JPH08111337A - 永久磁石の磁場成形方法および磁場成形装置 - Google Patents

永久磁石の磁場成形方法および磁場成形装置

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JPH08111337A
JPH08111337A JP24378094A JP24378094A JPH08111337A JP H08111337 A JPH08111337 A JP H08111337A JP 24378094 A JP24378094 A JP 24378094A JP 24378094 A JP24378094 A JP 24378094A JP H08111337 A JPH08111337 A JP H08111337A
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magnetic
permanent magnet
molding
magnetic circuit
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JP24378094A
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Toshiyuki Ishibashi
利之 石橋
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Seiko Epson Corp
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/0253Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets for manufacturing permanent magnets
    • H01F41/0273Imparting anisotropy
    • H01F41/028Radial anisotropy

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  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 永久磁石を用いた磁気回路など連続かつ一定
の磁場を用い、磁性粉末の配向および成形体と磁気回路
を相対的に回転させながら引き離すことによる脱磁を行
なう磁場成形方法、または上記磁場と成形のための圧力
装置と成形金型からなる磁場成形装置。 【効果】 永久磁石からなる磁気回路だけで、配向およ
び脱磁を含めた磁場成形ができ、装置が単純、小型、静
かになり、ランニングコストも不要となる。また、極異
方性磁石の成形も可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、永久磁石の磁場成形方
法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、永久磁石の磁場成形方法の磁場発
生に関しては、電磁石を用いる場合、パルス磁場を用い
る場合、そして永久磁石による磁気回路を用いる場合が
あった。
【0003】電磁石を配向および脱磁用の磁場として用
いることは、もっとも一般的であり、横磁場、縦磁場、
ラジアル異方性など多くの磁場成形に用いられている。
また、極異方性に関しては、特公昭58−015929
号などに記載されているが、第3図の磁化コイルと磁化
ヨークからなる電磁石を磁気回路として用いる。
【0004】パルス磁場を用いる方法については、特開
昭61−243102号の特許請求の範囲に記載されて
いるように、パルス磁場とパルス圧力を同期させること
により、パルス磁場の発生時間内に成形を完了させる方
法がある。また、特公平01−058747号の実施例
3(9頁6〜13行)に記載されているように、複数回
断続的にパルス磁場を発生させ、静的な圧力で成形する
方法も提案されている。
【0005】永久磁石による磁気回路を利用した磁場成
形方法は、例えば特開昭61−248407号の第1図
や特開平04−298014号の図2,3にその磁気回
路が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術における永久磁石の磁場成形方法および磁場成形装
置においては、以下の問題点を有する。
【0007】(1)電磁石を磁場発生源とする場合、磁
場反転に時間を要するために、特に脱磁において時間が
かかってしまうという問題を有する。
【0008】(2)パルス磁場とパルス圧力で成形する
場合、成形が不十分となり成形体の密度が低いという問
題を有する。また、パルス磁場とパルス圧力の同期の取
り方や装置、制御方法が複雑になるという問題を有す
る。そのため、成形体の密度や配向が安定せず、製品の
品質にも問題を有する。
【0009】(3)パルス磁場と静的な圧力の場合は、
パルス磁場の発生中に成形が終了せず、成形が磁場発生
の前後にずれると配向が不十分もしくは配向しないとい
う問題を有する。複数回断続的にパルス磁場を発生させ
た場合でも、磁性粉末自身の磁化による反発で、配向に
乱れが生じるという問題を有する。断続的にパルス磁場
を発生させると、コイルが加熱してしまうという問題も
有する。
【0010】(4)電磁石、パルス磁場いずれの場合
も、電気および冷却手段としての冷却水や圧縮空気など
を消費し、大きな磁場発生用の電源も必要で、磁場発生
時や反転時に騒音が発生するなどの問題を有する。
【0011】(5)永久磁石を磁気回路として用いた場
合、最も問題となることは、その磁気回路単独では脱磁
ができないことである。したがって、エポキシなど熱硬
化性樹脂を用いた圧縮成形では、磁場配向させ圧縮成形
したサンプルは、そのまま成形型から取り出すと壊れて
しまうことから実用になっておらず、ポリアミドなどの
熱可塑性樹脂を用いた射出成形でしか実用化されていな
いという問題を有する。
【0012】そこで、本発明はこのような問題点を解決
するもので、その目的とするところは、永久磁石の磁場
成形方法および磁場成形装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の永久磁石の磁場
成形方法は、磁性粉末または磁性粉末とバインダーの混
合物を、配向させ、成形し、脱磁し、成形体を取り出す
永久磁石の磁場成形工程において、配向および脱磁磁場
が連続かつ一定の磁場であり、磁場と成形体を相対的に
回転させながら引き離すことにより成形体を脱磁するも
のである。
【0014】また、磁性粉末または磁性粉末とバインダ
ーの混合物を、磁化させ、それよりも低い磁場で配向さ
せ、成形し、脱磁し、成形体を取り出す永久磁石の磁場
成形工程において、磁化、配向および脱磁磁場が連続か
つ一定の磁場であり、磁場と成形体を相対的に回転させ
ながら引き離すことにより成形体を脱磁するものであ
る。
【0015】本発明の永久磁石の磁場成形装置は、配向
および脱磁のための連続かつ一定の磁場を発生する磁場
発生装置と、成形のための圧力装置と、成形金型と、か
らなり、上記磁場発生装置を、永久磁石としても良く、
また、リング形状でその内側に均一な磁場を発生してい
る永久磁石だけからなる磁気回路としても良い。
【0016】上記脱磁用の磁場発生装置が、リング形状
でその内側に均一な磁場を発生している永久磁石だけか
らなる磁気回路とするときには、その磁気回路が自転か
つその回転軸に沿って移動する機構を有する。さらに、
上記配向用の磁場発生装置は、永久磁石の同極を、高飽
和磁化の軟磁性材料を挟んで対向させ、極異方性磁場を
発生させる磁気回路である。
【0017】本発明において、連続かつ一定の磁場と
は、常に発生していて、その強度が無視できる僅かなも
のを除いて変化しないような磁場のことを言う。その代
表的な例は永久磁石であるが、その発生磁場は無視でき
る程度の僅かな減磁を除くと一定の強度のまま永遠に続
くとみなしてよい。
【0018】本発明の磁場成形方法および装置を、図1
を用いて説明する。本発明の磁場成形装置は、例えば永
久磁石からなる磁気回路103と圧力装置と成形型(ダ
イ)101とパンチ102からなる。
【0019】本発明の磁場成形方法の手順は以下の通り
である。
【0020】ダイ101とパンチ102からなる成形型
に磁性粉末104を給材し(図1(a))、磁気回路1
03を用いて配向させ(図1(b))、圧力の方向10
6に圧力装置を用いてパンチ102で圧縮成形を行ない
(図1(c))、加圧したまま磁気回路103を回転の
方向107に回転させながら移動の方向108に引き抜
くことによって(図1(d))、脱磁を施し(図1
(e))、成形体105を取り出して磁場成形工程が終
了する(図1(f))。
【0021】ここでは、ひとつの磁気回路の場合で説明
したが、後に実施例で述べるように、複数の磁気回路を
用いることも可能である。
【0022】以下、本発明に用いる磁気回路について説
明する。
【0023】リング形状でその内側に均一な磁場を発生
している永久磁石だけからなる磁気回路(以下、リング
状磁気回路と呼ぶ。)については、「Permanen
tMagnets for Production a
nd Use of High Energy Par
ticle Beams」(Proc.8th Int
l.Workshop on R−E Manget
s,125(1985);以下、文献Aと呼ぶ。)の1
32頁のFig.8や、「MRI用リング型永久磁石回
路」(電気学会マグネティックス研究会資料,MAG−
88−58(1988);以下、文献Bと呼ぶ。)の1
19頁の第4図に記載されている磁気回路を応用する。
発生する磁場については、文献Bの120頁の第3表
に、5kGの磁場が得られることが記載されている。本
発明は、このリング形状の内外径の差を大きくすること
によって、使用する永久磁石のBrよりも高い磁場を得
ることが可能であるとの知見に基づき、配向および脱磁
するための磁場に利用した。
【0024】図2を用いさらに説明すると、8個の永久
磁石1だけからなるリング形状の磁気回路は、磁化の方
向2を図のようにすると、リングの内側に強力な磁場3
が発生する。この磁気回路は、リングの内径に対し外径
を大きくすることによって使用する永久磁石のBrより
もかなり大きな磁場を発生することができる。これは、
動作点が第二象限から第一象限になることによるもので
あるが、反対に発生磁場と逆方向の磁化を有する永久磁
石の動作点は第三象限となってしまうことから、保磁力
が十分大きくないといけない。
【0025】永久磁石1の同極を、高飽和磁化の軟磁性
材料4を挟んで対向させ、極異方性磁場を発生させる磁
気回路(以下、反発型磁気回路と呼ぶ。)に関しては、
例えば、文献Aの134頁のFig.3に永久磁石だけ
からなる4極の極異方性磁気回路が記載されているが、
本発明では図3に示したように軟磁性材料と組み合わせ
た磁気回路を用いて、特開昭61−248407号の第
1図や特開平04−298014号の図2,3などに開
示されている磁気回路をさらに改良したものである。
【0026】極異方性に関しては、論文や特許が多数あ
るが、実際に量産されているもののほとんどはフェライ
ト磁石であり、ラジアル異方性よりも高い特性が得られ
るとしている。その磁場成形装置に関しては、以下の三
方式が知られている。
【0027】第一の方式は、ヨークと呼ぶ軟磁性材料に
コイル線を巻くことによって電磁石とした磁気回路(以
下、電磁石型と呼ぶ。)を用いる方法で、特公昭58−
015929号の第3図や第8図に記載されており、本
願の図4にも記載した。
【0028】第二の方式は、コイル線だけからなる多極
パルス着磁ヨークと同じ構造の磁気回路(以下、コイル
型と呼ぶ。)を用いる方法で、特公平01−05874
7号の第2,3,4図に記載されており、本願の図5に
も記載した。
【0029】第三の方式は、先に述べた永久磁石または
永久磁石と軟磁性材料を組み合わせた反発型の磁気回路
(以下、永久磁石型と呼ぶ。)で、先の電磁石型やコイ
ル型よりも多く実用化されている。
【0030】本発明では、反発型磁気回路の発生磁場が
不足する場合でも、リング状磁気回路の高い磁場で予備
磁化することによって、焼結磁石など高保磁力の粉末で
も十分に配向させることができるようになり、リング状
磁気回路を用い脱磁まで可能となり、これまでの課題を
解決するものである。
【0031】
【作用】本発明の上記の構成によれば、以下の効果を有
する。
【0032】(1)連続かつ一定の磁場中で配向させ、
成形体と磁気回路を相対的に回転させながら引き離して
いくことだけで脱磁ができることから、電気的に複雑な
装置は不要であり、磁場発生装置は単純、小型となる。
【0033】(2)磁場発生源として永久磁石を使用す
ることも可能であることから、何も消費することなくラ
ンニングコスト=0で使用することが可能となる。
【0034】(3)磁場発生源として永久磁石を用いる
と、装置が単純、小型で、静寂であり、漏れ磁場を少な
くすることもできる。特に、リング状磁気回路を用いる
と漏れ磁場をほとんど零とすることができる。
【0035】(4)反発型磁気回路を用いることにより
極異方性配向が可能となる。反発型磁気回路の発生磁場
が弱くても、先にリング状磁気回路で予備磁化すること
によって十分配向は可能となる。
【0036】本発明の磁場成形方法の脱磁も、基本的に
は従来の脱磁方法と同じように、電磁的に脱磁する方法
である。すなわち、永久磁石のヒステリシス曲線を印加
磁場を小さくしながら何度も繰り返し描くことにより、
B≒0の脱磁状態に収束させることを原理としている。
本発明においては、磁場の反転または振幅を回転させる
ことによって、磁場の減少を引き離すことによって、同
じ効果を狙ったものである。
【0037】したがって、連続かつ一定の磁場を用いて
成形体の脱磁が可能となり、その結果、永久磁石の磁気
回路だけで、磁場成形の配向および脱磁を実現させた。
【0038】
【実施例】以下、本発明について、実施例に基づいて詳
細に説明する。
【0039】(実施例1)Pr−Fe−B系熱間加工磁
石、ここではPr磁石(セイコーエプソン製)を用い、
図2に示したようなリング状磁気回路を作製した。用い
たPr磁石の磁気特性は、Br=11.0kG,iHc
=14.9kOe、(BH)max=28MGOeだっ
た。リング状磁気回路の内径は40mm、外径は160
mm、高さ40mmであり、内側の空間には14.7k
Gの均一磁場が得られた。
【0040】Nd=27.6,Dy=3.7,Fe=6
7.5,B=1.2重量%の組成となるように高周波溶
解炉を用いて合金を作成し、ジェットミルを用い平均粒
径(F.S.S.S.)3.6μmの粉末を作成した。
この粉末6gを断面が13×8mmの成形型中に入れ、
成形型をリング型磁気回路中に挿入し、40kfg/m
2 の成形圧で、いわゆる横磁場の圧縮成形を施した。
加圧したままリング状磁気回路を60rpmで回転させ
ながら2mm/sec.で引き抜くことによって脱磁を
施し、成形型から成形体を取り出し、1080℃×2時
間焼結を施し、続いて600℃×2時間の熱処理を施し
た。得られたブロックの磁気特性は、Br=12.2k
G,iHc=20.5kOe,(BH)max=35.
0MGoeだった。これを実施例−Aとする。
【0041】実施例−Aの製造工程のうち、回転引抜脱
磁をせずに成形型から成形体を取り出してみた(比較例
−1)が、出してすぐ直方体の成形体の稜線から壊れ始
め、崩れ落ちた粉末が磁力線に沿って立上り、形を保つ
ことはできなかった。したがって、成形体を成形型から
取り出す前に脱磁することは必須工程であることが分か
る。
【0042】比較例として、実施例−Aの製造工程のう
ち、リング状磁気回路の代わりに電磁石を用い、15k
Oeを2回反転、40kgf/mm2 、磁場強度を小さ
くしながら3回反転脱磁の条件で磁場成形した。その後
の焼結・熱処理は同じである。これを比較例−2とす
る。磁気特性は、Br=12.5kG,iHc=20.
2kOe,(BH)max=35.8MGOeと実施例
−Aとほぼ同特性だった。
【0043】実施例−Aと比較例−2を磁気特性以外で
比較すると、先ず、脱磁後の成形体の表面磁束は、比較
例−2が160〜220Gで、成形体同士が吸着して取
り扱いにくいのに対し、実施例−Aは20〜60Gと良
好な脱磁ができた。また、成形時間は、実施例−Aが全
て手作業で1〜2分/個であるのに対し、比較例−2で
は電磁石の磁場の反転に時間を要し8〜10分/個だっ
た。磁場発生装置としては、比較例−2がφ500×L
120mmの磁場コイルが二個からなる600×100
0×900mmの電磁石部と、500×500×600
mmの電源が必要であるのに対し、実施例−Aではφ1
60×L40mmの永久磁石からなる磁気回路だけで良
く、装置が小型化できるだけでなく、電気や冷却水など
の消費エネルギーも不要で、ランニングコストがかから
ない。
【0044】(実施例2)Sm=24.0,Co=4
5.6,Fe=23.1,Cu=5.3,Zr=1.9
重量%となるように、高周波溶解炉で溶解・鋳造し、得
られた合金に溶体化処理(1145℃×24H)および
時効処理(800℃×8Hの後400℃まで0.5℃/
分で冷却)を施した。熱処理上がりの合金を粉砕して平
均で約20μmの粉末とし、エポキシ樹脂と潤滑剤を約
2重量%添加し、混練および造粒処理を施して、顆粒状
の造粒粉末を得た。
【0045】得られた造粒粉末を、実施例−Aの条件で
磁場成形(ただし、成形圧は70kgf/mm2 )し、
150℃×1Hでキュアした。得られたボンド磁石の磁
気特性は、Br=9.1kG,iHc=10.3kO
e,(BH)max=18.2MGOeだった。
【0046】この造粒粉末を用い、極異方性ボンド磁石
を圧縮成形する。成形型の内径はφ18mm、外径はφ
22mm、コア径はφ13mmで、φ18×φ13mm
のリング形状の成形体が得られる。
【0047】磁場発生のための磁気回路はふたつで、ひ
とつは図2のリング状磁気回路であり、もうひとつは図
2の反発型磁気回路である。前者のリング状磁気回路
は、内径24mm、外径100mm、高さ40mmで、
リングの内側の空間の発生磁場は18.2kGだった。
後者の反発型磁気回路は、内径22mm、外径100m
m、高さ40mmで、内側のφ18×φ13mmの範囲
での発生磁場は6.9〜8.4kGだった。使用した永
久磁石は、いずれもNd−Fe−B系焼結磁石(N−4
2;信越化学製;Br=13.3kG,iHc=15.
7kOe,(BH)max=42MGOe)、反発型磁
気回路で使用した軟磁性材料は、Fe−Co−V合金
(B50=22.8kG,Hc=0.9Oe)である。
【0048】先ず、成形型に造粒粉末を給材し、成形型
を図2のリング状磁気回路に挿入することによって造粒
粉末に18kOeの磁場を与え磁化する。その後、成形
型を図3の反発型磁気回路に挿入し6極の極異方性配向
磁場を与えながら、40kgf/mm2 で加圧成形し
た。成形型を再び図2のリング状磁気回路に挿入し、6
0rpmで回転させながら、1mm/sec.で引き抜
くことにより脱磁を施した。成形型から取り出した成形
体には、150℃×1Hのキュア処理を施した。得られ
たリング状磁石の密度は7.1g/cm3 、表面磁束は
40〜120Gだった。このリング状磁石を、図5のコ
イルを用い、1800V、500μF、8200Aの条
件で6極の着磁を施した。コイル線は一極当たり5ター
ンだった。6極×5サンプル=30極分の表面磁束は、
3.80〜3.95kGだった。これを実施例−Bとす
る。
【0049】次に、比較例として、図4の電磁石型磁気
回路と実施例−Bと同じ成形型を用い、リング状磁石を
以下の手順で作成した。成形型に造粒粉末を給材し、成
形型を図4の電磁石型磁気回路に挿入し、40kgf/
mm2 で加圧成形した。その後、励磁とは逆方向に電流
を流し脱磁した。成形型から取り出した成形体には、実
施例−Bと同じキュアおよび着磁を施した。密度は7.
1g/cm3 、着磁前の表面磁束は160〜280G、
着磁後は3.80〜3.90kGだった。これを比較例
−3とするが、実施例−Bと比べ、着磁後の表面磁束は
ほぼ同等であるが、着磁後の表面磁束は大きく取扱に問
題となる値である。
【0050】さらに、比較例として、パルス磁場を利用
した極異方性配向を試みた。方法としては、特開昭61
−243102号の図1と同様の装置を作成し、図5の
着磁コイルを転用した磁気回路と実施例−Bと同じ成形
型を用い、リング状磁石を作成した。具体的には、成形
型に造粒粉末を給材し、成形型を図5の着磁コイルを転
用した磁気回路に挿入し、パルス磁場と空気圧によるパ
ルス圧力を同期させ、パルス磁場の発生している間に加
圧成形した。その後、減衰振動させた電流を流し脱磁し
た。成形型から取り出した成形体には、実施例−Bと同
じキュアおよび着磁を施した。密度は6.3〜6.6g
/cm3 、着磁前の表面磁束は30〜60G、着磁後は
2.90〜3.25kGだった。これを比較例−4とす
るが、密度および着磁後の表面磁束のバラツキが大き
い。
【0051】また、すでに量産されている等方性とラジ
アル異方性のサンプルと比較すると、等方性の表面磁束
が2.20〜2.25kG(比較例−5)、ラジアル異
方性の表面磁束が2.70〜2.75kG(比較例−
6)であり、本発明の永久磁石磁気回路により配向させ
た極異方性の3.80〜3.95kGがいかに高い値で
あるかが分かる。
【0052】また、特に磁場発生のために必要な装置の
大きさも、実施例−Bが2個のφ100×L40mmの
磁気回路で良いのに対し、例えば電磁石を用いるラジア
ル異方性では2個のφ240×L150mmの磁場コイ
ルに加え、B800×W1100×H1800mmの磁
場電源が必要となり、さらに電気や冷却水が必要とな
り、ランニングコストがかかってしまった。
【0053】(実施例3)Sm=24.5,Fe=7
5.5重量%の組成となるように、高周波溶解炉を用い
アルゴンガス雰囲気中で溶解・鋳造したインゴットを作
製した。このインゴットに1100℃で24時間の均質
化処理を施し、スタンプミルで平均粒径100μmまで
粗粉砕した。その粉末を水素+アンモニア混合ガス中で
450℃で1時間窒化処理を施した。得られた粉末をジ
ェットミルで微粉砕し、平均粒径で2.0μmの微粉末
を得た。この粉末にエポキシ樹脂と潤滑剤を約4重量%
添加し、混練および造粒処理を施して、顆粒状の造粒粉
末を得た。
【0054】図6に配向兼脱磁用の反発型磁気回路を示
した。これは、図3の磁気回路を改良したもので、発生
磁場は8.3〜10.1kGとなった。
【0055】実施例2の成形型に造粒粉末を給材し、成
形型を図6の反発型磁気回路に挿入し6極の極異方性配
向磁場を与えながら、40kgf/mm2 で加圧成形し
た。その後、図6の反発型磁気回路を60rpmで回転
させながら1mm/sec.で引き抜くことにより成形
体に脱磁を施した。成形型から取り出した成形体は、1
50℃×1Hのキュア処理を施した。得られたリング状
磁石の密度は5.7g/cm3 、表面磁束は30〜80
Gだった。このリング状磁石を、実施例2と同じ条件で
6極の着磁を施した結果、表面磁束は3.70〜3.8
0kGだった。これを実施例−Cとする。
【0056】比較例として、同じ造粒粉末を実施例2と
同様にラジアル異方性磁石とした。表面磁束は2.30
〜2.40kGだった。これを比較例−7とする。
【0057】実施例−Cでは、磁気回路の発生磁場が大
きくなったことと磁性粉末が核生成型の初磁化曲線を有
するSm−Fe−N系であったことから、実施例−Bと
違って、配向および脱磁工程が反発型磁気回路だけで可
能で、必ずしもリング状磁気回路が必須でないことが分
かる。また、比較例−7は、表面磁束が低いだけでな
く、磁性粉末が成形型に吸着し、連続成形が困難であっ
た。これは、ラジアル異方性磁場を発生させるために、
成形型および磁気回路が強磁性材料と非磁性材料により
構成されているからで、磁化した強磁性材料が完全に脱
磁しないことが原因である。それに対し、実施例−Cで
は、成形型を全て非磁性材料で構成することができ、そ
の結果、造粒粉末を成形型に給材する際に、ブリッジの
ような給材不良が起きることがなかった。
【0058】以上述べてきたように、本発明は、連続か
つ一定の磁場だけであれば磁場成形工程が可能であり、
永久磁石からなる磁気回路で磁場成形装置を構成するこ
とが可能となるが、連続かつ一定の磁場であれば磁場発
生源の種類に依存しない。また、成形する磁性粉末の種
類にも依存しない。
【0059】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、連続
かつ一定の磁場にて配向および脱磁が可能となったこと
から、例えば永久磁石を用いた磁気回路だけで磁場成形
が可能となり、装置を単純、小型、静寂とすることがで
き、ランニングコストも不要となる。また、生産性のあ
る極異方性の成形が実現できるなど、多大の効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁場成形方法および装置を説明するた
めの図。
【図2】本発明のリング状磁気回路を説明するための
図。
【図3】本発明の反発型磁気回路を説明するための図。
【図4】従来の電磁石型極異方性磁気回路を説明するた
めの図。
【図5】本発明の多極着磁コイルを説明するための図。
【図6】本発明の改良した反発型磁気回路を説明するた
めの図。
【符号の説明】
101.成形型(ダイ) 102.パンチ 103.磁気回路 104.磁性粉末 105.成形体 106.加圧方向 107.磁気回路の回転方向 108.磁気回路の移動方向 1.永久磁石 2.磁化の方向 3.発生磁場 4.軟磁性材料 5.磁場コイル線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粉末または磁性粉末とバインダーの
    混合物を、配向させ、成形し、脱磁し、成形体を取り出
    す永久磁石の磁場成形工程において、配向および脱磁磁
    場が連続かつ一定の磁場であり、磁場と成形体を相対的
    に回転させながら引き離すことにより成形体を脱磁する
    ことを特徴とする永久磁石の磁場成形方法。
  2. 【請求項2】 磁性粉末または磁性粉末とバインダーの
    混合物を、磁化させ、それよりも低い磁場で配向させ、
    成形し、脱磁し、成形体を取り出す永久磁石の磁場成形
    工程において、磁化、配向および脱磁磁場が連続かつ一
    定の磁場であり、磁場と成形体を相対的に回転させなが
    ら引き離すことにより成形体を脱磁することを特徴とす
    る永久磁石の磁場成形方法。
  3. 【請求項3】 配向および脱磁のための連続かつ一定の
    磁場を発生する磁場発生装置と、成形のための圧力装置
    と、成形金型と、からなることを特徴とする永久磁石の
    磁場成形装置。
  4. 【請求項4】 上記磁場発生装置が、永久磁石からなる
    ことを特徴とする請求項3記載の永久磁石の磁場成形装
    置。
  5. 【請求項5】 上記磁場発生装置が、リング形状でその
    内側に均一な磁場を発生している永久磁石だけからなる
    磁気回路であることを特徴とする請求項3記載の永久磁
    石の磁場成形装置。
  6. 【請求項6】 上記脱磁用の磁場発生装置が、リング形
    状でその内側に均一な磁場を発生している永久磁石だけ
    からなる磁気回路であり、その磁気回路が自転かつその
    回転軸に沿って移動する機構を有していることを特徴と
    する請求項3記載の永久磁石の磁場成形装置。
  7. 【請求項7】 上記配向用の磁場発生装置が、永久磁石
    の同極を、高飽和磁化の軟磁性材料を挟んで対向させ、
    極異方性磁場を発生させる磁気回路であることを特徴と
    する請求項3記載の永久磁石の磁場成形装置。
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