JP2020017397A - 金属帯板の誘導加熱設備 - Google Patents

金属帯板の誘導加熱設備 Download PDF

Info

Publication number
JP2020017397A
JP2020017397A JP2018139174A JP2018139174A JP2020017397A JP 2020017397 A JP2020017397 A JP 2020017397A JP 2018139174 A JP2018139174 A JP 2018139174A JP 2018139174 A JP2018139174 A JP 2018139174A JP 2020017397 A JP2020017397 A JP 2020017397A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
induction heating
metal strip
magnetic shielding
magnetic
heating device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018139174A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7124515B2 (ja
Inventor
芳明 廣田
Yoshiaki Hirota
芳明 廣田
将人 平
Masato Taira
将人 平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2018139174A priority Critical patent/JP7124515B2/ja
Publication of JP2020017397A publication Critical patent/JP2020017397A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7124515B2 publication Critical patent/JP7124515B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Abstract

【課題】誘導加熱装置の外部で金属帯板が加熱されることを効果的に防止する。【解決手段】連続的に搬送される金属帯板Sを加熱する誘導加熱装置11と、誘導加熱装置11の入側または出側の少なくともいずれかに配置され、金属帯板Sの幅方向の端部を含む領域の少なくとも一方の板面にそれぞれ離隔して対向する部分121、122を含む磁気遮蔽部材12とを備える、金属帯板Sの誘導加熱設備10が提供される。【選択図】図1A

Description

本発明は、金属帯板の誘導加熱設備に関する。
誘導加熱は、電磁誘導の原理を利用して被加熱物中に渦電流を発生させ、ジュール熱によって対象を加熱する加熱方法であり、熱損失が少なく高効率であるために広く用いられている。金属帯板の誘導加熱には、大きく2つの方式があり、その1つは、金属帯板の幅方向の周囲を囲んだ誘導コイルに高周波電流を流して、磁束を金属帯板の長手方向に貫通させて発生させ、この磁束で、金属帯板の幅方向断面内に周回する誘導電流を発生させて金属帯板を加熱するLF(Longitudinal Flux induction heating;縦断磁束誘導加熱)方式(以下、LF方式という。)である。他の一つは、1次コイルを巻回した誘導コイル(良導体)の間に金属帯板を配置し、1次コイルに電流を流して発生させた磁束を金属帯板の板面に貫通させ、金属帯板の板面に誘導電流を発生させて金属帯板を加熱するTF(Transverse Flux induction heating;横断磁束誘導加熱)方式(以下、TF方式という。)である。
金属帯板を誘導加熱する場合、誘導加熱装置の本体にはステンレス鋼や銅などの加熱されにくい非磁性材料を用い、水冷などの冷却設備を用いて冷却する場合もある。一方、誘導加熱装置で発生する磁束は、誘導加熱装置の外部にも漏洩するため、この漏洩磁束が貫通することによって誘導加熱装置の周囲の金属部分で意図されていない誘導加熱が発生する場合がある。このような問題に対して、例えば、特許文献1では、TF方式の誘導加熱装置において、磁性体で構成された搬送ローラーが漏洩磁束によって誘導加熱されるのを防止するために、誘導加熱装置と搬送ローラーとの間を遮蔽する電磁シールド板を配置する技術が記載されている。また、特許文献2では、LF方式の誘導加熱装置において、誘導加熱装置の支持機、床などの金属が誘導加熱されるのを防止するために反磁性の導電帯からなる遮蔽板で誘導加熱コイルの外側を覆い、磁束を遮蔽板の内側に閉じ込める技術が記載されている。
特開昭64−57587号公報 実開平3−76392号公報
上記の特許文献1および特許文献2に記載された技術は、誘導加熱装置の外部で搬送ローラーなどの部材が誘導加熱されることを防止することを目的としており、誘導加熱装置の外部で金属帯板が誘導加熱されることには対処していない。これは、金属帯板は誘導加熱装置で加熱されることが意図されたものであり、従って誘導加熱装置の外部で誘導加熱されたとしても問題ないと考えられていたためである。しかしながら、近年では誘導加熱装置における金属帯板の加熱温度制御が精密化しており、誘導加熱装置の内部で金属帯板を加熱するための磁束が細かく制御されることが多くなっている。このような場合、誘導加熱装置の外部で金属帯板が漏洩磁束によって誘導加熱されると、所望の加熱温度制御を実現することが困難になる。
そこで、本発明は、誘導加熱装置の外部で金属帯板が加熱されることを効果的に防止することが可能な、新規かつ改良された金属帯板の誘導加熱設備を提供することを目的とする。
本発明のある観点によれば、連続的に搬送される金属帯板を加熱する誘導加熱装置と、誘導加熱装置の入側または出側の少なくともいずれかに配置され、金属帯板の幅方向の端部を含む領域の少なくとも一方の板面にそれぞれ離隔して対向する部分を含む磁気遮蔽部材とを備える、金属帯板の誘導加熱設備が提供される。
上記の構成によれば、誘導加熱装置の外部に漏洩した磁束が金属帯板を貫通する前に磁気遮蔽部材によって遮断されるため、誘導加熱装置の外部で金属帯板が誘導加熱されることを効果的に防止できる。また、誘導加熱装置の出側で漏洩磁束を遮断すると、誘導加熱装置で制御した温度分布にさらに加わる漏洩磁束による加熱温度の影響を排除することができる。誘導加熱装置内での誘導加熱による温度分布は、薄板材の場合一般に金属帯板の幅方向の端部で高くなる場合が多くあるため、少なくともこの部分に磁気遮蔽部材を配置することによって、金属帯板の両端部が漏洩磁束によってさらに誘導加熱されて過加熱になるのを防止することができる。
上記の誘導加熱設備において、磁気遮蔽部材は、金属帯板の幅方向を横断して設けられてもよい。
この場合、金属帯板の幅方向の全体について、漏洩磁束による金属帯板の誘導加熱を防止することができる。
上記の誘導加熱設備において、磁気遮蔽部材は、金属帯板の幅方向の少なくとも一方の端縁にそれぞれ離隔して対向する部分を含んでもよい。
この場合、金属帯板の幅方向の端縁付近における様々な方向の漏洩磁束を遮断することができる。
上記の誘導加熱設備は、磁気遮蔽部材と金属帯板との間に、磁気遮蔽部材から絶縁され金属帯板から離隔して配置される磁性体コアをさらに備えてもよい。
この場合、誘導加熱装置の漏れ磁束だけではなく誘導加熱装置で発生した誘導電流が誘導加熱装置の外部に流れる場合があり、磁気遮蔽部材に沿って磁性体コアを更に配置することによって、金属帯板で発生した誘導電流が誘導加熱装置の外部に流れるのを大幅に減少させることができ、誘導加熱装置の外部で金属帯板が加熱されることをより効果的に防止できる。
本発明の第1の実施形態に係る誘導加熱設備の側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る誘導加熱設備の上面図である。 本発明の第2の実施形態に係る誘導加熱設備の側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る誘導加熱設備の上面図である。 本発明の第3の実施形態に係る誘導加熱設備の側面図である。 本発明の第3の実施形態に係る誘導加熱設備の上面図である。 本発明の第4の実施形態に係る誘導加熱設備の縦断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る誘導加熱設備の横断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る誘導加熱設備の平面図である。 本発明の第5の実施形態に係る誘導加熱設備の横断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の例示的な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1Aおよび図1Bは、本発明の第1の実施形態に係る誘導加熱設備の側面図および上面図である。図1Aおよび図1Bに示されるように、連続的に搬送される金属帯板Sを加熱する誘導加熱設備10は、誘導加熱装置11と、磁気遮蔽部材12とを含む。誘導加熱装置11は、LF方式またはTF方式の誘導加熱装置であり、磁束を発生させる誘導コイルを少なくとも1つ有する。LF方式の場合、磁束は金属帯板Sの長手方向に沿って発生する。また、TF方式の場合、磁束は金属帯板Sの板面を貫通する方向に発生する。
図示された例において、磁気遮蔽部材12は、誘導加熱装置11の入側、すなわち連続的に搬送される金属帯板Sが誘導加熱装置11内に進入する側に配置される磁気遮蔽部材12Aと、誘導加熱装置11の出側、すなわち金属帯板Sが誘導加熱装置11内から引き出される側に配置される磁気遮蔽部材12Bとを含む。なお、他の例では、誘導加熱装置11の入側の磁気遮蔽部材12A、または出側の磁気遮蔽部材12Bのいずれか一方だけが配置されてもよい。本実施形態において、磁気遮蔽部材12は、金属帯板Sの一方の面に離隔して対向する磁気遮蔽板121と、金属帯板Sの反対側の面に離隔して対向する磁気遮蔽板122とを含む。
磁気遮蔽板121、122は、例えば非磁性体である銅またはアルミニウムなどを含む合金で形成される。磁気遮蔽板121、122が金属帯板Sの少なくとも一方の面に配置されることによって、誘導加熱装置11の外部に漏洩した磁束が金属帯板Sを貫通する前に遮断される。磁気遮蔽板121、122は金属帯板Sに代わって誘導加熱されるため、例えば銅などの低抵抗、非磁性の融点の高い材料で形成されてもよい。また、誘導加熱される磁気遮蔽板121、122を冷却するために、図示しない冷却機構を設けてもよい。例えば、磁気遮蔽板121、122は、水冷銅板で形成されてもよい。
図1Bに示されるように、本実施形態において、磁気遮蔽板121、122は、金属帯板Sの幅方向を横断して設けられている。これによって金属帯板Sの幅方向の全体について、漏洩磁束による金属帯板Sの意図しない誘導加熱を防止し、誘導加熱装置11による金属帯板Sの加熱温度制御を高い精度で実現することができる。また、漏洩磁束が遮断されることによって、迷走電流による金属帯板Sと搬送ロールとの間でのスパークを抑制し、これによる搬送ロールや金属帯板Sの損傷を防止することができる。
(第2の実施形態)
図2Aおよび図2Bは、本発明の第2の実施形態に係る誘導加熱設備の側面図および上面図である。本実施形態では、誘導加熱設備20が、第1の実施形態と同様の誘導加熱装置11と、磁気遮蔽部材22とを含む。磁気遮蔽部材22は、誘導加熱装置11の入側に配置される磁気遮蔽部材22Aと、誘導加熱装置11の出側に配置される磁気遮蔽部材22Bとを含む。磁気遮蔽部材22A、22Bのいずれか一方だけが配置されてもよい点は、上記の第1の実施形態と同様である。本実施形態において、磁気遮蔽部材22は、金属帯板Sの幅方向の両端部でそれぞれ金属帯板Sの一方の面に離隔して対向する磁気遮蔽板221、222と、金属帯板Sの両端部でそれぞれ金属帯板Sの反対側の面に離隔して対向する磁気遮蔽板223、224とを含む。
さらに、本実施形態において、磁気遮蔽部材22は、金属帯板Sの両端縁にそれぞれ離隔して対向する磁気遮蔽板225、226を含む。つまり、磁気遮蔽部材22は、金属帯板Sの一方の端部で金属帯板Sの両面と端縁とを囲むように配置されるU字形断面の磁気遮蔽板221、223、225と、金属帯板Sの他方の端部で金属帯板Sの両面と端縁とを囲むように配置されるU字形断面の磁気遮蔽板222、224、226とを含む。このような磁気遮蔽板のそれぞれは、例えば上記の第1の実施形態と同様に銅またはアルミニウムなどを含む合金で形成されてもよく、図示しない冷却機構を含む水冷銅板などで形成されてもよい。
本実施形態において、磁気遮蔽板221〜226は、金属帯板Sの幅方向の端部を含む一部の領域のみに配置される。これによって金属帯板Sの幅方向の端部を含む領域で、漏洩磁束による金属帯板Sの意図しない誘導加熱を防止することができる。例えば、誘導加熱装置11内での誘導加熱による温度分布が、金属帯板Sの幅方向の端部で高くなる場合、両端部が漏洩磁束によってさらに誘導加熱されて過加熱になるのを防止するために、本実施形態のような磁気遮蔽板の配置が有効である。金属帯板Sの幅方向の端縁に離隔して対向する磁気遮蔽板225、226が設けられることによって、金属帯板Sの幅方向の端縁付近における様々な方向の漏洩磁束を遮断することができる。
(第3の実施形態)
図3Aおよび図3Bは、本発明の第3の実施形態に係る誘導加熱設備の側面図および上面図である。本実施形態では、誘導加熱設備30が、第1の実施形態と同様の誘導加熱装置11および磁気遮蔽部材12に加えて、磁性体コア33を含む。磁性体コア33は、磁気遮蔽部材12Aおよび磁気遮蔽部材12Bにそれぞれ対応して設けられる磁性体コア33A、33Bを含み、磁気遮蔽部材12と金属帯板Sとの間に配置される。本実施形態では、磁気遮蔽部材12が金属帯板Sの両面にそれぞれ離隔して対向する磁気遮蔽板121、122を含むため、磁性体コア33も磁気遮蔽板121と金属帯板Sとの間に配置される磁性体コア331と、磁気遮蔽板122と金属帯板Sとの間に配置される磁性体コア332とを含む。磁性体コア33は、磁気遮蔽部材12を構成する磁気遮蔽板121、122から電気的に絶縁されており、また金属帯板Sから離隔している。磁性体コア33は絶縁コーティングされていてもよい。
上記の第1の実施形態と同様に、本実施形態でも磁気遮蔽板121、122が漏洩磁束を遮断する。これによって金属帯板Sを貫通する漏洩磁束は大幅に減少するが、今度は磁気遮蔽板121、122に沿って流れる磁束によって金属帯板Sに誘導電流が発生する可能性がある。また、誘導加熱装置内で発生した誘導電流が誘導加熱装置外へ広がる場合もある。このような誘導電流による金属帯板Sの加熱は、例えば磁気遮蔽板121、122がない場合の漏洩磁束による誘導加熱に比べると小さいが、本実施形態では、磁性体コア33を配置することによって、磁気遮蔽板121、122に沿って流れる磁束による誘導電流、あるいは誘導加熱装置外へ出てくる誘導電流を磁性体コア33によりインピーダンスを高めることにより、金属帯板Sを流れようとする誘導電流を阻止する。従って、本実施形態では、漏洩磁束による金属帯板Sの意図しない誘導加熱をさらに効果的に防止することができる。
(第4の実施形態)
図4Aおよび図4Bは、本発明の第4の実施形態に係る誘導加熱設備の縦断面図および横断面図である。図4Aおよび図4Bには、それぞれの断面の関係を示すIVA−IVA線およびIVB−IVB線が示されている。本実施形態では、誘導加熱設備40が、第1の実施形態と同様の誘導加熱装置11と、磁気遮蔽部材42と、磁性体コア43とを含む。磁気遮蔽部材42は、誘導加熱装置11の入側に配置される磁気遮蔽部材42Aと、誘導加熱装置11の出側に配置される磁気遮蔽部材42Bとを含む。磁気遮蔽部材42A、42Bのいずれか一方だけが配置されてもよい点は、上記の第3の実施形態と同様である。本実施形態において、磁気遮蔽部材42は、金属帯板Sの両面にそれぞれ離隔して対向する磁気遮蔽板421、422と、金属帯板Sの両端縁にそれぞれ離隔して対向する磁気遮蔽板423、424とを含む箱形断面に形成される。
本実施形態において、磁性体コア43は、磁気遮蔽部材42Aおよび磁気遮蔽部材42Bにそれぞれ対応して設けられる磁性体コア43A、43Bを含み、磁気遮蔽部材42の箱形断面の内側に沿って磁気遮蔽部材42と金属帯板Sとの間に配置される。磁気遮蔽板421〜424のそれぞれに沿う部分において、磁性体コア43は磁気遮蔽板421〜424から電気的に絶縁されており、また金属帯板Sから離隔している。磁性体コア43は絶縁コーティングされていてもよい。本実施形態では、磁気遮蔽部材42および磁性体コア43を、それぞれ金属帯板Sを囲む箱形断面に形成することによって、各方向からの漏洩磁束を遮蔽し、さらに磁気遮蔽部材42に沿って流れる磁束による誘導電流が金属帯板Sに発生するのを防止、あるいは誘導加熱装置内から出てくる誘導電流が誘導加熱装置外へ出るのを防止することができる。従って、本実施形態では、漏洩磁束による金属帯板Sの意図しない誘導加熱をさらに防止することができる。
(第5の実施形態)
図5Aおよび図5Bは、本発明の第5の実施形態に係る誘導加熱設備の平面図および横断面図である。図5Bは、図5AのVB−VB線断面図である。本実施形態では、誘導加熱設備50が、第1の実施形態と同様の誘導加熱装置11と、第4の実施形態と同様の磁気遮蔽部材42と、磁性体コア53とを含む。磁性体コア53は、磁気遮蔽部材42Aおよび磁気遮蔽部材42Bにそれぞれ対応して設けられる磁性体コア53A、53Bを含み、磁気遮蔽部材42の箱形断面の一部の内側に沿う形状に形成される。具体的には、磁性体コア53は、金属帯板Sの一方の端部で金属帯板Sの両面と端縁とを囲むように配置されるU字形断面の磁性体コア531と、金属帯板Sの他方の端部で金属帯板Sの両面と端縁とを囲むように配置されるU字形断面の磁性体コア532とを含む。磁性体コア53は、上記の実施形態と同様に、磁気遮蔽部材42を構成する磁気遮蔽板421〜424から電気的に絶縁されており、また金属帯板Sから離隔している。磁性体コア53は絶縁コーティングされていてもよい。
本実施形態において、磁性体コア53は、磁気遮蔽部材42の箱形断面の一部に沿って、磁気遮蔽部材42と金属帯板Sとの間に配置される。磁気遮蔽部材42を構成する磁気遮蔽板421〜424に沿って流れる磁束による誘導電流、あるいは金属帯板エッジ部を流れてくる誘導電流による金属帯板Sの加熱は、漏洩磁束による誘導加熱に比べると小さいため、必ずしも磁気遮蔽部材42の全体に沿って磁性体コアを配置しなくても、金属帯板Sの意図しない加熱を十分に防止できる場合がある。従って、例えば、上記の第2の実施形態で説明した例と同様に誘導加熱装置11内での誘導加熱による温度分布が金属帯板Sの幅方向の両端部で高くなるような場合には、本実施形態のような形状の磁性体コア53を配置して、金属帯板Sの幅方向の両端部での意図しない加熱をより効果的に防止してもよい。また、板幅に応じて磁性体コア531、532を移動させても良い。
なお、他の実施形態では、例えば磁気遮蔽部材と磁性体コアとのそれぞれの配置について、上記で説明された実施形態以外の組み合わせも可能である。例えば、第2の実施形態で説明した金属帯板Sの幅方向の両端部に配置される磁気遮蔽部材22と、第5の実施形態で説明した磁性体コア53とを組み合わせてもよい。また、例えば、第4の実施形態で説明した箱形断面の磁気遮蔽部材42と、第3の実施形態で説明した磁性体コア33とを組み合わせてもよい。あるいは、第1の実施形態で説明した磁気遮蔽部材12と、第4の実施形態で説明した磁性体コア43とを組み合わせて、磁気遮蔽部材が配置されない部分にも磁性体コアが配置されるような組み合わせも可能である。
(第1の実施例)
次に、本発明の実施例について説明する。第1の実施例では、普通鋼の鋼板(金属帯板Sに対応、幅1100mm×厚さ0.8mm)を水平方向に静止状態で保持し、TF方式の誘導加熱装置を用いて1kHz、500kWで、鋼板中央部が600℃になるように加熱した。この場合、誘導加熱装置の外部で漏洩磁束によって鋼板が加熱されると加熱酸化による加熱痕が残るため、誘導磁束の影響を検証することができる。以下のような実施例1〜実施例3および比較例1について上記の検証を実施した結果を表1に示す。
実施例1…誘導加熱装置の入側および出側において、幅1200mm×長さ900mm×板厚5mmの水冷銅板(磁気遮蔽板121、122に対応)を鋼板の両面から150mm離隔して設置。
実施例2…誘導加熱装置の入側および出側において、誘導加熱装置から900mm、かつ鋼板の幅方向の両端部から100mmの範囲を覆うように、板厚5mmの水冷銅板(磁気遮蔽板221〜224に対応)を鋼板の両面から150mm離隔して設置。
実施例3…実施例1と同様の水冷銅板の内側に、幅1200mm×高さ280mm×長さ100mm、開口幅1100mm×高さ180mmの電磁鋼製積層コア(磁性体コア43に対応)を設置。
比較例1…誘導加熱装置の入側および出側に何も設置しない。
Figure 2020017397
上記の結果において、漏洩磁束に対処していない比較例1では、くっきりとしたW型の加熱痕ができ、鋼板が漏洩磁束によって誘導加熱されたことがわかる。一方、鋼板の幅方向を横断する水冷銅板の磁気遮蔽部材を設置した実施例1では、誘導加熱装置に近い側に加熱痕が残るものの、比較例に比べると薄くぼやけており、大幅に漏洩磁束を遮断できていることがわかる。また、鋼板の幅方向の両端部を含む領域のみに水冷銅板を設置した実施例2でも、鋼板の幅方向の両端部では実施例と同様に漏洩磁束を遮断できるという予想されたとおりの効果が確認された。実施例3では、磁性体コアを設置したことによってさらに加熱痕が薄くなった。コアの発熱はなかったことから、漏洩磁束については水冷銅板で遮断されており、磁性体コアは鋼板に誘導電流が発生しないようにするために効果的であったことがわかる。
これらの結果から、本発明の実施形態は、金属帯板が誘導加熱装置の外部で加熱されることを防止するために有効であるといえる。
(第2の実施例)
第2の実施例では、上記の実施例1〜実施例3および比較例1と同様の誘導加熱設備および鋼板の組み合わせについて、鋼板を水平方向に毎分60mの速度で連続的に搬送しながら、鋼板表面の平均温度が常温から800℃まで昇温するように誘導加熱装置を用いて加熱した。実施例4は上記の実施例1に対応し、実施例5は上記の実施例2に対応し、実施例6は上記の実施例3に対応し、比較例2は上記の比較例1に対応する。誘導加熱装置の出側の上方に温度スキャナーを設置し、鋼板の全幅を測温した結果における幅方向の温度偏差を算出した結果を表2に示す。なお、温度偏差は昇温量に対する割合(%)で表されている。
Figure 2020017397
上記の結果において、漏洩磁束に対処していない比較例2では、昇温量に対する温度偏差が±3.6%に達した。一方、鋼板の幅方向の両端部を含む領域のみに水冷銅板の磁気遮蔽部材を設置した実施例5では温度偏差が±3%になり、±0.6%改善した。鋼板の幅方向を横断する水冷銅板を設置した実施例4では温度偏差が±2.6%になり、比較例2に比べて±1%改善した。さらに、磁性体コアを設置した実施例6では温度偏差が±2.4%になり、比較例2に比べて±1.2%の大幅な改善がみられた。
これらの結果から、本発明の実施形態は、誘導加熱装置で加熱された金属帯板の温度偏差を小さくするために効果的であり、従って金属帯板の加熱温度制御の精度を向上させるために有効であるといえる。
以上、本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲はこれらの実施形態に限定されることなく、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が想到しうるところに従って変更または修正された実施形態を含む。
10、20、30、40、50…誘導加熱設備、11…誘導加熱装置、12、22、42…磁気遮蔽部材、33、43、53…磁性体コア、S…金属帯板。

Claims (4)

  1. 連続的に搬送される金属帯板を加熱する誘導加熱装置と、
    前記誘導加熱装置の入側または出側の少なくともいずれかに配置され、前記金属帯板の幅方向の端部を含む領域の少なくとも一方の板面にそれぞれ離隔して対向する部分を含む磁気遮蔽部材と
    を備える、金属帯板の誘導加熱設備。
  2. 前記磁気遮蔽部材は、前記金属帯板の幅方向を横断して設けられる、請求項1に記載の金属帯板の誘導加熱設備。
  3. 前記磁気遮蔽部材は、前記金属帯板の幅方向の少なくとも一方の端縁にそれぞれ離隔して対向する部分を含む、請求項1または請求項2に記載の金属帯板の誘導加熱設備。
  4. 前記磁気遮蔽部材と前記金属帯板との間に、前記磁気遮蔽部材から絶縁され前記金属帯板から離隔して配置される磁性体コアをさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の誘導加熱設備。
JP2018139174A 2018-07-25 2018-07-25 金属帯板の誘導加熱設備 Active JP7124515B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018139174A JP7124515B2 (ja) 2018-07-25 2018-07-25 金属帯板の誘導加熱設備

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018139174A JP7124515B2 (ja) 2018-07-25 2018-07-25 金属帯板の誘導加熱設備

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020017397A true JP2020017397A (ja) 2020-01-30
JP7124515B2 JP7124515B2 (ja) 2022-08-24

Family

ID=69580542

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018139174A Active JP7124515B2 (ja) 2018-07-25 2018-07-25 金属帯板の誘導加熱設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7124515B2 (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58148896U (ja) * 1982-03-31 1983-10-06 新日本製鐵株式会社 誘導加熱用コイル
JPS62281291A (ja) * 1986-05-30 1987-12-07 新日本製鐵株式会社 誘導加熱装置
JPS6398993A (ja) * 1986-10-14 1988-04-30 住友金属工業株式会社 誘導加熱装置
JPH01232685A (ja) * 1988-03-11 1989-09-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 鋼板誘導加熱装置
JPH08115787A (ja) * 1994-08-24 1996-05-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 誘導加熱装置
JPH10134949A (ja) * 1996-10-31 1998-05-22 Kitashiba Electric Co Ltd 誘導加熱装置
JPH11195480A (ja) * 1998-01-07 1999-07-21 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ストリップエッジの誘導加熱装置及びその製造方法
JP2001326062A (ja) * 2000-05-15 2001-11-22 Mitsubishi Electric Corp 誘導加熱装置
US20050006120A1 (en) * 2003-06-26 2005-01-13 Jean Lovens Electromagnetic shield for an induction heating coil
JP2006093029A (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp 誘導加熱装置

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58148896U (ja) * 1982-03-31 1983-10-06 新日本製鐵株式会社 誘導加熱用コイル
JPS62281291A (ja) * 1986-05-30 1987-12-07 新日本製鐵株式会社 誘導加熱装置
JPS6398993A (ja) * 1986-10-14 1988-04-30 住友金属工業株式会社 誘導加熱装置
JPH01232685A (ja) * 1988-03-11 1989-09-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 鋼板誘導加熱装置
JPH08115787A (ja) * 1994-08-24 1996-05-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 誘導加熱装置
JPH10134949A (ja) * 1996-10-31 1998-05-22 Kitashiba Electric Co Ltd 誘導加熱装置
JPH11195480A (ja) * 1998-01-07 1999-07-21 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ストリップエッジの誘導加熱装置及びその製造方法
JP2001326062A (ja) * 2000-05-15 2001-11-22 Mitsubishi Electric Corp 誘導加熱装置
US20050006120A1 (en) * 2003-06-26 2005-01-13 Jean Lovens Electromagnetic shield for an induction heating coil
JP2006093029A (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp 誘導加熱装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7124515B2 (ja) 2022-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10327287B2 (en) Transverse flux induction heating device
US10085306B2 (en) Transverse flux induction heating device
JP5114671B2 (ja) 金属板の誘導加熱装置および誘導加熱方法
JP6323564B2 (ja) 金属帯板の誘導加熱装置
JP2008204648A (ja) 誘導加熱装置
JP2015510544A (ja) 加熱装置及び加熱方法
JP5042909B2 (ja) 金属板の誘導加熱装置および誘導加熱方法
KR20180100200A (ko) 유도 가열 장치 및 유도 가열 방법
JP4833906B2 (ja) 誘導加熱設備
JP6331900B2 (ja) 金属帯板の誘導加熱装置
JP4959651B2 (ja) トランスバース方式の誘導加熱システム
KR102498744B1 (ko) 가열 장치 및 대응하는 기기 및 방법
JP2020017397A (ja) 金属帯板の誘導加熱設備
JP5053169B2 (ja) 誘導加熱装置および誘導加熱方法
JP2010027470A (ja) トランスバース方式の誘導加熱装置
JP6812999B2 (ja) 金属帯の誘導加熱装置、金属帯の製造方法、及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP2009129695A (ja) 誘導加熱装置および誘導加熱方法
JP2020013635A (ja) 誘導加熱装置
JP5131232B2 (ja) トランスバース方式の誘導加熱装置
JPH0456093B2 (ja)
JP4356884B2 (ja) 誘導加熱装置及び誘導加熱方法
JP2008186589A (ja) 金属板の誘導加熱装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210303

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220415

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220725

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7124515

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151