JPH0810245Y2 - い草移植機の苗載台駆動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、い草苗を載置して横方向に往復動できると
ともにい草苗を縦送りすることができる各苗載台を駆動
自在にしたい草移植機の苗載台駆動装置に関する。

〔従来の技術〕

従来は、各植付ケースの上方に横設した苗取出し板の
上方には横方向に往復動自在の各苗載台を斜設して構成
するい草移植機において、前記苗載台を横方向に往復動
させる横送り軸に平行にして別に長い回転軸を軸架し、
前記苗載台上の縦送り装置を駆動する従動カムに接触自
在の縦送りカムを前記回転軸に設けるような構造になっ
ていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

したがって、そのように横送り軸の他に長い回転軸を
平行に横設するので、それぞれの軸受部が別個に設けら
れることになって、しかも、強度を確保させるため、そ
の部分の構造が大形で複雑となる、といった不具合を呈
していた。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、そのような不具合を解決し、堅牢で簡潔な
構造にして苗載台を良好に駆動できるようにしたもので
あり、そのため、各植付ケース（１）の上方に横設した
苗取出し板（２）の上方には横方向に往復動自在の各苗
載台（３）を斜設して構成するい草移植機において、各
苗載台（３）を横方向に往復動させるよう横架した横送
り軸（６）を前記伝動ケース（14）より横側方に延出し
て設け、各苗載台（３）を支持する一方のサイドフレー
ム（４）の下部に一体的に設けた枠板（５）を、前記横
送り軸（６）の一端側の植付ケース（１）の前部に固設
するとともに、前記苗載台（３）上の縦送り装置（Ｃ）
を駆動する従動カム（７）に接離自在の縦送りカム
（８）を枠板（５）部分に設けるとともに、前記横送り
軸（６）の一端部を枠板（５）部分で前記縦送りカム
（８）に伝動連結して構成するとともに、横送り軸
（６）の一端側にあたる植付ケース（１）の前部より横
外側方に突出する連結パイプ（36）を前記枠板（５）の
下部に嵌合して固設して構成し、前記連結パイプと前記
サイドフレームに支持された前記枠板（５）の外側面に
は下部を固定したＬ状ブラケット（39）を設けて、前記
枠板（５）側と該Ｌ状ブラケット（39）との間には軸
（42）を軸架するとともに前記従動カム（７）に係合で
きる縦送りカム（８）を嵌合固定して構成したものであ
る。

〔作用〕

したがって、横送り軸および縦送りカムを連動自在に
してサイドフレームの枠板にそれぞれ堅牢に軸架できる
ことになり、縦送りカムにより苗載台側の従動カムを確
実良好に回動させて縦送り装置を良好に駆動できること
になる。

〔実施例〕

次に、図面に示す実施例について説明する。

第２図はい草移植機の側面図を示し、ハンドル（９）
やシート（10）等を有する４輪形乗用車（Ｂ）の後方に
リンク機構（11）を介して移植措置（Ａ）を昇降自在に
連結するが、該移植装置（Ａ）は、各フロート（12）の
上方に架設した各植付部ケース（１）の後部には各植付
爪（13）をそれぞれ連設するとともに、前記乗用車
（Ｂ）より伝動される伝動ケース（14）の後方には横植
付ケース（１）の前部を伝動自在にしてそれぞれ連設
し、各植付ケース（１）の上方には各苗取出し口（2a）
を有する長い苗取出し板（２）を横設し、該苗取出し板
（２）の上方には、横方向に往復動自在となる各苗載台
（３）を斜設して構成する。

また、並設した各苗載台（３）は、上端部に屈曲延出
部（3a）を形成するとともに、底面が凹曲したその途中
部位には、い草苗を装填したカセット台（15）を着脱自
在にして嵌装し、両横枠（16a）（16b）と両縦枠（16
c）（16d）とをロ字状に枠組みしたその上方の横枠（16
a）と下方の横枠（16b）には各苗載台（３）の上下端部
をそれぞれ連結し、前記伝動ケース（14）の両横側方に
立設した左右の両サイドフレーム（4a）（４）の上方に
は前記横枠（16a）の下面に転接できるローラ（17）を
それぞれ架設して構成する。

各苗載台（３）に装備する縦送り装置（Ｃ）は、台下
方に横架した支軸（18）から各苗載台（３）の両側にそ
って延出する両アーム（34）の先端間には支持板（19）
を架着するとともに、該支持板（19）から櫛歯状シャッ
ターフォーク（20）を垂設し、支持板（19）の両側上部
には、シャッターフォーク（20）を下方に弾圧する引張
りばね（21）を連繋し、台下方に横架して両従動カム
（７）を間隔をおいて固設した軸（22）より両アーム
（23）を延設するとともに、両アーム（23）の先端に
は、前記両アーム（34）の下面に接触できるローラ（2
4）をそれぞれ軸架して構成する。

また、苗押し板（25）を前方に突設する移動台（26）
には、苗載台（３）の底面および両内側面にそれぞれ転
接できる各ローラ（27）を架設するとともに、移動台
（26）の上方から両外側方を通して苗載台（３）の下面
側に延出する連結枠（28）の下部には、苗載台（３）の
下面に転接できる両ローラ（27a）を軸架し、苗載台
（３）の傾斜下位側下方に架設した定圧ばねロール（2
9）から繰り出されて常に引き勝手に弾圧付勢されるば
ね帯（29a）の先端を前記連結枠（28）の下部に連繋
し、苗載台（３）の上端側上方に軸架して回転レバー
（30）により逆転させることができるラチェット（31）
付きの巻き取りリール（32）より繰り出すワイヤー（3
3）を前記移動台（26）に連繋して構成する。

前記シャッターフォーク（20）の上方側となる苗載台
（３）の両側面上方には突出部（3b）（3b）をそれぞれ
突設し、両突出部（3b）（3b）の上部間には、第９図に
示すようにシャッターフォーク（20）により縦送りを止
められるい草苗の茎葉部の上部にひっかかる丸棒の苗押
さえ棒（35）を架設して構成する。

右側となる前記サイドフレーム（４）の下部には枠板
（５）の前端縁を溶接により固設し、一端側の植付ケー
ス（１）の前部より横外側方に突出する連結パイプ（3
6）を前記枠板（５）の下部に嵌合して固設し、前記伝
動ケース（14）より横側方に延出して前記各苗載台
（３）を横方向に往復駆動することができるナピア軸の
横送り軸（６）の一端部を前記枠板（５）のメタル（3
7）に嵌挿するとともに、その一端部の先端にギヤ（3
8）を装着し、枠板（５）の外側面に下部を固定したＬ
状ブラケット（39）の上部にはメタル（40）を固設し、
枠板（５）側のメタル（41）と前記メタル（40）との間
に軸架した軸（42）には、前記ギヤ（38）に噛合するギ
ヤ（43）と、前記従動カム（７）に係合できる縦送りカ
ム（８）をそれぞれ嵌合固定して構成する。

したがって、カセット台（15）を苗載台（３）に嵌装
してい草苗を供給し、ばね帯（29a）の引っ張りにより
矢印（イ）方向に一定圧で押圧される苗押し板（25）に
よりい草苗を押圧して、第９図に示すように引張りばね
（21）により降下させるシャッターフォーク（20）が下
方側のい草苗を押さえて縦送りを停止させる状態で、横
送り軸（６）の回転により各苗載台（３）を横方向に移
動させながら、シャッターフォーク（20）と苗取出し板
（２）の前面との間のい草苗を植付爪（13）が１株分ず
つ掻き取り、田面に植付けることができることになる。

その状態で、横送り軸（６）の回転により縦送りカム
（８）は矢印（ロ）方向に回転することになるが、苗載
台（３）が横方向移動を停止して復動する際に、一方の
従動カム（７）が縦送りカム（８）に対面してそのまま
所定の角度だけ回転させられることになり、そこで、ロ
ーラ（24）（24）の上動によりシャッターフォーク（2
0）は上動させられて、再び降下する間に、苗載台
（３）上のい草苗は苗押し板（25）により縦送りされる
ことになる。

第12図および第13図は他の例を示し、前記実施例とは
同一符号で示すように略同様に構成するが、苗取出し板
（２）の下方に一体的に形成した支持枠（2b）の後面に
対面することになる苗載台（３）下方の横枠（16b）の
途中部位には、支持枠（2b）の後面に接触できるローラ
（44）を軸架したブラケット（45）を固設し、苗載台
（３）の荷重を受けるローラ（44）を支持枠（2b）の後
面に転動させて、摺動抵抗を軽減して苗載台（３）を横
方向に往復動させることができるように構成したもので
ある。

〔考案の効果〕 このように本考案は、各植付ケースの上方に横設した
苗取出し板の上方には横方向に往復動自在の各苗載台を
斜設して構成するい草移植機において、各苗載台を横方
向に往復動させるよう横架した横送り軸を前記伝動ケー
スより横側方に延出して設け、各苗載台を支持する一方
のサイドフレームの下部に一体的に設けた枠板を、前記
横送り軸の一端側の植付ケースの前部に固設するととも
に、前記苗載台上の縦送り装置を駆動する従動カムに接
離自在の縦送りカムを枠板部分に設けるとともに、前記
横送り軸の一端部を枠板部分で前記縦送りカムに伝動連
結して構成するとともに、横送り軸の一端側にあたる植
付ケースの前部より横外側方に突出する連結パイプを前
記枠板の下部に嵌合して固設して構成し、前記連結パイ
プと前記サイドフレームに支持された前記枠板の外側面
には下部を固定したＬ状ブラケット（39）を設けて、前
記枠板側と該Ｌ状ブラケットとの間には軸を軸架すると
ともに前記従動カムに係合できる縦送りカムを嵌合固定
して構成したから、横送り軸の一端と横送り軸により駆
動する縦送りカムと軸とを、植付ケースの前部より横外
側方に突出する連結パイプ、連結パイプとサイドフレー
ムに支持された枠板およびＬ状ブラケットにて堅牢堅固
に支持できることにより、横送り軸の支持が確実となり
横送りが安定するとともに、縦送りカムが従動カムを確
実に駆動することで縦送りを良好に行わせることができ
ることになり、また、それらの部分を小形の簡潔で軽量
のコンパクトな構造とすることができ、好適に実施でき
るすぐれた特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である要部の平面図、第２図は
い草移植機の側面図、第３図は要部の側面図、第４図は
第３図の一部の背面図、第５図は要部の一部の側面図、
第６図は苗載台の一部の上面図、第７図はその側面図、
第８図は第２図の一部の拡大図、第９図は第７図の一部
の側断面図、第10図は苗載台の上面図、第11図はその側
面図、第12図は他の例を示し、第13図は第13図の一部の
平断面図を示す。 （１）…植付ケース、（２）…苗取出し板 （３）…苗載台、（４）…サイドフレーム （５）…枠板、（６）…横送り軸 （Ｃ）…縦送り装置、（７）…従動カム （８）…縦送りカム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】各植付ケース（１）の上方に横設した苗取
   出し板（２）の上方には横方向に往復動自在の各苗載台
   （３）を斜設して構成するい草移植機において、各苗載
   台（３）を横方向に往復動させるよう横架した横送り軸
   （６）を前記伝動ケース（14）より横側方に延出して設
   け、各苗載台（３）を支持する一方のサイドフレーム
   （４）の下部に一体的に設けた枠板（５）を、前記横送
   り軸（６）の一端側の植付ケース（１）の前部に固設す
   るとともに、前記苗載台（３）上の縦送り装置（Ｃ）を
   駆動する従動カム（７）に接離自在の縦送りカム（８）
   を枠板（５）部分に設けるとともに、前記横送り軸
   （６）の一端部を枠板（５）部分で前記縦送りカム
   （８）に伝動連結して構成するとともに、横送り軸
   （６）の一端側にあたる植付ケース（１）の前部より横
   外側方に突出する連結パイプ（36）を前記枠板（５）の
   下部に嵌合して固設して構成し、前記連結パイプと前記
   サイドフレームに支持された枠板（５）の外側面には下
   部を固定したＬ状ブラケット（39）を設けて、前記枠板
   （５）側と該Ｌ状ブラケット（39）との間には軸（42）
   を軸架するとともに前記従動カム（７）に係合できる縦
   送りカム（８）を嵌合固定して構成したことを特徴とす
   るい草移植機の苗載台駆動装置。