JP3447409B2 - 閉止装置及び容器 - Google Patents

閉止装置及び容器

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JP3447409B2
JP3447409B2 JP00607895A JP607895A JP3447409B2 JP 3447409 B2 JP3447409 B2 JP 3447409B2 JP 00607895 A JP00607895 A JP 00607895A JP 607895 A JP607895 A JP 607895A JP 3447409 B2 JP3447409 B2 JP 3447409B2
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浩一 高松
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    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D41/00Caps, e.g. crown caps or crown seals, i.e. members having parts arranged for engagement with the external periphery of a neck or wall defining a pouring opening or discharge aperture; Protective cap-like covers for closure members, e.g. decorative covers of metal foil or paper
    • B65D41/32Caps or cap-like covers with lines of weakness, tearing-strips, tags, or like opening or removal devices, e.g. to facilitate formation of pouring openings
    • B65D41/34Threaded or like caps or cap-like covers provided with tamper elements formed in, or attached to, the closure skirt
    • B65D41/3404Threaded or like caps or cap-like covers provided with tamper elements formed in, or attached to, the closure skirt with ratchet-and-pawl mechanism between the container and the closure skirt or the tamper element
    • B65D41/3409Threaded or like caps or cap-like covers provided with tamper elements formed in, or attached to, the closure skirt with ratchet-and-pawl mechanism between the container and the closure skirt or the tamper element the tamper element being integrally connected to the closure by means of bridges

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、口部外周にネジ部が形
成された容器と、その容器口部に螺着嵌合され、開栓時
に筒部下部に連結されたタンパーエビデンスリング部が
キャップ主部から切り離されて開栓を表示するタンパー
エビデンス性を有するキャップとからなる閉止装置とそ
れに用いられるキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、口部にネジ部が形成された容
器と、その容器口部に螺着嵌合され、開栓時に筒部下部
に連結された開栓表示リング部がキャップ主部から切り
離されて開栓を表示する機能(ピルファープルーフ特性
又はタンパーエビデンス性と称される)を有するキャッ
プとからなる閉止装置として、各種の形状のものが提案
されている。
【0003】図7は、従来の閉止装置の一例として特公
昭52−14677号公報に記載されたキャップとそれ
に対応する容器とからなる閉止装置を示すものである。
この閉止装置は、頂部3と、頂部周縁から下方に延びそ
の内側にねじ5を有する筒部4と、キャップ本体2を開
封方向に回すとき容体逆止突起14とキャップ逆止突起
8との逆止力により破断されるブリッジ6と、このブリ
ッジ6によりキャップ本体2から区画された環状体7と
を備えたキャップ1と、このキャップ1が装着されるよ
うに、口部12に雄ねじ13が形成されるとともに、こ
の雄ねじ13の下部に容体逆止突起14が形成された容
器11とからなる閉止装置が記載されている。この閉止
装置は、キャップ1を開栓方向に回すと、キャップ1の
環状体7内面に設けられたキャップ逆止突起8が、容器
11に設けられた容体逆止突起14に係合し、それによ
って環状体7の回転が阻止され、ブリッジ6が切断され
てキャップ本体2から環状体7が切り離されるようにな
っている。
【0004】図8は、従来の閉止装置の他の例として特
公平1−30702号公報に記載された合成樹脂製容器
蓋(キャップ)を示すものであり、外周面に雄ねじ31
と該雄ねじ31の下方に設けられたあご部32とが形成
されている容器口部30を備えた容器と、これに装着さ
れるキャップ20が記載されている。このキャップ20
は、天板部21とその周縁部から垂下する筒部22とを
具備し、該筒部22には周方向に延びる複数個のスリッ
ト23と該スリット間に存在するブリッジ24によって
規定された破断ライン25が形成され、筒部22が破断
ライン25より上方の主部26と破断ラインより下方の
ピルファープルーフ裾部27とに区画されており、該主
部26の内面には容器口部30の雄ねじ31に螺合する
ねじ部28が形成されており、ピルファープルーフ裾部
27の内面には半径方向内方に突出する複数個の突起2
9が、ブリッジ24と離れた位置に形成されている。こ
の突起29は、図9に示すように軸線方向下方から上方
に向って半径方向内方への突出量が漸次増大するような
形状で形成されている。
【0005】この閉止装置では、キャップ20を容器口
部30に装着する際には、ピルファープルーフ裾部27
が弾性変形して突起29が容器口部30のあご部32を
乗り越えその下方に入り込む。そして、容器口部30に
装着されたキャップ20を開栓方向に回すと、ピルファ
ープルーフ裾部27の内面に設けられた突起29が容器
口部30のあご部下端に係止して、ピルファープルーフ
裾部27の上方への移動を阻止し、その結果キャップ2
0の主部26とピルファープルーフ裾部27とを連結す
るブリッジ24に引張力が作用し、ブリッジ24が破断
され、ピルファープルーフ裾部27が切り離される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の閉止装置には次のような問題があった。前者の
特公昭52−14677号公報に記載された閉止装置
は、キャップ1を容器口部11に装着する際に、環状体
7内面に形成されているキャップ逆止突起8又は容器口
部11に形成されている容体逆止突起14を圧縮し両者
を相対的に回転させることが必要であるが、これら逆止
突起を圧縮するには、キャップに相当大きなトルクを加
える必要があり、従ってキャップ1の装着が比較的困難
であり、またキャップに加えられる相当大きなトルクに
起因してキャップ装着時にブリッジが破断されてしまう
欠点がある。その欠点を解決するためには、逆止突起の
突出量を小さくするか或いは逆止突起を軟質又は柔軟な
ものにすることが考えられるが、そのようにすると容器
口部11にキャップ1を装着した後におけるキャップ逆
止突起8と容体逆止突起14との係合が不十分なものに
なり、開封表示によるタンパーエビデンス性が損なわれ
ることになる。さらに、上記の閉止装置では、キャップ
1および容器口部の形状が特異であり、通常の合成樹脂
製キャップや金属製キャップに適用させるのが困難であ
る欠点がある。
【0007】また後者の特公平1−30702号公報に
記載されたキャップ20は、ピルファープルーフ裾部2
7の突起29とブリッジ24とを離して設けたことによ
って、キャップ20を容器口部30に装着する際に突起
29が容器口部30のあご部32を乗り越えるときにピ
ルファープルーフ裾部27が弾性変形してもブリッジ2
4が破断されるのを防いでいる。しかし、このキャップ
20は、開栓時にピルファープルーフ裾部27の内面に
設けられた突起29が容器口部30のあご部下端に係止
してピルファープルーフ裾部27の上方への移動を阻止
し、その結果キャップ20の主部26とピルファープル
ーフ裾部27とを連結するブリッジ24に作用する引張
力でブリッジ24を破断する構造になっているために、
キャップを合成樹脂で形成した場合には、ブリッジ24
に引張力が作用するとブリッジ24が簡単に引き延さ
れ、これを破断させるにはキャップ本体を開栓方向にか
なりの角度回転させなければならなかった。
【0008】この種のタンパーエビデンス性を有するキ
ャップにあっては、容器口部に装着されたキャップを最
初の位置から開栓方向に回す時、容器口部の上端がキャ
ップ内面或いはライナー等から離れて容器の密封性が解
除された時点の回転角度(シールリリースアングル;以
下S.R.Aという)と、容器口部に装着されたキャップ
を最初の位置から開栓方向に回す時、ブリッジが切断さ
れる位置までの回転角度(ブリッジブレークアングル;
以下B.B.Aという)との関係が、S.R.A−B.B.A
=0度以上、好ましくは30度以上あることが望ましい
とされる。即ち、キャップ開栓時に、容器口部上端がラ
イナー等から離れて密封シールが解除される以前にブリ
ッジが切断されることが望ましいとされている。閉止装
置のキャップとして、アルミ合金などの金属製キャップ
を用い、このキャップを容器口部に被せ、その筒部を容
器口部の外周に沿って巻き締めしたものでは、一般に上
記B.B.Aを90度以内と小さくすることができるため
に、S.R.A−B.B.Aの値を大きくすることができ
る。しかし、上述した合成樹脂製キャップ20にあって
は、ブリッジ24の延びによってB.B.Aが大きくな
り、S.R.A−B.B.A=0度以下になる場合があり、
タンパーエビデンス性の向上の観点から改善すべき点が
あった。
【0009】さらに、このキャップ20を容器口部30
に装着する際に、ピルファープルーフ裾部27が弾性変
形することによって突起29が容器口部30のあご部3
2を乗り越えるものであり、たとえピルファープルーフ
裾部27の突起29とブリッジ24とを離して設けたと
しても、ブリッジ24の機械強度が弱いとキャップ螺着
時にブリッジ24が破断される場合があり、かかる不都
合を防止するためにはブリッジ24の強度を高めるか或
いは図8中の符号34,35に示すように破断ライン2
5の上下に係合片を設け、キャップ螺着時にブリッジ2
4が切断されるのを防止することが考えられる。しか
し、ブリッジ24の強度を高めると、キャップの開栓が
困難となったり、ブリッジ24が切れなくなってタンパ
ーエビデンス性が損なわれるおそれがあり、また破断ラ
イン25の上下に係合片を設けることは通常のキャップ
製造工程では困難であり、特別の製造工程が必須とな
り、製造コストの上昇を招いてしまうことになる。
【0010】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、金属製キャップと合成樹脂製キャップとの両方が装
着可能な容器を備え、しかも該容器に合成樹脂製キャッ
プを装着する際のB.B.Aを小さくすることができ、良
好なタンパーエビデンス性を発揮し得る閉止装置の提供
を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる閉止装置
は、口部外周にネジ部が形成さた容器と、天板部とその
周縁から垂下する筒部とを備え、該筒部の下部に複数の
ブリッジを残して水平スコアによって区画されたタンパ
ーエビデンスリングが形成された合成樹脂製キャップと
からなる閉止装置において、上記合成樹脂製キャップの
タンパーエビデンスリング部の内壁面に、キャップ開栓
方向側に傾斜した板状に突出形成され、周方向に沿って
複数個離間して配置された係止突起が設けられ、上記容
器のネジ部の下方に、1個又は周方向に沿って複数個離
間配置された係止爪が設けられ、かつ該係止爪は、該容
器の径方向外方に向けて突出し、その最大突出部位から
キャップ閉栓方向側に、キャップ開栓時に上記キャップ
の係止突起が接触してその屈曲を防止する膨出部が設け
られてなり、この合成樹脂製キャップを上記容器口部に
装着して開栓方向に回した時に、上記係止突起と上記係
止爪の最大突出部位のキャップ閉栓方向側面とが係合さ
れることを特徴としている。
【0012】本発明の閉止装置において、ネジ部の直下
に径方向外方に環状に膨出した膨出段部が形成され、か
つ該膨出段部の下端から上記係止爪の上端までの長さを
3.0mm以上として良い。
【0013】本発明の閉止装置において、合成樹脂製キ
ャップの係止突起が、該キャップ主部の下端部からタン
パーエビデンスリング部下端部まで延びた基端部からキ
ャップ開栓方向側に傾斜した板状に突出形成され、かつ
上記水平スコアによって主部側から切り離されてなるも
のとして良い。
【0014】本発明の閉止装置において、合成樹脂製キ
ャップのタンパーエビデンスリング部内壁面に上記係止
突起がその先端を径方向外方に向けて倒される時に該係
止突起を収容する凹部を設けて良い。
【0015】本発明の閉止装置において、合成樹脂製キ
ャップの筒部に設けられた水平スコアが、1つの幅広ブ
リッジと複数の幅狭ブリッジとを残して主部とタンパー
エビデンスリング部とを区画するように形成されるとと
もに、該幅広ブリッジの端部に隣接してタンパーエビデ
ンスリング部をバンド状に開環させる垂直弱化線を設け
て良い。
【0016】本発明の閉止装置において、容器口部に装
着された合成樹脂製キャップを開栓方向に回転させ、ブ
リッジが切断される位置までの回転角度であるブリッジ
破壊角度が90度以下であることが望ましい。
【0017】本発明にかかる容器は、口部外周にネジ部
が形成され、上記ネジ部の下方に1個又は周方向に沿っ
て複数個離間配置された係止爪が設けられ、かつ該係止
爪は、該容器の径方向外方に向けて突出し、その最大突
出部位からキャップ閉栓方向側に、キャップ内壁面から
キャップ開栓方向側に傾斜した板状に突出形成された係
止突起を有するキャップを装着してそれを開栓する際
に、その係止突起が接触してその屈曲を防止する膨出部
が設けられてなることを特徴としている。
【0018】この容器において、ネジ部の直下に径方向
外方に環状に膨出した膨出段部が形成され、かつ該膨出
段部の下端から上記係止爪の上端までの長さを3.0m
m以上として良い。
【0019】
【作用】本発明の閉止装置は、タンパーエビデンスリン
グ部(以下、TEリング部という)の内壁面に、キャッ
プ開栓方向側に傾斜した板状に突出形成され、周方向に
沿って複数個離間配置された係止突起を備えた合成樹脂
製キャップと、ネジ部の下方に係止爪が設けられた容器
とから構成され、この容器の口部に合成樹脂製キャップ
を装着して開栓方向に回すと、該キャップの係止突起が
該容器の係止爪に係合し、TEリング部の回転が阻止さ
れ、その結果キャップを開栓方向に回す回転力が直接ブ
リッジに作用し、ブリッジが容易に切断される。また、
係止爪に、該キャップの係止突起が接触してその屈曲を
防止する膨出部を設けたことにより、該キャップの係止
突起が該容器の係止爪に係合する際に、係止突起が屈曲
されて係止爪との係合状態が悪くなることがなく、係止
突起と係止爪とが確実に係合される。この容器は、上記
合成樹脂製キャップを装着するのみでなく、金属製キャ
ップを装着可能である。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。図1および図2は本発明にかかる閉止装置の第1実
施例を示すものであり、これらの図中符号50はキャッ
プ、70は容器を示している。本実施例において、キャ
ップ50はポリプロピレンなどの合成樹脂から作られて
いる。また容器70は、ポリエチレンテレフタレート
(PET)などの合成樹脂から作られている。なお、容
器70は本実施例に限定されることなくガラス容器であ
っても良い。
【0021】キャップ50は、円形をなす天板部51
と、この天板部51の周縁から垂下する筒部52とから
なるキャップ本体53と、このキャップ本体53の天板
部51内面側に設けられた薄肉状のライナー54とを備
えて構成されている。上記筒部52は、複数の細いブリ
ッジ55を残して水平スコア56によって、水平スコア
56より上部の主部57と、水平スコア56より下部の
TEリング部58とに区画されている。この主部57の
内壁面には、容器70の口部外周に形成された雄ネジ7
1と螺合するネジ部59が形成されている。また、TE
リング部58内壁面には、主部57の下端部からTEリ
ング部58下端部までほぼ垂直に延びた基端部60aか
らキャップ開栓方向側に傾斜した板状に突出形成され、
かつ図3に示すように水平スコア56によって主部57
側から切り離されてなる多数の係止突起60が周方向に
沿って設けられている。水平スコア56は図3に示すよ
うに、係止突起60の主部57側とTEリング部58側
を完全に切り離しているとともに、主部57側とTEリ
ング部58側にかけて突出形成されたリーダー55aを
所定深さまで切断するように形成されており、リーダー
55aの未切断部分がブリッジ55とされている。
【0022】係止突起60が径方向外方に押し曲げられ
た時にその係止突起60と相対する位置にあるTEリン
グ部58の内壁部には、その係止突起60が収容される
ような凹部61が設けられ、径方向外方側に押し曲げら
れた係止突起60が収容されて容器70の膨出段部72
をスムーズに通過し、加えて係止突起60がキャップ閉
栓時に係止爪74を乗り越える際に径方向外方側に押し
曲げられ易いようになっている。
【0023】係止突起60の厚みや突出長さは、係止突
起60がキャップ閉栓時に容器70の係止爪74に当接
し、径方向外方側に押し曲げられながらその係止爪74
を乗り越えられる程度の可撓性と、キャップ開栓時に一
側面60bに係止爪74が係合して開栓方向に回された
際に容易に変形せず確実に係合状態を維持してTEリン
グ部58のキャップ開栓方向への回転を阻止し得る程度
の機械的強度があれば特に限定されないが、好ましくは
厚みが0.2〜5mm、突出長さ1〜10mm程度とさ
れる。また、図3に示す係止突起60の傾斜角度αは、
好ましくは2〜90度、より好ましくは5〜45度程度
とされる。
【0024】容器70は、図4に示すように、その口部
70aの上部外周に雄ネジ71が形成され、雄ネジ71
の下方に環状に膨出した膨出段部72が形成され、また
その下方の容器首部にはフランジ73が形成されてい
る。さらにこの容器70では、膨出段部72の下方に縮
径部77を介して、複数(本実施例においては4個)の
係止爪74が周方向に間隔をおいて設けられている。
【0025】これら係止爪74は、容器径方向外方に向
けて突出形成され、その最大突出部位76からキャップ
閉栓方向側に、キャップ開栓時に上記キャップ50の係
止突起60が接触してその屈曲を防止する膨出部75が
設けられている。この膨出部75は、図2に示すように
容器70にキャップ50を装着し、或いはそのキャップ
50を開栓方向に回して係止突起60が係止爪74の当
接面74aに当接した状態にあっては、この膨出部75
の外周面に係止突起60の先端が近接または接触した状
態となるように設定されている。このように係止爪74
のキャップ閉栓方向側に膨出部75を設けたことによっ
て、キャップ50の係止突起60が容器70の係止爪7
4に係合する際に、係止突起60が屈曲されて係止爪7
4との係合状態が悪くなることがなく、係止突起60と
係止爪74とが確実に係合されるようになる。
【0026】本実施例では図5に示すように、係止爪7
4は、キャップ50の開栓時に係止突起60の一側面6
0bが当接する当接面74aが、その最大突出部位76
から膨出部75に達するまでほぼ垂直な面に形成され、
その反対面は最大突出部位76に向って突出高さを漸次
増加させた傾斜面74bになっている。また、膨出部7
5は垂直な突出面74aの途中からほぼ周方向に沿って
開栓方向前方側に向けて延びている。
【0027】容器70の膨出段部72下端から係止爪7
4上端までの長さ、即ち縮径部77の長さは、3.0m
m以上、好ましくは3.0〜10mm程度として良い。
この縮径部77の長さが3.0mm以上であれば、この
容器70に金属製キャップを巻締めて装着する場合に、
成形ローラで金属製キャップ下端部を容器70の膨出段
部72下端に巻込み成形するのが容易となる。
【0028】本実施例では、TEリング部58に多数の
係止突起60(図2においては16個)を設けると共
に、容器70の膨出段部72下部に4つの係止爪74を
設けたラチェット構造になっている。これら係止突起6
0と係止爪74の個数は、この例示に限定されることな
く、係止爪74が1個または複数個、係止突起60が複
数個であれば良いが、B.B.A.を90度以下、好まし
くは45度以下とするためには容器70に係止爪74を
4つ設けた場合に、係止突起60を4個以上、好ましく
は8個以上設けることが望ましい。
【0029】本実施例による閉止装置の使用方法につい
て説明する。容器70は、所望の内容液を充填した後、
図示略のキャップ装着装置に搬送され、フランジ73の
下面を支承し、好ましくは懸吊状態で搬送しつつ、その
口部70aにキャップ50を螺着嵌合し、キャップ50
を装着して密封する。
【0030】キャップ50を容器口部70aに装着する
場合には、TEリング部58の係止突起60は、その内
径が容器口部70aの雄ネジ71及び膨出段部72の外
径よりも大きく設定されていることから、TEリング部
58は容器口部70aの外周を容易に通過可能である。
容器70の雄ネジ71とキャップ50のネジ部59との
閉方向への螺子嵌合に従ってTEリング部58が下方に
移動し、容器70の係止爪74の位置に移動する。この
とき係止突起60の他側面60cが係止爪74の傾斜面
74bに当接し、係止突起60が径方向外方側に押し曲
げられつつ、係止爪74の突端を乗り越える。係止突起
60が押し曲げられる側のTEリング部58内壁面には
凹部61が設けられているので、係止突起60は係止爪
74に押し曲げられて一側面60b側を凹部61に接し
て押し曲げられれば、殆ど抵抗無く係止爪74の突端を
乗り越えることができる。また、キャップ50閉栓時に
は、係止爪74の膨出部75に係止突起60が引っ掛る
ことはない。
【0031】容器口部70aに装着されたキャップ50
は、図1と図2に示すように、係止突起60の下端が係
止爪74の下部近傍まで達した状態で巻締められる。係
止突起60は、その先端を係止爪74の当接面74aに
当接させるように起立する。容器口部70aの上端およ
び外周面は、キャップ50の天板部51内面に設けられ
た軟質樹脂からなるライナー54に圧接し、それによっ
て容器70が密封されている。
【0032】この閉止装置のキャップ50を開栓するべ
く容器口部70aに装着されたキャップ50を開栓方向
に回すと、それぞれの係止突起60は僅かな回転移動に
よってその一側面60bが係止爪74の当接面74aに
当接し、TEリング部58の開栓方向への回転を阻止す
る。この時、係止爪74の閉栓方向側に膨出部75を形
成したことにより、キャップ50の係止突起60が容器
70の係止爪74の当接面74aに接触する際に、係止
突起60の径方向内方側が膨出部75の外面と接触ない
し近接した状態となり、係止突起60が係止爪74の当
接面74aに当接した時、係止突起60が屈曲されて係
止爪74との係合が外れるなど、係合状態が悪くなるこ
とがなく、係止突起60と係止爪74とを確実に係合さ
せることができる。
【0033】キャップ50の主部57は開栓方向に回さ
れ、係止突起60と係止爪74との係合によってTEリ
ング部58は回転を阻止されることから、主部57とT
Eリング部58とを連結している複数の細いブリッジ5
5は主部57の回転に従って急激に横方向に引っ張ら
れ、直ちに切断される。その結果、キャップ50の主部
57からTEリング部58が切り離された状態となる。
ブリッジ55が切断された時点では、容器口部70aの
上端および上端近傍の外周面にはライナー54が当接し
ており、容器70の密封性が維持されている。キャップ
50の主部57をさらに開栓方向に回すと、容器口部7
0aの上端および上端近傍の外周面からライナー54が
離れ、容器70の密封シールが解放され、さらに主部5
7を回して容器口部70aから取り外す。
【0034】この実施例の閉止装置では、キャップ50
のTEリング部58に、主部57の下端部からTEリン
グ部58下端部までほぼ垂直に延びた基端部60aか
ら、先端が径方向内方側よりもキャップ開栓方向側に傾
斜した板状に突出形成され、かつ水平スコア56によっ
て主部57側から切り離されてなる多数の係止突起60
を周方向に沿って設け、容器70の膨出段部72の下方
に複数の係止爪74を設け、容器口部70aに装着され
たキャップ50を開栓方向に回すときに、係止突起60
の一側面60bが係止爪74の当接面74aに当接、係
合してTEリング部58の回転が阻止され、その結果キ
ャップ50を開栓方向に回す回転力が直接ブリッジ55
に作用し、ブリッジ55が容易に切断される。さらに本
実施例では、容器口部70aに4つの係止爪74を間隔
をおいて配置するとともに、キャップ50のTEリング
部58内壁に多数の係止突起60を配置した構成とした
ので、複数のブリッジ55に均一に力を作用させること
ができ、少ない回転角度でブリッジ55が容易に切断で
きる。従って、この実施例の閉止装置によれば、容器口
部70aに装着されたキャップ50を開栓方向に回転さ
せ、ブリッジ55が切断される位置までの回転角度であ
るブリッジ破壊角度(B.B.A)を90度以下、望まし
くは45度以下と小さくすることが可能となる。
【0035】また、本実施例の閉止装置では、係止爪7
4の閉栓方向側に、キャップ開栓時にキャップ50の係
止突起60が接触してその屈曲を防止する膨出部75を
形成したことにより、キャップ50の係止突起60が容
器70の係止爪74の当接面74aに接触する際に、係
止突起60の径方向内方側が膨出部75の外面と接触な
いし近接した状態となり、係止突起60が係止爪74の
当接面74aに当接した時、係止突起60が屈曲されて
係止爪74との係合が外れるなど、係合状態が悪くなる
ことがなく、係止突起60と係止爪74とを確実に係合
させることができる。
【0036】また、本実施例の閉止装置では、キャップ
50のTEリング部58内壁面に、主部57の下端部か
らTEリング部58下端部までほぼ垂直に延びた基端部
60aから、先端が径方向内方側よりもキャップ開栓方
向側に傾斜した板状に突出形成され、かつ水平スコア5
6によって主部57側から切り離されてなる多数の係止
突起60を設け、かつ係止突起60が径方向外方に押し
曲げられた時にその係止突起60と相対する位置にある
TEリング部58の内壁部に、その係止突起60が収容
される凹部61を設けた構成としたことにより、キャッ
プ50を容器口部70aに装着する際には、係止突起6
0が径方向外方に押し曲げられて係止爪74を乗り越え
ることができ、ブリッジ55に余分な力を加えることな
く装着することができる。従って、この閉止装置のキャ
ップ70は、キャップ装着時のブリッジ切断防止のため
に特別な手段を設けることなく、キャップ装着時のブリ
ッジ切断を防止することができる。
【0037】図6は本発明の閉止装置の第2実施例を示
すものである。この実施例による閉止装置は、先の実施
例での閉止装置とほぼ同様の構成要素を備えて構成さ
れ、この実施例では、キャップ50のTEリング部58
に、このTEリング部58をバンド状に開環するための
垂直スコア81を設けた構成になっている。この実施例
での垂直スコア81は、水平スコア56に連設されてい
る。なお、複数のブリッジ55のうち垂直スコア81の
両側に位置するブリッジ55を他のブリッジ55よりも
太く形成しても良い。
【0038】この実施例による閉止装置は、先の実施例
と同様に容器口部70aにキャップ50を装着し、キャ
ップ50を開栓することができ、TEリング部58に垂
直スコア81を設けたことにより、開栓時に係止突起6
0の一側面60bが係止爪74の当接面74aに当接し
てTEリング部58の回転が阻止され、主部57とTE
リング部58とを連結するブリッジ55が切断され、ブ
リッジ55の切断によりTEリング部58が垂直スコア
81から開環されてバンド状となって、キャップ50の
主部57から切り取られる。
【0039】この実施例の閉止装置では、TEリング部
58に垂直スコア81を設け、キャップ開栓時にTEリ
ング部58をバンド状に開環する構成としたので、TE
リング部58を容器口部70aから容易に取り外すこと
ができ、開封表示が一層明かとなって閉止装置のタンパ
ーエビデンス性をさらに向上させることができる。ま
た、TEリング部58が容器口部70aに残存せずキャ
ップ50と一緒に取り外すことができるので、使用後に
も容器70とTEリング部58を含めたキャップ50と
が容易に分割でき、容器70とキャップ50との廃棄及
び再処理が容易となる。
【0040】この実施例において、キャップ50の水平
スコア56を、キャップ周方向の全周にわたって形成す
ることなく一部が幅広ブリッジとして残るようにし、こ
の幅広ブリッジの一端に隣接して垂直スコア81或いは
垂直弱化線を設けた構成としても良い。ここで、垂直弱
化線とは、中央或いは端部に垂直方向ブリッジとなる未
切断部分を残してTEリング部58を垂直方向に切断し
た構造のものやTEリング部58に薄い連結部分が残る
ように浅く切断した構造とすることができる。また、上
記幅広ブリッジを形成する際にその両端部に隣接するよ
うにして2本の垂直弱化線を設けても良い。このように
幅広ブリッジの両端部に隣接するようにして2本の垂直
弱化線を設けることにより、一方の垂直弱化線の破断に
よりTEリング部58を開環した後、このバンドを残る
他方の垂直弱化線に沿って容易にキャップ50の主部5
7から引きちぎることができる。
【0041】なお、上述した各実施例は本発明の閉止装
置を例示したものであり、種々の改変が可能であること
は言うまでもない。例えば、上記各実施例では、キャッ
プ本体53の天板部51内面にライナーを配した構成と
したが、天板部内面側に容器口部上端に接して気密性を
付与する突条等を配しライナーを省いたライナーレスキ
ャップであってもよい。また、上記各実施例では、容器
70をPETなどのプラスチック製容器としたが、ガラ
ス製容器として構成することができるし、フランジ73
の無い容器を使用しても良い。また、この閉止装置に用
いられる容器70は、上述した合成樹脂製キャップ50
のみでなく、アルミ合金製キャップなど周知の金属製キ
ャップを装着することが可能である。特に、容器70の
膨出段部72の下方に、好ましくは3.0〜10mm程
度の長さの縮径部77を介して周方向に沿って複数の係
止爪74を形成すれば、金属製キャップのTEリング部
下端を膨出段部72下端を巻き込むように成形する際
に、成形ローラ等によるキャップ成形が容易にでき、係
止爪74が邪魔になることがない。
【0042】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の閉止装置に
よれば、容器口部に装着された合成樹脂製キャップを開
栓方向に回転させ、ブリッジが切断される位置までの回
転角度であるブリッジ破壊角度(B.B.A)を90度以
下、望ましくは45度以下と小さくすることが可能とな
る。また、本実施例の閉止装置では、係止爪の閉栓方向
側に、キャップ開栓時にキャップの係止突起が接触して
その屈曲を防止する膨出部を形成したことにより、キャ
ップの係止突起が容器の係止爪に接触する際に、係止突
起の径方向内方側が膨出部の外面と接触ないし近接した
状態となり、係止突起が係止爪の当接面に当接した時、
係止突起が屈曲されて係止爪との係合が外れるなど、係
合状態が悪くなることがなく、係止突起と係止爪とを確
実に係合させることができる。従って本発明によれば、
金属製キャップと合成樹脂製キャップとの両方が装着可
能な容器を備え、しかも該容器に合成樹脂製キャップを
装着する際のB.B.Aを小さくすることができ、良好な
タンパーエビデンス性を発揮し得る閉止装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施例を示す閉止装置の正
面図である。
【図2】図2は同じ閉止装置の正面断面図である。
【図3】図3は同じ閉止装置のキャップ内面の要部斜視
図である。
【図4】図4は同じ閉止装置の容器の正面図である。
【図5】図5は同じ容器の係止爪を示す拡大平面図であ
る。
【図6】図6は本発明の第4実施例を示す要部拡大正面
図である。
【図7】図7は従来の閉止装置の一例を示す斜視図であ
る。
【図8】図8は従来の閉止装置の他の例を示す一部断面
視した正面図である。
【図9】図9は図8に示す閉止装置の要部斜視図であ
る。
【符号の説明】
50……キャップ、51……天板部、52……筒部、5
3……キャップ本体、54……ライナー、55……ブリ
ッジ、56……水平スコア、57……主部、58……T
Eリング部(タンパーエビデンスリング部)、59……
ネジ部、60……係止突起、70……容器、70a……
容器口部、71……雄ネジ、72……膨出段部、73…
…フランジ、74……係止爪、74a……当接面、75
……膨出部、76……最大突出部位、81……垂直スコ
ア。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−233369(JP,A) 特開 平5−124669(JP,A) 特開 平5−178358(JP,A) 特開 平7−2263(JP,A) 実開 昭54−49358(JP,U) 実開 平3−75150(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 41/34 B65D 49/12

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 口部外周にネジ部が形成された容器と、
    天板部とその周縁から垂下する筒部とを備え、該筒部の
    下部に複数のブリッジを残して水平スコアによって区画
    されたタンパーエビデンスリング部が形成された合成樹
    脂製キャップとからなる閉止装置において、 上記合成樹脂製キャップのタンパーエビデンスリング部
    の内壁面に、キャップ開栓方向側に傾斜した板状に突出
    形成され、周方向に沿って複数個離間して配置された係
    止突起が設けられ、 上記容器のネジ部の下方に、1個又は周方向に沿って複
    数個離間配置された係止爪が設けられ、かつ該係止爪
    は、該容器の径方向外方に向けて突出し、その最大突出
    部位からキャップ閉栓方向側に、キャップ開栓時に上記
    キャップの係止突起が接触してその屈曲を防止する膨出
    部が設けられてなり、 この合成樹脂製キャップを上記容器口部に装着して開栓
    方向に回した時に、上記係止突起と上記係止爪の最大突
    出部位のキャップ閉栓方向側面とが係合されることを特
    徴とする閉止装置。
  2. 【請求項2】 容器のネジ部直下に径方向外方に環状に
    膨出した膨出段部が形成され、かつ該膨出段部の下端か
    ら上記係止爪の上端までの長さを3.0mm以上とした
    ことを特徴とする請求項1の閉止装置。
  3. 【請求項3】 合成樹脂製キャップの係止突起が、該キ
    ャップ主部の下端部からタンパーエビデンスリング部下
    端部まで延びた基端部からキャップ開栓方向側に傾斜し
    た板状に突出形成され、かつ上記水平スコアによって主
    部側から切り離されてなることを特徴とする請求項1ま
    たは2の閉止装置。
  4. 【請求項4】 合成樹脂製キャップのタンパーエビデン
    スリング部内壁面に上記係止突起がその先端を径方向外
    方に向けて倒される時に該係止突起を収容する凹部が設
    けられたことを特徴とする請求項1から3のいずれかの
    閉止装置。
  5. 【請求項5】 合成樹脂製キャップの筒部に設けられた
    水平スコアが、1つの幅広ブリッジと複数の幅狭ブリッ
    ジとを残して主部とタンパーエビデンスリング部とを区
    画するように形成されるとともに、該幅広ブリッジの端
    部に隣接してタンパーエビデンスリング部をバンド状に
    開環させる垂直弱化線が設けられたことを特徴とする請
    求項1から4のいずれかの閉止装置。
  6. 【請求項6】 容器口部に装着された合成樹脂製キャッ
    プを開栓方向に回転させ、ブリッジが切断される位置ま
    での回転角度であるブリッジ破壊角度が90度以下であ
    ることを特徴とする請求項1から5のいずれかの閉止装
    置。
  7. 【請求項7】 口部外周にネジ部が形成され、上記ネジ
    部の下方に1個又は周方向に沿って複数個離間配置され
    た係止爪が設けられ、かつ該係止爪は、該容器の径方向
    外方に向けて突出し、その最大突出部位からキャップ閉
    栓方向側に、キャップ内壁面からキャップ開栓方向側に
    傾斜した板状に突出形成された係止突起を有するキャッ
    プを装着してそれを開栓する際に、その係止突起が接触
    してその屈曲を防止する膨出部が設けられてなることを
    特徴とする容器。
  8. 【請求項8】 ネジ部の直下に径方向外方に環状に膨出
    した膨出段部が形成され、かつ該膨出段部の下端から上
    記係止爪の上端までの長さを3.0mm以上としたこと
    を特徴とする請求項8の容器。
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