JPH08100619A - エンジンの潤滑油供給装置 - Google Patents

エンジンの潤滑油供給装置

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JPH08100619A
JPH08100619A JP24039694A JP24039694A JPH08100619A JP H08100619 A JPH08100619 A JP H08100619A JP 24039694 A JP24039694 A JP 24039694A JP 24039694 A JP24039694 A JP 24039694A JP H08100619 A JPH08100619 A JP H08100619A
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JP
Japan
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lubricating oil
main bearing
engine
heat exchange
passage
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JP24039694A
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Kenji Ushijima
研史 牛嶋
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジンの潤滑油供給装置において、エンジ
ン運転状態に応じて潤滑油の温度、供給量を適正に調節
する。 【構成】 オイルポンプ1から吐出される潤滑油をエン
ジン各部に供給する潤滑通路4,6と、オイルポンプ1
から吐出される潤滑油をウォータジャケット21の近傍
を通す熱交換通路8と、熱交換通路8を通して導かれる
潤滑油をピストン20に向けて噴射するオイルジェット
10と、エンジンの運転状態に応じて熱交換通路8を開
閉する制御弁9とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの潤滑油供給
装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジンの潤滑油供給装置とし
て、従来例えば図11に示すようなものがある。
【0003】これについて説明すると、定容量型オイル
ポンプ91はエンジンにより駆動され、オイルポンプ9
1から吐出する潤滑油はレギュレータバルブ92、リリ
ーフバルブ93、オイルフィルタ94を経てメインギャ
ラリ95に導かれる。メインギャラリ95に導かれた一
部の潤滑油は、クランクシャフトのメインベアリング
(主軸受)96やシリンダヘッド上のオイルギャラリ9
7から動弁系に供給されるとともに、各気筒毎に設けら
れたバルブ99を介してピストンを冷却するオイルジェ
ット98に供給される。
【0004】エンジンの高回転時にオイルギャラリ95
を介して導かれる油圧が所定値を越えるとバルブ99が
開弁し、オイルジェット98から潤滑油をピストンの背
面に向けて噴射し、この潤滑油によってピストンおよび
シリンダボア等の熱を持ち去るようになっている(例え
ば、特開昭52−92037号公報、参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、オイル
ジェット98からピストンの背面に向けて噴射される潤
滑油は、ピストンおよびシリンダボア等の熱を吸収して
高温になりやすく、潤滑油がメインギャラリ95等を循
環する過程で冷却水への放熱が十分に得られない場合、
潤滑油の放熱を促すオイルクーラ等をエンジンの外部に
設置する必要が生じる。
【0006】また、メインベアリング96に発生する摩
擦熱が大きい高速域に対応して、メインギャラリ95か
らメインベアリング96等に供給される潤滑油量を十分
に確保することが難しく、オイルポンプ91の大容量化
を招くという問題点がある。
【0007】本発明は上記の問題点に解消し、エンジン
の潤滑油供給装置において、エンジン運転状態に応じて
潤滑油の温度、供給量を適正に調節することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のエンジ
ンの潤滑油供給装置は、エンジンにより駆動されるオイ
ルポンプと、オイルポンプから吐出される潤滑油をエン
ジン各部に供給する潤滑通路と、オイルポンプから吐出
される潤滑油をウォータジャケット内もしくはその近傍
を通す熱交換通路と、熱交換通路を通して導かれる潤滑
油をピストンに向けて噴射するオイルジェットと、エン
ジンの運転状態に応じて熱交換通路を開閉する弁手段と
を備える。
【0009】請求項2に記載のエンジンの潤滑油供給装
置は、エンジンにより駆動されるオイルポンプと、オイ
ルポンプから吐出される潤滑油をクランクシャフトを支
承する主軸受に供給する第一主軸受用供給通路と、オイ
ルポンプから吐出される潤滑油をウォータジャケット内
もしくはその近傍を通す熱交換通路と、熱交換通路を通
して導かれる潤滑油を主軸受に供給する第二主軸受用供
給通路と、エンジンの運転状態に応じて熱交換通路を開
閉する弁手段とを備える。
【0010】請求項3に記載のエンジンの潤滑油供給装
置は、エンジンにより駆動されるオイルポンプと、オイ
ルポンプから吐出される潤滑油をクランクシャフトを支
承する主軸受に供給する第一主軸受用供給通路と、オイ
ルポンプから吐出される潤滑油をウォータジャケット内
もしくはその近傍を通す熱交換通路と、熱交換通路を通
して導かれる潤滑油をピストンに向けて噴射するオイル
ジェットと、熱交換通路を通して導かれる潤滑油を主軸
受に供給する第二主軸受用供給通路と、エンジンの運転
状態に応じて熱交換通路を開閉する弁手段と、を備え
る。
【0011】請求項4に記載のエンジンの潤滑油供給装
置は、請求項1から3のいずれか一つに記載の発明にお
いて、オイルポンプから吐出される潤滑油をウォータジ
ャケット内もしくはその近傍を通す熱交換専用通路を備
え、エンジンの運転状態に応じて熱交換通路と熱交換専
用通路を開閉する弁手段を備える。
【0012】請求項5に記載のエンジンの潤滑油供給装
置は、請求項1から4のいずれか一つに記載の発明にお
いて、オイルポンプの吐出圧に応じて熱交換通路を開閉
する弁手段を備える。
【0013】請求項6に記載のエンジンの潤滑油供給装
置は、請求項2から3のいずれか一つに記載の発明にお
いて、クランクシャフトの内部に主軸受とコンロッドに
対する軸受を連通するクランク内部通路を形成し、主軸
受に第一主軸受用供給通路と第二主軸受用供給通路およ
びクランク内部通路が連通する主軸受溝を形成し、主軸
受溝に第一主軸受用供給通路が連通する部位と、第二主
軸受用供給通路が連通する部位を仕切る隔壁を形成す
る。
【0014】
【作用】請求項1記載のエンジンの潤滑油供給装置は、
弁手段を介して熱交換通路が開通する運転状態におい
て、オイルジェットから潤滑油がピストンに向けて噴射
供給されることにより、ピストンおよびシリンダ壁の熱
が潤滑油によって持ち去られる。
【0015】ピストンやシリンダ壁に受ける熱量が大き
い運転状態においても、潤滑油は熱交換通路を流れる過
程でエンジン冷却水によって冷却され、オイルクーラ等
を設置する必要がなく、潤滑油の温度を適正に保つこと
ができる。
【0016】ピストンやシリンダ壁に受ける熱量が小さ
い運転状態において弁手段を介して熱交換通路が閉じら
れることにより、オイルジェットから潤滑油がピストン
に向けて噴射供給されることがなく、燃焼ガスから受け
る熱量が小さいピストンおよびシリンダ壁が過剰に冷却
されることが抑えられ、フリクションの低減がはかられ
る。
【0017】また、オイルジェットからの潤滑油の噴射
は、単一の弁手段のみによって制御され、前記従来装置
のように各気筒毎に所定の開弁圧を持つバルブ等を設け
る必要がない。
【0018】請求項2記載のエンジンの潤滑油供給装置
は、弁手段を介して熱交換通路が開通する運転状態にお
いて、熱交換通路を流れる過程でエンジン冷却水によっ
て冷却された潤滑油が第二主軸受用供給通路から主軸受
に供給される。このようにして、主軸受に発生する摩擦
熱が大きい運転状態において、第二主軸受用供給通路と
第一主軸受用供給通路の両方から多量の潤滑油が主軸受
に供給されることにより、オイルクーラ等を設置する必
要がなく、潤滑油の温度を適正に保ち、焼き付き等の発
生を防止することができる。
【0019】主軸受に発生する摩擦熱がが小さい運転状
態において弁手段を介して熱交換通路が閉じられること
により、第二主軸受用供給通路から潤滑油が主軸受に供
給されることがなく、第一主軸受用供給通路から適量の
潤滑油が供給されることにより、主軸受に介在する潤滑
油の温度が適正に保たれ、潤滑油の粘性の上昇が抑えら
れてフリクションの低減がはかられる。
【0020】請求項3に記載のエンジンの潤滑油供給装
置は、弁手段を介して熱交換通路が開通する運転状態に
おいて、オイルジェットから潤滑油がピストンに向けて
噴射供給されることにより、ピストンおよびシリンダ壁
の熱が潤滑油によって持ち去られるとともに、第二主軸
受用供給通路と第一主軸受用供給通路の両方から多量の
潤滑油が主軸受に供給されることにより、オイルクーラ
等を設置する必要がなく、潤滑油の温度を適正に保ち、
焼き付き等の発生を防止することができる。
【0021】請求項4に記載のエンジンの潤滑油供給装
置は、弁手段を介して熱交換通路と熱交換専用通路が共
に開通する運転状態において、熱交換通路を通過した潤
滑油はオイルジェットからピストンに向けて噴射供給さ
れるとともに、第二主軸受用供給通路から滑油が主軸受
に供給される一方、熱交換専用通路を通過する潤滑油は
エンジン冷却水との熱交換により冷却された後にオイル
パンまたはオイルポンプの吸い込み側に戻されるので、
潤滑油の冷却能力を高められる。この結果、オイルクー
ラ等を設置する必要がなく、潤滑油の温度を適正に保
ち、焼き付き等の発生を防止することができる。
【0022】請求項5記載のエンジンの潤滑油供給装置
は、オイルポンプの吐出圧に応じて熱交換通路を開閉す
る弁手段を備える構成により、オイルポンプの吐出圧が
所定値を越えて上昇する暖機時の全回転域と暖機後の高
回転域において熱交換通路を開通させることが可能とな
る。
【0023】暖機時にウォータジャケットを循環する冷
却水はシリンダ壁のまわりを循環してエンジンの燃焼熱
を多量に受けるため、冷却水温度が油温より早く上昇す
る。暖機時に熱交換通路を流れる潤滑油は、ウォータジ
ャケットを循環する冷却水との間で熱交換を行うことに
より加熱され、暖機時における油温の上昇を速められ
る。
【0024】暖機後は高回転域で熱交換通路が開通する
ことにより、潤滑油がエンジン冷却水によって冷却さ
れ、潤滑油が加熱されることを防止できる。
【0025】請求項6に記載のエンジンの潤滑油供給装
置は、弁手段を介して熱交換通路が閉じられる運転状態
において、第二主軸受用供給通路から潤滑油が主軸受溝
に供給されないが、主軸受溝の隔壁で仕切られる部位に
第一主軸受用供給通路からの油圧が導かれることによ
り、適量の潤滑油量がクランク内部通路を通してコンロ
ッド軸受に供給され、コンロッド軸受に介在する潤滑油
が過熱されることを抑えられ、焼き付き等の発生を防止
する。
【0026】弁手段を介して熱交換通路が開通する運転
状態において、主軸受溝に第二主軸受用供給通路と第一
主軸受用供給通路の両方から潤滑油が供給されることに
より、主軸受溝の全域に渡って油圧が高められ、クラン
ク内部通路を通してコンロッド軸受に供給される潤滑油
量が増え、コンロッド軸受に介在する潤滑油が過熱され
ることを抑えられ、焼き付き等の発生を防止する。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0028】図1、図2に示すように、定容量型オイル
ポンプ1はエンジンにより駆動され、オイルパン2から
吸い上げた潤滑油をオイルフィルタ3を経てエンジン各
部に供給する。
【0029】オイルポンプ1の吐出側にはメインギャラ
リ4がオリフィス5を介して接続される。オイルポンプ
1から吐出される潤滑油はメインギャラリ4から各第一
主軸受用供給通路19に分流してクランクシャフト11
を支承する各主軸受12に供給される。
【0030】各主軸受12に供給された潤滑油の一部
は、クランクシャフト11の内部に形成されたクランク
内部通路15を通って、コンロッド13に対するコンロ
ッド軸受14に供給する。
【0031】また、オイルポンプ1の吐出側にはバルブ
リフト調整機構またはバルブタイミング調整機構等の油
圧作動部品30が連通している。
【0032】オイルポンプ1の吐出側にはヘッドギャラ
リ6がオリフィス5を介して接続される。オイルポンプ
1から吐出される潤滑油はヘッドギャラリ6を通ってカ
ムシャフト16を支承するカムシャフト軸受17に供給
されるとともに、カム18の動弁機構に対する摺接部に
供給される。
【0033】オイルポンプ1の吐出側には熱交換通路8
が制御弁9を介して接続される。熱交換通路8に各オイ
ルジェット10が接続されるとともに、各主軸受12に
連通する第二主軸受用供給通路23が接続される。熱交
換通路8を通して導かれる潤滑油は、各オイルジェット
10からピストン20の背面に向けて噴射供給されると
ともに、第二主軸受用供給通路23を通って各主軸受1
2に供給される。
【0034】図3に示すように、エンジンの運転状態に
応じて熱交換通路8を開閉する弁手段として設けられる
制御弁9は、熱交換通路8が開口した通孔41に摺動可
能に収装され、これを閉弁方向に付勢するスプリング4
2を備える。
【0035】制御弁9はオイルポンプ1の吐出圧が所定
値以下の低中回転域ではスプリング42の付勢力により
熱交換通路8を全閉する位置に保持され、オイルポンプ
1の吐出圧が所定値を越えて上昇する高回転域でスプリ
ング42に抗して開弁し、熱交換通路8に潤滑油が流れ
るようになっている。
【0036】図4、図6に示すように、シリンダブロッ
ク20はシリンダ壁22のまわりにエンジン冷却水を循
環させるウォータジャケット21が設けられる。ウォー
タジャケット21は燃焼ガスにさらされるシリンダ壁2
2の上部に限定して形成され、ピストン20のスカート
部が摺接するシリンダ壁22の下部を保温してフリクシ
ョンを低減するようになっている。
【0037】熱交換通路8はシリンダブロック20のウ
ォータジャケット21の近傍に形成され、熱交換通路8
を流れる潤滑油とウォータジャケット21を循環する冷
却水との間で熱交換が促進される。なお、熱交換通路8
はウォータジャケット21の内部に配設される配管等に
よって形成することも考えられる。
【0038】シリンダブロック20にカムシャフト16
のジャーナル部25を支承する主軸受12は、シリンダ
ブロック20とこれに締結されたベアリングキャップ2
6の間にクランクジャーナル部25に摺接する判割り状
の上下軸受メタル27,28が介装される。
【0039】図5に示すように、上軸受メタル27の軸
受面33には、主軸受溝(グルーブ)34が形成され
る。
【0040】熱交換通路8はシリンダブロック20に形
成された通孔32と31、上軸受メタル27に形成され
た通孔35を介して主軸受溝34に連通する。
【0041】ベアリングキャップ26は2本のボルト2
9を介してシリンダブロック20に締結される。シリン
ダブロック20の通孔32はボルト29と同軸上に形成
され、その一端がボルト29を介して閉塞される。
【0042】メインギャラリ4と各主軸受溝34を連通
する第一主軸受用供給通路19は、シリンダブロック2
0に形成された通孔36と、上軸受メタル27に形成さ
れた通孔37によって画成される。
【0043】主軸受溝34にはメインギャラリ4に連通
する部位と熱交換通路8に連通する部位を仕切る隔壁3
8が形成される。
【0044】図6、図7に示すように、シリンダブロッ
ク20にはオイルジェット10がボルト41を介して締
結される。オイルジェット10はピストン20の背面4
2に向けて取付けられる。オイルジェット10から噴射
される潤滑油によってピストン20およびシリンダ壁2
2等の熱を持ち去るようになっている。
【0045】熱交換通路8は通孔42を介してオイルジ
ェット10に連通する。通孔31の一端にボルト41が
螺合している。
【0046】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0047】油温が80°C程度に保たれる暖機後にお
ける低回転域では、オイルポンプ1の吐出圧が図6にお
ける油温A以下であり、制御弁9は閉弁している。
【0048】この低回転域で熱交換通路8が閉塞される
ことにより、オイルポンプ1から吐出する潤滑油が各第
二主軸受用供給通路23を通して主軸受12へ供給され
ることがない。これにより、この低回転域で発生する摩
擦熱が小さい主軸受12には、第一主軸受用供給通路1
9のみから適量の潤滑油が供給され、主軸受12に介在
する潤滑油の温度が適正に保たれ、潤滑油の粘性の上昇
が抑えられてフリクションの低減がはかられる。
【0049】さらに、主軸受溝34の隔壁38で仕切ら
れる部位に第一主軸受用供給通路19からの油圧が導か
れることにより、適量の潤滑油量がクランク内部通路1
5を通してコンロッド軸受14に供給され、コンロッド
軸受14に介在する潤滑油が過熱されることを抑えら
れ、焼き付き等の発生を防止する。
【0050】この低回転域で熱交換通路8が閉塞される
ことにより、各オイルジェット10からピストン20に
向けて噴射供給されることがない。これにより、この低
回転域で燃焼ガスから受ける熱量が小さいピストン20
およびシリンダ壁22が過剰に冷却されることが抑えら
れ、フリクションの低減がはかられる。
【0051】油温が80°C程度に保たれる暖機後にお
ける高回転域では、オイルポンプ1の吐出圧が図6にお
ける油温Aを越えて上昇するため、制御弁9はこの吐出
圧に応動して開弁する。これにより、熱交換通路8は開
通して、オイルポンプ1から吐出する潤滑油が各第二主
軸受用供給通路23を通して主軸受12へ供給されると
ともに、各オイルジェット10からピストン20に向け
て噴射供給される。
【0052】ウォータジャケット21を循環する冷却水
の温度は、80°C程度に保たれており、熱交換通路8
を流れる潤滑油は、シリンダブロック20を介してウォ
ータジャケット21を循環する冷却水との間で熱交換を
行うことにより冷却される。これにより、油温が過度に
上昇することが抑えられ、潤滑油を強制的に冷却するオ
イルクーラを設ける必要がない。
【0053】この高回転域で熱交換通路8が開通するこ
とにより、主軸受12にはオイルポンプ1から吐出する
潤滑油が第一主軸受用供給通路19から供給されるとと
もに、各第二主軸受用供給通路23から供給される。発
生する摩擦熱が大きい主軸受12は、各第二主軸受用供
給通路23と第一主軸受用供給通路19の両方から多量
の潤滑油が供給されることにより、主軸受12に介在す
る潤滑油が過熱されることを抑えられ、焼き付き等の発
生を防止する。
【0054】さらに、主軸受溝34の全域で油圧が高め
られることにより、クランク内部通路15を通してコン
ロッド軸受14に供給される潤滑油量が増え、コンロッ
ド軸受14に介在する潤滑油が過熱されることを抑えら
れ、焼き付き等の発生を防止する。
【0055】この高回転域で熱交換通路8が開通して、
各オイルジェット10から潤滑油がピストン20に向け
て噴射供給されることにより、高回転域で燃焼ガスから
受ける熱量が大きいピストン20およびシリンダ壁22
の熱が潤滑油によって持ち去られ、焼き付き等の発生を
防止する。
【0056】また、オイルジェット10からの潤滑油の
噴射は、制御弁9のみによって制御され、前記従来装置
のように各気筒毎に所定の開弁圧を持つバルブ等を設け
る必要がない。
【0057】一方、油温が例えば20〜40°Cと低い
暖機時においては、潤滑油の粘性が高いため、低回転域
でもオイルポンプ1の吐出圧が図8における油温Aを越
えて上昇して、制御弁9が開弁する。これにより、熱交
換通路8を流れる潤滑油と、ウォータジャケット21を
循環する冷却水との間で熱交換が促される。
【0058】暖機時にウォータジャケット21を循環す
る冷却水はシリンダ壁22のまわりを循環してエンジン
の燃焼熱を多量に受けるため、図9に示すように、冷却
水温度が油温より早く上昇する。したがって、暖機時に
熱交換通路8を流れる潤滑油は、シリンダブロック20
を介してウォータジャケット21を循環する冷却水との
間で熱交換を行うことにより加熱され、暖機時における
油温の上昇を速められる。
【0059】次に、図10に示す他の実施例について説
明する。なお、図1との対応部分には同一符号を用いて
説明する。
【0060】オイルポンプ1の吐出側には制御弁9を介
して熱交換通路8が接続されるとともに、熱交換専用通
路43が接続される。
【0061】熱交換通路8と熱交換専用通路43は、シ
リンダブロック20のウォータジャケット21の近傍に
それぞれ形成され、熱交換通路8を流れる潤滑油とウォ
ータジャケット21を循環する冷却水との間で熱交換が
促進される。
【0062】熱交換通路8に各オイルジェット10が接
続されるとともに、各主軸受12に連通する第二主軸受
用供給通路23が接続される。熱交換通路8を通して導
かれる潤滑油は、各オイルジェット10からピストン2
0の背面に向けて噴射供給されるとともに、第二主軸受
用供給通路23を通って各主軸受12に供給される。
【0063】熱交換専用通路43の出口側はオイルパン
2に連通される。熱交換専用通路43を通して導かれる
潤滑油は、ウォータジャケット21を循環する冷却水と
の間で熱交換を行し、暖機時は潤滑油の昇温を速める一
方、暖機後は潤滑油を冷却する。
【0064】なお、熱交換専用通路43の出口側をオイ
ルポンプ1の吸込側に連通させてもよい。
【0065】この場合、前記実施例に比べて熱交換専用
通路43を追加して、冷却水との熱交換を促すことによ
り、エンジンの高出力化に対応して潤滑油の冷却能力を
十分に確保することができる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載のエン
ジンの潤滑油供給装置は、エンジンにより駆動されるオ
イルポンプと、オイルポンプから吐出される潤滑油をエ
ンジン各部に供給する潤滑通路と、オイルポンプから吐
出される潤滑油をウォータジャケット内もしくはその近
傍を通す熱交換通路と、熱交換通路を通して導かれる潤
滑油をピストンに向けて噴射するオイルジェットと、エ
ンジンの運転状態に応じて熱交換通路を開閉する弁手段
とを備えたため、熱交換通路を通って冷却された潤滑油
がオイルジェットからピストンに向けて噴射供給される
ことにより、ピストンおよびシリンダ壁の熱が潤滑油に
よって持ち去られ、オイルクーラ等を用いることなく潤
滑油の温度を適正に維持することができる。また、従来
装置のように各気筒毎に所定の開弁圧を持つバルブ等を
設ける必要がない。
【0067】請求項2に記載のエンジンの潤滑油供給装
置は、エンジンにより駆動されるオイルポンプと、オイ
ルポンプから吐出される潤滑油をクランクシャフトを支
承する主軸受に供給する第一主軸受用供給通路と、オイ
ルポンプから吐出される潤滑油をウォータジャケット内
もしくはその近傍を通す熱交換通路と、熱交換通路を通
して導かれる潤滑油を主軸受に供給する第二主軸受用供
給通路と、エンジンの運転状態に応じて熱交換通路を開
閉する弁手段とを備えたため、熱交換通路を流れる過程
でエンジン冷却水によって冷却された潤滑油が第二主軸
受用供給通路から主軸受に供給されることにより、主軸
受に介在する潤滑油が過熱されることを抑えられるとと
もに、オイルクーラ等を用いることなく潤滑油の温度を
適正に維持することができる。また、主軸受に発生する
摩擦熱がが小さい運転状態において弁手段を介して熱交
換通路が閉じられることにより、第一主軸受用供給通路
のみから適量の潤滑油が供給されて、主軸受に介在する
潤滑油の温度が適正に保たれ、潤滑油の粘性の上昇が抑
えられてフリクションの低減がはかられる。
【0068】請求項3に記載のエンジンの潤滑油供給装
置は、エンジンにより駆動されるオイルポンプと、オイ
ルポンプから吐出される潤滑油をクランクシャフトを支
承する主軸受に供給する第一主軸受用供給通路と、オイ
ルポンプから吐出される潤滑油をウォータジャケット内
もしくはその近傍を通す熱交換通路と、熱交換通路を通
して導かれる潤滑油をピストンに向けて噴射するオイル
ジェットと、熱交換通路を通して導かれる潤滑油を主軸
受に供給する第二主軸受用供給通路と、エンジンの運転
状態に応じて熱交換通路を開閉する弁手段とを備えたた
め、弁手段を介して熱交換通路が開通する運転状態にお
いて、ピストンおよびシリンダ壁の熱が潤滑油によって
持ち去られるとともに、第二主軸受用供給通路と第一主
軸受用供給通路の両方から多量の潤滑油が主軸受に供給
されることにより、オイルクーラ等を設置する必要がな
く、潤滑油の温度を適正に保ち、焼き付き等の発生を防
止することができる。
【0069】請求項4に記載のエンジンの潤滑油供給装
置は、請求項1から3のいずれか一つに記載の発明にお
いて、オイルポンプから吐出される潤滑油をウォータジ
ャケット内もしくはその近傍を通す熱交換専用通路を備
え、エンジンの運転状態に応じて熱交換通路と熱交換専
用通路を開閉する弁手段を備えたため、熱交換専用通路
を通過する潤滑油はエンジン冷却水との熱交換により冷
却された後にオイルパンまたはオイルポンプの吸い込み
側に戻されるので、潤滑油の冷却能力を高められ、オイ
ルクーラ等を設置する必要がなく、機関の高出力化に対
応することができる。
【0070】請求項5に記載の潤滑油供給装置は、請求
項1から4のいずれか一つに記載のエンジンの発明にお
いて、オイルポンプの吐出圧に応じて熱交換通路を開閉
する弁手段を備えたため、オイルポンプの吐出圧が所定
値を越えて上昇する暖機時の全回転域と暖機後の高回転
域において熱交換通路を開通させることが可能となり、
暖機時における油温の上昇を速められる一方、暖機後の
高回転域で潤滑油が加熱されることを防止できる。
【0071】請求項6に記載のエンジンの潤滑油供給装
置は、請求項2から5のいずれか一つに記載の発明にお
いて、クランクシャフトの内部に主軸受とコンロッドに
対する軸受を連通するクランク内部通路を形成し、主軸
受に第一主軸受用供給通路と第二主軸受用供給通路およ
びクランク内部通路が連通する主軸受溝を形成し、主軸
受溝に第一主軸受用供給通路が連通する部位と、第二主
軸受用供給通路が連通する部位を仕切る隔壁を形成した
ため、常に適量の潤滑油量がクランク内部通路を通して
コンロッド軸受に供給され、コンロッド軸受に介在する
潤滑油が過熱されることを抑えられ、焼き付き等の発生
を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す潤滑油供給システム図。
【図2】同じくエンジンの送油経路を示す斜視図。
【図3】同じく制御弁等を示すエンジンの断面図。
【図4】同じく主軸受等を示すエンジンの断面図。
【図5】同じく主軸受溝等を示す平面図。
【図6】同じくオイルジェット等を示すエンジンの断面
図。
【図7】同じくオイルジェット等を示すエンジンの平面
図。
【図8】同じくオイルポンプの吐出圧とエンジン回転数
の関係を示す特性図。
【図9】同じく暖機時における潤滑油の温度と冷却水の
温度と経過時間の関係を示す特性図。
【図10】他の実施例を示す潤滑油供給システム図。
【図11】従来例を示す潤滑油供給システム図。
【符号の説明】
1 オイルポンプ 4 メインギャラリ 6 ヘッドギャラリ 8 熱交換通路 9 制御弁 10 オイルジェット 11 クランクシャフト 12 主軸受 13 コンロッド 14 コンロッド軸受 15 クランク内部通路 19 第一主軸受用供給通路 20 ピストン 21 ウォータジャケット 23 第二主軸受用供給通路 34 主軸受溝 35 隔壁 43 熱交換専用通路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンにより駆動されるオイルポンプ
    と、 オイルポンプから吐出される潤滑油をエンジン各部に供
    給する潤滑通路と、 オイルポンプから吐出される潤滑油をウォータジャケッ
    ト内もしくはその近傍を通す熱交換通路と、 熱交換通路を通して導かれる潤滑油をピストンに向けて
    噴射するオイルジェットと、 エンジンの運転状態に応じて熱交換通路を開閉する弁手
    段と、 を備えたことを特徴とするエンジンの潤滑油供給装置。
  2. 【請求項2】エンジンにより駆動されるオイルポンプ
    と、 オイルポンプから吐出される潤滑油をクランクシャフト
    を支承する主軸受に供給する第一主軸受用供給通路と、 オイルポンプから吐出される潤滑油をウォータジャケッ
    ト内もしくはその近傍を通す熱交換通路と、 熱交換通路を通して導かれる潤滑油を主軸受に供給する
    第二主軸受用供給通路と、 エンジンの運転状態に応じて熱交換通路を開閉する弁手
    段と、 を備えたことを特徴とするエンジンの潤滑油供給装置。
  3. 【請求項3】エンジンにより駆動されるオイルポンプ
    と、 オイルポンプから吐出される潤滑油をクランクシャフト
    を支承する主軸受に供給する第一主軸受用供給通路と、 オイルポンプから吐出される潤滑油をウォータジャケッ
    ト内もしくはその近傍を通す熱交換通路と、 熱交換通路を通して導かれる潤滑油をピストンに向けて
    噴射するオイルジェットと、 熱交換通路を通して導かれる潤滑油を主軸受に供給する
    第二主軸受用供給通路と、 エンジンの運転状態に応じて熱交換通路を開閉する弁手
    段と、 を備えたことを特徴とするエンジンの潤滑油供給装置。
  4. 【請求項4】オイルポンプから吐出される潤滑油をウォ
    ータジャケット内もしくはその近傍を通す熱交換専用通
    路を備え、 エンジンの運転状態に応じて熱交換通路と熱交換専用通
    路を開閉する弁手段を備えたことを特徴とするエンジン
    の潤滑油供給装置。
  5. 【請求項5】オイルポンプの吐出圧に応じて熱交換通路
    を開閉する弁手段を備えたことを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれか一つに記載のエンジンの潤滑油供給装
    置。
  6. 【請求項6】クランクシャフトの内部に主軸受とコンロ
    ッドに対する軸受を連通するクランク内部通路を形成
    し、 主軸受に第一主軸受用供給通路と第二主軸受用供給通路
    およびクランク内部通路が連通する主軸受溝を形成し、 主軸受溝に第一主軸受用供給通路が連通する部位と、第
    二主軸受用供給通路が連通する部位を仕切る隔壁を形成
    したことを特徴とする請求項2から5のいずれか一つに
    記載のエンジンの潤滑油供給装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100552742B1 (ko) * 2003-10-29 2006-02-20 현대자동차주식회사 디젤 엔진 차량의 윤활 시스템
EP2063094A3 (de) * 2002-11-26 2009-12-09 Fritz Winter Eisengiesserei GmbH & Co. KG Gegossenes Bauteil für eine Brennkraftmaschine
WO2016039065A1 (ja) * 2014-09-11 2016-03-17 マツダ株式会社 エンジンのオイル供給装置

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