JPH08108627A

JPH08108627A - 可逆性感熱記録材料

Info

Publication number: JPH08108627A
Application number: JP6247991A
Authority: JP
Inventors: Nobuhiro Torii; 宜弘鳥居; Kenichi Yamada; 健一山田
Original assignee: Mitsubishi Paper Mills Ltd
Current assignee: Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date: 1994-10-13
Filing date: 1994-10-13
Publication date: 1996-04-30

Abstract

(57)【要約】【目的】印字画像及び消色の鮮明性を向上させる。【構成】可逆性感熱層に消色剤を含み、該消色剤が第四
級アンモニウム塩或いはエチレンオキサイド又はプロピ
レンオキサイド及びブチレンオキサイドの一種叉は二種
以上の付加物とし、可逆顕色剤は式化１で示されるＮ−
（４−ヒドロキシフェニル）−Ｎ’−アルキル尿素とす
る。【効果】印字濃度は高く、又印字画像、消色は鮮明であ
り、経時的に安定な画像が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は加熱により発色及び消色
が可能な可逆性感熱記録材料に関するものであり、更に
詳細には発色濃度が高く、且つ消色性に優れた可逆性感
熱記録材料に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、画像形成が行え、又、不要となっ
た画像は消去ができ、更に画像形成と消色の繰り返しが
可能な可逆性感熱記録材料が提案されている。一つはポ
リエステル等の樹脂母材中に高級アルコール、高級脂肪
酸等の有機低分子物質を分散した感熱層を支持体上に設
け、透明、白濁不透明状態が可逆的に変化する可逆性感
熱記録材料として、例えば特開昭４８−５３７３４号、
同４８−７１６５６号、同５２−７３９５７号、同５４
−１１９３７７号、同５５−１３９４７８号、同５５−
１５４１９８号、同５７−８９９９２号、同５７−９２
３７０号、同５８−１９９３４３号、同６０−１１０７
７７号、同６２−１０８０９３号、同６２−２２５３９
２号、同６２−２５７８８３号、同６３−４１１８６
号、同６３−１０４８７９号、同６３−１０７５８４
号、同６３−１３０３８０号、同６３−１３２０８９
号、同６３−１３９７８４号、同６３−１４５０８０
号、同６３−１７９７９５号、特開平１−９７９２号、
同１−１０３４８６号、同１−１１４４８５号、同１−
１２３７８８号、同１−１３３７８１号、同２−１３６
３号、同２−８１６７２号、同２−１１７８８８号、同
２−１１７８９１号、同２−１５５７８６号、同３−２
５３３８８号、同３−２７４１８１号、同４−４４８８
７号、同５−３８８７２号、同５−８５０４４号、同５
−８５０４５号、同５−８５０４６号、同５−１２４３
４６号、同５−１３９０８０号、同５−１８５７２０
号、同６−８６２９号、同６−２４１３２号、同６−６
４３１４号、同６−１９９０４０号公報等が挙げられ
る。

【０００３】あと一つはクリスタルバイオレットラクト
ン等の通常無色乃至淡色の電子供与性染料（以下、発色
剤と称す）と発色、消色を可逆的に変化する電子受容性
酸性物質（以下、可逆顕色剤と称す）を主成分とする可
逆性感熱記録材料として、例えば特開昭５２−１４０４
８３号、同５３−１０２９２２号、同５５−６３２９３
号、同５５−１５７６７７号、同５７−２３７２号、同
５７−９００８５号、同５７−１２３２８３号、同５７
−１６７３８０号、同５８−１９１１９０号、同５９−
１００１７５号、同５９−１２０４９２号、同５９−１
５６７９０号、同６０−５８４８１号、同６０−９９６
９５号、同６０−１７３０２８号、同６０−１８４５８
６号、同６０−２１９２８９号、同６０−２２８５８９
号、同６０−２２９９８１号、同６０−２５５４８２
号、同６０−２６４２８５号、同６１−２７８６号、同
６１−９４８８号、同６２−１３８５５６号、同６３−
６０６１号、同６３−２７５８７号、同６３−１７９６
８４号、同６３−１８９４６７号、同６３−２４２６７
７号、同６３−２５１４８７号、同６３−３１５２８７
号、同３１５２８８号、特開平１−１２１３９４号、同
１−２５３４８０号、同１−３０１７７０号、同２−１
８８２９３号、同２−１８８２９４号、同３−１７１８
１号、同３−２１３３８９号、同４−４６９８６号、同
４−５０２８９号、同４−５０２９０号、同４−１９３
５８３号、同４−１９８２８２号、同４−２４７９８４
号、同４−２４７９８５号、同４−２８１８３７号、同
４−３０８７９０号、同５−８５３９号、同５−３２０
４５号、同５−６９６６４号、同５−９６８５２号、同
５−１２４３６０号、同５−１７７９３１号、同５−２
０１１３２号、同５−２２１１２８号、同５−３０５７
７５号、同６−８６２４号、同６−８６２６号、同６−
８６２７号、同６−８６２９号、同６−２４１３２号、
同６−７９９７０号、同６−９２０２２号公報等が挙げ
られるが、良好な画像のコントラストを保ち、画像の形
成、消色が可能で、経時的に安定な画像を保持できな
い。

【０００４】これら可逆性感熱記録材料の殆どは消色機
を必要とし、その消色機として、例えば特開昭４８−９
８７１５号、同５７−８９９９３号、特開平２−１３９
２８６号、同４−７６８２０号、同４−７６８２１号、
同４−９０５８８号、同４−９１９８５号、同４−２１
６９７９号、同４−２７４２１１号、同４−２９４１９
０号、同４−３１３９５３号、同４−３３９３１９号、
同５−２４３４９号、同５−２７０１０４号、同６−１
５９５４号、同６−１５９５８号、同６−９１９８７号
公報等が提案されている。

【０００５】しかし、一部の可逆性感熱記録材料は自然
消色を提案している。例えば特開昭５６−１６６０９３
号公報には発色剤と常温以上好ましくは７０℃以上で液
化或いは気化するフェノール化合物と一つ以上の芳香族
環を有するアルコール類を含有する感熱記録紙。同６１
−２３３５８３号公報では発色剤とサッカリン又はサッ
カリン誘導体及びアルコール類、エステル類、ケトン
類、エーテル類、酸アミド類、カルボン酸類及び炭化水
素類から成る群から選ばれた化合物を含有する熱変色性
組成物。特開平３−７９３８６号公報には感熱材料がＭ
ｅ［ＨｇＩ₄ ］で表される沃化水銀錯塩系の５分から１
０時間程度の間に消色する無機系感熱材料。同４−１４
４８２号公報には公知の発色剤、顕色剤及び消色剤を含
有する感熱記録紙等が記載されているが、一般感圧紙、
感熱紙の顕色剤であるために消色剤を含有すると印字濃
度と消色性バランスが難しい或いは地肌が着色している
等印字部と消色部が不鮮明、日常生活の温度環境での使
用不適性等数多くの問題があり、実用的には不十分であ
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は印字濃
度は高く、又印字画像、消色は鮮明であり、経時的に安
定な画像を保持した可逆性感熱記録材料を提供すること
である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究と
実験を進めた結果、紙の如き支持体の表面に発色剤と加
熱により発色及び消色する可逆性をもつ可逆顕色剤を主
成分とする可逆性感熱層を設けて成る可逆性感熱記録材
料において、該可逆性感熱層に消色剤を含み、該消色剤
が第四級アンモニウム塩或いはエチレンオキサイド又は
プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドの一種又
は二種以上の付加物であり、更に該可逆顕色剤を式化１
で示されるＮ−（４−ヒドロキシフェニル）−Ｎ’−ア
ルキル尿素とすることにより顕著な効果が得られるとい
う知見をもって本発明に至った。

【０００８】

【化２】

【０００９】式化２中、Ｒは炭素数８〜２１のアルキル
基を表す。

【００１０】本発明に使用する消色剤は、例えば特公昭
３３−３９２１号、同４４−２７２５５号、同４５−２
１４４８号公報等に記載されている第四級アンモニウム
塩、同４７−３８２０１号公報のポリオキシエチレンア
ルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、同
５５−１９１９号公報の平均分子量４００〜５０００の
ポロプロピレングリコール、特開昭５５−４６９９１号
公報のポリプロピレングリコールとカルボン酸のエステ
ル化物又はポリオキシエチレンポリプロピレングリコー
ルとカルボン酸のエステル化物、同５７−２０３９１号
公報記載のアルコール性又はフェノール性水酸基を有す
るアルキレンオキサイド付加物、５７−１３８９７７号
公報のグリセリン−プロピレンオキサイド付加物、同５
９−１４９８６号公報のビスフェノールＡ１モルに対し
てエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド３０モ
ル以下の付加物及びビスフェノールＡ１モルに対してエ
チレンオキサオド及びプロピレンオキサイドを合計で５
〜２０モル付加物、特公昭４６−２９５４６号公報の２
個のポリエチレンオキサイド基を有する第三級アミン、
同４９−２３８５０号公報のアルキルジアミンのプロピ
レンオキサイド付加物、同４９−２３００８号公報記載
のポリアミンのエチレンオキサイド付加物、特開昭５８
−５１１８３号公報のロジンアルコールのアルキレンオ
キサイド付加物及びロジンアミンのアルキレンオキサイ
ド付加物、同５９−２０９１９１号公報記載の一般式Ｒ
−Ｏ−（ＣＨ₂ ）₃ −ＮＨ₂ （Ｒは炭素数８以上のアル
キル基）で示される３−アルコキシプロピルアミンへの
アルキレンオキサイド付加物等が挙げられ、又公知のポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リブチレングリコールである。

【００１１】本発明に使用する消色剤は発色剤及び可逆
顕色剤の種類と比率更には消色剤の種類によって大巾に
異なり、特に限定されるものではないが、可逆性感熱層
１００重量％に対して０．５〜１０重量％であり、特に
好ましくは３〜８重量％である。０．５重量％未満では
消色性に顕著な効果が得られず、１０重量％を越えると
塗布時のダスティング等の塗布適性に問題が生じたり、
又印字濃度の低下が大きい。

【００１２】本発明に使用する可逆性感熱層の主成分と
なる可逆顕色剤は特開平６−１７１２２５号、同６−２
１０９５４号、同６−２１０９５５号、同６−２２７１
２５号公報に記載されているが、特に好ましい可逆顕色
剤は式化１で示されＮ−（４−ヒドロキシフェニル）−
Ｎ’−アルキル尿素である。

【００１３】

【化３】

【００１４】式化３中、Ｒは炭素数８〜２１のアルキル
基を表す。具体的にはＮ−（４−ヒドロキシフェニル）
−Ｎ’−オクチル尿素、Ｎ−（４−ヒドロキシフェニ
ル）−Ｎ’−ノニル尿素、Ｎ−（４−ヒドロキシフェニ
ル）−Ｎ’−デシル尿素、Ｎ−（４−ヒドロキシフェニ
ル）−Ｎ’−ウンデシル尿素、Ｎ−（４−ヒドロキシフ
ェニル）−Ｎ’−ドデシル尿素、Ｎ−（４−ヒドロキシ
フェニル）−Ｎ’−トリデシル尿素、Ｎ−（４−ヒドロ
キシフェニル）−Ｎ’−テトラデシル尿素、Ｎ−（４−
ヒドロキシフェニル）−Ｎ’−ペンタデシル尿素、Ｎ−
（４−ヒドロキシフェニル）−Ｎ’−ヘキサデシル尿
素、Ｎ−（４−ヒドロキシフェニル）−Ｎ’−ヘプタデ
シル尿素、Ｎ−（４−ヒドロキシフェニル）−Ｎ’−オ
クタデシル尿素、Ｎ−（４−ヒドロキシフェニル）−
Ｎ’−ノナデシル尿素、Ｎ−（４−ヒドロキシフェニ
ル）−Ｎ’−イコシル尿素、Ｎ−（４−ヒドロキシフェ
ニル）−Ｎ’−ヘンイコシル尿素等が挙げられるが、好
ましくはウンデシル以上のアルキル基を有するものであ
り、特に好ましくは、Ｎ−（４−ヒドロキシフェニル）
−Ｎ’−オクタデシル尿素である。

【００１５】本発明に使用する可逆顕色剤と加熱により
発色する発色剤としては、フタリド系化合物、フルオラ
ン系化合物、スピロピラン系化合物、ジフェニルメタン
系化合物、チアジン系化合物が挙げられる。フタリド系
化合物としては、例えば３，３−ビス（ｐ−ジメチルア
ミノフェニル）−６−ジメチルアミノフタリド（即ち、
クリスタルバイオレットラクトン）、３−（ｐ−ジベン
ジルアミノフェニル）−３−（１’，２’−ジメチル−
３’−インドリル）−７−アザフタリド、３，３−ビス
（４’−ジメチルアミノフェニル）−フタリド、３−
（４−ジメチルアミノ−２−エトキシフェニル）−３−
（１−エチル−２−メチルインドール−３−イル）−４
−アザフタリド、３−（４−ジエチルアミノ−２−エト
キシフェニル）−３−（１−エチル−２−メチルインド
ール−３−イル）−７−アザフタリド、３，３−ビス
［２−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）−２−フェニル
エテニル］フタリド、３，３−ビス［２−（ｐ−ピロリ
ジフェニル）−２−（ｐ−メチルフェニル）エテニル］
フタリド、３−（ｐ−メトキシフェニル）−３−［１，
１−ビス（ｐ−ジメチルアミノフェニル）エチレン−２
−イル］−６−ジメチルアミノフタリド等が挙げられ
る。

【００１６】フルオラン系化合物としては、例えば３，
６−ジメトキシフルオラン、４−アミノ−８−ジエチル
アミノ−ベンゾ〔ａ〕フルオラン、２−アミノ−８−ジ
エチルアミノ−ベンゾ〔ａ〕フルオラン、４−ベンジル
アミノ−８−ジエチルアミノ−ベンゾ〔ａ〕フルオラ
ン、３−ジエチルアミノ−６−メチルフルオラン、３−
ジエチルアミノ−７−アミノフルオラン、３−ジエチル
アミノ−７−クロロフルオラン、３−ジエチルアミノ−
６−メチル−７−クロロフルオラン、２−メチル−６−
（Ｎ−ｐ−トリル−Ｎ−エチルアミノ）フルオラン、１
０−ジエチルアミノベンゾ〔ｃ〕フルオラン、スピロ
（キサンテン−９−１’−フタラン）−６−ジエチルア
ミノ−２−フェニル−３’−オン、スピロ（キサンテン
−９，１’−フタラン）−３−ジエチルアミノ−２−メ
トキシ−３’−オン、スピロ（キサンテン−９，１’−
フタラン）−３−ジエチルアミノ−６−メトキシ−３’
−オン、スピロ（キサンテン−９，１’−フタラン）−
６−ジエチルアミノ−２−（Ｎ−メチル−Ｎ−アセトア
ミノ）−３’−オン、３−シクロヘキシルアミノ−６−
クロロフルオラン、３−ジエチルアミノベンゾ〔ａ〕フ
ルオラン、３−ジエチルアミノ−６，８−ジメチルフル
オラン、３−ベンジルアミノ−６−クロロフルオラン、
３−シクロヘキシルアミノ−７−メチルフルオラン、２
−メトキシ−８−ジエチルアミノ−ベンゾ〔ｃ〕フルオ
ラン、２−アニリノ−３−メチル−６−Ｎ−シクロヘキ
シル−Ｎ−メチルアミノフルオラン、３−（Ｎ，Ｎ−ジ
エチルアミノ）−７−ビス（ジメチルベンジル）アミノ
フルオラン、３−ジエチルアミノ−７−Ｎ−シクロヘキ
シル−Ｎ−ベンジルアミノフルオラン、３−ピロジリノ
−７−シクロヘキシルアミノフルオラン、３−ジエチル
アミノ−６−メチル−７−ｐ−ブチルアニリノフルオラ
ン、３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−ｐ−フェネ
チジノフルオラン、３−ジエチルアミノ−６−メチル−
７−アニリノフルオラン、３−ジエチルアミノ−６−メ
チル−７−キシリジノフルオラン、３−ジエチルアミノ
−７−クロロアニリノフルオラン、３−ジエチルアミノ
−７−（２−カルボメトキシアニリノ）フルオラン、２
−アニリノ−３−メチル−６−（Ｎ−エチル−ｐ−トル
イジノ）フルオラン、２−ｐ−トルイジノ−３−メチル
−６−（Ｎ−エチル−ｐ−トルイジノ）フルオラン、３
−（Ｎ−シクロヘキシル−Ｎ−メチルアミノ）−６−メ
チル−７−アニリノフルオラン、３−ピロジリノ−６−
メチル−７−アニリノフルオラン、３−ジエチルアミノ
−６−メチル−７−アニリノフルオラン、３−（Ｎ−エ
チル−ｐ−トルイジノ）−６−メチル−７−アニリノフ
ルオラン、３−（Ｎ−エチル−Ｎ−イソアミルアミノ）
−６−メチル−７−アニリノフルオラン、３−ジエチル
アミノ−６−メチル−７−（ｏ，ｐ−ジメチルアニリ
ノ）フルオラン、３−ピロジリノ−６−メチル−７−ア
ニリノフルオラン、３−Ｎ−メチル−Ｎ−シクロヘキシ
ルアミノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン、３−
ジエチルアミノ−７−（ｍ−トリフルオロメチルアニリ
ノ）フルオラン、３−Ｎ−ｎ−ジブチルアミノ−７−
（ｏ−クロロアニリノ）フルオラン、３−（Ｎ−エチル
−Ｎ−テトラヒドロフルフリルアミノ）−６−メチル−
７−アニリノフルオラン、３−ジブチルアミノ−６−メ
チル−７−（ｏ，ｐ−ジメチルアニリノ）フルオラン、
３−（Ｎ−メチル−Ｎ−プロピルアミノ）−６−メチル
−７−アニリノフルオラン、３−ジエチルアミノ−６−
クロル−７−アニリノフルオラン、３−ジブチルアミノ
−７−（ｏ−クロルアニリノ）フルオラン、３−ジブチ
ルアミノ−７−（ｏ−クロルアニリノ）フルオラン等が
挙げられる。

【００１７】スピロピラン化合物としては、例えば２，
２’−スピロ（ベンゾ〔ｆ〕クロメン）、スピロ（３−
メチルクロメン−２，２’−７’−ジエチルアミノクロ
メン）、スピロ（３−メチル−ベンゾ〔５，６−ａ〕ク
ロメン−２，２’−７’−ジエチルアミノクロメン）、
スピロ（３−メチルクロメン−２，２’−７’−ジベン
ジルアミノクロメン）、３−メチル−ジ−β−ナフトス
ピロピラン等が挙げられる。ジフェニルメタン系化合
物としては、例えば４，４’−ビス（４，４’−テトラ
メチルジアミノジフェニルメチルアミノ）ジフェニルメ
タン、ビス［４，４’−ビス（ジメチルアミノ−ベンズ
ヒドリル）］エーテル、Ｎ，Ｎ’−ビス［ビス（４’−
ジメチルアミノフェニル）メチル］１，６−ヘキサメチ
レンジアミン、Ｎ−ビス（４−ジメチルアミノフェニ
ル）メチル−グリシンエチルエーテル、４，４’−ビス
−ジメチルアミノベンズヒドリルベンジルエーテル等が
挙げられる。

【００１８】チアジン系化合物としては、例えば３，７
−ビス（ジメチルアミノ）−１０−ベンゾイルフェノチ
アジン、１０−（３’，４’，５’−トリメトキシ−ベ
ンゾイル）−３，７−ビス（ジメチルアミノ）フェノチ
アジン、３−ジエチルアミノ−７−（Ｎ−メチルアニリ
ノ）−１０−ベンゾイルフェノチアジン、４Ｈ−７−ジ
エチルアミノ−４，４’−ビス−（９’−エチル−３’
−６’−カルバゾリル）−２−ｔ−ブチロイルアミノ−
３，１−ベンゾチアジン、４Ｈ−７−ジエチルアミノ−
４−（ｐ−ジエチルアミノフェニル）−４−（９’−エ
チル−３’−メチル−６’−カルバゾリル）−２−ビバ
ロイルアミノ−３，１−ベンゾチアジン、４Ｈ−６−メ
チル−４，４−ビス（ｐ−ジメチルアミノフェニル）−
２−ビバロイルアミノ−３，１−ベンゾチアジン、４Ｈ
−７−ジベンジルアミノ−４，４−ビス（ｐ−ジメチル
アミノフェニル）−２−フェニル−３，１−ベンゾチア
ジン、４Ｈ−７−ジベンジルアミノ−４，４−ビス（ｐ
−ジメチルアミノフェニル）−２−ビバロイルアミノ−
３，１−ベンゾチアジン、４Ｈ−７−ジベンジルアミノ
−２−イソプトキシカルボニルアミノ−４，４−ビス
（ｐ−ジメチルアミノフェニル）−３，１−ベンゾチア
ジン、４Ｈ−７−ジエチルアミノ−４，４−ビス［ｐ−
〔Ｎ−エチル−Ｎ−（ｐ−トリル）〕アミノフェニル］
−２−ビバロイルアミノ−３，１−ベンゾチアジン等が
挙げられ、これらの中から１種又は２種以上混合され
る。

【００１９】本発明の可逆性感熱層は白色顔料、結着剤
が混合されて成り、白色顔料としては、例えばクレー、
タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、二酸化珪素、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリオレ
フィン粒子、ポリスチレン粒子、尿素−ホルムアルデヒ
ド樹脂粒子等がであり、結着剤としては、例えば澱粉
類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポ
リビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリ
アクリル酸ナトリウム、アクリル酸アミド／アクリル酸
エステル共重合体、アクリル酸アミド／アクリル酸エス
テル／メタクリル酸３元共重合体等の水溶性高分子；ポ
リ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステ
ル、スチレン／ブタジエン共重合体、アクリロニトリル
／ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル／ブタジエン
共重合体、エチレン／酢酸ビニル共重合体等のラテック
スが挙げられる。

【００２０】更に本発明では所望により、カルナバワッ
クス、パラフィンワックス等のワックス類；ホルムアル
デヒド、グリオキザール、エポキシ樹脂、メラミン、メ
ラミン／ホルムアルデヒド樹脂等の耐水化剤；ベンゾフ
ェノン系等を代表とする紫外線吸収剤；ジアルキルスル
ホコハク酸ナトリウム等の湿潤剤；ポリアクリル酸ナト
リウム、スチレン無水マレイン酸共重合体アンモニウム
或いはナトリウムとアルキレングリコール混合物等の分
散剤；消泡剤等が適宜添加されて可逆性感熱層用塗布液
と成し、エアーナイフ、カーテン、バー、グラビア、ロ
ールコーター等の塗布方式で塗布量が１〜１０ｇ／ｍ²
（乾燥重量固形分）、好ましくは２〜５ｇ／ｍ² となる
ように塗布・乾燥して可逆性感熱層を設ける。

【００２１】本発明の可逆性感熱記録材料は加熱によ
り、発色と消色を繰り返し行うものであり、可逆性感熱
層の劣化を防止するために可逆性感熱層の上層に水溶性
高分子、ラテックス類等を塗布して保護層を設ける。
又、発色と消色を繰り返し行うことから紙の如き支持体
では波み打ちカールを防止するために水溶性高分子、ラ
テックス、白色顔料類を支持体の裏面に塗布する。更に
は発色濃度を一段と向上させるために支持体と可逆性感
熱層の間に多孔質白色顔料、有機高分子等を塗布して中
間層を設ける。発色濃度及びその解像力向上、消色性向
上を図るためにスーパーカレンダー、ソフトカレンダー
等の平滑化装置で可逆性感熱層、保護層の表面を平滑化
処理することが好ましい。本発明の可逆性感熱層に消色
剤を含む可逆性感熱記録材料は、紙以外の紙の両面をポ
リオレフィン系樹脂等で被覆した合成樹脂被覆紙、フィ
ルム等の支持体に塗布して使用しても本発明の目的は達
成される。

【００２２】

【実施例】以下、最も代表的な実施例により本発明の好
適態様と優れた効果を具体的に説明する。尚、以下の部
はすべて重量部であり、％はすべて重量％を表す。

【００２３】実施例１クリスタルバイオレットラクトン４部Ｎ−（４−ヒドロキシフェニル）−Ｎ’−オクチル尿素１０部１０％ポリビニルアルコール水溶液１１．２部（日本合成化学工業（株）製、ゴーセランＬ−３２６６）水４４．８部上記混合液をボールミルにより平均粒子径が１μｍとな
るまで粉砕し、２０％発色剤・可逆顕色剤混合粉砕液
（Ａ）を得た。水２５．７部に２０％発色剤・可逆顕色
剤混合粉砕液（Ａ）７０部、５０％炭酸マグネシウム
（神島化学（株）製、金星）分散液４部、１０％ポリビ
ニルアルコール（日本合成化学工業（株）製、ゴーセノ
ールＮＭ−１１）水溶液５０部、次いで１０％オクタデ
シルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液１．０５
部を攪拌しながら順次混合して１４％可逆性感熱層用塗
布液を得た。この塗布液を坪量７０ｇ／ｍ² の上質紙に
塗布量が３．５ｇ／ｍ² （乾燥重量固形分）となるよう
にエアーナイフコーターで塗布・乾燥後、ソフトカレン
ダー仕上げを行い、可逆性感熱層を設けた。

【００２４】水１４６部に１０％ポリビニルアルコール
（ゴーセノールＮＭ−１１）水溶液１００部、１０％ポ
リアミド−エピクリルヒドリン樹脂水溶液１０部、次い
で５０％水酸化アルミニウム分散液４部を順次混合分散
して５％保護層用塗布液を得た。この塗布液を上記可逆
性感熱層上に塗布量が１．２ｇ／ｍ² （乾燥重量固形
分）となるようにエアーナイフコーターで塗布・乾燥
後、ソフトカレンダー仕上げを行って、青発色用可逆性
感熱記録紙を作成した。

【００２５】実施例２水３９．２部に２０％発色剤・可逆顕色剤混合粉砕液
（Ａ）７０部、５０％炭酸マグネシウム（金星）分散液
４部、１０％ポリビニルアルコール（ゴーセノールＮＭ
−１１）水溶液６０部、次いで１０％オクタデシルトリ
メチルアンモニウムクロライド水溶液２２部を攪拌しな
がら順次混合して１２．５％可逆性感熱層用塗布液とし
た以外は実施例１と同様の方法で可逆性感熱層、保護層
を設けて青発色用可逆性感熱記録紙を作成した。

【００２６】実施例３３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−クロロフルオラン８部Ｎ−（４−ヒドロキシフェニル）−Ｎ’−ヘンイコシル尿素１５部１０％ポリビニルアルコール（ゴーセランＬ−３２６６水溶液）１８．４部水７３．６部上記混合液をボールミルにより平均粒子径が１μｍとな
るまで粉砕し、２０％発色剤・可逆顕色剤混合粉砕液
（Ｂ）を得た。水４７．７部に２０％発色剤・可逆顕色
剤混合粉砕液（Ｂ）１１５部、５０％炭酸マグネシウム
（金星）分散液６部、１０％ポリビニルアルコール（ゴ
ーセノールＮＭ−１１）水溶液５０部、次いで１０％ポ
リオキシエチレン（２０モル）ノニルフェニルエーテル
水溶液９．３部を攪拌しながら順次混合して１４％可逆
性感熱層用塗布液とした以外は実施例１と同様の方法で
可逆性感熱層、保護層を設けて赤発色用可逆性感熱記録
紙を作成した。

【００２７】実施例４３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン５部Ｎ−（４−ヒドロキシフェニル）−Ｎ’−オクタデシル尿素１２部１０％ポリビニルアルコール（ゴーセランＬ−３２６６）水溶液１３．６部水５４．４部上記混合液をボールミルにより平均粒子径が１μｍとな
るまで粉砕し、２０％発色剤・可逆顕色剤混合粉砕液
（Ｃ）を得た。水５６．５部に２０％発色剤・可逆顕色
剤混合粉砕液（Ｃ）８５部、５０％炭酸マグネシウム
（金星）分散液８部、１０％ポリビニルアルコール（ゴ
ーセノールＮＭ−１１）水溶液７０部、次いでポリオキ
シエチレン（１８モル）プロピルジアミン水溶液２２．
４部を攪拌しながら順次混合して１２．５％可逆性感熱
層用塗布液とした以外は実施例１と同様の方法で可逆性
感熱層、保護層を設けて黒発色用可逆性感熱記録紙を作
成した。

【００２８】実施例５〜実施例１０実施例４の１０％ポリオキシエチレン（１８モル）プロ
ピルジアミン水溶液２２．４部を表１の１０％消色剤水
溶液に同量置き換えて１２．５％可逆性感熱層用塗布液
とした実施例１と同様の方法で可逆性感熱層、保護層を
設けて黒発色用可逆性感熱記録紙を作成した。

【００２９】比較例１実施例１の１０％オクタデシルトリメチルアンモニウム
クロライド水溶液１．０５部を除いて１４％可逆性感熱
層用塗布液とした以外は同様の方法で可逆性感熱層、保
護層を設けて青発色用可逆性感熱記録紙を作成した。

【００３０】比較例２実施例３の１０％ポリオキシエチレン（２０モル）ノニ
ルフェニルエーテル水溶液１５．５部を除いて１４％可
逆性感熱層用塗布液とした以外は同様の方法で可逆性感
熱層、保護層を設けて赤発色用可逆性感熱記録紙を作成
した。

【００３１】比較例３実施例４の１０％ポリオキシエチレン（１８モル）プロ
ピルジアミン水溶液２２．４部を除いて１２．５％可逆
性感熱層用塗布液とした以外は同様の方法で可逆性感熱
層、保護層を設けて黒発色用可逆性感熱記録紙を作成し
た。

【００３２】

【表１】

【００３３】［試験方法］実施例１〜１０、比較例１〜
３で作成した可逆性感熱記録紙を下記試験方法で測定
し、その結果を表２に示した。＊白色度濃度計（マクベス（株）製ＲＤ１００Ｒ・アムバーフィ
ルター使用）で測定した。数値が小さい程、白色度は高
いことを表す。＊印字発色濃度日本電気（株）製ワープロ文豪ミニＵＨ・濃度ダイヤ
ル；マックスで印字した発色濃度を濃度計（同上）で測
定した。数値が大きい程、発色濃度は高いことを表す。＊消色性上記ワープロで発色させた該記録紙を１１０℃の熱ロー
ルの間を通して発色部を消色し、その消色部の濃度を濃
度計（同上）で測定した。数値が小さい程、消色性は優
れている。

【００３４】

【表２】

【００３５】

【発明の効果】紙の如き支持体の表面に可逆性感熱層を
設けて成る可逆性感熱記録材料において、本発明から明
かなように、可逆性感熱層に消色剤を含み、該消色剤が
第四級アンモニウム塩或いはエチレンオキサイド又はプ
ロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドの一種又は
二種以上の付加物とし、更に可逆顕色剤が式化１で示さ
れるＮ−（４−ヒドロキシフェニル）−Ｎ’−アルキル
尿素とすることにより、印字濃度は高く、又印字画像、
消色は鮮明であり、経時的に安定な画像を保持した可逆
性感熱記録材料が提供できた。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】紙の如き支持体に通常無色乃至淡色の電
子供与性染料と該染料と加熱により発色及び消色する可
逆性をもつ電子受容性酸性物質を主成分とする可逆性感
熱層を設けて成る可逆性感熱記録材料において、該感熱
層に消色剤が含まれることを特徴とする可逆性感熱記録
材料。
【請求項２】該消色剤が第四級アンモニウム塩である
請求項１記載の可逆性感熱記録材料。
【請求項３】該消色剤がエチレンオキサイド又はプロ
ピレンオキサイド及びブチレンオキサイドの一種又は２
種以上の付加物である請求項１記載の可逆性感熱記録材
料。
【請求項４】該可逆性をもつ電子受容性酸性物質が式
化１で示されるＮ−（４−ヒドロキシフェニル）−Ｎ’
−アルキル尿素である請求項１記載の可逆性感熱記録材
料。【化１】式化１中、Ｒは炭素数８〜２１のアルキル基を表す。