JPH08108842A - 車両用ブレーキ圧力制御装置 - Google Patents

車両用ブレーキ圧力制御装置

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JPH08108842A
JPH08108842A JP24312694A JP24312694A JPH08108842A JP H08108842 A JPH08108842 A JP H08108842A JP 24312694 A JP24312694 A JP 24312694A JP 24312694 A JP24312694 A JP 24312694A JP H08108842 A JPH08108842 A JP H08108842A
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pressure
brake
pressure control
control
pump
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JP24312694A
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Inventor
Mamoru Sawada
護 沢田
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制動操作時においても適切に車両の運動特性
を制御する。 【構成】 SM弁26は、トラクション制御時に遮断位
置となり、マスタシリンダ2と駆動輪側のABSアクチ
ュエータ40bとの油圧通路を遮断する。踏み増し弁2
7は、トラクション制御時にブレーキ操作された際(ブ
レーキペダル1が踏み込まれた際)、マスタシリンダ2
からABSアクチュエータ40bへのブレーキ油の通過
を許容する。油圧ポンプ22は、トラクション制御の開
始に伴い駆動し、駆動輪側のABSアクチュエータ40
bに高圧のブレーキ油を供給する。トラクション制御時
にブレーキ操作が検出されると、ECU50は、油圧ポ
ンプ22の吐出側圧力がマスタシリンダ2からの供給圧
力よりも高いレベルに維持されるようブレーキ圧力の制
御パターンを変更し、その制御パターンに応じてABS
アクチュエータ40bの動作を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば車両の加速ス
リップ時のトラクション制御等に用いられる車両用ブレ
ーキ圧力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の車両用ブレーキ圧力制御装置と
しては、例えば図6に示す油圧回路を備えた装置が考え
られている。この油圧回路は、左右後輪(RR,RL)
を駆動輪としてトラクション制御を行うものであり、マ
スタシリンダ61と駆動輪のホイールシリンダ63との
間の油圧通路には、ブレーキペダル60の踏み込みに応
じた通常の制動動作やトラクション制御を行うためのバ
ルブ等が配置されている。具体的には、マスタシリンダ
61からのブレーキ油をカットするマスタシリンダカッ
トバルブ(SM弁)64,リザーバタンク62からポン
プ67の吸入側への連通をカットするリザーバカットバ
ルブ(SR弁)65,ポンプ67の吐出側からリザーバ
タンク62への連通をカットするポンプカットバルブ
(SP弁)66,ホイールシリンダ63へのブレーキ油
の供給及び排出を制御する電磁弁68,69等が配置さ
れている。また、SM弁64を迂回する油圧通路には、
マスタシリンダ61から電磁弁68,69へのみブレー
キ油の通過を許容する踏み増し弁(チェック弁)70が
配置されている。
【0003】そして、このような油圧回路では、トラク
ション制御時においてSM弁64が遮断位置,SR弁6
5が連通位置,SP弁66が連通位置となり、増圧時に
ポンプ67から吐出される高圧のブレーキ油がホイール
シリンダ63に加えられる。また、トラクション制御時
にブレーキペダル60が踏み込み操作されると、増圧時
に、マスタシリンダ61からのブレーキ油が踏み増し弁
70を経てホイールシリンダ63に流れ込む。
【0004】また、上記のような装置では、ブレーキペ
ダル60の踏み込み操作(制動操作)を検出するための
ブレーキスイッチ(図示しない)が設けられており、同
スイッチによる制動操作の検出時には、トラクション制
御が中止されて通常のブレーキ制御に移行されるように
なっている。この場合、ブレーキスイッチの故障時(例
えば断線時)には、同スイッチ信号による制御の切替が
できなくなるが、前記踏み増し弁70を介してマスタシ
リンダ61からのブレーキ油圧がホイールシリンダ6
3,64に加えられる。
【0005】ここに、制動動作時にトラクション制御を
中止する理由を記す。つまり、トラクション制御時にブ
レーキペダル60が踏み込まれると、ブレーキペダル6
0が過度に踏み込まれペダルボトミング(ブレーキペダ
ル60の底付き)を招くおそれがある。より具体的に
は、トラクション制御中の増圧時においてブレーキペダ
ル60が踏み込まれると、踏み増し弁70を介してマス
タシリンダ61からホイールシリンダ63に多量のブレ
ーキ油が流れ込み、このブレーキ油はその後の減圧時に
外部(リザーバタンク62)に排出される。そして、こ
の状態でブレーキペダル60を踏み込んでいれば、上記
したマスタシリンダ61からのブレーキ油の流入と、そ
の後の排出とが繰り返され、ブレーキペダル60が徐々
に入り込みペダルボトミングに至る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の如く
制動操作の検出時にトラクション制御を中止する装置で
は、以下に示す問題が生じる。すなわち、例えば登り道
での車両の低速発進時には、車両の後退を防止しながら
スムーズな発進を行うため、アクセルとブレーキの両ペ
ダルを踏んだ状態でブレーキペダルを徐々に離してい
く、いわゆる両踏み操作が行われる。このような両踏み
操作では、ブレーキペダル60を踏んではいるものの、
運転者には車両を加速したり発進させたりしたいという
意向がある。この場合、上記の如くトラクション制御を
中止することにより、勿論ペダルボトミングという問題
を招くことはないが、低μ路等において不用意な車輪の
スリップを生じる。また、左右の駆動輪でLSD(Limi
ted Slip Differential )機能を有する装置では、トラ
クション制御の中止によりそのLSD機能が得られなく
なりスムーズな発進や登坂が妨げられる。
【0007】この発明は、上記問題に着目すると共に、
制動操作時にもブレーキ圧力制御(トラクション制御)
を実行したいという要望に応えるものであって、その目
的とするところは、制動操作時においても適切に車両の
運動特性を制御することができる車両のトラクション制
御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、運転者による制動時以外
にも車輪のホイールシリンダにブレーキ圧力を付与し、
車両の運動特性を制御する車両用ブレーキ圧力制御装置
において、制動操作に応じた圧力を発生するマスタシリ
ンダと各車輪のホイールシリンダとの間の油圧通路に設
けられ、該ホイールシリンダへのブレーキ油の供給及び
排出を制御する圧力制御アクチュエータと、前記マスタ
シリンダと前記圧力制御アクチュエータとの間の油圧通
路に設けられ、連通位置と遮断位置とに切り替え可能な
切替弁と、前記圧力制御アクチュエータに高圧のブレー
キ油を供給するポンプと、前記マスタシリンダ側の油圧
が前記圧力制御アクチュエータ側の油圧よりも大きい場
合に、該マスタシリンダから該圧力制御アクチュエータ
へのブレーキ油の通過を許容するチェック弁と、運転者
による制動操作を検出する制動操作検出手段と、ブレー
キ圧力制御の開始時において、前記切替弁を遮断位置に
すると共に前記ポンプを駆動し、さらに所望の前記運動
特性を得るべく所定の制御パターンに従い前記圧力制御
アクチュエータを制御する圧力制御手段とを備え、前記
制動操作検出手段により制動操作が検出された場合、前
記圧力制御手段は、前記マスタシリンダから前記ホイー
ルシリンダへのブレーキ油の流入を禁止するよう、前記
ブレーキ圧力の制御パターンを変更することを要旨とし
ている。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記ポンプ吐出側の圧力状態を検出す
る圧力状態検出手段を備え、前記制動操作検出手段によ
り制動操作が検出された場合に、前記圧力状態検出手段
により検出されたポンプ吐出側の圧力状態が所定の低圧
力域にあれば、前記圧力制御手段は、前記マスタシリン
ダから前記ホイールシリンダへのブレーキ油の流入を禁
止するよう、前記ブレーキ圧力の制御パターンを変更す
るように構成している。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記圧力状態検出手段は、前記ポンプ
の駆動開始からの経過時間からポンプ吐出側の圧力状態
を検出し、前記圧力制御手段は、前記経過時間が所定時
間内の場合に前記ブレーキ圧力の制御パターンを変更す
るように構成している。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記圧力状態検出手段は、前記ポンプ
の吐出側圧力と前記マスタシリンダからの供給圧力とか
らポンプ吐出側の圧力状態を検出し、前記圧力制御手段
は、該ポンプの吐出側圧力が該マスタシリンダからの供
給圧力よりも小さい場合に前記ブレーキ圧力の制御パタ
ーンを変更するように構成している。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載の発明において、車両の加速要求を検出
する加速要求検出手段と、車両の制動要求を検出する制
動要求検出手段とを備え、前記圧力制御手段は、前記加
速要求検出結果と前記制動要求検出結果とに応じて、前
記圧力制御アクチュエータによるブレーキ圧力制御を行
うように構成している。
【0013】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の発明において、前記加速要求と前記制動要求とを比較
し、前者を優先する場合には前記圧力制御手段によるブ
レーキ圧力制御を続行し、後者を優先する場合には前記
圧力制御手段によるブレーキ圧力制御を中止するように
構成している。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の
いずれかに記載の発明において、前記車輪に加速スリッ
プが発生したことを検出する加速スリップ検出手段と、
前記加速スリップ検出手段によって加速スリップが検出
された場合に、前記車輪のホイールシリンダにブレーキ
圧力を加えるブレーキ圧力付与手段とを備えて構成して
いる。
【0015】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、圧力制御手段
は、ブレーキ圧力制御の開始時において、切替弁を遮断
位置にすると共にポンプを駆動し、さらに所望の運動特
性を得るべく所定の制御パターンに従い圧力制御アクチ
ュエータを制御する。この場合、制動操作検出手段によ
り制動操作が検出されると、圧力制御手段は、マスタシ
リンダからホイールシリンダへのブレーキ油の流入を禁
止するよう、ブレーキ圧力の制御パターンを変更する。
【0016】つまり、ブレーキ圧力制御時には、切替弁
の動作によりマスタシリンダと圧力制御アクチュエータ
との間の油圧通路が遮断される。このとき、ポンプの駆
動により圧力制御アクチュエータを介してホイールシリ
ンダに高圧のブレーキ油が圧送され制動力が発生する。
また、この場合、運転者によりブレーキペダルの踏み込
み等の制動操作が与えられると、マスタシリンダからの
供給圧力がチェック弁に作用するが、ブレーキ圧力の制
御パターンが変更されることでマスタシリンダからホイ
ールシリンダへのブレーキ油の流入が禁止される。その
結果、ポンプの吐出側圧力をマスタシリンダからの供給
圧力よりも高いレベルに維持することが可能となり、チ
ェック弁を通過してマスタシリンダからホイールシリン
ダにブレーキ油が流入することはない。
【0017】要するに、ブレーキ圧力制御時に例えばブ
レーキペダルを踏み込んでも同ペダルが必要以上に入り
込むことはなく、ペダルボトミングという問題が解消さ
れる。このとき、ポンプから吐出される高圧のブレーキ
油により、必要な制動力が与えられる。また、制動操作
の検出時にブレーキ圧力制御を継続することができるた
め、例えば両踏み操作にて車両を発進させる場合でも加
速スリップを招くことはなくスムーズな発進が可能とな
る。さらに、左右の駆動輪でLSD機能を有する装置の
場合、そのLSD機能を十分に発揮することができ、左
右輪でμの異なるまたぎ路においても安定した走行が可
能となる。
【0018】請求項2に記載の発明によれば、圧力状態
検出手段は、ポンプ吐出側の圧力状態を検出する。そし
て、制動操作検出手段により制動操作が検出された場合
に、圧力状態検出手段により検出されたポンプ吐出側の
圧力状態が所定の低圧力域にあれば、圧力制御手段は、
マスタシリンダからホイールシリンダへのブレーキ油の
流入を禁止するよう、ブレーキ圧力の制御パターンを変
更する。つまり、ポンプ吐出側の圧力状態が所定の低圧
力域にある場合に制動操作が行われると、マスタシリン
ダからホイールシリンダへブレーキ油が流入し、上記不
具合が生じる。しかし、本構成によれば、ポンプ吐出側
の圧力状態に基づいてブレーキ圧力を制御することによ
り、上記不具合が解消され適切なブレーキ圧力制御が可
能となる。
【0019】請求項3に記載の発明によれば、圧力状態
検出手段は、ポンプの駆動開始からの経過時間からポン
プ吐出側の圧力状態を検出し、圧力制御手段は、前記経
過時間が所定時間内の場合にブレーキ圧力の制御パター
ンを変更する。
【0020】請求項4に記載の発明によれば、圧力状態
検出手段は、ポンプの吐出側圧力とマスタシリンダから
の供給圧力とからポンプ吐出側の圧力状態を検出し、圧
力制御手段は、該ポンプの吐出側圧力が該マスタシリン
ダからの供給圧力よりも小さい場合にブレーキ圧力の制
御パターンを変更する。つまり、請求項3,4では、ポ
ンプ吐出側の圧力状態が確実に把握でき、マスタシリン
ダからホイールシリンダへ、必要以上のブレーキ油が流
入することはない。
【0021】請求項5に記載の発明によれば、加速要求
検出手段は、車両の加速要求を検出し、制動要求検出手
段は、車両の制動要求を検出する。圧力制御手段は、加
速要求検出結果と制動要求検出結果とに応じて、圧力制
御アクチュエータによるブレーキ圧力制御を行う。
【0022】請求項6に記載の発明によれば、加速要求
と制動要求とを比較し、前者を優先する場合には圧力制
御手段によるブレーキ圧力制御を続行し、後者を優先す
る場合には圧力制御手段によるブレーキ圧力制御を中止
する。つまり、請求項6,7では、例えばアクセルペダ
ルの踏み込み量から加速要求が検出され、ブレーキペダ
ルの踏み込み量から制動要求が要求される。そして、両
踏み操作時等、上記2つの要求が同時に発生する場合に
は、加速(ブレーキ圧力制御中止)と制動(ブレーキ圧
力制御続行)とがどちらを優先すべきかが判定されるこ
とにより、種々の車両走行状態を想定した制御が実現さ
れる。
【0023】請求項7に記載の発明によれば、加速スリ
ップ検出手段は、車輪に加速スリップが発生したことを
検出する。ブレーキ圧力付与手段は、加速スリップ検出
手段によって加速スリップが検出された場合に、車輪の
ホイールシリンダにブレーキ圧力を加える。この場合、
加速スリップが的確に防止される。
【0024】
【実施例】以下、この発明を4輪自動車のトラクション
制御装置に具体化した一実施例について、図面に従い説
明する。
【0025】図1は、後輪駆動式の車両におけるトラク
ション制御装置の概略を示す構成図である。すなわち、
本実施例では左右前輪(FR,FL)が従動輪とされ、
左右後輪(RR,RL)が駆動輪とされる。本装置は、
運転者による制動時以外にも駆動輪に制動力を付与する
ことで、ブレーキ圧力制御によるトラクション制御を実
現するものである。なお、本実施例では、エンジンの駆
動力を車輪に伝達するための変速機やディファレンシャ
ルギア等についての記載を省略するが、本車両には周知
の変速機やディファレンシャルギア等が搭載されてお
り、その制御方法も従来のものに従うものとする。
【0026】本装置の概要を記せば、本装置は、ブレー
キペダル1の操作に連動してブレーキ圧力を供給するタ
ンデム型のマスタシリンダ2を有し、前記ブレーキペダ
ル1の操作時においてブレーキアクチュエータ10の動
作により各車輪のホイールシリンダ6〜9のブレーキ圧
力が増圧・保持・減圧のいずれかの状態に制御される。
ブレーキアクチュエータ10の動作は、マイクロコンピ
ュータを中心に構成される電子制御装置(以下、ECU
という)50からの出力信号に従い制御される。また、
駆動輪(RR,RL)の加速スリップ発生時には、前記
ブレーキアクチュエータ10から駆動輪(RR,RL)
側のホイールシリンダ8,9にブレーキ圧力が加わって
同スリップが解消される。なお、本装置ではエンジンの
出力制御によるトラクション制御を併用することも可能
であるが、本記載においては省略する(以下、ブレーキ
トラクション制御を指して、単にトラクション制御とい
う)。
【0027】図1の構成を詳述すると、ブレーキペダル
1には同ペダル1の踏み込み力を倍力するブレーキブー
スタ(図示しない)を介してマスタシリンダ2が連結さ
れ、同マスタシリンダ2にはリザーバタンク3が付設さ
れている。マスタシリンダ2は第1油圧ポート2a,第
2油圧ポート2bを有しており、そのうち第1油圧ポー
ト2aから第1油圧配管4を通じて供給されるブレーキ
油圧は、ブレーキアクチュエータ10を経て左右前輪
(FR,FL)のホイールシリンダ6,7に伝達され
る。また、第2油圧ポート2bから第2油圧配管5を通
じて供給されるブレーキ油圧は、ブレーキアクチュエー
タ10を経て左右後輪(RR,RL)のホイールシリン
ダ8,9に伝達される。第2油圧配管5には、前輪及び
後輪において油圧差を発生するためのPバルブ(プロポ
ーショニングバルブ)32が配設されている。
【0028】ブレーキアクチュエータ10は、各車輪の
制動圧を4輪個々に制御する、いわゆる4輪独立制御方
式(4チャンネルシステム)にて構成されている。マス
タシリンダ2と各ホイールシリンダ6〜9との間の油圧
通路には、それぞれ、2位置電磁弁からなる増圧制御弁
11〜14と、2位置電磁弁からなる減圧制御弁15〜
18と、減圧制御弁15〜18から排出されたブレーキ
油を一時的に蓄えるリザーバ19,20とが設けられて
いる。各制御弁11〜18は、通常ブレーキ時において
図示の状態にあり、アンチスキッド制御(ABS制御)
時において、ECU50によるブレーキ圧力の制御モー
ドに応じて増圧・保持・減圧のいずれかの状態に制御さ
れる。
【0029】すなわち、増圧モードでは、増圧制御弁1
1〜14が連通位置(図示の位置)に、減圧制御弁15
〜18が遮断位置(図示の位置)に制御され、各ホイー
ルシリンダ6〜9のブレーキ圧力がマスタシリンダ2の
供給油圧に従い増圧される。また、保持モードでは、増
圧制御弁11〜14,減圧制御弁15〜18が共に遮断
位置に制御され、ホイールシリンダ6〜9のブレーキ圧
力が保持される。さらに、減圧モードでは、増圧制御弁
11〜14が遮断位置に、減圧制御弁15〜18が連通
位置に制御され、ブレーキ油がリザーバ19,20に流
出して各ホイールシリンダ6〜9のブレーキ圧力が減圧
される。なお、本実施例では、増圧制御弁11〜14及
び減圧制御弁15〜18により圧力制御アクチュエータ
が構成されており、以下の説明では便宜上、左右従動輪
(FR,FL)側の各制御弁をまとめてABSアクチュ
エータ40a、左右駆動輪(RR,RL)側の各制御弁
をまとめてABSアクチュエータ40bという。
【0030】リザーバ19,20には同リザーバ19,
20内のブレーキ油を吸い上げて前記ABSアクチュエ
ータ40a,40bに圧送するための油圧ポンプ21,
22が接続されている。油圧ポンプ21,22の吐出側
には、内部の油圧の脈動を抑えるアキュムレータ24,
25が設けられている。油圧ポンプ21,22は、ポン
プモータ23の駆動に伴い運転され、トラクション制御
時において高圧のブレーキ圧を発生させる。
【0031】また、ブレーキアクチュエータ10の駆動
輪(RR,RL)側において、マスタシリンダ2とAB
Sアクチュエータ40bとの間の油圧通路には、その油
圧通路を連通又は遮断する、切替弁としてのマスタシリ
ンダカットバルブ(以下、SM弁という)26が配設さ
れている。また、SM弁26を迂回する油圧通路には、
マスタシリンダ2からABSアクチュエータ40bへの
一方向にのみブレーキ油の通過を許容する踏み増し弁
(チェック弁)27が配置されている。SM弁26は2
位置電磁弁からなり、トラクション制御時においてEC
U50からのオン(通電)信号により連通位置(図示の
位置)から遮断位置に切り替えられる。踏み増し弁27
は、SM弁26の遮断時において上流側(マスタシリン
ダ2側)の油圧が下流側(ABSアクチュエータ40b
側)の油圧よりも上昇した際に開放される。
【0032】また、前記リザーバタンク3と油圧ポンプ
22の吸入側との間の油圧通路には、その油圧通路を連
通又は遮断するリザーバカットバルブ(以下、SR弁と
いう)28が配設されている。このSR弁28は2位置
電磁弁からなり、トラクション制御時においてECU5
0からのオン(通電)信号を受けて遮断位置(図示の位
置)から連通位置に切り替えられる。
【0033】さらに、油圧ポンプ22の吐出側とリザー
バタンク3との間の油圧通路には、その油圧通路を連通
又は遮断するポンプカットバルブ(以下、SP弁とい
う)29が配設されると共に、SP弁29に直列に圧力
調整弁30が配設されている。また、油圧ポンプ22と
ABSアクチュエータ40bとの間の油圧通路には、油
圧ポンプ22からABSアクチュエータ40bへのみブ
レーキ油の通過を許容するチェック弁31が配設されて
いる。SP弁29は2位置電磁弁からなり、トラクショ
ン制御時においてECU50からのオン(通電)信号を
受けて遮断位置(図示の位置)から連通位置に切り替え
られる。トラクション制御時には、圧力調整弁30によ
り油圧ポンプ22のブレーキ油圧が所定圧力(例えば約
80atm)に調整される。
【0034】また、各車輪には、各々の車輪速度を検出
する車輪速度センサ34,35,36,37が設けられ
ており、各々のセンサ信号はECU50に入力される。
これら車輪速度センサ34〜37としては電磁ピックア
ップ式或いは光電変換式等のセンサが用いられる。EC
U50は、各車輪速度センサ34〜37からの検出信号
を基に各々の車輪速度を検知する。
【0035】また、ブレーキペダル1には、ペダル踏み
込み時にその旨を示す信号をECU50に出力するブレ
ーキスイッチ51が設けられている。ECU50は、ブ
レーキスイッチ51からの信号入力時にブレーキ操作有
りとみなし(以下、これをSTP=ONという)、信号
未入力時にブレーキ操作無しとみなす(以下、これをS
TP=OFFという)。その他、本装置には、アクセル
ペダル(図示しない)の操作量を検出するアクセルセン
サ52、及びスロットルバルブ(図示しない)の開度を
検出するスロットル開度センサ53等が設けられてい
る。なお、本実施例では、ブレーキスイッチ51により
制動操作検出手段が構成され、ECU50により圧力制
御手段、圧力状態検出手段、加速スリップ検出手段及び
ブレーキ圧力付与手段が構成されている。
【0036】次に、本実施例における特有の作用・効果
を、図2〜図5を用いて説明する。ここで、図2,図3
はトラクション制御ルーチンを示すフローチャートであ
り、本ルーチンはECU50により所定周期(例えば5
ms毎)に実行される。図4,図5は上記ルーチンに伴
う動作をより具体的に示すタイミングチャートである。
【0037】さて、図2のルーチンがスタートすると、
ECU50は、先ずステップ100でブレーキ操作状態
を読み込む。ここで、ブレーキ操作状態とは、ブレーキ
スイッチ51の出力信号等を指す。また、ECU50
は、続くステップ101で従動輪(FR,FL)の車輪
速度と駆動輪(RR,RL)の車輪速度との差から加速
スリップ量Sを算出する。次に、ECU50は、ステッ
プ102でトラクション制御中であるか否かを判別し、
制御中でなければステップ103に進み、制御中であれ
ばステップ104に進む。
【0038】トラクション制御中でなくステップ103
に進んだ場合には、ECU50はトラクション制御開始
時の加速スリップ量Sが所定の制御開始判定値SSより
も大きいか否かを判別する。また、トラクション制御中
でありステップ104に進んだ場合には、ECU50は
トラクション制御の終了条件が成立するか否かを判別す
る。ここで、トラクション制御の終了条件としては、加
速スリップ量Sが所定の制御終了判定値SEよりも小さ
いこと、駆動輪(RR.RL)側のホイールシリンダ
8,9の推定油圧が「0」になること等が含まれる。な
お、エンジン出力によるトラクション制御を併用する場
合には、燃料カット気筒が「0」になったことを条件に
含んでもよい。
【0039】ステップ103が否定判別された場合、又
はステップ104が肯定判別された場合には、ECU5
0はトラクション制御が不要であるとみなし、ステップ
105に進む。このとき、ECU50は、ステップ10
5でトラクション制御開始(油圧ポンプ22の駆動開
始)からの経過時間を計時するためのカウンタCをリセ
ットする。さらに、ECU50は続くステップ106で
ポンプモータ23,SM弁26,SR弁28,SP弁2
9をオフして、本ルーチンを一旦終了する。
【0040】一方、ステップ103が肯定判別された場
合、又はステップ104が否定判別された場合には、E
CU50はステップ107に進み、カウンタCをインク
リメントする。また、ECU50は、ステップ108で
カウンタCの値が所定時間CEよりも大きいか否かを判
別し、続くステップ109でSTP=ONであるか否か
(ブレーキ操作有りか否か)を判別する。
【0041】このとき、STP=ONであれば(ブレー
キ操作有りの場合)、ECU50はステップ110で油
圧保持フラグFに「1」をセットし、STP=OFFで
あれば(ブレーキ操作無しの場合)、ステップ111で
油圧保持フラグFを「0」にクリアする。
【0042】その後、ECU50は、図3のステップ1
12で再度STP=ONであるか否かを判別する。そし
て、STP=OFFであれば、ECU50は、ステップ
113で通常のトラクション制御を実施すべく加速スリ
ップ量Sに応じた目標制御量を算出し、その目標制御量
を得るための制御モード(増圧モード,保持モード,減
圧モードのいずれか)を設定する。また、STP=ON
であれば、ECU50は、ステップ114でトラクショ
ン制御をSTP=ON時用の制御に変更し、その時の制
御モードを設定する。具体的には、ステップ114で
は、前記ステップ113と同様に加速スリップ量Sに応
じた目標制御量が算出されるが、一度の増圧にてポンプ
圧力が大きく低下することのないように、1回当たりの
増圧制御量の上限が規定される。この処理により、マス
タシリンダ2からの供給油圧よりも高いレベルにてポン
プ圧力が維持されることになる。
【0043】その後、ECU50は、ステップ115で
現在、油圧保持フラグFが「1」であるか否かを判別す
る。F=「1」であれば、ECU50はステップ117
に進み、駆動輪(RR,RL)側のABSアクチュエー
タ40bを保持モードにて制御する。
【0044】また、F=「0」であれば、ECU50は
ステップ116に進み、上記ステップ113又は114
で設定された制御モードを判定する。そして、ECU5
0はステップ117〜119でそれぞれの設定モードに
応じた出力を行う。ステップ117〜119では、駆動
輪(RR,RL)側のABSアクチュエータ40bが保
持・増圧・減圧のいずれかのモードにて制御される。そ
の後、ECU50は、ステップ120でポンプモータ2
3,SM弁26,SR弁28,SP弁29をオンして、
本ルーチンを終了する。
【0045】次いで、図4(a),(b)及び図5
(a),(b)のタイミングチャートを用い、上記ルー
チンに伴う動作をより具体的に説明する。なお、各図
は、トラクション制御の開始時期(各図の時間t1,t
11,t21,t31)に対してブレーキペダル1の踏
み込み時期を変え、その時々の動作を示すものであり、
それぞれのトラクション制御開始時には、ポンプモータ
23の駆動が開始されると共に、SM弁26,SR弁2
8,SP弁29がオンされる。
【0046】先ず図4(a)は、STP=OFF(ブレ
ーキ操作無し)でのトラクション制御の動作を示す。つ
まり、図4(a)では、時間t1でトラクション制御が
開始される。このとき、図2のステップ109,図3の
ステップ112が共に否定判別されるため、図3のステ
ップ113で通常のトラクション制御が実施される。す
なわち、時間t1〜t2では、駆動輪(RR,RL)側
のABSアクチュエータ40bが増圧モードで制御され
る(初期増圧)。この際、ポンプモータ23の駆動によ
り油圧ポンプ22から圧送されるブレーキ油は、そのま
ま駆動輪(RR,RL)のホイールシリンダ8,9に流
れ込み、ポンプ圧力は徐々に上昇する。
【0047】そして、初期増圧が終了する時間t2以
降、駆動輪(RR.RL)の加速スリップが解消される
よう、図3のステップ113の処理に基づき駆動輪(R
R,RL)側のホイールシリンダ8,9にブレーキ圧力
が加えられる。ポンプ圧力は徐々に上昇した後、圧力制
御弁30により所定圧力に保持される。
【0048】図4(b)は、STP=ONでのトラクシ
ョン制御の動作を示す(例えば、ブレーキペダル及びア
クセルペダルの両踏み操作時)。つまり、図4(b)で
は、時間t11でトラクション制御が開始される。この
とき、図2のステップ109,図3のステップ112が
共に肯定判別されるため、油圧保持フラグFが「1」に
セットされ、ポンプ駆動時間を示すカウンタCが所定時
間CEに達する迄(図2のステップ108が肯定判別さ
れる迄)、駆動輪(RR,RL)側のABSアクチュエ
ータ40bが保持モードで制御される(時間t11〜t
12の期間)。ブレーキ油は、ポンプモータ23の駆動
に伴い油圧ポンプ22から吐出されるが、ABSアクチ
ュエータ40bが保持状態に制御されているため(具体
的には、増圧制御弁13,14及び減圧制御弁17,1
8が遮断位置になっている)、ポンプ圧力は図4(a)
の場合に比較して急上昇する。このとき、マスタシリン
ダ2の油圧が踏み増し弁27を経てABSアクチュエー
タ40bに流入しても、ABSアクチュエータ40bが
保持のためその流入量も制限され、ブレーキペダル1の
過度に踏み込まれることはない。
【0049】そして、時間t12で油圧保持フラグFが
「0」にクリアされ、以降、図3のステップ114で設
定された制御モードに従い、駆動輪(RR,RL)側の
ブレーキ圧力が制御される。すなわち、時間t12〜t
13では初期増圧が実施され、時間t13以降では、ポ
ンプ圧力の過大な低下を招かぬよう、一度の増圧制御量
の上限が規定されてABSアクチュエータ40bが制御
される。例えば増圧⇔保持(又は緩減)の切り替えが小
刻みに繰り返される。この場合、ブレーキペダル1の踏
み込みに伴うマスタシリンダ2からの供給油圧よりも高
いレベルにポンプ圧力が維持され、ブレーキペダル1の
入り込みを招くことはない。
【0050】図5(a),(b)は、トラクション制御
中にSTP=ONになった場合の動作を示す。つまり、
図5(a)では、時間t21でトラクション制御が開始
される。このとき、まだSTP=OFFのため図2のス
テップ109,図3のステップ112が共に否定判別さ
れ、図3のステップ113で通常のトラクション制御が
実施される(時間t21〜t22は初期増圧)。この時
間t21〜t22では、ポンプ圧力が徐々に上昇する。
【0051】そして、トラクション制御の開始から間も
ない時間t22でSTP=ONになると、油圧保持フラ
グFに「1」がセットされ、その後、図2のステップ1
08が肯定判別される迄、駆動輪(RR,RL)側のA
BSアクチュエータ40bが保持モードで制御される
(時間t22〜t23の期間)。このとき、図4(b)
の説明で既述したように、ポンプ圧力が急上昇する。そ
して、時間t23以降、図3のステップ114で設定さ
れる制御モードに従い駆動輪(RR,RL)側のブレー
キ圧力が制御される。
【0052】図5(b)では、時間t31でトラクショ
ン制御が開始される。この場合には、時間t33になる
迄、STP=OFFのため、前述した図4(a)と同様
の動作が行われる。つまり、時間t31〜t32で初期
増圧が実施され、時間t32〜t33で通常のトラクシ
ョン制御が実施される。ポンプ圧力の上昇曲線も図4
(a)に準ずる。
【0053】そして、時間t33でSTP=ONになる
と、既にポンプ駆動時間が所定時間CEを経過している
ために図2のステップ108が肯定判別され、油圧保持
フラグFが「1」にセットされることはない。また、図
3のステップ112が肯定判別されるため、時間t33
以降、図3のステップ114で設定される制御モードに
従い駆動輪(RR,RL)側のブレーキ圧力が制御され
る。
【0054】このように本実施例のトラクション制御装
置では、トラクション制御時にブレーキペダル1の踏み
込み等のブレーキ操作が与えられた場合、油圧ポンプ2
2の吐出側圧力がマスタシリンダ2からの供給圧力より
も高いレベルにて維持されるよう、ブレーキ圧力の制御
パターンを変更した(図2のステップ110のフラグ処
理,図3のステップ114の処理)。従って、必要量以
上のブレーキ油がマスタシリンダ2から踏み増し弁27
を通過してホイールシリンダ8,9に流れ込むことはな
い。その結果、ブレーキペダル1の入り込みを招くこと
はなくペダルボトミングという問題が解消される。ま
た、ブレーキ操作時にもトラクション制御を継続するこ
とができるため、例えば両踏み操作にて車両を加速した
り発進させたりする場合でも加速スリップを招くことは
なくスムーズな発進が可能となる。さらに、左右の駆動
輪でLSD機能を有する場合にも、そのLSD機能を十
分に発揮することができ、左右輪でμの異なるまたぎ路
において安定した走行を実現とすることができる。
【0055】なお、上記実施例のトラクション制御装置
を以下のように具体化することも可能である。つまり、
ECU50は、アクセルセンサ52による検出結果(ア
クセル開度,アクセル開度変化量等)やスロットル開度
センサ53による検出結果(スロットル開度,スロット
ル開度変化量等)を基に、車両の加速要求を検出する。
また、ECU50は、ブレーキスイッチ51の検出信号
やブレーキペダル1の踏み込み量を検出するセンサ(図
示しない)の検出結果を基に車両の制動要求を検出す
る。このとき、ECU50により加速要求検出手段及び
制動要求検出手段が構成される。
【0056】そして、ECU50は、所定の判断基準を
用いて前記加速要求と前記制動要求とを比較し、いずれ
の要求を優先すべきかを判定してトラクション制御を継
続又は中止する。具体的には、加速要求を優先すべきと
する場合にトラクション制御を続行する。また、制動要
求を優先すべきとする場合にはトラクション制御を中止
して通常のブレーキ制御(ABS制御)に移行する。上
述の判定処理を行うことにより、車両走行時においてそ
の走行条件に応じたトラクション制御を行うことができ
る。なお、上記加速要求又は制動要求の検出には、変速
機のシフト位置、車体速度、車体減速度等の条件を加え
てもよい。
【0057】さらに本発明は上記実施例の他に、次の様
態にて具体化することができる。 (1)上記実施例では、トラクション制御開始後のポン
プ圧力状態を検出する手段として、トラクション制御開
始(ポンプ駆動開始)からのポンプ駆動時間を計時した
が、より正確には増圧によるホイールシリンダ消費油量
を考慮してポンプ圧力状態を検出すればよい。また、こ
れを次のように変更することもできる。例えばポンプ吐
出側の圧力を検出するセンサを設け、このセンサの検出
結果からポンプ圧力状態を判定するようにしてもよい。
また、トラクション制御時にブレーキ操作が検出された
場合において、マスタシリンダ2の供給圧力とポンプ吐
出側の圧力とを検出するようにしてもよい。
【0058】(2)上記実施例では、トラクション制御
開始後の所定期間にポンプ吐出側の圧力状態を検出し、
その検出結果に応じてマスタシリンダからホイールシリ
ンダへのブレーキ油の流入を禁止したが、この処理をト
ラクション制御開始時以外に実施するようにすることも
できる。すなわち、踏み増し弁27の上流側(マスタシ
リンダ側)と下流側(ポンプ側)との圧力状態を常にモ
ニタするセンサ等を設け、上流側圧力<下流側圧力の関
係が維持されるようにABSアクチュエータを制御する
ようにしてもよい。
【0059】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、例えば
トラクション制御によるブレーキ圧力制御時に制動操作
が行われてもペダルボトミング等の従来の不具合を招く
ことはなく、制動操作時にもブレーキ圧力同制御を実施
することができる。その結果、制動操作時においても適
切に車両の運動特性を制御することができるという優れ
た効果を発揮する。
【0060】請求項2〜4に記載の発明によれば、ポン
プ吐出側の圧力状態に基づいてブレーキ圧力を制御する
ことにより、マスタシリンダからホイールシリンダへの
必要以上のブレーキ油の流入が防止され、適切なブレー
キ圧力制御を実現することができる。
【0061】請求項5,6に記載の発明によれば、両踏
み操作時等、加速要求と制動要求とが同時に発生する場
合には、加速(ブレーキ圧力制御中止)と制動(ブレー
キ圧力制御続行)とのどちらを優先すべきかを判定する
ことにより、種々の車両走行状態を想定したブレーキ圧
力制御を実現することができる。
【0062】請求項7に記載の発明によれば、車輪のホ
イールシリンダにブレーキ圧力を加えて、加速スリップ
を的確に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両のトラクション制御装置の構成を示す油圧
回路図。
【図2】トラクション制御ルーチンを示すフローチャー
ト。
【図3】図2に続き、トラクション制御ルーチンを示す
フローチャート。
【図4】本制御の具体的な動作を示すタイミングチャー
ト。
【図5】本制御の具体的な動作を示すタイミングチャー
ト。
【図6】従来技術のトラクション制御装置を説明するた
めの油圧回路図。
【符号の説明】
2…マスタシリンダ、6〜9…ホイールシリンダ、11
〜14…圧力制御アクチュエータとしての増圧制御弁、
15〜18…圧力制御アクチュエータとしての減圧制御
弁、22…油圧ポンプ、26…切替弁としてのSM弁
(マスタシリンダカットバルブ)、27…チェック弁と
しての踏み増し弁、50…圧力制御手段,圧力状態検出
手段,加速要求検出手段,制動要求検出手段,加速スリ
ップ検出手段,ブレーキ圧力付与手段としてのECU、
51…制動操作検出手段としてのブレーキスイッチ、F
R,FL…左右前輪(従動輪)、RR,RL…左右後輪
(駆動輪)。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者による制動時以外にも車輪のホイ
    ールシリンダにブレーキ圧力を付与し、車両の運動特性
    を制御する車両用ブレーキ圧力制御装置において、 制動操作に応じた圧力を発生するマスタシリンダと各車
    輪のホイールシリンダとの間の油圧通路に設けられ、該
    ホイールシリンダへのブレーキ油の供給及び排出を制御
    する圧力制御アクチュエータと、 前記マスタシリンダと前記圧力制御アクチュエータとの
    間の油圧通路に設けられ、連通位置と遮断位置とに切り
    替え可能な切替弁と、 前記圧力制御アクチュエータに高圧のブレーキ油を供給
    するポンプと、 前記マスタシリンダ側の油圧が前記圧力制御アクチュエ
    ータ側の油圧よりも大きい場合に、該マスタシリンダか
    ら該圧力制御アクチュエータへのブレーキ油の通過を許
    容するチェック弁と、 運転者による制動操作を検出する制動操作検出手段と、 ブレーキ圧力制御の開始時において、前記切替弁を遮断
    位置にすると共に前記ポンプを駆動し、さらに所望の前
    記運動特性を得るべく所定の制御パターンに従い前記圧
    力制御アクチュエータを制御する圧力制御手段とを備
    え、 前記制動操作検出手段により制動操作が検出された場
    合、前記圧力制御手段は、前記マスタシリンダから前記
    ホイールシリンダへのブレーキ油の流入を禁止するよ
    う、前記ブレーキ圧力の制御パターンを変更することを
    特徴とする車両用ブレーキ圧力制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ポンプ吐出側の圧力状態を検出する
    圧力状態検出手段を備え、 前記制動操作検出手段により制動操作が検出された場合
    に、前記圧力状態検出手段により検出されたポンプ吐出
    側の圧力状態が所定の低圧力域にあれば、前記圧力制御
    手段は、前記マスタシリンダから前記ホイールシリンダ
    へのブレーキ油の流入を禁止するよう、前記ブレーキ圧
    力の制御パターンを変更する請求項1に記載の車両用ブ
    レーキ圧力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記圧力状態検出手段は、前記ポンプの
    駆動開始からの経過時間からポンプ吐出側の圧力状態を
    検出し、前記圧力制御手段は、前記経過時間が所定時間
    内の場合に前記ブレーキ圧力の制御パターンを変更する
    請求項2に記載の車両用ブレーキ圧力制御装置。
  4. 【請求項4】 前記圧力状態検出手段は、前記ポンプの
    吐出側圧力と前記マスタシリンダからの供給圧力とから
    ポンプ吐出側の圧力状態を検出し、前記圧力制御手段
    は、該ポンプの吐出側圧力が該マスタシリンダからの供
    給圧力よりも小さい場合に前記ブレーキ圧力の制御パタ
    ーンを変更する請求項2に記載の車両用ブレーキ圧力制
    御装置。
  5. 【請求項5】 車両の加速要求を検出する加速要求検出
    手段と、 車両の制動要求を検出する制動要求検出手段とを備え、 前記圧力制御手段は、前記加速要求検出結果と前記制動
    要求検出結果とに応じて、前記圧力制御アクチュエータ
    によるブレーキ圧力制御を行う請求項1〜4のいずれか
    に記載の車両用ブレーキ圧力制御装置。
  6. 【請求項6】 前記加速要求と前記制動要求とを比較
    し、前者を優先する場合には前記圧力制御手段によるブ
    レーキ圧力制御を続行し、後者を優先する場合には前記
    圧力制御手段によるブレーキ圧力制御を中止する請求項
    5に記載の車両用ブレーキ圧力制御装置。
  7. 【請求項7】 前記車輪に加速スリップが発生したこと
    を検出する加速スリップ検出手段と、 前記加速スリップ検出手段によって加速スリップが検出
    された場合に、前記車輪のホイールシリンダにブレーキ
    圧力を加えるブレーキ圧力付与手段とを備えた請求項1
    〜6のいずれかに記載の車両用ブレーキ圧力制御装置。
JP24312694A 1994-10-06 1994-10-06 車両用ブレーキ圧力制御装置 Pending JPH08108842A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011090056A1 (ja) * 2010-01-20 2011-07-28 本田技研工業株式会社 車両用補助制動装置
US11891031B2 (en) 2020-08-14 2024-02-06 Hl Mando Corporation Brake control apparatus and method of controlling brake apparatus

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