JPH08113255A

JPH08113255A - 閉止装置

Info

Publication number: JPH08113255A
Application number: JP6248185A
Authority: JP
Inventors: Koichi Takamatsu; 浩一高松
Original assignee: SHIBASAKI SEISAKUSHO KK
Current assignee: SHIBASAKI SEISAKUSHO KK
Priority date: 1994-10-13
Filing date: 1994-10-13
Publication date: 1996-05-07

Abstract

(57)【要約】【目的】簡単な構造であって、良好なタンパーエビデ
ンス性を発揮し得るキャップを備えた閉止装置の提供を
目的としている。【構成】口部外周に雄ネジ71が形成された容器70と、
それに装着され開栓時に本体と切り離されるＴＥリング
部58を有する合成樹脂製のキャップ50とからなる閉止装
置において、ＴＥリング部58の内壁面に、ネジ山の終端
59bから間隔をおいてその延長線上に係止突起60が設け
られ、容器70のネジ谷内に、容器口部70aとキャップ50
との螺合が完了した状態で係止突起60に係合する係止段
部75が設けられ、係止突起60のネジ山終端59b側の端面
と係止段部75の一側面との当接によりＴＥリング部58の
開栓方向への回転が阻止されるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、口部外周にネジ部が形
成された容器と、その容器口部に螺着嵌合され、開栓時
に筒部下部に連結されたタンパーエビデンスリング部が
キャップ主部から切り離されて開栓を表示するタンパー
エビデンス性を有する合成樹脂製キャップとからなる閉
止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、口部にネジ部が形成された容
器と、その容器口部に螺着嵌合され、開栓時に筒部下部
に連結された開栓表示リング部がキャップ主部から切り
離されて開栓を表示する機能（ピルファープルーフ特性
又はタンパーエビデンス性と称される）を有する合成樹
脂製キャップとからなる閉止装置として、各種の形状の
ものが提案されている。

【０００３】図７は、従来の閉止装置の一例として特公
昭５２−１４６７７号公報に記載されたキャップとそれ
に対応する容器とからなる閉止装置を示すものである。
この閉止装置は、頂部３と、頂部周縁から下方に延びそ
の内側にねじ５を有する筒部４と、キャップ本体２を開
封方向に回すとき容体逆止突起１４とキャップ逆止突起
８との逆止力により破断されるブリッジ６と、このブリ
ッジ６によりキャップ本体２から区画された環状体７と
を備えたキャップ１と、このキャップ１が装着されるよ
うに、口部１２に雄ねじ１３が形成されるとともに、こ
の雄ねじ１３の下部に容体逆止突起１４が形成された容
器１１とからなる閉止装置が記載されている。この閉止
装置は、キャップ１を開栓方向に回すと、キャップ１の
環状体７内面に設けられたキャップ逆止突起８が、容器
１１に設けられた容体逆止突起１４に係合し、それによ
って環状体７の回転が阻止され、ブリッジ６が切断され
てキャップ本体２から環状体７が切り離されるようにな
っている。

【０００４】図８は、従来の閉止装置の他の例として特
公平１−３０７０２号公報に記載された合成樹脂製容器
蓋（キャップ）を示すものであり、外周面に雄ねじ３１
と該雄ねじ３１の下方に設けられたあご部３２とが形成
されている容器口部３０を備えた容器と、これに装着さ
れるキャップ２０が記載されている。このキャップ２０
は、天板部２１とその周縁部から垂下する筒部２２とを
具備し、該筒部２２には周方向に延びる複数個のスリッ
ト２３と該スリット間に存在するブリッジ２４によって
規定された破断ライン２５が形成され、筒部２２が破断
ライン２５より上方の主部２６と破断ラインより下方の
ピルファープルーフ裾部２７とに区画されており、該主
部２６の内面には容器口部３０の雄ねじ３１に螺合する
ねじ部２８が形成されており、ピルファープルーフ裾部
２７の内面には半径方向内方に突出する複数個の突起２
９が、ブリッジ２４と離れた位置に形成されている。こ
の突起２９は、図９に示すように軸線方向下方から上方
に向って半径方向内方への突出量が漸次増大するような
形状で形成されている。

【０００５】この閉止装置では、キャップ２０を容器口
部３０に装着する際には、ピルファープルーフ裾部２７
が弾性変形して突起２９が容器口部３０のあご部３２を
乗り越えその下方に入り込む。そして、容器口部３０に
装着されたキャップ２０を開栓方向に回すと、ピルファ
ープルーフ裾部２７の内面に設けられた突起２９が容器
口部３０のあご部下端に係止して、ピルファープルーフ
裾部２７の上方への移動を阻止し、その結果キャップ２
０の主部２６とピルファープルーフ裾部２７とを連結す
るブリッジ２４に引張力が作用し、ブリッジ２４が破断
され、ピルファープルーフ裾部２７が切り離される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の閉止装置には次のような問題があった。前者の
特公昭５２−１４６７７号公報に記載された閉止装置
は、キャップ１を容器口部１１に装着する際に、環状体
７内面に形成されているキャップ逆止突起８又は容器口
部１１に形成されている容体逆止突起１４を圧縮し両者
を相対的に回転させることが必要であるが、これら逆止
突起を圧縮するには、キャップに相当大きなトルクを加
える必要があり、従ってキャップ１の装着が比較的困難
であり、またキャップに加えられる相当大きなトルクに
起因してキャップ装着時にブリッジが破断されてしまう
欠点がある。その欠点を解決するためには、逆止突起の
突出量を小さくするか或いは逆止突起を軟質又は柔軟な
ものにすることが考えられるが、そのようにすると容器
口部１１にキャップ１を装着した後におけるキャップ逆
止突起８と容体逆止突起１４との係合が不十分なものに
なり、開封表示によるタンパーエビデンス性が損なわれ
ることになる。

【０００７】また後者の特公平１−３０７０２号公報に
記載されたキャップ２０は、ピルファープルーフ裾部２
７の突起２９とブリッジ２４とを離して設けたことによ
って、キャップ２０を容器口部３０に装着する際に突起
２９が容器口部３０のあご部３２を乗り越えるときにピ
ルファープルーフ裾部２７が弾性変形してもブリッジ２
４が破断されるのを防いでいる。しかし、このキャップ
２０は、開栓時にピルファープルーフ裾部２７の内面に
設けられた突起２９が容器口部３０のあご部下端に係止
してピルファープルーフ裾部２７の上方への移動を阻止
し、その結果キャップ２０の主部２６とピルファープル
ーフ裾部２７とを連結するブリッジ２４に作用する引張
力でブリッジ２４を破断する構造になっているために、
キャップを合成樹脂で形成した場合には、ブリッジ２４
に引張力が作用するとブリッジ２４が簡単に引き延さ
れ、これを破断させるにはキャップ本体を開栓方向にか
なりの角度回転させなければならなかった。

【０００８】この種のタンパーエビデンス性を有するキ
ャップにあっては、容器口部に装着されたキャップを最
初の位置から開栓方向に回す時、容器口部の上端がキャ
ップ内面或いはライナー等から離れて容器の密封性が解
除された時点の回転角度（シールリリースアングル；以
下Ｓ.Ｒ.Ａという）と、容器口部に装着されたキャップ
を最初の位置から開栓方向に回す時、ブリッジが切断さ
れる位置までの回転角度（ブリッジブレークアングル；
以下Ｂ.Ｂ.Ａという）との関係が、Ｓ.Ｒ.Ａ−Ｂ.Ｂ.Ａ
＝０度以上、好ましくは３０度以上あることが望ましい
とされる。即ち、キャップ開栓時に、容器口部上端がラ
イナー等から離れて密封シールが解除される以前にブリ
ッジが切断されることが望ましいとされている。上述し
たキャップ２０にあっては、ブリッジ２４の延びによっ
てＢ.Ｂ.Ａが大きくなり、Ｓ.Ｒ.Ａ−Ｂ.Ｂ.Ａ＝０度以
下になる場合があり、タンパーエビデンス性の向上の観
点から改善すべき点があった。

【０００９】さらに、このキャップ２０を容器口部３０
に装着する際に、ピルファープルーフ裾部２７が弾性変
形することによって突起２９が容器口部３０のあご部３
２を乗り越えるものであり、たとえピルファープルーフ
裾部２７の突起２９とブリッジ２４とを離して設けたと
しても、ブリッジ２４の機械強度が弱いとキャップ螺着
時にブリッジ２４が破断される場合があり、かかる不都
合を防止するためにはブリッジ２４の強度を高めるか或
いは図９中の符号３４，３５に示すように破断ライン２
５の上下に係合片を設け、キャップ螺着時にブリッジ２
４が切断されるのを防止することが考えられる。しか
し、ブリッジ２４の強度を高めると、キャップの開栓が
困難となったり、ブリッジ２４が切れなくなってタンパ
ーエビデンス性が損なわれるおそれがあり、また破断ラ
イン２５の上下に係合片を設けることは通常のキャップ
製造工程では困難であり、特別の製造工程が必須とな
り、製造コストの上昇を招いてしまうことになる。

【００１０】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、簡単な構造であって、上述したような従来品による
問題点を解消でき、良好なタンパーエビデンス性を発揮
し得るキャップを備えた閉止装置の提供を目的としてい
る。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明にかかる閉止装置
は、口部外周にネジ部が形成された容器と、天板部とそ
の周縁から垂下する筒部とを備え、この筒部の下部に複
数のブリッジを残して水平スコアによって主部と区画さ
れたタンパーエビデンスリング部が形成され、かつ該筒
部の内面に上記容器のネジ部と螺合するネジ部が設けら
れた合成樹脂製キャップとからなる閉止装置において、
上記キャップのタンパーエビデンスリング部の内壁面
に、ネジ山の終端から間隔をおいてその延長線上に係止
突起が設けられ、かつ上記容器のネジ谷内に、上記容器
口部と上記キャップとの螺合が完了した状態で上記係止
突起に係合する係止段部が設けられ、上記係止突起のネ
ジ山終端側の端面と上記係止段部の一側面との当接によ
りタンパーエビデンスリング部の開栓方向への回転が阻
止されるものである。

【００１２】本発明の他の態様では、口部外周にネジ部
が形成され、該ネジ部の下方に径方向外方に膨出する環
状の膨出段部が形成された容器と、天板部とその周縁か
ら垂下する筒部とを備え、この筒部の下部に複数のブリ
ッジを残して水平スコアによって主部と区画されたタン
パーエビデンスリング部が形成され、かつ該筒部の内面
に上記容器のネジ部と螺合するネジ部が設けられた合成
樹脂製キャップとからなる閉止装置において、上記キャ
ップのタンパーエビデンスリング部の内壁面に、ネジ山
の終端から間隔をおいてその延長線上に係止突起が設け
られ、かつ上記容器の膨出段部に、ネジ谷の終端から間
隔をおいてその延長線上に上記容器口部と上記キャップ
との螺合が完了した状態で上記係止突起が嵌入される係
止溝が設けられ、上あ記係止突起のネジ山終端側の端面
と上記係止溝のネジ谷終端側の端面との当接によりタン
パーエビデンスリング部の開栓方向への回転が阻止され
るものである。

【００１３】上記係止突起と係止段部が設けられた閉止
装置において、上記係止突起のキャップ径方向内方への
突出量が、ネジ山終端側からその反対側へ向かって漸次
減少され、かつ上記係止段部の容器口部径方向外方への
突出量が、一側面側からその反対側へ向かって漸次減少
されていることが望ましい。

【００１４】また上記係止突起と係止溝が設けられた閉
止装置においては、上記係止突起のキャップ径方向内方
への突出量が、ネジ山終端側からその反対側へ向かって
漸次減少され、かつ上記容器口部のネジ谷の終端と係止
溝の始端との間における容器口部外径が、係止溝始端か
らネジ谷終端へ向かって漸次縮径されていることが望ま
しい。

【００１５】上記係止突起と係止段部が設けられた閉止
装置において、上記係止突起のネジ山終端側の端面の立
上がり角度と、上記係止段部の一側面の立上がり角度と
が等しく、その角度が６０〜１２０度であることが望ま
しい。

【００１６】また上記係止突起と係止溝が設けられた閉
止装置においては、上記係止突起のネジ山終端側の端面
の立上がり角度と、上記係止溝のネジ谷終端側の端面の
立上がり角度とが等しく、その角度が６０〜１２０度で
あることが望ましい。

【００１７】本発明の閉止装置において、容器のネジ部
およびキャップのネジ部に多条ネジが設けられ、タンパ
ーエビデンスリング部内壁面に複数の係止突起が設けら
れた構成としてもよい。またこの構成の閉止装置におい
て、上記多条ネジの位相を、ネジの条数で３６０度を除
した角度ずらして配置し、上記複数の係止突起を等間隔
に設けることが好ましい。

【００１８】本発明の閉止装置において、キャップのタ
ンパーエビデンスリング部に、このタンパーエビデンス
リング部をバンド状に開環させる垂直スコアを設けて良
い。あるいは、キャップの筒部に設けられた水平スコア
が、一つの幅広ブリッジと複数の幅狭ブリッジとを残し
て筒部とタンパーエビデンスリング部とを区画するよう
に形成されるとともに、該幅広ブリッジの端部に隣接し
て、このタンパーエビデンスリング部をバンド状に開環
させる垂直弱化線を設けた構成としても良い。

【００１９】本発明の閉止装置においては、容器口部に
装着されたキャップを開栓方向に回転させ、ブリッジが
切断される位置までの回転角度であるブリッジ破壊角度
が９０度以下であることが望ましい。

【００２０】

【作用】本発明の閉止装置は、キャップのタンパーエビ
デンスリング部の内壁面に、ネジ山の終端から間隔をお
いてその延長線上に係止突起を設け、容器口部のネジ谷
内に係止段部を設けた構成としたことにより、キャップ
を容器口部に装着させる際にキャップを閉栓方向に回転
させると、キャップの係止突起は容器口部のネジ部のネ
ジ谷内を下方へ移動し、さらに係止段部を乗り越え、キ
ャップと容器口部との螺合が完了した状態で係止段部と
係合するようになっている。そしてキャップ開栓時に
は、容器口部に装着されたキャップを開栓方向に回す
と、係止突起のネジ山終端側の端面と係止段部の一側面
とが当接することによって、タンパーエビデンスリング
部の開栓方向への回転が阻止され、その結果キャップを
開栓方向に回す回転力が直接ブリッジに作用し、ブリッ
ジが容易に切断される。

【００２１】また、係止突起のキャップ径方向内方への
突出量が、ネジ山終端側からその反対側へ向かって漸次
減少され、かつ係止段部の容器口部径方向外方への突
出量が、一側面側からその反対側へ向かって漸次減少さ
れていると、キャップの係止突起が容器口部の係止段部
を乗り越える際に、係止突起の傾斜面と係止段部の傾斜
面とが当接しながら容易に乗り越えることができ、キャ
ップの装着をスムーズに行なうことができる。

【００２２】さらに係止突起のネジ山終端側の端面の立
上がり角度と、係止段部の一側面の立上がり角度とが等
しく、その角度が６０〜１２０度であると、キャップを
開栓方向へ回転させた際に、係止突起と係止段部とが確
実に係合してブリッジを確実に切断することができる。

【００２３】また容器口部およびキャップのネジ部を２
条以上の多条ネジとして、各条のネジ部についてそれぞ
れ係止突起および係止段部を設けると、係止突起と係止
段部とが複数個所で係合することになるので、キャップ
の回転力を複数のブリッジに作用させることができる。
さらに、多条ネジとする場合に、多条ネジの各ネジの位
相をネジの条数で３６０度を除した角度ずらして配置
し、上記複数の係止突起を等間隔に設けることによっ
て、複数のブリッジに均一に力を作用させることがで
き、ブリッジの切断がより容易となり、しかも容器口部
に装着されたキャップを開栓方向に回転させ、ブリッジ
が切断される位置までの回転角度であるブリッジ破壊角
度（Ｂ.Ｂ.Ａ）を９０度、好ましくは４５度以下と小さ
くすることが可能となる。

【００２４】また、キャップのタンパーエビデンスリン
グ部に、このタンパーエビデンスリング部をバンド状に
開環するための垂直スコアあるいは垂直弱化線を設ける
ことにより、キャップ開栓時に水平スコアが切断されて
キャップの主部からタンパーエビデンスリング部が切り
離されるとともに、タンパーエビデンスリング部がバン
ド状に開環され、容器口部から容易に取り外しができ
る。

【００２５】また、本発明の閉止装置の他の態様であっ
て、容器口部に膨出部が設けられ、該膨出部に係止溝が
設けられた構成のものにあっては、該膨出部におけるネ
ジ谷終端と係止溝始端との間が、係止突起と係合する段
部となり、容器口部に上記係止段部が設けられた構成の
ものと同様の作用効果が得られる。

【００２６】

【実施例】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。図１および図２は本発明にかかる閉止装置の一実施
例を示すものであり、図１（ａ）はキャップの断面図、
図１（ｂ）は容器口部の正面図、図２はキャップを容器
口部に装着した状態を示す横断面図である。これらの図
中符号５０はキャップ、６０は係止突起、７０は容器、
７５は係止段部である。キャップ５０はポリプロピレン
などの合成樹脂から作られている。また容器７０は、ポ
リエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）などの合成樹脂か
ら作られている。なお、容器７０は本実施例に限定され
ることなくガラス容器であっても良い。

【００２７】キャップ５０は、円形をなす天板部５１
と、この天板部５１の周縁から垂下する筒部５２とから
なるキャップ本体５３と、このキャップ本体５３の天板
部５１内面側に設けられた薄肉状のライナー５４とを備
えて構成されている。上記筒部５２は、複数の細いブリ
ッジ５５を残して水平スコア５６により、水平スコア５
６より上部の主部５７と、水平スコア５６より下部のタ
ンパーエビデンスリング部（以下、ＴＥリング部とい
う）５８とに区画されている。この筒部５２の内壁面に
は、容器７０の口部外周に形成された雄ネジ７１と螺合
するネジ部５９が形成されている。また、ＴＥリング部
５８の内壁面には、ネジ部５９のネジ山の終端５９ｂか
ら間隔をおいてネジ山の延長線上に係止突起６０が設け
られている。

【００２８】ネジ部５９は筒部５２の内壁にネジ山が螺
旋状に形成されてなっている。本実施例において、ネジ
山は天板部５１近傍に形成された始端５９ａからＴＥリ
ング部５８に形成された終端５９ｂまで、ブリッジ５５
および水平スコア５６を横断する部分を除いて、連続し
た螺旋状に形成されている。ネジ山の断面形状は台形状
あるいはその角に丸みがついた形状等、適宜設計するこ
とができる。ネジ山の始端５９ａおよび終端５９ｂにお
いては、ネジ山の高さが先端に向かって漸次低くなり、
かつネジ山の幅が先端に向かって漸次細くなるように、
先細りの形状に形成されている。ネジ山の高さ、幅、ピ
ッチはキャップの大きさ等によって適宜変更が可能であ
る。例えば、本実施例ではネジ山の高さを１．３ｍｍ、
幅を１．８ｍｍ、ピッチを３．２ｍｍとした。また、ネ
ジ山は連続していなくてもよく、図３に示すように、こ
のキャップ５０により密閉された容器７０内のガス抜き
のために、筒部５２の内壁面に、ネジ山をキャップ軸線
方向に横断する複数の溝６１を設けて、ネジ山を不連続
な形状としてもよい。

【００２９】係止突起６０のキャップ軸線方向の幅は、
ネジ山の幅よりも大きくならないように形成される。係
止突起６０のキャップ径方向の高さ（径方向内方への突
出量）は、ネジ山の高さよりも高くならないように形成
される。係止突起６０の幅は大きいほうが、また高さは
高いほうが容器７０の係止段部７５との係合がより確実
となるので、好ましくはネジ山と同様の幅および高さに
形成される。係止突起６０の断面形状は、断面積が大き
いほうが係止段部との係止面が大きくなって好ましい
が、ネジ山よりも大きい形状とすると、容器７０のネジ
谷内を移動できなくなるので、ネジ山と同様の台形状あ
るはその角に丸みがついた形状等に好ましく形成され
る。

【００３０】またキャップを閉栓方向に回転させた際の
進行方向の前方となる係止突起６０の一端６０ａにおい
て、係止突起６０の突出量（高さ）がその一端６０ａか
ら他端６０ｂへ向かって漸次増大する傾斜部が形成され
ている。この傾斜部の形状は適宜設計可能である。さら
に係止突起６０の幅は一端６０ａの先端に向かって漸次
細くなるように形成されて、先細りの形状となってい
る。係止突起６０のキャップ周方向の長さは、長すぎる
と係止突起６０が係止段部７５を乗り越えるための移動
距離が長くなる。また短すぎると、係止突起６０の一端
６０ａと他端６０ｂとの間の突出量の変化が急峻なもの
となる。したがって、係止突起６０はある程度の長さを
有するように形成され、好ましくは１〜１０ｍｍ程度の
長さとされる。

【００３１】また、係止突起６０のネジ山終端５９ｂ側
の端面６０ｃの立上がり角度αが、好ましくは６０〜１
２０度となるように形成される。この角度αが小さいほ
ど係止突起６０と係止段部７５との係合がより確実なも
のとなるが、小さすぎると係止突起６０が係止段部７５
を乗り越えた状態と、係止突起６０の上記端面６０ｃと
係止段部７５の一側面７５ｃとが当接してこれらが係合
する状態との間に遊びが生じてＢ.Ｂ.Ａが大きくなって
しまうので好ましくない。さらに、ネジ山の終端５９ｂ
と係止突起６０との間隔は、係止段部７５の容器口部周
方向の長さよりも長く形成されていればよく、設計上適
宜変更が可能である。例えば、ネジ山の終端５９ｂを水
平スコア５６よりも上方の主部５７の内壁面に形成し、
その延長線上であってＴＥリング部５８の内壁に、係止
突起６０を設ける構成としてもよい。

【００３２】容器７０は、その口部７０ａの上部外周に
雄ネジ７１が形成され、雄ネジ７１の下方に環状に膨出
した膨出段部７２が設けられ、またその下方の首部には
フランジ７３が形成されている。さらに雄ネジ７１のネ
ジ谷終端７４ｂから間隔をおいて、その延長線上に係止
溝７６が形成されており、ネジ谷終端７４ｂと係止溝７
６との間の部分が係止段部７５となっている。雄ネジ７
１は容器口部７０ａ外周に、ネジ谷が螺旋状に形成され
てなっており、キャップ５０のネジ部５９と雄ネジ７１
とが螺合した際に、キャップ５０のネジ山が、このネジ
谷内に嵌り込むようになっている。容器口部７０ａ上端
近傍のネジ谷の始端７４ａにおいて、ネジ谷の幅が容器
口部７０ａの上端に向かって漸次広くなるように形成さ
れている。またネジ谷の終端７４ｂは、先端に向かって
ネジ谷の幅が漸次細くなり、かつネジ谷の深さが漸次浅
くなるように形成されている。ネジ谷の深さ、幅、ピッ
チはキャップ５０のネジ部の構成に応じて適宜設計され
る。

【００３３】ネジ谷終端７４ｂの延長線上にはネジ谷と
同様の形状の係止溝７６が形成されており、ネジ谷終端
７４ｂとこの係止溝７６との間が係止段部７５となって
いる。本実施例において係止溝７６は膨出段部７２に設
けられている。キャップ５０と容器口部７０ａとを閉栓
方向に螺合させた際に、係止突起６０と最初に接する係
止段部７５の一端７５ａにおいて、係止段部７５の容器
径方向への高さがその一端７５ａから他端７５ｂへ向か
って漸次高くなる傾斜部が形成されている。上記係止段
部７５は膨出段部７２の外周面から突出しないように形
成される。係止段部７５の容器口部７０ａ周方向の長さ
は、長すぎると係止突起６０が係止段部７５を乗り越え
るための移動距離が長くなり好ましくない。係止段部７
５の長さは、好ましくは１〜１０ｍｍ程度に形成され
る。

【００３４】また、係止溝７６のネジ谷終端側の端面の
立上がり角度βは、上記係止突起６０の端面６０ｃの立
上がり角度αと同じ角度に形成される。さらに、係止溝
７６の容器口部７０ａ周方向の長さは、キャップ５０の
係止突起６０のキャップ周方向の長さよりも長ければよ
く、特に限定されない。係止段部７５は、容器口部７０
ａとキャップ５０との螺合が完了した状態で係止突起６
０と係止段部７５とが係合する位置に設けられる。した
がって、ネジ溝終端７４ｂが形成される位置は、キャッ
プ５０のネジ山終端５９ｂの位置にかかわらず、係止突
起６０の位置に応じて決まる。

【００３５】本実施例による閉止装置の使用方法につい
て説明する。容器７０は、所望の内容液を充填した後、
図示略のキャップ装着装置に搬送され、フランジ７３の
下面を支承し、好ましくは懸吊状態で搬送しつつ、その
口部７０ａにキャップ５０を螺着嵌合し、キャップ５０
を装着して密封する。

【００３６】キャップ５０を容器口部７０ａに装着する
際に、キャップ５０を閉栓方向に回転させると、キャッ
プ５０の係止突起６０は、容器口部７０ａのネジ部７１
のネジ谷に沿って下方へ移動する。そして、係止突起６
０が係止段部７５に当接しても、係止突起６０の傾斜部
と係止段部７５の傾斜部とが当接しながら、容易に係止
段部７５を乗り越えることができる。そしてキャップ５
０と容器口部７０ａとの螺合が完了した状態で、図２に
示すように、係止突起６０と係止段部７５とが係合す
る。また容器口部７０ａの上端および外周面は、キャッ
プ５０の天板５１内面に設けられた軟質樹脂からなるラ
イナー５４に圧接し、それによって容器７０が密封され
ている。

【００３７】この閉止装置を開栓する場合、容器口部７
０ａに装着されたキャップ５０を開栓方向に回すと、係
止突起６０の端面６０ｃと係止段部７５の一側面７５ｃ
とが当接し、ＴＥリング部５８の開栓方向への回転が阻
止される。キャップ５０の主部５７は開栓方向に回さ
れ、ＴＥリング部５８は回転を阻止されることから、主
部５７とＴＥリング部５８とを連結している複数のブリ
ッジ５５は主部５７の回転に従って急激に横方向に引っ
張られ、直ちに切断される。その結果、キャップ５０の
主部５７からＴＥリング部５８が切り離された状態とな
る。主部５７から切り離されたＴＥリング部５８は、若
干下方に滑り落ちるようになっている。このブリッジ５
５が切断された時点では、容器口部７０ａの上端および
上端近傍の外周面にはライナー５４が当接しており、容
器７０の密封性が維持されている。キャップ５０の主部
５７をさらに開栓方向に回すと、容器口部７０ａの上端
および上端近傍の外周面からライナー５４が離れ、容器
７０の密封シールが解放される。さらに主部５７を回し
て容器口部７０ａから取り外す。

【００３８】この実施例の閉止装置では、キャップ５０
のＴＥリング部５８に係止突起６０を設け、容器口部７
０ａの膨出段部７２に係止段部７５を設け、容器口部７
０ａに装着されたキャップ５０を開栓方向に回すとき
に、係止突起６０の端面６０ｃが係止段部７５の一側面
７５ｃに当接されてＴＥリング部５８の回転が阻止さ
れ、その結果キャップ５０を開栓方向に回す回転力が直
接ブリッジ５５に作用し、ブリッジ５５が容易に切断さ
れる。従って、この実施例の閉止装置によれば、容器口
部７０ａに装着されたキャップ５０を開栓方向に回転さ
せ、ブリッジ５５が切断される位置までの回転角度であ
るブリッジ破壊角度（Ｂ.Ｂ.Ａ）を９０度以下、望まし
くは４５度以下と小さくすることが可能となる。

【００３９】また、本実施例の閉止装置では、係止突起
６０および係止段部７５に傾斜部を形成したことによ
り、キャップ５０を容器口部７０ａに装着する際には、
係止突起６０が係止段部７５を容易に乗り越えることが
でき、ブリッジ５５に余分な力を加えることなく装着す
ることができる。従って、この閉止装置のキャップ７０
は、キャップ装着時のブリッジ切断防止のために特別な
手段を設けることなく、キャップ装着時のブリッジ切断
を防止することができる。

【００４０】図４は本発明の閉止装置の第２の実施例を
示すものである。この実施例が上記の実施例と異なる点
は、キャップ５０および容器口部７０に形成されるネジ
部が、上記実施例では一条ネジであるのに対して、この
第２の実施例では二条ネジとなっている点である。そし
て本実施例では、キャップ５０の筒部５２の内壁面に二
条ネジが形成されるとともに、ＴＥリング部５８の内壁
面に各条のネジ山の終端から間隔をおいてその延長線上
に、それぞれ係止突起６０、６０が設けられている。ま
た容器口部７０ａの外周面に二条ネジが形成されるとと
もに、膨出段部７２に各条のネジ谷の終端７４ｂから間
隔をおいてその延長線上に、それぞれ係止溝７６が設け
られ、ネジ谷終端７４ｂと係止溝７６との間がそれぞれ
係止段部７５、７５となっている。本実施例において、
二条ネジは、各条のネジの位相が１８０度ずらして設け
られており、２つの係止突起６０、６０が対向する位置
に設けられている。また２つの係止段部７５、７５も、
膨出段部７２外周面の対向する位置に設けられている。

【００４１】この第２の実施例の閉止装置によれば、キ
ャップ５０の係止突起６０、６０と容器口部７０ａの係
止段部７５、７５とを等間隔な２個所で係合させるの
で、複数のブリッジ５５に対して均一に力を作用させる
ことができ、少ない回転角度でブリッジ５５が容易に切
断できる。したがって、一条ネジの場合よりもＢ.Ｂ.Ａ
を小さくすることが可能となる。

【００４２】図５は本発明の閉止装置の第３の実施例を
示すものである。この実施例は、キャップ５０および容
器口部７０ａに三条ネジを形成したものである。本実施
例では、キャップ５０の内面に三条ネジが形成されると
ともに、ＴＥリング部５８の内壁面に各条のネジ山の終
端５９ｂから間隔をおいてその延長線上に、それぞれ係
止突起６０、６０、６０が設けられている。また容器口
部７０ａ外周面に三条ネジが形成されるとともに、膨出
段部７２に各条のネジ谷の終端７４ｂから間隔をおいて
その延長線上に、それぞれ係止溝７６が設けられ、ネジ
谷終端７４ｂと係止溝７６との間がそれぞれ係止段部７
５、７５、７５となっている。本実施例において、三条
ネジは、各条のネジの位相が６０度ずらして設けられて
おり、３つの係止突起６０、６０、６０がキャップ５０
の周方向に等間隔で設けられている。また３つの係止段
部７５、７５、７５も、膨出段部７２外周面に、周方向
に等間隔で設けられている。

【００４３】この第３の実施例の閉止装置によれば、キ
ャップの係止突起６０、６０、６０と容器口部の係止段
部７５、７５、７５とを等間隔な３個所で係合させるの
で、複数のブリッジ５５に対して均一に力を作用させる
ことができ、少ない回転角度でブリッジ５５が容易に切
断できる。したがって、二条ネジの場合よりもＢ.Ｂ.Ａ
を小さくすることが可能となる。

【００４４】図６は本発明の閉止装置の第４の実施例を
示すものである。この実施例による閉止装置は、上記実
施例での閉止装置とほぼ同様の構成要素を備えて構成さ
れ、この実施例では、キャップ５０のＴＥリング部５８
に、このＴＥリング部５８をバンド状に開環するための
垂直スコア８１を設けた構成になっている。この実施例
での垂直スコア８１は、水平スコア５６に連設されてい
る。尚複数のブリッジ５５のうち垂直スコア８１の両側
に位置するブリッジ５５を他のブリッジ５５よりも太く
形成してもよい。

【００４５】この実施例による閉止装置は、先の実施例
と同様に容器口部７０ａにキャップ５０を装着し、キャ
ップ５０を開栓することができ、ＴＥリング部５８に垂
直スコア８１を設けたことにより、開栓時に係止突起６
０と係止段部７５とが係合してＴＥリング部５８の回転
が阻止され、主部５７とＴＥリング部５８とを連結する
ブリッジ５５が切断され、ブリッジ５５の切断によりＴ
Ｅリング部５８が垂直スコア８１から開環されてバンド
状となって、キャップ５０の主部５７から切り取られ
る。

【００４６】この実施例の閉止装置では、ＴＥリング部
５８に垂直スコア８１を設け、キャップ開栓時にＴＥリ
ング部５８をバンド状に開環する構成としたので、ＴＥ
リング部５８を容器口部７０ａから容易に取り外すこと
ができ、開封表示が一層明かとなって閉止装置のタンパ
ーエビデンス性をさらに向上させることができる。ま
た、ＴＥリング部５８が容器口部７０ａに残存せずキャ
ップ５０と一緒に取り外すことができるので、使用後に
も容器７０とキャップ５０との廃棄及び再処理を容易に
できる効果が得られる。

【００４７】この実施例において、キャップ５０の水平
スコア５６を、キャップ周方向の全周にわたって形成す
ることなく一部が幅広ブリッジとして残るようにし、こ
の幅広ブリッジの一端に隣接して垂直スコア８１あるい
は垂直弱化線を設けた構成としてもよい。ここで、垂直
弱化線とは、中央あるいは端部に垂直方向ブリッジとな
る未切断部分を残してＴＥリング部５８を垂直方向に切
断した構造のものや、ＴＥリング部５８に薄い連結部分
が残るように浅く切断した構造とすることができる。ま
た、上記幅広ブリッジを形成する際にその両端部に隣接
するようにして２本の垂直弱化線を設けてもよい。この
ように幅広ブリッジの両端部に隣接するようにして２本
の垂直弱化線を設けることにより、一方の垂直弱化線の
破断によりＴＥリング部５８を開環した後、このバンド
を残る他方の垂直弱化線に沿って容易にキャップ５０の
主部５７から引きちぎることができる。

【００４８】なお、上述した各実施例は本発明の閉止装
置を例示したものであり、種々の改変が可能であること
は言うまでもない。例えば、上記実施例において、容器
口部７０ａの雄ネジ７１の下方に膨出段部７２が形成さ
れているが、この膨出段部７２が無い構成とすることも
できる。また上記各実施例では、キャップ本体５３の天
板部５１内面にライナーを配した構成としたが、天板部
内面側に容器口部上端に接して気密性を付与する突条等
を配しライナーを省いたライナーレスキャップであって
もよい。さらに、上記各実施例では、容器７０をＰＥＴ
などのプラスチック製容器としたが、ガラス製容器とし
て構成することができるし、フランジ７３の無い容器を
使用しても良い。

【００４９】

【発明の効果】以上説明した通り、本発明の閉止装置
は、キャップのＴＥリング部の内壁面に、ネジ山の終端
から間隔をおいてその延長線上に係止突起を設け、容器
のネジ谷内に、容器口部とキャップとの螺合が完了した
状態で上記係止突起に係合してＴＥリング部の開栓方向
への回転を阻止する係止段部を設けた構成としたので、
キャップを開栓方向に回す回転力が直接ブリッジに作用
し、ブリッジが容易に切断される。さらに、係止突起の
キャップ径方向内方への突出量が、ネジ山終端側からそ
の反対側へ向かって漸次減少するように形成し、かつ
係止段部の容器口部径方向外方への突出量が、一側面側
からその反対側へ向かって漸次減少するように形成する
と、キャップを容器口部に装着する際に、係止突起が係
止段部を容易に乗り越えることができ、ブリッジに余分
な力を加えることなく装着することができる。従って、
この閉止装置のキャップは、キャップ装着時のブリッジ
切断防止のために特別な手段を設けることなく、キャッ
プ装着時のブリッジ切断を防止することができる。

【００５０】さらにキャップにおける係止突起のネジ山
終端側の端面の立上がり角度と、容器口部における係止
段部の一側面の立上がり角度とが等しく、その角度が６
０〜１２０度であると、キャップを開栓方向へ回転させ
た際に、係止突起と係止段部との係合が確実かつ効果的
に行われ、ＴＥリング部の回転阻止効果を高めることが
でき、確実なブリッジ切断を実現できる。

【００５１】また容器口部およびキャップのネジ部を２
条以上の多条ネジとして、各条のネジ部についてそれぞ
れ係止突起および係止段部を設けると、係止突起と係止
段部とが複数個所で係合することになる。さらに、多条
ネジとする場合に、多条ネジの各ネジの位相をネジの条
数で３６０度を除した角度ずらして配置し、上記複数の
係止突起を等間隔に設けることによって、複数のブリッ
ジに均一に力を作用させることができ、ブリッジの切断
が容易となり、しかも容器口部に装着されたキャップを
開栓方向に回転させ、ブリッジが切断される位置までの
回転角度であるブリッジ破壊角度（Ｂ.Ｂ.Ａ）を９０
度、好ましくは４５度以下と小さくすることが可能とな
り、シールリリースアングル（Ｓ.Ｒ.Ａ）と、ブリッジ
ブレークアングル（Ｂ.Ｂ.Ａ）との差、Ｓ.Ｒ.Ａ−Ｂ.
Ｂ.Ａ＝０度以上、好ましくは３０度以上とすることが
極めて容易にでき、タンパーエビデンス性が良好な閉止
装置を提供することができる。

【００５２】また、ＴＥリング部に垂直スコアあるいは
垂直弱化線を設け、キャップ開栓時にＴＥリング部をバ
ンド状に開環する構成とすると、ＴＥリング部を容器口
部から容易に取り外すことができ、開封表示が一層明か
となって閉止装置のタンパーエビデンス性をさらに向上
させることができる。また、ＴＥリング部が容器口部に
残存せずキャップと一緒に取り外すことができるので、
使用後にも容器とＴＥリング部を含めたキャップとが容
易に分割でき、容器とキャップとの廃棄及び再処理が容
易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の閉止装置の第１実施例を示すも
ので（ａ）はキャップの正面断面図、（ｂ）は容器口部
の正面図である。

【図２】図２は本発明の閉止装置の実施例を示す横断面
図である。

【図３】図３は本発明の閉止装置におけるキャップの他
の例を示す正面断面図である。

【図４】図４は本発明の閉止装置の第２実施例を示す横
断面図である。

【図５】図５は本発明の閉止装置の第３実施例を示す横
断面図である。

【図６】図６は本発明の閉止装置の第４実施例を示す要
部正面図である。

【図７】図７は従来の閉止装置の一例を示す斜視図であ
る。

【図８】図８は従来の閉止装置の他の例を示す一部断面
正面図である。

【図９】図９は図８に示す閉止装置の要部斜視図であ
る。

【符号の説明】

５０……キャップ、５１……天板部、５２……筒部、５
３……キャップ本体、５４……ライナー、５５……ブリ
ッジ、５６……水平スコア、５７……主部、５８……Ｔ
Ｅリング部（タンパーエビデンスリング部）、５９……
ネジ部、５９ｂ……ネジ山終端、６０……係止突起、６
０ａ……一側面、７０……容器、７０ａ……容器口部、
７１……雄ネジ、７２……膨出段部、７４ｂ……ネジ谷
終端、７５……係止段部、７６……係止溝、８１……垂
直スコア

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】口部外周にネジ部が形成された容器と、天板部とその周縁から垂下する筒部とを備え、この筒部
の下部に複数のブリッジを残して水平スコアによって主
部と区画されたタンパーエビデンスリング部が形成さ
れ、かつ該筒部の内面に上記容器のネジ部と螺合するネ
ジ部が設けられた合成樹脂製キャップとからなる閉止装
置において、上記キャップのタンパーエビデンスリング部の内壁面
に、ネジ山の終端から間隔をおいてその延長線上に係止
突起が設けられ、かつ上記容器のネジ谷内に、上記容器
口部と上記キャップとの螺合が完了した状態で上記係止
突起に係合する係止段部が設けられ、上記係止突起のネ
ジ山終端側の端面と上記係止段部の一側面との当接によ
りタンパーエビデンスリング部の開栓方向への回転が阻
止されることを特徴とする閉止装置。
【請求項２】口部外周にネジ部が形成され、該ネジ部
の下方に径方向外方に膨出する環状の膨出段部が形成さ
れた容器と、天板部とその周縁から垂下する筒部とを備え、この筒部
の下部に複数のブリッジを残して水平スコアによって主
部と区画されたタンパーエビデンスリング部が形成さ
れ、かつ該筒部の内面に上記容器のネジ部と螺合するネ
ジ部が設けられた合成樹脂製キャップとからなる閉止装
置において、上記キャップのタンパーエビデンスリング部の内壁面
に、ネジ山の終端から間隔をおいてその延長線上に係止
突起が設けられ、かつ上記容器の膨出段部に、ネジ谷の
終端から間隔をおいてその延長線上に、上記容器口部と
上記キャップとの螺合が完了した状態で上記係止突起が
嵌入される係止溝が設けられ、上記係止突起のネジ山終
端側の端面と上記係止溝のネジ谷終端側の端面との当接
によりタンパーエビデンスリング部の開栓方向への回転
が阻止されることを特徴とする閉止装置。
【請求項３】上記係止突起のキャップ径方向内方への
突出量が、ネジ山終端側からその反対側へ向かって漸次
減少され、かつ上記係止段部の容器口部径方向外方への
突出量が、一側面側からその反対側へ向かって漸次減少
されていることを特徴とする請求項１記載の閉止装置。
【請求項４】上記係止突起のキャップ径方向内方への
突出量が、ネジ山終端側からその反対側へ向かって漸次
減少され、かつ上記容器口部のネジ谷の終端と係止溝の
始端との間における容器口部外径が、係止溝始端からネ
ジ谷終端へ向かって漸次縮径されていることを特徴とす
る請求項２記載の閉止装置。
【請求項５】上記係止突起のネジ山終端側の端面の立
上がり角度と、上記係止段部の一側面の立上がり角度と
が等しく、その角度が６０〜１２０度であることを特徴
とする請求項１または３のいずれかの閉止装置。
【請求項６】上記係止突起のネジ山終端側の端面の立
上がり角度と、上記係止溝のネジ谷終端側の端面の立上
がり角度とが等しく、その角度が６０〜１２０度である
ことを特徴とする請求項２または４のいずれかの閉止装
置。
【請求項７】上記容器のネジ部およびキャップのネジ
部に多条ネジが設けられ、タンパーエビデンスリング部
内壁面に複数の係止突起が設けられたことを特徴とする
請求項１から６のいずれかの閉止装置。
【請求項８】上記多条ネジの位相を、ネジの条数で３
６０度を除した角度ずらして配置し、上記複数の係止突
起を等間隔に設けたことを特徴とする請求項７記載の閉
止装置。
【請求項９】キャップのタンパーエビデンスリング部
に、このタンパーエビデンスリング部をバンド状に開環
させる垂直スコアを設けたことを特徴とする請求項１か
ら８のいずれかの閉止装置。
【請求項１０】キャップの筒部に設けられた水平スコ
アが、一つの幅広ブリッジと複数の幅狭ブリッジとを残
して筒部とタンパーエビデンスリング部とを区画するよ
うに形成されるとともに、該幅広ブリッジの端部に隣接
して、このタンパーエビデンスリング部をバンド状に開
環させる垂直弱化線を設けたことを特徴とする請求項１
から８のいずれかの閉止装置。
【請求項１１】容器口部に装着されたキャップを開栓
方向に回転させ、ブリッジが切断される位置までの回転
角度であるブリッジ破壊角度が９０度以下であることを
特徴とする請求項１から１０のいずれかの閉止装置。