JPH08109153A - ポリグリセリンモノ脂肪酸エステル及びその製造方法 - Google Patents

ポリグリセリンモノ脂肪酸エステル及びその製造方法

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JPH08109153A
JPH08109153A JP7227073A JP22707395A JPH08109153A JP H08109153 A JPH08109153 A JP H08109153A JP 7227073 A JP7227073 A JP 7227073A JP 22707395 A JP22707395 A JP 22707395A JP H08109153 A JPH08109153 A JP H08109153A
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polyglycerin
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monofatty
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食品分野の乳化安定剤、化粧品、医薬等に応
用した場合に、表面張力の向上、分散力の向上、起泡力
の向上、乳化安定性の向上が期待される、モノ脂肪酸
ステル体含有率の高いポリグリセリンモノ脂肪酸エステ
ルおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 カラムクロマト分析法で、紫外線吸収検
出器を用いて検出される下記一般式[1]で示されるモ
ノ脂肪酸エステル体のピーク面積比で表した含有率が7
0%以上であるポリグリセリンモノ脂肪酸エステル、お
よび一般式[2]で示される脂肪酸とグリシドールをリ
ン酸系酸性触媒の存在下で反応させることを特徴とする
前記ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの製造方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリグリセリンモ
ノ脂肪酸エステルおよびその製造方法に関する。本発明
により得られたポリグリセリンモノ脂肪酸エステルは食
品、化粧品、医薬などの分野における乳化剤や基剤とし
て有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリグリセリン脂肪酸エステルは
食品添加物として認可され、使用量も次第に増加してい
る。一般に、このエステルは、原料として重合度の異な
るポリグリセリンと鎖長の異なる脂肪酸とを組合わせる
ことにより広い範囲のHLB値のエステルが得られ、ま
た酸性領域で高い安定性を示すことから、特に食品分野
において、乳化剤や粘度調整剤として広く用いられてい
る。このポリグリセリン脂肪酸エステルの製造法として
は、(1)ポリグリセリンと脂肪酸のエステル化反応、
(2)ポリグリセリンと脂肪酸エステルとのエステル交
換反応、(3)ポリグリセリンと油脂とのエステル交換
反応、(4)グリシドールと脂肪酸モノグリセライドと
の付加重合反応、(5)グリシドールと脂肪酸との付加
重合反応などがある。このうち、(2)〜(3)の方法
については反応性、生成したポリグリセリン脂肪酸エス
テルの品質、純度、などから制約の多い方法である。
【0003】(1)の方法はJAOCS(Journal of A
merican 0il Chemists’ Society)第58巻、第878
頁(198l年)に記載され、ポリグリセリンと脂肪酸
とをアルカリ触媒の存在下にエステル化反応を行ってポ
リグリセリン脂肪酸エステルを得る方法が開示されてい
る。また特開平6ー41007号公報にも同様の方法が
開示されている。(4)の方法については、USP4,
515,775に記載されている。(5)の方法につい
ては、今までに、グリセリンのモノ脂肪酸エステルに関
しては特開昭51−65705号公報に記載されてい
る。しかしながら、この開示された技術によれば、不活
性な溶剤の存在下で高度百分比率のカルボン酸−1−モ
ノグリセライド(後記化学式[1]においてnの値が平
均で1である。)を製造する方法で、グリセリンの重合
度が平均で1のものであり、ポリグリセリンのモノ脂肪
酸エステルに関しては、全く言及されておらず、実際の
検討がなされていない。
【0004】なお、グリシドールの付加重合反応を使用
した技術としては、(1)〜(3)の方法で使用するポ
リグリセリンを製造する際のグリセリンとグリシドール
の付加重合反応(特公平1−55254号公報、特公平
4−11532号公報、特公平5−1291号公報)ま
たは脂肪酸とグリシドールの付加重合反応後、加水分解
反応を経たポリグリセリンの製造(特公平4−6962
1号公報)、ポリグリセリンモノアルキルエーテル、ポ
リグリセリンモノアルキルチオエーテルの製造(USP
3,821,372、USP3,966,398、US
P4,087,466等)等が開示されている。
【0005】しかしながら、特公平4−69621号公
報の脂肪酸とグリシドールの付加重合反応後、加水分解
反応を経由したポリグリセリンの製造では、用いる脂肪
酸が低級(炭素数2〜6)脂肪酸であり、かつ、目的は
ポリグリセリンの製造であり、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルについては全く言及されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】従来、ポリグリセリ
ンモノ脂肪酸エステルを製造する場合は、前記(1)の
方法で製造されている。この方法では、一般に、原料の
ポリグリセリンとしては、反応活性水酸基が平均で4〜
10のものが使用され、モノ置換の脂肪酸エステル体を
製造しようとしても、使用する脂肪酸の当量に対し、反
応活性水酸基の割合が多く、生成したポリグリセリンモ
ノ脂肪酸エステル中には、目的とするモノ脂肪酸エステ
ル体のみならず、未反応のポリグリセリン、ジエステ
ル、トリエステル、テトラエステル等の多置換エステル
化物が残存していることが指摘されている(N.Garti,et
al,J.am.Oil Chem.Soc.,59,317-319(1982))。
【0007】また、(4)の脂肪酸モノグリセライドに
グリシドールを付加重合反応させる場合でも、原料の脂
肪酸モノグリセライドの精製の度合により、反応生成物
の純度が大きく作用される。特に、グリセリンと脂肪酸
との反応により得られる、脂肪酸モノグリセライドを原
料に使用した場合には、前記の(1)と同様に、原料中
にグリセリン成分の残存が認められ、グリシドールの付
加重合反応で得られたポリグリセリンモノ脂肪酸エステ
ル中のモノ脂肪酸エステル体含有率は約40%であり、
残りの60%程度は未反応のグリセリンおよび2置換以
上のエステルとなることが認められている(津田滋、モ
ノグリセリド、P67(1985)、槙書店)。
【0008】このように、従来使用されているポリグリ
セリンモノ脂肪酸エステルには、未置換のポリグリセリ
ンおよび2置換以上のエステル化物が多く残存し、それ
らを界面活性剤、食品分野の乳化安定剤に応用した場合
に、表面張力の低下、分散力の低下、起泡力の低下、乳
化安定性の低下が危惧されている。
【0009】一方、未置換のポリグリセリンの除去方法
としては、水溶性有機溶剤及び水の中から選ばれた少な
くとも1種と、非水溶性有機溶剤の中から選ばれた少な
くとも1種とを併用した混合溶剤で未反応ポリグリセリ
ンを分液除去する方法(特開昭63−23837号公
報)、エステル化反応生成物の溶液をアルキルシリル化
シリカゲルと接触、吸着させ未反応ポリグリセリンを除
去する方法(特開平3−81252号公報)、水溶性有
機溶剤及び水または塩析剤を含む水溶液を併用して未反
応ポリグリセリンを抽出除去する方法(特開平6−41
007号公報)が提案されている。
【0010】しかしながら、特開昭63−23837号
公報記載の方法では、非水溶性有機溶剤として述べられ
ているベンゼン、トルエン等の芳香族系炭化水素は、そ
の安全性に疑問が持たれ、食品用途に関しては問題があ
る。また、この方法に於ては、ポリグリセリンに対する
脂肪酸の反応モル比が1以下に限定されており、1を越
えるモル比の場合の有効性については記載されていな
い。また、反応モル比が1以下の場合でも、トルエン/
メタノール系などでは、含水メタノール相にかなりの量
の高HLBのポリグリセリン脂肪酸エステルが移行する
ことが認められ、さらに、トルエン/メタノール系など
では、未反応ポリグリセリンの分離が極めて不十分であ
るなど工業的に実施するにはいくつもの問題点があり、
特開平3−81252号公報記載のアルキルシリル化シ
リカゲルによって分割する方法は、運転コストが高く、
また操作も煩雑であるという欠点がある。さらに、これ
らの先行技術は特開平6−41007号公報記載方法も
含め未反応ポリグリセリンは除去できるが、2置換以上
のエステル化物の除去は不可能であるという欠点を有し
ている。
【0011】そこで、界面活性剤、食品分野の乳化安定
剤に応用した場合に、表面張力の向上、分散力の向上、
起泡力の向上、乳化安定性の向上が期待される、モノ脂
肪酸エステル体含有率の高いポリグリセリンモノ脂肪酸
エステルおよびその製造方法が求められていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題を解
決するものであって、モノ脂肪酸エステル体含有率の高
いポリグリセリンモノ脂肪酸エステルおよびその製造方
法を提供するものである。すなわち本発明の第1によれ
ば、カラムクロマト分析法で、紫外線吸収検出器を用い
て検出される下記一般式[1]で示されるモノ脂肪酸エ
ステル体のピーク面積比で表した含有率が70%以上で
あるポリグリセリンモノ脂肪酸エステルが提供される。
【0013】
【化4】
【0014】また本発明の第2によれば、一般式[2]
で示される脂肪酸とグリシドールをリン酸系酸性触媒の
存在下で反応させることを特徴とする、下記一般式
[1]で示されるモノ脂肪酸エステル体を含むポリグリ
セリンモノ脂肪酸エステルの製造方法が提供される。
【化5】
【0015】前記ピーク面積比が70%未満であるポリ
グリセリンモノ脂肪酸エステルでは、界面活性剤、食品
分野の乳化安定剤に応用した場合に、表面張力の低下、
分散力の低下、起泡力の低下、乳化安定性の低下が観測
される。
【0016】本発明におけるグリシドールと脂肪酸との
付加重合反応で用いられる一般式[2]で示される脂肪
酸としては、炭素数7〜22の脂肪酸が用いられ、飽和
脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、また直鎖状脂肪酸で
も側鎖をもつ脂肪酸でも、更には炭素鎖がヒドロキシル
基で置換された置換脂肪酸でもよい。これらの脂肪酸と
しては、例えばカプロン酸、カプリル酸、2一エチルヘ
キサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、
ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノー
ル酸、ベヘン酸、エルカ酸、リシノール酸、ヒドロキシ
ステアリン酸などがある。これらは各単独で使用できる
ほか、2種以上を任意に混合して反応に用いてもよい。
【0017】前記脂肪酸とグリシドールの反応はリン酸
系酸性触媒の存在下で反応させることが必要である。こ
こで言うリン酸系酸性触媒としては、リン酸類またはリ
ン酸のエステル類であり、具体的には、リン酸、無水リ
ン酸、ポリリン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリ
ン酸、三リン酸、四リン酸などのリン酸類または、メチ
ルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェー
ト、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッ
ドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェ
ート等の酸性リン酸エステル類などを用いることができ
る。なお、これらの酸性リン酸エステルはモノエステル
体、ジエステル体、及びそれらの混合物のいずれも使用
することができる。以上の中では、リン酸および酸性リ
ン酸エステルを用いることが好ましい。
【0018】なお、上記触媒は1種を単独で使用しても
よく、また2種以上を混合して使用してもよい。触媒の
添加量は脂肪酸に対して0.01〜10重量%、好まし
くは0.1〜5重量%である。0.01量%未満では反
応速度が小さく、10重量%を越えると、効果の向上は
期待できず、使用する触媒によっては、触媒が開始剤と
なるグリシドールの付加重合体が多く生成し、好ましく
ない。
【0019】反応方法は、反応容器中に脂肪酸をとり、
これに前記の触媒を添加し、グリシドールを少量ずつ添
加しながら反応を行う。反応温度は50〜180℃、好
ましくは70〜160℃であり、より好ましくは120
〜140℃である。50℃未満では反応速度が小さく、
また180℃を越えると着色が激しくなり、230℃以
上ではグリシドールが分解して副反応を起こし好ましく
ない。この場合、反応温度の上昇を防止するために、グ
リシドールと反応しない低沸点化合物を添加してもよ
い。また反応は窒素ガス雰囲気下で行うことが望まし
く、必要に応じて加圧してもよい。
【0020】以上の反応により脂肪酸にグリシドールが
付加重合してより高重合度のポリグリセリンモノ脂肪酸
エステルが生成する。生成物は、モノ脂肪酸エステル体
含有率の高い、ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルであ
る。すなわち、本発明によって得られるポリグリセリン
モノ脂肪酸エステルは、カラムクロマト分析法で、紫外
線吸収検出器を用いて検出される前記一般式[1]で示
されるモノ脂肪酸エステル体のピーク面積比で表した含
有率が70%以上である。ここでカラムクロマト分析法
とは、官能基としてオクタデシル基、オクチル基、ブチ
ル基、トリメチル基、フェニル基を有する逆相分配カラ
ム分析法、官能基としてシアノプロピル基、アミノプロ
ピル基を有する順相分配カラム分析法、官能基として4
級アンモニウム基、フェニルスルホン酸基を有するイオ
ン交換カラム分析法、多孔性シリカゲルの吸着カラム分
析法が挙げられる。これらの分析法において、好ましく
は逆相分配カラム法が使用される。前記モノ脂肪酸エス
テル体のピーク面積比が70%以上とは、具体的には下
記HPLC(高速液体クロマトグラフィー)の分析条件
において、モノ脂肪酸エステルに帰属されるピーク面積
比が全ピーク面積に対し70%以上であることを意味す
る。
【0021】また、本発明で得られるポリグリセリンモ
ノ脂肪酸エステルは必要に応じて種々の精製工程を経て
更に精製することも可能であり、具体的な精製方法とし
ては、(イ)減圧下に飽和加熱水蒸気を吹き込んで水蒸
気脱臭を行う脱臭方法、(ロ)次亜燐酸ソーダまたは過
酸化水素による漂白等の脱色方法等がある。
【0022】以上の通り、本発明によれば、ポリグリセ
リンモノ脂肪酸エステルに関し、グリシドールと脂肪酸
との付加重合反応で、モノ脂肪酸エステル体の前記ピー
ク面積で表した含有率が70%以上であるポリグリセリ
ンモノ脂肪酸エステルを得ることが可能であり、これを
界面活性剤として使用する際、表面張力の向上、分散力
の向上、起泡力の向上、乳化安定性の向上などの効果が
ある。
【0023】従って、本発明で得られるポリグリセリン
モノ脂肪酸エステルは、従来からポリグリセリンモノ脂
肪酸エステル等が使用されている種々の用途に用いら
れ、その目的とする機能を十分に発揮することができ
る。以下、これらを例示する。
【0024】(1)本発明のポリグリセリンモノ脂肪酸エ
ステルは、パン、ケーキ、菓子類の製造時に用いられる
油脂組成物の乳化剤として用いることができる。例え
ば、特開平6−22690号公報に記載されているよう
に、小麦粉などからなるパン生地を焼成する際に、小麦
粉中の各成分は物理的、化学的、生化学的反応変化を受
けるが、品質の良いパン製造には焼成工程を厳密に管理
する必要があり、安定した品質のものを得るため、大豆
油、綿実油、ナタネ油等の油脂、必要に応じて呈味剤を
含む水相分からなる油脂組成物が用いられる。その油脂
組成物には乳化剤が用いられるが、このようなパン製造
用油脂組成物の乳化剤として本発明のポリグリセリンモ
ノ脂肪酸エステルを用いることができる。同様に特開平
6−53号公報にはバターケーキ類をオールインミック
ス方式にて製造するに際し、油中水型油脂組成物を使用
する方法が記載されている。その際、油脂組成物全体に
対し0.2〜10重量%の範囲で乳化剤が使用される
が、本発明のポリグリセリンモノ脂肪酸エステルはこの
バターケーキ類等の製菓用油脂組成物の乳化剤としても
有用である。また特開平6−269244号公報には、
スポンジケーキ、スナックケーキ、シーフォンケーキ、
半生菓子等のケーキ類の製造に際して、生地の安定、釜
落ちがしにくく、ボリュームのあるケーキとするため、
水、ソルビトール、液糖などの水相に乳化剤、乳清タン
パク質等を加えた起泡性乳化油脂組成物が使用される。
このような乳化剤としても、本発明のポリグリセリンモ
ノ脂肪酸エステルを使用することができる。さらにまた
特開平6−78672号公報には、パンに適用した場合
には生地のべたつきも少なく良好な風味、食感を与える
もので、水、油脂、糖質、乳化剤を含有する水中油型乳
化組成物において、油脂の含有率が35〜75重量%、
糖質が少なくともソルビトールを含み10〜50重量%
であり、前記乳化剤の含有率が水相に対して5〜25重
量%である高油分水中油型乳化組成物が記載されてい
る。そして前記乳化剤として、HLB値7〜16のポリ
グリセリン脂肪酸エステルが使用されている。このよう
な用途に対しても本発明のポリグリセリンモノ脂肪酸エ
ステルを同様に使用することができる。
【0025】(2)特開平6−125711号公報には、
ココア飲料を保存したときに起こる油脂浮上やココア粉
末の沈澱を防ぐため、ショ糖油脂酸エステル1〜25重
量%、グリセリン脂肪酸エステル3〜36重量%、ソル
ビタン脂肪酸エステル1〜11重量%、結晶セルロース
26〜90重量%、およびκ−カラギーナン2〜5重量
%からなるココア飲料用乳化安定剤が開示されている
が、本発明のポリグリセリンモノ脂肪酸エステルは前記
グリセリン脂肪酸エステルの代りに、あるいはそれと共
に、ココア飲料用乳化安定剤配合剤として用いることが
できる。また、特開平6−38682号公報には、ココ
ア成分、乳成分、甘味料および水からなる混合液に、該
混合液に含まれる脂肪分に対して親油性ポリグリセリン
脂肪酸エステルを0.2〜5.0重量%の割合で添加し
てなるココア飲料が開示されている。本発明のポリグリ
セリンモノ脂肪酸エステルは前記親油性ポリグリセリン
脂肪酸エステルの代りに使用することができる。
【0026】(3)特開平6−276972号公報には、
ゆで上がりの早い麺類とするため、鶏卵を0.5〜40
重量部およびリゾリン油質を0.01〜0.5部含有す
る麺類品質改良剤が開示されている。また必要に応じて
食品用界面活性剤を0.1〜10重量部配合してもよい
旨が記載されている。本発明のポリグリセリンモノ脂肪
酸エステルをこのような麺類品質改良剤配合用界面活性
剤として使用することができる。また特開平6−197
717号公報には茹で、蒸し麺類を製造する際に緑豆加
工澱粉またはそれと乳化剤を併用することにより麺類の
ほぐれ性が極めて良好になること、乳化剤としてポリグ
リセリン脂肪酸エステル等が使用されることが記載され
ている。乳化剤は製めん原料に対して0.1〜20重量
%使用されるが、本発明のポリグリセリンモノ脂肪酸エ
ステルをこのような乳化剤として用いることができる。
【0027】(4)特開平6−22730号公報には、水
産ねり製品にポリグリセリン脂肪酸エステルを含む品質
改良剤を添加する冷凍すりみの製造法が開示されてい
る。すなわち、冷凍すり身のあし形成能保持効果および
白度改善効果があることが明らかにされている。添加量
としては、すり身に対して1重量%以下、好ましくは
0.1〜0.5重量%である。また特開平6−9071
3号公報には、ほたて貝の卵巣およびまたは精巣を含む
魚介物のすり身に、水分、油脂分、還元澱粉糖化物と共
に0.1〜2重量%のHLB13以上のポリグリセリン
脂肪酸エステル乳化剤を添加して、食塩と共に混練し、
成形後加熱処理する練り製品の製造法が記載されてい
る。本発明のポリグリセリンモノ脂肪酸エステルは、ポ
リグリセリン脂肪酸エステルに代わり、これらのような
水産練り製品の添加剤として使用することができる。
【0028】(5)特開平6−133735号公報には、
乳酸菌、コーヒー葉もしくはその抽出物を含む被造粒物
が、(A)油脂および賦型剤を含有する層、(B)ツェ
イン等の含水アルコール可溶性蛋白質を含有する層の2
層で被覆されていることを特徴とする腸溶性乳酸菌造粒
物が記載されている。そして前記(B)層には、含水ア
ルコール可溶性蛋白質の均一溶解分散性を高めるため
に、可塑剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルが0.
8重量%程度用いられると記載されている。本発明のポ
リグリセリンモノ脂肪酸エステルは、前記ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルのような腸溶性乳酸菌造粒物製造用可
塑剤の代替として用いることができる。
【0029】(6)特開平6−209704号公報には、
コーヒーや紅茶に添加したときにもフェザリングやオイ
ルオフがなく、あるいは料理等に使用でき、動植物油脂
および乳化剤としてエステル化度3以下のポリグリセリ
ン飽和脂肪酸エステルを含有する水中油型乳化油脂組成
物が開示されている。そして溶解した油脂に乳化剤とし
てを0.1〜1.5重量%配合することが開示されてい
る。本発明のポリグリセリンモノ脂肪酸エステルも同じ
用途に使用することができる。
【0030】(7)特開平6−253718号公報には、
小麦粉に0.1重量%以下の炭酸カルシウム、0.5重
量%以下のグリセリン脂肪酸エステル、及び0.5重量
%以下の卵白から選ばれた一種を添加配合して、常温長
時間中種法製パン用小麦粉配合物が記載されている。こ
れにより、中種の発酵時間を延長しても品質の良いパン
を製造することができるとされている。本発明のポリグ
リセリンモノ脂肪酸エステルは、前記グリセリン脂肪酸
エステルの代替として、用いることができる。
【0031】(8)特開平6−14711号公報には、香
味を有する油脂またはフレーバー成分が添加された香味
を有する油脂にホスファチジン酸(塩)またはリゾホス
ファチジン酸(塩)の和が総リン脂質中15重量%以上
であるリン脂質を0.1〜10重量%、および食品乳化
剤を0.1〜10重量%含有させてなる加熱調理用油脂
組成物が開示されている。そして、前記食品乳化剤の一
つにポリグリセリン脂肪酸エステルが例示されている。
本発明のポリグリセリンモノ脂肪酸エステルもこのよう
な加熱調理用油脂組成物の乳化剤として使用することが
できる。
【0032】(10)特開平6−113799号公報には、
ナチュラルチーズ、水分および脱脂粉乳を均質化してな
るチーズ均質液に乳酸菌を接種して乳酸発酵せしめてp
H3.6〜4.5の乳酸チーズ発酵液を得、これに約5
〜50%の糖質を加えてなるサワーチーズ飲料が記載さ
れている。さらに脱脂粉乳以外に脂肪の分散乳化促進剤
として、グリセリン脂肪酸エステル等の界面活性剤を使
用してもよい旨が記載されている。本発明のポリグリセ
リンモノ脂肪酸エステルも、このようなサワーチーズ飲
料用脂肪分散乳化促進剤として使用することができる。
【0033】(11)特開平6−153884号公報には、
柿の葉抽出物(フラボノイド類)とトコフェロール、ま
たは柿の葉抽出物とトコフェロール及び没食子酸とを有
効成分とすることを特徴とする、食品用鮮度保持剤が開
示されている。またこの鮮度保持剤は、親油性の乳化物
に調製されているのが使用上便利であるが、その際に乳
化剤(界面活性剤)として、ポリグリセリン脂肪酸エス
テルが例示されている。本発明で提供されるポリグリセ
リンモノ脂肪酸エステルはこの界面活性剤としても使用
することができる。
【0034】(12)特開平6−225684号公報には、
食用油脂0〜20重量%、グリセリン有機酸脂肪酸エス
テル及びステアリル乳酸塩0.05〜20重量%、HL
Bが12以上であるポリグリセリン脂肪酸エステル及び
又はショ糖脂肪酸エステル0.01〜5重量%、水分5
0〜90重量%からなる10℃で流動性のあるでん粉食
品の品質改良用組成物が開示されている。この組成物を
パン、ドーナッツ、饅頭、団子、麺、スパゲティ等の食
品に使用すると、製造時における生地同士ないし機械へ
の付着を防ぎ、体積の増加や食感の改良、製造後のでん
粉の経時的変化による食感の低下防止作用を発揮すると
されている。本発明のポリグリセリンモノ脂肪酸エステ
ルは、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルに代えてこの
ようなでん粉食品の品質改良用組成物の配合物として使
用することができる。
【0035】(13)特開平6−62734号公報には、脂
肪を含む酸乳飲料において、キトサンとポリグリセリン
脂肪酸エステルを使用する脂肪含有酸乳飲料が開示され
ている。これにより、好ましい酸味感である酸性下での
脂肪球の安定性が改良されるとされているが、本発明の
ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルは前記ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルに代えて、このような脂肪含有乳酸飲
料用添加剤として使用することができる。
【0036】(14)特開平6−189682号公報には、
ロール掛け、コンチング処理したチョコレート生地、水
性成分、高HLBのポリグリセリン脂肪酸エステルおよ
び低HLBのポリグリセリン脂肪酸エステルを混合し
て、油中水型に乳化した水分含量が2重量%50重量%
以下の含水チョコレート類が記載されている。前記低H
LBのポリグリセリン脂肪酸エステルとしては好ましく
はHLB2〜4、高HLBのものとしては、好ましくは
HLB11〜13のポリグリセリン脂肪酸エステルであ
る。本発明のポリグリセリンモノ脂肪酸エステルを前記
何れかのポリグリセリン脂肪酸エステルとして用いるこ
とができる。
【0037】(15)特開平6−90663号公報には、油
脂含有量が10重量%から40重量%であり、乳化剤と
してリゾレシチンを含有する酵素処理レシチン、モノグ
リセリン脂肪酸エステル含有量が50重量%から70重
量%である中純度モノグリセリン脂肪酸エステル、こは
く酸モノグリセライド及びレシチンを含有するコーヒー
クリームが開示されている。これにより、常温で安定な
乳化を保ち、かつ、0℃以下で保存した後、解凍しても
乳化破壊を起こさない凍結耐性を有するコーヒークリー
ムが得られると記載されている。また実施例には、油相
部を構成するパーム核油25.5重量部に対して、他の
乳化剤とともに前記中純度モノグリセライドを0.2部
使用している。本発明のポリグリセリンモノ脂肪酸エス
テルは前記のようなコーヒークリーム用乳化剤として用
いることができる。
【0038】(16)特開平6−113727号公報には、
魚肉中に、卵白およびカラギーナンを含有する水中油滴
型乳化液を注入することにより、魚肉と油脂との結着性
を改良する技術が記載されている。これにより、魚の食
感、風味を損なうことなく、適度な固さを保ち、バサつ
くことのない食感の優れた魚肉ハムが得られると記載さ
れている。またこの乳化液に添加する乳化剤の一つにグ
リセリン脂肪酸エステルが挙げられている。このような
魚肉ハム製造用水中油滴型乳化液用乳化剤としても、本
発明のポリグリセリンモノ脂肪酸エステルを用いること
ができる。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例および比較例を通じて、HPLCの分析条件
は下記の通りである。
【0040】(HPLCの分析条件) カラム:Wakosil 5C18*2(和光純薬工業
(株)製;逆相分配カラムであるオクタデシル基を官能
基として持つカラム)、展開溶媒:メタノール、流速:
0.75ml/min.、カラムオーブン温度:40
℃、検出方法:紫外線吸収法(λ=210nm)、試料
濃度:10%(溶媒:MeOH)、注入量:5μl。各
成分のリテンションタイムは、例えばポリグリセリンモ
ノラウリン酸エステルの場合、ポリグリセリン:8分以
前、モノラウリン酸エステル体:8分〜12分、ジラウ
リン酸エステル体以上:12分以降である。
【0041】(実施例1)窒素導入管、攪拌機、冷却
管、温度調節器、滴下シリンダーを備えた1リットルの
4ツ口フラスコにラウリン酸0.5mol(100.1
6g)とリン酸(85%品)0.0622gを加え、1
40℃に加熱した。次いで、反応温度を140℃に保ち
ながらグリシドール3.0mol(222.24g)を
5時間かけて滴下し、系中のオキシラン濃度が0.1%
未満になるまで反応を続けた。冷却後反応物を取り出
し、ポリグリセリンモノラウリン酸エステルを約300
g得た。得られたポリグリセリンモノラウリン酸エステ
ルを前記したHPLCの分析条件で評価した。また、得
られたポリグリセリンモノラウリン酸エステルの10%
水溶液を調製し、30秒間振動(手動)させ、泡立ち性
および状態を目視で観察した。HPLCにより得られた
チャートを図1に示した。また、HPLCからの解析に
よる成分分析結果および泡立ち性および状態の評価結果
を表−1に示した。
【0042】(実施例2)窒素導入管、攪拌機、冷却
管、温度調節器、滴下シリンダーを備えた1リットルの
4ツ口フラスコにラウリン酸0.5mol(100.1
6g)とリン酸(85%品)0.0810gを加え、1
40℃に加熱した。次いで、反応温度を140℃に保ち
ながらグリシドール3.0mol(222.24g)を
5時間かけて滴下し、系中のオキシラン濃度が0.1%
未満になるまで反応を続けた。冷却後反応物を取り出
し、ポリグリセリンモノラウリン酸エステルを約300
g得た。得られたポリグリセリンモノラウリン酸エステ
ルをHPLCで評価した。また、得られたポリグリセリ
ンモノラウリン酸エステルの10%水溶液を調製し、3
0秒間振動(手動)させ、泡立ち性および状態を目視で
観察した。HPLCにより得られたチャートを図2に示
した。また、HPLCからの解析による成分分析結果お
よび泡立ち性および状態の評価結果を表−1に示した。
【0043】(実施例3)窒素導入管、攪拌機、冷却
管、温度調節器、滴下シリンダーを備えた1リットルの
4ツ口フラスコにラウリン酸0.5mol(100.1
6g)とリン酸(85%品)0.0810gを加え、1
40℃に加熱した。次いで、反応温度を140℃に保ち
ながらグリシドール4.0mol(296.32g)を
5時間かけて滴下し、系中のオキシラン濃度が0.1%
未満になるまで反応を続けた。冷却後反応物を取り出
し、ポリグリセリンモノラウリン酸エステルを約400
g得た。得られたポリグリセリンモノラウリン酸エステ
ルをHPLCで評価した。また、得られたポリグリセリ
ンモノラウリン酸エステルの10%水溶液を調製し、3
0秒間振動(手動)させ、泡立ち性および状態を目視で
観察した。HPLCにより得られたチャートを図3に示
した。また、HPLCからの解析による成分分析結果お
よび泡立ち性および状態の評価結果を表−1に示した。
【0044】(実施例4)窒素導入管、攪拌機、冷却
管、温度調節器、滴下シリンダーを備えた1リットルの
4ツ口フラスコにラウリン酸0.5mol(100.1
6g)とリン酸(85%品)0.118gを加え、14
0℃に加熱した。次いで、反応温度を140℃に保ちな
がらグリシドール5.0mol(370.40g)を5
時間かけて滴下し、系中のオキシラン濃度が0.1%未
満になるまで反応を続けた。冷却後反応物を取り出し、
ポリグリセリンモノラウリン酸エステルを約470g得
た。得られたポリグリセリンモノラウリン酸エステルを
HPLCで評価した。また、得られたポリグリセリンモ
ノラウリン酸エステルの10%水溶液を調製し、30秒
間振動(手動)させ、泡立ち性および状態を目視で観察
した。HPLCにより得られたチャートを図4に示し
た。また、HPLCからの解析による成分分析結果およ
び泡立ち性および状態の評価結果を表−1に示した。
【0045】(実施例5)窒素導入管、攪拌機、冷却
管、温度調節器、滴下シリンダーを備えた1リットルの
4ツ口フラスコにラウリン酸0.5mol(100.1
6g)とEAP(モノエチルアシッドホスフェートとジ
エチルアシッドホスフェートの混合物、日本化学工業
(株)製)0.105gを加え、140℃に加熱した。
次いで、反応温度を140℃に保ちながらグリシドール
5.0mol(370.40g)を5時間かけて滴下
し、系中のオキシラン濃度が0.1%未満になるまで反
応を続けた。冷却後反応物を取り出し、ポリグリセリン
モノラウリン酸エステルを約470g得た。得られたポ
リグリセリンモノラウリン酸エステルをHPLCで評価
した。また、得られたポリグリセリンモノラウリン酸エ
ステルの10%水溶液を調製し、30秒間振動(手動)
させ、泡立ち性および状態を目視で観察した。HPLC
で得られたチャートを図5に示した。また、HPLCか
らの解析による成分分析結果および泡立ち性および状態
の評価結果を表−1に示した。
【0046】(比較例1:触媒を使用しない場合)窒素
導入管、攪拌機、冷却管、温度調節器、滴下シリンダー
を備えた1リットルの4ツ口フラスコにラウリン酸0.
5mol(100.16g)を加え、140℃に加熱し
た。次いで、反応温度を140℃に保ちながらグリシド
ール3.0mol(222.24g)を5時間かけて滴
下し、系中のオキシラン濃度が0.1%未満になるまで
反応を続けた。冷却後反応物を取り出し、ポリグリセリ
ンモノラウリン酸エステルを約300g得た。得られた
ポリグリセリンモノラウリン酸エステルをHPLCで評
価した。また、得られたポリグリセリンモノラウリン酸
エステルの10%水溶液を調製し、30秒間振動(手
動)させ、泡立ち性および状態を目視で観察した。HP
LC分析で得られたチャートを図6に示した。また、H
PLC分析からの解析による成分分析結果および泡立ち
性および状態の評価結果を表−1に示した。
【0047】(比較例2:触媒にパラトルエンスルホン
酸(PTS)を使用した場合)窒素導入管、攪拌機、冷
却管、温度調節器、滴下シリンダーを備えた1リットル
の4ツ口フラスコにラウリン酸0.5mol(100.
16g)とPTS0.371gを加え、140℃に加熱
した。次いで、反応温度を140℃に保ちながらグリシ
ドール3.0mol(222.24g)を5時間かけて
滴下し、系中のオキシラン濃度が0.1%未満になるま
で反応を続けた。冷却後反応物を取り出し、ポリグリセ
リンモノラウリン酸エステルを約300g得た。得られ
たポリグリセリンモノラウリン酸エステルをHPLCで
評価した。また、得られたポリグリセリンモノラウリン
酸エステルの10%水溶液を調製し、30秒間振動(手
動)させ、泡立ち性および状態を目視で観察した。HP
LCで得られたチャートを図7に示した。また、HPL
Cからの解析による成分分析結果および泡立ち性および
状態の評価結果を表−1に示した。
【0048】(比較例13:脂肪酸モノグリセリドとグ
リシドールの反応の場合)窒素導入管、攪拌機、冷却
管、温度調節器、滴下シリンダーを備えた1リットルの
4ツ口フラスコにラウリン酸モノグリセリド0.5mo
l(137g)を加え、触媒としてナトリウムメチラー
ト(NaOCH3:28%メターノール溶液)0.45
gを添加し、90℃に加熱した。次いで、反応温度を9
0℃に保ちながらグリシドール2.5mol(185.
2g)を5時間かけて滴下し、系中のオキシラン濃度が
0.1%未満になるまで反応を続けた。冷却後反応物を
取り出し、ポリグリセリンモノラウリン酸エステルを約
300g得た。得られたポリグリセリンモノラウリン酸
エステルをHPLCで評価した。また、得られたポリグ
リセリンモノラウリン酸エステルの10%水溶液を調製
し、30秒間振動(手動)させ、泡立ち性および状態を
目視で観察した。HPLC分析で得られたチャートを図
8に示した。また、HPLCからの解析による成分分析
結果および泡立ち性および状態の評価結果を表−1に示
した。
【0049】(比較例4:脂肪酸とポリグリセリンとの
反応の場合)窒素導入管、攪拌機、冷却管、温度調節
器、滴下シリンダーを備えた1リットルの4ツ口フラス
コにポリグリセリン(ダイセル化学工業(株)製PGL
06:ヘキサグリセリン、水酸基価960)175.3
g(0.5mol)を取り、80℃に加熱し、反応温度
を80℃に保ちながらラウリン酸0.5mol(10
0.16g)を加え溶解させた。次いで、炭酸ナトリウ
ム0.75gと亜硫酸水素ナトリウム0.25gを加
え、210℃でエステル化反応を行った。2時間の反応
で、酸価が0.89となり、100℃に冷却後反応生成
物を取り出した。得られたポリグリセリンモノラウリン
酸エステルをHPLCで評価した。また、得られたポリ
グリセリンモノラウリン酸エステルの10%水溶液を調
製し、30秒間振動(手動)させ、泡立ち性および状態
を目視で観察した。HPLC分析で得られたチャートを
図9に示した。また、HPLCからの解析による成分分
析結果および泡立ち性および状態の評価結果を表−1に
示した。
【0050】
【表1】
【0051】(比較例5〜14:市販品ポリグリセリン
脂肪酸エステルの評価結果)ポリグリセリンと脂肪酸の
反応より製造される市販品ポリグリセリン脂肪酸エステ
ルとして、SYグリスター(阪本薬品工業製)の5品番
(MO−310、MO−750、ML−310、ML−
500、ML−750)、ポエム(理研ビタミン製)の
2品番(J−6021、J−0021)、ユニグリ(日
本油脂製)の2品番(GO−106、GL−106)お
よびサンソフトQ12S(太陽化学製)を選択し、それ
ぞれのポリグリセリン脂肪酸エステルに関し10%水溶
液を調製し、30秒間振動(手動)させ、泡立ち性およ
び状態を目視で観察した。また、HPLC分析で得られ
たチャートを図10から図19に示した。また、HPL
Cからの解析による成分分析結果および泡立ち性および
状態の評価結果を表−2に示した。
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】以上、実施例および比較例による具体的
説明により明らかなように、本発明により提供されるモ
ノ脂肪酸エステル体含有率の高いポリグリセリンモノ脂
肪酸エステルを界面活性剤、食品分野の乳化安定剤に応
用した場合に、表面張力の向上、分散力の向上、起泡力
の向上、乳化安定性の著しい向上が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたポリグリセリンモノラウリ
ン酸エステルについてのHPLCによるチャートであ
る。
【図2】実施例2で得られたポリグリセリンモノラウリ
ン酸エステルについてのHPLCによるチャートであ
る。
【図3】実施例3で得られたポリグリセリンモノラウリ
ン酸エステルについてのHPLCによるチャートであ
る。
【図4】実施例4で得られたポリグリセリンモノラウリ
ン酸エステルについてのHPLCによるチャートであ
る。
【図5】実施例5で得られたポリグリセリンモノラウリ
ン酸エステルについてのHPLCによるチャートであ
る。
【図6】比較例1で得られたポリグリセリンモノラウリ
ン酸エステルについてのHPLCによるチャートであ
る。
【図7】比較例2で得られたポリグリセリンモノラウリ
ン酸エステルについてのHPLCによるチャートであ
る。
【図8】比較例3で得られたポリグリセリンモノラウリ
ン酸エステルについてのHPLCによるチャートであ
る。
【図9】比較例4で得られたポリグリセリンモノラウリ
ン酸エステルについてのHPLCによるチャートであ
る。
【図10】比較例5で用いた市販のポリグリセリン脂肪
酸エステルについてのHPLCによるチャートである。
【図11】比較例6で用いた市販のポリグリセリン脂肪
酸エステルについてのHPLCによるチャートである。
【図12】比較例7で用いた市販のポリグリセリン脂肪
酸エステルについてのHPLCによるチャートである。
【図13】比較例8で用いた市販のポリグリセリン脂肪
酸エステルについてのHPLCによるチャートである。
【図14】比較例9で用いた市販のポリグリセリン脂肪
酸エステルについてのHPLCによるチャートである。
【図15】比較例10で用いた市販のポリグリセリン脂
肪酸エステルについてのHPLCによるチャートであ
る。
【図16】比較例11で用いた市販のポリグリセリン脂
肪酸エステルについてのHPLCによるチャートであ
る。
【図17】比較例12で用いた市販のポリグリセリン脂
肪酸エステルについてのHPLCによるチャートであ
る。
【図18】比較例13で用いた市販のポリグリセリン脂
肪酸エステルについてのHPLCによるチャートであ
る。
【図19】比較例14で用いた市販のポリグリセリン脂
肪酸エステルについてのHPLCによるチャートであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 65/32 NQH // A23L 1/035

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラムクロマト分析法で、紫外線吸収検
    出器を用いて検出される下記一般式[1]で示されるモ
    ノ脂肪酸エステル体のピーク面積比で表した含有率が7
    0%以上であるポリグリセリンモノ脂肪酸エステル。 【化1】
  2. 【請求項2】 メタノールを溶離液とするオクタデシル
    基含有シリカゲルカラムを用いる高速液体クロマトグラ
    フィーで分離し紫外線吸収検出器を用いて検出される下
    記一般式[1]で示されるモノ脂肪酸エステル体のピー
    ク面積比で表した含有率が70%以上であるポリグリセ
    リンモノ脂肪酸エステル。 【化2】
  3. 【請求項3】 Rの炭素数が7以上である請求項1また
    は2記載のポリグリセリンモノ脂肪酸エステル。
  4. 【請求項4】 一般式[2]で示される脂肪酸とグリシ
    ドールをリン酸系酸性触媒の存在下で反応させることを
    特徴とする、下記一般式[1]で示されるモノ脂肪酸エ
    ステル体を含むポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの製
    造方法。 【化3】
  5. 【請求項5】 Rの炭素数が7以上である脂肪酸を反応
    させることを特徴とする請求項4記載のポリグリセリン
    モノ脂肪酸エステルの製造方法。
  6. 【請求項6】 リン酸系酸性触媒が、リン酸または酸性
    リン酸エステルである請求項4または5記載のポリグリ
    セリンモノ脂肪酸エステルの製造方法。
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