JP3007513B2

JP3007513B2 - 折り畳み式運搬用容器

Info

Publication number: JP3007513B2
Application number: JP5157564A
Authority: JP
Inventors: 洋幸中村; 一久青野; 武岡本
Original assignee: Mitsubishi Plastics Inc
Current assignee: Mitsubishi Plastics Inc
Priority date: 1993-06-28
Filing date: 1993-06-28
Publication date: 2000-02-07
Anticipated expiration: 2015-02-07
Also published as: JPH0710153A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、各種の物品を収容し保
管し輸送し或いは運搬するための折り畳み可能な運搬用
容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より折り畳み可能な運搬用容器は知
られており、これは、上枠と底板、二つ折り可能な長辺
側の側板、及び短辺側のあおり板とで構成してある。側
板は、上枠に回動し得るように取り付けられた上側板体
と、側端を若干立ち上がらせた底板に回動し得るように
取り付けられた下側板体とを、内側に二つ折りし得るよ
うに連結してあり、あおり板は、上枠に回動し得るよう
に取り付けられ、上記側板を伸ばした状態において内方
に回動し或いは垂直に回動し得るようにして構成してあ
る。

【０００３】この下側板体の下端は断面角形状であり、
下側板体とその下部外側に張り出して底板との間隙を被
覆するための覆板とは、直交面となっている。上枠及び
側板、あおり板は、いずれも汚れの付着、折曲時の干渉
を防止するために内外面を平坦面となるように形成して
ある。また、上枠の上面と底板の周縁部下面とは、折り
畳み状態或いは組み立て状態のいずれであっても、容器
の積み重ねに便利なように平坦面として形成してある
か、少なくとも上枠の上面を平坦面として形成してあ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記側
板の下端が断面角形状であると共に、覆板が水平に張出
していると、下側板体の下端部と底板と擦れる等して下
側板体の回動がぎこちなくなりやすく、かつ覆板の上面
や上記断面角形状の内側等にゴミが溜まりやすく、上記
擦れを防止するために両者間に間隙を設けるとこの間隙
内に部品等の小さい収納物が入り込む現象が生じやす
く、かつ一層ゴミが溜まりやすくなる等の問題があっ
た。

【０００５】また、上記上枠及び側板、あおり板が平坦
面であると、例えば、工場においてコンベア上を移動さ
せる時に使用する収納物表示等の仕分け用機器をセット
する際に最も効果的と考えられるセット用スペースを外
側から凹陥形成できず、機器を板外に突出状態でセット
せざるを得ない等の問題があった。

【０００６】さらに、上枠の上面と底板の周縁部下面が
平坦面であると、積み重ね状態において容器を個別に分
離しにくく、取り扱いに不便であり、例え底板の下面に
凹部を形成してあっても、この凹部寸法を大きく取るこ
とができないことから、取り扱いの実用効果は期待しに
くいものである等の問題があった。

【０００７】本発明は、上記問題点に着眼し、側板と底
板との接合部に間隙が生じにくく、ゴミ等が溜まりにく
い構成とすると同時に、側板の回動が円滑で容器の折り
畳み、組み立てが容易となるようにし、また、上枠側面
に仕分け機器等がセットしやすい凹部を形成する構成と
しつつ、平坦性を維持し、かつ間隙が生じにくく、ゴミ
等が溜まりにくい構成となるようにし、さらに、積み重
ねや分離の際の容器の取り扱いが簡便となるようにした
折り畳み式運搬用容器を提供せんとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、上枠と、底板と、上側板体と下側板体と
を内方へ折曲可能に連結し、かつ上下端部を上枠及び底
板に対してそれぞれ回動し得るように取り付けてなる対
向側板と、上枠に対して内方へ回動し得るように取り付
けてなる他の対向側板となるあおり板とで構成した折り
畳み式運搬用容器において、

【０００９】側板の下側板体の下端部に嵌合溝を有する
被枢支用突起と垂下体を形成し、これらの各下端面を板
体直交方向断面が円弧状となるように形成すると共に下
側板体外側面に外側方向に張り出した覆板を形成し、ま
た、底板の側縁に、折曲内側部が円弧状となった立上り
体を形成すると共に、その高さを覆板８とほぼ同一と
し、又立上り体の内側に上記嵌合溝に嵌合する枢支用突
起を形成し、上記下側板体の下端部を底板の立上り体の
内側に納めると共に、被枢支用突起と枢支用突起とを回
動可能に軸支した折り畳み式運搬用容器を構成したこと
を特徴とするものである。

【００１０】上記覆板は少なくとも上面を下り傾斜面と
して形成するのが好ましい。

【００１１】また、本発明は、折り畳み式運搬用容器に
おける上枠の短辺側の外面部を凹ませて外側凹部を設
け、この内面側に相当する内側凸部を上枠の上部内面と
同面に形成し、あおり板の内面を同じく同面状に形成し
てその上端部には、内側凸部と対応する箇所に上端から
切欠した嵌合凹部を設け、上記内側凸部の下面と嵌合凹
部の上面との間に間隙を形成させると共に、内側凸部の
凸面下端から上記間隙をほぼ閉塞し得る突片を垂下形成
した構成も特徴としている。

【００１２】さらに本発明は、折り畳み式運搬用容器に
おける上枠の短辺側上端中央部に少なくとも外側と上側
とが開口した凹部を形成し、底板の短辺側下端中央部の
上記凹部と上下位置が合致して少なくとも外側と下側と
に開口した凹部を形成した構成もまた特徴とするもので
ある。

【００１３】

【作用】下側板体下端の被枢支用突起及び垂下体の下端
面と、底板側縁の立上り体の折曲内側部とが、ともに円
弧状の面で対面しているので、側板の回動が円滑であ
り、かつ両者間に隙間を生じさせない。側板垂直状態に
おいては覆板が両者間を被閉しているので、両者間に隙
間が生じない。また、上枠の外側凹部に仕分け機器等を
セットすることができ、その内側凸部下端の突片によっ
て、上枠とあおり板を平坦面状態に維持し、かつ両者間
に間隙を生じさせない。さらに、容器の積み重ね状態に
おいて、上枠上端中央部の凹部と底板下端中央部の凹部
とが合致し、把手として機能し得る充分な空隙が形成さ
れる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面によって説明
する。折り畳み式運搬用容器は、上枠１と底板２、長辺
側の側板３，３、及び短辺側のあおり板４，４を、容器
全体の内面に凹凸がほぼ出ないように組み立て構成して
ある。

【００１５】側板３は、上枠１に上縁部が回動し得るよ
うに取り付けられた上側板体３ａと、底板２の側縁部に
下縁部が回動し得るように取り付けられた下側板体３ｂ
とを、内側に二つ折りし得るように連結部３ｃで連結し
てなり、あおり板４は、上枠１に上縁部が回動し得るよ
うに、かつ、その両端面が側板３の内側面にほぼ当接状
態に取付けられ、側板３が垂直状に伸びた状態において
内方に回動し或いは垂直に回動し得るようになっている
と同時に、垂直状態において側板３を内方から押圧して
側板３を垂直状態に固定し、内方に水平状に回動した状
態において側板３を二つ折りしてあおり板と側板全体を
折り畳み、上枠１と底板２とが重合し得るようになって
いる。

【００１６】この場合、あおり板４の形状を下端方向に
漸次僅かに幅狭状に形成しておくと、側板３との摩擦面
が減少するので、あおり板４の回動が一層滑らかとなっ
て好ましい。

【００１７】而して、上記側板３の下側板体３ｂと底板
２との接続構造は、図５〜７に示すように、下側板体３
ｂの下端部を、好ましくは左右両端部と中間部とに枢支
用突起の嵌合溝６を有する被枢支用突起５を形成し、左
右両端部と中間部との間に上記被枢支用突起５と同じ長
さを有する垂下体７を側板が延長する如くして形成し、
被枢支用突起５の下端面５ａを板体直交方向断面が円弧
状となるように形成すると共に、垂下体７の下端部を上
記円弧状に沿った断面形状であって、被枢支用突起５の
円弧形のほぼ半分（覆板８の張出長さのほぼ半分）の長
さの下端面７ａとして形成し、さらに底板２の立上り体
９の上端とほぼ同高位置の下側板体３ｂの外側面に、外
側方向に上記被枢支用突起５を覆う長さだけ張り出し、
かつその上面８ａが先端下り傾斜となった覆板８を形成
し、この覆板８と垂下体７との間に外側斜め下向きに開
口した空間部８ｂを形成し、この空間部８ｂに適宜間隔
でリブ８ｃを配設してある。なお、上記空間部８ｂの成
形金型の開離圧締方向は開口方向である斜め下方とな
る。

【００１８】また、底板２の側縁全体に、折曲内側部９
ａが上記円弧状にほぼ対応した円弧状となり、好ましく
は折曲部の内外が共に円弧状となった立上り体９を形成
すると共に、立上り体９の内側に上記嵌合溝６に嵌合す
る枢支用突起１０をその先端部が上記同様の円弧状とな
るように形成し、上記下側板体３ｂは、その下端部を底
板２の立上り体９の内側に納めると共に、枢支用突起１
０を嵌合溝６に嵌合させて、被枢支用突起５と枢支用突
起１０とを回動可能に軸支して連結する。

【００１９】なお、底板２の立上り隅部内側も上記円弧
状に湾曲した形状に形成するのが好ましい。この形状と
すると、運搬用容器をライン上に載せて移送した際に隣
接する他の運搬用容器の底部に、その底部が乗り上げる
おそれを防止することができ、また、該部の肉厚を均一
化でき、外観もより一層良好になる。

【００２０】上枠１は、その内外面をともに平坦状に形
成するのが好ましく、短辺側の中心に対して左右線対称
の位置に、内容物の表示・識別用の仕分け機器をセット
可能な外側凹部１１を偶数個（図では２個）形成し、こ
の内面側に相当する内側凸部１２を上枠１の上部内面１
ａと同面になるように形成し、上部内面１ａの下方に
は、あおり板４をその内面が上部内面１ａとほぼ同面と
なるように納めてある。

【００２１】あおり板４の上端部には、上記内側凸部１
２と対応する箇所に上端から切欠した嵌合凹部１３を設
け、内側凸部１２の下部外側位置のあおり板４部分と上
枠１とに回転軸を挿着して両者を軸支してあり、上記内
側凸部１２の下面１２ａと嵌合凹部１３の上面１３ａと
の間に若干の間隙１４を形成させておくことにより、両
凹凸部１２，１３が擦れたりして干渉し合うことなく回
動し得ることになると共に、内側凸部１２の凸面下端か
ら上記間隙をほぼ閉塞し得る突片１５を同面状に垂下形
成し、両凹凸部１２，１３間の間隙１４が外観上表れな
いようにしてなっている。

【００２２】底板２の短辺側縁は、上記立上り体９と同
高の立上り体９ａを形成してあり、あおり板４の下端部
がこの立上り体９内側に当接し得るようにし、かつ両者
の当接面内に互いに係合分離しやすい係合部を形成して
ある。

【００２３】また、上枠１の短辺側上端中央部に少なく
とも側面上部と上面外側部とに開口した上向き凹部１６
を、例えばテーパ状切欠部等として形成し、かつ、底板
の短辺側下端中央部には前記凹部１６と上下対応する箇
所に少なくとも側面下部と下面外側部とが開口した下向
き凹部１７を、例えば角状切欠部等として形成し、運搬
用容器を複数段積み重ねた時に、両凹部１６，１７が上
下合致して、上下に広い開口となるように設定してなっ
ている。

【００２４】

【発明の効果】上記のようにして、本願発明によれば、
あおり板４を折り畳み、側板３を二つ折りして上枠１と
底板２とを重合状態となし得る折り畳み式運搬用容器で
あって、側板３の下側板体３ｂと底板２とを上記構成の
被枢支用突起５と枢支用突起１０で軸支し、垂下体７を
含む両者の接合面が円弧状となっていると共に、覆板８
が形成されてなるので、下側板体３ｂ下端部と底板２の
側縁部との間に、不要な隙間ができることがないので、
隙間に物が入り込むおそれがなく、しかも両部分が擦れ
たりして干渉し合うおそれがないので、組み立て折り畳
み操作が極めて円滑に行われ、しかも、覆板によってゴ
ミ等が溜まってしまうのを防止でき、覆板８下側で垂下
体７の外側に空間部を形成できるので、成形のヒケ防止
用の凹部を板体の収納内側に形成することを要せず、成
形時にヒケも生じない。

【００２５】また、上枠１に外側凹部１１を形成して、
例えばここに内容物の表示若しくは識別用の仕分け機器
等を設置することができるようにすることにより、自動
機械への対応が一層好便となり、しかも、この凹部に対
応する内側凸部１２が上枠１とあおり板４の内面と同面
状に設定できるので、物品の収納効率や安全性を高め、
容器の汚れを抑え、洗浄便利性を向上させることがで
き、突片１５を形成して間隙１４を被閉し得るようにす
ることにより、あおり板４の回動に際して、上枠１との
干渉を生じさせることなく回動を行えることになると共
に、間隙を内面側に生じさせないものとなる。

【００２６】またさらに、上枠１の凹部１６と底板２の
凹部１７とを上下対向させることにより、運搬用容器を
複数段積み重ねた時に上下に広い間隙が形成できるの
で、運搬移動を簡便かつ正確、安定的になし得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る運搬用容器の組み立て状態の斜視
図である。

【図２】図１の容器を折り畳んだ状態の斜視図である。

【図３】図１の容器の左半分を外面、右半分を内面とし
て示した正面図である。

【図４】同容器の左半分を外面、右半分を内面として示
した側面図である。

【図５】側板の下側板体と底板の左半分を分解状態で示
した一部切断正面拡大図である。

【図６】図５のＶＩ−ＶＩ線断面拡大図である。

【図７】図５のＶＩＩ−ＶＩＩ線断面拡大図である。

【図８】上枠とあおり板上部の左半分を外面、右半分を
内面として示した側面拡大図である。

【図９】図８のＩＸ−ＩＸ線断面拡大図である。

【図１０】図８のＸ−Ｘ線断面拡大図である。

【図１１】図２のＸＩ−ＸＩ線断面拡大図である。

【符号の説明】

１上板２底板３側板３ｂ下側板体４あおり板５被枢支用突起５ａ円弧状下端面６嵌合溝７垂下体７ａ円弧状下端面８覆板９立上り体９ａ折曲内側部１０枢支用突起１１外側凹部１２内側凸部１３嵌合凹部１４間隙１５突片１６，１７凹部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献実開平４−97028（ＪＰ，Ｕ) 実開昭63−97673（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65D 6/00 - 13/02

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】上枠１と、底板２と、上側板体３ａと下側
板体３ｂとを内方へ折曲可能に連結し、かつ上下端部を
上枠１及び底板２に対してそれぞれ回動し得るように取
り付けてなる対向側板３と、上枠１に対して内方へ回動
し得るように取り付けてなる他の対向側板となるあおり
板４とで構成した折り畳み式運搬用容器において、側板
３の下側板体３ｂの下端部に嵌合溝６を有する被枢支用
突起５と垂下体７を形成し、これらの各下端面を板体直
交方向断面が円弧状となるように形成すると共に下側板
体３ｂ外側面に外側方向に張り出した覆板８を形成し、
また、底板２の側縁に、折曲内側部が円弧状となった立
ち上がり体９を形成すると共に、その高さを覆板８とほ
ぼ同一とし、また立ち上がり体９の内側に上記嵌合溝６
に嵌合する枢支用突起１０を形成し、上記下側板体３ｂ
の下端部を底板２の立ち上がり体９の内側に納めると共
に、被枢支用突起５と枢支用突起１０とを回動可能に軸
支した構成を有する折り畳み式運搬用容器。
【請求項２】覆板８の少なくとも上面を下り傾斜面とし
て形成してなる請求項１に記載の折り畳み式運搬用容
器。
【請求項３】上枠１と、底板２と、上側板体３ａと下側
板体３ｂとを内方へ折曲可能に連結し、かつ上下端部を
上枠１及び底板２に対してそれぞれ回動し得るように取
り付けてなる対向側板３と、上枠１に対して内方へ回動
し得るように取り付けてなる他の対向側板となるあおり
板４とで構成した折り畳み式運搬用容器において、上枠
１の短辺側の外面部を凹ませて外側凹部１１を設け、こ
の内面側に相当する内側凸部１２を上枠１の上部内面１
ａと同面に形成し、あおり板４の内面を同じく同面状に
形成してその上端部には、上記内側凸部１２と対応する
箇所に上端から切欠した嵌合凹部１３を設け、上記内側
凸部１２の下面と嵌合凹部１３の上面との間に間隙１４
を形成させると共に、内側凸部１２の凸面下端から上記
間隙１４をほぼ閉塞し得る突片１５を垂下形成した構成
を有する折り畳み式運搬用容器。