JP3611633B2 - 閉止装置及び合成樹脂製キャップ - Google Patents

閉止装置及び合成樹脂製キャップ Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、口部外周にネジ部が形成された容器と、その容器口部に螺着嵌合され、開栓時に筒部下部に連結されたタンパーエビデンスリング部がキャップ主部から切り離されて開栓を表示するタンパーエビデンス性を有するキャップとからなる閉止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、口部にネジ部が形成された容器と、その容器口部に螺着嵌合され、開栓時に筒部下部に連結された開栓表示リング部がキャップ主部から切り離されて開栓を表示する機能(ピルファープルーフ性又はタンパーエビデンス性と称される)を有するキャップとからなる閉止装置として、各種の形状のものが提案されている。
【0003】
図11は、従来の閉止装置の一例として特公昭52−14677号公報に記載されたキャップとそれに対応する容器とからなる閉止装置を示すものである。この閉止装置は、頂部3と、頂部周縁から下方に延びその内側にねじ5を有する筒部4と、キャップ本体2を開封方向に回すとき容体逆止突起14とキャップ逆止突起8との逆止力により破断されるブリッジ6と、このブリッジ6によりキャップ本体2から区画された環状体7とを備えたキャップ1と、このキャップ1が装着されるように、口部12に雄ねじ13が形成されるとともに、この雄ねじ13の下部に容体逆止突起14が形成された容器11とからなる閉止装置が記載されている。この閉止装置は、キャップ1を開栓方向に回すと、キャップ1の環状体7内面に設けられたキャップ逆止突起8が、容器11に設けられた容体逆止突起14に係合し、それによって環状体7の回転が阻止され、ブリッジ6が切断されてキャップ本体2から環状体7が切り離されるようになっている。
【0004】
図12は、従来の閉止装置の他の例として特公平1−30702号公報に記載された合成樹脂製容器蓋(キャップ)を示すものであり、外周面に雄ねじ31と該雄ねじ31の下方に設けられたあご部32とが形成されている容器口部30を備えた容器と、これに装着されるキャップ20が記載されている。このキャップ20は、天板部21とその周縁部から垂下する筒部22とを具備し、該筒部22には周方向に延びる複数個のスリット23と該スリット間に存在するブリッジ24によって規定された破断ライン25が形成され、筒部22が破断ライン25より上方の主部26と破断ラインより下方のピルファープルーフ裾部27とに区画されており、該主部26の内面には容器口部30の雄ねじ31に螺合するねじ部28が形成されており、ピルファープルーフ裾部27の内面には半径方向内方に突出する複数個の突起29が、ブリッジ24と離れた位置に形成されている。この突起29は、図13に示すように軸線方向下方から上方に向って半径方向内方への突出量が漸次増大するような形状で形成されている。
【0005】
この閉止装置では、キャップ20を容器口部30に装着する際には、ピルファープルーフ裾部27が弾性変形して突起29が容器口部30のあご部32を乗り越えその下方に入り込む。そして、容器口部30に装着されたキャップ20を開栓方向に回すと、ピルファープルーフ裾部27の内面に設けられた突起29が容器口部30のあご部下端に係止して、ピルファープルーフ裾部27の上方への移動を阻止し、その結果キャップ20の主部26とピルファープルーフ裾部27とを連結するブリッジ24に引張力が作用し、ブリッジ24が切断され、ピルファープルーフ裾部27が切り離される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の閉止装置には次のような問題があった。
前者の特公昭52−14677号公報に記載された閉止装置は、キャップ1を容器口部11に装着する際に、環状体7内面に形成されているキャップ逆止突起8又は容器口部11に形成されている容体逆止突起14を圧縮し両者を相対的に回転させることが必要であるが、これら逆止突起を圧縮するには、キャップに相当大きなトルクを加える必要があり、従ってキャップ1の装着が比較的困難であり、またキャップに加えられる相当大きなトルクに起因してキャップ装着時にブリッジが破断されてしまう欠点がある。その欠点を解決するためには、逆止突起の突出量を小さくするか或いは逆止突起を軟質又は柔軟なものにすることが考えられるが、そのようにすると容器口部11にキャップ1を装着した後におけるキャップ逆止突起8と容体逆止突起14との係合が不十分なものになり、開封表示によるタンパーエビデンス性が損なわれることになる。
さらに、上記の閉止装置では、キャップ1および容器口部の形状が特異であり、通常の合成樹脂製キャップや金属製キャップに適用させるのが困難である欠点がある。
【0007】
また後者の特公平1−30702号公報に記載されたキャップ20は、ピルファープルーフ裾部27の突起29とブリッジ24とを離して設けたことによって、キャップ20を容器口部30に装着する際に突起29が容器口部30のあご部32を乗り越えるときにピルファープルーフ裾部27が弾性変形してもブリッジ24が破断されるのを防いでいる。しかし、このキャップ20は、開栓時にピルファープルーフ裾部27の内面に設けられた突起29が容器口部30のあご部下端に係止してピルファープルーフ裾部27の上方への移動を阻止し、その結果キャップ20の主部26とピルファープルーフ裾部27とを連結するブリッジ24に作用する引張力でブリッジ24を切断する構造になっているために、キャップを合成樹脂で形成した場合には、ブリッジ24に引張力が作用するとブリッジ24が簡単に引き延され、これを切断させるにはキャップ本体を開栓方向にかなりの角度回転させなければならなかった。
【0008】
この種のタンパーエビデンス性を有するキャップにあっては、容器口部に装着されたキャップを最初の位置から開栓方向に回す時、容器口部の上端がキャップ内面或いはライナー等から離れて容器の密封性が解除された時点の回転角度(シールリリースアングル;以下S.R.Aという)と、容器口部に装着されたキャップを最初の位置から開栓方向に回す時、ブリッジが切断される位置までの回転角度(ブリッジ切断角度;以下B.B.Aという)との関係が、S.R.A−B.B.A=0度以上、好ましくは30度以上あることが望ましいとされる。即ち、キャップ開栓時に、容器口部上端がライナー等から離れて密封シールが解除される以前にブリッジが切断されることが望ましいとされている。
閉止装置のキャップとして、アルミ合金などの金属製キャップを用い、このキャップを容器口部に被せ、その筒部を容器口部の外周に沿って巻き締めしたものでは、一般に上記B.B.Aを90度以内と小さくすることができるために、S.R.A−B.B.Aの値を大きくすることができる。
しかし、上述した合成樹脂製キャップ20にあっては、ブリッジ24の延びによってB.B.Aが大きくなり、S.R.A−B.B.A=0度以下になる場合があり、タンパーエビデンス性の向上の観点から改善すべき点があった。
【0009】
さらに、このキャップ20を容器口部30に装着する際に、ピルファープルーフ裾部27が弾性変形することによって突起29が容器口部30のあご部32を乗り越えるものであり、たとえピルファープルーフ裾部27の突起29とブリッジ24とを離して設けたとしても、ブリッジ24の機械強度が弱いとキャップ螺着時にブリッジ24が切断される場合があり、かかる不都合を防止するためにはブリッジ24の強度を高めるか或いは図12と図13中の符号34,35に示すように破断ライン25の上下に係合片を設け、キャップ螺着時にブリッジ24が切断されるのを防止することが考えられる。しかし、ブリッジ24の強度を高めると、キャップの開栓が困難となったり、ブリッジ24が切れなくなってタンパーエビデンス性が損なわれるおそれがあり、また破断ライン25の上下に係合片を設けることは通常のキャップ製造工程では困難であり、特別の製造工程が必須となり、製造コストの上昇を招いてしまうことになる。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、合成樹脂製キャップと容器とからなる閉止装置において合成樹脂製キャップを装着した際のB.B.Aを小さくすることができ、良好なタンパーエビデンス性を発揮し得る閉止装置と合成樹脂製キャップの提供を目的としている。
また、本発明の他の目的は、容器口部に装着された合成樹脂製キャップを開栓方向に回して複数のブリッジを切断してタンパーエビデンスリング部を主部から切り離すとともに、リング部をバンド状に開環させて開栓表示機能を強化し、同時に開環したバンドを容器口部から容易に取り外すことができる閉止装置と合成樹脂製キャップの提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる閉止装置は、口部外周にネジ部が形成され、該ネジ部の下方に径方向外方に環状に膨出した膨出段部が形成された容器と、その口部に螺着嵌合される合成樹脂製キャップ(以下、キャップという)とを備え、該キャップが、天板部とその周縁から垂下した筒部とを備え、該筒部の下部に複数のブリッジを残して水平スコアによって主部から区画されたタンパーエビデンスリング部(以下、TEリング部という)が形成され、かつ該主部の内壁面に容器のネジ部に螺合するネジ部が設けられた閉止装置において、容器の膨出段部の下方に、縮径部を介して周方向に沿って複数個離間配置された係止爪を設け、かつキャップのTEリング部の内壁面に、容器口部に装着されたキャップを開栓方向に回す際に係止爪に係合する係止突起を周方向に沿って複数個離間配置し、かつTEリング部に該リング部をバンド状に開環させる垂直スコアを設け、該垂直スコアにより開環されるTEリング部の両端部に、ブリッジの未切断状態では互いに係合し、ブリッジが切断して該両端部が離間する際には離脱可能な垂直スコア保護部を設け、上記垂直スコア保護部が、垂直スコアにより開環されるTEリング部の一端部の内壁に設けられた凹部材と、他端部の内壁に設けられ該凹部材の凹部内に着脱可能に挿入される凸部を有する凸部材とからなり、上記凹部材が、TEリング部内壁との隙間が上記凹部となるように上記他端部側に延びていることを特徴とする。
【0012】
本発明の閉止装置において、キャップの主部下端部から下方に向けて突出形成され、開栓方向に向けて漸次突出高さを減じる傾斜面を有する遅動防止突起と、該遅動防止突起の閉栓方向側面に近接するとともに一部または全部がTEリング部側に位置するように設けられた係合突起とからなる遅動防止手段を設け、かつ該遅動防止突起の開栓方向側にブリッジを近接配置した構成として良い。この遅動防止手段の係合突起は、TEリング部の上端部に、その一面を遅動防止突起の閉栓方向側面に近接して配置された突起、又はキャップ主部とTEリング部との境界部に設けられ、水平スコアによってその一部がTEリング部と連動するように切断して形成された突起とのいずれか一方として良い。さらに、上記遅動防止突起の傾斜面の角度は15〜60度の範囲として良い本発明の閉止装置において、容器の膨出段部下端から係止爪上端までの長さを3.0mm以上として良い。本発明の閉止装置において、容器口部に装着されたキャップを開栓方向に回転させ、ブリッジが切断される位置までの回転角度であるブリッジ切断角度が90度以下として良い。
【0013】
本発明のキャップは、口部外周にネジ部が形成され、該ネジ部の下方に1個又は周方向に沿って複数個離間配置された係止爪が設けられた容器の口部に螺着嵌合されるキャップであり、天板部とその周縁から垂下した筒部とを備え、該筒部の下部に複数のブリッジを残して水平スコアによって主部から区画されたTEリング部が形成され、該主部の内壁面に容器のネジ部に螺合するネジ部が設けられてなるキャップにおいて、キャップのTEリング部の内壁面に、容器口部に装着されたキャップを開栓方向に回す際に容器の係止爪に係合する係止突起を周方向に沿って複数個離間配置し、かつTEリング部に該リング部をバンド状に開環させる垂直スコアを設け、該垂直スコアにより開環されるTEリング部の両端部に、ブリッジの未切断状態では互いに係合し、該ブリッジが切断して該両端部が離間する際には離脱可能な垂直スコア保護部を設け、上記垂直スコア保護部が、垂直スコアにより開環されるタンパーエビデンスリング部の一端部の内壁に設けられた凹部材と、他端部の内壁に設けられ該凹部材の凹部内に着脱可能に挿入される凸部を有する凸部材とからなり、上記凹部材が、タンパーエビデンスリング部内壁との隙間が上記凹部となるように上記他端部側に延びているものである。
【0014】
本発明のキャップにおいて、キャップ本体の主部下端から下方に向けて突出形成され、開栓方向に向けて漸次突出高さを減じる傾斜面を有する遅動防止突起と、該遅動防止突起の閉栓方向側面に近接するとともに一部または全部がTEリング部側に位置するように設けられた係合突起とからなる遅動防止手段を設け、かつ該遅動防止突起の開栓方向側にブリッジを近接配置した構成として良い。この遅動防止手段の係合突起は、TEリング部の上端部に、その一面を遅動防止突起の閉栓方向側面に近接して配置された突起、またはキャップ主部とTEリング部との境界部に設けられ、水平スコアによってその一部がTEリング部と連動するように切断して形成された突起とのいずれか一方として良い。また上記遅動防止突起の傾斜面の角度は15〜60度の範囲として良い。
【0015】
【作用】
本発明の閉止装置は、膨出段部の下方に、縮径部を介して1個又は周方向に沿って複数個離間配置された係止爪を設けた容器と、TEリング部の内壁面に該係止爪に係合する係止突起を設けたキャップとから構成し、このキャップを上記容器の口部に装着し、キャップを開栓方向に回した際に容器の係止爪とキャップの係止突起とが係合し、TEリング部の回転が阻止され、その結果キャップを開栓方向に回す回転力が直接ブリッジに作用し、ブリッジが容易に切断される。そして容器口部の膨出段部の下方に複数個の係止爪を配置し、キャップのTEリング部内壁に複数の係止突起を配置したことにより、容器口部に装着されたキャップを開栓方向に回転させ、ブリッジが切断される位置までの回転角度であるブリッジ切断角度(B.B.A)を90度、好ましくは45度以下と小さくすることが可能となる。
【0016】
また、本発明では、キャップのTEリング部に該リング部をバンド状に開環させる垂直スコアを設け、該垂直スコアにより開環されるリング部の両端部に、ブリッジの未切断状態では互いに係合し、該ブリッジが切断して該両端部が離間する際には離脱可能な垂直スコア保護部を設けたことによって、容器口部にキャップを装着する際および容器口部に装着されたキャップを開栓してブリッジが切断されるまでは、垂直スコア保護部によって垂直スコアで切断されたTEリング部の両端が離間分離するのが防止される。キャップを開栓してブリッジが切断されると、垂直スコア保護部によるTEリング部両端部の係合が解除され、TEリング部が垂直スコアに沿ってバンド状に開環される。
【0017】
また、本発明では、キャップに主部下端部から下方に向けて突出形成され、開栓方向に向けて漸次突出高さを減じる傾斜面を有する遅動防止突起と、該遅動防止突起の閉栓方向側面に近接するとともに一部または全部がTEリング部側に位置するように設けられた係合突起とからなる遅動防止手段を設け、かつ該遅動防止突起の開栓方向側にブリッジを近接配置したことにより、容器口部にこのキャップを被せ、閉栓方向に回して螺着嵌合する場合には、係合突起が遅動防止突起の閉栓方向側面に当接して、キャップ主部の閉栓方向への回転にTEリング部の回転が遅動することなく完全に一致して連動することにより、キャップ巻締め時にブリッジに余分な力が加わることなく装着し得る。また、容器口部に装着されたこのキャップを開栓方向に回すと、容器の係止爪と該キャップの係止突起とが係合し、TEリング部の回転が阻止され、その結果キャップを開栓方向に回す回転力が直接ブリッジに作用し、ブリッジが切断されるとともに、切断されたブリッジの残部が遅動防止突起の傾斜面に沿って移動し、TEリング部を主部から離間させる方向に押圧することにより、ブリッジが切断されて主部から切り離されたTEリング部が確実に主部から離間する。
【0018】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図1ないし図4は本発明にかかる閉止装置と合成樹脂製キャップの一実施例を示すものであり、これらの図中符号50はキャップ、70は容器である。本実施例において、キャップ50はポリプロピレンなどの合成樹脂から作られている。また容器70は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの合成樹脂から作られている。なお、容器70は本実施例に限定されることなくガラス容器であっても良い。
【0019】
キャップ50は、円形をなす天板部51と、この天板部51の周縁から垂下する筒部52とからなるキャップ本体53と、このキャップ本体53の天板部51内面側に設けられた薄肉状のライナー54とを備えて構成されている。上記筒部52は、複数の細いブリッジ55を残して水平スコア56によって、水平スコア56より上部の主部57と、水平スコア56より下部のTEリング部58とに区画されている。この主部57の内壁面には、容器70の口部外周に形成された雄ネジ71と螺合するネジ部59が形成されている。また、TEリング部58内壁面には、開栓方向に沿って漸次突出高さを増す、8つの係止突起60が周方向に沿って所定間隔毎で形成されたラチェット構造になっている。
【0020】
このキャップ50には、主部57とTEリング部58との境界部分に、板状をなす16個のリーダー55aが周方向に沿って離間配置されている。これらリーダー55aは水平スコア56によって一部が切断され、その未切断部分がブリッジ55となっている。なお、図2において符号65を付した破線は、水平スコア56の切断線を示し、この切断線65の径方向外方が水平スコア56により切断されている。
【0021】
このキャップ50には、主部57下端から下方に向けて突出形成され、開栓方向に漸次突出高さを減じる傾斜面61を有する遅動防止突起62と、この遅動防止突起62の閉栓方向側面62aに近接配置された係合突起63とからなる遅動防止手段64が設けられている。この遅動防止手段64は、隣合う2つの係止突起60,60の間に設けられた2つのブリッジ55,55間に挟まれるように設けられ、その一方のブリッジ55は遅動防止突起62の傾斜面61の開栓方向端に近接配置されている。遅動防止突起62は、図2中の切断線65で示すようにその厚みの半分程度まで水平スコア56によって切断されているが主部57側に連動する。また係合突起63は水平スコアによって完全に切断され主部57側とTEリング部58側とに分断されている。なお、本実施例においては図4に示すように、キャップ本体主部57のTEリング部58近傍に形成された水平環状面67に遅動防止突起62を突出形成している。
【0022】
遅動防止突起62に近接配置された係合突起63は、閉栓方向に向けて漸次径方向内方への突出高さを減じる傾斜面を有する形状をなし、その開栓方向側面63aは遅動防止突起62の閉栓方向側面62aと確実に係合されるほぼ垂直な面になっている。この実施例において係合突起63は主部57とTEリング部58の両方にかかる位置に形成され、水平スコア56によって切断されている。なお、係合突起63は、その開栓方向側面63aが遅動防止突起62の閉栓方向側面62aと確実に係合されれば良く、その形状や形成位置は本実施例に限定されない。例えば、係合突起63をTEリング部58側に形成し、遅動防止突起62のTEリング部側突出部と係合させるように構成しても良い。
【0023】
遅動防止手段64の遅動防止突起62と係合突起63との突出高さは、キャップ50を容器口部70aに装着した状態で、容器70の係止爪74上端に接しない高さであれば良いが、好ましくは水平スコア56から0.5〜2.5mm程度とされる。遅動防止突起62と係合突起63との間隔は、ブリッジ55の幅以下、好ましくは0.5mm以下とされる。
図5に示す遅動防止突起62の傾斜面61の傾斜角度αは15〜60度とされる。角度αが15度より小さいと、遅動防止手段64の係合突起63がこの傾斜面61に沿って移動し、TEリング部58を押圧して主部57から離間させるのに必要な回転角度が大きくなってしまう。また、角度αが60度よりも大きいと、切断されたブリッジ55の残部66がこの傾斜面61に沿って移動する際の抵抗力が大きくなり、開栓し難くなる。
【0024】
このキャップ50のTEリング部58には、TEリング部58をバンド状に開環させるための垂直スコア69が形成されている。また、この垂直スコア69によって切断されたTEリング部58の両端部には、その一方の端部の内壁に設けられた凹部材68Aと、他方の端部の内壁に設けられ該凹部材68Aの凹部内に着脱可能に挿入される凸部を有する凸部材68Bとからなる垂直スコア保護部68が設けられている。この凹部材68AはTEリング部58の一端部から、凸部材68Bが挿入される隙間(凹部)が形成されるように径方向内方に延びた後、周方向に沿って他方の端部側に延びた板状の部材である。また凸部材68Bは、TEリング部58の他方の端部から周方向に沿って一方の端部側に延びた板状の部材である。これら凹部材68Aと凸部材68B、並びに垂直スコア69は、キャップ50の本体53を成形する際に一括して形成が可能である。
なお、本実施例では、凹部材68Aと凸部材68Bとが、主部57とTEリング部58との境界部に形成し、それらの中央が水平スコア56で水平に切断された構成としたが、凹部材68Aと凸部材68Bとの形成位置はこれに限らずTEリング部58側のみとしても良い。
また、垂直スコア69は、完全な垂直である必要は無く、斜めになるように切断形成しても良い。
さらに、本実施例では凹部材68Aと凸部材68Bとが水平スコア56によって切断される構成としたが、凹部材68Aまたは凹部材68Aと凸部材68Bの両方の一部を水平スコア56の切断線65の径方向内方側に延在せしめて水平スコア56による未切断部分を形成し、キャップ開栓時に主部57からTEリング部58を切り離した際に該未切断部分のみでTEリング部58が主部57と連結され、容器口部70aから主部57を取り外す際に開環されたTEバンド58Aを一緒に取り外せるように構成しても良い。
また、垂直スコア56は弱化線としたり未切断部分を残すように切断形成しても良い。
【0025】
この垂直スコア保護部68は、キャップ50の多数のブリッジ55が未切断の状態にあっては、凹部材68Aの凹部内に凸部材68Bの凸部が挿入され、垂直スコア69で分けられたTEリング部58の両端が径方向に相対的に変位するのを防止している。一方、キャップ開栓の際に複数のブリッジ55が切断されると、TEリング部58の両端部が離間する方向に移動可能となるので、両端部が離間方向に移動して凹部材68Aから凸部材68Bが抜け出すことによって、この垂直スコア保護部68による両端部の係合が解除され、TEリング部58がバンド状に開環される。
この垂直スコア保護部68は、TEリング部58の一方の端部に設けた凹部材68A内に、他方の端部に設けた凸部材68Bを挿入して係合させることにより、TEリング部58が歪んだ場合にTEリング部58の両端が径方向に相対的に変位するのを防止する。この保護部68を設けることなく、単にTEリング部58に垂直スコア69を設けると、キャップ50を容器口部70aに装着する際にTEリング部58に加わる歪や外方への押圧力が垂直スコア69に集中して、TEリング部58の両端が径方向に相対的に変位し、その結果垂直スコア69に近いブリッジ55が切断され易い。従って垂直スコア保護部68を設けたことによって、キャップ50装着時の上述したブリッジ55の切断を防ぐことができる。
【0026】
容器70は、その口部70aの上部外周に雄ネジ71が形成され、雄ネジ71の下方に環状に膨出した膨出段部72が形成され、またその下方の容器首部にはフランジ73が形成されている。さらにこの容器70では、膨出段部72の下方に縮径部75を介して、図3に示す通り4個の係止爪74が周方向に間隔をおいて設けられている。これら係止爪74は、キャップ50の開栓時に係止突起60の側面に当接する側の当接面がほぼ垂直な面に形成され、その反対面は該当接面に向って突出高さを漸次増加させた傾斜面になっている。
【0027】
容器70の膨出段部72下端から係止爪74上端までの長さ、即ち縮径部75の長さは、3.0mm以上、好ましくは3.0〜10mm程度として良い。この縮径部75の長さが3.0mm以上であれば、この容器70に金属製キャップを巻締めて装着する場合に、成形ローラで金属製キャップ下端部を容器70の膨出段部72下端に巻込み成形するのが容易となる。
【0028】
本実施例では、TEリング部58に8個の係止突起60を設けると共に、容器70の膨出段部72下部に4つの係止爪74を設けたラチェット構造になっている。これら係止突起60と係止爪74の個数は、この例示に限定されることなく、係止爪74が1個または複数個、係止突起60が複数個であれば良いが、B.B.A.を90度以下、好ましくは45度以下とするためには容器70に係止爪74を4つ設けた場合に、係止突起60を4個以上、好ましくは8個以上設けることが望ましい。また、本実施例では遅動防止突起62と係止突起63を周方向に4個配設した構成としたが、この個数も本実施例に限定されない。
【0029】
本実施例による閉止装置の使用方法について説明する。容器70は、所望の内容液を充填した後、図示略のキャップ装着装置に搬送され、フランジ73の下面を支承し、好ましくは懸吊状態で搬送しつつ、その口部70aにキャップ50を螺着嵌合し、キャップ50を装着して密封する。
【0030】
キャップ50を容器口部70aに装着する場合には、TEリング部58の係止突起60は、その内径が容器口部70aの雄ネジ71及び膨出段部72の外径よりも大きく設定されていることから、TEリング部58は容器口部70aの外周を容易に通過可能である。容器70の雄ネジ71とキャップ50のネジ部59との閉方向への螺子嵌合に従ってTEリング部58が下方に移動し、容器70の係止爪74の位置に移動する。このとき遅動防止手段64は、図6に示すように、係合突起63が遅動防止突起62の閉栓方向側面62aに当接して、キャップ主部58の閉栓方向への回転にTEリング部58の回転が遅動することなく完全に一致して連動することにより、キャップ50の係止突起60が係止爪74を乗り越えることができる。従って、キャップ装着時に、キャップ50の係止突起60が容器70の係止爪74を乗り越える際の抵抗によってTEリング部58が主部57の回転に対して遅動することによりブリッジ55に余分な力が加わるのが防止され、キャップ50を装着する際にブリッジ55が切断されることがない。
さらに、TEリング部58の垂直スコア69には歪や外方への押圧力が集中し、TEリング部58の両端が径方向に相対的に変位する力が加わるが、TEリング部58の両端部に垂直スコア保護部68を設けたことによって、TEリング部58の両端が径方向に相対的に変位するのを防止でき、垂直スコア69に近いブリッジ55が切断されることもない。
【0031】
容器口部70aに装着されたキャップ50は、図1に示すように、係止突起60の下端が係止爪74の下部近傍まで達した状態で巻締められる。
また、容器口部70aの上端および外周面は、キャップ50の天板部51内面に設けられた軟質樹脂からなるライナー54に圧接し、それによって容器70が密封されている。
【0032】
この閉止装置のキャップ50を開栓するべく容器口部70aに装着されたキャップ50を開栓方向に回すと、キャップ50のTEリング部58内周面に多数配置された係止突起60が、容器70に設けられた係止爪74の当接面に当接し、TEリング部58の開栓方向への回転を阻止する。
【0033】
キャップ50の主部57は開栓方向に回され、TEリング部58は回転を阻止されることから、主部57とTEリング部58とを連結している複数の細いブリッジ55は、主部57の回転に従って急激に横方向に引っ張られて直ちに切断される。ブリッジ55が切断されることによって、垂直スコア69で分けられたTEリング部58の両端が周方向に或いは垂直方向に離間することが可能となり、垂直スコア保護部68の係合が容易に解除される状態となる。
【0034】
これらブリッジ55の切断に引き続いて、図7から図9に示すように、遅動防止突起62の開栓方向側に配されたブリッジ残部66が遅動防止突起62の傾斜面61に当接し、その傾斜に沿って移動し、TEリング部58を主部57から離間させる方向に押圧することにより、ブリッジ55が切断されて主部57から切り離されたTEリング部58を確実に主部57から離間させることができる。この結果、キャップ50の主部57から切り離されたTEリング部58は主部57の下方に離間し、一見して開栓したことが認識できるようになる。
図10は、主部57からTEリング部58が完全に離間した状態を示している。なお、この時点ではTEリング部58は垂直スコア69から開環されたTEバンド58Aとなっており、容器70から容易に取り外せる状態になっている。
【0035】
キャップ50の主部57をさらに開栓方向に回すと、容器口部70aの上端および上端近傍の外周面からライナー54が離れ、容器70の密封シールが解放され、さらに主部57を回して容器口部70aから取り外す。また、開環されたTEバンド58Aも容易に容器70から取り外せる。
本実施例では、TEバンド58Aが主部57から完全に切り離されて容器口部70aの下方に残るように構成したが、前述したように垂直スコア保護部68に、水平スコア56により切断されない延出部(未切断部分)を設け、或いは垂直スコア69に近いブリッジ55のいずれかを他のブリッジ55よりも太くして、ブリッジ55切断後も主部57にTEバンド58Aが一部で接続されるような構成とすれば、容器口部70aからキャップ主部57を取り外すのと同時にTEバンド58Aをも取り外すことができ、その後主部57からTEバンド58Aを引っ張って容易に切り離すことができる。
【0036】
この実施例の閉止装置は、キャップ50のTEリング部58内周面に多数の係止突起60を周方向に沿って設け、容器70の膨出段部72の下方に複数の係止爪74を設け、容器口部70aに装着されたキャップ50を開栓方向に回すときに、係止突起60が係止爪74に当接、係合してTEリング部58の回転が阻止され、その結果キャップ50を開栓方向に回す回転力が直接ブリッジ55に作用して容易に切断され、少ない回転角度でブリッジ55が容易に切断できる。従って、この実施例の閉止装置によれば、容器口部70aに装着されたキャップ50を開栓方向に回転させ、全てのブリッジ55が切断される位置までの回転角度であるブリッジ切断角度(B.B.A)を90度以下、望ましくは45度以下と小さくすることが可能となる。
【0037】
また、本実施例では、キャップ50のTEリング部58に該リング部58をバンド状に開環させる垂直スコア69を設けるとともに、垂直スコア69により開環されるTEリング部58の両端部に垂直スコア保護部68を設けたことによって、容器口部70aにキャップ50を装着する際および容器口部70aに装着されたキャップ50を開栓してブリッジ55が切断されるまでは、垂直スコア保護部68によって垂直スコア69で切断されたTEリング部58の両端が離間分離するのが防止され、キャップ50を開栓してブリッジ55が切断されると、垂直スコア保護部68によるTEリング部58両端部の係合が解除され、TEリング部58が垂直スコア69に沿ってバンド状に開環される。従って、このキャップ50は、キャップ装着時に垂直スコア69近くのブリッジ55が切断される不都合を未然に防止しつつ、キャップ開栓時にTEリング部58をバンド状に開環して開栓表示を一層明らかにすることができる。
【0038】
さらに、キャップ50に遅動防止手段64を設け、かつ遅動防止突起62の開栓方向側に近接してブリッジ55を配置したことにより、キャップ50を容器口部70aに被せて閉栓方向に回す際には、係合突起63が遅動防止突起62の開栓方向側の側面62aに当接し、かつ容器口部70aに装着されたキャップ50を開栓方向に回す際には、切断されたブリッジ55の残部66が遅動防止突起62の傾斜面61に沿って移動し、その結果TEリング部58が下方に押圧され、主部57から強制的に離間せしめられ、TEリング部58の主部57からの離間によって、キャップ50の開栓表示を確実にすることができる。
【0039】
なお、上述した各実施例は本発明の閉止装置を例示したものであり、種々の改変が可能であることは言うまでもない。例えば、上記各実施例では、キャップ本体53の天板部51内面にライナーを配した構成としたが、天板部内面側に容器口部上端に接して気密性を付与する突条等を配しライナーを省いたライナーレスキャップであってもよい。また、上記各実施例では、容器70をPETなどのプラスチック製容器としたが、ガラス製容器として構成することができるし、フランジ73の無い容器を使用しても良い。
また、上記実施例の閉止装置に用いた容器70は、膨出段部72の下方に縮径部75を介して係止爪74を設けた構成とし、その縮径部75の間隔を3mm以上、好ましくは3〜10mmとすることにより、合成樹脂製キャップ50に代えて金属製のキャップを装着する際に、その縮径部75によって成形ローラ等によるキャップ成形、特にTEリング部98下端部の巻き込み成形を容易に実施することができるので、この容器70は合成樹脂製キャップ50と金属製キャップとの兼用使用が可能となる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の閉止装置は、キャップのTEリング部内周面に多数の係止突起を周方向に沿って設け、容器の膨出段部の下方に複数の係止爪を設け、容器口部に装着されたキャップを開栓方向に回すときに、係止突起が係止爪に当接、係合してTEリング部の回転が阻止され、その結果キャップを開栓方向に回す回転力が直接ブリッジに作用し、ブリッジが容易に切断される。さらに容器口部に複数の係止爪を間隔をおいて配置するとともに、キャップのTEリング部内壁に多数の係止突起を配置することにより、少ない回転角度でブリッジが容易に切断できる。従って、この実施例の閉止装置によれば、容器口部に装着されたキャップを開栓方向に回転させ、ブリッジが切断される位置までの回転角度であるブリッジ切断角度(B.B.A)を90度以下、望ましくは45度以下と小さくすることが可能となり、タンパーエビデンス性の優れた閉止装置を提供することができる。
【0041】
また、本発明では、キャップのTEリング部に該リング部をバンド状に開環させる垂直スコアを設けるとともに、垂直スコアにより開環されるTEリング部の両端部に、ブリッジの未切断状態では互いに係合し、ブリッジが切断して該両端部が離間する際には離脱可能な垂直スコア保護部を設けたことによって、容器口部にキャップを装着する際および容器口部に装着されたキャップを開栓してブリッジが切断されるまでは、垂直スコア保護部によって垂直スコアで切断されたTEリング部の両端が離間分離するのが防止され、キャップを開栓してブリッジが切断されると、垂直スコア保護部によるTEリング部両端部の係合が解除され、TEリング部が垂直スコアに沿ってバンド状に開環される。従って、本発明によれば、キャップ装着時に垂直スコア近くのブリッジが切断される不都合を未然に防止しつつ、キャップ開栓時にTEリング部をバンド状に開環して開栓表示を一層明らかにすることができる閉止装置とキャップとを提供することができる。
【0042】
また、この発明にかかる合成樹脂製キャップは、キャップ主部下端部から下方に向けて突出形成され、開栓方向に漸次突出高さを減じる傾斜面を有する遅動防止突起と、該遅動防止突起の閉栓方向前方側に近接するとともに一部または全部がタンパーエビデンスリング部側に位置するように設けられた係合突起とからなる遅動防止手段が設けられ、かつ該遅動防止突起の開栓方向側にブリッジが近接配置されてなる構成としたことにより、容器口部にこの合成樹脂製キャップを被せ、閉栓方向に回して螺着嵌合する場合には、係合突起が遅動防止突起の閉栓方向側面に当接して、キャップ主部の閉栓方向への回転にTEリング部の回転が遅動することなく完全に一致して連動することにより、キャップ巻締め時にブリッジに余分な力が加わることなく装着し得るので、キャップ装着時にブリッジが切断される不都合を確実に防止することができる。
また、容器口部に装着されたこのキャップを開栓方向に回す際には、切断されたブリッジの残部が遅動防止突起の傾斜面に沿って移動し、その結果TEリング部が下方に押圧され、主部から強制的に離間せしめられ、TEリング部の主部からの離間によって、キャップの開栓表示を確実にすることができる。
さらに、このキャップでは、遅動防止手段の遅動防止突起と係合突起とを小さく形成することができ、その結果、これらを水平スコアに隣接して配し、その一部が水平スコアで切断される場合にも切断抵抗が小さくなり、水平スコアの切断不良を生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施例を示す閉止装置の正面断面図である。
【図2】図2は同じ閉止装置を示し、図1中A−A線断面図である。
【図3】図3は同じ閉止装置を示し、図1中B−B線断面図である。
【図4】図4は同じ閉止装置のキャップの斜視図である。
【図5】図5は同じキャップの要部を示す図2中C−C部矢視図である。
【図6】図6は同じく閉栓時の要部を示す図である。
【図7】図7は同じく開栓してTEリングが離間する直前の状態にある要部を示す図である。
【図8】図8は同じく開栓してTEリングが離間する状態にある要部を示す図である。
【図9】図9は同じく開栓してTEリングが離間した状態の要部を示す図である。
【図10】図10は開栓してTEリングが離間した状態の閉止装置の正面図である。
【図11】図11は従来の閉止装置の一例を示す斜視図である。
【図12】図12は従来の閉止装置の他の例を示す一部断面視した正面図である。
【図13】図13は図12に示す閉止装置の要部斜視図である。
【符号の説明】
50……キャップ、51……天板部、52……筒部、53……キャップ本体、54……ライナー、55……ブリッジ、56……水平スコア、57……主部、58……TEリング部、59……ネジ部、60……係止突起、61……傾斜面、62……遅動防止突起、63……係合突起、64……遅動防止突起、68……垂直スコア保護部、68A……凹部材、68B……凸部材、69……垂直スコア、70……容器、70a……容器口部、71……雄ネジ、72……膨出段部、73……フランジ、74……係止爪。

Claims (10)

  1. 口部外周にネジ部が形成され、該ネジ部の下方に径方向外方に環状に膨出した膨出段部が形成された容器と、その口部に螺着嵌合される合成樹脂製キャップとを備え、
    該合成樹脂製キャップが、天板部とその周縁から垂下した筒部とを備え、該筒部の下部に複数のブリッジを残して水平スコアによって主部から区画されたタンパーエビデンスリング部が形成され、かつ該主部の内壁面に上記容器のネジ部に螺合するネジ部が設けられた閉止装置において、
    上記容器の膨出段部の下方に、縮径部を介して1個または周方向に沿って複数個離間配置された係止爪が設けられ、かつ上記合成樹脂製キャップのタンパーエビデンスリング部の内壁面に、上記容器口部に装着された上記合成樹脂製キャップを開栓方向に回す際に上記係止爪に係合する係止突起が周方向に沿って複数個離間配置され、かつタンパーエビデンスリング部に該リング部をバンド状に開環させる垂直スコアが設けられ、該垂直スコアにより開環されるタンパーエビデンスリング部の両端部に、上記ブリッジの未切断状態では互いに係合し、該ブリッジが切断して該両端部が離間する際には離脱可能な垂直スコア保護部が設けられ、
    上記垂直スコア保護部が、垂直スコアにより開環されるタンパーエビデンスリング部の一端部の内壁に設けられた凹部材と、他端部の内壁に設けられ該凹部材の凹部内に着脱可能に挿入される凸部を有する凸部材とからなり、
    上記凹部材は、タンパーエビデンスリング部内壁との隙間が上記凹部となるように上記他端部側に延びていることを特徴とする閉止装置。
  2. 合成樹脂製キャップの主部下端部から下方に向けて突出形成され、開栓方向に向けて漸次突出高さを減じる傾斜面を有する遅動防止突起と、該遅動防止突起の閉栓方向側面に近接するとともに一部または全部がタンパーエビデンスリング部側に位置するように設けられた係合突起とからなる遅動防止手段が設けられ、かつ該遅動防止突起の開栓方向側にブリッジが近接配置されてなることを特徴とする請求項1の閉止装置。
  3. 遅動防止手段の係合突起が、タンパーエビデンスリング部の上端部に、その一面を遅動防止突起の閉栓方向側面に近接して配置された突起、又はキャップ主部とタンパーエビデンスリング部との境界部に設けられ、水平スコアによってその一部がタンパーエビデンスリング部と連動するように切断して形成された突起とのいずれか一方であることを特徴とする請求項2の閉止装置。
  4. 遅動防止突起の傾斜面の角度が15〜60度の範囲とされたことを特徴とする請求項2または3の閉止装置。
  5. 容器の膨出段部下端から係止爪上端までの長さを3.0mm以上としたことを特徴とする請求項1から4のいずれかの閉止装置。
  6. 容器口部に装着されたキャップを開栓方向に回転させ、ブリッジが切断される位置までの回転角度であるブリッジ切断角度が90度以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかの閉止装置。
  7. 口部外周にネジ部が形成され、該ネジ部の下方に周方向に沿って複数個離間配置された係止爪が設けられた容器の口部に螺着嵌合される合成樹脂製キャップであり、
    天板部とその周縁から垂下した筒部とを備え、該筒部の下部に複数のブリッジを残して水平スコアによって主部から区画されたタンパーエビデンスリング部が形成され、該主部の内壁面に上記容器のネジ部に螺合するネジ部が設けられてなる合成樹脂製キャップにおいて、
    上記タンパーエビデンスリング部の内壁面に、上記容器口部に装着された該合成樹脂製キャップを開栓方向に回す際に係止爪に係合する係止突起が周方向に沿って複数個離間配置され、かつタンパーエビデンスリング部に該リング部をバンド状に開環させる垂直スコアが設けられ、該垂直スコアにより開環されるタンパーエビデンスリング部の両端部に、上記ブリッジの未切断状態では互いに係合し、該ブリッジが切断して該両端部が離間する際には離脱可能な垂直スコア保護部が設けられ、
    上記垂直スコア保護部が、垂直スコアにより開環されるタンパーエビデンスリング部の一端部の内壁に設けられた凹部材と、他端部の内壁に設けられ該凹部材の凹部内に着脱可能に挿入される凸部を有する凸部材とからなり、上記凹部材が、タンパーエビデンスリング部内壁との隙間が上記凹部となるように上記他端部側に延びていることを特徴とする合成樹脂製キャップ。
  8. キャップ本体の主部下端から下方に向けて突出形成され、開栓方向に向けて漸次突出高さを減じる傾斜面を有する遅動防止突起と、該遅動防止突起の閉栓方向側面に近接するとともに一部または全部がタンパーエビデンスリング部側に位置するように設けられた係合突起とからなる遅動防止手段が設けられ、かつ該遅動防止突起の開栓方向側にブリッジが近接配置されてなることを特徴とする請求項7の合成樹脂製キャップ。
  9. 遅動防止手段の係合突起が、タンパーエビデンスリング部の上端部に、その一面を遅動防止突起の閉栓方向側面に近接して配置された突起、またはキャップ主部とタンパーエビデンスリング部との境界部に設けられ、水平スコアによってその一部がタンパーエビデンスリング部と連動するように切断して形成された突起とのいずれか一方であることを特徴とする請求項8の合成樹脂製キャップ。
  10. 遅動防止突起の傾斜面の角度が15〜60度の範囲とされたことを特徴とする請求項8または9の合成樹脂製キャップ。
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