JPH08113941A - 腹起しと切り梁との接合部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 腹起しに切り梁を任意の角度で接合できるよ
うにした腹起しと切り梁との接合部構造を提供する。 【構成】 腹起し２と、この腹起し２に斜めに接合され
る切り梁３との間に、前記腹起し２に対する切り梁３の
接合角度に応じて、くさび形に形成された複数枚のライ
ナー4a,4b 及び4cを介在する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、山止め工事におい
て、腹起しと、この腹起しに斜めに接合される切り梁と
の接合部構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、建物の地下部分の構築に際し、
建物の躯体とは別に地山の崩壊を防止するために山止め
壁が構築され、山止め壁はその内側に添え付けられる腹
起しと、この腹起しに架け渡される切り梁とによって支
持される。

【０００３】この場合、切り梁には大きな土圧が腹起し
を介して作用するので、この土圧を確実に支持するよう
に、切り梁は普通腹起しにほぼ垂直に接合される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、逆打ち工法等
の特殊な山止め工事では、切り梁が腹起しに斜めに接合
しなければならない場合があり、その接合方法の開発が
強く望まれていた。

【０００５】この発明は、以上の課題を解決するために
なされたもので、腹起しに切り梁を任意の角度で接合で
きるようにした腹起しと切り梁との接合部構造を提供す
ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明に係る腹起しと
切り梁との接合部構造は、腹起しに切り梁を所定の角度
に接合し、かつ、前記腹起しと前記切り梁との間にくさ
び形に形成されたライナーを前記切り梁の前記腹起しに
対する接合角度に応じて複数枚介在することにより構成
されている。

【０００７】

【実施例】

実施例１．図１〜図４は、この発明に係る腹起しと切り
梁との接合部構造の一実施例を示し、図において、符号
１は根切り面に添って構築され、地山の崩壊を防止する
山止め壁、２はこの山止め壁１の内側に水平に添え付け
られ、山止め壁１を支持する腹起し、３はこの腹起し２
に斜め上方より接合され、腹起し２を介して山止め壁１
に作用する土圧を支持する切り梁、4a,4b 及び4cは腹起
し２と切り梁３との間に重ねて介在され、切り梁３の支
持力を腹起し２に伝えるライナー、５はライナー４a と
腹起し２及びライナー4cと切り梁３の先端部に取り付け
られたエンドプレート3aとをそれぞれ連結する接合ボル
ト、６は腹起し２と切り梁３との間に架け渡され、一端
6aが腹起し２に溶接され、他端6bが接合ボルト７によっ
て切り梁３に連結され、腹起し２と切り梁３とを接合す
る接合バー、そして、符号８はライナー4a,4b 及び4cの
両側部に添え付けられ、ライナー4a,4b 及び4bをずれな
いように固定する固定バーである。

【０００８】山止め壁１は親杭横矢板、鋼矢板あるいは
ソイル柱列壁等を備えて構成され、腹起し２及び切り梁
３にはＨ形鋼等の鋼材が使用されている。

【０００９】ライナー4a,4b 及び4cは、いずれもくさび
形に形成され、腹起し２に対する切り梁３の接合角度に
応じて腹起し２と切り梁３との間に隙間ができないよう
に複数枚介在されている。

【００１０】また、各スペーサ4a,4b 及び4cの側面部に
は腹起し２と切り梁３との間に介在された際に横ずれし
ないように、互いに嵌合し合う凹部4dと凸部4eとが形成
されている。また、このスペーサ4a,4b 及び4cの枚数を
適当に増減することにより切り梁３の傾きを調整できる
ようになっている。

【００１１】さらに、ライナー4a,4b 及び4cは切り梁３
の腹起し２に対する接合角度に広く対応できるように厚
さの異なるものが、多数組み合わせて設置されている。

【００１２】実施例２．図５は、この発明に係る腹起し
と切り梁との接合部構造の他の実施例を示し、図におい
て、切り梁３は腹起し２の側部に水平方向より斜めに接
合され、この場合の構成は実施例１と略同じである。

【００１３】

【発明の効果】この発明に係る腹起しと切り梁との接合
部構造は、以上説明したように構成され、腹起しと、こ
の腹起しの側部に斜めに接合される切り梁との間に、切
り梁の腹起しに対する接合角度に応じてくさび状に形成
された複数枚のライナーが介在されているので、腹起し
に切り梁を斜めに接合する場合にも、腹起しと切り梁と
を確実に接合し、腹起しを介して山止め壁に作用する大
きな土圧を確実に支持できる効果がある。

【００１４】また、腹起しに対する切り梁の接合角度に
応じて、ライナーの枚数を適当に増減することにより腹
起しに対する切り梁の接合角度に自由に対応できる効果
がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る腹起しと切り梁との接合部構造
の一実施例を示す接合部の縦断面図である。

【図２】図１に示す実施例の横断面図である。

【図３】図２におけるａ−ａ線断面図である。

【図４】(a),(b),(c) はライナーの斜視図である。

【図５】この発明に係る腹起しと切り梁との接合部構造
の他の実施例を示す接合部の縦断面図である。

【符号の説明】

１…山止め壁、２…腹起し、３…切り梁、4a,4b,4c…ラ
イナー、５…接合ボルト、６…接合バー、７…接合ボル
ト、８…固定バー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 腹起しと、この腹起しに斜めに接合され
   る切り梁との継ぎ手部構造において、前記腹起しと切り
   梁との間にくさび形に形成された複数枚のライナーを介
   在してなることを特徴とする腹起しと切り梁との接合部
   構造。