JPH0810831A - 押出プレスのシャー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シャー刃によるディスカードの切断後、間断
なくノッカ本体によってディスカードを機械的に突き払
う。 【構成】 シャースライドの側面にレバーを有するリン
ク機構を設ける。このレバーの一端をノッカロッドに係
合してシャースライド内を上下動させる。一方、他端を
ノッカ本体の動きをシャー刃の上下動に機械的に従属さ
せる規制ロッドを設ける。そして、シャー刃の背面凹部
に隣接して配した前記ノッカ本体の一部を前記シャー刃
のプロフィールと同一形状とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ダイスより押出される
製品からディスカードを分離する押出プレスのシャー装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の直接押出プレスにおけるシャー装
置は、エンドプラテンの上側にブラケットを介してシャ
ーガイドフレームが固設してあり、このシャーガイドフ
レームの上部にはシャーシリンダが配設してある。前記
シャーシリンダはそのピストンロッドの先端にシャーガ
イドフレームとシャーガイドに沿って鉛直上下方向にス
トローク可能なシャースライドが固設されている。前記
シャースライドの中央部下側にシャー刃が取付けられて
いる。一方、シャー刃の略中心部の軸方向に沿って横断
面が欠円状を有した凹部に隣接してノッカが上下摺動可
能に設けられている。

【０００３】こうした従来のシャー装置では、シャー刃
の下降限でシャー刃に引続いて、ノッカが下降するため
のノッカ下降信号を出して（図１１（２））シャー刃に
よって切断されたディスカードをノッカで突き払うよう
にしていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たシャー装置では図１１（１）に示すようにノッカ本体
２８が下降してディスカード１４の上部に当ると、シャ
ー刃２５の後部切刃面（傾斜部）とディスカード１４と
の付着（粘着）の程度によっては図１１（２）のように
ディスカード１４が後部切刃面２７より離れ、シャー刃
２５の先端部を支点として回転する場合がある。

【０００５】このような状態になると、ノッカ本体２８
の降下タイミングや降下速度がディスカード１４の回転
速度に合わないといくらノッカ本体２８を突出してもデ
ィスカード１４に当らず空振りして図１１（３）ノッカ
本体２８の役目を果たすことができないといった問題が
あった。

【０００６】また、従来のノッカ本体２８はシャー刃２
５本体内に内蔵されたエアシリンダまたは油圧シリンダ
と一体になったロッドに連結されており、電気的信号に
よってシリンダを作動し、このノッカ本体２８がシャー
刃２５に沿って摺動するようになっている。

【０００７】このため、シャー刃２５がディスカード１
４を切断した瞬間をタイミングよく狙ってノッカ本体２
８を突出すことが容易でなく、ディスカード１４を一突
で落下することが容易でない。また、ノッカ本体２８の
突出し長さも必要以上に長くなり、ディスカード１４の
切断・分離時間が長くなるといった問題があった。

【０００８】本発明は上記問題点に鑑みなされたもの
で、シャー刃によるディスカードの切断後、間断なくノ
ッカ本体によってディスカードを機械的に突き払うよう
にした押出プレスのシャー装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る押出プレスのシャー装置は、シャーシ
リンダに連結されてシャーガイド内を上下方向に摺動す
るシャースライドの先端部に押出しされた製品とビレッ
トの残余のディスカードとを切断するシャー刃と、前記
シャースライドの側面にレバーを有するリンク機構を設
けるとともに、前記レバーの一端を前記ノッカロッドに
係合させ前記シャースライド内を上下移動しながら前記
シャー刃に付着したディスカードを押出方向と交叉方向
から押してディスカードと製品とを分離するノッカ本体
と、前記レバーの他端を前記ノッカ本体の動きを前記シ
ャー刃の上下動に機械的に従属させるとともに上下スト
ッパで規制する規制ロッドとを設け、前記シャー刃の背
面凹部に隣接して配した前記ノッカ本体の一部を前記シ
ャー刃のプロフィールと同一形状となるように構成し
た。

【００１０】

【作用】かかる本発明の押出プレスのシャー装置におい
ては、押出ステムを前進させて押出しが終了した後、コ
ンテナを後退させてディスカードをコンテナの後面から
突出させ、続いてシャー装置のシャースライドを押出方
向と交叉方向から鉛直方向に移動させシャー刃でディス
カードを切断し、切断したディスカードを前記シャー刃
の後部切刃面に沿うようにしながら前記シャー刃と同一
プロフィールを有したノッカを機械的に下降させてディ
スカードの中央より下部を突き払うようにしたので、デ
ィスカードが確実にシャー刃から分離することができ
る。

【００１１】

【実施例】以下に、本発明に係る押出プレスにおけるシ
ャー装置の具体的実施例を図面を参照して詳細に説明す
る。

【００１２】図１は本発明の実施例に係る押出プレスの
シャー装置の縦断面図、２段構成のシャー刃であって、
図２（１）はシャー刃の正面図、図２（２）はシャー刃
の側面図、図３は該シャー装置の正面図、図４は図１の
Ａ〜Ａからみた横断面図、図５は図１のＢ〜Ｂからみた
横断面図、図６はビレットの押出し状態を示す縦断面
図、図７はシャー刃によるディスカードの切断状態を示
す説明図、図８はノッカによるディスカードの払い落し
状態を示す説明図、図９は本発明のノッカによってディ
スカードを突き払う状態を示す説明図、図１０は図１の
Ｃ〜Ｃからみた横断面図である。

【００１３】本発明に係る実施例を２段構成のシャー刃
２４を用いた場合を代表して説明すると、図示しないマ
シンベース上の一端側にエンドプラテン２が固設されて
いる。このエンドプラテン２は、図示しない押出シリン
ダに対面する側の下部が突出してダイス支持部８となっ
ており、該ダイス支持部８上にはダイスライド１０がマ
シン幅方向にスライド自在に設置されている。このダイ
スライド１０上にダイス１２が保持されている。

【００１４】エンドプラテン２の上側にブラケット３を
介してシャーガイドフレーム４が固設してあり、該シャ
ーガイドフレーム４の側面上部にはシャーシリンダ１８
が配設してある。該シャーシリンダ１８のピストンロッ
ド１８ａの先端に該シャーガイドフレーム４とシャース
ライド押え２０に沿って鉛直上下方向にストローク可能
なシャースライド２２が固設されている。該シャースラ
イド２２の中央部分下側に２段構成のシャー刃２４が取
付けられている。

【００１５】２段構成のシャー刃２４の背面には図１０
に示すような横断面が矩形状を有した凹部２６が設けら
れており、ここにノッカロッド３０の先端下部に固着さ
れたノッカ本体２８が上下摺動可能に設けられている。

【００１６】本発明では、ノッカ本体２８を図９に示す
如く２段構成のシャー刃２４のプロフィールに合わせる
ように構成し、特にノッカ本体２８の一部を２段構成の
シャー刃２４の凹部２６に位置させることでノッカ本体
２８の先尖部２８ａができる限りシャー刃２４の刃先先
端部に近い位置になるようにし、先尖部２８ａでディス
カード１４の中央より下部を突き払うようにしてある。

【００１７】本実施例に用いる２段構成のシャー刃２４
は図２に示すような形状のものを使用した。なお、本実
施例で用いた２段構成のシャー刃２４の寸法は次のとお
り。 ２段構成のシャー刃；刃先角α；２０±５° ２段刃追角β；５〜１０° 刃先先端厚ｔ；約１ｍｍ 傾斜切刃面長さＬ；２０〜３０ｍｍ 垂直切刃面長さＳ；約１０ｍｍ

【００１８】この２段構成のシャー刃２４はディスカー
ド１４の切断を繰返し行ううちこのシャー刃２４の入り
位置の変化も加わってディスカード１４の切断面形状は
凹凸を有するようになり、これによって、押出時にダイ
ス１２面とビレット５０の当接面間に空気が封じ込めら
れ、押出製品１６にブリスタが発生することを防止する
ために開発されたものであり、種々実験の結果、好適な
寸法のシャー刃２４のものとなっている。

【００１９】また、シャースライド２２の後面上方部
（コンテナ側）にはリンク機構を有するノッカ駆動装置
３２が配設されている。該ノッカ駆動装置３２は、レバ
ー３４、ピニオン３６、軸３８、規制ロッド４０、およ
びノッカ駆動ブロック４２から構成されている。

【００２０】レバー３４はノッカロッド３０の両側面に
一対配設されており、該レバー３４の一端には端面から
軸線方向に長スリット４５が刻設され、該長スリット４
５をピン３１に係合した後蓋体をボルトによって取付け
脱落不可能になっている。

【００２１】レバー３４の他端は、ノッカ駆動ブロック
４２に貫設された軸３８にピニオン３６とともに回動自
在に枢着されている。図３に示すようにノッカ駆動ブロ
ック４２の前面側には該ピニオン３６と噛含させたラッ
ク状の規制ロッド４０をガイド棒４０ａに固着した状態
で上下摺動自在に囲繞する規制レバーガイドフレーム４
４が配設されている。

【００２２】また、該規制ロッド４０の上下移動を規制
するストッパ４６がシャー装置６の上下に設けられ、上
部ストッパ４６ａはシャーガイドフレームの前面上部
に、また、下部ストッパ４６ｂはシャースライド押え２
０の前面下部にそれぞれ固着されている。なお、符号４
８はコンテナ、５０はビレット、５２は押出ステム、５
４はラム、５６はフリーダミーブロックである。

【００２３】以上のように構成された押出プレスにおけ
るシャー装置を使用する場合の動作を説明する。

【００２４】まず、コンテナ４８をダイス１２の端面に
当接させた後、ビレット５０をコンテナ４８内へ充填
し、次いで、押出ステム５２を前進させると（図６）、
製品１６がダイス１２から押出しされる。ビレット５０
が限度量まで押出しが行われた段階でコンテナ４８を後
退させる。

【００２５】この時、ビレット５０の残余であるディス
カード１４が製品１６と一体的になっているため、２段
構成のシャー刃２４によって切断を行う。なお、この
際、ディスカード１４の前端面とダイス１２の後端面と
が２段構成のシャー刃２４の刃先の鉛直下方に位置す
る。しかる後、図７に示す如くシャーシリンダ１８を作
動させることによって２段構成のシャー刃２４を下降さ
せ、ディスカード１４をダイス１２から引き剥すととも
にディスカード１４と製品１６とを切断、分離する（図
９（１））。

【００２６】この状態で規制ロッド４０の下端部が下部
ストッパ４６ｂに当接してシャースライド２２の下降を
規制することとなり、図８に示す如くこの規制動作がピ
ニオン３６を介してレバー３４に伝動され、レバー３４
とピン３１で係合されたノッカロッド３０をシャースラ
イド２２に沿って機械的に鉛直下方へ下降させる。こう
して２段構成のシャー刃２４に付着したディスカード１
４をノッカ本体２８の先尖部２８ａによって突き払う
（図９（２））。そしてシャーシリンダ１８の戻り動作
によってシャースライド２２が上昇し元の位置に復帰す
る。シャースライド２２の上昇動作によって規制ロッド
４０の上端部が上部ストッパ４６ａに当接してシャース
ライド２２の上昇を規制するとともにレバー３４を元の
位置に復帰する。

【００２７】本実施例では２段構成のシャー刃２４を用
いるとともに、ノッカ本体２８の先尖部２８ａでディス
カード１４の中央より下部を突き払うようにした場合に
ついて詳述したが、従来の１段構成のシャー刃２５の背
面凹部に前記２段構成のシャー刃２４と同様に隣接して
ノッカ本体２８の先尖部２８ａを設けてシャー刃２５の
側面プロフィールと同一形状となるようにしてもよい。
さらに、シャー刃２５の後端切刃面２７の形状としてア
ーチ状の曲面形状のものを用いるとともに、前記先尖部
２８ａを有したノッカ本体２８のものを用いても、切断
時製品１６からディスカード１４を確実に突き払うこと
ができる。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明では、シャーシリンダに連結されてシャーガ
イド内を上下方向に摺動するシャースライドの先端部に
押出しされた製品とビレットの残余のディスカードとを
切断するシャー刃と、前記シャースライドの側面にレバ
ーを有するリンク機構を設けるとともに、前記レバーの
一端を前記ノッカロッドに係合させ前記シャースライド
内を上下移動しながら前記シャー刃に付着したディスカ
ードを押出方向と交叉方向から押してディスカードと製
品とを分離するノッカ本体と、前記レバーの他端を前記
ノッカ本体の動きを前記シャー刃の上下動に機械的に従
属させるとともに上下ストッパで規制する規制ロッドと
を設け、前記シャー刃の背面凹部に隣接して配した前記
ノッカ本体の一部を前記シャー刃のプロフィールと同一
形状となるように構成したことにより、シャースライド
の下降動作だけでノッカ本体の下降動作が電気的信号の
介在なしに機械的に行われるため、ノッカ本体の突出し
タイミングをシャー刃がディスカードを切断完了した瞬
間に正確に合わせることができ、その上高速降下が可能
なのでディスカードを空振りすることがなくなり、僅か
な下降ストロークでディスカードを確実に落下させるこ
とができる。

【００２９】また、ノッカ本体の先尖部でディスカード
の中央より下部を押下げてディスカードの分離を行うた
め、ディスカードがシャー刃の先端部に付着して回転す
ることなく押下げ力がディスカードのシャー刃先端部に
効率よく確実に伝わり、ディスカードが確実に分離され
る。

【００３０】さらに、ノッカ本体の突出しストロークを
短かくしてディスカードを突き払うことができるため、
ディスカードの切断、分離の高速化が図れるとともに、
機械構造がシンプルとなりコスト低減が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る押出プレスのシャー装置
の縦断面図である。

【図２】２段構成のシャー刃であって、図２（１）はシ
ャー刃の正面図、図２（２）はシャー刃の側面図であ
る。

【図３】シャー装置の正面図である。

【図４】図１のＡ〜Ａからみた横断面図である。

【図５】図１のＢ〜Ｂからみた横断面図である。

【図６】ビレットの押出し状態を示す縦断面図である。

【図７】シャー刃によるディスカードの切断状態を示す
説明図である。

【図８】ノッカによるディスカードの払い落し状態を示
す説明図である。

【図９】本発明のノッカによってディスカードを突き払
う状態を示す説明図である。

【図１０】図１のＣ〜Ｃからみた横断面図である。

【図１１】従来のシャー装置を用いてディスカードを切
断する状態を示す説明図である。

【符号の説明】

６ シャー装置 １０ ダイスライド １２ ダイス １４ ディスカード １６ 製品 １８ シャーシリンダ ２２ シャースライド ２４ ２段構成のシャー刃 ２５ シャー刃（１段構成） ２６ 凹部 ２７ 後端切刃面 ２８ ノッカ本体 ２８ａ 先尖部 ３０ ノッカロッド ３２ ノッカ駆動装置 ３４ レバー ３６ ピニオン ４０ 規制ロッド ４２ ノッカ駆動ブロック ４４ 規制レバーガイドフレーム ４５ 長スリット ４６ ストッパ ４６ａ 上部ストッパ ４６ｂ 下部ストッパ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シャーシリンダに連結されてシャーガイ
   ド内を上下方向に摺動するシャースライドの先端部に押
   出しされた製品とビレットの残余のディスカードとを切
   断するシャー刃と、前記シャースライドの側面にレバー
   を有するリンク機構を設けるとともに、前記レバーの一
   端を前記ノッカロッドに係合させ前記シャースライド内
   を上下移動しながら前記シャー刃に付着したディスカー
   ドを押出方向と交叉方向から押してディスカードと製品
   とを分離するノッカ本体と、前記レバーの他端を前記ノ
   ッカ本体の動きを前記シャー刃の上下動に機械的に従属
   させるとともに上下ストッパで規制する規制ロッドとを
   設け、前記シャー刃の背面凹部に隣接して配した前記ノ
   ッカ本体の一部を前記シャー刃のプロフィールと同一形
   状となるように構成したことを特徴とする押出プレスの
   シャー装置。