JPH08112680A - 熱膨脹率を異にする二種の部材の加熱接合方法 - Google Patents

熱膨脹率を異にする二種の部材の加熱接合方法

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JPH08112680A
JPH08112680A JP24980294A JP24980294A JPH08112680A JP H08112680 A JPH08112680 A JP H08112680A JP 24980294 A JP24980294 A JP 24980294A JP 24980294 A JP24980294 A JP 24980294A JP H08112680 A JPH08112680 A JP H08112680A
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和男 大塚
Takayuki Sato
貴之 佐藤
Masato Kita
真佐人 喜多
Mitsuya Hosoe
光矢 細江
Naomasa Kimura
直正 木村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱膨脹率を異にする二種の部材を強固に加熱
接合する。 【構成】 熱膨脹率を異にする二種の部材1,3を接合
するに当り、加熱工程と、それに次ぐ冷却工程とを用い
る加熱接合方法において、冷却工程での熱膨脹率が大き
い方の部材3の接合面4を、複数の小接合面5を集合さ
せて形成する。これにより、両部材1,3間の接合層9
における熱応力を緩和して、冷却工程での熱膨脹率の小
さい方の部材1における割れ発生を回避すると共に両部
材1,3を強固に接合することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱膨脹率を異にする二
種の部材の加熱接合方法、特に、加熱工程と、それに次
ぐ冷却工程とを用いる加熱接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば永久磁石と鋼製取付台とを
接合する場合、その接合材としては、合成樹脂接着剤が
用いられている(例えば、特公昭61−33339号公
報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のように接着剤を
用いる理由は、永久磁石と取付台とを、例えばろう材を
用いて接合すると、加熱工程後の冷却工程において、永
久磁石よりも取付台の熱膨脹率が大きいため、その永久
磁石に割れが生じ易いからである。
【0004】しかしながら、合成樹脂接着剤による接合
では、その永久磁石を高温下にて使用する場合接合強度
が著しく低下し、また接合強度のばらつきが大きいため
品質管理が難しい、といった問題がある。
【0005】本発明は前記に鑑み、前記二種の部材を加
熱接合するに当り、冷却工程での熱膨脹率が小さい方の
部材に割れが発生するのを回避することができる前記加
熱接合方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱膨脹率を異
にする二種の部材を接合するに当り、加熱工程と、それ
に次ぐ冷却工程とを用いる加熱接合方法において、前記
冷却工程での熱膨脹率が大きい方の前記部材の接合面
を、複数の小接合面を集合させて形成することを特徴と
する。
【0007】
【作用】前記加熱接合方法において、加熱工程では両部
材が膨脹し、例えば長さが加熱前よりも長くなる。冷却
工程では、熱膨脹率の大きい方の一方の部材においては
各小面積形成部分が収縮すると共に他方の部材に接合さ
れるので、相隣る両小面積形成部分間には間隙が生じ、
その結果、一方の部材は、加熱前の長さよりも長い状態
に拘束される。
【0008】これにより、一方の部材の長さが加熱前の
長さに略復元する場合に比べて両部材の接合部に発生す
る熱応力が緩和されるので、他方の部材が脆い場合に
も、それに割れが生じる、といった不具合を回避するこ
とができる。
【0009】
【実施例】熱膨脹率を異にする二種の部材を、加熱工程
と、それに次ぐ冷却工程を経て接合するに当り、図1に
示すように、冷却工程での熱膨脹率が小さい方の部材と
して希土類元素を含む永久磁石1を選定し、また冷却工
程での熱膨脹率が大きい方の部材として、複数の板材、
実施例では鋼板2よりなる積層体3を選択した。したが
って、積層体3の接合面4は、各鋼板2の端面である小
接合面5の集合により形成される。積層体3において、
各鋼板2の接合にはかしめ手段6、またはボルトおよび
ナットによる緊締手段が用いられる。
【0010】永久磁石1と積層体3の両接合面7,4間
に、それらの融点よりも低い温度で液相を生じる薄板状
接合材8が介在される。
【0011】加熱接合に当っては、永久磁石1、接合材
8および積層体3よりなる重ね合せ物を真空加熱炉内に
設置する工程と、加熱下で接合材8を液相状態または固
液共存状態にする加熱工程と、重ね合せ物を炉冷して、
図2に示すように永久磁石1と積層体3とを接合材8よ
りなる接合層9を介し接合して接合体10を得る冷却工
程とが採用される。
【0012】図3は前記加熱接合のメカニズムを示す。
図3(a)の加熱前においては、重ね合せ物11を形成
する永久磁石1と積層体3の長さL1 は等しい。図3
(b)の加熱中において永久磁石1および積層体3が膨
脹し、それらの長さが加熱前よりも長くなり、L2 >L
1 、L3 >L1 (ただし、L3 >L2 )となる。図3
(c)の冷却後においては、冷却工程で、熱膨脹率が大
きい方の積層体3の各小面積形成部分である各鋼板2が
収縮すると共に永久磁石1に接合されるので、永久磁石
1側において相隣る両鋼板2間に間隙gが生じ、その結
果、積層体3の永久磁石1側は、加熱前の長さL1 より
も長い状態に拘束され、L4 >L1 (例えば、L4
1.01×L1 )となる。
【0013】これにより、図4(a)〜(c)に示す比
較例のように、加熱中における鋼製ブロック体12の長
さL3 が、冷却後において加熱前の長さL1 に略復元す
る場合に比べ、接合層9に発生する熱応力が緩和される
ので、永久磁石1が脆い場合にも、それに図4(c)に
示すような割れcが生じる、といった不具合を回避する
ことができる。
【0014】接合材8は希土類元素系合金より構成され
る。希土類元素はY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、
Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybおよ
びLuから選択される少なくとも一種である。合金元素
MEは、希土類元素と共晶反応を行う元素であって、C
u、Al、Ga、Co、Fe、Ag、Ni、Au、M
n、Zn、Pd、Sn、Sb、Pb、Bi、Cdおよび
Inから選択される少なくとも一種が該当する。その合
金元素MEの含有量は5原子%≦ME≦50原子%に設
定される。
【0015】ただし、合金元素AEの含有量がAE<5
原子%であるか、またはAE>50原子%であると、固
液共存状態における液相の体積分率Vfが低くなるため
接合強度が低下する。このことから、合金元素AEの含
有量は、希土類元素との関係において共晶組成またはそ
れに近い組成となるように設定するのが望ましい。
【0016】なお、二種以上の合金元素AEを含有する
場合には、それらの合計含有量が5原子%≦AE≦50
原子%となる。
【0017】希土類元素系合金を例示すれば次の通りで
ある。以下に述べられる各化学式において、数値の単位
は原子%である。
【0018】(a)Nd−Cu系合金:Nd70Cu30
金、Nd60Cu40合金、Nd73Cu 27、Nd80Cu20
金。図5に示すように、Nd70Cu30合金は共晶合金で
あって、その共晶点は520℃である。
【0019】(b)Nd−Al系合金:Nd85Al15
金(共晶合金、共晶点:635℃)、Nd90Al10合金 (c)Nd−Co系合金:Nd64Co36合金(共晶合
金、共晶点:599℃)、Nd80Co20合金 (d)Sm−Cu系合金:Sm71Cu29合金(共晶合
金、共晶点:597℃)、Sm75Cu25合金、Sm65
35合金 (e)La−Ga系合金:La80Ga20合金(共晶合
金、共晶点:550℃)、La85Ga15合金 その他の希土類元素系合金としては、Nd75Fe25合金
(共晶合金、共晶点:640℃)、Nd80Ag20合金
(共晶合金、共晶点:640℃)、La71Cu29合金
(共晶合金、共晶点:475℃)、Ce72Cu28合金
(共晶合金、共晶点:424℃)、Pr68Cu32合金
(共晶合金、共晶点:472℃)、Ce82Ga18合金
(共晶合金、共晶点:495℃)、Ce84Mn16合金
(共晶合金、共晶点:622℃)を挙げることができ
る。
【0020】例えば、Nd−Cu系合金において、その
共晶点を下げるためにFeを添加することもある。この
種合金としてはNd65Fe5 Cu30を挙げることがで
き、この場合の共晶点は510℃である。
【0021】加熱工程における加熱温度Tは接合材8の
組成によって異なるが、前記組成の各種希土類元素系合
金は比較的低い加熱温度Tで液相状態または固液共存状
態となるので永久磁石1および積層体3の特性を変化さ
せるようなことはない。
【0022】また希土類元素を主成分とする接合材8よ
り生じた液相は高活性であって、接着剤やろう材に対し
て非常に濡れ性が悪い希土類元素を含む永久磁石1およ
び鋼板製積層体3に対して優れた濡れ性を発揮する。こ
のような接合材8を用いることによって永久磁石1およ
び積層体3を強固に接合することができる。
【0023】加熱時間hは、それが長過ぎる場合には永
久磁石1および積層体3の特性変化を招来するので、h
≦10時間であることが望ましく、生産性向上の観点か
らはh≦1時間である。
【0024】積層体3において、各鋼板2の厚さtは
0.1mm≦t≦6.0mmに設定される。t≧0.1mmで
あることの理由は、主として、通常入手し得る鋼板2の
最小厚さtがt=0.1mmである、ということに因る。
これよりも薄い鋼板2を入手し得ない訳ではないが、積
層体3を作成するに当り、大量の極薄鋼板2を必要とす
るため、量産向きではない。一方、t>6.0mmでは、
接合層9における熱応力を十分に緩和することができな
くなるため永久磁石1に割れcが生じ易くなる。 〔実施例1〕純度99.9%のNdと純度99.9%の
Cuとを、共晶組成を有するNd70Cu30合金が得られ
るように秤量し、次いでその秤量物を真空溶解炉を用い
て溶解し、その後、縦10mm、横20mm、長さ100mm
のインゴットを鋳造した。このインゴットに、その長手
方向に沿うマイクロカッタによる切断加工を施して、N
70Cu30合金よりなり、且つ縦20mm、横100mm、
厚さ0.3mmの薄板状接合材8を得た。
【0025】一方の金属部材として、縦20mm、横10
0mm、厚さ6mmのNdFeB系永久磁石(住友特殊金属
社製、商品名NEOMAX−28UH、融点1220
℃)1を選定し、また他方の金属部材として、厚さ0.
6mmの冷間圧延鋼板(融点1538℃)2を積層してな
り、且つ縦20mm、横40mm、長さ100mmの直方体状
の積層体3を選定した。
【0026】図1に示すように、積層体3の接合面4上
に接合材8を、またその接合材8の上に永久磁石1をそ
の接合面7を下向きにしてそれぞれ重ね合せ、その重ね
合せ物を真空加熱炉内に設置して、加熱温度T=530
℃、加熱時間h=20分間の加熱工程、それに次ぐ炉冷
よりなる冷却工程を行って、図2に示すように永久磁石
1と積層体3とを接合材8よりなる接合層9を介し接合
した接合体10を得た。この加熱接合処理においては、
加熱温度TがT=530℃であって、図5に示す共晶点
520℃を超えているので、接合材8は共晶組成を有す
ることから液相状態となる。
【0027】このようにして得られた永久磁石1と積層
体3との接合体10において、永久磁石1には割れが生
じておらず、両者1,3は接合層9を介して強固に接合
していた。これは、前記のように、積層体3を用いたこ
とにより、加熱工程後の冷却工程で接合層9に生じる熱
応力が緩和されたからである。
【0028】比較のため、図4に示すように積層体3の
代りに、炭素鋼(JIS S35C)よりなり、且つ積
層体3と同一寸法のブロック体12を作製し、そのブロ
ック体12と前記同様の永久磁石1とを前記同様の接合
材8を用い、前記と同一条件で加熱接合した。
【0029】図6は、永久磁石1、接合材8およびブロ
ック体12における温度と熱膨脹率との関係を示す。
【0030】図6から明らかなように、ブロック体12
は永久磁石1に比べ冷却工程において大きな熱膨脹率を
有することが判る。これに起因して、ブロック12を用
いた接合体10においては永久磁石1全体に亘って図4
(c)に示すような割れcが発生し、また熱応力が集中
する永久磁石1の周辺部は粉々になっていた。
【0031】なお、積層体3もブロック体12と略同様
の熱膨脹率を有するが、積層構造により前記のような熱
応力緩和効果が得られるので、ブロック体12を用いた
場合の問題は回避される。 〔実施例2〕純度99.9%のNdと純度99.9%の
Cuとを、過共晶組成を有するNd 73Cu27合金が得ら
れるように秤量し、次いでその秤量物を真空溶解炉を用
いて溶解し、その後、縦15mm、横15mm、長さ30mm
のインゴットを鋳造した。このインゴットにマイクロカ
ッタによる切断加工を施して、Nd73Cu27合金よりな
り、且つ縦15mm、横15mm、厚さ0.3mmの薄板状接
合材8を得た。
【0032】一方の金属部材として、縦15mm、横15
mm、厚さ5mmのNdFeB系永久磁石(住友特殊金属社
製、商品名NEOMAX−28UH)1を選定し、また
他方の金属部材として、厚さt=0.8mmの冷間圧延鋼
板2を積層してなり、且つ縦15mm、横15mm、長さ2
0mmの直方体状の積層体3を選定した。
【0033】図7に示すように、1つの積層体3の接合
面4上に1つの接合材8を、また接合材8の上に一方の
接合面7を下向きにした永久磁石1を、さらに永久磁石
1の他方の接合面7上にもう1つの接合材8を、さらに
また接合材2の上にもう1つの積層体3をその接合面4
を下向きにしてそれぞれ重ね合せて重ね合せ物を作製
し、同様の手順で合計20個の重ね合せ物を作製した。
次いで、これら重ね合せ物を真空加熱炉内に設置し、加
熱温度T=580℃、加熱時間h=20分間の加熱工
程、それに次ぐ炉冷よりなる冷却工程を行って、図8に
示すように2つの積層体3により永久磁石1を挟むよう
にそれら1,3を接合材8よりなる接合層9を介し接合
した20個の接合体10を得た。この加熱接合処理にお
いては、加熱温度TがT=580℃であって、図3に示
す共晶点520℃と液相線aとの間の温度領域に存する
ので、接合材8は固液共存状態となる。なお、両積層体
3に存する貫通孔13は引張り試験においてチャックと
の連結に用いられる。
【0034】比較のため、前記同様の永久磁石1と前記
同様の2つの積層体3とをエポキシ樹脂系接着剤(日本
チバガイギ社製、商品名アラルダイト)を介し重ね合せ
て前記同様の重ね合せ物を作製し、同様の手順で合計2
0個の重ね合せ物を作製した。次いで、これら重ね合せ
物を乾燥炉内に設置して、加熱温度200℃、加熱時間
60分間の加熱工程、それに次ぐ炉冷よりなる接合処理
を行って、2つの積層体3と永久磁石1とをエポキシ樹
脂系接着剤を介して接合した前記同様の20個の接合体
を得た。
【0035】接合材8を用いた各接合体10およびエポ
キシ樹脂系接着剤を用いた各接合体の各10個について
室温下で引張り試験を行い、また残りの各10個につい
て150℃の加熱下で引張り試験を行ったところ、表1
の結果を得た。
【0036】
【表1】 表1から明らかなように、接合材8を用いた接合体10
は、室温下および150℃の加熱下において、エポキシ
樹脂系接着剤を用いた接合体に比べて接合強度が高く、
その接合強度は両環境下において殆ど変わらず、またそ
のばらつきも小さい。接着剤を用いた接合体は室温下に
おける接合強度が低い上にそのばらつきが大きく、また
150℃の加熱下ではその接合強度が室温下のそれの3
分の1に低下する。
【0037】NdFeB系永久磁石、SmCo系永久磁
石等の希土類元素を含む永久磁石1は、接合処理時の加
熱温度TがT>650℃になると、その磁気特性、特に
保磁力 IC (磁化の強さI=0)が低下傾向となる。
ただし、残留磁束密度Brおよび保磁力 BC (磁束密
度B=0)は殆ど変わらず、したがって最大磁気エネル
ギ積(BH)maxは略一定である。前記接合材8を用
いた加熱接合処理において、その加熱温度TはT=53
0℃、または580℃であってT≦650℃であるか
ら、永久磁石1の磁気特性を変化させるようなことはな
い。
【0038】また前記永久磁石1の濡れ性の悪さは、そ
の結晶粒界に希土類元素濃度、この実施例ではNd濃度
の高い相が晶出または析出していることに起因する。前
記接合材8を用いた加熱接合処理において、その接合材
8は液相状態または固液共存状態となっており、Ndを
主成分とするNd70Cu30合金、またはNd73Cu27
金より生じた液相は、高活性であると共に前記結晶粒界
に存するNd濃度の高い相と主成分を共通にすることか
ら永久磁石1に対して優れた濡れ性を発揮し、また前記
高活性化に伴い鋼板2よりなる積層体3に対する濡れ性
も極めて良好である。
【0039】したがって、前記のような接合材8を用い
ることによって、永久磁石1の磁気特性を損うことな
く、その永久磁石1と積層体3とを強固に接合すること
ができる。
【0040】前記接合技術は、図7,8に示すように、
回転電機としてのモータにおいて、ロータ14の成層鉄
心15に対する永久磁石1の接合に適用され、回転数が
10000rpm 以上である高速回転モータの実現を可能
にするものである。
【0041】図中、16は回転軸であり、その回転軸1
6に成層鉄心15の一端部が溶接17される。
【0042】なお、本発明には接合材8を用いない拡散
接合も含まれる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、加熱工程後の冷却工程
での熱膨脹率が大きい方の部材の接合面を前記のように
構成することによって、加熱工程後の冷却工程での熱膨
脹率が小さい方の部材が脆い場合にも、その部材におけ
る割れ発生を回避して両部材を強固に加熱接合すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】永久磁石、接合材および積層体の重ね合せ関係
の一例を示す斜視図である。
【図2】接合体の一例を示す要部断面図である。
【図3】実施例による加熱接合メカニズムを示す説明図
である。
【図4】比較例による加熱接合メカニズムを示す説明図
である。
【図5】Cu−Nd系状態図の要部を示す。
【図6】温度と熱膨脹率との関係を示すグラフである。
【図7】永久磁石、接合材および積層体の重ね合せ関係
の他例を示す斜視図である。
【図8】接合体の他例を示す要部斜視図である。
【図9】モータ用ロータの断面図で、図10の9−9線
断面図に相当する。
【図10】図9の10−10線断面図である。
【符号の説明】
1 永久磁石(部材) 2 鋼板(板材) 3 積層体(部材) 4 接合面 5 小接合面 7 接合面 8 接合材 14 ロータ 15 成層鉄心
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年5月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【作用】前記加熱接合方法において、加熱工程では両部
材が膨脹し、例えば長さが加熱前よりも長くなる。冷却
工程では、熱膨脹率の大きい方の一方の部材においては
各小接合面形成部分が収縮すると共に他方の部材に接合
されるので、相隣る両小接合面形成部分間には間隙が生
じ、その結果、一方の部材は、加熱前の長さよりも長い
状態に拘束される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】図3は前記加熱接合のメカニズムを示す。
図3(a)の加熱前においては、重ね合せ物11を形成
する永久磁石1と積層体3の長さL1 は等しい。図3
(b)の加熱中において永久磁石1および積層体3が膨
脹し、それらの長さが加熱前よりも長くなり、L2 >L
1 、L3 >L1 (ただし、L3 >L2 )となる。図3
(c)の冷却後においては、冷却工程で、熱膨脹率が大
きい方の積層体3の各小接合面形成部分である各鋼板2
が収縮すると共に永久磁石1に接合されるので、永久磁
石1側において相隣る両鋼板2間に間隙gが生じ、その
結果、積層体3の永久磁石1側は、加熱前の長さL1
りも長い状態に拘束され、L4 >L1 (例えば、L4
1.01×L1 )となる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】図7に示すように、1つの積層体3の接合
面4上に1つの接合材8を、また接合材8の上に一方の
接合面7を下向きにした永久磁石1を、さらに永久磁石
1の他方の接合面7上にもう1つの接合材8を、さらに
また接合材の上にもう1つの積層体3をその接合面4
を下向きにしてそれぞれ重ね合せて重ね合せ物を作製
し、同様の手順で合計20個の重ね合せ物を作製した。
次いで、これら重ね合せ物を真空加熱炉内に設置し、加
熱温度T=580℃、加熱時間h=20分間の加熱工
程、それに次ぐ炉冷よりなる冷却工程を行って、図8に
示すように2つの積層体3により永久磁石1を挟むよう
にそれら1,3を接合材8よりなる接合層9を介し接合
した20個の接合体10を得た。この加熱接合処理にお
いては、加熱温度TがT=580℃であって、図3に示
す共晶点520℃と液相線aとの間の温度領域に存する
ので、接合材8は固液共存状態となる。なお、両積層体
3に存する貫通孔13は引張り試験においてチャックと
の連結に用いられる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】また前記永久磁石1の濡れ性の悪さは、そ
の結晶粒界に希土類元素濃度、この実施例ではNd濃度
の高い相が存在していることに起因する。前記接合材8
を用いた加熱接合処理において、その接合材8は液相状
態または固液共存状態となっており、Ndを主成分とす
るNd70Cu30合金、またはNd73Cu27合金より生じ
た液相は、高活性であると共に前記結晶粒界に存するN
d濃度の高い相と主成分を共通にすることから永久磁石
1に対して優れた濡れ性を発揮し、また前記高活性化に
伴い鋼板2よりなる積層体3に対する濡れ性も極めて良
好である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】前記接合技術は、図9,10に示すよう
に、回転機としてのモータにおいて、ロータ14の成層
鉄心15に対する永久磁石1の接合に適用され、回転数
が10000rpm 以上である高速回転モータの実現を可
能にするものである。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】接合材8は希土類元素系合金より構成され
る。希土類元素はY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、
Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybおよ
びLuから選択される少なくとも一種である。合金元素
AEは、希土類元素と共晶反応を行う元素であって、C
u、Al、Ga、Co、Fe、Ag、Ni、Au、M
n、Zn、Pd、Sn、Sb、Pb、Bi、Cdおよび
Inから選択される少なくとも一種が該当する。その合
金元素AEの含有量は5原子%≦AE≦50原子%に設
定される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】一方の金属部材として、縦20mm、横10
0mm、厚さ6mmのNdFeB系永久磁石(住友特殊金属
社製、商品名NEOMAX−28UH、融点1220
℃)1を選定し、また他方の金属部材として、厚さt=
0.6mmの冷間圧延鋼板(融点1538℃)2を積層し
てなり、且つ縦20mm、横40mm、長さ100mmの直方
体状の積層体3を選定した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】図6から明らかなように、ブロック体12
は永久磁石1に比べ冷却工程において大きな熱膨脹率を
有することが判る。これに起因して、ブロック12を
用いた接合体10においては永久磁石1全体に亘って図
4(c)に示すような割れcが発生し、また熱応力が集
中する永久磁石1の周辺部は粉々になっていた。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】NdFeB系永久磁石、SmCo系永久磁
石等の希土類元素を含む永久磁石1は、接合処理時の加
熱温度TがT>650℃になると、その磁気特性、特に
保磁力 IC (磁化の強さI=0)が低下傾向となる。
ただし、残留磁束密度Brおよび保磁力 BC (磁束密
度B=0)は殆ど変わらず、したがって最大磁気エネル
ギ積(BH)maxは略一定である。前記接合材8を用
いた加熱接合処理において、その加熱温度TはT=53
0℃、または580℃であってT≦650℃であるか
ら、永久磁石1の磁気特性に影響を与えるようなことは
ない。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細江 光矢 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 木村 直正 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱膨脹率を異にする二種の部材(1,
    3)を接合するに当り、加熱工程と、それに次ぐ冷却工
    程とを用いる加熱接合方法において、前記冷却工程での
    熱膨脹率が大きい方の前記部材(3)の接合面(4)
    を、複数の小接合面(5)を集合させて形成することを
    特徴とする、熱膨脹率を異にする二種の部材の加熱接合
    方法。
  2. 【請求項2】 前記二種の部材(1,3)の両接合面
    (7,4)間に、それら部材(1,3)の融点よりも低
    い温度で液相を生じる接合材(8)を介在させる、請求
    項1記載の熱膨脹率を異にする二種の部材の加熱接合方
    法。
  3. 【請求項3】 前記接合材(8)は希土類元素系合金で
    ある、請求項2記載の熱膨脹率を異にする二種の部材の
    加熱接合方法。
  4. 【請求項4】 前記接合材(8)において、前記希土類
    元素はY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、G
    d、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuか
    ら選択される少なくとも一種であり、合金元素MEはC
    u、Al、Ga、Co、Fe、Ag、Ni、Au、M
    n、Zn、Pd、Sn、Sb、Pb、Bi、Cdおよび
    Inから選択される少なくとも一種であって、その合金
    元素MEの含有量が5原子%≦ME≦50原子%であ
    る、請求項3記載の熱膨脹率を異にする二種の部材の加
    熱接合方法。
  5. 【請求項5】 前記冷却工程での熱膨脹率が大きい方の
    前記部材は複数の板材(2)よりなる積層体(3)であ
    り、その積層体(3)の接合面(4)は、各板材(2)
    の端面である前記小接合面(5)の集合により形成され
    る、請求項1,2,3または4記載の熱膨脹率を異にす
    る二種の部材の加熱接合方法。
  6. 【請求項6】 前記積層体(3)は複数の鋼板(2)よ
    りなり、前記冷却過程での熱膨脹率が小さい方の前記部
    材は永久磁石(1)である、請求項5記載の熱膨脹率を
    異にする二種の部材の加熱接合方法。
  7. 【請求項7】 前記永久磁石(1)は希土類元素を含む
    永久磁石である、請求項6記載の熱膨脹率を異にする二
    種の部材の加熱接合方法。
  8. 【請求項8】 前記鋼板(2)の厚さtは0.1mm≦t
    ≦6.0mmである、請求項6または7記載の熱膨脹率を
    異にする二種の部材の加熱接合方法。
  9. 【請求項9】 前記積層体(3)は、回転電機のロータ
    (14)における成層鉄心(15)である、請求項6,
    7または8記載の熱膨脹率を異にする二種の部材の加熱
    接合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014063850A (ja) * 2012-09-20 2014-04-10 Toyota Motor Corp 希土類磁石の製造方法
JP2016163395A (ja) * 2015-02-27 2016-09-05 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 回転電機用ロータ
WO2020126417A3 (de) * 2018-12-19 2020-08-06 Universität Paderborn Verfahren zur herstellung eines hybridbauteiles

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