JPH08115087A - 音波吸収制御装置および音波吸収制御方法 - Google Patents

音波吸収制御装置および音波吸収制御方法

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JPH08115087A
JPH08115087A JP6248180A JP24818094A JPH08115087A JP H08115087 A JPH08115087 A JP H08115087A JP 6248180 A JP6248180 A JP 6248180A JP 24818094 A JP24818094 A JP 24818094A JP H08115087 A JPH08115087 A JP H08115087A
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particles
sound wave
fluid composition
inorganic
electric field
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Application number
JP6248180A
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English (en)
Inventor
Kazuya Edamura
一弥 枝村
Yasubumi Otsubo
泰文 大坪
Moritaka Goto
守孝 後藤
Hidenobu Anzai
秀伸 安齊
Kenji Furuichi
健二 古市
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Fujikura Kasei Co Ltd
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Kasei Co Ltd
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体組成物に印加する電圧によりその特性振
動数を調整できて、入射音波の所望の振動数の成分を吸
収できる、音波吸収制御装置を提供する。 【構成】 一対の電極板17,18は間隙をおいて対向
配置され、一対の電極板17,18間には、電界配列効
果を有する固体粒子2を電気絶縁性媒体1中に含有して
なる流体組成物が収容されている。一方の電極板18は
固定部材に固定配置されており、他方の電極板17はP
ETフィルム17aの下面に一様に接着されている。一
対の電極板17,18およびシール部材15により形成
された空間内に、流体組成物が密閉されている。音波1
1がPETフィルム17aに入射すると、PETフィル
ム17aおよび一方の電極板17は上下振動することが
できる。電源13は一対の電極板17,18に、音波1
1の吸音したい成分の振動数に対応した特性振動数を流
体組成物中に設定するための電圧を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電界配列効果に基づい
て特性振動数を制御することのできる電気感応型音波吸
収制御用流体組成物を備えた音波吸収制御装置、および
音波吸収制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、音波発生源から発せられる音波
(空気振動)を遮断するには、例えばスポンジあるいは
多孔質吸音板からなる音波吸収材を用い、これを前記音
波発生減に向けて所望の場所に設けていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の音波吸
収材は、その材質により固有振動数が一定であるため、
その固有振動数と一致する成分の音波しか吸収(除去)
できず、吸収しようとする音波の成分を変更する場合
は、その音波の振動数に対応して音波吸収材を異なる材
質のものに交換する必要がある。このように、固有周波
数の異なる音波吸収材を複数種類用意しておき、吸収す
べき音波成分の振動数に対応して、所定の音波吸収材を
選択して用いる必要があるため、結果的に、吸音装置の
コストが嵩んだり、取扱いが煩雑になったりして、信頼
性が低いという問題点がある。
【0004】ところで、本発明者らは、従来知られてい
ない新規な電界配列特性を有する電気感応型音波吸収制
御用流体組成物の研究を行っている。この流体組成物
は、例えば、電気絶縁性の媒体中に固体粒子を分散させ
て得られる流体であり、これに電界を印加すると固体粒
子が誘電分極を起こし、さらに誘電分極に基づく静電引
力によって互いに電場方向に配位連結して整列し、鎖状
体構造を示す性質を持っている。また、固体粒子によっ
ては電気泳動して配列配向し、配列塊状構造を示す性質
を示すものもある。このように、電界下における粒子の
配列配向を電界配列効果と呼び、そのような性質を有す
る固体粒子を電界配列性粒子と呼ぶこととする。そして
本発明者らは、この新規な構造の電気感応型音波吸収制
御用流体組成物の研究を進めることにより本発明に到達
した。
【0005】本発明は、上記従技術の有する問題点に鑑
みてなされたものであり、電界配列効果を有し、印加さ
れる電圧によって特性振動数を変更できる流体組成物を
備えた音波吸収制御装置、および音波吸収制御方法を提
供することによって上記の問題点を解決することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の音波吸収制御装置は、電界配列効果を有する
固体粒子を電気絶縁性媒体中に含有してなる電気感応型
音波制御用流体組成物と、隙間をおいて互いに対向し、
前記隙間に前記電気感応型音波制御用流体組成物を収容
した一対の電極板と、前記一対の電極板間に電圧を印加
し、かつ印加電圧を可変とする電圧印加手段とを具備し
て構成されたことを特徴とするものである。また、前記
固体粒子が、有機高分子化合物からなる芯体と、電界配
列効果を有する無機物を含む表層とによって形成された
無機・有機複合粒子である。さらに、前記電界配列効果
を有する無機物が、無機イオン交換体、シリカゲルおよ
び電気半導体性無機物からなる群から選ばれた少なくと
も一種である。そして、前記電気絶縁体媒体中の前記固
体粒子の濃度が、0.5〜75重量%の範囲とされてい
る。本発明の方法は、電界配列効果を有する固体粒子を
電気絶縁性媒体中に含有してなる電気感応型音波制御用
流体組成物に、電圧を印加して、前記固体粒子の粒子鎖
を形成するとともに、前記印加電圧を調整することを特
徴とするものである。この方法の好適な例としては、
隙間をおいて互いに対向して配置された一対の電極板の
前記隙間に、電界配列効果を有する固体粒子を電気絶縁
性媒体中に含有してなる電気感応型音波制御用流体組成
物を収容し、前記一対の電極間に電圧を印加して前記固
体粒子を配列制御して粒子鎖を形成するとともに、該粒
子鎖の特性振動数が一方の電極板に入射する音波の吸音
すべき成分の振動数に一致するように、前記印加電圧を
調整することを特徴とする。
【0007】電界配列性の無機物が無機イオン交換体で
ある場合、この無機イオン交換体は、多価金属の水酸化
物、ハイドロタルサイト類、多価金属の酸性塩、ヒドロ
キシアパタイト、ナシコン型化合物、粘土鉱物、チタン
酸カリウム類、ヘテロポリ酸塩および不溶性フェロシア
ン化物からなる群から選ばれた少なくとも1種であるこ
とが好ましい。
【0008】電界配列性の無機物が電気半導体性無機物
である場合、この電気半導体性無機物は、室温にて10
3 Ω-1cm-1ないし10-11Ω-1cm-1の範囲内の電気
伝導度を有するものであることが好ましい。この電気半
導体性無機物は、金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化
水酸化物、無機イオン交換体、これらの少なくともいず
れか1種に金属ドーピングを施したもの、および金属ド
ーピングの有無に拘らず、これらの少なくともいずれか
1種を他の支持体上に電気半導体層として施したものか
らなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ま
しい。
【0009】
【作用】本発明の音波吸収制御装置において、一対の電
極板間に電圧が印加されていない状態では、電気感応型
音波吸収制御用流体組成物(以下、ElectricN
oise−Control流体組成物を略して「ENC
流体組成物」と称する)中の電界配列効果(以下、El
ectric Alignment効果を略して「EA
効果」と称する)を有する固体粒子(電界配列性粒子を
略して「EA粒子」と称する)は電気絶縁性媒体中に不
規則にランダムに浮遊・分散している。電圧印加手段に
より一対の電極板に電圧を印加すると、EA粒子は鎖状
に配列結合して鎖状体(粒子鎖)を形成し、この鎖状体
が電界方向に平行して配列する。この状態で、一方の電
極板に音波(空気振動)を入射させると、この電極板が
前記対向方向に振動するが、鎖状体自体が弾性の性質を
持っているため、鎖状体は引っ張られる場合には、向か
い合う粒子同士が引き合って引力を、圧縮される場合に
は、撓んで反発力をそれぞれ生じ、電気絶縁性媒体中の
鎖状体の運動により粘性抵抗が生じ、これによって音波
の持つエネルギーの損失(散逸)が起こる。
【0010】すなわち、電極板に入射した音波に、鎖状
体を含むENC流体組成物と電極板とが共振するのであ
る。このような鎖状体に振動を与える音波周波数は、鎖
状体の持つ特性振動数(鎖状体の弾性と電極板の慣性と
のバランスからなる、いわゆる固有振動数と推定され
る)によって定まり、その特性振動数と一致した周波数
の音波が電極板に入射すると、鎖状体は共振してその音
波を吸収し、他の周波数の音波は反射されることにな
る。
【0011】各粒子間に働く引力(鎖状体に生じる応
力)は、一対の電極板に印加される電圧の増加に伴って
増大することから、鎖状体自体の弾性率と粘性率が印加
電圧の増加に伴って増大することになり、本発明は、こ
のことを利用するものである。すなわち、印加電圧を調
整して、鎖状体自体の特性振動数を、入射音波(空気振
動)のうち除去したい成分の振動数に一致させることに
より、鎖状体を共振(共鳴)させ、吸音(除去)したい
成分のエネルギーを消費し、その他の成分を反射させる
ものである。
【0012】図7はEA粒子30wt%分散系について
電界配列特性(以下、「EA特性」と称する)に及ぼす
電界強度の影響を測定した結果を示すグラフである。こ
のグラフから印加電圧が増加するほど鎖状体に働く応力
は増大することが明かである。EA特性は、誘電分極し
た粒子が電気的引力により電場方向に配列し、鎖状構造
を形成することに起因する。低線断速度では、電気的引
力が支配的であるので、鎖状構造の破壊と再形成がゆる
やかに繰り返される。電場方向に並んだ鎖をそれと直角
方向にせん断破壊させるとき発生する力が降伏応力に相
当する。形成されるすべての鎖の粒子が同じ直径をも
ち、直鎖状の並んで電極板間を結んでいると考えると、
鎖の数は粒子濃度に比例するので、降伏応力も粒子濃度
に比例することになる。図8に本発明の振動系の等価回
路を示し、すなわち、弾性率Kのコイルばね22と粘性
率Cのダッシュポット23が一対の電極板間に並列に接
続されている。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して詳細に説明する。先ず、図3に本発明に係わる電気
感応型音波吸収制御用流体組成物(ENC流体組成物)
の一具体例を示す。このENC流体組成物は、電気絶縁
性媒体1中に固体粒子であるEA粒子(電界配列性粒
子)2が均一に分散されてなっている。このEA粒子2
は、有機高分子化合物からなる芯体3と、電界配列性無
機物(以下、「EA無機物」と称する)である粒子4か
らなる表層5とによって形成され、無機・有機複合粒子
を形成している。この具体例において、電気絶縁性媒体
1は無色透明のシリコーン油であり、無機・有機複合粒
子の芯体3を形成する有機高分子化合物はポリアクリル
酸エステルであり、表層5を形成するEA無機物の粒子
4は無機イオン交換体でありかつ電気半導体性無機物で
もある白色の水酸化チタンである。このEA粒子(無機
・有機複合粒子)の色は例えば白色である。また、電気
絶縁性媒体1中に含まれるEA粒子2の割合は例えば
7.5重量%である。
【0014】 このEA流体組成物は、図4に示すよう
に、離間して平行に配置した一対の電極板7,8の間に
介在させる。図5に示すように、この一対の電極板7,
8に、電源9からスイッチ10を介して電圧を印加する
と、EA効果によってEA粒子2が電極板7,8の面と
直角の方向に鎖状に配列して鎖状体(粒子鎖)6を形成
する。このとき、各鎖状体6は相互に離間して平行に配
向する。
【0015】 次に、上述したENC流体組成物を用い
た本発明の音波吸収制御装置(音波制振装置)について
説明する。図1に示すように、一対の電極板17,18
が間隙(組成物収容空間)をおいて対向配置され、これ
ら一対の電極板17,18間には、上述した本発明の、
EA効果を有するEA粒子2を電気絶縁性媒体1中に含
有してなるENC流体組成物が収容されている。一方の
(下方の)電極板18は図示しない固定部材に固定配置
されており、他方の電極板17は、音波に対して柔軟な
例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム
17aの下面に一様に接着されている。前記一対の電極
板17,18の周縁およびPETフィルム17aの周縁
には、枠状のシール部材15が固着されている。
【0016】 一対の電極板17,18およびシール部
材15により形成された空間内に、本発明のENC流体
組成物が密閉された状態で収容されている。また、一方
の電極板17およびPETフィルム17aは、その周縁
が固定されているが、一対の電極板17,18の対向方
向(矢印Xで示す上下方向)に振動できるように構成さ
れている。これにより、音波(空気振動)11がPET
フィルム17aに入射した場合には、PETフィルム1
7aおよび一方の電極板17は上下振動することができ
る。
【0017】 符号13は、一対の電極板17,18間
に電圧を印加し、かつ印加電圧を可変とする電源(電圧
印加手段)であり、この電源13にはスイッチ14が直
列に接続されている。このスイッチ14をオンにするこ
とにより、一対の電極板17,18間に電圧を印加する
ことができる。この音波吸収制御装置は、通常、外観矩
形板状あるいは円形板状の形態であるが、勿論、設置す
る場所に合わせて適宜の形状とする。
【0018】 次に、上記構成の音波吸収制御装置の動
作について説明する。図1に示すように、一対の電極板
17,18間に電圧が印加されていない状態では、EN
C流体組成物のEA粒子2が電気絶縁性媒体1中にラン
ダムに浮遊・不規則に分散している(図4参照)。一対
の電極板17,18に電圧を印加すると、ENC流体組
成物中のEA粒子2が鎖状に配列結合して鎖状体(粒子
鎖)6を形成し、この鎖状体6が電界方向に平行して配
列する(図5参照)。
【0019】 この状態で、一方の電極板17に音波
(空気振動)11を入射させると、図6の(a),
(b),(c)および(d)の状態が順次起こって、こ
の電極板17がPETフィルム17aとともに矢印X
(図1および図2参照)で示すように対向方向に振動す
るが、鎖状体6自体が弾性の性質を持っているため、図
6の(b)に示すように、鎖状体6は、圧縮される場合
には、例えば「く」の字状に撓んで反発力を生じ、図6
の(d)に示すように、鎖状体6は、引っ張られる場合
には、向かい合うEA粒子2同士が引き合って引力を生
じる。これにより、ENC流体組成物中での鎖状体6の
運動により、粘性抵抗が生じ、音波11の持つエネルギ
ーの損失(散逸)が起こる。
【0020】 そして、電極板17の振動にともなっ
て、鎖状体6の引っ張りと圧縮が繰り返されるものであ
り、この結果、鎖状体6自身も振動することになる。す
なわち、電極板17に入射した音波11に、鎖状体6を
含むENC流体組成物と、電極板17とPETフィルム
17aとからなる電極板構造体とが共振するのである。
このような鎖状体6に振動を与える音波周波数は、鎖状
体6の持つ特性振動数によって定まり、その特性振動数
と一致した周波数の音波11が電極板17に入射する
と、鎖状体17は共振して(図2中矢印A,B参照)そ
の音波を吸収し、他の周波数の音波12は反射されるこ
とになる。
【0021】 各電界配列性粒子2間に働く力(鎖状体
6に生じる応力)は一対の電極板17,18に印加され
る電圧の増加に伴って増大することから、鎖状体6自体
の弾性率と粘性率が印加電圧の増加に伴って増大するこ
とになる。本発明は、このことを利用して音波の所望の
成分を除去するものである。すなわち、印加電圧を調整
して、粒子鎖6自体の特性振動数を、電極板17に入射
した音波(空気振動)のうち除去したい成分(特定波長
の音波)の振動数に一致させることにより、図5に示す
ように、鎖状体6を慣性力の作用により左右矢印A,B
で示すように共振(共鳴)させ、入射音波11の除去し
たい成分のエネルギーを消費し、その他の音波成分(符
号12で示す)を反射させるものである。このように、
印加電圧により、入射音波の所望の特定波長の成分を吸
収できる。
【0022】 音波吸収制御装置の特性周波数は、EA
粒子(固体粒子)の大きさ、EA粒子間に働く弾性力、
また電極板の固有振動数および電極板間の距離等により
変化する。本発明では、電気絶縁性媒体中に粒径がほぼ
均一な球形状のEA粒子が分散されたものであるので
(不定形粒子を用いない)、一定電圧下では上述した反
発力や引力が変動せず、しかも、EA粒子間に働く弾性
力と電極板の慣性力のバランスにも変動が生じにくい。
上記実施例においては、鎖状体は「く」の字状に撓むも
のとされているが、この他に、例えば図9の(a)に示
すようなS字型、あるいは図9の(b)に示すようなW
字型に撓む場合もあると考えられる。
【0023】 また、上記実施例においては、電界の印
加によってEA粒子(無機・有機複合粒子)2が1列の
鎖状体6を形成して平行に配列する現象について説明し
たが、EA粒子2の数が数重量%を越えて多くなると、
1列の鎖状体6ではなく、鎖状体6が複数列相互に接合
して、図10の(a)の如くカラム19を構成して配列
するようになる。このカラム19においては左右の鎖状
体のEA粒子2は1つずつずれて互い違いに隣接する。
これについて本発明者らは、図10の(b)に示すごと
く、+極部分と−極部分に誘電分極しているEA粒子2
が互い違いに隣接して+極部分と−極部分とが引き合っ
て配列した方がエネルギー的に安定なためであると推定
している。さらに、上記実施例においては、一対の電極
板間に直接ENC流体組成物を収容したものを示した
が、これに限らず、ENC流体組成物を十分に含浸させ
た多孔質体を一対の電極板間に収容してもよい。この場
合、多孔質体は、EA効果を損なわないために、連続気
泡を有するものが好ましい。
【0024】本発明のENC流体組成物に用いる電気絶
縁性媒体1としては、例えば、塩化ジフェニル、セバチ
ン酸ブチル、芳香族ポリカルボン酸高級アルコールエス
テル、ハロフェニルアルキルエーテル、トランス油、塩
化パラフィン、弗素系オイル、またはシリコーン系オイ
ルやフルオロシリコーン系オイルなど、電気絶縁性及び
電気絶縁破壊強度が高く、化学的に安定でかつEA粒子
を安定に分散させ得るものであればいずれの流体または
これらの混合物も使用可能である。この電気絶縁性媒体
1は、目的に応じて着色することができる。着色する場
合は、選択された電気絶縁性媒体に可溶であってその電
気的特性を損なわない種類と量の油溶性染料または分散
性染料を用いることが好ましい。電気絶縁性媒体1に
は、この他に分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、酸化防
止剤、安定剤などが含まれていてもよい。
【0025】この電気絶縁性媒体1の動粘度は、1cS
tないし30000cStの範囲内であることが好まし
い。動粘度が1cStより小さいと、流体組成物の貯蔵
安定性の面で不足を生じ、動粘度が30000cStよ
り大きいと、EA粒子の均一分散が困難になるととも
に、調整時に気泡を巻き込み、その気泡が抜けにくくな
り、取り扱いに支障を来すので好ましくない。この観点
から、動粘度は10cStないし1000cStの範囲
内、特に10cStないし100cStの範囲内である
ことが好ましい。もちろん、電気絶縁性媒体1の動粘度
は、温度により変化し、この温度影響を印加電圧によっ
て抑制することができる。
【0026】本発明に用いられるEA粒子2は、EA効
果を有する無機・有機複合粒子であれば、元素、有機化
合物、または無機化合物、またはそれらの混合物など、
いずれの素材も使用可能である。その例としては例えば
無機イオン交換体、金属酸化物、シリカゲル、電気半導
体性無機物、カーボンブラックなどの粒子、およびこれ
らを表層として有する粒子を挙げることができる。しか
し、このEA粒子2は、上記実施例に示したように、有
機高分子化合物からなる芯体3と、EA無機物の粒子4
からなる表層5とによって形成された無機・有機複合粒
子であることが特に好ましい。この無機・有機複合粒子
は、比較的比重が重いEA無機物の粒子4からなる表層
5が比較的比重の軽い有機高分子化合物である芯体3に
担持されていて、その粒子全体の比重を電気絶縁性媒体
1に対して近似するように調節できる。従ってこれを電
気絶縁性媒体1に分散して得られたENC流体組成物
は、貯蔵安定性に優れたものとなる。
【0027】EA粒子(無機・有機複合粒子)2の芯体
3として使用し得る有機高分子化合物の例としては、ポ
リ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸エ
ステル−スチレン共重合物、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、AB
S樹脂、ナイロン、ポリビニルブチレート、アイオノマ
ー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、
ポリカーボネート樹脂などの1種または2種以上の混合
物または共重合物を挙げることができる。
【0028】表層5を形成するEA無機物である粒子4
としては種々のものが用い得るが、好ましい例としては
無機イオン交換体とシリカゲルと電気半導体性無機物と
を挙げることができる。これらの粒子4を用いて有機高
分子化合物からなる芯体3の上に表層5を形成すると
き、得られた無機・有機複合粒子は有用なEA粒子2と
なる。
【0029】上記無機イオン交換体の例としては(1)
多価金属の水酸化物、(2)ハイドロタルサイト類、
(3)多価金属の酸性塩、(4)ヒドロキシアパタイ
ト、(5)ナシコン型化合物、(6)粘土鉱物、(7)
チタン酸カリウム類、(8)ヘテロポリ酸塩、および
(9)不溶性フェロシアン化物を挙げることができる。
【0030】以下に、それぞれの無機イオン交換体につ
いて詳しく説明する。 (1)多価金属の水酸化物。 これらの化合物は、一般式MOx(OH)y(Mは多価金
属であり、xは零以上の数であり、yは正数である)で
表され、例えば、水酸化チタン、水酸化ジルコニウム、
水酸化ビスマス、水酸化錫、水酸化鉛、水酸化アルミニ
ウム、水酸化タンタル、水酸化ニオブ、水酸化モリブデ
ン、水酸化マグネシウム、水酸化マンガン、および水酸
化鉄などである。ここで、例えば水酸化チタンとは含水
酸化チタン(別名メタチタン酸またはβチタン酸、Ti
O(OH)2)および水酸化チタン(別名オルソチタン
酸またはαチタン酸、Ti(OH)4)の双方を含むも
のであり、他の化合物についても同様である。
【0031】(2)ハイドロタルサイト類。 これらの化合物は、一般式M13Al6(OH)43(C
O)3・12H2O(Mは二価の金属である)で表され、
例えば二価の金属MがMg、CaまたはNiなどであ
る。 (3)多価金属の酸性塩。 これらは例えばリン酸チタン、リン酸ジルコニウム、リ
ン酸錫、リン酸セリウム、リン酸クロム、ヒ酸ジルコニ
ウム、ヒ酸チタン、ヒ酸錫、ヒ酸セリウム、アンチモン
酸チタン、アンチモン酸錫、アンチモン酸タンタル、ア
ンチモン酸ニオブ、タングステン酸ジルコニウム、バナ
ジン酸チタン、モリブデン酸ジルコニウム、セレン酸チ
タンおよびモリブデン酸錫などである。
【0032】(4)ヒドロキシアパタイト。 これらは例えばカルシウムアパタイト、鉛アパタイト、
ストロンチウムアパタイト、カドミウムアパタイトなど
である。 (5)ナシコン型化合物。 これらには例えば(H3O)Zr2(PO43のようなも
のが含まれるが、本発明においてはH3OをNaと置換
したナシコン型化合物も使用できる。 (6)粘土鉱物。 これらは例えばモンモリロナイト、セピオライト、ベン
トナイトなどであり、特にセピオライトが好ましい。
【0033】(7)チタン酸カリウム類。 これらは一般式aK2O・bTiO2・nH2O(aは0
<a≦1を満たす正数であり、bは1≦b≦6を満たす
正数であり、nは正数である)で表され、例えばK2
TiO2・2H2O、K2O・2TiO2・2H2O、0.
5K2O・TiO2・2H2O、及びK2O・2.5TiO2
2H2Oなどである。なお、上記化合物のうち、aまた
はbが整数でない化合物はaまたはbが適当な整数であ
る化合物を酸処理し、KとHとを置換することによって
容易に合成される。
【0034】(8)ヘテロポリ酸塩。 これらは一般式H3AE1240・nH2O(Aはリン、ヒ
素、ゲルマニウム、またはケイ素であり、Eはモリブデ
ン、タングステン、またはバナジウムであり、nは正数
である)で表され、例えばモリブドリン酸アンモニウ
ム、およびタングストリン酸アンモニウムである。 (9)不溶性フェロシアン化物。 これらは次の一般式で表される化合物である。Mb-pxa
A[E(CN)6](Mはアルカリ金属または水素イオ
ン、Aは亜鉛、銅、ニッケル、コバルト、マンガン、カ
ドミウム、鉄(III)またはチタンなどの重金属イオ
ン、Eは鉄(II)、鉄(III)、またはコバルト
(II)などであり、bは4または3であり、aはAの
価数であり、pは0〜b/aの正数である。) これらには例えば、Cs2Zn[Fe(CN)6]および
2Co[Fe(CN)6]などの不溶性フェロシアン化
合物が含まれる。
【0035】上記(1)〜(6)の無機イオン交換体は
いずれもOH基を有しており、これらの無機イオン交換
体のイオン交換サイトに存在するイオンの一部または全
部を別のイオンに置換したもの(以下、置換型無機イオ
ン交換体という)も、本発明における無機イオン交換体
に含まれるものである。即ち、前述の無機イオン交換体
をR−M1(M1は、イオン交換サイトのイオン種を表
す)と表すと、R−M1におけるM1の一部または全部
を、下記のイオン交換反応によって、M1とは異なるイ
オン種M2に置換した置換型無機イオン交換体もまた、
本発明における無機イオン交換体である。 xR−M1+yM2→Rx−(M2)y+xM1 (ここでx、yはそれぞれイオン種M2、M1の価数を表
す)。M1はOH基を有する無機イオン交換体の種類に
より異なるが、無機イオン交換体が陽イオン交換性を示
すものでは、一般にM1はH+であり、この場合のM2
アルカリ金属、アルカリ土類金属、多価典型金属、遷移
金属または希土類金属等、H+以外の金属イオンのいず
れか任意のものである。OH基を有する無機イオン交換
体が陰イオン交換性を示すものでは、M1は一般にOH-
であり、その場合M2は例えばI、Cl、SCN、N
2、Br、F、CH3COO、SO4またはCrO4など
や錯イオンなど、OH-以外の陰イオン全般の内の任意
のものである。
【0036】また、高温加熱処理によりOH基を一旦失
ってはいるが、水に浸漬させるなどの操作によって再び
OH基を有するようになる無機イオン交換体について
は、その高温加熱処理後の無機イオン交換体なども本発
明に使用できる無機イオン交換体の一種であり、その具
体例としてはナシコン型化合物、例えば(H3O)Zr2
(PO43の加熱により得られるHZr2(PO43
ハイドロタルサイトの高温 加熱処理物(500〜70
0℃で加熱処理したもの)などがある。これらの無機イ
オン交換体は一種類だけではなく、多種類を同時に表層
として用いることもできる。なお、上記の無機イオン交
換体として、多価金属の水酸化物、及び多価金属の酸性
塩を用いることが特に好ましい。
【0037】上記EA粒子(無機・有機複合粒子)2の
表層5として使用し得る電気半導体性無機物の例は、電
気伝導度が、室温にて103〜10-11Ω-1/cmの金属
酸化物、金属水酸化物、金属酸化水酸化物、無機イオン
交換体、またはこれらの少なくともいずれか1種に金属
ドーピングしたもの、もしくは金属ドーピングの有無に
拘わらず、これらの少なくともいずれか1種を他の支持
体上に電気半導体層として施したものなどである。
【0038】好ましい電気半導体性無機物の例を以下に
示す。 (A)金属酸化物:例えばSnO2 、アモルファス型二
酸化チタン(出光石油化学社製)などである。 (B)金属水酸化物:例えば水酸化チタン、水酸化ニオ
ブなどである。ここで水酸化チタンとは、含水酸化チタ
ン(石原産業社製)、メタチタン酸(別名βチタン酸、
TiO(OH)2 )およびオルソチタン酸(別名αチタ
ン酸、Ti(OH)4 )を含むものである。 (C)金属酸化水酸化物:この例としては例えばFeO
(OH)(ゲーサイト)などを挙げることができる。 (D)多価金属の水酸化物:無機イオン交換体(1)と
同等。 (E)ハイドロタルサイト類:無機イオン交換体(2)
と同等。 (F)多価金属の酸性塩:無機イオン交換体(3)と同
等。 (G)ヒドロキシアパタイト:無機イオン交換体(4)
と同等。 (H)ナシコン型化合物:無機イオン交換体(5)と同
等。 (I)粘土鉱物:無機イオン交換体(6)と同等。 (J)チタン酸カリウム類:無機イオン交換体(7)と
同等。 (K)ヘテロポリ酸塩:無機イオン交換体(8)と同
等。 (L)不溶性フェロシアン化物:無機イオン交換体
(9)と同等。 (M)金属ドーピング電界配列性無機物:これは上記の
電気半導体性無機物(A)〜(L)の電気伝導度を上げ
るために、アンチモン(Sb)などの金属をER無機物
にドーピングしたものであって、例としてはアンチモン
(Sb)ドーピング酸化錫(SnO2 )などを挙げるこ
とができる。 (N)他の支持体上に電気半導体層として電界配列性無
機物を施したもの:例えば支持体として酸化チタン、シ
リカ、アルミナ、シリカ−アルミナなどの無機物粒子、
またはポリエチレン、ポリプロピレンなどの有機高分子
粒子を用い、これに電気半導体層としてアンチモン(S
b)ドーピング酸化錫(SnO2 )を施したものなどを
挙げることができる。このように他の支持体上に電界配
列性無機物が施された粒子も、全体として電界配列性無
機物と見なすことができる。これらの電界配列性無機物
は、1種類だけでなく、2種類またはそれ以上を同時に
表層として用いることもできる。
【0039】EA粒子(無機・有機複合粒子)2は、種
々な方法によって製造することができる。例えば、有機
高分子化合物からなる粒子状の芯体3と微粒子状の粒子
4とをジェット気流によって搬送し、衝突させて製造す
る方法がある。この場合は粒子状の芯体3の表面に粒子
4の微粒子が高速度で衝突し、固着して表層5を形成す
る。また別の製法例としては、粒子状の芯体3を気体中
に浮遊させ、粒子4の溶液を霧状にしてその表面に噴霧
する方法がある。この場合はその溶液が芯体3の表面に
付着し乾燥することによって表層5が形成される。
【0040】EA粒子(無機・有機複合粒子)2を製造
する特に好ましい製法は、芯体3と同時に表層5を形成
する方法である。この方法は、例えば、芯体3を形成す
る有機高分子化合物のモノマーを重合媒体中で乳化重
合、懸濁重合または分散重合するに際して、微粒子状と
した電界配列性無機物である粒子4を上記モノマー中、
または重合媒体中に存在させるというものである。重合
媒体としては水が好ましいが、水と水溶性有機溶媒との
混合物を使用することもでき、また有機系の貧溶媒を使
用することもできる。この方法によれば、重合媒体の中
でモノマーが重合して芯体粒子3を形成すると同時に、
微粒子状のEA無機物の粒子4が芯体3の表面に層状に
配向してこれを被覆し、表層5を形成する。
【0041】乳化重合または懸濁重合によってEA粒子
(無機・有機複合粒子)を製造する場合には、モノマー
の疎水性の性質と電界配列性無機物の親水性の性質を組
み合わせることによって、電界配列性無機物の粒子4の
大部分を芯体3の表面に付着させることができる。この
芯体3と表層5との同時形成方法によれば、有機高分子
化合物からなる芯体3の表面にEA無機物の粒子4が緻
密かつ強固に接着し、堅牢なEA粒子(無機・有機複合
粒子)2が形成される。
【0042】本発明に使用するEA粒子2の形状は必ず
しも球形であることを要しないが、粒子状の芯体3が調
節された乳化・懸濁重合方法によって製造された場合
は、得られるEA粒子2の形状はほぼ球形となる。EA
粒子2の粒径は特に限定されるものではないが、0.1
μmないし500μm、特に5μmないし200μmの
範囲内とすることが好ましい。この際の微粒子状のEA
無機物である粒子4の粒径は特に限定されるものではな
いが、好ましくは0.005μmないし100μm、さ
らに好ましくは0.01μmないし10μmの範囲内と
する。
【0043】EA粒子(無機・有機複合粒子)2におい
て、表層5を形成するEA無機物である粒子4と芯体3
を形成する有機高分子化合物の重量比は特に限定される
ものではないが、保存安定性の高いENC流体組成物を
得るためには、EA無機物の粒子4と有機高分子化合物
の芯体3の合計重量に対して粒子4が1重量%ないし6
0重量%の範囲内、特に4重量%ないし30重量%の範
囲内とすることが好ましい。この芯体3の割合が1重量
%未満では、得られたEA粒子2のEA特性が不十分と
なり、60重量%を超えると、EA2粒子の比重が過大
となって保存安定性を損なう惧れがある。また、本発明
のENC流体組成物は、上記のEA粒子2を、必要なら
分散剤、他の成分とともに電気絶縁性媒体中に均一に攪
拌混合して製造することができる。この攪拌機として
は、液状分散媒に固体粒子を分散させるために通常使用
されるものがいずれも使用できる。電気絶縁性媒体中1
におけるEA粒子2の含有率は、特に限定されるもので
はないが、0.5〜75重量%、特に5〜50重量%で
あることが好ましい。その含有率が1%未満では充分な
EA効果が得られず、75%以上では電圧を印加しない
ときのENC流体組成物の初期粘度が過大となって使用
が困難になる。
【0044】上記の各種方法、特に芯体3と表層5とを
同時に形成する方法によって製造されたEA粒子2は、
その表層5の全部または一部分が有機高分子物質や、製
造工程で使用された分散剤、乳化剤その他の添加物質の
薄膜で覆われていて、電界配列性粒子としての電界配列
効果が充分に発揮されない場合がある。この不活性物質
の薄膜は粒子表面を研磨することによって容易に除去す
ることができる。従って芯体3と表層5とを同時に形成
する場合には、その表面を研磨することが好ましい。
【0045】この粒子表面の研磨は、種々な方法で行う
ことができる。例えば、無機・有機複合粒子であるEA
粒子2を水などの分散媒体中に分散させて、これを攪拌
する方法によって行うことができる。この際、分散媒体
中に砂粒やボールなどの研磨材を混入してEA粒子2と
共に攪拌する方法、あるいは研削砥石を用いて攪拌する
方法などによって行うこともできる。例えばまた、分散
媒体を使用せず、EA粒子2と上記のような研磨材また
は研削砥石とを用いて乾式で攪拌して行うこともでき
る。
【0046】さらに好ましい研磨方法は、EA粒子2を
ジェット気流などによって気流攪拌する方法である。こ
れは気相中で粒子自体を相互に激しく衝突させて研磨す
る方法であり、他の研磨材を必要とせず、研磨済みの粒
子を分級によって容易に分離し得る点で好ましい方法で
ある。上記のジェット気流攪拌においては、それに用い
られる装置の種類、攪拌速度、EA粒子2の材質などに
より研磨条件を選定する必要があるが、一般的には60
00rpmの攪拌速度で0.5min〜15min程度
ジェット気流攪拌することが好ましい。
【0047】本発明のENC流体組成物は、上記のEA
粒子2を、必要なら分散剤など他の成分と共に電気絶縁
性媒体1中に均一に攪拌混合し分散させて製造すること
ができる。この攪拌機としては、液状分散媒に固体粒子
を分散させるために通常使用されるものがいずれも使用
できる。
【0048】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおりに構成さ
れているので、以下に記載するような効果を奏する。音
波の吸収したい成分の振動数に合わせて、流体組成物の
特性振動数を設定するために印加電圧値を調整すること
により、流体組成物を変更することなく、種々の振動数
の音波を吸収でき、結果的に、この流体組成物を用いた
低コストでかつ取扱の容易な音波吸収制御装置を提供で
きる。特に、固体粒子(電界配列性粒子)が、有機高分
子化合物からなる芯体と、電界配列性無機物からなる表
層とによって形成された無機・有機複合粒子からなる場
合は、高い保存安定性を有する実用的な電気感応型音波
吸収制御用流体組成物が得られ、結果的に、音波吸収制
御装置の信頼性がさらに向上する。また、本発明の音波
吸収制御装置は、本発明の音波吸収制御方法を容易に実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電気感応型音波吸収制御用流体組成物を備え
た本発明の音波吸収制御装置(音波制振装置)の一実施
例の断面図である。
【図2】 本発明の音波吸収制御装置において、音波が
入射されて鎖状体や一方の電極板が共振している状態を
示す断面図である。
【図3】 本発明に係わる電気感応型音波吸収制御用流
体組成物の一実施例を示す断面図である。
【図4】 本発明に係わる電気感応型音波吸収制御用流
体組成物の電源オフ時の態様を示す断面図である。
【図5】 本発明に係わる電気感応型音波吸収制御用流
体組成物の電源オン時の態様を示す断面図である。
【図6】 本発明の音波吸収制御装置に、音波が入射さ
れて一方の電極板が振動している状態を示す断面図であ
る。
【図7】 電界配列性粒子分散系について電界配列特性
に及ぼす電界強度の影響を測定した結果を示すグラフで
ある。
【図8】 振動系の等価回路を示す図である。
【図9】 本発明の音波吸収制御装置において、鎖状体
の撓み状態の別な例を示す図である。
【図10】 本発明の音波吸収制御装置において、鎖状
体が複数列相互に接合してなるカラムを示す図である。
【符号の説明】
1…電気絶縁性媒体、2…電界配列性粒子(EA粒子、
固体粒子、無機・有機複合粒子)、3…芯体(有機高分
子化合物)、4…粒子(電界配列性無機物の粒子)、5
…表層、6…鎖状体(粒子鎖)、7,8…電極板、9…
電源、10…スイッチ、11…入射音波、12…反射音
波、13…電源(電圧印加手段)、14…スイッチ、1
5…シール部材、17,18…電極板、17a…PET
(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、19…カラ
ム、20,21…鎖状体(粒子鎖)、22…コイルば
ね、23…ダッシュポット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G10K 11/162 G10K 11/16 A (72)発明者 後藤 守孝 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 安齊 秀伸 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 古市 健二 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電界配列効果を有する固体粒子(2)を
    電気絶縁性媒体(1)中に含有してなる電気感応型音波
    制御用流体組成物に、電圧を印加して、前記固体粒子
    (2)の粒子鎖(6)を形成するとともに、前記印加電
    圧を調整することを特徴とする音波吸収制御方法。
  2. 【請求項2】 電界配列効果を有する固体粒子(2)を
    電気絶縁性媒体(1)中に含有してなる電気感応型音波
    制御用流体組成物と、隙間をおいて互いに対向し、前記
    隙間に前記電気感応型音波制御用流体組成物を収容した
    一対の電極板(17,18)と、前記一対の電極板(1
    7,18)間に電圧を印加し、かつ印加電圧を可変とす
    る電圧印加手段(13)とを具備して構成されたことを
    特徴とする音波吸収制御装置。
  3. 【請求項3】 前記固体粒子(2)が、有機高分子化合
    物からなる芯体(3)と、電界配列効果を有する無機物
    (4)を含む表層(5)とによって形成された無機・有
    機複合粒子である請求項2に記載の音波吸収制御装置。
  4. 【請求項4】 前記電界配列効果を有する無機物(4)
    が、無機イオン交換体、シリカゲルおよび電気半導体性
    無機物からなる群から選ばれた少なくとも一種である請
    求項3に記載の音波吸収制御装置。
  5. 【請求項5】 前記電気絶縁体媒体(1)中の前記固体
    粒子(2)の濃度が、0.5〜75重量%の範囲とされ
    ている請求項2乃至4のいずれか1項に記載の音波吸収
    制御装置。
  6. 【請求項6】 隙間をおいて互いに対向して配置された
    一対の電極板(17,18)の前記隙間に、電界配列効
    果を有する固体粒子(2)を電気絶縁性媒体(1)中に
    含有してなる電気感応型音波制御用流体組成物を収容
    し、前記一対の電極(17,18)間に電圧を印加して
    前記固体粒子(2)を配列制御して粒子鎖(6)を形成
    するとともに、該粒子鎖(6)の特性振動数が一方の電
    極板(17)に入射する音波(11)の吸音すべき成分
    の振動数に一致するように、前記印加電圧を調整するこ
    とを特徴とする音波吸収制御方法。
JP6248180A 1994-10-13 1994-10-13 音波吸収制御装置および音波吸収制御方法 Pending JPH08115087A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8641214B1 (en) * 2003-10-09 2014-02-04 Robert G. Batchko Laminar liquid motion display
CN113012673A (zh) * 2021-03-16 2021-06-22 合肥工业大学 一种吸声频带可调的吸声体

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US9523478B1 (en) 2003-10-09 2016-12-20 Robert Batchko Convective motion lamphshade
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