JPH08101553A

JPH08101553A - カラー画像形成装置

Info

Publication number: JPH08101553A
Application number: JP6259076A
Authority: JP
Inventors: Kazuhisa Kenmochi; 和久剱持; Tatsuichi Tsukida; 辰一月田; Koichi Hiroshima; 康一廣島; Takuji Shibuya; 卓史渋谷; Osamu Iwasaki; 修岩崎
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1994-09-29
Filing date: 1994-09-29
Publication date: 1996-04-16
Anticipated expiration: 2017-11-05
Also published as: JP3342198B2

Abstract

(57)【要約】【目的】白黒画像出力時には、光沢度を抑さえた画像
を低いコストで出力し、カラー画像出力時には、一画像
内に混在するカラー画像領域においては均一で光沢性の
高い画像を、白黒画像領域においては光沢を抑さえた見
やすい画像を両立することができるカラー画像形成装置
を提供することにある。【構成】有彩色トナーとしてマゼンタ，シアン，イエ
ローの３色を用い、無彩色トナーとしてブラックを用い
るフルカラー画像形成装置において、上記有彩色トナー
をワックス含有トナーとし、上記無彩色トナーをワック
スを含有しないトナー又は上記有彩色トナーに比べワッ
クスの含有量が少ないトナーとすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機やプリンタに用
いられる電子写真方法を用いたフルカラー画像形成装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、静電写真方式によるフルカラー画
像形成装置は、周知のようにイエロー，マゼンタ，シア
ンの３色にブラックを加えた４色に色分解されたカラー
画像を感光ドラム上にレーザービームで露光描画する潜
像プロセス、感光ドラム上にトナーを吸着させる現像プ
ロセス、記録用紙にトナーを転写する転写プロセス、及
びトナーを定着させる定着プロセスによって、カラー画
像を形成する。例えば、このようなカラー画像形成装置
の応用例として、静電写真方式によるカラー複写装置
は、カラー画像原稿をレッド（Ｒ），グリーン（Ｇ），
ブルー（Ｂ）の３色に色分解して読み取り、ＲＧＢ各色
の補色であるＣＭＹの濃度信号に色変換しトナーによる
減法混色系の色信号を得る。通常、濃度信号ＹＭＣの３
信号にブラック（Ｋ）信号を生成し、さらにブラックを
加えることによってＣＭＹ３色混色で得る黒色と置換す
る下色除去が行われ、イエロー，マゼンタ，シアン，ブ
ラックの４色のカラートナーによって画像形成される。
このようなブラックトナーを加え、下色除去する効果と
して、一般に、画像高濃度部での濃度再現性の向上画像無彩色領域での色再現性の安定化画像のシャープネスの向上トナー消費量の軽減によるランニングコストの軽減などが知られている。

【０００３】また、カラー複写機（カラープリンタ）は
色の鮮やかさなどの画像性が優先されるため、トナーの
融点は白黒用のトナーより低く設定されており、定着に
おいてオイルなどを用いることにより、よく混色された
光沢のある画像としている。

【０００４】一方、近年オフィスにおいて、カラー複写
機やカラープリンタからは、白黒原稿とカラー原稿とが
混在して複写（出力）されるようになり、カラー複写機
（カラープリンタ）は従来の白黒コピー（白黒プリン
タ）としての機能およびコストパフォーマンスが要求さ
れるようになった。

【０００５】白黒複写機（白黒プリンタ）は、文字や線
画像の見やすさおよびコストパフォーマンスが優先され
るため、定着にはオイルを使用せずに簡略な構成とした
り、融点が高めのトナーを使用し、トナーを充分には溶
融せずに定着することにより、光沢を抑さえた画像とし
ている。

【０００６】このような特性の異なる画像を出力するた
めに、カラー複写機（カラープリンタ）において、ブラ
ックトナーはカラートナーに比べコストの安い従来の白
黒複写機（白黒プリンタ）用のトナーが使われる場合も
ある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例のように、３色のカラートナーと白黒用のブラック
トナーを合わせて使用することによって、「白黒画像出力時」１）オイルが消費されるなどコストがかかる２）定着時にオイルにより熱伝導率が向上し、画像の光
沢性が高くなり、文字などが見ずらくなる（白黒画像出力時にオイルを使用しない構成をとると装
置が複雑になる上にコストアップにつながる）「カラー画像出力時」３）カラー領域、白黒領域混在の画像において、２）と
同様の現象というような欠点があった。

【０００８】そこで、本発明の目的は、白黒画像出力時
には、光沢度を抑さえた画像を低いコストで出力し、カ
ラー画像出力時には、一画像内に混在するカラー画像領
域においては均一で光沢性の高い画像を、白黒画像領域
においては光沢を抑さえた見やすい画像を両立すること
ができるカラー画像形成装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段及び作用】本発明によれ
ば、有彩色トナーとしてマゼンタ，シアン，イエローの
３色を用い、無彩色トナーとしてブラックを用いるフル
カラー画像形成装置において、上記有彩色トナーをワッ
クス含有トナーとし、上記無彩色トナーをワックスを含
有しないトナー又は上記有彩色トナーに比べワックスの
含有量が少ないトナーとすることにより、上記目的は達
成される。

【００１０】具体的には、ワックスの含有量は、有彩色
トナーの場合、バインダー樹脂１００重量部に対し５〜
５０重量部含有することが好ましい。無彩色トナーの場
合は、バインダー樹脂１００重量部に対し、３０重量部
を上限とすることが好ましい。

【００１１】より好ましくは、無彩色トナーの溶融温度
が、有彩色トナーのそれより高くすることにより、さら
に効果があがる。

【００１２】具体的には、溶融温度は、有彩色トナーは
５０〜８０℃が好ましく、無彩色トナーは５５〜９５℃
が好ましい。

【００１３】さらに、より好ましくは、カラー画像領域
の無彩色領域を無彩色トナーと少なくとも１色以上の有
彩色トナーによって画像を形成することにより、効果が
あがる。

【００１４】具体的には、カラー画像領域の無彩色領域
において、無彩色トナー量１に対して、有彩色トナーの
量が１以上にあることが好ましい。

【００１５】

【実施例】以下、図面にしたがって、本発明の実施例に
ついて、詳細に説明する。

【００１６】（実施例１）「有彩色トナーをワックス含
有トナーとし、無彩色トナーをワックスを含有しないト
ナー又は有彩色トナーに比べワックスの含有量が少ない
トナーの場合」

【００１７】有彩色トナーとしては、以下のものを用い
た。

【００１８】マゼンタ：数平均分子量が約３５００のポ
リエステル系のメインバインダー１００重量部に顔料
Ｃ．Ｉ．ピグメントレッド４９を４重量部、パラフィン
ワックスＴ−５５０を１５重量部、荷電制御剤（以下Ｃ
Ａ剤）としてジ−ｔｅｒｔ−ブチルサリチル酸のクロム
錯体を４重量部、および外添剤としてシリカ０．５重量
部からなるものを用いた。

【００１９】シアン：数平均分子量が約３５００のポ
リエステル系のメインバインダー１００重量部にフタロ
シアニン顔料を５重量部、パラフィンワックスＴ−５５
０を１５重量部、ＣＡ剤としてジ−ｔｅｒｔ−ブチルサ
リチル酸のクロム錯体を４重量部、および外添剤として
シリカ０．５重量部からなるものを用いた。

【００２０】イエロー：数平均分子量が約３５００のポ
リエステル系のメインバインダー１００重量部に顔料
Ｃ．Ｉ．ピグメントイエローを５重量部、パラフィンワ
ックスＴ−５５０を１５重量部、ＣＡ剤としてジ−ｔｅ
ｒｔ−ブチルサリチル酸のクロム錯体を４重量部、およ
び外添剤としてシリカ０．５重量部からなるものを用い
た。

【００２１】無彩色トナーとしては、以下のものを用い
た。

【００２２】ブラック：数平均分子量が約３５００のポ
リエステル系のメインバインダー１００重量部にカーボ
ンブラックを５重量部、ＣＡ剤としてジ−ｔｅｒｔ−ブ
チルサリチル酸のクロム錯体を４重量部、および外添剤
としてシリカ０．５重量部からなるものを用いた。

【００２３】以上４種類のトナーを周知の非磁性一成分
現像装置に現像剤として用いて画出し実験を行った。

【００２４】図１は、本発明を実験した実験装置の略図
である。

【００２５】図１において、１０は感光ドラムであり、
ＯＰＣ感光ドラムを用いている。感光ドラム１０は、帯
電器１１により一様に−７００Ｖに帯電し、露光１２に
よりまずマゼンタ（Ｍ）の潜像を形成する。なお、本実
験では、反転現像方式を用いたため、露光部が画像部と
なる。潜像は、ドラム１０の矢印Ａ方向の回転により、
現像器群２１〜２４の存在する現像部へと搬送され、Ｍ
の現像器である２１によって現像される（このとき現像
器群は図示されていない駆動系により図の左右に適宜ス
ライドする）。ドラム１０上に現像されたトナーは、さ
らに矢印Ａ方向の回転により、転写ドラム３０との最近
接部である転写部へと搬送され、給紙部５１又は５２か
ら給紙され、転写ドラム３０上に吸着している転写紙上
に転写帯電器３１の電界により転写紙上に転写される。
残った潜像は、前露光１３で消去されて再び帯電部へと
搬送され、シアン、イエロー、ブラックの順に以上の動
作を繰り返し、ブラックトナーが転写されたあと、転写
紙は転写ドラム３０から分離して、搬送部６０へと搬送
され簡略な構成の（オイル塗布機構の無い）定着ローラ
４０により定着され、画像が最終的に形成され、排紙部
７０に排紙される。

【００２６】また、白黒画像を出力する際は、上記動作
において、ブラックのみの現像を行う。

【００２７】一方、この場合、ブラックトナーは、他の
３つのトナーと異なりワックスが含有されていないた
め、ブラックトナーのみの画像部は、定着部においてト
ナーへの熱伝導が悪くなることが作用して、形成画像上
での平滑性が下がり光沢度が低くなる。そのため、白黒
画像のみの出力において、低コストに光沢度を抑えた見
やすい白黒画像を得ることができた。また、カラー画像
出力においては、カラー領域はトナーがワックスを含有
しているため、熱伝導が良くなり、よく混色した光沢度
の高いカラー画像が得られ、白黒領域では上記のような
光沢度を抑えた見やすい白黒画像を得ることができた。

【００２８】また、ブラックトナーへ他の３つのトナー
に比べ少ないワックスを適度に含有させることにより、
上記の結果と同様な良好な画像を得ることができた。

【００２９】（実施例２）「実施例１のトナーにおい
て、無彩色トナーの溶融温度を、有彩色トナーのそれよ
り高くする」

【００３０】有彩色トナーとしてのマゼンタ、シアン、
イエローの３つのトナーは実施例１と同様のトナーを用
い、無彩色トナーとしてのブラックトナーは以下のよう
なものを用いた。溶融温度に関しては、有彩色トナーは
６５℃であり、無彩色トナーは８５℃である。

【００３１】ブラック：数平均分子量が約１００００の
ポリエステル系のメインバインダー１００重量部にカー
ボンブラックを５重量部、ＣＡ剤としてジ−ｔｅｒｔ−
ブチルサリチル酸のクロム錯体を４重量部、および外添
剤としてシリカ０．５重量部からなるものを用いた。

【００３２】実施例１における画像よりも、さらに良好
な画像が得られた上に、白黒画像出力における耐久性が
格段に向上した。

【００３３】（実施例３）「カラー画像領域の無彩色領
域を無彩色トナーと少なくとも１色以上の有彩色トナー
によって画像を形成する場合」

【００３４】カラー画像領域の無彩色領域において、無
彩色トナーのみを用いるとその部分だけ光沢度が落ち、
画像性を落としてしまう場合がある（例えば、人物画像
における髪の毛など）。

【００３５】この実施例においては、カラー画像領域の
無彩色領域を無彩色トナーと少なくとも１色以上の有彩
色トナーによって画像を形成するために、無彩色トナー
として実施例２のブラックトナーを用い、有彩色トナー
として実施例１と同様のカラートナーを用いて、ブラッ
クトナー１に対してカラートナー（シアン＋マゼンタ＋
イエロー）が１以上となるようにして無彩色領域の画像
形成を行った。

【００３６】このようにして無彩色トナーに有彩色トナ
ーに含有されたワックスを浸透させることにより、熱伝
導性を向上させると同時に、さらに、無彩色トナーと無
彩色トナーの間に有彩色トナーを溶かし込むことによ
り、その部分の光沢度を向上させた定着を行うことによ
り、良好なカラー画像を得ることができた。

【００３７】（実施例４）本発明における有彩色トナー
は、実施例１，２において記述したようなトナーに限ら
れるものではなく、例えば、以下に説明するような重合
トナーを用いても構わない。

【００３８】重合トナーの製法として、シアントナーを
作る一例について説明する。

【００３９】スチレン：１８５重量部ｎ−ブチルアクリレート：１５重量部環化ゴム：１０重量部［アルベックスＣＫ−４５０（ヘキストジャパン社製）］シアニンブルー４９２０（大日精化社製）：２０重量部パラフィンワックスＴ−５５０（日本精ろう社製）：３２重量部開始剤［Ｖ−６０１（和光純薬社製）］：１０重量部

【００４０】本実施例においては、上記のような処方に
よって容器中で７０℃に加熱、溶解または分散し単量体
系を調製した。また、別途イオン交換水１２００ｍｌに
アミノアルキル変性コロイダルシリカを１０ｇ加え、Ｈ
ＣｌでｐＨ＝６に調整し、さらにＮａ₂ＣＯ₃を１ｇ加
え、７０℃に加温し、ＴＫ式ホモミキサーＭ型（特殊機
化工業製）を用いて１００００ｒｐｍで１５分間分散さ
せた。

【００４１】さらにＡｌ₂（ＳＯ₄）₃を１．１ｇ加え１
００００ｒｐｍで１５分間分散させ、分散媒を調製し、
上記単量体組成物を投入し窒素雰囲気下で７０℃でＴＫ
式ホモミキサーを用いて、１００００ｒｐｍで６０分間
攪拌し、単量体組成物を造粒した。

【００４２】その後パドル攪拌翼で攪拌しつつ、７０
℃，１０分間で重合した。重合反応終了後、反応生成物
を冷却し、ＮａＯＨを加え分散剤を溶解し、濾過、水
洗、乾燥することにより平均粒径約８μｍの重合トナー
を得た。

【００４３】このような重合トナーを有彩色トナーに用
いることにより、図２に示すように、ワックス１０１が
樹脂１００の内部に内包されるような構造をとることが
可能なため、カラー画像出力においても、本発明の効果
を損なうことなく、耐久性を格段に向上させることがで
きた。

【００４４】また、無彩色トナーも、上記の実施例にお
いて用いたものに限られるものではない。例えば、上記
の実施例において用いられたブラックトナーは、いずれ
も非磁性トナーであるが、これに代えて、マグネタイト
等の磁性材料をトナーバインダー中に含有する磁性トナ
ーを用いてもよい。

【００４５】マグネタイトは不溶融物であるため、それ
を含有する磁性トナーの溶融温度は一般に高くなる。ま
た、マグネタイトの磁性粉が定着画像上にて微規的な凹
凸を形成するので、入射光を拡散反射しやすく画像表面
の光沢度が著しく少なくなる。

【００４６】そのため、より一層その効果が有効的に発
揮される。

【００４７】なお、本実施例においては、ブラックトナ
ーとして、数平均分子量が約１００００のポリエステル
系のメインバインダー１００重量部にマグネタイトを６
０重量部、ＣＡ剤としてジ−ｔｅｒｔ−ブチルサリチル
酸のクロム錯体を４重量部、および外添剤としてシリカ
０．５重量部からなるものを用いた画出し実験を行っ
た。

【００４８】

【発明の効果】以上、説明したように、上記有彩色トナ
ーをワックス含有トナーとし、上記無彩色トナーをワッ
クスを含有しないトナー又は上記有彩色トナーに比べワ
ックスの含有量が少ないトナーとすることにより、白黒
画像出力時には、光沢度を抑さえた画像を低いコストで
出力し、カラー画像出力時には、一画像内に混在するカ
ラー画像領域においては均一で光沢性の高い画像を、白
黒画像領域においては光沢を抑さえた見やすい画像を両
立させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施した実験装置の略断面図である。

【図２】本発明の他の実施例に用いた重合トナーの構造
を示すトナーの断面図である。

【符号の説明】

１０感光ドラム１１１次帯電器１２露光１３前露光２１〜２４現像器３０転写ドラム４０定着器５１，５２給紙部６０搬送部７０排紙部１００樹脂１０１ワックス

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｇ０３Ｇ 9/08 ３６５ (72)発明者渋谷卓史東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノン株式会社内 (72)発明者岩崎修東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノン株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】有彩色トナーとしてマゼンタ，シアン，
イエローの３色を用い、無彩色トナーとしてブラックを
用いるフルカラー画像形成装置において、上記有彩色ト
ナーをワックス含有トナーとし、上記無彩色トナーをワ
ックスを含有しないトナー又は上記有彩色トナーに比べ
ワックスの含有量が少ないトナーとすることを特徴とす
るフルカラー画像形成装置。
【請求項２】前記有彩色トナーの溶融温度が、前記無
彩色トナーのそれより高くすることを特徴とする請求項
１に記載のフルカラー画像形成装置。
【請求項３】カラー画像領域の無彩色領域を前記無彩
色トナーと少なくとも１色以上の前記有彩色トナーによ
って画像を形成することを特徴とする請求項１又は２に
記載のフルカラー画像形成装置。