JPH0810316B2 - 高品質で硬調な画像を与えるハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

高品質で硬調な画像を与えるハロゲン化銀写真感光材料

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JPH0810316B2
JPH0810316B2 JP62095872A JP9587287A JPH0810316B2 JP H0810316 B2 JPH0810316 B2 JP H0810316B2 JP 62095872 A JP62095872 A JP 62095872A JP 9587287 A JP9587287 A JP 9587287A JP H0810316 B2 JPH0810316 B2 JP H0810316B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料に関し、特に印
刷用写真製版用の明室感光材料に好適に用いることがで
きる感光材料に関する。
〔発明の背景〕
感光材料の分野では用途により様々な要請がなされて
おり、例えば近年、印刷写真製版分野においては、印刷
物のカラー化や複雑さが増してきていること、及びカラ
ースキャナーが発達してきていることに伴い、その場合
の効率の向上、特に返し工程での効率の向上が強く要望
されている。とりわけ返し工程の明室化は、作業能率の
向上に大きく寄与するものであり、明室化率が年々増加
している。この返し工程の明室化は、プリンター等の機
械面の改良と感光材料の改良との両面からもたらされる
ものである。
感光材料の面からいえば、明室で扱うことのできる超
低感度の明室感光材料と呼ばれるハロゲン化銀感光材料
が開発されている。一般に、その感光材料は、所謂“リ
ス現象”処理適正が付与され、高品質化がはかられてい
るが、その品質、写真特性曲線のガンマ、カブリ、足き
れ、網点品質等の点では未だ十分とは言えない。
一方“リス現象”処理並みの硬調な画像を得る為の技
術としては、幾つかその試みについて特許の開示を見る
ことができる。例えば特開昭52-18317号や特公昭53-408
99号等がある。また、ヒドラジン化合物を使用し、硬調
化画像を得る技術として特開昭53-16623号、同53-20921
号、同53-20992号、同53-49429号、同53-66731号、同53
-66732号、同53-77616号、同53-84714号、同53-137133
号、同54-37732号、同54-40629号、同55-52050号、同55
-90940号、同56-67843号等に開示されたものがある。こ
れら一連のヒドラジン化合物を用いた画像形成方法にお
ける処理方法においては、ヒドラジン化合物を含有して
いる現象液のpH値またはヒドラジン化合物を含有してい
る写真感光材料の処理現像液のpH値は比較的高いレベル
にあることが望ましいとされている。このため結局、現
像液の有効寿命を下げるという欠点があった。
これに対して、特開昭56-106244号における開示で
は、画像形成時にヒドラジン化合物及び現像促進量のア
ミノ酸化合物を含有することによって、硬調な画像を比
較的低pH(pH=11〜11.5)で形成できるとしている。
しかしながらこれらヒドラジン化合物を用いた硬調な
画像形成法は、所謂「明室感光材料」に適用できる技術
としては、提案がないわけではないが(特開昭62-67530
号)、必ずしも十分ではない。
本発明の発明者らは鋭意研究の結果、これらの有用な
ヒドラジン化合物による硬調化技術を、現在最も高品質
への要望の高い明室感光材料にも応用できるようにしよ
うとして種々に検討し、これを実現する感光材料の開発
を試みて来たのである。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、高品質で硬調な画像を与えるハロゲ
ン化銀写真感光材料を提供することであり、またヒドラ
ジン化合物による硬調化技術を明室返し用ハロゲン化銀
写真感光材料に適用できるような感光材料を実現するこ
とにある。
〔発明の構成〕
前記した目的は、下記の本発明によって達成できる。
すなわち、少なくとも60モル%の塩化銀を含有し、かつ
ハロゲン化銀1モル当たり水溶性オスミウム塩を1×10
-9モル〜1×10-5モル含有し、かつ下記一般式(I)で
示される化合物を少なくとも一種類含有する表面潜像型
ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも一層有することを特徴
とする硬調な画像を与えるハロゲン化銀写真感光材料に
より達成できる。
一般式(I) R1NHNHCOR2 式中R1はアリール基またはピリジル基を表し、これ
は置換基を有するものも含む。またR2は水素原子或い
は置換基を有してもよいフェニル基または炭素数1〜3
のアルキル基を表す。
以下、本発明の構成について詳細に具体的に説明す
る。
本発明において使用されるハロゲン化銀の組成は、例
えば塩化銀、塩臭化銀、塩沃化銀或いは塩臭沃化銀のい
ずれでもよいが、そのハロゲン化銀組成率において塩化
銀量は60モル%以上であり、より好ましくは塩化銀含有
率が90モル%以上である。
塩化銀含有率が小さくなると、明室感光材料として重
要な明室室内灯下での安全性が劣化してくる。これによ
り明室感光材料(以後感光材料を適宜感材と略記する場
合がある)としての作業性が低下し、実用に供せられな
くなる。普通用いられる明室室内灯の発光分布は波長40
0nmより長波長側である。塩化銀含有率が小さくなれば
小さくなるほど、明室室内灯の発光波長と、ハロゲン化
銀粒子の固有感度との重なりが増加する為に、明室室内
灯での安全性が劣化すると考えられる。
本発明においては水溶性オスミウム塩の含有量はハロ
ゲン化銀1モル当たり1×10-9モル〜1×10-5モルであ
る。水溶性オスミウム塩が1×10-9モルよりも少ない場
合は、本発明の目的である明室返し感材としての必要な
感度まで減感しない。
本発明ではオスミウム塩を使用する他に、感度調節剤
として減感剤を併用することができる。併用可能な具体
的な減感剤としては、塩化第2銅、塩化イリジウム等の
無機減感剤や、ピナクリプトールイエロー、フェノサフ
ラニン等の有機減感剤が挙げられる。また、タートラジ
ン等、波長350〜450nmに吸収を持つような有機染料を併
用してもよい。もし水溶性オスミウム塩を単独で所要限
度まで減感させるには、好ましくは、10-8モル/AgX1モ
ル以上の添加が良い。
一方水溶性オスミウム塩の添加量が1×10-5モル/AgX
1モルを超えると、一般にヒドラジン化合物による硬調
化効果が著しく減少するので好ましくない。即ち1.0×1
0-5モル/AgX1モルまでの量の水溶性オスミウム塩を添加
することで、所望の効果が得られる。乳剤に対しては、
本発明の目的を達せられるような高品質の明室感材を得
る為のヒドラジン化合物の添加量は、ハロゲン化銀1モ
ル当たり1×10-4〜1×10-2モルの量の添加が好まし
い。
本発明において、水溶性オスミウム塩は、ハロゲン化
銀乳剤の調製時に存在させると良い。ここで調製時とは
乳化及び物理熟成の過程を言い、この過程における任意
の時期に任意の方法で好ましく添加することができる。
しかし更に好ましい添加時期は乳化時であり、更に特に
好ましいのは、ハライド液中に水溶性オスミウム塩を添
加して調製する方法である。なぜならばオスミウムの減
感効果を最大に引き出す為にはオスミウム原子をハロゲ
ン化銀粒子の内部から表面にかけて均一に分布させねば
ならず、その為ハライド液中に添加することが好ましい
からである。
次に本発明に係る一般式(I)で表される化合物につ
いて説明する。これはヒドラジン化合物であり、次の式
で示される。
一般式(I) R1−NHNHCOR21はアリール基またはピリジル基を示す。特にハメ
ツトのシグマ値から導かれる電子求引特性が+0.30より
小であるようなフェニル核が良い。ハメットのシグマ値
は、比較的簡単に文献等より求めることができる。好ま
しい基の1つとして、無置換のフェニル基がある。更に
またアリール基に対する好ましい置換基として、ハロゲ
ン基(例えばフルオル基、クロル基)、アルキル基(例
えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ヘキシル基、
n−オクチル基、tert−オクチル基、n−デシル基、n
−ドデシル基)、アルコシル基、アシルアミノ基(例え
ばアセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ベンゾイ
ルアミノ基)が挙げられる。また、特に好ましくは、写
真添加剤用バラスト基を有しているものである。バラス
ト基は一般的に炭素数8個以上を含有していて、例えば
m−tert−ペンチルフェノキシ基がブチルアミド等に置
換した状態で、乳剤塗設後のフィルム層中の拡散性を抑
えるのに有効に働く。
2は水素原子或いは置換基を有してもよいフェニル
基または炭素数1〜3のアルキル基を示すが、特に好ま
しいのは水素原子である。以下に、本発明の実施に際し
て特に好ましく用いることができるヒドラジン化合物の
例を列挙するが、本発明は下記例に限るものではない。
一般式(I)で示される化合物は、一般にはヒドラジ
ン類とギ酸との反応、またはヒドラジン類とアシルハラ
イドとの反応によって合成することができる。
一般式(I)で示される化合物は、好ましくはハロゲ
ン化銀1モル当り1×10-4モル〜1×10-2モルの添加で
用いられ、特に好ましくは5×10-3モル〜5×10-2モル
量の添加が良い。
一般式(I)で示される化合物を乳剤中に添加するに
は、写真乳剤中の添加剤を加える通常の方法を用いるこ
とができる。例えば水溶性の化合物は適当な濃度の水溶
液とし、水に不溶または難溶の化合物は水と混和しうる
適当な有機溶媒に溶解し、溶液として乳剤に加えるなど
の方法で使用できる。
本発明における乳剤調製方法としては、順混合法、逆
混合法等のシングルジェット法や、同時混合法によるダ
ブルジェット法のいずれでもよい。特願昭58-88186号、
同58-88220号、同58-200685号に示された同時混合法に
よる乳剤調製法に従えば、単分散粒子が得られ、本発明
の効果に対して有効に働くが、本発明はこれら単分散粒
子のみに有効であるわけではない。また、アンモニア
法、中性法、酸性法や特公昭58-3532号に開示された変
則アンモニア法等いずれを用いることもできる。ハロゲ
ン化銀粒子晶癖は立方晶、14面体、8面体のいずれでも
よく、また特開昭58-108525号に開示されたタブレット
型粒子でもよい。粒子サイズは0.5μ以下が好ましい
が、別に制限するものではない。
また粒子中に高照度特性を付与するためにイリジウム
金属をハロゲン化銀1モル当たり好ましくは1×10-9
1×10-5モルの範囲でドープすること、硬調性を付与す
るためにロジウム金属を好ましくは同じく1×10-9〜1
×10-4モルの範囲でドープすること、あるいは感度を調
節するためにスカンジウム、イットリウム、ランタン、
プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、
ガドリウム、ジスプロシウム、ポロニウム、イットリビ
ウム、ルテチウム、テルビウム、ツリウムなどの希土類
金属をドープすることは任意である。この場合これら希
土類金属の好ましい添加量はハロゲン化銀1モル当たり
10-9〜10-5モルである。好ましい特性を付与するために
これらの金属をハロゲン化物としてハロゲン化銀粒子中
にドープすることは、本発明の効果を更に有効に発揮さ
せるによい手段である。粒子にドープさせる際に粒子の
表面に局在化させたり、あるいは粒子内部に局在させた
りしてもよい。
このようにして調製された乳剤は化学増感剤によって
化学増感(例えば、硫黄増感、金増感、還元増感等やそ
れらの併用)することも可能である。しかし全く化学増
感をしなくとも本発明の目的は達成される。
更に、このようにして調製された乳剤には安定剤とし
て例えばテトラザインデン類、カブリ防止剤として例え
ばトリアゾール類、テトラゾール類、カバーリングパワ
ー向上剤、イラジエーション防止剤として例えばオキサ
ノール染料、ジアルキルアミノベンジリデン染料等、湿
潤剤として例えばポリマーラテックス類、その他一般の
写真用乳剤に用いられる添加剤、例えば延展剤、硬膜剤
等を添加することは可能である。
また帯電防止剤として有機帯電防止剤の他に、金属酸
化物の微粒子を無機帯電防止剤として含有させることが
できる。好ましい金属酸化物としてスズやインジウムの
酸化物微粒子、あるいは、これらの金属にアンチモンな
どをドープした微粒子金属酸化物を保護層や乳剤層に含
有させ導電性を付与し、帯電防止効果を上げることがで
きる。これらの金属酸化物は、好ましくはハロゲン化銀
1モル当たり1×10-9〜1×10-2モルの範囲、より好ま
しくは10-6〜10-1モルの範囲で使用するのがよい。また
乳剤層下層に適宜形成される下引層に含有させることも
できる。また金属酸化物は球状でも不定形でもよい。金
属酸化物の選択は、一般にその導電性とその透遍率(ヘ
イズ)により決定されるが、その使用量によって適宜所
期の目的の性能を得るようにすることは任意である。
本発明のハロゲン化銀写真感材においては、支持体と
して、ポリエステルベース、TACベース、バライタ紙、
ラミネート加工紙、ガラス板その他通常用いられるもの
を任意に使用することができる。
本発明のハロゲン化銀写真感材を露光する際の露光用
光源は任意であるが、印刷感材としては具体化する場合
は、主として印刷分野で用いられる紫外線に富んだ光
源、例えばキセノン、メタルハライド、水銀灯、超高圧
水銀灯などを用いることが好ましい。
本発明のハロゲン化銀写真感材の現像のために使用さ
れる現像液は任意であり、例えば一般的なハロゲン化銀
写真感材に用いられる現象液及びリス現像液のいずれを
も用いることができる。これら現像液の現像主薬として
は、ハイドロキノン、クロルハイドロキノン、カテコー
ルのようなジヒドロキノベンゼン類や、1−フェニル−
3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3
−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒド
ロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−
メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンのよ
うな3−ピラゾリドン類があげられ、一般にこのような
現像主薬を1つ以上含む水溶液として使用される。他に
現像液には亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、ホルム
アルデヒド亜硫酸水素ナトリウム、ヒドロキシルアミ
ン、エチレン尿素のような保恒剤、臭化ナトリウム、臭
化カリウム、ヨウ化カリウム等のような無機塩の現像抑
制剤、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、5
−ニトロベンツイミダゾール、5−ニトロベンツトリア
ゾール、5−ニトロインダゾール、5−メチル−ベンツ
トリアゾール、4−チアゾリン−2−チオン等のような
1種以上の有機抑制剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ剤、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン、3−ジエチルアミノ−1−プロパノール、
2−メチルアミノ−1−エタノール、3−ジエチルアミ
ノ−1,2−プロパンジオール、ジイソプロピルアミン、
5−アミノ−1−ペンタノール、6−アミノ−1−ヘキ
サノール等の現像促進効果を有するアルカノールアミン
類、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸水溶液、
リン酸水溶液等の現像液中でバッファー効果を持つバッ
ファー剤、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸
ナトリウムのような塩類、エチレンジアミン4酢酸ナト
リウム、ニトロ3酢酸ナトリウム、ヒドロキシジアミン
3酢酸ナトリウム等のキレート化効果による硬水軟化
剤、グルタルアルデヒドのような現像硬膜剤、ジエチレ
ングリコール、ジメチルホルムアルデヒド、エチルアル
コール、ベンジルアルコールのような現像主薬や有機抑
制剤の溶剤、メチルイミダゾリン、メチルイミダゾー
ル、ポリエチレングリコール、ドデシルピリジニウムブ
ロマイド等の現像調製剤等を添加して構成することがで
きる。
現像液のpHは特に規定はないが、pH9〜13の範囲が好
ましい。
本発明のハロゲン化銀感材を現像するのに好ましい現
像液の構成物の一例は次の通りである。現像主薬として
ハイドロキノン20〜60g/l及び1−フェニル−4−メチ
ル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン0.1〜2g/
lまたは1−フェニル4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン
0.1〜2g/l、現像液保恒剤としての亜硫酸ナトリウム10
〜200g/lまたは亜硫酸カリウム10〜200g/l、無機塩の現
像抑制剤として臭化ナトリウムや臭化カリウム1〜10g/
l、現像促進効果を持つアルカノールアミン類1〜50g/
l、有機抑制剤として例えば5−メチルベンツトリアゾ
ール0.05〜2g/l、もしくは5−ニトロインダゾール0.01
〜2g/l、バッファー剤としての炭酸ナトリウム1〜50g/
lやリン酸水溶液(1モル/l)10〜800ml/l、キレート化
剤としてのエチレンジアミン4酢酸2ナトリウム塩0.1
〜10g/lを添加し、適当なアルカリ剤(例えば水酸化カ
リウム)を用いてpHを11.0〜12.5に合せた現像液であ
る。
本発明のハロゲン化銀写真感材は、例えば、上述した
現像液で現像された後、定着、水洗、乾燥のプロセスを
経て画像を固定するようにして、処理できる。この時現
像プロセスに於ける現像温度と現像時間に対しては、特
に制約はないが、現像温度は20〜45℃、現像時間は15秒
〜200秒の範囲が好ましい。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本
発明は以下述べる実施例に限定されるものではない。
本実施例ではまず、次に示すA液、B液及びC液の溶
液を用いて塩臭化銀乳剤1〜5を調製した。尚溶液Cに
使用した塩化ナトリウム及び臭化カリウム添加量は、表
1に示した。表1には調製した乳剤のハロゲン化銀粒子
組成も示してある。
〈溶液A〉 オセインゼラチン 17g ポリイソプロピレン−ポリエチレンオキシジコハク酸
エステルナトリウム塩10%エタノール溶液 5ml 蒸留水 1280cc 〈溶液B〉 硝酸銀 170 g 蒸留水 410ml 〈溶液C〉 塩化ナトリウム 表1に記載の量 臭化カリウム 表1に記載の量 オセインゼラチン 11 g ヘキサクロロロジウム酸カリウムまたはヘキサクロロ
オスミウム酸カリウム 表1に記載の量 ポリイソプロピレン−ポリエチレンオキシジコハク酸
エステルナトリウム塩10%エタノール溶液 3ml 蒸留水 412ml 溶液Aに溶液Bと溶液Cとを同時混合法により添加し
た。添加時の保温温度及び溶液Bと溶液Cの添加時間、
及び添加終了後のオストワルド熟成時間及びその時の保
温温度は、調製後のハロゲン化銀粒子の粒子サイズが平
均0.20μmで、その粒径分布が平均粒子サイズの±0.05
μmの範囲内に90%以上の粒子が収まるように適宜条件
選定をして定めた。その条件を表2に示す。
表2で示した条件で溶液BとCを添加し、オストワル
ド熟成後、常法により脱塩、水洗を行い、その後オセイ
ンゼラチンの水溶液600ml(オセインゼラチン30g含有)
を加えて55℃30分間攪拌により分散し、乳剤1〜5を得
た。これら乳剤は平均粒子サイズ0.2μmの単分散粒子
であることが電子顕微鏡による観察で明らかになった。
次にこの乳剤に6−メチル−4−ヒドロキシ−1,3,3
a,7−テトラザインデンを1g/AgX1モル加え、前記のヒド
ラジン化合物である1−ホルミル−〔2−4−{2−
(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチルアミド}
フェニル〕ヒドラジドを1.0g/AgX1モル添加し、またポ
リエチレングリコールを250mg/AgX1モル添加し、エチル
アクリレートラテックスポリマーを2g/m2、安全光対策
として下記構造の染料(a)〜(c)を85mg/m2、下記
構造の減感色素(d)を50mg/m2添加した。
また紫外線吸収剤として下記構造の化合物(e)及び
(f)を各々100mg/m2添加した。
尚上記化合物(d)の添加の際には、トリクレジルジ
フェニルホスフェートに分散して含有させた。
またカブリ防止剤としてハイドロキノン、没食子酸ブ
チルエステル、5−ニトロインダゾール、テトラフェニ
ルホニウムクロリド、塩酸プロメタジンをそれぞれ5mg/
m2、現像促進剤として1−フェニル−3−ピラゾリド
ン、ジエチルアミノプロパン−1,2−ジオール、メトキ
シボランをそれぞれ7mg/m2添加した。更に、ゼラチンを
2.5/m2、ハロゲン化銀(AgX)粒子を銀量換算で3.5g/m2
になるようにして、サポニン溶液を延展剤としてPET
(ポリエチレンテレフタレート)ベース上に塗布した。
この乳剤層をゼラチン1.5g/m2になるように、サポニン
溶液と、硬膜剤としてムコクロル酸、及び2,4−ジクロ
ロ−6−トリアジン酸ナトリウム塩をゼラチン1g当たり
50mg添加した硬膜オーバーコート層によって、保護し
た。
こうして得られた試料を明室プリンター(オーク製作
所製、HMW-215)でウェッジ露光し、その後下記表3に
示す現像液で38℃、30秒現像を行い、その後定着、水
洗、乾燥を行った。
こうして現像処理をして得られた結果を表4に示す。
表4より、塩化銀の含有率が60モル%未満である比較
の乳剤1,2を用いた試料1−1,1−2は、明室安全時間1
分以下、あるいは5分であって短く、製版作業上好まし
くなく、かつ硬調度においても品質は満足すべきもので
ない。またオスミウム化合物でなくロジウム化合物を含
有させた比較の乳剤3を用いた試料1−3も明室安全時
間が3分と短いものであり、硬調度も悪く、感度も必ず
しも十分ではない。これに対し、塩化銀含有率が60モル
%で、かつオスミウム化合物を含有させた本発明に係る
乳剤4,5を用いた本発明の試料1−4,1−5は、ヒドラジ
ン化合物によると考えられる硬調化が十分で品質がよ
く、しかも明室安全時間が十分である。
〔発明の効果〕
本発明によれば、ヒドラジン化合物によると考えられ
る硬調化が高品質な画像をを与える感光材料において十
分に達成され、かつ印刷用感光材料に適用した場合に
も、高品質で硬調な画像を与える明室返し用ハロゲン化
銀写真感光材料として具体化できるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも60モル%の塩化銀を含有し、か
    つハロゲン化銀1モル当たり水溶性オスミウム塩を1×
    10-9〜1×10-5モル含有し、かつ下記一般式(I)で示
    される化合物を少なくとも1種類含有する表面潜像型ハ
    ロゲン化銀乳剤層を少なくとも一層有することを特徴と
    する硬調な画像を与えるハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(I) R1NHNHCOR2 (式中R1はアリール基またはピリジル基を表し、これ
    は置換基を有するものも含む。またR2は水素原子或い
    は置換基を有してもよいフェニル基または炭素数1〜3
    のアルキル基を表す。)
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