JP3182979B2 - 異方性磁石、その製造方法および製造装置 - Google Patents
異方性磁石、その製造方法および製造装置Info
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Description
ち特に成形方法および成形装置に関するものである。
に関しては、主に銅からなる線材を数百ターン巻いた磁
場コイルと透磁率・飽和磁化の高い磁性体で構成された
電磁石を用いており、その磁気回路の磁極間に発生した
磁界を配向および脱磁に利用していた。
る例としてパルス磁場を利用することが知られていた
(特開昭61−241905および特開昭61−243
102など)。
ばロータリープレスなどが知られていた。
技術における異方性磁石の製造方法および製造装置にお
いては、以下の問題点を有する。
個しか用意されておらず、この一個の磁場コイルで磁性
粉末の配向および成形体の脱磁を行なっていた。したが
って、給材,配向,成形,脱磁,取り出しの各工程を順
番に行なう必要があり、一回の成形に短くても30秒以
上の時間を要していた。
磁場コイルで複数個の磁石を一回で成形することが行な
われているが、成形圧や配向磁場の不足により得られる
異方性磁石の磁気特性も低いものでしかなかった。
場コイルと鉄などの磁性体とで構成されており、配向磁
場は磁性体の飽和磁化に制限されることから、純鉄を用
いた場合21.5kG、鉄とコバルトの合金の場合でも
24kGであり、磁場強度はこれに制限されることに加
え、磁場コイルと磁極=配向部の距離が離れている場合
など磁気回路によっては配向磁場はさらに低下してい
た。
せた磁気回路を用いた場合、脱磁工程も磁場強度を減衰
させながら反転させることにより実現していたが、磁場
の反転に時間を要するため時間がかかっていた。
合、磁場と加圧を同期させる必要があり、装置が複雑に
なるだけでなく工程にも時間がかかってしまう。
ルは磁性体と組み合せた磁気回路となっており、配向お
よび脱磁工程に時間を要することや磁場強度が磁性体の
飽和磁化に制限されるといった問題を抱えていることに
変わりはない。
するもので、その目的とするところは、一回の成形に要
する時間を短縮できることから生産性を向上させ、得ら
れる磁気特性の向上も実現する異方性磁石の製造方法お
よび製造装置を提供することにある。
異方性の度合が、
また、形状が、円柱状、円筒状またはリング状であり、
異方性がその軸方向についていることを特徴とする。
磁石を成形する際、先ず磁性粉末を空芯コイルの中で配
向させその場で加圧成形し、必要に応じて再度加圧成形
し、その後先の磁場配向用の空芯コイルとは別の磁場コ
イルで成形体を脱磁することを特徴とする。空芯コイル
が連続的に磁場を発生していることを特徴とする。空芯
コイルが超伝導磁石であることを特徴とする。磁性粉末
を上記空芯コイルの中で配向させる前に、あらかじめ上
記磁性粉末を磁化させておくことを特徴とする。空芯コ
イル中の配向および成形を、50℃以上の温度で行なう
ことを特徴とする。
を配向させる空芯コイルとその中で磁性粉末を加圧する
装置、必要に応じて別の加圧装置、そして配向用空芯コ
イルとは別の成形体脱磁用磁場コイルからなることを特
徴とする。磁場配向用空芯コイルの発生する磁場中に超
伝導材料を配置させたことを特徴とする。
する。
体の脱磁用磁場コイルを別にすることにより、例えば複
数個の成形型を用意し、上記成形の各工程を並行に進め
ることができ、成形に要する実質的な時間を短縮するこ
とができ、成形機一台・単位時間当りの成形数を大幅に
増やすことができる。
ること、すなわち磁性体とともに磁気回路を形成しない
ことから、発生する磁場強度は磁性体の飽和磁化に制限
されず、特に超伝導コイルを用いた場合には、さらに強
い磁場を利用することができ、磁性粉末の配向の程度を
向上させることができ、得られる磁石の高性能化を実現
できる。
生させておくことにより、磁場の反転に要する時間を大
幅に短縮させることができるだけでなく、制御に関して
も単純にできる。ここで、配向の磁場反転による磁性粉
末の配向促進の効果は若干損なわれるが、磁性粉末をあ
らかじめ磁化させた後空芯コイルに入れることにより補
うことができる(特開昭58−157118などと同じ
効果)。また、脱磁においても磁場をパルス状にするこ
とができることから、ここでも時間を大幅に短縮するこ
とができる。
場合、磁性体や非磁性体と組み合わせていわゆる磁気回
路を形成し、磁場の方法を制御することができない。し
かし、空芯コイルの発生する磁場中に超伝導体を適当に
配置することにより、超伝導体のマイスナー効果により
磁場の流れを曲げることができ、径方向に配向させたラ
ジアル異方性磁石などの成形も可能となる。
関しては、三方向が全く同じである等方性の場合は約5
8%であり、完全に異方性かできた場合は100%であ
るが、従来特に縦磁場成形品の場合良くて80%程度で
あったことから、これとの相違を明らかにするために8
5%以上とした。
で、異方性が軸方向についている異方性磁石は、成形後
の二次加工なしには縦磁場成形でしか得ることができ
ず、配向不足により異方性の度合が低く磁気特性も低い
ものでしかなかったが、本発明により縦磁場成形品でも
異方性の度合が高い磁石を作ることができる。
は、本発明が室温だけでなくそれ以上の温度でも可能で
あることを示したのであり、実施例でも述べているよう
に、ポリアミドに代表される熱可塑性樹脂を用いた場合
には200〜350℃であり、低融点合金をバインダー
として用いた場合には各合金の融点以上の温度というこ
とであり、ここでは50℃以上とした。
細に説明する。
u0.08Zr0.016)8.35の組成となるように、高周波溶
解炉で合金を溶解・鋳造し、1150℃で24時間の溶
体化処理、800℃で8時間の時効処理を施し、800
℃から400℃まで0.5℃/分の冷却速度で冷却し
た。熱処理したインゴットは20μm前後のある程度幅
広い粒度分布を有する大きさの粉末に粉砕した。得られ
た粉末にエポキシ樹脂を約2重量%を添加し、混合・混
練しコンパウンドとした。
70kOeの磁場を発生している超伝導の空芯コイル中
に入れ、40kgf/mm2の圧力で加圧した。成形型
を超伝導コイルから取り出し、パルス磁場で脱磁し、成
形体を成形型から取り出し、150℃の恒温槽中で1時
間のキュアを施し、ボンド磁石とした。これを本発明1
とする。
ークとで磁気回路を形成し、そのヨークで成形型を挟み
15kOeの磁場を成形型中に発生させ、加圧成形し、
先と同様にボンド磁石とした。これを比較例1とした。
を記すと、磁気特性のうちBr,iHc,(BH)ma
xは、比較例1が、 9.1kG,12.2kOe,18.4MGOe であるのに対し、本発明1は、 9.5kG,12.7kOe,20.3MGOe と高い磁気特性を示した。異方性の度合は、本発明1が
96.2%、比較例1が84.4%であった。
横磁場成形品(比較例1)よりも高性能化できたことを
意味しており、その意義は大きい。
が残となるように、溶解・鋳造し、1280℃で3時間
均質化処理し、200μm以下に粉砕し、550℃で4
時間窒素雰囲気で窒素を侵入させ、F.S.S.S.で2.
1μmの微粉末とした。これを実施例1と同様にコンパ
ウンドとした。
場で粉末着磁し、45kOeの超伝導空芯コイル中で1
0kgf/mm2で加圧し、空芯コイルから取り出した
後50kgf/mm2で再度加圧した後脱磁して、成形
体を取り出し、キュアしてボンド磁石とした。これを本
発明2とした。
の方法で配向磁場を6回反転励磁した後成形し、後は同
様の方法でボンド磁石としたものを比較例2とした。
であるが、比較例2が、 8.5kG,14.8kOe,13.2MGOe であるのに対し、本発明2は、 9.8kG,16.3kOe,20.1MGOe とポテンシャルを活かした高い磁気特性を示した。ま
た、その異方性の度合は、本発明2が94.2%に対
し、比較例2は78.8%であった。
粒径が細かくなければ磁気特性を発揮しないことから、
異方性磁石を作成する際配向のためのトルクが不足し、
異方性の度合が少なく磁気特性も低くなる傾向にあった
ことから、本発明の効果は大きい。
の組成となるように、溶解・鋳造し、得られたインゴッ
トを2〜3μmまで粉砕し、磁性粉末を得た。
場中成形装置で成形、ラジアル異方性磁石を得た。具体
的には、空芯コイル1中で、コア4、ダイ5、パンチ6
からなる成形型中に磁性粉末3を入れ、加圧成形するわ
けだが、コア4の内部に超伝導体2を入れておくことに
より、そのマイスナー効果のゆえ、磁束が曲げられ(磁
束の流れ7)、結果的にラジアル異方性磁石が得られ
た。このときの配向磁場は常伝導コイルを用い約27k
Oeであった。これを本発明3とする。
ル磁場成形装置を用い配向磁場約13kOeで成形し
た。これを比較例3とする。
00℃で3時間焼結し、600℃で1時間熱処理し、外
径8mm,内径6mm,高さ4mmのリング状のラジア
ル異方性焼結磁石を得た。密度はいずれも7.4g/c
m3であった。このリング状磁石を2個純鉄製のロータ
に取り付け、10極の着磁を施しロータ磁石とした。
果、比較例3が1.7〜1.9kGであるのに対し、本発
明3は2.2〜2.4kGであった。
ッピングモータに組み込み、パルスレートトルク特性を
測定した。比較例3を用いたステッピングモータのディ
テントトルクが17g・cm、ホールディングトルクが
95g・cmであったのに対し、本発明3のそれは22
g・cmおよび115g・cmであった。
向方法のゆえ、小径のリング磁石では配向磁場が不足す
ることから、異方性の度合が十分でないことが多かった
が、本発明により解決できたといえる。また、本発明は
ボンド磁石だけでなく焼結磁石でも有効であり、それを
搭載したモータも高性能化しており、応用にも効果を有
する。
12.4%,Co15.9%,B5.8%および残部Fe
の組成となるように、高周波溶解炉を用いアルゴンガス
雰囲気下で溶解・鋳造し、得られたインゴットを急冷薄
帯製造装置を用い、アルゴンガス雰囲気中、直径20m
m銅製ロール、石英管オリフィス径0.6mm、アルゴ
ン噴射圧4kgf/cm2などの条件で急冷薄帯を作成
した。この急冷薄帯に粉砕し、室温で圧縮成形後、アル
ゴン雰囲気中、750℃で20kgf/mm2の圧力で
高温圧縮成形した。この圧密体を最初の圧縮方向と垂直
な方向に750℃で10kgf/mm2のダイアップセ
ット処理を施した。得られた圧密体を粉砕し、磁石粉末
とした。得られた磁石粉末にポリアミド12を35体積
%を混合し、コンパウンドとした。
0℃に加熱した70kOeの超伝導コイル中に挿入し、
5kgf/mm2の圧力で加圧し、そのままコイルから
取り出し冷却後、脱磁し、成形体を取り出した。これを
本発明4とする。
機(発生磁場11kOe)を用い、射出成形磁石とし
た。これを比較例4とする。
92.8%、比較例4が82.7%だった。
を温間で成形する際にも有効であることが分かる。
や製法に依存することなく有効であり、応用にも多大の
効果を有していることは明らかである。また、異方性磁
石としては他にも、SmCo5やSm2Co17系焼結磁
石、さらにはフェライト磁石などがあるが、本発明の製
造方法や製造方法はこれらの磁石でもそしてそれ以外の
磁性材料にも有効であり、本発明の範囲を限定するのは
特許請求の範囲のみである。
性の度合が、
と、異方性磁石を成形する際、先ず磁性粉末を空芯コイ
ルの中で配向させその場で加圧成形し、必要に応じて再
度加圧成形し、その後先の磁場配向用の空芯コイルとは
別の磁場コイルで成形体を脱磁することを特徴とするこ
と、および、磁性粉末を配向させる空芯コイルとその中
で加圧する装置、必要に応じて別の加圧装置、そして配
向用空芯コイルとは別の成形体の脱磁用磁場コイルから
構成されることを特徴とすることにより、異方性磁石の
成形時間を大幅に短縮できコストダウンにつながるだけ
でなく、配向磁場の強度の制限から解放されるために得
られる異方性磁石の高性能化も期待でき、それを用いた
モータなどデバイスや製品の高性能化も実現できるな
ど、応用面にも多大の効果を有するものである。
断面図。
Claims (9)
- 【請求項1】 異方性の度合が、 【化1】 で示される範囲であることを特徴とする異方性磁石。こ
こでBrxは異方性をつけた方向に測定したときの残留
磁束密度(Br)の値、BryおよびBrzは異方性の方
向に垂直なふたつの方向に測定したときのBrの値であ
る。 - 【請求項2】 上記異方性磁石の形状が、円柱状、円筒
状またはリング状であり、異方性がその軸方向について
いることを特徴とする請求項1記載の異方性磁石。 - 【請求項3】 異方性磁石を成形する際、先ず磁性粉末
もしくは磁性粉末とバインダーとからなるコンパウンド
(以下磁性粉末と記した場合、コンパウンド中の磁性粉
末も含む)を空芯コイルの中で配向させその場で加圧成
形し、必要に応じて再度加圧成形し、その後先の磁場配
向用の空芯コイルとは別の磁場コイルで成形体を脱磁す
ることを特徴とする異方性磁石の製造方法。 - 【請求項4】 上記空芯コイルが連続的に磁場を発生し
ていることを特徴とする請求項3記載の異方性磁石の製
造方法。 - 【請求項5】 上記空芯コイルが超伝導磁石であること
を特徴とする請求項3記載の異方性磁石の製造方法。 - 【請求項6】 上記磁性粉末を上記空芯コイルの中で配
向させる前に、あらかじめ上記磁性粉末を磁化させてお
くことを特徴とする請求項3記載の異方性磁石の製造方
法。 - 【請求項7】 上記空芯コイル中の配向および成形を、
50℃以上の温度で行なうことを特徴とする請求項3記
載の異方性磁石の製造方法。 - 【請求項8】 磁性粉末を配向させるための空芯コイル
とその中で磁性粉末を加圧する装置、必要に応じて別の
加圧装置、そして配向用空芯コイルとは別の成形体脱磁
用磁場コイルから構成されることを特徴とする異方性磁
石の製造装置。 - 【請求項9】 上記磁場配向用空芯コイルの発生する磁
場中に超伝導材料を配置させたことを特徴とする請求項
8記載の異方性磁石の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12170993A JP3182979B2 (ja) | 1993-05-24 | 1993-05-24 | 異方性磁石、その製造方法および製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12170993A JP3182979B2 (ja) | 1993-05-24 | 1993-05-24 | 異方性磁石、その製造方法および製造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06333729A JPH06333729A (ja) | 1994-12-02 |
JP3182979B2 true JP3182979B2 (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=14817942
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12170993A Expired - Lifetime JP3182979B2 (ja) | 1993-05-24 | 1993-05-24 | 異方性磁石、その製造方法および製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3182979B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005124796A1 (ja) * | 2004-06-22 | 2005-12-29 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | ラジアル異方性円筒焼結磁石及び永久磁石モータ |
-
1993
- 1993-05-24 JP JP12170993A patent/JP3182979B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005124796A1 (ja) * | 2004-06-22 | 2005-12-29 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | ラジアル異方性円筒焼結磁石及び永久磁石モータ |
US7626300B2 (en) | 2004-06-22 | 2009-12-01 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Radial anisotropic cylindrical sintered magnet and permanent magnet motor |
CN1934662B (zh) * | 2004-06-22 | 2010-10-06 | 信越化学工业株式会社 | 径向各向异性的环形烧结磁体和永磁体电动机 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06333729A (ja) | 1994-12-02 |
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