JPH08113235A - 折畳みコンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 あおり板を上枠に取付ける構造の簡略化とと
もに、側板の取付け精度の向上も図れる折畳みコンテナ
を提供する。 【構成】 上枠２の内面側に縦方向のリブ２２を設け
て、あおり板４の枢軸４１を回動可能かつ上下方向に摺
動可能に装着する縦溝２３を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、折畳みコンテナに関
し、詳しくは、各種の物品を輸送・運搬するためなどに
用いられる折畳み可能なコンテナに関する。

【０００２】

【従来の技術】折畳みコンテナとして、従来から、底板
及び上枠と、側面の側板及びあおり板とで構成したもの
が知られている。前記側板は、上枠に回動可能に取付け
られた上側板と、端縁に立上り体を設けた底板に回動可
能に取付けられた下側板とからなり、この上側板と下側
板との二枚を内側へ折曲がるように連結部で連結し、ま
た、前記あおり板は、上枠に対して回動可能に取付けら
れている。そして、側板の連結部を伸ばした状態にした
後にあおり板を立てることによりコンテナを組立てるこ
とができ、反対にあおり板をコンテナの内側上方に跳ね
上げた後に側板の連結部を内側に折曲げることによりコ
ンテナを折畳むことができるように構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような折畳みコン
テナにおいて、組立てたときの高さ（容器の深さ）を大
きくするためには、側板及びあおり板の上下寸法を大き
くする必要がある。しかし、あおり板の上下寸法を大き
くすると、コンテナを折畳んだ際に、回動したあおり板
が重なり合う状態になるため、一方のあおり板が他方の
あおり板の回動を邪魔するかたちとなり、コンテナを完
全に折畳めなくなることがある。

【０００４】これを防止するために、あおり板を上枠に
取り付ける部分に縦方向の長孔を設け、この長孔にあお
り板を回動可能に取付ける軸を上下方向に移動可能に挿
通する構造が提案されている。この構造によれば、コン
テナを折畳んだ際に２枚のあおり板が長孔の長径方向に
移動して重なるため、互いに邪魔することなくコンテナ
を完全に折畳むことが可能になる。

【０００５】しかしながら、この構造では、上枠に長孔
があけられているため、ここにごみなどが付着する原因
になるとともに、コンテナ全体の外観を損なうことにも
なっていた。また、軸をあおり板に取付ける際には、上
枠の所定位置にあおり板を配置した状態でないと軸の取
付けができず、組付け作業が繁雑になり、さらに、上枠
に長孔を設ける機構を成形金型に形成しておかなければ
ならないので、その分成形金型が複雑になるという不都
合があった。

【０００６】また、側板と上枠との取付け部において
は、各部材の歪みなどにより寸法誤差を生じることがあ
るため、その寸法精度を厳しくすると「キシミ」を生
じ、寸法精度が低いと「ガタツキ」を生じるという不都
合があった。このため、組立て作業に難を生じたり、コ
ンテナの組立て・折畳みに難を生じたりすることがあっ
た。

【０００７】そこで本発明は、あおり板を上枠に取付け
る構造の簡略化とともに、側板の取付け精度の向上も図
れる折畳みコンテナを提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明の折畳みコンテナは、第１の構成として、
底板及び上枠と、該底板及び上枠の相対向する二辺にそ
れぞれ回動可能に取付けられ、かつ、連結部にて内側へ
折曲がるように連結された上下一対の板状体からなる側
板と、前記上枠の他の対向する二辺にそれぞれ回動可能
に設けられたあおり板とを備え、前記２枚のあおり板を
前記上枠に対して内方に回動させ、前記側板をそれぞれ
連結部を内方に折曲げて、前記両あおり板をその少なく
とも一部が互いに重なり合うようにして折畳まれる折畳
みコンテナにおいて、前記上枠の外周に設けた垂下板の
内側で、前記あおり板の枢軸に対応する位置に、縦方向
にリブを設けて縦方向の溝を形成し、該縦溝内に前記あ
おり板の枢軸を回動可能かつ上下方向に摺動可能に装着
したことを特徴としている。

【０００９】さらに、本発明の折畳みコンテナは、第２
の構成として、底板及び上枠と、該底板及び上枠の相対
向する二辺にそれぞれ回動可能に取付けられ、かつ、連
結部にて内側へ折曲がるように連結された上下一対の板
状体からなる側板と、前記上枠の他の対向する二辺にそ
れぞれ回動可能に設けられたあおり板とを備え、前記２
枚のあおり板を前記上枠に対して内方に回動させ、前記
側板をそれぞれ連結部を内方に折曲げて折畳まれる折畳
みコンテナにおいて、前記上枠の垂下板の内側で、前記
側板に設けた枢着突起に対応する位置に、縦方向にリブ
を設けて縦方向の溝を形成し、該縦溝内に前記枢着突起
を挿入して該枢着突起と前記リブとに軸棒を挿通して前
記側板を上枠に対して回動可能に装着するとともに、一
方の装着部の１箇所のみ、前記縦溝と枢着突起との寸法
関係を所定の嵌合寸法に形成したことを特徴としてい
る。

【００１０】

【作 用】上記第１の構成によれば、コンテナを折畳ん
だ際に、あおり板の枢軸が上枠の溝内を上下に摺動して
２枚のあおり板が互いに重なり合って邪魔することがな
くなり、コンテナを完全に折畳むことができる。また、
長孔に比べてごみなどが付着することがなく、コンテナ
の外観を損なうこともない。

【００１１】一方、第２の構成によれば、側板装着部の
１箇所でのみ所定の嵌合精度を得るようにしたので、各
部材に歪みが生じても他の装着部で吸収することがで
き、「キシミ」や「ガタツキ」の発生を防止できる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明を、図面に示す実施例に基づい
てさらに詳細に説明する。図１は折畳みコンテナの全体
形状の一例を示す斜視図、図２乃至図６は本発明の第１
実施例を示すもので、図２は一部切り欠き平面図、図３
は断面正面図、図４は断面側面図、図５はコンテナを折
畳んだ状態を示す断面正面図、図６は上側板の取付け部
を示す正面図である。図７及び図８は本発明の第２実施
例を示すもので、図７は組立て状態を示す要部の断面正
面図、図８は折畳み状態を示す要部の断面正面図であ
る。図９及び図１０は本発明の第３実施例を示すもの
で、図９は組立て状態を示す要部の断面正面図、図１０
は折畳み状態を示す要部の断面正面図である。

【００１３】まず、図１に示すように、本発明の対象と
なる折畳みコンテナは、底板１及び上枠２と、側面の２
枚の側板３，３及び２枚のあおり板４，４とにより構成
されている。前記側板３は、底板１に回動可能に取付け
られる下側板３１と上枠２に回動可能に取付けられる上
側板３２とを連結部３３で折曲げ可能に連結して形成さ
れている。また、あおり板４は、その上端部が上枠２に
回動可能に取付けられており、この２枚のあおり板４，
４は、コンテナを折畳んだ際に端部の一部が互いに重な
り合うような関係になっている。

【００１４】上枠２は、図４に示すように、外周部に垂
下板２１を有しており、該垂下板２１の内側で、前記あ
おり板４の枢軸４１に対応する位置には、縦方向のリブ
２２が設けられており、該リブ２２により、前記枢軸４
１を装着する縦溝２３が形成されている。なお、リブ２
２の本数は、垂下板２１の内面側に凸部が設けられてお
り、該凸部とリブ２２との間で前記縦溝２３を形成でき
る場合は１本でよく、適当な凸部が無い場合には２本の
リブ２２を設けてその間を縦溝２３にすればよい。

【００１５】そして、前記縦溝２３には、あおり板４の
上部両側に設けられた枢軸４１が回動可能かつ上下方向
に摺動可能に装着されており、コンテナを組立てた際に
は、図３に示すように、両あおり板４の枢軸４１がそれ
ぞれ縦溝２３の上端部に位置し、コンテナを折畳んだ際
には、図５に示すように、２枚のあおり板４，４の重な
り状態に応じて、すなわち、先に跳ね上げたあおり板４
の枢軸４１は縦溝２３の上部のまま、後から跳ね上げた
あおり板４の枢軸４１が縦溝２３の下部に移動する。こ
れにより、２枚のあおり板４，４を、上下位置が整った
状態で折畳むことができる。

【００１６】また、前記リブ２２の下端部には、前記側
板３を上枠２に取付けるためのヒンジ部５のヒンジ軸５
１を挿通する軸孔が設けられている。この軸孔は、前記
リブ２２の下端部と、リブ２２に平行に設けられた他の
リブの下端部及び上枠２の壁部から突出した突出部等
と、これに対応するように前記上側板３２の上辺両端部
から突出した複数の枢着突起３４とに連続するように設
けられており、上枠２側の各リブ及び突出部と上側板３
２の枢着突起３４とを互い違いに組付けてヒンジ軸５１
を挿通することにより、上枠２と上側板３２とがヒンジ
部５により回動可能に取付けられる。

【００１７】このとき、前記縦溝２３の下部に上側板３
２の枢着突起３４の一つ、本実施例では図６において右
から２番目の枢着突起３４が挿入されるため、この枢着
突起３４があおり板４の枢軸４１が縦溝２３から下方に
抜け落ちることを防止する。したがって、上枠２とあお
り板４との組付けは、前記縦溝２３の下方から枢軸４１
を挿入するだけで行うことができ、その後、上側板３２
を取付けることにより枢軸４１の抜け落ちが防止される
ので、枢軸４１の抜け防止具を別に設ける必要がなく、
しかも、枢軸４１をあらかじめあおり板４と一体あるい
は一体的に形成しておくことが可能となる。これによ
り、あおり板４の組付け作業が容易になるとともに、ご
みなどの付着もなくなり、コンテナ全体の外観を損なう
こともなく、上枠２の成形金型も簡略化できる。

【００１８】一方、ヒンジ部５は、図６に示すように、
上側板３２の複数の枢着突起３４の１箇所でのみ、上枠
２との寸法精度を所定の嵌合寸法に合わせるようにして
いる。すなわち、図６において右端の枢着突起３４の突
起幅Ｌａと、該枢着突起３４が挿入される上枠２の溝２
３ａの幅Ｌｂとの関係を、コンテナの大きさなどに応じ
て必要とする嵌合寸法Ｋに合わせた寸法にしてある。そ
して、他の枢着突起３４部分における突起と溝との間に
は、十分な余裕を持たせており、上側板３２の他端部の
ヒンジ部５は、全ての突起と溝との間に十分な余裕を持
たせている。なお、本実施例に示すように枢着突起が複
数設けられており、それぞれの枢着突起に対応するよう
にリブ及び突出部による溝が複数形成されている場合
は、この中のいずれかの枢着突起部分の寸法精度を所定
の嵌合寸法に合わせればよく、前記縦溝２３に挿入され
る枢着突起３４部分でもよい。

【００１９】このように、側板３を底板１や上枠２に回
動可能に取付けるにあたり、側板装着部の凹凸嵌合部の
１箇所のみを所定の嵌合寸法に設定することにより、各
部の寸法管理が容易になり、しかも、円滑な回動状態が
得られるとともに、各部材に歪みが生じても他の部分で
吸収することができるので、「キシミ」や「ガタツキ」
の発生を防止でき、側板３の組付け作業が容易になり、
コンテナの組立て・折畳みも容易に、かつ、確実に行う
ことができ、折畳んだ状態のコンテナを積み重ねても崩
れ難い。

【００２０】図７及び図８は本発明の第２実施例を示す
もので、あおり板４の枢軸４１ａの形状を偏平な長円あ
るいは楕円形状としたものである。このように枢軸４１
ａを偏平形状にして長軸寸法をリブ２２により形成され
る縦溝２３の幅寸法と略同一乃至僅かに大きめにするこ
とにより、あおり板４を立てたときに枢軸４１ａが縦溝
２３に嵌合した状態になるので、あおり板４の「ガタツ
キ」を防止することができる。一方、折畳んだ際には、
枢軸４１ａが縦溝２３内を自由に上下動できるので、あ
おり板４の跳ね上げを容易に行うことができる。

【００２１】図９及び図１０は本発明の第３実施例を示
すもので、あおり板４の枢軸４１ｂの形状を略扇形に形
成したものである。このように枢軸４１ｂを扇形とし、
あおり板４を立てたときと、跳ね上げたときとに、その
両側直線部が縦溝２３の側壁に当接するように形成する
ことにより、あおり板４の移動幅を制御することがで
き、あおり板４の「ガタツキ」を防止することができ
る。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の折畳みコ
ンテナは、上枠内面側に縦方向のリブを設けて、あおり
板の枢軸を回動可能かつ上下方向に摺動可能に装着する
縦溝を形成したので、コンテナを折畳んだ際に、あおり
板の枢軸が上枠の溝内を上下に摺動して２枚のあおり板
が整った状態で重なり合って互いに邪魔することがなく
なり、コンテナを完全に折畳むことができる。また、長
孔に比べてごみなどが付着することがなく、コンテナの
外観を損なうこともない。さらに、あおり板に枢軸を一
体あるいは一体的に設けることができ、上枠への組付け
を容易に行えるとともに、あおり板の管理も容易に行う
ことが可能となり、しかも、上枠の成形金型の簡略化も
図れる。

【００２３】また、前記縦溝の下端部に側板の枢着突起
を挿入して取付けることにより、あおり板の枢軸の抜け
を防止できる。さらに、側板装着部の１箇所でのみ所定
の嵌合精度を得るようにすることにより、各部材に歪み
が生じても他の装着部で吸収することができ、側板の
「キシミ」や「ガタツキ」の発生を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 折畳みコンテナの全体形状の一例を示す斜視
図である。

【図２】 本発明の第１実施例を示す折畳みコンテナの
一部切り欠き平面図である。

【図３】 同じく断面正面図である。

【図４】 同じく断面側面図である。

【図５】 コンテナを折畳んだ状態を示す断面正面図で
ある。

【図６】 上側板の取付け部を示す正面図である。

【図７】 本発明の第２実施例を示す要部の断面正面図
である。

【図８】 同じく折畳み状態を示す要部の断面正面図で
ある。

【図９】 本発明の第３実施例を示す要部の断面正面図
である。

【図１０】 同じく折畳み状態を示す要部の断面正面図
である。

【符号の説明】

１…底板 ２…上枠、２１…垂下板、２２…リブ、２３…縦溝 ３…側板、３１…下側板、３２…上側板、３３…連結
部、３４…枢着突起 ４…あおり板、４１，４１ａ，４１ｂ…枢軸 ５…ヒンジ部、５１…ヒンジ軸

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底板(1) 及び上枠(2) と、該底板(1) 及
   び上枠(2) の相対向する二辺にそれぞれ回動可能に取付
   けられ、かつ、連結部(33)にて内側へ折曲がるように連
   結された上下一対の板状体からなる側板(3) と、前記上
   枠(2) の他の対向する二辺にそれぞれ回動可能に設けら
   れたあおり板(4) とを備え、前記２枚のあおり板(4) を
   前記上枠(2) に対して内方に回動させ、前記側板(3) を
   それぞれ連結部(33)を内方に折曲げて、前記両あおり板
   (4) をその少なくとも一部が互いに重なり合うようにし
   て折畳まれる折畳みコンテナにおいて、前記上枠(2) の
   外周に設けた垂下板(21)の内側で、前記あおり板(4) の
   枢軸(41)に対応する位置に、縦方向にリブ(22)を設けて
   縦方向の溝(23)を形成し、該縦溝(23)内に前記あおり板
   (4) の枢軸(41)を回動可能かつ上下方向に摺動可能に装
   着したことを特徴とする折畳みコンテナ。
2. 【請求項２】 底板(1) 及び上枠(2) と、該底板(1) 及
   び上枠(2) の相対向する二辺にそれぞれ回動可能に取付
   けられ、かつ、連結部(33)にて内側へ折曲がるように連
   結された上下一対の板状体からなる側板(3) と、前記上
   枠(2) の他の対向する二辺にそれぞれ回動可能に設けら
   れたあおり板(4) とを備え、前記２枚のあおり板(4) を
   前記上枠(2) に対して内方に回動させ、前記側板(3) を
   それぞれ連結部(33)を内方に折曲げて折畳まれる折畳み
   コンテナにおいて、前記上枠(2) の垂下板(21)の内側
   で、前記側板(3) に設けた枢着突起(34)に対応する位置
   に、縦方向にリブ(22)を設けて縦方向の溝(23)を形成
   し、該縦溝(23)内に前記枢着突起(34)を挿入して該枢着
   突起(34)と前記リブ(22)とにヒンジ軸(51)を挿通して前
   記側板(3) を上枠(2) に対して回動可能に装着するとと
   もに、一方の装着部の１箇所のみ、前記縦溝(23)と枢着
   突起(34)との寸法関係を所定の嵌合寸法に形成したこと
   を特徴とする折畳みコンテナ。