効率の向上
を図ることができた。 (7)鉄心押さえ板の磁束に垂直な両端部を切り欠いた
ため、磁束の貫通による温度上昇を避けることができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る誘導加熱装置の縦
断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る誘導加熱装置の上
面断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る誘導加熱装置の横
断面図である。
【図4】複数の鉄心ブロックから構成される鉄心の一例
を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る鉄心ブロックの詳
細構造を示す斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係る鉄心ブロックの上
面図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係る鉄心ブロックの正
面図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係る鉄心ブロックの側
面図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係る鉄心ブロックの斜
視図である。
【図10】本発明の第3の実施例に係る鉄心ブロックの
上面図である。
【図11】本発明の第3の実施例に係る鉄心ブロックの
正面図である。
【図12】本発明の第3の実施例に係る鉄心ブロックの
側面図である。
【図13】本発明の第4の実施例に係る鉄心ブロックの
上面図である。
【図14】本発明の第4の実施例に係る鉄心ブロックの
正面図である。
【図15】本発明の第4の実施例に係る鉄心ブロックの
側面図である。
【図16】本発明の第4の実施例に係る鉄心押さえ板の
側面図である。
【図17】本発明の第5の実施例に係る加熱炉の全体図
である。
【図18】従来の誘導加熱装置の縦断面図である。
【図19】従来の誘導加熱装置の上面断面図である。
【図20】従来の誘導加熱装置の横断面図である。
【符号の説明】 1 ロール 2 板材 3 加熱コイル(ソレノイド型誘導加熱コイル) 4 コイルセメント 5 支持金物 6 磁束 7,9 シールド板 8 鉄心 10 誘導加熱装置 11 整合部 12 板材 13 ロール駆動モータ 14 レール 15 鉄心ブロック 16,28,38,48 積層硅素鋼板 17,25,35,45 水冷銅板 26,36,46 通しボルト 27,37,47 鉄心押さえ板 28a 高シリコン鋼板 29 樹脂
フロントページの続き (72)発明者 和泉 清 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 梶西 邦幸 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 藤岡 宏規 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱材を挟んで加熱するソレノイド型
    コイルによる誘導加熱装置において、前記コイルの外側
    の磁路に鉄心を設けたことを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記鉄心は、板幅方向に分離された複数
    の鉄心ブロックより構成されることを特徴とする請求項
    1記載の誘導加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記鉄心は、磁束の方向と垂直な方向に
    硅素鋼板を積層したものであることを特徴とする請求項
    1又は2記載の誘導加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記珪素鋼板として、高シリコン鋼板を
    用いることを特徴とする請求項3記載の誘導加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記珪素鋼板は、樹脂により相互に接着
    することを特徴とする請求項3又は4記載の誘導加熱装
    置。
  6. 【請求項6】 前記珪素鋼板の間に水冷銅板が挿入され
    ることを特徴とする請求項3,4又は5記載の誘導加熱
    装置。
  7. 【請求項7】 前記珪素鋼板と前記水冷銅板とを、樹脂
    により接着することを特徴とする請求項6記載の誘導加
    熱装置。
  8. 【請求項8】 前記鉄心の両端部には、前記ソレノイド
    型コイルの前面まで覆う屈曲部が設けられることを特徴
    とする請求項1又は2記載の誘導加熱装置。
  9. 【請求項9】 前記珪素鋼板を押さえ付ける銅製の鉄心
    押さえ板を配置するを特徴とする請求項3,4,5,6
    又は7記載の誘導加熱装置。
  10. 【請求項10】 前記鉄心押さえ板は、磁束と垂直な両
    端部を切り欠いて、磁束と平行な形状を有することを特
    徴とする請求項9記載の誘導加熱装置。
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