JPH08109948A - 防振マウント - Google Patents

防振マウント

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JPH08109948A
JPH08109948A JP24586094A JP24586094A JPH08109948A JP H08109948 A JPH08109948 A JP H08109948A JP 24586094 A JP24586094 A JP 24586094A JP 24586094 A JP24586094 A JP 24586094A JP H08109948 A JPH08109948 A JP H08109948A
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rubber elastic
cylinder
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洋一 河本
Katsutoshi Ota
勝敏 太田
Kazunari Nakahara
一成 中原
Keiichi Funakoshi
恵一 船越
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的重度の静荷重や動荷重に対抗しつつ、
かつ、板ばね及びマスによる振動抑制効果を得る。 【構成】 筒軸Xを前後方向に向けて配置された内筒体
1と、これを囲む外筒体2とを上下方向振動に対して防
振し得るようゴム弾性体3で互いに連結する。内筒体の
一端を突出した突出端部1aの下側位置に板ばね4の中
央部4aを連結する。外筒体の下端縁を所定範囲にわた
り突出した突出端縁部2aの左右両側にそれぞれゴム弾
性支持体5を立設し、これで板ばねの両側部位置を支持
する。ゴム弾性支持体による支持位置より板ばねをさら
に両側に突出し、両突出端4b,4b位置にマス7,7
を固定する。ゴム弾性体に筒軸方向の貫通孔または貫通
空所を設け、内部に板ばねが貫通して両側に突出するよ
うに配置し、貫通孔等の相対向面に凸部等を設けて振動
入力により板ばねが曲げられるようにしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動入力に対し、板ば
ねに支持されたマスを相対変位させることによって振動
抑制効果を得る防振マウントに係り、特に、ブッシュタ
イプに応用した防振マウントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、板ばねに支持されたマスを相
対変位させることによって振動抑制効果を得る防振マウ
ントとして、板ばねの長手方向中央位置上面に結合した
ゴム弾性支持体を振動発生源側に接続し、上記板ばねの
長手方向両側位置下面にそれぞれ結合した2つのゴム弾
性支持体を共通のベース板で固定して支持台としこの支
持台を振動受部側に接続するものが知られている(例え
ば、特公平2−23739号公報参照)。そして、上記
板ばねを振動受部側の一対のゴム弾性支持体の各支持位
置よりも外側方にそれぞれ突出しその各突出端である各
自由端にマスを固定し、上記振動発生源側のゴム弾性支
持体から振動発生源と振動受部とを結ぶ主振動入力方向
への振動入力を受けて上記板ばねが曲げられ、これによ
り、上記各マスが上記主振動入力方向とは逆方向に相対
変位するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
防振マウントにおいては、振動発生源からの静荷重や動
荷重がゴム弾性支持体を介して板ばねの中央位置に直接
作用し、この静荷重や動荷重をベース板側の2つのゴム
弾性支持体間の板ばねの曲げ剛性により受ける構造とな
っているため、本来、比較的軽度の静荷重や動荷重を対
象とするものであり、これを例えば自動車のエンジンマ
ウント等の比較的重度の静荷重や動荷重を対象とする防
振用途に適用すると所定の性能を得ることができなくな
るという不都合がある。すなわち、上記の比較的重度の
静荷重等に対抗するために板ばねの曲げ剛性を大きくす
るとマスの振動抑制効果の悪化を招く一方、逆に上記板
ばねの曲げ剛性を小さくすると上記の静荷重等に対抗す
ることができず板ばねのへたり等を招くことになる。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、比較的重度の
静荷重や動荷重に対抗しつつ、かつ、板ばね及びマスに
よる振動抑制効果を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、筒軸を振動入力方向に直交
する方向に向けて配置され振動発生源または振動受部の
一方の側に接続される内筒体と、この内筒体の外周囲を
囲むよう配置され上記振動発生源または振動受部の他方
の側に接続される外筒体と、この外筒体と上記内筒体と
を互いに連結するゴム弾性体とを備えたものを前提とす
る。このものにおいて、上記外筒体の筒軸方向端部の外
側位置に配置され上記振動入力方向に直交しかつ上記筒
軸に交差する方向に延びる板ばねと、この板ばねを支持
する一対のゴム弾性支持体とを配設する。そして、上記
板ばねを、その延長方向中央位置に対して上記内筒体か
らの振動荷重が作用するように上記内筒体の端部と連結
する一方、上記中央位置を挟んだ延長方向両側位置を上
記作用荷重に対して支持されるように上記一対のゴム弾
性支持体を介して外筒体の端部に連結する。加えて、上
記板ばねを、上記各ゴム弾性支持体による支持位置より
もさらに両外側方に突出して自由端を形成し、その両突
出端である各自由端自体の質量によりマスを構成するも
のである。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、内筒体の端部を、外筒体よりも筒軸方向外
側方に突出した突出端部とし、この突出端部を板ばねの
中央位置に連結する。そして、外筒体の端部を、上記内
筒体の突出端部からみて振動入力方向に対して前方側の
端縁部分を突出させた突出端縁部とし、この突出端縁部
に一対のゴム弾性支持体を連結する構成とするものであ
る。
【0007】請求項3記載の発明は、筒軸を振動入力方
向に直交する方向に向けて配置され振動発生源または振
動受部の一方の側に接続される内筒体と、この内筒体の
外周囲を囲むよう配置され上記振動発生源または振動受
部の他方の側に接続される外筒体と、この外筒体と上記
内筒体とを振動入力方向に互いに連結するゴム弾性体と
を備えたものを前提とする。このものにおいて、上記ゴ
ム弾性体の上記内筒体と外筒体との間の振動入力方向中
間位置を上記筒軸に平行に延びるよう形成された貫通孔
と、この貫通孔を貫通して上記貫通孔の両外側方に突出
するように配置された板ばねとを設ける。そして、上記
貫通孔を、上記板ばねの振動入力方向への振動を許容し
得るよう上記板ばねの断面形状よりも大きい断面形状を
有するものとし、かつ、上記貫通孔を構成する振動入力
方向の相対向面の内、振動入力方向一側の相対向面に筒
軸方向中間位置に振動入力方向に突出して上記板ばねを
押圧する凸部を形成する一方、振動入力方向他側の相対
向面に上記板ばねと当接する当接面を上記貫通孔のほぼ
全長にわたり形成する。加えて、上記板ばねを、その両
端部を上記貫通孔から筒軸方向にそれぞれ突出して自由
端を形成し、その両突出端である各自由端によりマスを
構成するものである。
【0008】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、内筒体及び外筒体の内、当接面が形成され
ている側に位置する筒体の周面の凸部と対応する位置に
凹部を形成し、これにより、上記当接面と凹部との間の
ゴム弾性体部の振動入力方向の厚みが他よりも分厚くな
るようにする構成とするものである。
【0009】請求項5記載の発明は、請求項3記載の発
明において、当接面が形成されている側のゴム弾性体部
に、凸部と対応する筒軸方向範囲に上記凸部の突出方向
に凹となる凹部を形成する。そして、この凹部を挟む筒
軸方向両側位置に板ばねと当接する一対の当接部を形成
する構成とするものである。
【0010】請求項6記載の発明は、筒軸を振動入力方
向に直交する方向に向けて配置され振動発生源または振
動受部の一方の側に接続される内筒体と、この内筒体の
外周囲を囲むよう配置され上記振動発生源または振動受
部の他方の側に接続される外筒体と、この外筒体と上記
内筒体とを互いに連結するゴム弾性体とを備えたものを
前提とする。このものにおいて、上記振動入力方向に相
対向する内筒体と外筒体との間を上記筒軸に平行に貫通
する貫通空所と、この貫通空所を貫通して上記貫通空所
の両外側方に突出するように配置された板ばねとを設け
る。そして、上記板ばねを振動入力方向両側から挟む内
筒体側に筒軸方向中間位置で板ばね側に突出して当接す
る凸部を形成する一方、外筒体側に上記凸部の筒軸方向
両側範囲に拡がり上記板ばねに当接して支持するように
板ばね側に突出するゴム弾性支持体を形成して、このゴ
ム弾性支持体の内部であって上記凸部の振動入力方向に
対して前方側に相当する部位に振動荷重を受けて変形す
る流体室を形成する。加えて、上記板ばねを、その両端
部を上記貫通空所から筒軸方向にそれぞれ突出させて自
由端を形成し、その両突出端である各自由端によりマス
を構成するものである。
【0011】請求項7記載の発明は、筒軸を振動入力方
向に直交する方向に向けて配置され振動発生源または振
動受部の一方の側に接続される内筒体と、この内筒体の
外周囲を囲むよう配置され上記振動発生源または振動受
部の他方の側に接続される外筒体と、この外筒体と上記
内筒体とを互いに連結するゴム弾性体とを備えたものを
前提とする。このものにおいて、上記振動入力方向に相
対向する内筒体と外筒体との間のゴム弾性体を上記筒軸
に平行に貫通する貫通空所と、この貫通空所を筒軸方向
に貫通して上記貫通空所の両外側方に突出するように配
置された板ばねと、この板ばねの上記貫通空所から突出
する両突出片部を支持する一対のゴム弾性支持体と、上
記外筒体に取付けられ筒軸方向両外側方に突出して上記
一対のゴム弾性支持体を支持する一対のブラケットとを
設ける。そして、上記板ばねを、貫通空所内において内
外筒体間の振動入力方向への相対変位により内筒体側も
しくは外筒体側から振動荷重を受けるように位置付ける
とともに、その両端部を上記各ゴム弾性支持体による支
持位置からさらに突出させて自由端を形成し、その両突
出端である各自由端自体の質量によりマスを構成するも
のである。
【0012】また、請求項8記載の発明は、筒軸を振動
入力方向に直交する方向に向けて配置され振動発生源ま
たは振動受部の一方の側に接続される内筒体と、この内
筒体の外周囲を囲むよう配置され上記振動発生源または
振動受部の他方の側に接続される外筒体と、この外筒体
と上記内筒体とを互いに連結するゴム弾性体とを備えた
ものを前提とする。このものにおいて、上記外筒体の筒
軸方向端部より外側位置に配置され上記振動入力方向に
直交しかつ上記筒軸に交差する方向に延びる板ばねと、
この板ばねの一端を外筒体側に対して相対的に位置固定
する固定部材と、上記板ばねの他端側位置を上記外筒体
側に対してゴム弾性支持体を介して支持する支持部材と
を設ける。そして、上記内筒体の端部に上記外筒体より
も筒軸方向外側方に突出する突出端部を形成し、上記板
ばねを、その中間部位が振動入力時に上記突出端部から
振動荷重を受けるよう上記突出端部の振動入力方向に対
する前方側位置を横切るように配置する。加えて、他端
側を上記支持部材による支持位置よりもさらに外側方に
突出させて自由端を形成し、その突出端である自由端自
体の質量によりマスを構成するものである。
【0013】さらに、請求項9記載の発明は、請求項
1、請求項3、請求項6、請求項7、または、請求項8
のいずれかに記載の発明において、板ばねの突出端に、
追加マスを固定する構成とするものである。
【0014】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
例えば内筒体側から動荷重が作用すると、それが内筒体
の端部から板ばねの中央位置に伝達され、この板ばねが
一対のゴム弾性支持体の連結された両側位置を支持点と
して曲げられることになる。これにより、マスを構成す
る上記板ばねの両突出端が上記動荷重の作用方向と逆方
向に振動し、振動抑制作用を発揮する。一方、内筒体側
もしくは外筒体側から作用する静荷重や動荷重が内外筒
体間のゴム弾性体により支持されるため、比較的重度の
静荷重や動荷重に対して上記ゴム弾性体により対抗しつ
つ、板ばね及びマスによる振動抑制作用を得ることが可
能となる。
【0015】請求項2記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、板ばねの中央位置に内筒
体の突出端部が連結されるとともに、その板ばねの両側
位置が上記内筒体からみて振動入力方向前方側の突出端
縁部に対して連結された一対のゴム弾性支持体によって
支持されているため、内筒体及び外筒体間に入力する振
動によって上記板ばねに各曲げ負荷が加わりマスの振動
による振動抑制作用が確実に得られる。
【0016】請求項3記載の発明では、内筒体もしくは
外筒体から振動入力方向に振動が入力すると、内外筒体
間のゴム弾性体が圧縮され貫通孔内の板ばねの中間位置
に対して凸部が強く押し付けられて板ばねの中間位置が
当接面側のゴム弾性体部側に撓ませられる一方、上記凸
部の形成位置以外の筒軸方向の両側部の当接面は上記圧
縮の影響を殆ど受けずに上記板ばねの中間位置以外の両
側部を相対変位させることなく元の位置を保つため、上
記板ばねがその中間位置で曲げられることになる。そし
て、上記凸部により板ばねの中間位置が撓ませられて曲
げられたり、これが逆に復元したりすることにより、上
記板ばねのマスを構成する両突出端が振動入力方向に振
動し、上記入力振動に対する振動抑制作用が発揮され
る。また、内筒体側もしくは外筒体側から作用する静荷
重や動荷重が内外筒体間のゴム弾性体により支持される
ため、請求項1記載の発明の場合と同様に、比較的重度
の静荷重や動荷重に対して上記ゴム弾性体により対抗し
つつ、板ばね及びマスによる振動抑制作用を得ることが
可能となる。
【0017】請求項4記載の発明では、上記請求項3記
載の発明による作用に加えて、板ばねの中間位置を押圧
する凸部と相対向する側のゴム弾性体部の振動入力方向
厚みが筒体の周面に形成された凹部の深さに相当する分
だけ分厚くなり、振動入力に伴い凸部の押付けによる上
記ゴム弾性体部の凹み量がそれだけ大きくなる。これに
対応して、上記凸部の押付けによる板ばねの中間位置の
曲げ撓み度合いが大きくなって、マスを構成する板ばね
の各突出端の振動促進、確実化が図られる。
【0018】請求項5記載の発明では、上記請求項3記
載の発明による作用に加えて、内筒体もしくは外筒体か
らの振動入力によるゴム弾性体の圧縮により、凸部が板
ばねの中間位置を凹部側に相対変位させ、一対の当接部
が上記板ばねの両側位置を中間位置とは逆側の振動入力
方向に相対変位させることになり、板ばねの中間位置と
両側位置とが振動入力方向両側から互いに逆向きの作用
荷重を受ける。このため、板ばねが確実に曲げ負荷を受
けてマスを構成する各突出端の振動促進が図られ、振動
抑制作用の確実化が図られる。
【0019】請求項6記載の発明では、内外筒体間に振
動が入力すると、その振動荷重によりゴム弾性体が変形
して内筒体が外筒体に対して振動入力方向に相対変位
し、その内筒体側に形成された凸部が板ばねの中間位置
を押すことになる。この際、上記板ばねは外筒体側に形
成されて上記中間位置を挟んで筒軸方向両側範囲に拡が
るゴム弾性支持体により支持されている上、そのゴム弾
性支持体の上記凸部により押される部位には振動荷重を
受けて変形する流体室が形成されているため、上記凸部
による押付けにより上記流体室が変形する結果、板ばね
の両側位置が支持された状態で中間位置が押し曲げられ
る。これにより、板ばねの各突出端が振動入力方向に相
対変位して振動し、入力振動に対する振動抑制作用を発
揮する。そして、本請求項記載の発明の場合も、内筒体
側もしくは外筒体側から作用する静荷重や動荷重が内外
筒体間のゴム弾性体により支持されるため、請求項1記
載の発明と同様に、比較的重度の静荷重や動荷重に対し
て上記ゴム弾性体により対抗しつつ、板ばね及びマスに
よる振動抑制作用を得ることが可能となる。
【0020】請求項7記載の発明では、内外筒体間に振
動が入力すると、内外筒体間が振動入力方向に相対移動
し、一対のゴム弾性支持体により両側を支持された貫通
空所内の板ばねに内筒体側もしく外筒体側のゴム弾性体
が当りその板ばねに曲げ負荷が作用する。これにより、
上記各ゴム弾性支持体の支持位置より外側の各突出端が
入力振動と逆向きに相対変位して振動し、その入力振動
に対する振動抑制作用が発揮される。従って、請求項1
記載の発明と同様に、比較的重度の静荷重や動荷重に対
して上記ゴム弾性体により対抗しつつ、板ばね及びマス
による振動抑制作用を得ることが可能となる。
【0021】また、請求項8記載の発明では、内外筒体
間に入力した振動によりゴム弾性体が変形して内筒体が
外筒体に対し振動入力方向に相対変位すると、その内筒
体の突出端部がその前方側位置を横切る板ばねの中間部
位に当り、固定部材による固定位置と、支持部材による
支持位置との間で板ばねが曲げられる。この曲げ負荷に
より上記支持部材におけるゴム弾性支持体が対応して変
形して支持位置からさらに突出する板ばねの突出端が入
力振動と逆向きに相対変位して振動する。これにより、
上記入力振動に対する振動抑制作用が発揮される。そし
て、本請求項記載の発明の場合も、請求項1記載の発明
と同様に、比較的重度の静荷重や動荷重に対して上記ゴ
ム弾性体により対抗しつつ、板ばね及びマスによる振動
抑制作用を得ることが可能となる。
【0022】さらに、請求項9記載の発明では、請求項
1、請求項3、請求項6、請求項7、または、請求項8
記載の発明による作用に加えて、板ばねの突出端に追加
マスが固定されているため、この追加マスの質量調整に
より振動抑制効果の発揮される周波数域を防振用途に応
じて変更設定することが容易に可能となる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0024】<第1実施例>図1〜図3は、本発明の第
1実施例に係る防振マウントを示しており、本第1実施
例は請求項1及び請求項2記載の発明に係るものであ
る。同図において、1は筒軸Xを振動入力方向(各図面
の上下方向;以下、便宜上、上下方向ともいう)に直交
する方向(図1の右斜め下り方向、図2の紙面に直交す
る方向、図3の左右方向)に向けて配置された内筒体、
2はこの内筒体1の外周囲を囲むように配置された外筒
体、3は内筒体1の外周面と外筒体2の内周面とを互い
に連結するゴム弾性体、4は上記振動入力方向に直交す
る方向であって上記筒軸Xにも直交する方向(図1の左
斜め下り方向、図2の左右方向、図3の紙面に直交する
方向;以下、便宜上、左右方向ともいう)に向けて配置
された板ばね、5,5はこの板ばね4を支持する一対の
ゴム弾性支持体である。
【0025】上記内筒体1は内部に挿通された図示省略
のボルトによって振動発生源側の例えばエンジン側に接
続され、また、上記外筒体2は図示省略のブラケットを
介して振動受部側の例えば車体に接続されるようになっ
ている。
【0026】上記ゴム弾性体3は、内筒体1から側面視
でハの字状に左右斜め下方に延びて外筒体2の内周面に
連結されており、上記内筒体1から相対的に下方に作用
する静荷重に対抗しつつ上下方向に入力する振動荷重に
対し防振作用を果たす主ばねを構成している。
【0027】上記内筒体1の端部は、その一端側が外筒
体2よりも所定寸法さらに突出して突出端部1aを形成
しており、また、上記外筒体2の端部には、上記突出端
部1aの下方の所定周範囲の端縁部分が上記突出端部1
aと同側に突出して突出端縁部2aを形成している。
【0028】上記板ばね4は下向きに凸となるようにわ
ずかに湾曲され上記突出端部1aの下側位置を横切って
左右方向両側に延びるように位置付けられており、この
板ばね4の中央部4a上面と上記突出端部1aとがゴム
弾性部材6を介して互いに加硫接着されている。また、
上記中央部4aを挟んで左右方向両側部位の板ばね4の
下面には上記各ゴム弾性支持体5の上端が連結され、こ
の各ゴム弾性支持体5の下端が上記突出端縁部2aの左
右両側部位に連結されて、この一対のゴム弾性支持体
5,5によって上記板ばね4の両側部位を弾性支持する
ようになっている。そして、この板ばね4の両端は上記
各ゴム弾性支持体5による支持位置よりもさらに左右両
外側に突出されて自由端とされこの両突出端4b,4b
にそれぞれマス7が固定されている。
【0029】このような構成の第1実施例をエンジンマ
ウントとして用いる場合、上記のごとく、内筒体1をエ
ンジン側に、外筒体2を車体側にそれぞれ接続する。
【0030】そして、上記内筒体1から上下方向に振動
が入力すると、その振動荷重に応じてゴム弾性体3が弾
性変形し、このゴム弾性体3に基づいて防振が行われ
る。これと同時に、上記の弾性変形に伴い内筒体1が上
下方向に相対変位するため、その突出端部1aと連結さ
れた板ばね4の中央部4aも上下方向に相対変位するこ
とになり、この板ばね4が一対のゴム弾性支持体5,5
の連結された両側位置を支持点として曲げられることに
なる。これと共に、上記中央部4aに作用する曲げ負荷
に応じて両側の各ゴム弾性支持体5も弾性変形し、上記
板ばね4の両突出端4b,4bの各マス7が上記入力振
動の向きと逆向きに相対変位して振動することになり、
この結果、上記の入力振動に対する振動抑制効果を得る
ことができる。
【0031】従って、本第1実施例によれば、内筒体1
側もしくは外筒体2側から作用する比較的重度の静荷重
や動荷重に対してはゴム弾性体3により対抗しつつ、板
ばね4びマス7により入力振動に対する振動抑制効果を
得ることができる。
【0032】<第1実施例に係る他の態様例>図4及び
図5は上記の第1実施例に係る他の態様例を示すもので
あり、請求項1もしくは請求項2における「外筒体」を
内筒体1′を囲むように配置した中間筒体8によって構
成し、この中間筒体8をさらに外筒体2′によって囲ん
で多重筒と成したものである。
【0033】本態様例では、上記内筒体1′と中間筒体
8とが側面視でハの字状に延びるゴム弾性体3′によっ
て互いに連結され、上記中間筒体8と外筒体2′とが両
者8,2′間に密実に充填された他のゴム弾性体9によ
って互いに連結されている。
【0034】上記内筒体1′の両端がそれぞれ突出され
て突出端部1a′,1a′とされるとともに、上記中間
筒体8の両端の下縁が所定周範囲にわたり突出されて突
出端縁部8a,8aが形成されている。そして、上記両
突出端部1a′,1a′にそれぞれ板ばね4′の中央部
4a′がゴム弾性部材6′によって連結され、この各板
ばね4′の両側位置を支持するための一対のゴム弾性支
持体5′,5′が上記各突出端縁部8aに連結されてい
る。なお、同図中7′は上記各板ばね4′の両突出端4
b′にそれぞれ固定されたマスである。
【0035】この態様例の場合、第1実施例の場合と同
様に、内筒体1′から入力する上下方向振動に応じてゴ
ム弾性体3′が弾性変形し、このゴム弾性体3′に基づ
いて防振が行われるとともに、内筒体1′の上下方向へ
の相対変位により各突出端部1a′と共に各板ばね4′
の中央部4a′も上下方向に相対変位して各板ばね4′
が一対のゴム弾性支持体5′,5′間で曲げられる。そ
の結果、上記各板ばね4′の両突出端4b′,4b′の
各マス7′が上記入力振動の向きと逆向きに相対変位し
て振動し、上記の入力振動に対する振動抑制効果を得る
ことができる。従って、本態様例によれば、内筒体1′
と外筒体2′との間に中間筒体8及びゴム弾性体9を介
装して防振マウント自体の剛性を高めたものにおいて
も、中間筒体8の端縁を部分的に突出させた突出端縁部
8aと内筒体1′の突出端部1a′との間に板ばね4′
を介装することにより、その板ばね4′及びマス7′に
よる振動抑制効果を得ることができるものである。
【0036】<第2実施例>図6及び図7は本発明の第
2実施例に係る防振マウントを示しており、本第2実施
例は請求項3記載の発明に係るものである。同図におい
て、11は筒軸Xを振動入力方向(各図面の上下方向;
以下、便宜上、上下方向ともいう)に直交する方向(図
6の左斜め下り方向、図7の左右方向)に向けて配置さ
れた内筒体、12はこの内筒体11の外周囲を囲むよう
に配置された外筒体、13は内筒体11の外周面と外筒
体12の内周面との間に中実に介装されて両者11,1
2を互いに連結する厚肉円筒状のゴム弾性体、14はこ
のゴム弾性体13を上記筒軸Xに平行に貫通するように
配設された板ばね、15,15はこの板ばね14の両突
出端14b,14bに固定されたマスである。
【0037】上記ゴム弾性体13には、貫通孔16が筒
軸Xに平行に貫通するように形成されており、この貫通
孔16内に上記板ばね14が貫通して両側にそれぞれ所
定寸法突出するように配置されている。上記貫通孔16
は内筒体11の上側部位であって内筒体11と外筒体1
2との間の上下方向中間位置にほぼ矩形の断面形状をも
って延びるように形成されており、上下方向の相対向面
16a,16bの上下間隔が上記板ばね14の中央部1
4aを支点として両突出端14b,14bの上下方向へ
の振動を許容し得る程度に設定されている。そして、下
側相対向面16bの筒軸X方向中央位置には上方に突出
する凸部16cが形成され、この凸部16cにより上記
板ばね14の中央部14aが押し上げられてその板ばね
14の上面14cが上側相対向面16aに当接した状態
で保持されるようになっている。つまり、上記板ばね1
4は上記凸部16cと上側相対向面16aとにより両者
16c,16a間に挟み込まれた状態になっている。
【0038】なお、上記板ばね14は、マス15を固定
する前にその一方の突出端14bから貫通孔16に圧入
し、貫通後に上記一方の突出端14bにマス15を固定
するようにすればよい。
【0039】そして、このような第2実施例をエンジン
マウントとして用いる場合には、第1実施例と同様に、
内筒体11がエンジン側に、外筒体12が車体側にそれ
ぞれ接続される。
【0040】この場合において、上記内筒体11側から
上下方向に振動が入力すると、その振動荷重に応じてゴ
ム弾性体13が弾性変形して内筒体11が上下方向に相
対変位し、このゴム弾性体13に基づいて防振が行われ
る。この際、上記内筒体11の上方への相対変位による
ゴム弾性体13の弾性変形に伴い貫通孔16の上下間隔
が狭くなり凸部16cが板ばね14の中央部14aを上
側相対向面16a側に押圧するため、その中央部14a
が上側相対向面16aを形成する外筒体12側のゴム弾
性体部13a側にめり込むことになる。一方、このゴム
弾性体部13aの上側相対向面16aの筒軸X方向両側
部位は上記弾性変形の影響を殆ど受けず、上記板ばね1
4の上面14cは相対変位することなくほぼ同一位置に
保持されている。このため、上記板ばね14は上記中央
部14aで曲げを受け、両突出端14b,14bの各マ
ス15は下方に相対変位し、逆に上記内筒体11の下方
変位に伴い上記板ばね14が復元して上記各マス15が
上方に相対変位して、入力振動と逆向きに振動すること
になる。この結果、上記の入力振動に対する振動抑制効
果を得ることができる。
【0041】従って、本第2実施例は、第1実施例と同
様に、内筒体11側もしくは外筒体12側から作用する
比較的重度の静荷重や動荷重に対してはゴム弾性体13
により対抗しつつ、板ばね14びマス15により入力振
動に対する振動抑制効果を得ることができるものであ
り、特に、中実のゴム弾性体13を用いたものであるた
め、重荷重の防振用途に好適である。
【0042】<第3実施例>図8は本発明の第3実施例
に係る防振マウントを示しており、本第3実施例は請求
項4記載の発明に係るものである。
【0043】本第3実施例は上記の第2実施例とほぼ同
様の構成を有しており、図8において、21は筒軸Xを
振動入力方向(同図の上下方向)に直交する方向(同図
の左右方向)に向けて配置された内筒体、22はこの内
筒体21の外周囲を囲むように配置された外筒体、23
は内筒体21の外周面と外筒体22の内周面との間に中
実に介装されて両者21,22を互いに連結する厚肉円
筒状のゴム弾性体である。また、24はこのゴム弾性体
23の第2実施例と同様位置に形成された貫通孔であ
り、この貫通孔24には板ばね25が貫通して両側にそ
れぞれ所定寸法突出するように配置され、その突出端2
5b,25bにはそれぞれマス26が固定されている。
【0044】上記貫通孔24を構成する上下の相対向面
24a,24bの内、下側の相対向面24bは上記板ば
ね25の下面が当接するよう平面形状に形成される一
方、上側の相対向面24aの筒軸X方向中央部の所定範
囲には下向きに突出して板ばね25の中央部25aに当
接する凸部24cが形成され、この凸部24cの先端と
上記下側の相対向面24bとによって上記板ばね25が
挟み込まれて保持されるようになっている。また、上記
内筒体21の筒軸X方向中央部の外周面には、上記凸部
24cの形成範囲と対応する範囲に凹部21aがスエー
ジング加工等の手段により形成されており、板ばね25
を挟んで上記凸部24cの突出方向前方側のゴム弾性体
23である内筒体21側のゴム弾性体部23aの厚みが
上記凹部21aの深さ分だけ他部よりも分厚くされてい
る。なお、図8中、24d,24dは上側相対向面24
aの筒軸X方向両側端部に形成されたテーパ部であり、
この各テーパ部24dにより板ばね25の各突出端25
b側の上下方向振動がよりフリーな状態で行い得るよう
になっている。
【0045】本第3実施例をエンジンマウントとして用
いる場合には、第1実施例と同様に、内筒体21がエン
ジン側に、外筒体22が車体側にそれぞれ接続される。
そして、上記内筒体21側から上下方向に振動が入力す
ると、その振動荷重に応じてゴム弾性体23が弾性変形
して内筒体21が上下方向に相対変位し、このゴム弾性
体23に基づいて防振が行われる。
【0046】そして、上記内筒体21の上方への相対変
位により板ばね25が相対的に上方に押し上げられる一
方、その板ばね25の中央部25aが凸部24cにより
相対的に下方に強く押されるため、上記中央部25aが
下向きに、両突出端25b,25b側が上向きに曲げを
受け両マス26,26が上方に相対変位する。そして、
逆に上記内筒体21の下方への相対変位により上記板ば
ね25が復元して上記両マス26,26が逆方向に相対
変位し、これらが繰り返されて両マス26,26が上下
方向に振動する。この際、上記中央部25aが押される
側のゴム弾性体部23aが内筒体21の凹部21aの深
さに相当する分だけ分厚くなっているため、上記中央部
25aの内筒体21側への凹み量がそれだけ大きくな
り、これに対応して、上記凸部24cの押付けによる上
記中央部25aの曲げ撓み度合いが大きくなって、両マ
ス26,26の振動の促進並びに確実化を図ることがで
きる。
【0047】従って、本第3実施例は、第1実施例と同
様に、内筒体21側もしくは外筒体22側から作用する
比較的重度の静荷重や動荷重に対してはゴム弾性体23
により対抗しつつ、板ばね25びマス26により入力振
動に対する振動抑制効果を得ることができるものであ
り、特に、第2実施例と同様の中実のゴム弾性体23を
用いつつも、第2実施例よりも上記マス26の振動を促
進して振動抑制作用の確実化を図ることができるもので
ある。
【0048】<第4実施例>図9及び図10は本発明の
第4実施例を示しており、本第4実施例は請求項5記載
の発明に係るものである。
【0049】同図において、31は筒軸Xを振動入力方
向(各図の上下方向)に直交する方向(図9の左右方
向、図10の紙面に直交する方向)に向けて配置された
内筒体、32はこの内筒体31の外周囲を囲むように配
置された外筒体、33は内筒体31の外周面に沿って環
状に加硫接着された内筒体側ゴム弾性体、34は外筒体
32の内周面に沿って環状に加硫接着された外筒体側ゴ
ム弾性体、35は両ゴム弾性体33,34間に筒軸X方
向に配置されて両側にそれぞれ所定寸法突出する板ば
ね、36,36はその板ばね35の両突出端35b,3
5bにそれぞれ固定されたマスである。
【0050】上記内筒体側ゴム弾性体33には、その筒
軸X方向両側位置に外周方向に突出して横断面形状が六
角形(図10参照)の一対の膨出部33a,33aが形
成され、この両膨出部33a,33a間の筒軸X方向中
央位置の周囲に凹溝33bが形成され、また、上記内筒
体31の左右両側位置に筒軸X方向にわたり左右両側方
に突出する一対の翼部33c,33cが形成されてい
る。そして、上記一対の膨出部33a,33aによって
請求項5に記載の「一対の当接部」が構成され、上記凹
溝33bによって「凹部」が構成されている。
【0051】また、上記外筒体側ゴム弾性体34は、筒
軸Xに沿って上記両膨出部33a,33aの横断面形状
に対応する空洞34aが形成されるとともに、左右両側
位置に上記各翼部33cが内嵌し得る一対の嵌合溝34
b,34bが形成されている。また、上記空洞34aを
構成する内周面の内の下向き面が上側の「相対向面」と
され、この下向き面がその筒軸X方向中央位置で下向き
に凸となる曲面とされ、これにより、凸部34cが形成
されている。そして、上記各膨出部33aが上記空洞部
34aに、上記各翼部33cが上記各嵌合溝34bにそ
れぞれ内嵌されるとともに、この内嵌の際に板ばね35
が上記凸部34cと内筒体側ゴム弾性体33との間に挟
み込まれ、この板ばね35の中央部35a上面が上記凸
部34cに、その板ばね35の両側位置が上記各膨出部
33aの上向き面(下側の「相対向面」)にそれぞれ当
接した状態となっている。
【0052】なお、本第4実施例をエンジンマウントと
して用いる場合も、他の実施例と同様に、内筒体31を
エンジン側に、外筒体32を車体側にそれぞれ接続すれ
ばよい。
【0053】この第4実施例の場合、内筒体31もしく
は外筒体32から上下方向に振動が入力すると、内筒体
側ゴム弾性体33の両膨出部33a,33a及び外筒体
側ゴム弾性体34が変形して内筒体31が上下方向に相
対変位する。この内筒体31の上方への相対変位に伴
い、凸部34cが板ばね35の中央部35aを下向きに
押し付けて下方の凹溝33b側に相対変位させ、一対の
膨出部33a,33aが上記板ばね35の両側位置を上
向きに押し付けて上方に相対変位させることになり、板
ばね35が確実に曲げられる。このため、板ばね35の
両突出端35b,35bが上下方向に相対変位して各マ
ス36が上下方向に振動し、上記入力振動に対して振動
抑制効果を発揮する。
【0054】従って、本第4実施例も、第1実施例と同
様に、内筒体31側もしくは外筒体32側から作用する
比較的重度の静荷重や動荷重に対しては両側のゴム弾性
体33,34により対抗しつつ、板ばね35及びマス3
6により入力振動に対する振動抑制効果を得ることがで
きるものであり、特に、振動入力により板ばね35の中
央部35aとその両側位置とが互いに逆方向の作用荷重
を受けて上記板ばね35が確実に曲げられるため、各マ
ス36の振動の促進を図ることができ、振動抑制効果を
確実に得ることができる。
【0055】<第5実施例>図11及び図12は本発明
の第5実施例を示しており、本第5実施例は請求項6記
載の発明に係るものである。
【0056】同図において、41は筒軸Xを振動入力方
向(各図の上下方向)に直交する方向(図11の左右方
向、図12の紙面に直交する方向)に向けて配置された
内筒体、42はこの内筒体41の外周囲を囲むように配
置された外筒体、43は内筒体41の外周面と外筒体4
2の内周面とを互いに連結するゴム弾性体、44は上記
内筒体41及び外筒体42の両者間であって内筒体41
の下方位置に筒軸Xに平行に配置されて両側にそれぞれ
所定寸法突出する板ばね、45,45はその板ばね44
の両突出端44b,44bにそれぞれ固定されたマスで
ある。
【0057】上記内筒体41の筒軸X方向中央位置の外
周面には上下方向に突出する凸部としてのストッパー部
材46が固定されており、上記ゴム弾性体43はこのス
トッパー部材46を含み上記内筒体41から左右両側に
ハの字状に延び外筒体42の内周面側位置に配設された
補強筒体47を介して外筒体42の内周面に連結されて
いる。そして、上記ゴム弾性体43は、本防振マウント
をエンジンマウントとして用いる場合に、そのエンジン
側自重の内筒体41への載荷により弾性変形して上記ス
トッパー部材46の下端が後述の板ばね44の中央部4
4aに当接するように、その弾性係数が設定されてい
る。
【0058】上記内筒体41と外筒体42との間には、
上記ゴム弾性体43によって上下に区画された上側貫通
空所48aと下側貫通空所48bとが形成され、この下
側貫通空所48b内の外筒体42には筒軸X方向に拡が
り上方に突出するゴム弾性支持体49が加硫接着され
て、このゴム弾性支持体49の上面に板ばね44が密着
した状態で保持されている。そして、このゴム弾性支持
体49内には空気等の流体(必要に応じて液体)が充填
された流体室50が補強筒体47の窓部47aを貫通し
て外筒体42の内周面との間に画成されており、この流
体室50を画成する左右方向の両側壁49a,49aと
上壁49bとが薄肉とされて荷重が作用した際に撓んで
上記流体室50を変形するようにされている一方、筒軸
X方向両側壁49c,49cが厚肉とされて上記板ばね
44の両側位置を上下方向に弾性支持するようになって
いる。
【0059】なお、本第5実施例をエンジンマウントと
して用いる場合も、他の実施例と同様に、内筒体41を
エンジン側に、外筒体42を車体側にそれぞれ接続すれ
ばよい。そして、このエンジン側自重が上記内筒体41
に載荷されることにより、ゴム弾性体43が弾性変形し
てストッパー部材46の下端が板ばね44の中央部44
a上面に当接した状態になる。
【0060】この第5実施例の場合、内筒体41もしく
は外筒体42から上下方向に振動が入力すると、ゴム弾
性体43が弾性変形して内筒体41が上下方向に相対変
位し、ストッパー部材46の下端部が板ばね44の中央
部44aを下方のゴム弾性支持体49側に押し付けるこ
とになる。この押付けによる流体室50の内圧を受けて
両側壁49a,49aが膨み出すとともに上壁49bが
下方に撓み、上記板ばね44の中央部44aを下方に相
対変位させる一方、その板ばね44の両側位置が両側壁
49c,49cに支持されてその相対位置が保たれる。
このため、上記板ばね44がその両側位置で支持された
状態で中央部44a位置が押し曲げられて両側の各マス
45が上下方向に入力振動とは逆向きに相対変位して振
動することになり、これにより、上記入力振動に対する
振動抑制作用が発揮される。
【0061】従って、本第5実施例の場合も、第1実施
例と同様に、内筒体41側もしくは外筒体42側から作
用する比較的重度の静荷重や動荷重に対しては両側のゴ
ム弾性体43により対抗しつつ、板ばね44及びマス4
5により入力振動に対する振動抑制効果を得ることがで
きるものであり、特に、流体室50内の流体と、これを
封入しているゴム弾性支持体49の両側壁49a,49
a及び上壁49bとによって上記板ばね44を弾性支持
しているため、板ばね44の振動をより滑らかにするこ
とができる。
【0062】<第6実施例>図13及び図14は本発明
の第6実施例を示しており、本第6実施例は請求項7記
載の発明に係るものである。
【0063】同図において、51は筒軸Xを振動入力方
向(各図の上下方向)に直交する方向(図13の紙面に
直交する方向、図14の左右方向)に向けて配置された
内筒体、52はこの内筒体51の外周囲を囲むように配
置された外筒体、53は内筒体51の外周面と外筒体5
2の内周面とを互いに連結するゴム弾性体、54は上記
内筒体51及び外筒体52の両者間であって内筒体51
の下方位置に筒軸Xに平行に配置されて両側にそれぞれ
所定寸法突出する板ばね、55,55はその板ばね54
の両突出片部54b,54bに連結されてそれらを外筒
体42側に対して弾性支持する一対のゴム弾性支持体、
56,56は上記両突出片部54b,54bの各突出端
54c位置に固定された一対のマスである。
【0064】上記外筒体52の下部には振動受部側もし
くは振動発生源側に連結するためのメインブラケット5
7が取付けられており、このメインブラケット57には
上記筒軸X方向両側位置から両外側に突出する一対のア
ーム状のブラケット58,58が取付けられている。そ
して、この各ブラケット58により上記各ゴム弾性支持
体55の下端が支持されている。
【0065】上記ゴム弾性体53は、上記内筒体51の
外周面を覆いこの内筒体51から左右両側にハの字状に
延び外筒体52の内周面に連結された主弾性体部53a
と、上記内筒体51の上下方向に厚肉とされて所定量突
出する凸部53b,53bと、上記各凸部53bと上下
方向に相対向する外筒体52の上下部位置に形成された
緩衝部53c,53cとから構成されている。上記主弾
性体部53aは、本防振マウントをエンジンマウントと
して用いる場合に、そのエンジン側自重の内筒体51へ
の載荷により弾性変形して上記下側凸部53bが後述の
板ばね54の中央部54aに当接するように、その弾性
係数が設定されている。そして、上記主弾性体部53a
によって内筒体51と外筒体52との間が区画されてお
り、上側貫通空所59aが上側凸部53bと上側緩衝部
53bとの間に、下側貫通空所59bが下側凸部53b
と下側緩衝部53bとの間にそれぞれ筒軸X方向に貫通
するように形成されている。
【0066】上記板ばね54は、その中央部54aが上
方に凸になるように側面視で略ハット形に屈曲形成され
たものである。そして、上記中央部54aが上記下側貫
通空所59bの下側凸部53bと下側緩衝部53cとの
中間位置を筒軸X方向に横切るように配置され、上記両
突出片部54b,54bの下面が下側貫通空所59bの
両外側位置で一対のゴム弾性支持体55,55の上端と
連結されて弾性支持されている。
【0067】なお、本第6実施例をエンジンマウントと
して用いる場合も、他の実施例と同様に、内筒体51を
エンジン側に、外筒体52をブラケット57を介して車
体側にそれぞれ接続すればよい。これにより、上記内筒
体51にエンジン自重等の静荷重が作用し、これによ
り、その分、ゴム弾性体53が弾性変形して内筒体51
が下方に相対変位し下側凸部53bが板ばね54の中央
部54aの上面に当接した状態になる。
【0068】そして、この第6実施例の場合、上記内筒
体51もしくは外筒体52側から上下方向に振動が入力
すると、ゴム弾性体53が弾性変形して内筒体51が上
下方向に相対変位し、下側凸部53bが板ばね54の中
央部54aを下向きに押圧して下方に相対変位させるこ
とになる。これに伴い板ばね54の中央部54aが筒軸
X方向両側に押し開かれるように曲り、この中央部54
aからの作用荷重に応じて両側の弾性支持体55,55
が弾性変形し各突出端54cを上方に相対変位させて各
マス56を上下方向に上記入力振動と逆向きに振動させ
ることになる。これにより、上記入力振動に対する振動
抑制作用が発揮される。
【0069】従って、本第6実施例の場合も、第1実施
例と同様に、内筒体51側もしくは外筒体52側から作
用する比較的重度の静荷重や動荷重に対しては両側のゴ
ム弾性体53により対抗しつつ、板ばね54及びマス5
6により入力振動に対する振動抑制効果を得ることがで
きるものである。
【0070】<第7実施例>図15及び図16は本発明
の第7実施例を示しており、本第7実施例は請求項8記
載の発明に係るものである。
【0071】同図において、61は筒軸Xを振動入力方
向(各図の上下方向)に直交する方向(図15の紙面に
直交する方向、図16の左右方向)に向けて配置された
内筒体、62はこの内筒体61の外周囲を囲むように配
置された外筒体、63は内筒体61の外周面と外筒体6
2の内周面とを互いに連結するゴム弾性体、64は上記
外筒体52の筒軸X方向端部の外側位置において上記振
動入力方向に直交する方向であって上記筒軸Xにも直交
する方向(図15の左右方向、図16の紙面に直交する
方向;以下、便宜上、左右方向ともいう)に向けて配置
された板ばねである。
【0072】上記内筒体61の端部は、上記板ばね64
の配置された側が外筒体62よりも所定寸法さらに突出
して突出端部61aを形成しており、この突出端部61
aの下方位置を横切るように上記板ばね64が配置され
ている。また、上記外筒体62の下部には振動受部側も
しくは振動発生源側に連結するためのメインブラケット
65が取付けられており、このメインブラケット65に
は外筒体62を挟んで左右方向両側に突出する一対のア
ーム状のブラケット66,67が取付けられている。そ
して、この一側のブラケット66の先端部に上記板ばね
64の一端64aが固定され、上記ブラケット66によ
ってその一端64aを外筒体62側に対して相対的に位
置固定する「固定部材」が構成されている。また、他側
のブラケット67の先端部にゴム弾性支持体65が立設
され、このゴム弾性支持体68の上端に上記板ばね64
の中間部64bが支持され、上記ブラケット67によっ
て板ばね64の他端側位置を弾性支持する「支持部材」
が構成されている。そして、上記板ばね64は上記中間
部64bからさらに突出されて自由端を構成し、この突
出端64c位置にマス69が固定されている。
【0073】上記ゴム弾性体63は、内筒体61から側
面視でハの字状に左右斜め下方に延びて外筒体62の内
周面に連結されており、上記内筒体61から相対的に下
方に作用する静荷重に対抗しつつ上下方向に入力する振
動荷重に対し防振作用を果たす主ばねを構成している。
そして、本防振マウントをエンジンマウントとして用い
る場合に、上記ゴム弾性体63は、エンジン側自重の内
筒体61への載荷により弾性変形して上記突出端部61
bが上記板ばね64の一端64aと中間部64bとの間
の中央位置に当接するように、その弾性係数が設定され
ている。なお、図中、63a,63aはハの字状に延び
る主ばね部、63bは内筒体61から上方に突出するス
トッパー部、63cは上記内筒体61の下方位置の外筒
体62に設けられた緩衝部であり、これら63a,63
b,63cは上記ゴム弾性体63として一体に加硫成形
されている。
【0074】本第7実施例をエンジンマウントとして用
いる場合も、他の実施例と同様に、内筒体61をエンジ
ン側に、外筒体62をブラケット65を介して車体側に
それぞれ接続すればよい。これにより、上記内筒体61
にエンジン自重等の静荷重が作用し、これにより、その
分、ゴム弾性体63が弾性変形して内筒体61が下方に
相対変位し内筒体61の突出端部61aが板ばね64の
上面に当接した状態になる。
【0075】そして、この第7実施例の場合、上記内筒
体61もしくは外筒体62側から上下方向に振動が入力
すると、ゴム弾性体63が弾性変形して内筒体61が上
下方向に相対変位し、その突出端部61aが板ばね64
の一端64aと中間部64bとの間の中間位置を下向き
に押圧して上記板ばね64を曲げることになる。これに
伴いゴム弾性支持体68が弾性変形し突出端64cを上
方に相対変位させてマス69を上下方向に上記入力振動
と逆向きに振動させることになる。これにより、上記入
力振動に対する振動抑制作用が発揮される。
【0076】従って、本第7実施例の場合も、第1実施
例と同様に、内筒体61側もしくは外筒体62側から作
用する比較的重度の静荷重や動荷重に対しては両側のゴ
ム弾性体63により対抗しつつ、板ばね64及びマス6
9により入力振動に対する振動抑制効果を得ることがで
きるものである。
【0077】<他の態様例>なお、本発明は上記第1〜
第7実施例に限定されるものではなく、その他種々の変
形例を包含するものである。すなわち、上記第1〜第7
実施例では、板ばね4,4′,14,25,35,4
4,54,64の各突出端4b,4b′,14b,25
b,35b,44b,54c,64cにマス7,7′,
15,26,36,45,56,69を固定している
が、これに限らず、上記マス7,…等を省略し、上記各
突出端4b,…等の板ばね部分自体の質量で板ばねの自
由端に設けるマスを構成するようにしてもよい。従っ
て、上記各実施例におけるマス7,…等は、上記各突出
端自体で構成される質量に対し追加する質量(追加マ
ス)としての性格を有し、その追加マスを設けることに
よりその質量の調整を、上記の板ばね部分のみで質量の
調整をする場合よりも容易に行うことができる。
【0078】上記第1〜第7実施例では、内筒体1,
1′,11,21,31,41,51,61を振動発生
源側(例えばエンジン側)に、外筒体2,2′,12,
22,32,42,52,62を振動受部側(例えば車
体側)にそれぞれ接続しているが、これに限らず、例え
ば上下を逆にして外筒体2,…等を振動発生源側に、内
筒体1,…等を振動受部側にそれぞれ接続してもよい。
【0079】上記第1〜第7実施例における板ばね4,
…等を金属ばね鋼やステンレス鋼等によって形成するほ
か、例えばガラス繊維等を配合したプラスチックス等の
複合材料によって形成してもよい。特に上記の板ばね
4,…等をステンレス鋼によって形成することにより、
耐熱性に優れた防振マウントとすることができ、エンジ
ンマウントとして好適に用いることができる。
【0080】第1実施例において、内筒体1,1′と外
筒体2もしくは中間筒体8とを互いに連結するゴム弾性
体3,3′を、両筒体間に充填された中実のものにより
構成してもよい。
【0081】第2実施例において、凸部16cを下側相
対向面16bに形成しているが、逆に、同様構成の凸部
を上側相対向面16aに形成し、下側相対向面16bに
板ばね14を当接させるようにしてもよい。
【0082】第3実施例において、凸部24cを上側相
対向面24aに形成し凹部21aを内筒体21側に形成
しているが、逆に、同様構成の凸部を下側相対向面24
b側に形成し同様構成の凹部を外筒体22の内周面に形
成するようにしてもよい。
【0083】また、第4実施例において、凸部34cを
外筒体側ゴム弾性体34に、一対の膨出部(当接部)3
3a,33aを内筒体側ゴム弾性体33にそれぞれ形成
しているが、逆に、同様構成の凸部を内筒体側ゴム弾性
体に、同様構成の一対の当接部を外筒体側ゴム弾性体に
それぞれ形成するようにしてもよい。
【0084】さらに、上記第4実施例では、内筒体側と
外筒体側との2つのゴム弾性体33,34とに分けてい
るが、これに限らず、第2もしくは第3実施例のごとく
中実の1つのゴム弾性体とし、このゴム弾性体に形成し
た貫通孔内に、上記の凸部34c、凹部33b、及び、
一対の当接部33a,33aと同様構成のものを形成す
るようにしてもよい。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における防振マウントによれば、振動荷重が作用する
ように内筒体端部を板ばねの中央位置に連結し、この板
ばねの両側位置をそれぞれゴム弾性支持体を介して外筒
体端部に支持しているため、振動入力により板ばねの中
央位置が両側位置間で曲げられマスを構成する両突出端
を入力振動とは逆向きに相対変位させて振動させること
ができる。これにより、比較的重度の静荷重や動荷重に
対して内筒体と外筒体とを互いに連結するゴム弾性体に
より対抗しつつ、上記の板ばね及びマスにより振動抑制
効果を得ることができる。
【0086】請求項2記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、板ばねの中央位置を
内筒体の突出端部と連結し、その板ばねの両側位置を外
筒体の突出端縁部により支持するようにしているため、
請求項1記載の発明による効果を確実に得ることができ
る。
【0087】請求項3記載の発明によれば、内筒体と外
筒体とを互いに連結するゴム弾性体に設けた筒軸方向の
貫通孔に板ばねを貫通配置させ、この板ばねの中央位置
を上記貫通孔の相対向面の一方に設けた凸部により振動
入力方向両側から挟み込むようにしているため、振動入
力に伴い上記凸部が板ばねの中央位置をゴム弾性体側に
撓ませる一方、その板ばねの両側位置が当接面に当接し
て元の位置を保ち、板ばねをその中央位置で曲げてマス
を構成する両突出端を振動入力方向に振動させることが
できる。これにより、請求項1記載の発明の場合と同様
に、内筒体側もしくは外筒体側から作用する比較的重度
の静荷重や動荷重を内外筒体間のゴム弾性体により対抗
しつつ、上記の板ばね及びマスによる振動抑制効果を得
ることができる。
【0088】請求項4記載の発明によれば、上記請求項
3記載の発明による効果に加えて、板ばねの中間位置を
押圧する凸部と相対向する側のゴム弾性体部の厚みを、
筒体の周面に形成した凹部の深さに相当する分だけ分厚
くなるようにしているため、振動入力に伴う凸部の押付
けによる上記ゴム弾性体部の凹み量をそれだけ大きくす
ることができ、板ばねの中間位置の曲げ撓み度合いを大
きくすることができる。これにより、マスを構成する板
ばねの各突出端の振動の促進、確実化を図ることができ
る。
【0089】請求項5記載の発明によれば、上記請求項
3記載の発明による効果に加えて、当接面が形成されて
いる側のゴム弾性体部に凸部と相対向する凹部を形成
し、この凹部を挟む筒軸方向両側位置に板ばねと当接す
る一対の当接部を形成しているため、振動入力に伴い凸
部が板ばねの中間位置を凹部側に相対変位させる一方、
一対の当接部が上記板ばねの両側位置を中間位置とは逆
側の振動入力方向に相対変位させることができる。これ
により、板ばねに曲げ負荷を確実に与えてマスを構成す
る各突出端の振動の促進、確実化を図ることができる。
【0090】請求項6記載の発明によれば、内外筒体間
の筒軸に平行な貫通空所を貫通するよう板ばねを配置
し、この板ばねを内部に流体室が形成された外筒体側の
ゴム弾性支持体により支持する一方、内筒体側に形成し
た凸部を板ばねの中間位置に当接させているため、振動
入力に伴い凸部が板ばねの中央位置を押圧しこの押圧に
より上記流体室が変形する結果、板ばねの両側位置が支
持された状態で中間位置を押し曲げることができ、板ば
ねのマスを構成する各突出端を振動入力方向に相対変位
させて振動させることができる。これにより、請求項1
記載の発明と同様に、比較的重度の静荷重や動荷重に対
して内外筒体間のゴム弾性体により対抗しつつ、上記の
板ばね及びマスにより振動抑制効果を得ることができ
る。
【0091】請求項7記載の発明によれば、内外筒体間
の貫通空所に貫通配置した板ばねの両突出片部をそれぞ
れゴム弾性支持体を介してブラケットにより外筒体側に
支持させ、その板ばねを貫通空所内において内外筒体間
の振動入力方向への相対変位により内筒体側もしくは外
筒体側から振動荷重を受けるように位置付けているた
め、振動入力に伴い板ばねが上記一対のゴム弾性支持体
による両支持位置間で曲げ負荷を受け、上記各ゴム弾性
支持体の支持位置より外側のマスを構成する各突出端を
入力振動と逆向きに相対変位させて振動させることがで
きる。これにより、請求項1記載の発明と同様に、比較
的重度の静荷重や動荷重に対して内外筒体間のゴム弾性
体により対抗しつつ、上記の板ばね及びマスにより振動
抑制効果を得ることができる。
【0092】また、請求項8記載の発明によれば、固定
部材により外筒体側に固定された板ばねの一端と、支持
部材によりゴム弾性支持体を介して外筒体側に支持され
た上記板ばねの他端側位置との中間位置に内筒体の突出
端部を連結しているため、振動入力に伴う内筒体の相対
変位により板ばねが曲げられ、その板ばねのマスを構成
する突出端を入力振動と逆向きに相対変位して振動させ
ることができる。これにより、請求項1記載の発明と同
様に、比較的重度の静荷重や動荷重に対して内外筒体間
のゴム弾性体により対抗しつつ、上記の板ばね及びマス
により振動抑制効果を得ることができる。
【0093】さらに、請求項9記載の発明によれば、請
求項1、請求項3、請求項6、請求項7、または、請求
項8記載の発明による効果に加えて、板ばねの突出端に
追加マスを固定しているため、この追加マスの質量調整
により振動抑制効果の発揮される周波数域を防振用途に
応じて容易に変更設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す部分斜視図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図2のA−A線における断面図である。
【図4】第1実施例の他の態様例の図2相当図である。
【図5】図4のB−B線における断面図である。
【図6】第2実施例の斜視図である。
【図7】図6のものの縦断面図である。
【図8】第3実施例の図7相当図である。
【図9】第4実施例の縦断面図である。
【図10】図9のC−C線における断面図である。
【図11】第5実施例の縦断面図である。
【図12】図11のD−D線における断面図である。
【図13】第6実施例の正面図である。
【図14】図13のE−E線における断面図である。
【図15】第7実施例の正面図である。
【図16】図15のF−F線における断面図である。
【符号の説明】
1,1′,11,21,31,41,51,61
内筒体 1a,1a′,61a 突出端
部(内筒体の端部) 2,2′,12,22,32,42,52,62
外筒体 2a,8a 突出端
縁部(外筒体の端部) 3,3′,13,23,43,53,63
ゴム弾性体 4,4′,14,25,35,44,54,64
板ばね 4b,4b′,14b,25b 板ばね
の突出端(マス) 35b,44b,54c,64c 板ばね
の突出端(マス) 5,5′,55,68 ゴム弾性支
持体 7,7′,15,26,36,45,56,69
マス(追加マス) 8 中間筒体(外筒
体) 16,24 貫通孔 16a,16b,24a,24b 相対向面 16c,24c,34c 凸部 21a 凹部 23a 内筒体側ゴム弾性
体部(ゴム弾性体部) 33 内筒体側ゴム弾性
体(ゴム弾性体) 33a 膨出部(当接部) 33b 凹溝(凹部) 34 外筒体側ゴム弾性
体(ゴム弾性体) 46 ストッパー部材
(凸部) 48b,59b 下側貫通空所(貫
通空所) 49 ゴム弾性支持体 50 流体室 58 ブラケット 66 ブラケット(固定
部材) 67 ブラケット(支持
部材) X 筒軸
フロントページの続き (72)発明者 船越 恵一 岡山県倉敷市連島町矢柄四の町4630番地 倉敷化工株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒軸を振動入力方向に直交する方向に向
    けて配置され振動発生源または振動受部の一方の側に接
    続される内筒体と、この内筒体の外周囲を囲むよう配置
    され上記振動発生源または振動受部の他方の側に接続さ
    れる外筒体と、この外筒体と上記内筒体とを互いに連結
    するゴム弾性体とを備えた防振マウントにおいて、 上記外筒体の筒軸方向端部の外側位置に配置され上記振
    動入力方向に直交しかつ上記筒軸に交差する方向に延び
    る板ばねと、この板ばねを支持する一対のゴム弾性支持
    体とを備えており、 上記板ばねは、その延長方向中央位置に対して上記内筒
    体からの振動荷重が作用するように上記内筒体の端部と
    連結される一方、上記中央位置を挟んだ延長方向両側位
    置が上記作用荷重に対して支持されるように上記一対の
    ゴム弾性支持体を介して上記外筒体の端部に連結され、 上記板ばねは、上記各ゴム弾性支持体による支持位置よ
    りもさらに両外側方に突出されて自由端を形成し、その
    両突出端である各自由端自体の質量によりマスが構成さ
    れていることを特徴とする防振マウント。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 内筒体の端部は、外筒体よりも筒軸方向外側方に突出し
    た突出端部とされてこの突出端部が板ばねの中央位置に
    連結されており、 外筒体の端部は、上記内筒体の突出端部からみて振動入
    力方向に対して前方側の端縁部分が突出されてこの突出
    端縁部に一対のゴム弾性支持体が連結されていることを
    特徴とする防振マウント。
  3. 【請求項3】 筒軸を振動入力方向に直交する方向に向
    けて配置され振動発生源または振動受部の一方の側に接
    続される内筒体と、この内筒体の外周囲を囲むよう配置
    され上記振動発生源または振動受部の他方の側に接続さ
    れる外筒体と、この外筒体と上記内筒体とを振動入力方
    向に互いに連結するゴム弾性体とを備えた防振マウント
    において、 上記ゴム弾性体の上記内筒体と外筒体との間の振動入力
    方向中間位置を上記筒軸に平行に延びるよう形成された
    貫通孔と、この貫通孔を貫通して上記貫通孔の両外側方
    に突出するように配置された板ばねとを備えており、 上記貫通孔は、上記板ばねの振動入力方向への振動を許
    容し得るよう上記板ばねの断面形状よりも大きい断面形
    状を有し、かつ、上記貫通孔を構成する振動入力方向の
    相対向面の内、振動入力方向一側の相対向面には筒軸方
    向中間位置に振動入力方向に突出して上記板ばねを押圧
    する凸部が形成される一方、振動入力方向他側の相対向
    面には上記板ばねと当接する当接面が上記貫通孔のほぼ
    全長にわたり形成されており、 上記板ばねは、その両端部が上記貫通孔から筒軸方向に
    それぞれ突出されて自由端を構成し、その両突出端であ
    る各自由端によりマスが構成されていることを特徴とす
    る防振マウント。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 内筒体及び外筒体の内、当接面が形成されている側に位
    置する筒体の周面には凸部と対応する位置に凹部が形成
    されて、上記当接面と凹部との間のゴム弾性体部の振動
    入力方向の厚みが他よりも分厚くなるように構成されて
    いることを特徴とする防振マウント。
  5. 【請求項5】 請求項3において、 当接面が形成されている側のゴム弾性体部には、凸部と
    対応する筒軸方向範囲に上記凸部の突出方向に凹となる
    凹部が形成されて、この凹部を挟む筒軸方向両側位置に
    板ばねと当接する一対の当接部が形成されていることを
    特徴とする防振マウント。
  6. 【請求項6】 筒軸を振動入力方向に直交する方向に向
    けて配置され振動発生源または振動受部の一方の側に接
    続される内筒体と、この内筒体の外周囲を囲むよう配置
    され上記振動発生源または振動受部の他方の側に接続さ
    れる外筒体と、この外筒体と上記内筒体とを互いに連結
    するゴム弾性体とを備えた防振マウントにおいて、 上記振動入力方向に相対向する内筒体と外筒体との間を
    上記筒軸に平行に貫通する貫通空所と、この貫通空所を
    貫通して上記貫通空所の両外側方に突出するように配置
    された板ばねとを備えており、 上記板ばねを振動入力方向両側から挟む内筒体側には筒
    軸方向中間位置で板ばね側に突出して当接する凸部が形
    成される一方、外筒体側には上記凸部の筒軸方向両側範
    囲に拡がり上記板ばねに当接して支持するように板ばね
    側に突出するゴム弾性支持体が形成され、このゴム弾性
    支持体の内部であって上記凸部の振動入力方向に対して
    前方側に相当する部位には振動荷重を受けて変形する流
    体室が形成されており、 上記板ばねは、その両端部が上記貫通空所から筒軸方向
    にそれぞれ突出されて自由端を構成し、その両突出端で
    ある各自由端によりマスが構成されていることを特徴と
    する防振マウント。
  7. 【請求項7】 筒軸を振動入力方向に直交する方向に向
    けて配置され振動発生源または振動受部の一方の側に接
    続される内筒体と、この内筒体の外周囲を囲むよう配置
    され上記振動発生源または振動受部の他方の側に接続さ
    れる外筒体と、この外筒体と上記内筒体とを互いに連結
    するゴム弾性体とを備えた防振マウントにおいて、 上記振動入力方向に相対向する内筒体と外筒体との間の
    ゴム弾性体を上記筒軸に平行に貫通する貫通空所と、こ
    の貫通空所を筒軸方向に貫通して上記貫通空所の両外側
    方に突出するように配置された板ばねと、この板ばねの
    上記貫通空所から突出する両突出片部を支持する一対の
    ゴム弾性支持体と、上記外筒体に取付けられ筒軸方向両
    外側方に突出して上記一対のゴム弾性支持体を支持する
    一対のブラケットとを備えており、 上記板ばねは、貫通空所内において内外筒体間の振動入
    力方向への相対変位により内筒体側もしくは外筒体側か
    ら振動荷重を受けるように位置付けられるとともに、そ
    の両端部が上記各ゴム弾性支持体による支持位置からさ
    らに突出されて自由端を構成し、その両突出端である各
    自由端自体の質量によりマスが構成されていることを特
    徴とする防振マウント。
  8. 【請求項8】 筒軸を振動入力方向に直交する方向に向
    けて配置され振動発生源または振動受部の一方の側に接
    続される内筒体と、この内筒体の外周囲を囲むよう配置
    され上記振動発生源または振動受部の他方の側に接続さ
    れる外筒体と、この外筒体と上記内筒体とを互いに連結
    するゴム弾性体とを備えた防振マウントにおいて、 上記外筒体の筒軸方向端部より外側位置に配置され上記
    振動入力方向に直交しかつ上記筒軸に交差する方向に延
    びる板ばねと、この板ばねの一端を外筒体側に対して相
    対的に位置固定する固定部材と、上記板ばねの他端側位
    置を上記外筒体側に対してゴム弾性支持体を介して支持
    する支持部材とを備えており、 上記内筒体の端部が上記外筒体よりも筒軸方向外側方に
    突出して突出端部が形成され上記板ばねは、その中間部
    位が振動入力時に上記突出端部から振動荷重を受けるよ
    う上記突出端部の振動入力方向に対する前方側位置を横
    切るように配置されるとともに、他端側が上記支持部材
    による支持位置よりもさらに外側方に突出されて自由端
    を形成し、その突出端である自由端自体の質量によりマ
    スが構成されていることを特徴とする防振マウント。
  9. 【請求項9】 請求項1、請求項3、請求項6、請求項
    7、または、請求項8のいずれかにおいて、 板ばねの突出端には、追加マスが固定されていることを
    特徴とする防振マウント。
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