JP2019190162A - 鋼材の組合せ構造体,山留支保工構造,及び構築方法 - Google Patents

鋼材の組合せ構造体,山留支保工構造,及び構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構造で接合端面のせん断抵抗強度を向上させることのできる組合せ構造体を提供する。【解決手段】組合せ構造体100は,直線状の主鋼材10と,この主鋼材10と平行に配置され主鋼材10の側面に接合された直線状の重合鋼材20を備える。主鋼材10と重合鋼材20は,重合鋼材20の左右両端面21,22が主鋼材10の左右両端面11,12よりも長手方向に延出した状態で互いに接合されている。これにより,主鋼材10と他の鋼材の端面同士をボルト接合したときに,その接合端面に加わるせん断力に対して重合鋼材20により抵抗できるようになる。【選択図】図1

Description

本発明は,腹起しや大引,桁受けなどの仮設構造用資材として利用可能な鋼材の組合せ構造体に関する。また,本発明は,当該構造体を用いた山留支保工構造やその構築方法に関するものである。
山留支保工構造は,一般的に,地盤の掘削面に当接するように立設した複数の土留壁と,土留壁を支持するように水平に架け渡された複数の腹起しと,角部において隣り合う腹起しの間に仮設された火打ち梁とを含んで構成される。従来から,このような山留支保工構造を高強度化するとともに,当該構造によって囲われた作業空間を広く確保することが求められており,そのための構造として特許文献1では切梁を用いない山留壁の架構構造が提案されている。
特許文献1に記載された山留壁の架構構造は,山留壁の内面に横架した腹起と,隣り合う腹起間に架設する火打を具備する。腹起は,断面寸法の異なる複数の形鋼を組み合せた複合腹起で構成されている。複合腹起は,中央単体梁と,この中央単体梁の両端に接合する端部重合梁とからなり,これらの中央単体梁と端部重合梁の高さともに等しく設定されている。さらに,火打の端部を中央単体梁の端部近くに連結するとともに,端部重合梁と中央単体梁の継手部を火打との連結部の外方に位置させている。
特開2014−159711号
ところで,特許文献1の架構構造では,中央単体梁の両端に端部重合梁を接合することとしており,その際に中央単体梁の端面と端部重合梁の端面とが一面上に揃うこととなる。そして,中央単体梁と端部重合梁は突き合わせた端面同士をボルトで接合しているが,これらの端面が揃った状態では,その接合部に加わるせん断力が主にボルトと火打に加わることとなる。この場合,ボルトのせん断抵抗強度が不十分であると火打を増設することが必要となり,架構構造の複雑化や,資材コスト・建設コストの増大を招くという問題があった。
そこで,本発明は,腹起しなどに利用可能な鋼材の組合せ構造体において,簡易な構造で接合端面のせん断抵抗強度を向上させることを主たる目的とする。
本発明の発明者は,上記課題を解決する手段について鋭意検討した結果,主鋼材の側面に重合鋼材を接合した組合せ構造体において,重合鋼材の左右両端面を主鋼材の左右両端面から延出させることで,例えば主鋼材と他の鋼材(補完鋼材)の端面同士をボルト接合したときに,その接合端面に加わるせん断力に対して重合鋼材により抵抗できるようになるという知見を得た。そして,本発明者は,上記知見に基づけば,従来技術の問題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。具体的に説明すると,本発明は以下の構成・工程を有する。
本発明の第1の側面は,鋼材の組合せ構造体に関する。本発明に係る組合せ構造体は,直線状の主鋼材10と重合鋼材20とを備える。重合鋼材20は,主鋼材10と平行に配置され,この主鋼材10の側面に接合されている。主鋼材10と重合鋼材20としては,I型やH型などの公知の形鋼を用いればよい。そして,重合鋼材20の左右両端面21,22が主鋼材10の左右両端面11,12よりも長手方向に延出した状態で,主鋼材10と重合鋼材20が接合されている。なお,重合鋼材20の長さを確保するために,重合鋼材20は2本以上の形鋼の端面を突き合わせて溶接したものを用いてもよい。
上記構成のように,重合鋼材20の両端面を主鋼材10の両端面から延出させることにより,これらの鋼材10,20の端面同士が一面上に揃う状態を回避できる。このため,主鋼材10と他の鋼材の端面同士をボルト接合したときに,その接合部に加わるせん断力を重合鋼材20の本体部分で受けることができる。従って,組合せ構造体全体として,接合端面のせん断抵抗強度を向上させることができる。
本発明に係る組合せ構造体において,重合鋼材20の側面に補強プレート30が取り付けられていることが好ましい。補強プレート30は,重合鋼材20の側面のうち,主鋼材10に対して接合された側面とは反対側の側面に取り付けられる。このように,補強プレート30を用いることで,主鋼材10側から重合鋼材20に対して加わる曲げモーメントに対する耐力が増強されるため,組合せ構造体全体を効率的に高強度化することができる。
本発明に係る組合せ構造体において,主鋼材10は,少なくとも左右両端面11,12から補強プレート30までの長手方向範囲である端部領域13に,一又は複数の補剛材14を有することが好ましい。これにより,主鋼材10の強度を効率的に強化することができる。
本発明に係る組合せ構造体において,重合鋼材20は,少なくとも左右両端面21,22から補強プレート30までの長手方向範囲である端部領域23に一又は複数の補剛材24を有することが好ましい。これにより,重合鋼材20の強度を効率的に強化することができる。
本発明に係る組合せ構造体において,重合鋼材20の補剛材24は,主鋼材10の左右両端面11,12の両方又はいずれか一方の延長線上に配置されていることが好ましい。前述したとおり,主鋼材10の端面11,12にはせん断力が加わることとなるが,重合鋼材20において,主鋼材10の端面11,12の延長線上に補剛材24を配置しておくことで,主鋼材10の端面11,12に生じたせん断力に対する抵抗強度を効果的に高めることができる。
本発明の第2の側面は,山留支保工構造に関する。山留支保工構造は,土留壁200と,上記した第1の側面に係る鋼材の組合せ構造体100と,補完鋼材300とを備える。土留壁200は,地盤の掘削面に当接するように立設する。組合せ構造体100は,土留壁200の掘削面側に主鋼材10が位置し,この主鋼材10と重合鋼材20が水平に並んだ状態で架け渡される。補完鋼材300は,主鋼材10の左右両端面11,12に端面を突き合わせた状態で接合される。つまり,組合せ構造体100と補完鋼材300は,腹起しとして機能する。なお,組合せ構造体100の重合鋼材20の端部には,他の鋼材(H形鋼など)を接合する必要はない。このように,本発明に係る組合せ構造体100は,山留支保工構造における腹起しとして利用することができる。
本発明に係る山留支保工構造において,重合鋼材20は,左右両端面21,22の両方又はいずれか一方から補強プレート30までの長手方向範囲である端部領域23に,火打ち梁400又は切梁500の端部が接合されていることが好ましい。このように,重合鋼材20の端部領域23に火打ち梁400又は切梁500の端部を接合しておくことで,主鋼材10と補完鋼材300の間の接合端面に生じたせん断力に対して効果的に抵抗力を付与することができる。
本発明に係る組合せ構造体において,重合鋼材20は,重合鋼材20の左右両端面21,22から主鋼材10の左右両端面11,12の延長線上までの両方又はいずれか一方の領域23aに,火打ち梁400又は切梁500の端部が接合されていてもよい。これにより,主鋼材10の強度をより強化することができる。これにより,主鋼材10と補完鋼材300の間の接合端面に生じたせん断力に対してより効果的に抵抗力を付与することができる。
本発明に係る山留支保工構造において,重合鋼材20は,主鋼材10の左右両端面11,12の両方又はいずれか一方の延長線上に火打ち梁400又は切梁500の端部が接合されていることが好ましい。このようにすることで,主鋼材10と補完鋼材300の間の接合端面に生じたせん断力に対する抵抗力をさらに効果的に付与することができる。
本発明の第3の側面は,上記第2の側面に係る山留支保工構造の構築方法に関する。本発明に係る構築方法は,地盤の掘削面に当接するように土留壁200を立設する工程と,土留壁2000の掘削面側に組合せ構造体100補完鋼材300を配置する工程とを含む。
本発明によれば,腹起しなどに利用可能な鋼材の組合せ構造体において,簡易な構造で接合端面のせん断抵抗強度を向上させることができる。
図1は,本発明に係る鋼材の組合せ構造体の一例を示した外観斜視図である。 図2は,図1に示した組合せ構造体の断面図である。 図3は,本発明に係る山留支保工構造の一例を示した外観斜視図である。 図4は,図2に示した山留支保工構造の平面図である。 図5は,山留支保工構造の別例を示した平面図である。 図6は,大引として利用される組合せ構造体の一例を示した断面図である。
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜変更したものも含む。
本願明細書において,「A〜B」という表現を使うときは,基本的に「A以上B以下」であることを意味する。また,本願図には,立体構造を分かりやすく示すために,XYZの三次元座標を示している。X軸及びY軸は平面方向を示し,Z軸は立体方向(鉛直方向)を示している。
[1.鋼材の組合せ構造体]
図1及び図2を参照して,鋼材の組合せ構造体100の構成について説明する。図1及び図2に示されるように,本発明に係る組合せ構造体100は,複数の鋼材をボルト接合又は溶接することによって構成されたものである。具体的に説明すると,組合せ構造体100は,基本的に直線状の主鋼材10と重合鋼材20とを含む。図1に示した例において,主鋼材100は,1つの鋼材により構成されている。他方で,重合鋼材20は,第1の鋼材20aと第2の鋼材20bの端面を溶接やボルト接合によって強固に繋ぎ合わせて構成されたものである。なお,主鋼材10も,重合鋼材20の様に複数の鋼材を溶接して形成されたものであってもよい。また,重合鋼材20は,複数の鋼材からなるものに制限されず,長さを確保できるのであれば1つの鋼材からなるものであってもよい。
主鋼材10と重合鋼材20を構成する鋼材としては,I形鋼やH形鋼などの公知の形鋼を用いることができる。また,これらの鋼材については,引張強度や断面係数などが同じ鋼材を用いることが可能である。このため,主鋼材10と重合鋼材20には既存の資材を有効活用することができ,組合せ構造体100を製造する際のコストを安価に抑えることができる。
重合鋼材20は,主鋼材10よりもその長手方向の長さが長くなる。図2に示されるように,重合鋼材20の長さL1に対して,主鋼材10の長さL2は,50〜95%であることが好ましく,70〜90%であることが特に好ましい。
図1及び図2に示されるように,主鋼材10と重合鋼材20は平行に並べられており,これらの主鋼材10と重合鋼材20の側面同士が接合されている。主鋼材10と重合鋼材20の側面には等間隔でボルト孔が形成されており,両鋼材10,20の側面はボルトによって接合されている。なお,両鋼材10,20の側面を溶接によって接合してもよい。
また,主鋼材10と重合鋼材20は,重合鋼材20の左右両端面21,22が主鋼材10の左右両端面11,12よりも長手方向に延出した状態で互いに接合されている。すなわち,長手方向において,主鋼材10の左端面11と重合鋼材20の左端面21の間には間隙G1が存在し,同様に主鋼材10の右端面12と重合鋼材20の右端面22の間には間隙G2が存在する。間隙G1と間隙G2は,等しい大きさであることが好ましいが,それらの大きさは異なっていてもよい。例えば,間隙G1は,間隙G2に対して80〜120%の長さであってもよい。また,間隙G1及びG2は,それぞれ,重合鋼材20の長さL1に対して,3〜25%であることが好ましく,5〜20%又は10〜15%であることが特に好ましい。このように,間隙G1及びG2は,一定以上の大きさが確保される。例えば,間隙G1及びG2は,それぞれ300〜3000mm,500〜2500mm,又は1000〜2000mmとすればよい。
図1及び図2に示されるように,本実施形態に係る組合せ構造体100は,補強プレート30をさらに備える。補強プレート30は,組合せ構造体100の強度を高めるための板状の鋼板である。補強プレート30は,重合鋼材20の側面のうち,主鋼材10と接合された側面と対向する側面に取り付けられる。例えば,補強プレート30は,重合鋼材20の側面にボルト接合してもよいし溶接してもよい。補強プレート30は,補強プレート30の長手方向の中央に配置すると良い。また,重合鋼材20が2つの鋼材20a,20bを接合してなるものである場合,補強プレート30によって2つの鋼材20a,20bの接合部分を覆うことが好ましい。また,補強プレート30の長手方向の長さPは,重合鋼材20の長さL2に対して20〜80%又は30〜70%とすることが好ましい。
本実施形態において,主鋼材10のうち,左右両端面11,12から補強プレート30までの長さ範囲を,それぞれ端部領域13としている。主鋼材10の左右の端部領域13には,それぞれ一又は複数の補剛材14が設けられている。補剛材14は,端面11,12と平行な面を有しており,主鋼材10の一方の側面から他方の側面まで延在している。このように,補剛材14を端部領域13に配置することで,主鋼材10に側面に付加された圧力に対する抵抗力を高めることができる。
同様に,重合鋼材20のうち,左右両端面21,22から補強プレート30までの長さ範囲を,それぞれ端部領域23としている。重合鋼材20の左右の端部領域23には,それぞれ一又は複数の補剛材24が設けられている。補剛材24は,端面21,22と平行な面を有しており,重合鋼材20の一方の側面から他方の側面まで延在している。このように,補剛材24を端部領域23に配置することで,組合せ構造体100全体の強度を高めることができる。
また,図1及び図2に示されるように,重合鋼材20に設けられた補剛材24のうちの1つは,主鋼材10の端面11,12の延長線上に存在している。これにより,主鋼材10の端面11,12に生じたせん断力に対する抵抗強度を,重合鋼材20の補剛材24によって効果的に高めることができる。また,その他の重合鋼材20の補剛材24は,主鋼材10に設けられた補剛材24の延長線上に配置すると良い。
[2.山留支保工構造]
続いて,図3から図5を参照して,上説した組合せ構造体100を用いて構築した山留支保工構造について説明する。本実施形態において,組合せ構造体100は,山留支保工構造の腹起しとして利用される。
山留支保工構造を構築する際には,まず複数の土留壁200を地中に打ち込み,これらの土留壁200によって直方体状(平面矩形状)の作業空間と成る領域を確保する。複数の土留壁200は,掘削進行方向(鉛直方向)に沿って打ち込まれるとともに,水平方向に並べ建てられて隙間のない壁面を形成する。図3及び図4に示した例では,ほぼ正方形状の作業空間が形成されており,4辺を画定する土留壁200はそれぞれ同じ長さを有している。他方で,図5に示した例では,対向する2辺の土留壁200が,他の2辺の土留壁200よりも長く延在しており,その結果,4辺の土留壁200によって囲われた作業空間は平面長方形状となっている。土留壁200としては,U形,Z形,H形,又は直線形などの鋼矢板を採用することが好ましい。また,土留壁200は,ソイルセメントのみから構成されるSMW(Soil Mixing Wall:ソイルセメント壁),あるいはソイルセメントとそれに埋設された芯材(H形鋼他)から構成されるSMWであってもよい。ただし,土留壁200は,その他の形鋼やコンクリートパイルなど,公知の部材を使用してもよい。
全ての土留壁200の打ち込みを終えた後,土留壁200によって囲われた作業領域を掘削しながら,4辺の土留壁200の掘削面側に位置するように,組合せ構造体100(腹起し)と補完鋼材300を配置する。このとき,組合せ構造体100は,主鋼材10を土留壁200に当接させるとともに,主鋼材10と重合鋼材20とを水平に並べた状態とする。また,主鋼材10の左右両端面11,12には,それぞれ補完鋼材300の端面を突き合わせた状態でボルト接合を行う。これにより,主鋼材10の延長線上に補完鋼材300が並ぶこととなる。また,前述したとおり,重合鋼材20は主鋼材10の端部から長手方向に延在するものであるため,重合鋼材20の端面側の一部は補完鋼材300の側面に接触する。このため,重合鋼材20の側面と補完鋼材300の側面とをボルト接合することが好ましい。このようにして,主鋼材10,重合鋼材20,及び左右2本の補完鋼材300が一体的に接合され,これらの組合せ構造体が腹起しとして機能する。このようにして,腹起し(組合せ構造体100と補完鋼材300)の配置が完了すると,腹起しは土留壁200を支持する機能を持つ。つまり,掘削面から土圧等の側圧荷重が土留壁200に与えられた場合であっても,腹起しが土留壁200を内側から支持することで,土留壁200の傾倒や掘削面の崩壊を阻止できる。
作業空間の角部においては,隣接する腹起しの同士の間に火打ち梁400が架設される。すなわち,火打ち梁400の一端部を,ある組合せ構造体100の重合鋼材20の側面に接合し,火打ち梁400の他端部を,隣接する別の組合せ構造体の重合鋼材20の側面に接合する。火打ち梁400は,公知のものを用いることができ,長さ調整のためのジャッキが備わっていてもよい。
また,図3及び図4に示されるように,火打ち梁400を設置する際には,火打ち梁400の端部が,重合鋼材20の端部領域23(端面21,22から補強プレート30までの長さ範囲)に位置していることが好ましい。より具体的には,図4では,主鋼材10と補完鋼材300の接合面の延長線を符号Aで示している。この場合に,火打ち梁400の端部は,主鋼材10と補完鋼材300の接合面の延長線A上に位置していることが好ましい。このようにすることで,火打ち梁400により,主鋼材10と補完鋼材300の間の接合端面に生じたせん断力に対する抵抗力を効果的に付与することができる。なお,図3に示されるように,火打ち梁400の端部の全部又は一部が,重合鋼材20の左右両端面21,22から主鋼材10の左右両端面11,12の延長線上までの領域23a(図1参照)に接合されていてもよい。
また,本発明の山留支保工構造では,組合せ構造体100の主鋼材10の端面に補完鋼材300を接合すれば充分な強度を得ることができるため,重合鋼材20の端面には補完鋼材等の資材を取り付ける必要がない。このため,従来の構造と比べて資材コストや建設コストを安く抑えることができる。
図5に示した山留支保工構造の例では,作業空間を長く確保するために,長尺の腹起しを採用している。この場合には,作業空間の一辺を構成する腹起しとして,前述した組合せ構造体100を長手方向に複数連結したものを用いる。図5に示されるように,隣接する組合せ構造体100は,重合鋼材20の端面同士をボルト接合することにより連結されている。また,隣接する組合せ構造体100において,主鋼材10同士の間に形成された空隙には補完鋼材300を介在させる。つまり,主鋼材10と補完鋼材300の端面をボルト接合し,2つの主鋼材10の間に補完鋼材300を配置している。
また,長尺の腹起しを採用した場合,その中央部分に大きな曲げモーメントが作用するため,これを抑制するために,対向する腹起し同士の間を架け渡すようにして一又は複数の切梁500を設置する。切梁500は,腹起し2の間に一本のみで架け渡されるものであってもよいし,複数の切梁500を長手方向に連結したものを腹起しの間に架け渡すようにしてもよい。このとき,腹起しと切梁500の接合状態を補強するために,腹起しの側面と切梁500の側面を繋ぐように斜め方向に延びる火打ち梁400をボルト接合することもできる。切梁500としては,鋼管,角型鋼管,丸型鋼管,H型鋼管など公知の部材を用いることができる。また,図5に示されるように,切梁500を配置する際には,切梁500の端部が,重合鋼材20の端部領域23(端面21,22から補強プレート30までの長さ範囲)に位置していることが好ましい。より具体的には,切梁500の端部は,主鋼材10と補完鋼材300の接合面の延長線上に位置していることが好ましい。このようにすることで,切梁500により,主鋼材10と補完鋼材300の間の接合端面に生じたせん断力に対する抵抗力を効果的に付与することができる。
[3.大引]
続いて,図6を参照して,鋼材の組合せ構造体100を大引として利用する場合の例について説明する。図6に示した構造では,鉛直方向に起立した複数の支柱600の間を架け渡すように,大引として機能する組合せ構造体100が水平に架設されている。組合せ構造体100の上方には床材などの重量のある資材が載置されるため,組合せ構造体100には上方から下方に向けて圧力が加わることとなる。このため,組合せ構造体100を大引として利用する際には,主鋼材10を上側に向けて配置し,その下側に重合鋼材20を配置し,重合鋼材20と支柱600とを連結する。
主鋼材10と重合鋼材20は,重合鋼材20の左右両端面21,22が主鋼材10の左右両端面11,12よりも長手方向に延出した状態となるように,側面同士がボルト接合されている。また,主鋼材10と重合鋼材20の端面の間隙を埋めるために補完鋼材300を配置することもできる。さらに,重合鋼材20の長手方向中の下面には,補強プレート30を設置するとよい。
また,図6に示されるように,本実施形態の構造では,支柱600の上端部が,重合鋼材20の端部領域23(端面21,22から補強プレート30までの長さ範囲)に位置していることが好ましい。より具体的には,支柱600の端部は,主鋼材10と補完鋼材300の接合面の延長線上に位置していることが好ましい。このようにすることで,支柱600により,主鋼材10と補完鋼材300の間の接合端面に生じたせん断力に対する抵抗力を効果的に付与することができる。なお,支柱600の上端部の全部又は一部が,重合鋼材20の左右両端面21,22から主鋼材10の左右両端面11,12の延長線上までの領域23a(図1参照)に接合されていてもよい。
以上のように,本発明に係る鋼材の組合せ構造体100は,腹起しとしてだけでなく,大引としても利用することができる。また,組合せ構造体100の利用用途はこれらに限定されず,架設構造用の資材として幅広く利用することができる。
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
本発明は,例えば山留用の支保工の仮設工事を主とする土木・建築業において好適に利用し得る。
10…主鋼材 11…左端面
12…右端面 13…端部領域
14…補剛材 20…重合鋼材
21…左端面 22…右端面
23…端部領域 24…補剛材
30…補強プレート 100…組合せ構造体(腹起し,大引)
200…土留壁 300…補完鋼材
400…火打ち梁 500…切梁
600…支柱

Claims (10)

  1. 直線状の主鋼材(10)と,
    前記主鋼材(10)と平行に配置され前記主鋼材(10)の側面に接合された直線状の重合鋼材(20)とを備え,
    前記重合鋼材(20)の左右両端面(21,22)が前記主鋼材(10)の左右両端面(11,12)よりも長手方向に延出した状態で,前記主鋼材(10)と前記重合鋼材(20)が接合されている
    組合せ構造体。
  2. 前記主鋼材(10)に接合された側面とは反対側の前記重合鋼材(20)の側面に,補強プレート(30)が取り付けられている
    請求項1に記載の組合せ構造体。
  3. 前記主鋼材(10)は,少なくとも前記左右両端面(11,12)から前記補強プレート(30)までの長手方向範囲である端部領域(13)に一又は複数の補剛材(14)を有する
    請求項2に記載の組合せ構造体。
  4. 前記重合鋼材(20)は,少なくとも前記左右両端面(21,22)から前記補強プレート(30)までの長手方向範囲である端部領域(23)に一又は複数の補剛材(24)を有する
    請求項2又は請求項3に記載の組合せ構造体。
  5. 前記重合鋼材(20)の補剛材(24)は,前記主鋼材(10)の左右両端面(11,12)の両方又はいずれか一方の延長線上に配置されている
    請求項4に記載の組合せ構造体。
  6. 地盤の掘削面に当接するように立設した土留壁(200)と,
    前記土留壁(200)の掘削面側に前記主鋼材(10)が位置し,前記主鋼材(10)と前記重合鋼材(20)が水平に並んだ状態で架け渡された請求項1から請求項5のいずれかに記載の組合せ構造体(100)と,
    前記主鋼材(10)の左右両端面(11,12)に端面を突き合わせた状態で接合された補完鋼材(300)とを備える
    山留支保工構造。
  7. 前記重合鋼材(20)は,前記重合鋼材(20)の左右両端面(21,22)の両方又はいずれか一方から前記補強プレート(30)までの長手方向範囲である端部領域(23)に,火打ち梁(400)又は切梁(500)の端部が接合されている
    請求項2を引用する請求項6に記載の山留支保工構造。
  8. 前記重合鋼材(20)は,前記重合鋼材(20)の左右両端面(21,22)から前記主鋼材(10)の左右両端面(11,12)の延長線上までの両方又はいずれか一方の領域(23a)に,火打ち梁(400)又は切梁(500)の端部が接合されている
    請求項7に記載の山留支保工構造。
  9. 前記重合鋼材(20)は,前記主鋼材(10)の左右両端面(11,12)の両方又はいずれか一方の延長線上に火打ち梁(400)又は切梁(500)の端部が接合されている
    請求項6から請求項8のいずれかに記載の山留支保工構造。
  10. 請求項6に記載の山留支保工構造の構築方法であって,
    前記土留壁(200)を立設する工程と,
    前記土留壁(200)の掘削面側に前記組合せ構造体(100)及び前記補完鋼材(300)を配置する工程とを含む
    構築方法。
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